説明

投影装置およびプログラム

【課題】入力画像の中で見せたくない画像を隠して投影する投影装置を実現する。
【解決手段】CPU10は、入力画像に付与された特定識別画像を検出すると、その検出した特定識別画像から画像アドレスADおよび隠し方フラグHFを備える代替指定情報を抽出する。そして、RAM12の代替画像エリアDEに格納される各種の代替画像の内、代替指定情報に含まれる画像アドレスADで指定される代替画像を用いて、代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFによって指定される隠し方に従って入力画像を隠した投影画像を発生して投影表示するよう投影部15を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像の中で見せたくない画像を隠して投影する投影装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称)の出力画面などを入力画像として取り込んで投影表示する投影装置が知られている。この種の装置として、例えば特許文献1には、プレゼンテーションソフトが起動あるいはアクティブ状態になる等、PC側が特定の動作状態になった場合に画像ミュート指示を発生すると、それに応じて投影装置が「黒画像」を投影して一時的に入力画像(PC出力画面)の投影表示を停止させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−350207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示の技術のように、単に「黒画像」を投影して画像ミュートするだけでは、一意的に投影表示を停止させる為、例えばPCのデスクトップ画面上に開かれたプレゼンテーション用のウインドウ枠の画像については投影したいが、その背景のデスクトップ画面については見せたくない場合などには対応することが出来ない。つまり、言い換えれば、入力画像の中で見せたくない画像を隠して投影することが出来ないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、入力画像の中で見せたくない画像を隠して投影することができる投影装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、入力画像に付与された特定識別画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された特定識別画像から代替画像および当該代替画像を用いた入力画像の隠し方を指定する代替指定情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された代替指定情報に従って入力画像を代替画像で隠した投影画像を発生して投影表示させる投影制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に従属する請求項2に記載の発明では、前記検出手段は、入力画像中の所定の画像領域を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された画像領域における特定識別画像の有無を判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記請求項1に従属する請求項3に記載の発明では、前記投影制御手段は、前記抽出手段により抽出された代替指定情報が第1の隠し方を指定した場合に、当該代替指定情報により指定される代替画像が画面全体を占有する第1の投影画像を発生し、この第1の投影画像を入力画像に替えて投影表示させる第1の投影制御手段と、前記抽出手段により抽出された代替指定情報が第2の隠し方を指定した場合に、当該代替指定情報により指定される代替画像を、入力画像中から検出した最大矩形の周囲に並べて合成した第2の投影画像を発生し、この第2の投影画像を入力画像に替えて投影表示させる第2の投影制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、コンピュータに、入力画像に付与された特定識別画像を検出する検出ステップと、前記検出ステップにて検出された特定識別画像から代替画像および当該代替画像を用いた入力画像の隠し方を指定する代替指定情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出手段により抽出された代替指定情報に従って入力画像を代替画像で隠した投影画像を発生して投影表示させる投影制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、入力画像の中で見せたくない画像を隠して投影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の一形態による投影装置100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】RAM12のメモリ構成を示すメモリマップである。
