説明

抗菌剤、及びそれを用いてなる抗菌重合性組成物

【課題】 金属系や有機化合物系等の従来の抗菌剤に代わる抗菌活性を有しており、人体に対する有害性が少なく、恒久的に抗菌性を付与させた抗菌重合性組成物を提供する。
【解決手段】 抗菌剤が、ウンデシレンアルデヒド(A)と、一般式〔I〕で示されるアミン誘導体(B)との付加反応物を用いてなることを特徴とする。
【化1】


(式〔I〕中、RHN−Gは、ヒドラジン誘導体、脂肪族アミン誘導体、及び芳香族アミン誘導体からなる群より選ばれる有機化合物であって、Rは水素原子又は炭化水素基を、Gは炭化水素基を表し、RHN−Gがヒドラジン誘導体の場合はRHN−の窒素原子に隣接して窒素原子が結合している。また、R及びGの炭化水素基に結合した水素原子は官能基により置換されていてもよく、更に、R及びGは直鎖構造であってもよく分岐構造であってもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤、及びそれを用いてなる抗菌重合性組成物に関する。
更に詳しくは、抗菌性を発現する活性点として、分子内にウンデセン基を有する新規な抗菌剤、及びそれを用いてなる抗菌重合性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅やマンションにおける気密性の格段の向上と、冷暖房設備の普及により、細菌やカビ等の微生物が繁殖しやすい生活環境へと変化しつつある。
一方、消費者の衛生面への関心も益々高まり、例えば、トイレ、浴室、台所等で使用される物品をはじめ、筆記用具等の文房具、家庭用品、衣類等、様々な物品で抗菌性を付与したものが消費者により好まれる傾向にある。
【0003】
このような市場ニーズに対して、従来から種々の抗菌剤の検討がなされ、例えば、抗菌活性を有する銀や銅等を用いた金属系抗菌剤、あるいはフェノール系、ハロゲン系、硫黄系等の有機化合物系抗菌剤などが開発されてきた。
このうち、金属系抗菌剤は、金属表面に存在する微量の金属イオンにより、良好な抗菌作用を発現するものであるが、人体への安全性や、銀系の抗菌剤を用いた加工品の光による変色、などの問題を有していた。
また、有機化合物系抗菌剤の中には、人体に有害な化合物が多く含まれ、安全性の点で問題を有していた。
このように、金属系抗菌剤も有機化合物系抗菌剤もその使用には重大な問題を有しており、これら従来の抗菌剤に代わる人体に安全で且つ優れた効果を発現する抗菌剤の開発が切望されていた。
【0004】
ところで、従来から医薬品として使用されていたウンデシレン酸及びその誘導体は、多様な特性を有することが知られており、中でもその殺菌作用(fungicidal action)については多くの報告がなされている。(例えば特許文献1、及び非特許文献1。)
また、ウンデシレン酸及びその誘導体の優れた抗菌作用は、分子中のウンデセン基が有する2重結合に起因することも既に知られている。(例えば特許文献2。)
【0005】
このように、ウンデシレン酸及びその誘導体は、優れた抗菌作用を有しているため、抗菌活性部位であるウンデセン基を、抗菌性を付与させたい化合物に導入し用いる試みがこれまでなされてきたが、簡便且つ安価な工業的手段は未だ開発されていなかった。
その理由としては、樹脂製品に恒久的に抗菌性を付与するために、樹脂骨格中に従来の重合反応手法により、分子内にウンデセン基を導入しようとすると、抗菌性を発現する活性点であるウンデセン基の2重結合が重合反応中に消失し、抗菌活性が極端に低下あるいは消失してしまうという重大な障害があるためであった。
【0006】
【特許文献1】特開平10−158162号公報
【特許文献2】特開2004−210665号公報
【非特許文献1】Alternative Medicine Review, Volume 7, Number1, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、人体に対する有害性が少なく、抗菌性を発現させたい化合物の骨格中に、ウンデセン基の抗菌活性を損なわずに、ウンデセン基を導入でき、また、反応性を制御することで重合性組成物骨格中へも組み入れることが可能な抗菌剤と、それによって恒久的に抗菌性を付与させた抗菌重合性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ウンデシレンアルデヒドと、特定のアミン誘導体を付加反応させることで、ウンデセン基中の2重結合を消失させずに、即ち抗菌活性を損なわずに、抗菌性を付与させたい化合物の骨格中に導入することが容易にできることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
即ち、本発明は、ウンデシレンアルデヒド(A)と、一般式〔I〕で示されるアミン誘導体(B)との付加反応物を用いてなることを特徴とする抗菌剤を提供するものである。
【0010】
【化1】

【0011】
