説明

把持装置と把持装置を有する製造装置及びその使用方法

【課題】溶接前の、例えばリム等の帯状部材の向き合う端部の隙間を排除し、次工程への搬送手段を小型化し、一旦成形した形状が狂うことのない把持装置、把持装置を有する製造装置、及びその製造方法の提供。
【解決手段】帯状部材100の端部をそれぞれ把持する様に構成され且つ相互に対象である一対の把持部材70を有し、該把持部材は、第1の部材71と第2の部材72、とを有しており、第1の部材及び第2の部材は相互に接近し或いは離隔する様に移動可能に構成され且つ帯状部材の幅方向及び厚み方向について調節可能に構成されており、第1の部材及び第2の部材が接近した状態で一対の把持部材同士を当接する方向へ移動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用タイヤのリムの様に、帯状部材を環状に接続して成形される物品の製造に関する。より詳細には、本発明は、帯状部材を環状に接続して成形される物品の製造に際して、当該帯状部材を把持するための把持装置と、把持装置を有する製造装置と、その製造装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図12〜図18に、従来の車両用リムの製造工程における加工であって、いわゆる「先詰め」加工と「先曲げ」加工とを示す。ここで、図12〜図18は何れも平面図(加工装置全体を上方から見た図)を示す。
図12〜図18で示す「先詰め」加工、「先曲げ」加工は、帯状部材を環状に丸めて端部を溶接で確実に接続するための前段階としての加工方法である。尚、図12〜図18では平板の帯状部材のように示しているが、実際は、規格によって定められた複雑な曲線を持つリム断面である(図21、図7〜図9参照)。
【0003】
本発明の理解を深めるために、先ず、図12〜図18を参照して、車両用タイヤのリム製造工程の一部を説明する。
図12は、加工物(ワーク)セット工程、即ち加工対象であるリムの素環100を加工機械1にセットする工程である。
【0004】
図12において、加工機械1は、第1のホルダ2と、図12における第1のホルダ2の下方に位置する左右1対のリム受けプレート3、3と、そのリム受けプレート3、3で挟まれた位置で図示しない台座に固定された固定部材4と、リム受けプレート3、3及び固定部材4を挟み第1のホルダ2と対向する位置に配置された第2のホルダ5、により構成されている。
【0005】
第1のホルダ2は先曲げ外型7を有しており、先曲げ外型7は、図示しない進退機構、例えばエアシリンダによって、ガイドピン6を(図12において、ホルダ2の上下方向に延在する中心軸に沿った方向について)進退させるように構成されている。そして、第1のホルダ2全体は、図示しない移動機構、例えば油圧シリンダ等により、図12の上下方向について移動可能に構成されている。
【0006】
第2のホルダ5は中央の先詰め外型8と、その(中央の先詰め外型8の)左右に配置された左右の先詰め外型9、9とを有している。そして、第2のホルダ5全体が、図示しない移動機構、例えば油圧シリンダ等により、図12の上下方向に移動可能に構成されている。
【0007】
固定部材4は、前記先曲げ外型7に対向する側(図12の上方)には先曲げ内型11が設けられ、前記中央の先詰め外型8に対向する側(図12の下方)には先詰めの内型12が取付けられている。
【0008】
特に、先曲げ内型11の図示の上面と先曲げ外型7の図示の下面とは、図示の状態で水平に形成されている。そして、先曲げ外型7を図示の下方に移動させれば(図15参照)、先曲げ外型7の図示の下面と先曲げ内型11の図示の上面との間で、ワークであるリムの素環(以降、リムの素環をリムと略記する)100の両端部及びその近傍の領域を押圧する。
その結果、全体が円環状になったリム100の一部(両端部及びその近傍の領域:先曲げ内型11の図示の上面と先曲げ外型7の図示の下面とにより押圧された領域)に水平で且つ型押しされた領域が存在することとなる(図16参照)。
【0009】
左右1対のリム受けプレート3、3には、互いに1個づつワーク保持部材31、31(図12、図13、図18参照)が設けられている。このワーク保持部材31、31は互いに近寄ったり、互いに離隔したりして、互いの距離を調整できるように構成されている。即ち、互いに近寄ることでワークを保持でき(図13〜図17)、互いに離隔することにより保持したワークを離す(図12、図18)ことが出来る。
【0010】
以下、順を追って、リムの「先詰め」加工、「先曲げ」加工を説明する。
図12の工程では、先ず、加工物であるリム100を載せた図示しないワーク運搬機を固定部材4の上方に停止させ、リム100を下降させてリム受けプレート3、3にセットする。この時、環状のリム100の両端部の中央の隙間100s、即ち、接合されていない状態の両端部(切れ目)によって出来た隙間100sの上方に、ガイドピン6がセットされる。
【0011】
