説明

抗菌媒体、ならびにそれらを製造および使用するための方法

抗菌特性を有する改良された流体ろ材、ならびに抗菌特性を有する改良された流体ろ材を製造および使用するための方法、ならびに流体ろ過用途においてそれらを使用するための方法の開示であって、1つの代表的な流体用分離媒体が、少なくとも1つの抗菌成分を含む有機成分および無機成分のベース混合物を含み、ベース混合物の少なくとも1つの成分が、少なくとも1つの抗菌成分の表面に共有結合された電荷修正された基を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「抗菌媒体、ならびにそれらを製造および使用するための方法(ANTI−MICROBIAL MEDIA AND METHODS FOR MAKING AND UTILIZING THE SAME)」という名称の、Yehらの、2004年3月24日に出願された、米国仮特許出願第60/555,766号の一部継続出願であり、各々の開示を、本開示と矛盾しない程度に参照により本明細書に組み入れる。
【0002】
本開示は、流体ろ材、ならびに流体ろ材を製造および使用するための方法に関し、より特定的には、抗菌特性を有する流体ろ材、ならびに抗菌特性を有する流体ろ材を製造するための方法、および流体ろ過用途においてそれらを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
しばしば、消費者用および産業用流体ろ過用途の両方において、流体が、意図された用途におけるその使用前にろ過される。結果として、流体ろ過装置が、産業装置または消費者器具において内部にまたは外部に設置される。
【0004】
たとえば家庭用水などの流体が、公共の水処理の後でさえ、さまざまなレベルの微生物を含有する可能性が十分ある。上水道に存在していることがある、原生動物嚢子、細菌、およびウイルス(以下まとめて「微生物」と呼ぶ。)などの微生物が、飲用水中に残ることがある。これは、公共の水処理を経ていない井戸水に特にあてはまる。
【0005】
いくつかの場合、塩素または塩素化合物などの消毒剤、オゾン、UV、ヨウ素および臭素などの他のハロゲン、ならびに遷移金属が、そのような細菌およびウイルスの濃度を低減するために使用され、機械的分離を、原生動物嚢子の低減のために用いることができる。しかし、著しい数の飲料水装置が、消毒のための、たとえば塩素およびクロラミンなどの化学物質を、水中に存在するそのような化学物質による匂いおよび/または健康リスクを低減するために使用しない。水中にかかる化学物質がないと、水中に増加されたレベルの微生物およびバイオフィルムの蓄積をもたらすことがある。
【0006】
消毒のために使用される塩素または塩素化合物は、しばしば、飲料水装置、フードサービス飲料装置、および氷分配設備で使用する前に、水道から除去しなければならない。上記化合物を除去する理由は、特定の用途または装置によって様々である。たとえば、特定の飲料装置に対する水道中の塩素の存在が、味などの、飲料製品の特定の審美的な質に悪影響を及ぼすことがある。しかし、特定の飲料装置への水道からの塩素または塩素化合物の除去により、有害な微生物が飲料装置の使用点に戻ることをもたらすことがある。
【0007】
さらに、水がある期間流れていないとき、微生物の蓄積が、脱塩素フィルタ、樹脂ベッド、および他の微細に分けられた流体媒体フィルタ内で生じることがある。次に、高レベルの微生物の蓄積が下流に放出されて、健康問題が生じ、ならびに使用するために目標位置に水が達すると、ひどいいやな味および匂いが生じることがある。長期間にわたる微生物の蓄積は、分配設備の送水管および湿潤された部分を被覆して、バイオフィルムの層を形成することがあり、したがって、微生物蓄積問題を悪化させる。
【0008】
既知の高レベルの微生物蓄積が、フードサービス産業、飲料処理産業、および飲料水産業の多くにおいて送水管の定期的な衛生化を引起している。したがって、そのような衛生化処理を考慮することが重要である。現在利用可能な衛生化処理の多くが、管理が困難であり、費用がかかり、サービス集約的であり、かつ、高度に毒性の化学物質を使用し、これは毒性化学物質の取り扱いとさらに非経済的な結果をもたらす処分の困難性とを引起こす。水道装置を、また、衛生化処理を実施する間停止または迂回しなければならないので、経済的負担が増加し、かつ最終使用者に悪影響をおよぼす。たとえば、送水管がバイオフィルムで被覆されることがあり、送水管をその意図された目的のために再び使用することができる前、そのようなバイオフィルム被覆を除去するために、たとえば塩素などの消毒剤を含有する水での長期のフラッシュが必要であり、飲用水での少なくとも付加的なフラッシュが続く。