(式〔I〕中、RHN−Gは、ヒドラジン誘導体、脂肪族アミン誘導体、及び芳香族アミン誘導体からなる群より選ばれる有機化合物であって、Rは水素原子又は炭化水素基を、Gは炭化水素基を表し、RHN−Gがヒドラジン誘導体の場合はRHN−の窒素原子に隣接して窒素原子が結合している。また、R及びGの炭化水素基に結合した水素原子は官能基により置換されていてもよく、更に、R及びGは直鎖構造であってもよく分岐構造であってもよい。)
【0012】
また、本反応は、ウンデシレンアルデヒド(A)と、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体(C)を、前記ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応し得るアミノ基を2つ以上有するアミン誘導体(B’)と共に反応させ得られることを特徴とする抗菌剤を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記抗菌剤と、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体からなる組成物(D)とを、混合してなることを特徴とする抗菌重合性組成物を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記抗菌剤と、重合性単量体(E)とを重合させ得られることを特徴とする抗菌重合性組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の抗菌剤は、人体に対する有害性が少なく、抗菌性を損なわずに抗菌性を発現させたい化合物の骨格に導入することができ、また反応性を制御することで重合性組成物骨格中へも組み入れることが容易に可能である。
本発明の抗菌重合性組成物は、人体に対する有害性が少なく、目的の物性、例えば、親水性あるいは疎水性等、に合わせた樹脂の設計が容易に可能であり、且つ抗菌性に優れ、本発明の抗菌重合性組成物を用いてなる加工基材は、人体に対する有害性が少なく、且つ抗菌性を恒久的に保持でき、優れた抗菌性を有する加工基材として極めて有用であって、例えば、不織布(パルプ、ポリエステル等)の他に、繊維基材、木材、フィルム、紙、グラスウール、ロックウール等の多岐の素材に利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するにあたり、必要な事項を以下に述べる。
本発明の抗菌剤とは、ウンデシレンアルデヒド(A)と、下記一般式〔I〕で示されるアミン誘導体(B)との付加反応物を用いてなることを特徴とする。
尚、本発明で用いるウンデシレンアルデヒド(A)は、抗菌活性を失わせない範囲であれば分岐構造をとることもできる。
【0017】
【化2】

【0018】
(式〔I〕中、RHN−Gは、ヒドラジン誘導体、脂肪族アミン誘導体、及び芳香族アミン誘導体からなる群より選ばれる有機化合物であって、Rは水素原子又は炭化水素基を、Gは炭化水素基を表し、RHN−Gがヒドラジン誘導体の場合はRHN−の窒素原子に隣接して窒素原子が結合している。また、R及びGの炭化水素基に結合した水素原子は官能基により置換されていてもよく、更に、R及びGは直鎖構造であってもよく分岐構造であってもよい。)
【0019】
本発明において、ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応させるアミン誘導体(B)としては、1級アミン誘導体、及び2級アミン誘導体が挙げられる。
前記1級アミン誘導体としては、特に限定しないが、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、1,2−ブタンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヒドラジン、メチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、セミカルバジドなどが挙げられ、また、2級アミン誘導体としては、特に限定しないが、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどが挙げられ、これらは単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記ウンデシレンアルデヒド(A)とアミン誘導体(B)との付加反応は、付加反応部位である1級アミノ基又は2級アミノ基の孤立電子対によるウンデシレンアルデヒドのアルデヒド基のカルボニル炭素(HC=O)への求核的攻撃であるため、付加反応が速やかに進行する反応条件としては、アルデヒド基がプロトン化される程度の酸性度が反応液にあることが望ましい。
しかしながら、酸性が強すぎる場合には、アミン誘導体(B)(RHN−G)が、プロトン化した形(HNR−G)を形成し求核性が弱まってしまうため、前記アミン誘導体(B)(RHN−G)の塩基性及びカルボニル炭素の反応性に応じて、適切な酸性度を設定することが望ましい。