図13の工程では、ワーク保持部材31、31でリム100を保持する。ワーク運搬機はリム100を放した後、上昇して、図示しない上流工程側に後退する。そして、先詰め外型8、9を保持した第2のホルダ5を、固定部材4側(図13下方の矢印の方向:図13における上方)に移動させる。また、第2のホルダ5の前進開始と概ね同時に、ガイドピン6を図13中の下方へ進行或いは突出させる。
【0012】
図14の工程では、第2のホルダ5を、中央の先詰め外型8がリム100に当接するまで前進させる。この時、第1のホルダ2も、先曲げ外型7がリム100に接触するまで(図14の矢印Lの方向へ)前進させる。その結果、リム100の開口部(隙間)100sは、リム100の両端部がガイドピン6と接触するまで縮められる。
図15の工程では、第2のホルダ5を(図15下方の矢印の方向へ)後退させる。そして、第1のホルダ2を図15の下方へ前進させる。
【0013】
図16の工程では、ガイドピン6がリム100の両端部によって挟まれた状態で、リム100の先曲げ加工(リム100の両端部及びその近傍の領域を、図示の状態で水平にする加工)を開始する。
先曲げ外型7が(図16の下方へ)前進させる限界位置の少し手前まで移動した段階で、ガイドピン6を後退させる。その後、先曲げ外型7を、(図16の下方へ)さらに前進させてリム100の両端部及びその近傍の領域を押圧し、図示の状態で水平に塑性変形させて、先曲げ加工を完了する。
【0014】
図17の工程では、先曲げが完了し、第1のホルダ2及び先曲げ外型7は(図示の上方へ)移動(後退)している。そして図18の工程では、リム受けプレート3側のワーク保持部材31を解放する。
その後、図示しないワーク運搬機が当該加工機1の上方に移動して来て、その位置で停止し、ワーク運搬機側の図18では図示されていない支持機によりリム100を支持して、図示しない次工程設備側に搬出する。
【0015】
上述したリム100を支持する把持装置は、「クランプ爪」Nを構成している。
図19は、係るクランプ爪Nを簡略化して示しており、クランプ137、141がクランプ爪Nを構成している。
【0016】
図19の例では、クランプ137、141の断面形状は、共に概略コ字状であり、そのコ字状の開放側が対向して配置されている。図19における上下一対の矢印Yは、クランプ137、141によってリム100を挟みこむ方向を示している。
【0017】
リム100を搬送するために、クランプ爪Nとは別途設けられており、リム100を把持する受け取りクランプ20が用いられる。
図20は、かかる受け取りクランプ20と、リム100を挟み込んだクランプ爪Nとの配置を示している。
【0018】
受け取りクランプ20は上下二つの部材20A、20Bで構成され、上下二つの部材20A、20Bは、それぞれ、受け取りアーム21A、21Bの先端に取付けられている。
図20において、部材20A、20Bの対向する面は平面として描かれているが、実際には、図21に示すように、リム100の断面の一部と同様の断面が形成されている。
【0019】
受け取りクランプ20はリム100を咥える時、クランプ爪Nの溝部Ni(コ字状の開放側部分)に挿入される。
そのため、クランプ爪Nの溝部Niの幅Wは、受け取りクランプ20の幅Bよりも広くなくてはならない。
ここで、受け取りクランプ20の幅Bは、両端が近接したリムを搬送するために、所定以上の幅を必要とする。従って、クランプ爪Nの溝部Niの幅Wは、所定値以下に設定することは出来ない。
【0020】
更に、図20に示すように、リム100の切れ目には、ガイドピンが挟み込まれる(図15の符号6参照)ので、リム100の切れ目である両端部には隙間(いわゆる「素環隙間」)が出来る。係る隙間(リム100の両端部間の隙間:素環隙間)が存在した状態で、リムの加工を行うと、リムの加工精度を低下させてしまう。しかし、上述した従来技術では、当該隙間(リム100の両端部間の隙間:素環隙間)を詰めることは出来ない。
【0021】
また、前述の図12〜図18までの工程では、図示しない後続の工程でリムの切れ目を溶接する際に溶接作業が行い易いように、リムの切れ目(両端部)近傍を、図示において水平な状態に形成(先曲げ加工)しているが、係る先曲げ加工に際して、リム100が捩れてしまうことによる誤差や、リムの両端部100e、100e(図4〜図6参照)における軸方向のずれや、半径方向の段差が存在しており、加工に際しては係る「捩れ」、「ずれ」、「段差」を是正しなければならない、と言う問題を抱えている。
【0022】
ここで、車両用ホイール(リム)の先詰め、先曲げ成形を高精度で実行する技術が、本出願人により提案している(特許文献1参照)。
しかし、この従来技術では、リムの切れ目においてガイドピンを挟むことによって、リムの切れ目の隙間の幅を一定にするように構成されているが、当該隙間そのものを除去する訳ではない。従って、リムの切れ目(両端部)の隙間(素環隙間)をゼロにすることは出来ず、更なる高精度を確保することは出来ない。
【0023】
また、一連の工程において、リムの切れ目は溶接等で固定されていないので、リムの先詰め、先曲げ成形を高精度で実行したとしても、先詰め、先曲げ加工が為されたリムを後続の工程を行う設備へ搬送する間に、スプリングバック現象により、リムの切れ目において、上述した軸方向のずれ、半径方向の段差、隙間の様な不整合が発生してしまうという問題が存在する。