【0009】
EPA水精製装置標準(Water Purifier Standard)は、飲料水用途のためのろ過装置が、細菌について6log、ウイルスについて4log、および原生動物嚢子について3logより大きく微生物を除去することを必要とする(「微生物学的水精製装置をテストするためのガイド標準およびプロトコル(Guide Standard and Protocol for Testing Microbiological Water Purifiers)」、1987年、その開示を、本開示と矛盾しない程度に参照により本明細書に組み入れる。)。飲用水環境における微生物の管理のために現在利用可能なろ材(以下「抗菌ろ材」と呼ぶ。)が、規制の観点から受入れられないレベルに流出物中に浸出することがある材料を相当の濃度で含有し、劣った効力(たとえば、静菌および/または嚢子低減の請求のみに限定される。)を有し、かつ、構造のそれらの材料中で危険な材料を含有もしくは使用することがあるか、または安全でない費用のかかる操作モード(たとえば、水銀アークUVランプ、オゾン)を使用することがある。
【0010】
さらに、微生物汚染は、人が消費するのに使用する水道の問題だけでなく、とりわけ、マイクロエレクトロニクスの製造、製薬、および生物薬剤学的処理のために精製水を必要とする産業のための主要問題でもある。
【0011】
当該技術において知られているように、水を精製することができるいくつかの方法がある。たとえば、その開示を本開示と矛盾しない程度に参照により本明細書に組み入れる1つの論文「殺生物剤としてのAg+イオンをH2Oに注入するための技術(A technique for injecting Ag+ Ions as Biocide into H2O)」、NASA Tech Briefs、51、2001年11月が、0.5mg/Lの銀イオンを飲料水に注入するという情報を開示した。米国特許第6,248,342 B1号明細書は、カウンタ(counter)頂面処理のためにAg、Znなどを含有する抗菌高圧積層体を開示した。Pentapure Inc.などによって開発されたヨウ素化樹脂が商業的に使用されている。ヨウ素化樹脂は、ヨウ素を制御された速度で水中に溶離することによって働く。しかし、応答時間は、受入れられないほど長く、流体中に浸出するヨウ素に関連する健康問題があり、これは、用途を、短い期間の使用にまたは非常事態下でより好適にする。さらに、特定の甲状腺状態を有する人が、また、ヨウ素消費に敏感であることがある。
【0012】
Bon Del Water Filtersが、飲料水を処理する処理を有し、重要な成分の1つが銀含浸粒状活性炭である。Agion、British Berkefeld、およびSurfacineを含む、銀ベースの抗菌技術を有する多くの他の会社がある。KDF(登録商標)は、それが、バイメタルCu−Zn合金を使用して金属を還元し微生物を制御することによる、レドックス反応による処理を有すると請求する。これらの処理の欠点のうち、上述されたようなEPAによって設定された必要な細菌およびウイルス除去基準を示すデータの欠如、および水流中への、銀またはヨウ素成分の潜在的に危険な濃度の潜在的な漏れがある。
【0013】
Water Research(Vol.34、12号、3117頁、2000年)に示された論文「飲料水の消毒のためのTiN電極反応器(TiN Electrode Reactor for Disinfection of Drinking Water)」は、窒化チタン(TiN)電極を使用することによって微生物を低減する方法を開示した。電位を電極全体に印加することによって、微生物細胞濃度を7%に低減することができることが示された。これは、微生物をなくすための新規な方法であることができるが、残っている微生物の濃度は、上述されたようなEPAのガイドラインを満たすには依然として高すぎることがある。
【0014】
Biomaterials(Vol.22、2239頁、2001年)は、四級化ピリジンを含有するポリウレタンを合成する方法を教示し、これらのポリマーは抗菌特性を示した。しかし、この方法は、ポリマー合成および四級化において潜在的に毒性の有機溶媒の広範囲の使用を伴った。さらに、報告によれば、少数の選択されたポリマーだけが、大腸菌に対する殺菌活性を示した。