尚、上記付加反応は、通常酸性条件下で進行するが、この付加反応によるウンデセン基中の2重結合が消失するおそれはない。
【0021】
前記アミン誘導体(B)は、1級アミン誘導体及び2級アミン誘導体の中から1種以上選択可能であるが、ウンデシレンアルデヒド(A)のアルデヒド基との反応性は、通常、1級アミン誘導体の方が2級アミン誘導体よりも高く、特に1級アミン誘導体は、通常アルデヒドと低温又は常温で付加反応が進行するため、活性点であるウンデシレンアルデヒドのウンデセン基中の2重結合が熱により重合し消失あるいは極端に低下する恐れがなく好ましい。
【0022】
また、本発明の抗菌剤において、前記アミン誘導体(B)として、ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応し得るアミノ基を2つ以上有するアミン誘導体(B’)を用いることができ、またこの場合、前記アミン誘導体(B’)のアミノ基の少なくとも1つが前記ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応を生じないように反応性を制御することにより、2重結合を消失させることなく、ウンデセン基を骨格に組み込め、恒久的な抗菌性を付与することができる。付加反応を生じないように反応性を制御するためには、例えば、反応温度を常温以下にし、且つ前記ウンデシレンアルデヒド(A)のアルデヒド基のモル量に対し前記アミン誘導体(B’)のアミノ基のモル量が、好ましくは1.1〜3モル比の範囲になるように前記アミン誘導体(B’)の量を調整すればよい。
また、付加反応部位のモル数より少ない量のウンデシレンアルデヒド(A)を付加反応に用いることで、付加反応部位の少なくとも1つがウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応を生じていないアミン誘導体を得ることができる。
全ての付加反応部位がウンデシレンアルデヒドと付加反応した副生成物を防ぐために、反応温度は低いほうが望ましい。反応温度を低くするほど副生成物を少なくすることができるが反応性が低下するので、反応時間などを考慮して、適度な反応温度を選択する必要があり、特に限定しない。
尚、付加反応部位の少なくとも1つがウンデシレンアルデヒドと付加反応を生じていないアミン誘導体の同定は、後述の如く、13C−NMR、H−NMR及びGC−MSを用いて行うことができる。
【0023】
ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応し得るアミノ基を2つ以上有するアミン誘導体(B’)としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−ブタンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジドなどが挙げられ、これらは単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
また、アミン誘導体(B’)はポリアリルアミンなどのアミノ基を2つ以上有する重合性組成物でもよく、この場合は重合性組成物に直接ウンデシレンアルデヒド(A)を結合することができる。
【0024】
本発明の抗菌剤において、付加反応の原料であるアミン誘導体(B)の中でも、ヒドラジン誘導体は、反応性が高く好ましい。
また、ヒドラジン誘導体は、後述する本発明の抗菌重合性組成物において、ケト−ヒドラジド架橋系の一部として使用できる点からも好ましい。
【0025】
また、本発明の抗菌剤は、抗菌剤の全質量に対して、ウンデセン基を好ましくは0.2〜90質量%の範囲で、より好ましくは0.2〜50質量%の範囲で含む。前記抗菌剤がかかる範囲でウンデセン基を有すれば、ウンデセン基により十分に抗菌性を発現でき、また抗菌性を付与する基材との相溶性や密着性を損なうことなく使用することができる。
【0026】
また、本発明の抗菌剤は、ウンデシレンアルデヒド(A)と、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体(C)を、前記ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応し得るアミノ基を2つ以上有するアミン誘導体(B’)と共に反応させ得ることができる。
この場合も得られる本発明の抗菌剤は、抗菌剤の全質量に対して、ウンデセン基を好ましくは0.2〜90質量%の範囲で、より好ましくは0.2〜50質量%の範囲で含む。
【0027】