【0024】
その他の従来技術として、ディスクホイールリムのアプセットバット溶接方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、当該技術(特許文献2)は、リムの溶接時における溶接品質の向上が目的であり、上述したような問題を何ら解消するものではない。
【特許文献1】特開2000−280041号公報
【特許文献2】特開平7−276058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、帯状部材(リム)の両端部における各種不整合を是正することが出来て、一端接合されたリム両端部の接合部に各種不整合が再び生じることが無い様にせしめることが出来る把持装置と、製造装置及びその使用方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の把持装置は、帯状部材(リム100)の向き合う端部(100e)をそれぞれ把持する様に構成され且つ相互に対称である一対の把持部材(70)を有し、該一対の把持部材(70)の各々は第1の部材(71)と第2の部材(72)とを有しており、第1の部材及び第2の部材(71、72)は相互に接近し或いは離隔する様に移動可能に構成されていると共に、帯状部材(100)の幅方向(軸方向に相当)及び厚み方向(半径方向に相当)について調節可能に構成されており、第1の部材(71)及び第2の部材(72)が接近した状態で一対の把持部材同士(70、70)を当接させる方向へ移動可能に構成されていることを特徴としている(請求項1)。
【0027】
また、本発明の把持装置(37)は、円環状に成形された帯状部材(素環;リム100)の両端部(100e、100e)をそれぞれ把持する様に構成され且つ相互に対称に構成された一対の把持部材(70)を有し、該把持部材(70)は、帯状部材(100)の幅方向(図1のX方向)に移動可能であり且つ第1の凸部(71a)及び第2の凸部(71b)を備えた第1の部材(71)と、当該第1の部材(71)と接近し或いは離隔する(図1のZ方向の動き)様に構成された第2の部材(72)、とを有し、第1の凸部(71a)は、帯状部材(100)の幅方向へ移動した際に帯状部材(100)の一方の幅方向縁部(100a)と当接する様に構成されており、第2の凸部(71b)は、その把持縁部(71d)と第2の部材(72)の把持縁部(72d)と協働して、帯状部材(100)の少なくとも幅方向両端部(100e)近傍部分を把持する様に構成されており、第1の部材(71)と第2の部材(72)とが接近した状態で、一対の把持部材(70、70)同士が接近する方向(図1のY方向)へ移動させて、把持された帯状部材の端部(100e、100e)同士を当接させる様に構成されていることを特徴としている(請求項2)。
【0028】
本発明の製造装置は、請求項1、2の何れかの帯状部材(100)の把持装置(37)を備えており、帯状部材(100)の端部(100e、100e)同士が当接した状態で、一対の把持部材(70、70)の間から、帯状部材の端部(100e)の当接箇所を(仮止めとして)溶接する溶接装置(200)、を有することを特徴としている(請求項3、図11参照)。
ここで、帯状部材(100)の溶接された端部(100e、100e)近傍を把持して、当該帯状部材(100)を前記把持装置(37)から他の加工機械へ搬送する搬送装置を有するように構成することが可能である。
【0029】
前記溶接装置は、帯状部材(100)の端部(100e、100e)同士の当接部分を2箇所溶接する様に構成されている(請求項4)。
【0030】
本発明の製造方法は、請求項1の帯状部材(100)の把持装置(37)を用いた製造方法において、前記把持装置(37)の第1の部材(71)及び第2の部材(72)が相互に接近する方向へ移動させると共に、帯状部材(100)の端部(100e)の位置を帯状部材(100)の幅方向及び厚み方向について調節する工程(図7〜図9の工程)と、第1の部材(71)及び第2の部材(72)が接近した状態で一対の把持部材(70、70)同士が接近する方向へ移動させて、帯状部材(100)の端部(100e、100e)同士を当接させる工程(図10の工程)と、帯状部材(100)の端部(100e、100e)同士が当接した状態で、一対の把持部材(70、70)の間から、帯状部材の端部(100e、100e)の当接箇所を(仮止めとして)溶接する工程(図11)、とを有することを特徴としている(請求項5)。
ここで、帯状部材(100)の溶接された端部(100e、100e)近傍を搬送装置(図20の符号20に相当する部材;受け取り側クランプ)により把持して、当該帯状部材(100)を前記把持装置(37)から他の加工機械へ搬送する様に構成することが可能である。
【0031】
