説明

投写型映像表示装置

【課題】投写型映像表示装置において、投写型映像表示装置の特性の低下を抑制しつつ、フレームレートの変更を可能にする。
【解決手段】投写型映像表示装置は、入力された映像信号のフレームレートに対応した駆動周波数で駆動される光源部24と、入力された映像信号に基づいて光源部24から出射された光を変調するための光変調素子18と、光変調素子18により変調された光を投写するための投写レンズ22と、制御部100とを備える。そして、制御部100は、光源部24の出力特性に基づく駆動周波数の変更範囲内で、入力された映像信号のフレームレートを変更させるように構成されたレート変更部120を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投写型映像表示装置に関し、より特定的には、映像信号のフレームレートの変更が可能な投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投写型映像表示装置(以下、プロジェクタとも称する。)において使用される画像データは、画質、汎用性、コスト等の観点から、家庭用テレビ装置やビデオ装置等に使用されているNTSC信号やPAL信号などのアナログ信号が適用される場合がある。このような画像データは、50フレーム/秒あるいは60フレーム/秒などの一定間隔のフレームレートで伝送される。
【0003】
一般的なプロジェクタでは、表示する映像のフレームレートをプロジェクタに入力される映像信号のフレームレートと同じフレームレートとする場合が多いが、フレームレートを変換させる機能を有したプロジェクタも存在する。
【0004】
特開2004−104209号公報(特許文献1)は、液晶表示装置により動画映像を表示する動画映像表示装置において、低温の場合に動画映像のフレームレートを低減することによって、液晶表示素子の応答性が低下する低温環境下においても、鮮明な動画映像を表示することができる技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−104209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プロジェクタにより表示された映像をテレビカメラで撮影する場合、表示された映像のフレームレートとテレビカメラの撮影映像のフレームレートとが異なると、撮影した映像にノイズが発生する場合がある。これに対応するために、プロジェクタにより表示される映像のフレームレートを、テレビカメラのフレームレートに合わせるように変更する構成とすることは可能であるが、フレームレートを極端に変更するとかえってプロジェクタの他の部分に悪影響をおよぼす可能性がある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、投写型映像表示装置において、投写型映像表示装置の特性の低下を抑制しつつ、フレームレートの変更を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従う投写型映像表示装置は、光源部と、光変調部と、投写部と、レート変更部とを備える。光源部は、入力された映像信号のフレームレートに対応した駆動周波数で駆動される。光変調部は、入力された映像信号に基づいて、光源部から出射された光を変調する。投写部は、光変調部により変調された光を投写する。レート変更部は、光源部の出力特性に基づく駆動周波数の変更範囲内で、入力された映像信号のフレームレートを変更させるように構成される。
【0009】
このような構成の投写型映像表示装置によれば、フレームレートに対応して駆動される光源部の出力特性に基づいて設定される、光源部の駆動周波数の変更範囲内で、入力された映像信号のフレームレートを変更できる。これによって、光源部の出力特性が低下されることを抑制しつつ、入力された映像信号のフレームレートを変更することができる。
【0010】
好ましくは、レート変更部は、変更後のフレームレートをユーザにより指定されたフレームレートになるように変更する第1のモードと、変更後のフレームレートを入力された映像信号のフレームレートに同期させる第2のモードとを切替え可能に構成される。
【0011】
このような構成をすることによって、たとえば、投写型映像表示装置により投写された映像をビデオカメラ等で撮影する場合に、フレームレートの違いに起因して発生する撮影映像のノイズを低減する目的で、ユーザからの指定のフレームレートに変更する第1のモードと、動画のスムーズな画質を優先する目的で、入力された映像信号のフレームレートと同期させる第2のモードとを切替えることが可能となり、目的に合わせたフレームレートを設定することが可能になる。
【0012】
好ましくは、投写型映像表示装置は、ユーザによって第1のモードおよび第2のモードの選択が可能に構成された設定部をさらに備える。
【0013】
このような構成とすることによって、ユーザが第1のモードおよび第2のモードを設定部の操作によって設定することが可能となる。
【0014】
好ましくは、レート変更部による変更後のフレームレートは、第1のフレームレートと、第1のフレームレートとは異なる第2のフレームレートとを含む。そして、変更範囲は、第1のフレームレートおよび第2のフレームレートの各々に対応して設定される。
【0015】