【0015】
上述された方法はすべて、1つの領域において何らかの成功を有したが、上記方法のいずれも、それらが、上述されたようなEPAによって設定された微生物低減要件に達するのに効果的であったことを実証する情報、またはデータを全く提供しない。
【0016】
飲料水処理のための、UV、ならびにオゾンおよび過酸化水素などの酸化剤の使用に関するかなりの情報が入手可能である。しかし、UV光またはオゾンを使用することに関連する安全問題、ならびに必要な設備のための初期資本コスト、およびその後のメンテナンス考慮事項により、これらの方法が魅力的なものとならない。
【0017】
さらに、微生物制御は、たとえば、使い捨てフィルタカートリッジを使用する装置などの、機械的スクリーニングメンブラン、および活性炭を使用する吸着流体ろ過を有する流体ろ過装置を現在ある、既存のすでに存在する水道装置において望ましいであろう。しかし、特に、さらなる流体ろ過装置を既存の水道装置に加えることの複雑化、および付加的な配管作業と関連するコスト、または1つの装置のために複数の流体ろ過装置を有することのただ一般的な煩わしさは、さらに必要な空間、設置およびメンテナンスコストを加えることによって、平均的な住宅の消費者にとって不便となる。
【0018】
特定の用途についての関連する問題を解決するためのさらなる方法としては、繊維から匂いをなくすために、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドを洗濯機に直接加えた米国特許第5,145,596号明細書、病気を引起す微生物の成長を抑制するために、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドを使用して、セルロースファブリックを処理した米国特許第4,406,892号明細書および米国特許第4,282,366号明細書、微生物の100%低減を報告した、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドを使用して、PE、PP、ガラスビーズ、三酢酸セルロース、スチレン無水マレイン酸ビーズ、および#1Whatmanフィルタ紙を処理した米国特許第5,013,459号明細書に含まれた開示が挙げられる。微生物を低減するか、またはなくすために、米国特許第4,631,297号明細書に開示されたように、ポリウレタンからのものなどの抗菌形態を、そのようなオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドで処理した。欧州出願WO第87/00006号公報は、多細胞植物上の微生物を殺すための、界面活性剤中で、そのようなオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドの適用を開示した。米国特許第4,835,019号明細書は、界面活性剤の存在下で、そのようなオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドを繊維表面上に接着することによって、ナイロン6ヤーンを抗菌性にする処理を開示した。米国特許第4,781,974号明細書に開示されたように、セルロース繊維のウェットワイパーを抗菌性にした。
【0019】
しかし、上述された開示のいずれも、これまで人の消費者に対して未知の影響を有するオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドの抽出物を低減するために、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドを固体担体上に固定化しない。
【0020】
米国特許第4,682,992号明細書は、そのようなオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドと反応させることによって、球状ガラスビーズまたはシリカゲルビーズを抗菌性にすることを開示した。米国特許第4,414,268号明細書および米国特許第4,395,454号明細書は、そのようなオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドを非浸出性にするための、付加的なケイ素湿潤剤の使用を教示する。藻類成長抑制を示すための同様のオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドが、米国特許第3,817,739号明細書および米国特許第3,730,701号明細書に開示された。