また、本発明の製造方法は、請求項2の帯状部材(100)の把持装置(37)を用いた製造方法において、前記第1の部材(71)を帯状部材(100)の幅方向へ移動する際に、第1の凸部(71a)で帯状部材(100)の一方の軸方向縁部(100a)を押圧して、帯状部材(100)の端部(100e)の幅方向位置を調節する工程(図7、図8の工程)と、前記第1の部材(71)の第2の凸部(71b)における把持縁部(71d)と第2の部材(72)の把持縁部(72d)とを協働して、帯状部材(100)の少なくとも幅方向両端部(100e)近傍部分を把持し、帯状部材(100)の厚み方向位置を調節する工程(図9の工程)と、第1の部材(71)と第2の部材(72)とを接近させて帯状部材の端部(100e)を把持し、当該把持した状態で、一対の把持部材(70、70)同士が接近する方向へ移動させて、把持された帯状部材の端部(100e、100e)同士を当接させる工程(図10の工程)と、帯状部材の端部(100e、100e)同士が当接した状態で、一対の把持部材(70、70)の間から、帯状部材の端部(100e)の当接箇所を(仮止めとして)2箇所溶接する工程(図11の工程)、とを有することを特徴としている(請求項6)。
その際に、帯状部材(100)の溶接された端部(100e)近傍を搬送装置(図20の符号20に相当する部材:受け取り側クランプ)により把持して、当該帯状部材を前記把持手段から他の加工機械へ搬送する様に構成することが出来る。
【発明の効果】
【0032】
上述のような構成を具備する本発明によれば、一対の把持部材(70、70)同士が接近する方向(図1のY方向)へ移動させて、把持された帯状部材の端部(100e、100e)同士を当接させる様に構成されているので、帯状部材の端部(100e、100e)同士を確実に当接することが出来て、従来技術における素環隙間を消滅させることが出来る。
その結果、後続する工程において、帯状部材(100:リム)を所望の形状に高精度にて成形することが出来る。
【0033】
また、本発明によれば、第1の部材(71)を帯状部材(100)の幅方向へ移動させる際に、第1の部材(71)の第1の凸部(71a)で帯状部材(100)の一方の軸方向縁部(100a)を押圧して、帯状部材(100)の端部(100e)の幅方向位置を調節するように構成されているので、帯状部材の幅方向の喰い違い(図2の符号λ)は是正或いは矯正される。
【0034】
そして、第1の部材(71)の第2の凸部(71b)における把持縁部(71c)と第2の部材(72)の把持縁部(72c)とを協働して、少なくとも帯状部材の幅方向両端部(100e)近傍部分を把持し、帯状部材(100)の厚み方向位置を調節するように構成されているので、第1の部材(71)の第2の凸部(71b)を協働して帯状部材の端部(100e)近傍部分を把持した時点で、帯状部材(100)の厚み方向の段差(図2の符号δ)を是正或いは矯正される。
【0035】
ここで本発明によれば、上述した通り、帯状部材の幅方向の喰い違い(図2の符号λ)及び帯状部材(100)の厚み方向の段差(図2の符号δ)が是正或いは矯正されるので、帯状部材(100)に捩れが生じたとしても、当該捩れは(帯状部材の幅方向の喰い違いλ及び厚み方向の段差δが是正或いは矯正される際に)是正或いは矯正されるのである。
【0036】
さらに、帯状部材の端部(100e、100e)同士を接合して素環隙間を消滅させて、帯状部材の幅方向の喰い違い(図2の符号λ)は是正或いは矯正し、帯状部材(100)の厚み方向の段差(図2の符号δ)を是正或いは矯正した時点で、一対の把持部材(70、70)の間から、帯状部材の端部(100e)の当接箇所を2箇所溶接するので、係る溶接により、帯状部材の両端部(100e、100e)同士は強固に仮止めされる。その結果、端部(100e、100e)同士が接合された状態の帯状部材搬送に際して、帯状部材の端部(100e、100e)同士の隙間、幅方向の喰い違い、厚み方向の段差が発生しなくなり、後続する工程で加工される際に高い加工精度が実現できる。
【0037】
ここで、溶接箇所が1箇所のみであると、帯状部材両端部(100e、100e)が溶接箇所を中心軸として回動して正確に接合されない状態となってしまう恐れがあるが、本発明では、帯状部材両端部(100e、100e)の接合箇所における溶接が複数箇所(例えば2箇所)で行われるので、帯状部材両端部(100e、100e)が溶接箇所を中心軸として回動してしまうことは無い。
【0038】
すなわち、帯状部材両端部(100e、100e)の接合箇所を複数箇所(例えば2箇所)にて溶接する本発明によれば、後続する工程に搬送するに際して、帯状部材(100)の変形が発生せず、(従来のような)搬送誤差が発生しない。そして、溶接をしないまま後続工程へ搬送される場合に比べて、搬送装置(例えば、受け取りクランプ)の構造を簡略化して且つ小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、全体を符号37で示す把持装置を模式的に示した斜視図であり、図2は、帯状部材の端部同士で生じる喰い違い及び段差(以下、図示の実施形態においては「不整合」と記載する)の態様を示した図である。