【図3】特定識別画像の一例を示す図である。
【図4】CPU10が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図5】CPU10が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図6】メインルーチンの動作を説明するための図である。
【図7】メインルーチンの動作を説明するための図である。
【図8】メインルーチンの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.構成
図1は、投影装置100の全体構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、入力部14を介して取り込まれる入力画像を投影表示する投影部15の動作を制御する。本発明の要旨に係わるCPU10の特徴的な処理動作については追って詳述する。ROM11には、CPU10で実行される各種プログラムや制御データが記憶される。各種プログラムとは、後述のメインルーチンを含む。
【0013】
RAM12は、図2に図示するように、ワークエリアWE、代替指定情報エリアSEおよび代替画像エリアDEを備える。RAM12のワークエリアWEには、CPU10の処理に用いられる各種レジスタ・フラグデータが一時記憶される。代替指定情報エリアSEには、画像アドレスADおよび隠し方フラグHFを備える代替指定情報が一時記憶される。画像アドレスADは、代替画像エリアDEに格納される何れかの画像(黒画像、パターン画像、スクリーンセーバーおよび動画像など)を指定する。隠し方フラグHFは「0」の場合に投影全面を代替画像で隠す態様を指定し、「1」の場合に最大矩形(ウインドウ枠)の周りを代替画像で隠す態様を指定する。
【0014】
代替指定情報は、入力部14に供給される入力画像に付与された特定識別画像からCPU10によって抽出され、上記の代替指定情報エリアSEに一時記憶される。ここで、図3を参照して特定識別画像と代替指定情報との具体的な対応について説明する。図3(a)に図示する一例の特定識別画像(バーコード)の場合には、代替画像エリアDE中の「黒画像」を指定する画像アドレスADだけを有する代替指定情報が抽出される。「黒画像」を指定する代替指定情報では、隠し方フラグHFを備えず、投影全面を「黒画像」で一意的に隠す態様となる。
【0015】
図3(b)に図示する一例の特定識別画像(バーコード)の場合には、代替画像エリアDE中の「スクリーンセーバー」を指定する画像アドレスADと、投影全面を代替画像で隠す態様を指定する隠し方フラグHF「0」とを有する代替指定情報が抽出される。図3(c)に図示する一例の特定識別画像(QRコード)の場合には、代替画像エリアDE中の「パターン画像(静止画像)」を指定する画像アドレスADと、最大矩形(ウインドウ枠)の周りを代替画像で隠す態様を指定する隠し方フラグHF「1」とを有する代替指定情報が抽出される。図3(d)に図示する一例の特定識別画像(文字列)の場合には、代替画像エリアDE中の「パターン画像(静止画像)」を指定する画像アドレスADと、最大矩形(ウインドウ枠)の周りを代替画像で隠す態様を指定する隠し方フラグHF「1」とを有する代替指定情報が抽出される。
【0016】
再び図1を参照して実施形態の構成について説明を進める。図1において、操作部13は、装置電源のパワーオン/パワーオフを指示する電源スイッチや、投影表示の拡大/縮小を指示するズームスイッチ、投影表示する画面を横長/縦長の何れかに選択するアスペクト比選択スイッチの他、通常の投影モード又は後述する代替画像投影モードの何れかを選択する通常投影モードスイッチなどの各種スイッチを備え、これらスイッチ操作に応じたイベントを発生する。操作部13が発生するイベントはCPU10により取り込まれる。入力部14は、アナログRGB入力機能およびDVI入力機能を備え、CPU10の制御の下に、各種形式による入力画像を取り込んで投影部15に供給する。投影部15は、DMD素子を用いた公知のDLP方式で構成され、入力部14を介して取り込んだ入力画像を、CPU10の制御の下にスクリーン面へ投影表示する。
【0017】
B.動作
次に、図4〜図8を参照して上記構成による投影装置100の動作を説明する。図4〜図5に図示するフローチャートは、投影装置100のCPU10が実行するメインルーチンの動作を示す。図6〜図8は、本発明の要旨に係わる動作の一例を説明するための図である。電源スイッチ操作により投影装置100がパワーオンされると、CPU10はメインルーチンを実行し、図4に図示するステップS1に進み、入力部14に画像入力されるまで待機する。そして、入力部14に画像入力されると、上記ステップS1の判断結果が「YES」となり、ステップS2に進む。
【0018】
ステップS2では、入力された画像を投影させず、代替画像エリアDEの黒画像(又は予め設定された他の代替画像)を投影するよう投影部15に指示する。これにより、入力部14に入力された画像が直ちに投影されることを防止している。続いて、ステップS3では、通常投影モードスイッチがオン操作されたか否かを判断する。通常の投影モードで投影表示させるべくユーザが通常投影モードスイッチをオン操作すると、判断結果は「YES」となり、ステップS4に進み、黒画像(又は予め設定された他の代替画像)の投影に替えて入力画像を投影するよう投影部15に指示する。