【0021】
上記開示された先行特許または刊行物のいずれも、飲料水または他の水の精製用途において、珪藻土、すなわち、流体ろ材中の非常に多用途の成分を処理するためのオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドの使用、または活性炭、すなわち、流体ろ材中の別の多用途成分と組合された珪藻土の処理を記載しなかった。
【0022】
10〜20メッシュの砂を基材として使用して、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドの使用に基づいて微生物を除去した米国特許出願第0009239 A1号明細書。しかし、砂は、効果的な流体ろ材として使用されるための好ましいサイズ、形状、および表面モルホロジを欠く。
【0023】
論文「聖杯の探求:微生物学的カーボンブロックフィルタ(The Quest for the Holy Grail: Microbiological Carbon Block Filters)」、WC&P、2002年8月、pp.42は、「炭素に結合された(bonded to the carbon)」「2つの化学物質(two chemicals)」の使用を言及した。そのような化学物質、結合技術の開示、および引用された論文に使用された、珪藻土などの付加的なろ過助剤の言及はない。
【0024】
「Water Treatment Notes」、1995年12月からの論文「飲料水の活性炭処理(Activated Carbon Treatment of Drinking Water)」は、活性炭が、水中の特定の有機化学物質および塩素を低減するのに非常に効果的であるが、「微生物学的に安全な水(microbiologically safe water)」からのみであることを示した。
【0025】
流体ろ材の抗菌修正の他のタイプがあり、これらの一例が、ポリイオネン(polyionene)の使用である。Buckman Laboratoriesからリリースされた情報が、水処理のための1群の硫黄窒素化合物およびポリイオネンの使用を開示した、「新たに登録された微生物活性の組み合わせ:混合されたイソチアゾーリノンおよび高分子イオネン(A new registered Combination of Microbial Actives: Mixed Isothiazolinones and a Polymeric Ionene)」。ポリイオネンおよびイソチアゾーリノンの両方が、人の消費のための食品への直接添加についてCFR 21に記載されていない。さらに、イソチアゾーリノンの10ppbの濃度が、EPAの前製造業者通知(premanufacturer notices)(PMN)P−95−116/96−1250およびP−96−117/96−1251に従う水生生物に対する毒性を有することがあるという問題がある。
【0026】
米国特許第4,980,067号明細書は、ポリイオネンでグラフトされたナイロンメンブランによって生物学的流体から微生物を除去する方法を教示した。グラフト方法は、ろ材として使用された高価なメンブランに加えて、記載された結果を達成するために、多くの合成化学を必要とし、これは、処理を無駄にすることがある。
【0027】
Journal of Controlled Release(Vol. 50、145号、1998からの論文が、第四級アンモニウム基およびホスホニウム基を有するポリマーを開示し、これらのポリマーは抗菌活性を示した。しかし、実際的な消費者用途のためにそのようなポリマーを固定化する方法についての記載はなかった。
【0028】
微生物低減のEPAの要件を満たすために、複数の活性成分を有する必要があるであろう。米国公開特許第2003/0168401 A1号明細書は、銀種および第四級アンモニウム塩の両方が抗菌用途に有用であることを開示した。銀は、飲料水を消毒するために使用される好ましい金属種であると開示された。しかし、米国公開特許第2003/0168401 A1号明細書に開示されたように、銀種は、基材の上に一様に分配される代りに、第四級アンモニウム電荷中心の周りに密にクラスター化される(clustered)。さらに、抽出可能なレベルを受入れられないほど高くすることがある、開示された第四級アンモニウム塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を固定化するためのいかなる化学的方法の言及もない。