図3〜図6は、当該「不整合」を矯正する態様を、図番の順序に従って示している。
【0040】
図1において、把持装置37は、左右1対の把持部材(以下、「クランプ」と記載する)70、70で構成されている。
クランプ70は、第1の部材71と第2の部材72、とを有している。第1の部材71は、全体がL字状に構成されており、第1の凸部71a及び第2の凸部71bとが形成されている。
【0041】
第2の凸部71bにおいて、第1の部材71の隅角部71cのある側(図1において下側)には把持縁部71dが形成されている。そして、把持縁部71dは、加工対象の帯状部材(例えばリム)を把持する様に構成されている。
図1では、把持縁部71dは単一の平面として表現されているが、これはクランプ70、70の図示を容易にするための簡略化である。実際のリムの成形装置において、クランプ70の把持縁部71dは、図7〜図9に示すように、複雑なリム断面形状と相補形状に形成される。
【0042】
第2の部材72において、第1の部材71と対抗する側には把持縁部72dが形成されている。第2の部材72における把持縁部72dは、第1の部材71の把持縁部71dと協働して、リムを把持する。第2の部材72の把持縁部72dも、図1では単一の平面として表現されているが、実際の装置においては、第1の部材71の把持縁部71dと同様に、複雑な加工対象のリム断面形状と相補形状に形成されている。
【0043】
第1の部材71の把持縁部71dと第2の部材72の把持縁部72dとは、図示しないアクチュエータ(例えば油圧機器)により、図1の矢印Z方向において相互に近接する方向に相対的に移動し、以って、円環状に丸められた素環のリム(図1では図示せず)の端部近傍を把持するように構成されている。
【0044】
第1の部材71と第2の部材72は、図1のX方向にも移動可能である。その場合、左右のクランプ70は、左右同時にX方向に移動することも出来るが、必要に応じて、左右何れかのクランプ70のみをX方向に移動することも可能である。
【0045】
前述したように左右のクランプ70、70は夫々の第1の部材71と第2の部材72を接近させることによって加工対象のリムの切れ目(帯状部材の両端部:接合部)近傍を把持する事が出来る。
そして、左右のクランプ70、70の各々が、リムの両端部近傍を把持した状態で、図示しないアクチュエータによって、左右のクランプ70、70同士を図1の矢印Y方向に移動(接近)させることによって、帯状部材(リム)の両端部を当接することが出来るように構成されている。
【0046】
ここで、円環状に丸められたリム100の接合部(両端部、或いは切れ目)100e、100eには、図2に示す様な不整合が生じている。
【0047】
換言すれば、図2で示す様に、円環状に丸められたリム100の両端部100e、100eは、相互に、幅方向のずれ(喰い違い:図1のX方向のずれ)λと、リム100の厚み方向の段差(図1のZ方向のずれ)δと、リム100の両端部部100e、100e間の隙間(いわゆる「素環隙間」:図1のY方向のずれ)が存在している。そして、係る幅方向のずれ(喰い違い:図1のX方向のずれ)λと、厚み方向の段差(図1のZ方向のずれ)δと、いわゆる「素環隙間」に相当する隙間(図1のY方向のずれ)とにより、図2に示す様な不整合が構成されているのである。
【0048】
次に、図3〜図6を参照して、上記不整合を矯正する態様について、順次、説明する。
図3では、円環状に丸められたリム100の端部(切れ目)100e、100eの各々が、1対のクランプ70、70の各々において、第1の部材71と第2の部材72との間に配置されるように、リム受けプレート3上に載置する。
【0049】
図4では、夫々の(左右の)クランプ70の第1の部材71をX方向に移動させることによって、第1の部材71における第1の凸部71aを、リム100の一方の縁部100aに当接させる。ここで、図4では、第1の部材71における第1の凸部71aにおいて、リム100の縁部100aに当接する部分にはハッチングが付されている。
【0050】
図4で示す段階において、左右のクランプ70における第1の部材71、71を同時にX方向に移動して、且つ、同一のX方向位置で停止させる。
ここで、幅方向のずれλがあったとしても、リム100の両端部近傍の部分(縁部100a)が第1の部材71における第1の凸部71aで押圧されるので、X方向について同一位置で停止した時には、幅方向のずれλは矯正されているのである。
【0051】
図5で示す段階では、夫々のクランプ70における第2の部材72が、第1の部材71に対して、Z方向について移動(接近)する。そして、第1の部材71と第2の部材72とが協働して、リムの端部100eを把持する。
その際に、厚み方向の段差δ(図2参照)が存在しても、左右のクランプ70、70における第1の部材71と第2の部材72とが、Z方向について同一位置にてリムの端部100eを把持するので、第1の部材71と第2の部材72とが協働してリムの端部100eを把持した段階で、厚み方向の段差δは矯正される。
【0052】