【0019】
そして、ステップS5では、通常投影モードが完了したか否かを判断する。通常投影モードスイッチはオン操作される毎に交互に「通常投影モードの設定」と「通常投影モードの完了(解除)」とを指示する。したがって、このステップS5では、通常投影モード下で通常投影モードスイッチがオン操作されて通常投影モードの完了(解除)が指示されたかどうかを判断する。通常投影モードが完了していなければ、判断結果は「NO」になり、上記ステップS4に戻り、入力画像をそのまま投影させる通常投影モードを継続させる。
【0020】
一方、通常投影モード下で通常投影モードスイッチがオン操作され、これにより通常投影モードの完了(解除)が指示されると、上記ステップS5の判断結果は「YES」となり、上述のステップS2に処理を戻し、入力された画像を投影させず、代替画像エリアDEの黒画像(又は予め設定された他の代替画像)を投影するよう投影部15に指示した後、ステップS3に進む。そして、通常投影モードスイッチがオン操作されなければ、ステップS3の判断結果は「NO」になり、ステップS6に進む。
【0021】
ステップS6では、入力画像から検索領域画像を取得する。検索領域画像とは、例えば入力画像を縦/横方向に各々3分割してなる都合9分割された領域の内の右上領域の画像を指す。また、これに限らず入力画像の全面を検索領域にする態様としても構わない。続いて、ステップS7では、上記ステップS6にて取得した検索領域画像に特定識別画像が有るか否かを判断する。具体的には、特定識別画像が図3(a)〜(c)に例示したバーコードやQRコードの場合には、周知の画像認識処理に基づき特定識別画像の検出の有無を判断する。また、図3(d)に例示した文字列の場合には、周知の文字認識処理に基づき特定識別画像の検出の有無を判断する。
【0022】
上記ステップS6にて取得した検索領域画像から特定識別画像を検出できなければ、上記ステップS7の判断結果は「NO」になり、上述のステップS3に処理を戻す。これに対し、例えば図6に図示する一例の画像が入力された場合には、検索領域画像から特定識別画像を検出し、上記ステップS7の判断結果が「YES」となり、ステップS8以降の代替画像投影モードに遷移する。代替画像投影モードに遷移すると、先ずステップS8において、検出された特定識別画像から画像アドレスおよび隠し方フラグを備える代替指定情報を抽出してRAM12の代替指定情報エリアSEに格納する。次いで、ステップS9では、抽出した代替指定情報に含まれる画像アドレスADで指定される代替画像が「黒画像」であるか否かを判断する。
【0023】
代替指定情報により指定される代替画像が「黒画像」であると、判断結果は「YES」となり、ステップS11に進み、画面全体に「黒画像」を並べて合成した投影画像を投影表示するよう投影部15に指示した後、図5に図示するステップS14に進む。したがって、図6に図示した入力画像の右上領域に、図3(a)に図示した特定識別画像(バーコード)が設けられていた場合には、当該入力画像を投影させず、図7に図示するように、画面全体が「黒画像」で隠されることになる。
【0024】
一方、代替指定情報により指定される代替画像が「黒画像」でない場合には、上記ステップS9の判断結果が「NO」になり、ステップS10に進み、代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFが「0」であるか否かを判断する。代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFが「0」ならば、判断結果は「YES」となり、ステップS11に進み、代替指定情報に含まれる画像アドレスADで指定される代替画像をRAM12の代替画像エリアDEから読み出し、読み出した代替画像を画面全体に並べて合成した投影画像を投影表示するよう投影部15に指示した後、図5に図示するステップS14に進む。したがって、この場合も入力画像は投影されず、画面全体が代替画像で隠される形で投影表示される。
【0025】
さて一方、代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFが「1」であると、上記ステップS10の判断結果は「NO」となり、ステップS12に進む。ステップS12では、入力画像から最大矩形(ウインドウ枠)を検出する。例えば、図6に図示した一例の場合には、プレゼンテーション用の画像が表示される最大矩形(ウインドウ枠)WFが検出される。
【0026】
そして、ステップS13では、代替指定情報に含まれる画像アドレスADにより指定される代替画像をRAM12の代替画像エリアDEから読み出し、読み出した代替画像を、上記ステップS12で検出された最大矩形(ウインドウ枠)の周囲に並べて合成した投影画像を投影表示するよう投影部15に指示した後、図5に図示するステップS14に進む。したがって、図8に図示するように、プレゼンテーション用の画像が表示される最大矩形(ウインドウ枠)WFについてはそのまま投影表示され、その背景の画面については代替画像で隠される結果、見せたくない画像を隠して投影することになる。