本発明の抗菌剤において、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体(C)としては、特に限定されないが、例えば、アクロレイン等のアルド基含有重合性単量体、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のケト基含有重合性単量体、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有重合性単量体などが挙げられ、これらの重合性単量体は単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
【0028】
次いで、本発明の抗菌重合性組成物について、以下に説明する。
本発明の抗菌重合性組成物とは、前記抗菌剤と、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体からなる組成物(D)とを、混合してなることを特徴とする。
【0029】
本発明の抗菌重合性組成物に用いる、前記抗菌剤を構成するアミン誘導体(B)としては、ヒドラジン誘導体が好ましい。
【0030】
また、本発明の抗菌重合性組成物は、前記重合性を有する抗菌剤と、重合性単量体(E)を重合させて得られることを特徴とする。
【0031】
尚、本発明でいう「重合性組成物」とは、光、熱などのエネルギーの付与により、重合が生起・進行し、硬化する組成物を総称し、光、熱、又は光と熱により重合する組成物を包含する。以下、本発明では、これを単に「重合性組成物」と表記する。
【0032】
前記重合性単量体からなる組成物(D)とは、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体で構成される組成物であって、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体(C)を必須成分に、前記重合性単量体(C)以外の重合性単量体(F)〔ここで、重合性単量体(F)とは、重合性単量体(E)から重合性単量体(C)を除いた重合性単量体のことであって、以下「その他の重合性単量体(F)」という。〕とを重合させて得られる重合性組成物である。
【0033】
本発明で用いる重合性単量体(E)としては、特に限定しないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレート及びこれらの塩等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カルボン酸のニトリル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等の官能基を含有しないエチレン性不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基及びそのアルコキシ化物含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシリル基含有重合性単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基及び/又はブロック化イソシアナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性単量体等が挙げられ、これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
前記した重合性単量体(E)の種類及び比率を選択することで希望する樹脂設計を行うことができ、重合性単量体(E)の種類及び比率は特に限定しない。
【0034】
重合方法は、公知慣用の重合方法を用いればよく、特に限定しないが、例えば、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合、リビング重合等が挙げられる。
重合反応に用いる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、あるいは過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、あるいは過酸化水素等の過酸化物が挙げられ、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、あるいは前記過酸化物と、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムのような還元剤とを併用したレドックス重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能であり、これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
【0035】
また、重合開始剤として、光重合開始剤を用いてもよく、光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類;ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物等が挙げられ、これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