上述した通り、図示の実施形態によれば、リム両端部100e、100eにおける幅方向のずれλと、厚み方向の段差δが矯正されるので、リム100が捩れたとしても、当該捩れ(図示せず)は、幅方向のずれλと厚み方向の段差δが矯正されることにより、解消する。
【0053】
図5で示す段階で、軸方向のずれλ及び厚み方向の段差δ(図2参照)が矯正され、リム100の捩れも解消している。そして、図6で示す段階では、左右のクランプ70をY方向に移動して相互に接近させることによって、リムの両端部100e、100eが当接され、リムの両端部100e、100e間の隙間(いわゆる「素環隙間」)が無くなる。
尚、図6では省略しているが、リムの両端部100e、100eが当接された際に、図11を参照して後述する様な態様で、当接したリムの両端部100e、100eにおける接合部の2箇所が、公知の溶接方法によって溶接される。
【0054】
図7〜図11は、車両用リムの先詰め・先曲げ加工方法を、詳細に説明する工程図である。
以下、図7〜図11に基づいて、車両用リムの先詰め・先曲げ加工方法を詳細に説明する。
【0055】
図7に示す工程では、円環状に丸められたリム100(両端部100e、100eが接合されていない状態のリム100)を、リム受けプレート3上に載置する。ここで、リム100の両端部100e、100e近傍の領域は、クランプ70の第1の部材71と第2の部材72の間に位置する様に載置されている。
図7では明確に示されていないが、リム100の端部(切れ目)100eは1対のクランプ70、70の間に配置されている。
【0056】
図1を参照して上述した様に、そして図7〜図9を参照すれば明らかな様に、第1の部材71の把持縁部71dの形状は、図7〜図9において上下方向中央の領域を除き、リム100における外周側プロフィルと一致している。そして、第2の部材72の把持縁部72dの形状は、図7〜図9において上下方向中央の領域を除き、リム100における内周側プロフィルと一致している。
第1の部材71の把持縁部71dと、第2の部材72の把持縁部72dは、相補的な形状であり、第1の部材71の把持縁部71dと第2の部材72の把持縁部72dが協働して、複雑な成形後断面のプロフィルを成形されたリム100を把持するのである。
【0057】
図8において、左右一対のクランプ70、70(図7〜図9では一方のクランプ70のみを示す)の第1部材71を、図8中の矢印X方向に移動させることによって、第1の部材71における第1の凸部71aを、リム100の一方の縁部100aに当接させる。図8では、第1の凸部71aにおいて、リム100の一方の縁部100aに当接する領域には、ハッチングを付している。
第2の部材72も、第1の部材71と共に、図8中の矢印X方向へ必要に応じて移動可能である。
【0058】
図8で示す工程において、リム100の両端部100e、100e同士に軸方向のずれ(喰い違い)λ(図2参照)があっても、第1の部材71が矢印X方向へ移動する際に、端部100eが第1の部材71における第1の凸部71aに押圧されて矢印X方向へ移動し、そして、左右のクランプ70、70が矢印X方向について同一の位置で停止するので、両端部100e、100e同士における軸方向のずれλは矯正される。
なお、図8で示す工程は、図4を参照して上述した工程である。
【0059】
図9で示す工程においては、左右のクランプ70、70の各々において、第2の部材72と第1の部材71とが、矢印Z方向に相対的に接近する様に移動する。そして、第2の部材72と第1の部材71とが協働して、リム100の端部100e近傍の領域を把持する。
この際に、第2の部材72及び第1の部材71が端部100e近傍を把持した段階では、第2の部材72及び第1の部材71の矢印Z方向における位置は、左右のクランプ70、70において同一となる。
【0060】
ここで、リム100の両端部100e、100e同士に厚み方向の段差δ(図2参照)が存在しても、第2の部材72及び第1の部材71が端部100e近傍を把持した段階で、左右のクランプ70、70において第2の部材72及び第1の部材71の矢印Z方向における位置は同一となるので、厚み方向の段差δは矯正されて、存在しなくなる。
図9で示す工程は、図5を参照して上述した工程である。
【0061】
上述した通り、リム100の両端部100e、100eの幅方向のずれλと厚み方向の段差δが是正或いは矯正されるので、リム100が捩れたとしても、当該捩れ(図示せず)は幅方向の喰い違いλと厚み方向の段差δが矯正されることにより解消する。
【0062】
図9で示す工程が実行された段階で、軸方向のずれλ、厚み方向の段差δが矯正され、リム100の捩れが解消している。
図10で示す工程では、リムの両端部100e、100eが隙間(いわゆる「素環隙間」)を隔てて隣接している状態を、左右のクランプ70同士を矢印Y方向に移動して接近させることによって、両端部100e、100eを当接させる。
図10で示す工程は、図6を参照して上述した工程である。
【0063】