【0029】
金属、金属酸化物、または金属ハロゲン化物(まとめて金属種と呼ぶ、たとえば、銀種)の分散に関して、本開示の発明者らに現在知られているすべての手順が、硝酸銀などの金属塩の、水性媒体への溶解に基づいている。硝酸銀の水溶液での作業は操作的に簡単であり、上述された特許公報に開示されているようにハロゲン化銀を形成することができる。しかし、この処理は、真の共有結合なしで、電荷相互作用によって銀種を第四級アンモニウム電荷中心の周りに物理的にクラスター化させる。ハロゲン化物が存在しない場合、これらの硝酸銀粒子は、水の高表面張力によって水が蒸発された後、より大きいサイズに成長する。したがって、当業者によって理解される精巧な分子相またはナノ相銀種粒子を伴わないで、銀種粒子の分散を増加させる必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
したがって、消費者に受入れられるように資本コスト、操作コスト、および管理コストを最小にしながら、危険な材料または安全でない技術を用いずにEPAによって提示されるような微生物低減標準を効果的に満たし、多様な流体ろ過用途における使用のために変わり、複数の流体ろ過要求を満たし、これらの要求を満足させることができる流体ろ材および組入れる装置に対する必要性がある。さらに、そのような潜在的に危険な成分の受入れられない浸出をなくすために、抗菌成分を固定化する付加的な必要がある。さらに、抗菌特性を有する金属種の効果を最大にし、かつこれらの金属種粒子が流体ろ材装置表面から移動する可能性を低減するために、金属種の粒度を最小にしないとしても著しく低減する必要がある。さらに、フィルタ表面全体の上の高分散で、これらの金属種を実質的に均一に分配することができるように、金属種の著しいクラスター化(clustering)をなくさないとしても少なくとも最小にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本開示の基本的な考えを含む新たな革新的な流体用分離媒体は、上述された問題の多くへの解決策を提供する。本開示による1つの代表的な流体用分離媒体は、少なくとも1つの抗菌成分を含む有機成分および無機成分のベース混合物を含み、ベース混合物の少なくとも1つの成分が、少なくとも1つの抗菌成分の表面に共有結合された電荷修正された基を含む。
【0032】
別の代表的な実施形態において、ベース混合物の少なくとも1つの成分に共有結合された電荷修正された基は、電荷担持モノマー、電荷担持巨大分子、電荷担持ポリマー、およびそれらの混合物を含む群から選択され、上で挙げられた電荷修正された基は、アルコキシ、アゼリジニウム(azeridinium)、エポキシ、反応性水素、およびそれらの混合物を含む群から選択される官能基を含む。
【0033】
さらに別の代表的な実施形態において、ベース混合物は、珪藻土、活性炭、ポリマー、パーライト、多孔性および非多孔性セラミック材料、ガラス繊維、ガラス球、ならびにそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0034】
さらに別の代表的な実施形態において、共有結合された電荷修正基は、ベース混合物の少なくとも1つの成分と永久結合する。
【0035】
別の代表的な実施形態において、抗菌成分は、約5から約9のpHにおいて正のゼータ電位を有する。
【0036】
さらに別の代表的な実施形態において、電荷担持モノマー、電荷担持巨大分子、および電荷担持ポリマーの分子量は、約5,000未満である。
【0037】
さらに別の代表的な実施形態において、ベース混合物は、オレフィンのポリマー、または−NH2、−OH、−NH、C=O、−C(=O)−O−、およびそれらの組み合わせの官能基を有するポリマーを含む。
【0038】
別の代表的な実施形態において、ポリマーは、セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、修飾されたポリエチレンおよびポリプロピレン、ならびにそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0039】
さらに別の代表的な実施形態において、電荷担持モノマーは、アルコキシ基を有し、かつ次の式
123SiCp2p+(Cl2l+1)(Cm2m+1)(Cn2n+1)X-