【0036】
本発明において、目的とする重合体の分子量を調整する必要がある場合は、分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、又はα−メチルスチレン・ダイマー等を添加してもよい。
【0037】
本発明の抗菌剤及び抗菌重合性組成物は、それ自体をそのまま使用可能であるが、このものに更に添加剤を配合して用いてもよい。
前記添加剤としては、特に限定しないが、例えば、クレー、軟質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、タルク、コロイダルシリカ等の無機顔料、あるいはポリスチレン、SBR、フェノール樹脂等の有機顔料等を単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
更に、分散剤、耐水化剤、粘度調整剤、消泡剤、保水剤、染料、蛍光染料、溶剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、その他助剤などの種々の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて使用できる。
【0038】
本発明の抗菌重合性組成物は、抗菌重合性組成物の全質量に対して、ウンデセン基を、好ましくは0.2〜90質量%の範囲、より好ましくは0.2〜50質量%の範囲で有する。前記抗菌重合性組成物がかかる範囲でウンデセン基を有すれば、優れた抗菌性を発現でき、恒久的に抗菌性を保持できる。
【0039】
本発明の抗菌重合性組成物において、十分な抗菌性を発現させるためには、ウンデセン基の含有量を0.2質量%以上にすることが好ましい。0.2質量%未満の場合では、十分な抗菌性を得ることができない可能性があり好ましくない。また、ウンデセン基量が90質量%を超えると反応自体が困難となり、目的とする生成物を得ることが難しい。
【実施例】
【0040】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、「重量部」及び「重量%」である。
【0041】
〔実施例1〕
攪拌装置、窒素バブリング管、温度計、及び冷却コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、溶媒としてエタノール200部を加え、これに攪拌しながら水加ヒドラジン6部を加えた。次いで、ウンデシレンアルデヒド16.8部を滴下しながら添加し、30℃で1時間攪拌し付加反応を行った。反応終了後、付加反応物を再結晶で精製し、本発明の抗菌剤(1)を得た。
【0042】
〔実施例2〕
攪拌装置、窒素バブリング管、温度計、及び冷却コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、溶媒としてエタノール200部を加え、これに攪拌しながら実施例1で得た抗菌剤(1)を18.2部加え溶解させ、15分間攪拌後、メタクリル酸グリシジル28.4部を滴下により添加し、内温80℃で2時間攪拌し反応を進行させた。反応物を再結晶で精製し、下記式〔II〕で示した本発明の抗菌剤(2)を得た。
【0043】
【化3】

【0044】
〔実施例3〕
表1に示した如く、撹拌装置を備えた重合容器に水86部を仕込み、内温80℃に昇温した。別の容器に乳化剤であるS−20F〔アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製〕を10部、アクリル酸エチル50部、メタクリル酸メチル46.5部、メタクリル酸2部、ダイアセトンアクリルアミド1部、及び水25部を仕込み、攪拌し、乳化を行い、乳化液を調整した。
前記乳化液の3質量%を前記重合容器に仕込み、10%過硫酸ナトリウム水溶液0.5部を添加し、重合を開始させた。次いで、残りのモノマー混合物の乳化液と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、10%過硫酸ナトリウム水溶液1部を投入し、内温80℃にて2時間保持した。次いで、冷却を行い、アンモニア水でエマルジョンをpH4.0に調整し、エタノールで溶解させた実施例1で合成した抗菌剤(1)を0.5部添加し、本発明の抗菌重合性組成物(3)を得た。
かくして得られた本発明の抗菌重合性組成物(3)に水を加え、固形分濃度を20%に調整した含浸液に、パルプ繊維不織布(約140g/mのもの。)を浸績し、マングルロールで絞り、熱風循環乾燥機にて125℃で1分間乾燥キュアを行い、加工基材を作成した。この抗菌重合性組成物(3)の基材に対する付着結果を表2に、また、得られた加工基材の抗菌性評価結果を表3に示す。
【0045】
〔実施例4〕