このような構成とすることによって、たとえば、映像信号として一般的に使用されるNTSC信号,PAL信号に対応したフレームレートに設定することができる。また、各設定したフレームレートに対して変更範囲を設定することで、その変更範囲内でフレームレートの微調整をすることが可能になる。
【0016】
好ましくは、ユーザによって第1のフレームレートおよび第2のフレームレートの選択が可能に構成された設定部をさらに備える。
【0017】
このような構成とすることによって、ユーザが第1のフレームレートおよび第2のフレームレートを設定部の操作によって設定することが可能となる。
【0018】
好ましくは、出力特性は、前記光源部の寿命に関する特性を含む。
このような構成とすることによって、光源部の寿命の低下を抑制しつつ、フレームレートを変更することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による投写映像表示装置によれば、投写型映像表示装置の特性の低下を抑制しつつ、フレームレートの変更を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る投写型映像表示装置の概略構成図である。
【図2】図1におけるカラーホイールの概略構成図である。
【図3】ランプ駆動周波数を説明するための図である。
【図4】本実施の形態におけるプロジェクタの画像処理の制御構造を示す機能ブロック図である。
【図5】フレームレートの変更範囲を説明するための図である。
【図6】本実施の形態における、フレームレート設定制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0022】
[投写型映像表示装置の基本構造の説明]
図1は、この発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置(以下、「プロジェクタ」とも称する。)の主要部の構成を模式的に示す図である。
【0023】
図1を参照して、プロジェクタは、光源から入射した照明光を反射型の光変調素子を用いて反射光として変調するタイプのプロジェクタであって、光学エンジン1と、投写レンズ22とを備え、その外郭を筐体(図示せず)で覆われている。なお、プロジェクタは、スピーカ等の音声を出力するための構成要素や、光学エンジン1の構成要素および音声出力手段を電気的に接続するための回路基板なども搭載されているが、図1では、これらを含む一部の構成要素の図示は省略されている。
【0024】
光学エンジン1は、光源ランプ10と、コンデンサレンズ12と、カラーホイール14と、ロッドインテグレータ16と、光変調素子18と、内部全反射(Total Internal Rejection:TIR)プリズム20とを備える。
【0025】
光源ランプ10は、たとえば超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどからなる。光源ランプ10は、筐体に対して着脱自在な状態で装着されている。光源ランプ10から出射された光は、コンデンサレンズ12に入射される。
【0026】
コンデンサレンズ12は、光源ランプ10から入射された光に集光作用を付与する。コンデンサレンズ12を透過した光は、カラーホイール14に入射する。
【0027】
カラーホイール14は、光源ランプ10から出射された光を受けて、複数の色光を順に出射する。具体的には、カラーホイール14は、光源ランプ10の光軸に平行な回転軸142を含む。回転軸142は、図示しないモータに連結されており、当該モータを回転駆動することによって、カラーホイール14は回転軸142を中心として回転する。
【0028】
図2は、回転軸方向から見たカラーホイール14の平面図である。
図2を参照して、カラーホイール14は、回転軸142を中心とする円周方向に並べて配置された、カラーフィルタ144,146,148を含む。
【0029】
カラーフィルタ144,146,148は、それぞれ単一の色光を出射する。具体的には、カラーフィルタ144は、光源ランプ10からの光を受けて、赤色波長域の光(以下、「R光」とも称する。)を出射する。カラーフィルタ146は、光源ランプ10からの光を受けて、緑色波長域の光(以下、「G光」とも称する。)を出射する。カラーフィルタ148は、光源ランプ10からの光を受けて、青色波長域の光(以下、「B光」とも称する。)を出射する。
【0030】
したがって、カラーホイール14が回転軸142を中心にして回転することにより、カラーホイール14からはR光、G光、B光がその順に周期的に出射される。これにより、ロッドインテグレータ16には、R光、G光、B光が時分割で切替えて入射される。
【0031】
なお、3色の色光の出射の順番は、カラーホイール14の構成に応じて任意である。また、出射する色光は、R,G,Bの3色に限定されるものではなく、4色以上の色光を周期的に出射することも可能である。この場合、複数の色光にそれぞれ対応する複数のカラーフィルタの角度範囲は、複数の色光を混合する比率に応じて調整される。
【0032】
上述の、光源ランプ10、コンデンサレンズ12およびカラーホイール14によって、光源部24が構成される。
【0033】
再び図1を参照して、カラーホイール14から周期的に出射されるR光、G光およびB光は、ロッドインテグレータ16の一方の端部に入射されると、ロッドインテグレータ16の内部を伝搬してロッドインテグレータ16の他方の端部から出射される。