図10において、符号73は、左右のクランプ70における第1の部材71同士を、矢印Y方向について接近させ或いは離隔させるための第1の移動部材を示す。また、符号74は、左右のクランプ70における第2の部材72同士を、矢印Y方向について接近させ或いは離隔させるための第2の移動部材を示す。
すなわち、図10で示す工程においては、第1の移動部材73及び第2の移動部材74により、リムの両端部100e、100e近傍を把持している状態のクランプ70同士を、矢印Y方向について接近させる様に移動して、リムの両端部100e、100e同士を接合させるのである。そして、リムの両端部100e、100e同士を接合させれば、上述した隙間(素環隙間)は消滅する。
【0064】
図10で示す段階で、リム両端部100e、100e同士は、不整合の無い状態で接合(当接)されている。
次の図11における工程では、当接したリム両端部100e、100eの接合部における2箇所(図11において、紙面と直交する方向について離隔した2点)を公知の溶接方法、(例えば、アーク溶接)によって接合する。
例えば、符号200で示す溶接棒を図11の上方から下降して、溶接棒下端の図示しない溶接部分を、左右のクランプ70、70の隙間を経由して、リム両端部100e、100eの接合部に接触せしめ、以って、リム両端部100e、100eの接合部を溶接する。
【0065】
ここで、図10で示す工程が実行された段階では、図6において模式的に表現されている様に、リム100の両端部100e、100e同士は接合していても、左右のクランプ70、70同士は接触していない。
従って、図10で示す工程が完了しても、左右のクランプ70、70同士は、図10(或いは図6)において、矢印Y方向については離隔しており、左右のクランプ70、70間には隙間が存在する。図11で示す溶接は、左右のクランプ70、70間の隙間を経由して溶接機械をリム両端部100e、100eの接合部まで進入させることにより、可能となるのである。
【0066】
左右のクランプ70、70間に存在する隙間は、例えば図19、図20で示すクランプ爪Nには設けることが出来ず、それ故に、従来技術では、円環状に丸められたリム100を、リム受けプレート3上に載置している間に、リム両端部100e、100eの接合部を溶接することが出来なかった。
換言すれば、リム両端部100e、100eの接合部を溶接することは、従来技術のクランプ爪Nに相当するリムの把持機構を、左右一対のクランプ70、70で構成した図示の実施形態でなければ、実行が不可能なのである。
【0067】
リム両端部100e、100eの接合部を2箇所溶接することにより、受け取りクランプ20で把持される際にも、リム100は円環形状を維持することが出来るので、リム100の加工精度を向上することが出来るのである。
【0068】
すなわち、上述した構成の本実施形態によれば、第1の部材71を車両用リム100の幅方向へ移動する際に、第1の部材71の第1の凸部71aでリム100の一方の軸方向縁部100aを押圧して、リムの端部100eの幅方向位置を調節するように構成されているので、リムの幅方向の喰い違い(図2における符号λ)は生じない。
【0069】
また、第1の部材71における第2の凸部71bにおける把持縁部71dと第2の部材72における把持縁部72dとを協働して、少なくともリムの幅方向両端部100e近傍部分を把持し、リム100の厚み方向位置を調節するように構成されているので、リム100の厚み方向の段差(図2における符号δ)は生じない。
【0070】
さらに、各々のクランプ70において第1の部材71と第2の部材72とを接近させてリムの端部100e近傍の領域を把持し、リムの端部100e近傍の領域を把持した状態で、一対のクランプ70、70同士を接近する方向へ移動して、把持されたリム端部100e、100e同士を当接させることにより、従来技術においては無くすることが出来なかったリム端部100e、100e間の隙間(素環隙間)を消滅させることが出来る。
【0071】
これに加えて、一対のクランプ70、70の間から、リムの端部100eの当接箇所を2箇所溶接するように構成されているので、搬送時のリムの端部100e、100e同士が不整合の無い状態を維持しつつ、受け取りクランプ20により、次工程以降の加工設備に移動することが出来る。これにより、リム100に対する精度の良い加工が継続される。
【0072】
加えて、当接箇所を複数箇所(2箇所)溶接することにより、リム両端部100e、100eに不整合を生じてしまうことが無く、従来のように、溶接をしないまま次工程に搬送するのに比べて、搬送装置(例えば、受け取りクランプ)における把持面積を更に小型化することができる。
【0073】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態の把持装置の構成を模式的に示した斜視図。
【図2】加工対象の不整合を示す斜視図。
【図3】実施形態で、加工対象をセットした際の状態を模式的に示す説明図。
【図4】実施形態で、幅方向の矯正を模式的に示す説明図。
【図5】実施形態で、厚み方向の矯正を模式的に示す説明図。
【図6】実施形態で、加工対象の両端部の接合を模式的に示す説明図。