表1に示した如く、撹拌装置を備えた重合容器に水86部を仕込み、内温80℃に昇温した。別の容器に乳化剤であるS−20F〔アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製〕を10部、アクリル酸エチル50部、メタクリル酸メチル47.5部、メタクリル酸2部、実施例2で合成した下記式〔II〕で示した重合性単量体である抗菌剤(2)を0.5部、及び水25部を仕込み、攪拌し、乳化を行い、乳化液を調整した。
【0046】
【化4】

【0047】
前記乳化液の3質量%を前記重合容器に仕込み、10%過硫酸ナトリウム水溶液0.5部を添加し、重合を開始させた。残りのモノマー混合物の乳化液と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、10%過硫酸ナトリウム水溶液1部を投入し、内温80℃にて2時間保持した。次いで、冷却を行い、アンモニア水でエマルジョンをpH4.0に調整し、本発明の抗菌重合性組成物(4)を得た。
かくして得られた本発明の抗菌重合性組成物(4)を用いて、実施例3と同様にして、加工基材を作成した。この抗菌重合性組成物の基材に対する付着結果を表2に、また、得られた加工基材の抗菌性評価結果を表3に示す。
【0048】
〔比較例1〕
表1に示した如く、撹拌装置を備えた重合容器に水86部を仕込み、内温80℃に昇温した。別の容器に乳化剤であるS−20F〔アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製〕を10部、アクリル酸エチル50部、メタクリル酸メチル48部、メタクリル酸2部、及び水25部を仕込み、攪拌し、乳化を行い、乳化液を調整した。
前記乳化液の3質量%を前記重合容器に仕込み、10%過硫酸ナトリウム水溶液0.5部を添加し、重合を開始させた。残りのモノマー混合物の乳化液と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、10%過硫酸ナトリウム水溶液1部を投入し、内温80℃にて2時間保持した。次いで冷却を行い、アンモニア水でエマルジョンをpH4.0に調整し、重合性組成物(5)を得た。
かくして得られた重合性組成物(5)を用いて、実施例3と同様にして、加工基材を作成した。この重合性組成物(5)の基材に対する付着結果を表2に、また、得られた加工基材の抗菌性評価結果を表3に示す。
【0049】
〔比較例2〕
表1に示した如く、撹拌装置を備えた重合容器に水86部を仕込み、内温80℃に昇温した。別の容器に乳化剤であるS−20F〔アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製〕を10部、アクリル酸エチル50部、メタクリル酸メチル47.5部、メタクリル酸2部、及び水25部を仕込み、攪拌し、乳化を行い、乳化液を調整した。
前記乳化液の3質量%を前記重合容器に仕込み、10%過硫酸ナトリウム水溶液0.5部を添加し、重合を開始させた。残りのモノマー混合物の乳化液と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、10%過硫酸ナトリウム水溶液1部を投入し、内温80℃にて2時間保持した。次いで冷却を行い、アンモニア水でエマルジョンをpH4.0に調整し、エタノールで溶解させたウンデシレン酸を添加し、重合性組成物(6)を得た。
かくして得られた重合性組成物(6)を用いて、実施例3と同様にして、加工基材を得た。この抗菌重合性組成物の基材に対する付着結果を表2に、また、得られた加工基材の抗菌性評価結果を表3に示す。
【0050】
〔比較例3〕
表1に示した如く、撹拌装置を備えた重合容器に水86部を仕込み、内温80℃に昇温した。別の容器に乳化剤であるS−20F〔アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製〕を10部、アクリル酸エチル50部、メタクリル酸メチル47部、メタクリル酸2部、ウンデシレン酸1部、及び水25部を仕込み、攪拌し、乳化を行い、乳化液を調整した。
前記乳化液の3質量%を前記重合容器に仕込み、10%過硫酸ナトリウム水溶液0.5部を添加し、重合を開始させた。残りのモノマー混合物の乳化液と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、10%過硫酸ナトリウム水溶液1部を投入し、80℃にて2時間保持した。次いで冷却を行い、アンモニア水でエマルジョンをpH4.0に調整し、重合性組成物(7)を得た。
かくして得られた重合性組成物(7)を用いて、実施例3と同様にして、加工基材を得た。この重合性組成物の基材に対する付着結果を表2に、また、得られた加工基材の抗菌性評価結果を表3に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
注1)表1中の略号は、下記の化合物名を表す。
EA ;アクリル酸エチル
MMA ;メタクリル酸メチル
MAA ;メタクリル酸
DAAM;ダイアセトンアクリルアミド