【0034】
ロッドインテグレータ16から出射された光は、TIRプリズム20を介して光変調素子18の光入射面に導かれる。
【0035】
光変調素子18は、DMD(Digital Micromirror Device)(TI社の登録商標)であり、複数の微小ミラーによって構成されている。複数の微小ミラーは可動式であり、各微小ミラーの角度を変更することによって、TIRプリズム20から受けた光を投写レンズ22側に反射するか否かを切替える。このようにして各微小ミラーを駆動して反射角度を変更することによって出射光の輝度を変調する。
【0036】
光変調素子18は、カラーホイール14が回転することによってR光、G光およびB光が順に出射されるタイミングに同期して、各微小ミラーを制御する。すなわち、映像信号に基づいて、カラーホイール14による色光の出射タイミングと同期して各微小ミラーを駆動させ、各色光を投写レンズ22へ反射させる割合を変化させることによって、投写面S上に投写される各画素の色および輝度を変化させる。
【0037】
光変調素子18で反射された色光は、投写レンズ22を経てスクリーン等の投写面Sに投写される。投写面Sには、カラーホイール14の回転に応じて、R、G、Bの色光による画像が順に投写される。投写面S上に投写される各色の色光による画像は、人間の目には、それらの色光による画像が重ね合わせて生成されるカラー画像として認識される。
【0038】
このようなプロジェクタによって表示される映像を、テレビカメラ等を用いて撮影する場合に、撮影映像にノイズが発生する場合がある。これは、表示映像のフレームレートと撮影映像のフレームレートとが異なることが原因の1つである。このような撮影映像中のノイズを低減するためには、プロジェクタからの表示映像のフレームレートを、撮影に用いられるテレビカメラのフレームレートに同期させることが必要となる。
【0039】
ここで、上述のような、いわゆるDLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のプロジェクタにおいては、一般的に、プロジェクタから出力される映像のフレームレートに同期するように、光変調素子18の微小ミラーを駆動するための駆動周波数およびカラーホイール14の駆動周波数(すなわち回転速度)が設定される。
【0040】
また、光源ランプ10についても、図3に示すように、出射される光がR光、G光およびB光のいずれであるかによって光源ランプ10の出力を変化させている。そのため、カラーホイール14の回転速度に同期して、光源ランプ10の駆動周波数も変化させる必要がある。すなわち、光源ランプ10の駆動周波数もプロジェクタから出力される映像のフレームレートに同期させることになる。
【0041】
一方で、光源ランプ10は、ランプの信頼性(寿命)を確保するために、使用可能な駆動周波数の範囲が設定されている場合がある。そのため、映像のフレームレートを極端に変更した場合に、ランプの信頼性から定まる駆動周波数の範囲を逸脱してしまうことによって、かえってランプの寿命を低下させてしまうおそれがある。
【0042】
そこで、本実施の形態においては、フレームレートの変更が可能なプロジェクタにおいて、フレームレートの変更可能範囲を光源ランプの出力特性(たとえば寿命)に基づいて設定する。このようにすることによって、プロジェクタにおける光源ランプの特性の低下を抑制しつつ、フレームレートを変更することが期待できる。
【0043】
[制御構造の説明]
図4は、本実施の形態におけるプロジェクタの画像処理の制御構造を示す機能ブロック図である。
【0044】
図4を参照して、プロジェクタは、図1で説明した構成に加えて、ユーザにより操作可能な設定部50と、光源ランプ10、カラーホイール14および光変調素子18を制御するための制御部100とをさらに備える。
【0045】
設定部50は、ユーザからの各種設定情報を入力するためのものである。設定部50としては、図示しないが、操作ボタンや操作パネルなどを含んで構成される。または、リーモートコントローラ(「リモコン」とも称する。)によるユーザからの操作信号を無線によって受信する構成としてもよい。
【0046】
設定部50によって設定される情報としては、たとえば、表示される映像の状態(明るさ、色調、表示形状など)を調整するための映像調整指令や、出力される映像のフレームレートなどの各種設定情報などが含まれる。
【0047】
制御部100は、映像信号入力部110と、フレームレート変更部120と、表示制御部130と、カラーホイール制御部140と、光源制御部150と、操作信号入力部160とを含む。なお、制御部100に含まれる各機能ブロックは、制御部100によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
【0048】
操作信号入力部160は、設定部50から、上述のような各種設定情報を受信する。そして、受信した情報を、フレームレート変更部120へ出力する。
【0049】
映像信号入力部110は、図示しない外部機器(たとえば、パソコン、ビデオ再生機、テレビなど)から受信した映像信号を受ける。そして、映像信号入力部110は、受信した映像信号をフレームレート変更部120に出力する。
【0050】