(式中、A1、A2、およびA3は、独立してCr2r+1OまたはOHであり、ここで、rは1から5の範囲内であり、pは1および10の範囲内であり、Bは窒素またはリンを含み、l、m、およびnは、個別に1および32の範囲内であり、X-は、Cl、Br、I、NO3、OH、ClO3、SO3、SO4、MnO4、PF6、またはBF4、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるアニオンである。)を有するオルガノシランを含む。
【0040】
別の代表的な実施形態において、電荷担持モノマーは、次の式
123SiCp2p+(C55)X-
(式中、A1、A2、およびA3は、独立してCr2r+1OまたはOHであり、rは1から5の範囲内であり、pは1から30の範囲内であり、N+(C55)はピリジニウム基であり、Xは、Cl、Br、I、NO3、ClO3、SO3、SO4、MnO4、PF6、またはBF4、およびそれらの組み合わせである。)によるアルコキシ基を有するオルガノシランを含む。
【0041】
別の代表的な実施形態において、少なくとも1つの電荷担持巨大分子は、複数の末端を含む分枝構造を有する。
【0042】
さらに別の代表的な実施形態において、電荷担持巨大分子の少なくとも1つは、分枝末端の1つ以上に作動可能に連結された第四級アンモニウム基またはホスホニウム基を含む。
【0043】
さらに別の代表的な実施形態において、電荷担持巨大分子の少なくとも1つは、次の繰返し単位
【0044】
【化1】

(ここで、nは約5から約24である)を含む。
【0045】
別の代表的な実施形態において、電荷担持巨大分子の少なくとも1つは、次の繰返し単位
【0046】
【化2】

(ここで、nは約5から約16である)を含む。
【0047】
さらに別の代表的な実施形態において、電荷担持巨大分子は、ベース混合物の少なくとも1つの成分に共有結合するための次の構造
【0048】
【化3】

(ここで、R1、R2、およびR3は、H、またはC1〜C5アルキル基であり、R4は、30以下の炭素原子を有する、脂肪族もしくは芳香族炭化水素鎖、またはこれら2つの組み合わせ、またはアミノ脂肪族鎖である。)による結合分子を含む。
【0049】
さらに別の代表的な実施形態において、ベース無機成分は、初期湿潤状態含浸(incipient−wetness impregnation)方法によってそれとともに組入れられた、1つの遷移金属化合物、または遷移金属化合物の混合物を含む群から選択される化合物をさらに含む。
【0050】
別の代表的な実施形態において、遷移金属化合物は、遷移金属酸化物、遷移金属ハロゲン化物、および遷移金属硫化物を含む。
【0051】
さらに別の代表的な実施形態において、遷移金属化合物は、Ag2O、AgO、Ag2S、およびAgClを含む。
【0052】
さらに別の代表的な実施形態において、遷移金属化合物の少なくとも1つが、水以下の表面張力を有する溶媒に溶解される。
【0053】
別の代表的な実施形態において、低表面張力溶媒は有機溶媒および無機溶媒を含む。
【0054】
さらに別の代表的な実施形態において、低表面張力溶媒は界面活性剤を含む。
【0055】
さらに別の代表的な実施形態において、遷移金属化合物は、無機および有機ベース混合物の表面の上におよび細孔内に実質的に一様に分配される。
【0056】
別の代表的な実施形態において、無機ベース混合物成分は、シリカ、アルミナ、アルミノケイ酸塩、マグネシア、チタニア、珪藻土、パーライト、およびそれらの組み合わせを含む。
【0057】
さらに別の代表的な実施形態において、無機ベース混合物は、合成または天然無機材料を含む。
【0058】
さらに別の代表的な実施形態において、高分子ベース混合物は、水不溶性ポリマーを含む。
【0059】
別の代表的な実施形態において、ベース混合物は、有機または無機性質の2つ以上の成分の複合体を含む。
【0060】
さらに別の代表的な実施形態において、ベース混合物複合体は、ポリピロール被覆されたベース混合物を含み、ピロールの現場重合が、初期湿潤状態含浸方法によって行われる。
【0061】
さらに別の代表的な実施形態において、多孔性および非多孔性セラミック材料は、ゼオライトを含む。
【0062】
別の代表的な実施形態において、遷移金属成分は、銀、銅、亜鉛、チタン、ジルコニウム、マンガン、タングステン、鉄、バナジウム、およびそれらの組み合わせから選択される基を含む酸化物を含む。
【0063】