【図7】実施形態で、加工対象をリム受けプレート上にセットした状態を示す断面図。
【図8】実施形態で、幅方向の矯正を具体的に示す断面図。
【図9】実施形態で、厚み方向の矯正を具体的に示す断面図。
【図10】実施形態で、加工対象の両端部を接近させる状態を具体的に示す平面図。
【図11】実施形態で、加工対象の両端部の接合を具体的に示す平面図。
【図12】従来技術で、加工前のセット時を説明する平面図。
【図13】従来技術で、ガイドピンによる位置合わせのセット状態を説明する平面図。
【図14】従来技術で、ガイドピンによる位置合わせを説明する平面図。
【図15】従来技術で、ガイドピンを抜く状態を説明する平面図。
【図16】従来技術の先曲げ加工を説明する平面図。
【図17】従来技術で、第1のホルダを後退させる状態を説明する。
【図18】従来技術で、次工程にリムを搬出する前の待機状態を説明する平面図。
【図19】従来技術の把持装置であるクランプを模式的に示す斜視図。
【図20】従来技術で、リムをクランプで挟持した状態を示す斜視図。
【図21】従来技術で、受け取りクランプとリムとを示す断面図。
【符号の説明】
【0075】
1・・・加工機械
37・・・把持装置
70・・・把持部材/クランプ
71・・・第1の部材
71a・・・第1の凸部
71b・・・第2の凸部
71d・・・把持縁部
72・・・第2の部材
72d・・・把持縁部
100・・・円環状に丸められた帯状部材のリム/リム
100a・・・リムの一方の縁部
100e・・・端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状部材の向き合う端部をそれぞれ把持する様に構成され且つ相互に対称である一対の把持部材を有し、該一対の把持部材の各々は第1の部材と第2の部材とを有しており、第1の部材及び第2の部材は相互に接近し或いは離隔する様に移動可能に構成されていると共に、帯状部材の幅方向及び厚み方向について調節可能に構成されており、第1の部材及び第2の部材が接近した状態で一対の把持部材同士を当接させる方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする帯状部材の把持装置。
【請求項2】
円環状に成形された帯状部材の両端部をそれぞれ把持する様に構成され且つ相互に対称に構成された一対の把持部材を有し、該把持部材は、帯状部材の幅方向に移動可能であり且つ第1の凸部及び第2の凸部を備えた第1の部材と、当該第1の部材と接近し或いは離隔する様に構成された第2の部材、とを有し、第1の凸部は、帯状部材の幅方向へ移動した際に帯状部材の一方の幅方向縁部と当接する様に構成されており、第2の凸部は、その把持縁部と第2の部材の把持縁部と協働して、帯状部材の少なくとも幅方向両端部近傍部分を把持する様に構成されており、第1の部材と第2の部材とが接近した状態で、一対の把持部材同士が接近する方向へ移動させて、把持された帯状部材の端部同士を当接させる様に構成されていることを特徴とする帯状部材の把持装置。
【請求項3】
請求項1、2の何れかの帯状部材の把持装置を備えており、帯状部材の端部同士が当接した状態で、一対の把持部材の間から、帯状部材の端部の当接箇所を溶接する溶接装置、を有することを特徴とする製造装置。
【請求項4】
前記溶接装置は、帯状部材の端部同士の当接部分を2箇所溶接する様に構成されている請求項3の製造装置。
【請求項5】
請求項3、4の何れかの把持装置の使用方法において、前記把持装置の第1の部材及び第2の部材が相互に接近する方向へ移動させると共に、帯状部材の端部の位置を帯状部材の幅方向及び厚み方向について調節する工程と、第1の部材及び第2の部材が接近した状態で一対の把持部材同士が接近する方向へ移動させて、帯状部材の端部同士を当接させる工程と、帯状部材の端部同士が当接した状態で、一対の把持部材の間から、帯状部材の端部の当接箇所を溶接する工程、とを有することを特徴とする方法。
【請求項6】
前記第1の部材を帯状部材の幅方向へ移動する際に、第1の凸部で帯状部材の一方の軸方向縁部を押圧して、帯状部材の端部の幅方向位置を調節する工程と、前記第1の部材の第2の凸部における把持縁部と第2の部材の把持縁部とを協働して、帯状部材の少なくとも幅方向両端部近傍部分を把持し、帯状部材の厚み方向位置を調節する工程と、第1の部材と第2の部材とを接近させて帯状部材の端部を把持し、当該把持した状態で、一対の把持部材同士が接近する方向へ移動させて、把持された帯状部材の端部同士を当接させる工程と、帯状部材の端部同士が当接した状態で、一対の把持部材の間から、帯状部材の端部の当接箇所を2箇所溶接する工程、とを有する請求項5の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2007−289994(P2007−289994A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120012(P2006−120012)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)