【0027】
こうした代替画像投影モードによる投影表示が為されると、図5に図示するステップS14に進み、通常投影モードスイッチのオン操作の有無を判断する。ここで、代替画像投影モードから通常の投影モードへ遷移させるべくユーザが通常投影モードスイッチをオン操作したとする。そうすると、上記ステップS14の判断結果は「YES」となり、ステップS15に進み、入力画像をそのまま投影するよう投影部15に指示する。
【0028】
この後、ステップS16に進み、通常投影モードが完了したか否かを判断する。通常投影モードスイッチはオン操作される毎に交互に「通常投影モードの設定」と「通常投影モードの完了(解除)」とを指示する。したがって、このステップS16では、通常投影モード下で通常投影モードスイッチがオン操作されて通常投影モードの完了(解除)が指示されたかどうかを判断する。通常投影モードが完了していなければ、判断結果は「NO」になり、上記ステップS15に戻り、通常投影モードを継続させる。これに対し、通常投影モード下で通常投影モードスイッチがオン操作されて通常投影モードの完了(解除)が指示されると、上記ステップS16の判断結果は「YES」となり、前述したステップS2(図4参照)に処理を戻す。
【0029】
一方、上記ステップS14において、通常投影モードスイッチがオン操作されなければ、判断結果は「NO」になり、ステップS17に進み、入力画像から検索領域画像を取得し、続くステップS18では、取得した検索領域画像に特定識別画像が有るか否かを判断する。検索領域画像に特定識別画像が検出されなければ、判断結果は「NO」になり、ステップS19に進み、RAM12の代替指定情報エリアSEに記憶される前回の代替指定情報をクリアする。次いで、ステップS20では、入力画像をそのまま投影するよう投影部15に指示した後、上述のステップS14に処理を戻す。
【0030】
入力画像の検索領域画像から特定識別画像が検出されたならば、上記ステップS18の判断結果は「YES」になり、ステップS21に進む。ステップS21では、検出した特定識別画像から画像アドレスADおよび隠し方フラグHFを備える代替指定情報を抽出してRAM12の代替指定情報エリアSEに格納する。そして、ステップS22に進むと、抽出した代替指定情報により指定される代替画像が「黒画像」であるか否かを判断する。
【0031】
代替指定情報により指定される代替画像が「黒画像」ならば、判断結果は「YES」となり、ステップS25に進み、画面全体に「黒画像」を並べて合成した投影画像を投影表示するよう投影部15に指示した後、上述のステップS14に処理を戻す。したがって、例えば図6に図示した入力画像の右上領域に、図3(a)に図示した特定識別画像(バーコード)が設けられていた場合には、当該入力画像の投影に替えて図7に図示するように、画面全体が「黒画像」で隠されることになる。
【0032】
一方、代替指定情報により指定される代替画像が「黒画像」でない場合には、上記ステップS23の判断結果が「NO」になり、ステップS24に進み、代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFが「0」であるか否かを判断する。代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFが「0」ならば、判断結果は「YES」となり、ステップS25に進み、代替指定情報に含まれる画像アドレスADで指定される代替画像をRAM12の代替画像エリアDEから読み出し、読み出した代替画像を画面全体に並べて合成した投影画像を投影表示するよう投影部15に指示に指示した後、上述のステップS14に処理を戻す。したがって、この場合も画面全体が代替画像で隠される形で投影表示される。
【0033】
さて一方、代替指定情報に含まれる隠し方フラグHFが「1」ならば、上記ステップS24の判断結果は「NO」となり、ステップS26に進む。ステップS26では、入力画像から最大矩形(ウインドウ枠)を検出する。例えば、図6に図示した一例の場合には、プレゼンテーション用の画像が表示される最大矩形(ウインドウ枠)WFが検出される。
【0034】
そして、ステップS27では、代替指定情報に含まれる画像アドレスADで指定される代替画像をRAM12の代替画像エリアDEから読み出し、読み出した代替画像を、上記ステップS26で検出された最大矩形(ウインドウ枠)の周囲に並べて合成した投影画像を投影表示するよう投影部15に指示した後、上述のステップS14に処理を戻す。したがって、図8に図示するように、プレゼンテーション用の画像が表示される最大矩形(ウインドウ枠)WFについてはそのまま投影表示され、その背景の画面については代替画像で隠される結果、見せたくない画像を隠して投影することになる。
【0035】