フレームレート変更部120は、操作信号入力部160からの各種設定情報、および映像信号入力部110で受信した外部機器からの映像信号を受ける。フレームレート変更部120は、操作信号入力部160において設定されたフレームレートに従って、映像信号入力部110からの映像信号のフレームレートを変更する。
【0051】
フレームレートの設定としては、たとえば、「AUTO」、「モードA」および「モードB」の3つのモードが設定可能である。
【0052】
「AUTO」モードが設定されている場合には、フレームレート変更部120は、スムーズな画質を優先するために、入力された映像信号のフレームレートに自動的に同期させる。
【0053】
「モードA」および「モードB」は、表示されるそれぞれ映像のフレームレートをPAL信号およびNTSC信号に対応するフレームレートとするモードである。各モードのフレームレートは、たとえば、「モードA」では50フレーム/秒(あるいは50Hz)、「モードB」では60フレーム/秒(あるいは60Hz)を基準として設定される。なお、モードの数は、上述のようなモードに限られず、「モードA」および「モードB」に加えて、あるいはそれに代えて、より多くのモードを有するようにしてもよい。
【0054】
そして、フレームレート変更部120は、変更後のフレームレートを示す信号を、表示制御部130、カラーホイール制御部140および光源制御部150へ出力する。
【0055】
表示制御部130は、フレームレート変更部120からの変更後のフレームレートを示す信号に基づいた駆動周波数によって光変調素子18を駆動するための制御信号を生成する。そして、生成した制御信号によって光変調素子18の微小ミラーを駆動する。
【0056】
カラーホイール制御部140は、フレームレート変更部120からの変更後のフレームレートを示す信号に基づいた駆動周波数(回転速度)によってカラーホイール14を駆動するための制御信号を生成する。そして、生成した制御信号によってカラーホイール14を回転させるためのモータ(図示せず)を駆動する。
【0057】
光源制御部150は、フレームレート変更部120からの変更後のフレームレートを示す信号に基づいた駆動周波数によって光源部24内の光源ランプ10を駆動するための制御信号を生成する。そして、生成した制御信号によって光源ランプ10の出力を制御する。
【0058】
図5は、フレームレートの変更範囲を説明するための図である。図5の縦軸にはフレームレートが示され、横軸にはモードが示される。
【0059】
図5を参照して、光源ランプ10の出力特性から定まる駆動周波数に対応するフレームレートの使用範囲が、LLIMからHLIMまでの範囲であったとする。このとき、「モードA」および「モードB」におけるフレームレートの基準が、それぞれFR1(たとえば50フレーム/秒、あるいは50Hz)およびFR2(たとえば60フレーム/秒、あるいは60Hz)であるとする(LLIM<FR1<FR2<HLIM)。
【0060】
プロジェクタにより表示される映像のフレームレートを撮影するビデオカメラのフレームレートと同期させる場合、ビデオカメラのフレームレートが、上述の「モードA」および「モードB」におけるフレームレートの基準値のいずれかと一致している場合もあるが、演算遅れや機器間での通信遅れなどに起因して、フレームレートの基準値からずれてしまうことがあり得る。そのため、各モードにおいて、フレームレートの基準値に対応した変更可能範囲を設けて、フレームレートの微調整が可能な構成とする(α1<FR1<α2,α3<FR2<α4)。
【0061】
このとき、これらの変更可能範囲は、上述した光源ランプ10の使用範囲の範囲内となるように設定される。すなわち、図5においては、LLIM≦α1かつα4≦HLIMとなるように設定される。このようにフレームレートの変更可能範囲を設定することによって、光源ランプの特性を損なうことなくフレームレートを変換することが可能となる。
【0062】
なお、図5においては、「モードA」の変更可能範囲と「モードB」の変更可能範囲とが重なり合わない場合、すなわち「モードA」の変更可能範囲上限値(α2)と「モードB」の変更可能範囲下限値(α3)がα2<α3となる場合について示したが、「モードA」の変更可能範囲の一部が「モードB」の変更可能範囲の一部と重なる場合(すなわち、α3<α2)としてもよい。
【0063】
フレームレートの変更可能範囲の一例としては、たとえば、FR1=50Hz,FR2=60Hzの場合には、α1=47Hz,α2=52Hz,α3=58Hz,α4=62Hzとしてもよい。
【0064】
図6は、本実施の形態において、制御部100で実行されるフレームレート設定制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図6に示すフローチャートは、制御部100に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
【0065】
図3および図6を参照して、制御部100は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100において、フレームレートの設定モードが「AUTO」に設定されているか否かを判定する。
【0066】
フレームレートの設定モードが「AUTO」に設定されているか場合(S100にてYES)は、S110に処理が進められ、制御部100は、入力された映像信号のフレームレートに同期するようにフレームレートを設定する。