さらに別の代表的な実施形態において、オルガノシランは、ベース混合物の表面に共有結合された架橋ポリマーを含む。
【0064】
さらに別の代表的な実施形態において、成分の表面に共有結合された電荷修正された基を有するベース混合物の成分は、約5から約9のpHにおいてカチオン表面を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲に使用される、成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表現するすべての数は、すべての場合「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、そうでないと明記しない限り、次の本明細書および特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本開示によって得ようと求められる所望の特性によって変わることができる近似である。少なくとも、および均等物の教義の適用を特許請求の範囲に限定しようとする試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁の数に鑑み、および通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0066】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータが近似であるにもかかわらず、特定の具体例に記載された数値はできるだけ厳密に報告される。しかし、いかなる数値も、本質的に、それらのそれぞれのテスト測定に見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含む。
【0067】
本開示に使用される代表的な流体ろ材としては、これに限らないが、活性炭(AC)、珪藻土(DE)、ポリエチレンの粉末、ポリエチレンおよびポリプロピレンの繊維、ならびにケイ酸チタンなどの鉛吸着成分(ATS, Engelhard Corp, Iselin, NJ)が挙げられる。ACおよびDEの両方は、活性成分であり、かつ主流なろ過成分であり、というのは、それらが、たとえば水などの流体が、流れることを可能にし、かつ、次の機構、すなわち、機械的ふるい分け、吸着、および電荷相互作用の少なくとも1つ以上によって、たとえば飲む目的のために使用される水などの流入流体中に存在する望まれない種を、流出流体流中に存在しないように、機械的に分離するおよび/または吸着することを可能にするからである。
【0068】
本開示の特定の例および詳細は、水中の微生物低減に関連するが、ここで説明される技術原理および特定の化学的概念は、おそらく気相中の微生物低減にもあてはまると考えられる。したがって、流体という用語が本開示に使用されるときはいつでも、たとえば水などの液体、およびたとえば空気などの気体を含む、従来の意味における流体を意味することが理解される。
ろ材ブロック
本開示に使用されるように、「グリーン強度」という用語は、ブロックがベーキングなしで圧縮されるときにブロック構造が有する強度を意味する。ベーキングの処理のために準備するときにブロックが人またはロボットの取り扱いにかけられるとき、最小のそのようなグリーン強度が必要である。
【0069】
本開示の次の例に使用されるろ材ブロックは、CUNO, Incorporatedに発行された米国特許第5,882,517号明細書に基づいて製造され、その開示を、本開示と矛盾しない程度に参照により本明細書に組み入れる。米国特許第5,882,517号明細書は、活性炭(以下AC)ならびにさまざまな粉末および繊維成分をベースとした多孔性構造を記載している。グリーン強度はロッド形繊維によって維持される。米国特許第5,882,517号明細書に記載された残りの成分は、バインダーとして作用する。バインダー、特にベーキングの間溶融するものは、米国特許第5,882,517号明細書に記載されているように、ブロックが、室温で約13.79MPa(2000psi)の圧力に曝され、次に約142℃の温度で約45分間ベークされた後、強度をもたらす。当業者によって使用される多くのバインダーがあるが、本開示に使用される現在好ましいバインダーは、融点が約110℃であるミクロン(μm)サイズのポリエチレン粉末である。本開示において、ACの少なくとも一部が、珪藻土(以下DE)と交換され、次に、DEは、抗菌活性をもたらすために修正される。
【0070】
金属粒子分散
