説明

投光器

【課題】 浴室内に星空を再現することにより、入浴による疲労回復をより効果的に得られるようにすることを目的とする投光器である。
【解決手段】 先端開口部3に透明板4を嵌め込んだ密封ハウジング2内に、基端から順に、光源5、コンデンサレンズ群6、多数の星を形成したフィルム7、軸方向Lへの移動可能な投影レンズ8、前記した透明板4を同一軸L上に配した構成で、浴室内に設置して光源5を発光させると、多数の星のドットが浴室内の所定の壁面や天井面に投影照射されて星空が再現され、投影レンズ8を軸方向に移動調整することにより壁面や天井面に対するピントあわせを達成する。光源5等を内蔵したハウジングは完全な密封構造であるので、浴室内で使用しても水分や蒸気が浸入してしまうことはない

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室で使用する投光器に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の浴室は、単に体を洗う場所としてだけではなく、精神的な安寧を得る場所としても捉えられてきており、長時間にわたる入浴に対応してテレビジョン装置や音響設備を配したり、読書が可能になるようしたり、照明に工夫を凝らしたり等、されてきていた。
【0003】
特に精神的・肉体的な疲労の回復の一手段として眼を休めることは極めて重要であり、この場合、単に浴槽内で眼を瞑るというだけでなく、柔らかい色調のものを見つめることも良策といわれており、そのため前記したように浴室内の照明にも工夫がなされるのであるが、更に進んである種の光から悠久のイメージが醸し出されるとしたら、それ以上の癒し効果はない。
【0004】
人にとって最も大きなスケールは宇宙空間であって、その真っ只中に位置するようなイメージが得られれば、疲労回復に大いに役立つであろう。そして、宇宙空間の具体的な視覚認知は星空である。
【0005】
プラネタリウムはこの星空を人工的に視認できる空間として従来より知られているが、大きな設備を必要とするので一般的ではない。この点に鑑みて以下の如き特許文献の提案がなされている。
【特許文献1】特開2006−308785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献1の発明は、プラネタリウム装置を簡易な構成にして一般家庭内でも使用できるようにしたものである。しかしながらこの発明はあくまでもプラネタリウム装置に拘泥しているため、天体の運行の再現を目的としており、そのため各種の動力機構を組み込んでいるので、それだけ構造が複雑となっており、単なる照明装置を越えたものになっている。
【0007】
よって本発明は、上述した従来技術の欠点、不都合、不満を解消するべく開発された投光器であって、浴室内に星空を再現することにより、入浴による疲労回復をより効果的に得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の投光器は、先端開口部に透明板を嵌め込んだ密封ハウジング内に、基端から順に、光源、コンデンサレンズ群、多数の星を形成したフィルム、軸方向への移動可能な投影レンズ、前記した透明板を同一軸上に配したことを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0009】
従って本発明の投光器を浴室内に設置し、光源を発光させると、光はコンデンサレンズを透過してフィルムを照射し、多数の星を形成した透明部分を透過して、投影レンズから透明板を透過し、多数の星のドットが浴室内の所定の壁面や天井面に投影照射され、星空が再現されるのである。
【0010】
この場合、投影レンズを軸方向に移動調整することにより壁面や天井面に対するピントあわせを達成する。
【0011】
そして光源等を内蔵したハウジングは完全な密封構造であるので、浴室内で使用しても水分や蒸気が浸入してしまうことはない等、本発明は多くの優れた作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の投光器1は、密封されるハウジング2の先端開口部3に透明板4を嵌め込み、基端から順に、光源5、コンデンサレンズ群6、多数の星を形成したフィルム7、軸方向への移動可能な投影レンズ8、そして前記した透明板4を同一軸上Lに配した構成である。
【実施例1】
【0013】
ハウジング2は、先端がすぼまる四角錐台筒形状の胴筒9の先端に先端板10を一体連接すると共に、基端に基端板11をシールリング12を介して密封した構成である。先端板10の中心には開口部3が開設され、この開口部3内にシールリング13を介して透明板4を密封嵌め込みすることによりハウジング2は密閉される。
【0014】
基端板11内には電池ケース14が配され、この電池ケース14にはシールリング15を介して蓋板16が嵌め込まれる。
【0015】
電池ケース14の先端側には、電池ケース14内の電池と電気的に接続された発光ダイオード等の光源5がケース17により保持され、胴筒9にシールリング18を介して装着されたスイッチツマミ19の先端にスイッチ20を設け、スイッチツマミ19を回転させることによりスイッチ20を開閉し、光源5を点灯させる。この光源5はリード線21により電池と接続される。
【0016】
この光源5の先方には、ハウジング2と同一軸心上に第一の鏡筒22が配される。この第一の鏡筒22内には、基端より順に集光用、拡大用、反転用の3枚のコンデンサレンズ6が嵌め込まれる。
【0017】
次に、第一の鏡筒22の先方にはフィルム7が配される。このフィルム7は星座の多数の星を模したポジフィルムであり、星の部分は光の透過ができる透明である。
【0018】
またフィルム7の先方には、ハウジング2と同一軸心L上に投影レンズ8が嵌め込まれた第二の鏡筒23が配される。円筒形状のこの第二の鏡筒23には、回動自在にハウジング2に組み付けられた円筒形状のホルダー24が螺合(図示省略)外装され、第二の鏡筒23は、ホルダー24の回動により軸L方向に沿って前進後退動する。また、ホルダー24の基端開口端面に肉厚方向に沿って全周に歯溝25が多数刻設されている。
【0019】
一方、胴筒9にはシールリング26を介して装着されたダイヤル27の軸ピン28が、上記したホルダー24の軸心Lに直行する形態でハウジング2内に延出し、軸ピン28の先端に装着した歯車29がホルダー24の歯溝25に歯合して機械的に接続される(図2参照)。即ちダイヤル22の回動により歯車29が回動し、この回転力は歯溝25を介してホルダー24に伝達されるため、ホルダー24はハウジング2と同一軸Lで回転することになる。そして第二の鏡筒23はホルダー24と螺合しているので第二の鏡筒20が軸方向Lに前進後退移動可能となり、第二の鏡筒23内の投影レンズ8のピント調整ができるようになっている。
【0020】
従って、基端から順に、光源5、第一の鏡筒19、フィルム7、第二の鏡筒20、透明板4をハウジング2と同一軸心L上に配されることになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明にかかる投光器の概略断面図である。
【図2】ダイヤルの軸ピンの先端に装着した歯車とホルダーの歯溝との歯合状態を示す拡大説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 投光器
2 ハウジング
3 先端開口部
4 透明板
5 光源
6 コンデンサレンズ群
7 フィルム
8 投影レンズ
9 胴筒
10 先端板
11 基端板
12 シールリング
13 シールリング
14 電池ケース
15 シールリング
16 蓋板
17 ケース
18 シールリング
19 スイッチツマミ
20 スイッチ
21 リード線
22 第一の鏡筒
23 第二の鏡筒
24 ホルダー
25 歯溝
26 シールリング
27 ダイヤル
28 軸ピン
29 歯車
L 軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端開口部(3)に透明板(4)を嵌め込んだ密封ハウジング(2)内に、基端から順に、光源(5)、コンデンサレンズ群(6)、多数の星を形成したフィルム(7)、軸方向(L)への移動可能な投影レンズ(8)、前記透明板(4)を、同一軸(L)上に配したことを特徴とする投光器。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−140848(P2009−140848A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318104(P2007−318104)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(507261766)株式会社ミックススタイル (1)
【Fターム(参考)】