【0067】
フレームレートの設定モードが「AUTO」に設定されていない場合(S100にてNO)は、処理がS120に進められ、制御部100は、次に「モードA」が選択されているか否かを判定する。
【0068】
「モードA」が選択されている場合(S120にてYES)は、S130に処理が進められ、制御部100は「モードA」に設定してフレームレート(FR)を基準値であるFR1に設定する。
【0069】
そして、制御部100は、S140に処理を進め、ユーザの操作に従ってフレームレートを変更可能範囲内(α1≦FR≦α2)で変更を行なう。
【0070】
一方、「モードA」が選択されていない場合(S120にてNO)は、S150に処理が進められ、制御部100は「モードB」に設定してフレームレートを基準値であるFR2に設定する。
【0071】
そして、制御部100は、S160に処理を進め、ユーザの操作に従ってフレームレートを変更可能範囲内(α3≦FR≦α4)で変更を行なう。
【0072】
[発明の効果]
上述のような装置構成において、以上のような処理に従って制御を行なうことによって、投写型映像表示装置において、投写型映像表示装置の特性、具体的には光源ランプの信頼性(寿命)の低下を抑制しつつ、フレームレートの変更を可能とすることができる。その結果、ビデオカメラでプロジェクタにより表示される映像を撮影する際に、光源ランプの寿命を損なうことなく、撮影映像に発生するノイズを低減することが可能となる。
【0073】
なお、上記の説明においては、フレームレートの「同期」については、入力される映像信号のフレームレートと、プロジェクタにより表示される映像のフレームレートとを一致させる場合について説明したが、たとえば、プロジェクタにより表示される映像のフレームレートを入力される映像信号のフレームレートのn倍(nは自然数)とするようにしてもよい。あるいは、プロジェクタにより映像が適切に出力されるように、入力される映像信号のフレームレートに対応して、表示される映像のフレームレートを設定する場合も含むものとする。
【0074】
なお、本実施の形態における「投写レンズ22」は、本発明の「投写部」の一例である。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 光学エンジン、10 光源ランプ、12 コンデンサレンズ、14 カラーホイール、16 ロッドインテグレータ、18 光変調素子、20 TIRプリズム、22 投写レンズ、24 光源部、50 設定部、100 制御部、110 映像信号入力部、120 フレームレート変更部、130 表示制御部、140 カラーホイール制御部、142 回転軸、144,146,148 カラーフィルタ、150 光源制御部、160 操作信号入力部、S 投写面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像信号のフレームレートに対応した駆動周波数で駆動される光源部と、
前記入力された映像信号に基づいて、前記光源部から出射された光を変調するための光変調部と、
前記光変調部により変調された光を投写するための投写部と、
前記光源部の出力特性に基づく前記駆動周波数の変更範囲内で、前記入力された映像信号のフレームレートを変更させるように構成されたレート変更部とを備える、投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記レート変更部は、変更後のフレームレートをユーザにより指定されたフレームレートになるように変更する第1のモードと、変更後のフレームレートを前記入力された映像信号のフレームレートに同期させる第2のモードとを切換え可能に構成される、請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
ユーザによって前記第1のモードおよび前記第2のモードの選択が可能に構成された設定部をさらに備える、請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記レート変更部による変更後のフレームレートは、第1のフレームレートと、前記第1のフレームレートとは異なる第2のフレームレートとを含み、
前記変更範囲は、前記第1のフレームレートおよび前記第2のフレームレートの各々に対応して設定される、請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
ユーザによって前記第1のフレームレートおよび前記第2のフレームレートの選択が可能に構成された設定部をさらに備える、請求項4に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
前記出力特性は、前記光源部の寿命に関する特性を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の投写型映像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−14072(P2012−14072A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152273(P2010−152273)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】