以上のように、本実施形態では、入力画像に付与された特定識別画像を検出すると、その検出した特定識別画像から画像アドレスADおよび隠し方フラグHFを備える代替指定情報を抽出する。そして、予め記憶された各種の代替画像の内、代替指定情報中の画像アドレスADで指定される代替画像を用いて、代替指定情報中の隠し方フラグHFで指定される隠し方に従って入力画像を隠した投影画像を発生して投影するので、入力画像の中で見せたくない画像を隠して投影することができる。
【0036】
加えて、上述した実施形態では、入力画像中の所定の画像領域を取得し、取得した画像領域における特定識別画像の有無を判別するようにしたので、入力画像から特定識別画像を検出する処理を効率良く行うことができる。
【0037】
また、本実施形態では、代替指定情報の隠し方フラグHFが「0」であると、代替指定情報の画像アドレスADにより指定される代替画像を画面全体に並べて合成した投影画像を投影表示するので、入力画像全体を代替画像で隠すことができる。さらに、代替指定情報の隠し方フラグHFが「1」ならば、代替指定情報の画像アドレスADで指定される代替画像を、入力画像中から検出した最大矩形(ウインドウ枠)の周囲に並べて合成した投影画像を投影表示する為、例えばプレゼンテーション用の画像が表示される最大矩形(ウインドウ枠)WFについてはそのまま投影表示され、その背景の画面については代替画像で隠すことができる。
【0038】
なお、上述した実施形態では、予め記憶される各種の代替画像の内、入力画像中の特定識別画像から抽出した代替指定情報で指定される代替画像を読み出して投影画像を発生させる態様としたが、これに替えて、各種の代替画像を描画生成するコマンドを予め記憶しておき、入力画像中の特定識別画像から抽出した代替指定情報で指定されるコマンドに基づき代替画像を描画生成する態様としても構わない。
【0039】
また、本実施形態では、代替指定情報により指定される代替画像が「黒画像」であると、投影全面を「黒画像」で一意的に隠す態様としたが、これに替えて、代替指定情報が隠し方フラグHFを備えていない場合に、その代替指定情報で指定される代替画像によって投影全面を隠す態様を「デフォルトの全面隠し」とすることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 操作部
14 入力部
15 投影部
100 投影装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像に付与された特定識別画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された特定識別画像から代替画像および当該代替画像を用いた入力画像の隠し方を指定する代替指定情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された代替指定情報に従って入力画像を代替画像で隠した投影画像を発生して投影表示させる投影制御手段と
を具備することを特徴とする投影装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
入力画像中の所定の画像領域を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画像領域における特定識別画像の有無を判別する判別手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
前記投影制御手段は、
前記抽出手段により抽出された代替指定情報が第1の隠し方を指定した場合に、当該代替指定情報により指定される代替画像が画面全体を占有する第1の投影画像を発生し、この第1の投影画像を入力画像に替えて投影表示させる第1の投影制御手段と、
前記抽出手段により抽出された代替指定情報が第2の隠し方を指定した場合に、当該代替指定情報により指定される代替画像を、入力画像中から検出した最大矩形の周囲に並べて合成した第2の投影画像を発生し、この第2の投影画像を入力画像に替えて投影表示させる第2の投影制御手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項4】
コンピュータに、
入力画像に付与された特定識別画像を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて検出された特定識別画像から代替画像および当該代替画像を用いた入力画像の隠し方を指定する代替指定情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出手段により抽出された代替指定情報に従って入力画像を代替画像で隠した投影画像を発生して投影表示させる投影制御ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−73463(P2012−73463A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218690(P2010−218690)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】