UN ;ウンデシレン酸
【0053】
表1に示した組成で得た実施例である抗菌重合性組成物(3)及び(4)、比較例である重合性組成物(5)〜(7)を、それぞれ水で20%濃度に調整し、そこにパルプ不織布基材をディッピングし、その後マングルロールにて絞り、熱風循環乾燥機にて120℃で5分間加熱キュアし固着処理を行い、表2に示す加工基材を得た。
【0054】
【表2】

【0055】
上記実施例及び比較例で得た加工基材について、「繊維製品の抗菌性試験方法」〔JIS L 1902(JIS Z 2801)〕に準じて抗菌性試験を実施した。
抗菌性試験条件は以下の通りである。その結果を表3に示す。
・試験方法;フイルム密着法 SEK菌数測定法(n=3)
・菌種 ;大腸菌(Escherichia coli : IFO-3972.12734)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus : IFO-12732)
【0056】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の抗菌剤は、人体に対する有害性が少なく、抗菌性を損なわずに抗菌性を発現させたい化合物骨格に導入することができ、また反応性を制御することで重合性組成物骨格中へも組み入れることが可能である。
本発明の抗菌重合性組成物は、人体に対する有害性が少なく、樹脂設計を広範囲に行うことができ、且つ抗菌性に優れ、本発明の抗菌重合性組成物を用いてなる加工基材は、人体に対する有害性が少なく、恒久的に抗菌性を保持でき、抗菌性を有する加工基材として極めて有用であって、不織布(パルプ、ポリエステル等)の他に、繊維基材、木材、フィルム、紙、グラスウール、ロックウールなどの多岐素材にわたり利用可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウンデシレンアルデヒド(A)と、一般式〔I〕で示されるアミン誘導体(B)との付加反応物を用いてなることを特徴とする抗菌剤。
【化1】

(式中、RHN−Gは、ヒドラジン誘導体、脂肪族アミン誘導体、及び芳香族アミン誘導体からなる群より選ばれる有機化合物であって、Rは水素原子又は炭化水素基を、Gは炭化水素基を表し、RHN−Gがヒドラジン誘導体の場合はRHN−の窒素原子に隣接して窒素原子が結合している。また、R及びGの炭化水素基に結合した水素原子は官能基により置換されていてもよく、更に、R及びGは直鎖構造であってもよく分岐構造であってもよい。)
【請求項2】
前記アミン誘導体(B)が、1級アミン誘導体である請求項1記載の抗菌剤。
【請求項3】
前記アミン誘導体(B)が、ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応し得るアミノ基を2つ以上有するアミン誘導体(B’)であって、且つ、前記アミン誘導体(B’)のアミノ基の少なくとも1つが、前記ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応していない請求項1又は2記載の抗菌剤。
【請求項4】
前記アミン誘導体(B)が、ヒドラジン誘導体である請求項1〜3の何れか一項に記載の抗菌剤。
【請求項5】
ウンデセン基を、抗菌剤の全質量に対して、0.2〜90質量%の範囲で含む請求項1〜4の何れか一項に記載の抗菌剤。
【請求項6】
ウンデシレンアルデヒド(A)と、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体(C)を、前記ウンデシレンアルデヒド(A)と付加反応し得るアミノ基を2つ以上有するアミン誘導体(B’)と共に反応させ得られることを特徴とする抗菌剤。
【請求項7】
ウンデセン基を、抗菌剤の全質量に対して、0.2〜90質量%の範囲で含む請求項6に記載の抗菌剤。
【請求項8】
請求項1又は2記載の抗菌剤と、アルド基、ケト基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を有する重合性単量体からなる組成物(D)とを、混合してなることを特徴とする抗菌重合性組成物。
【請求項9】
請求項6記載の抗菌剤と、重合性単量体(E)とを重合させ得られることを特徴とする抗菌重合性組成物。
【請求項10】
前記抗菌剤において、前記アミン誘導体(B)が、ヒドラジン誘導体である請求項6又は7に記載の抗菌重合性組成物。
【請求項11】
ウンデセン基を、抗菌重合性組成物の全質量に対して、0.2〜90質量%の範囲で含む請求項8〜10の何れか一項に記載の抗菌重合性組成物。


【公開番号】特開2006−241094(P2006−241094A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60490(P2005−60490)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】