抗菌活性を与えるための、ろ材への複数の可能な修正の1つは、たとえば、亜鉛種、銅種、鉄種、銀種などの遷移金属種(遷移金属は、ここで好ましくは、不完全に充填された「d」副殻または軌道を有する1つ以上の安定したイオンを形成する、周期表の「B」族からの元素とここで定義され、ランタニドおよびアクチニドを含まない。)の均一に薄い層を、媒体上に分散させることである。金属種を固体ろ材基材の表面上に堆積させる処理は、「含浸」として当該技術において知られている。本開示において、金属種をACおよび/またはDE上に含浸させることができる。たとえば銀などの金属種を与えるための1つの効果的な方法は、硝酸銀溶液による。
【0071】
図1に示されているように、1つの既知の実施において、硝酸銀を水に所定の濃度に溶解し、次に、いつACまたはDE粉末の流れが遅くなり始めるかが主観的な判断である(例として、ジャーミル内の媒体の転がりに対する視覚的に検出可能な抵抗)初期湿潤状態の点まで、しかしいかなる感知できる凝集体の形成前に、ACまたはDEに加える。「初期湿潤状態」という用語は、多孔性または非多孔性性質の粒子が、湿潤液の層で、少なくとも部分的に、ここで好ましくは完全に被覆されたときの状態を意味する。実際的な目的のため、初期湿潤状態の後の段階、すなわち、いかなる凝集体の形成の前が好ましい。
【0072】
水が非常に高い表面張力(25℃で72.0ダイン/cm)を有するので、これは、水が蒸発すると、局所化された大きい硝酸銀粒子を形成することが予期されるだけでなく、また、水がろ材のより小さい領域に近づく可能性を妨げる。この処理を与えられて、近づく可能性の問題を実質的になくさないとしても、少なくとも著しく低減するための1つの可能な方法は、銀塩を溶解することができる低表面張力の良好な非水性溶媒を使用して、この湿潤および分散問題を解決して、ろ材基材の、液で湿潤された表面全体の上に一様に分配することができる、高度に分散されたより小さい粒度の銀種の両方を提供することである。これらの好ましい溶媒としては、これに限らないが、たとえば、Cn2n+1−O−Hの一般構造を有するメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低分子量アルコールが挙げられるが、約25℃で表面張力が約22.0ダイン/cmであるエタノールがここでは好ましい。最終表面張力が25℃で約1ダイン/cmから約72ダイン/cmである、水または他の溶媒系中の界面活性剤、および超臨界流体(SCF)を含む他の溶媒を含むものとする(たとえば水は、25℃で表面張力が約72ダイン/cmである)。たとえば、トリメチルアミン(13.4ダイン/cm)、ジエチルエーテル(16.7ダイン/cm)、2−メチル−2−プロポナル(proponal)(20.0ダイン/cm)、この範囲内のすべてのC1〜C6アルコール、たとえば、1−ヘキサノール(25.8ダイン/cm)、ジエチレングリコール(44.8ダイン/cm)を含む、15から50ダイン/cmの現在好ましい最終表面張力を有する溶媒系、および20から30ダイン/cmの最も現在好ましい表面張力が、本開示に含まれる。
【0073】
良好な溶媒または他の同様の機構を使用すると、たとえばエタノールなどの良好な溶媒が蒸発すると、硝酸銀粒子の実質的に均一な分配の薄い層が形成される。上記2つの処理は、以下で説明される図で示される。
【0074】
図2に示されているように、たとえば、硝酸銀のエタノール溶液などの、約20から約25℃で表面張力が約20から約40ダイン/cmである良好な溶媒を使用すると、少なくとも3つの利益をもたらし、すなわち、1)小さいが均一に分配された硝酸銀粒子が、ろ材基材のより大きい表面領域被覆率をもたらし、2)ろ材基材表面の最大被覆率は、これに限らないが、比較的低い表面張力の液体のみが微細孔に浸透しその後湿潤することができる微細孔を含み3)小さいが均一に分配された硝酸銀粒子が、水ベースの系と比較して、ろ材基材表面へのより高い接着力を有する。小さい粒子の、基材表面へのより良好な接着力は、流出流中への粒子浸出の可能性を低減する。
【0075】
AC表面およびDE表面の修正
当業者によって知られているように、ACは非常に複雑な分子構造を有する。処理の間の熱処理によって、AC表面は、大部分、−OH、−CO、および−COOHなどの酸素含有基を有する。これらの酸素含有基が縮合環上に配置されるので、それらの濃度は幾分低いと考えられる。これらの酸素含有基のこの比較的低い濃度は、活性炭(AC)の反応性を低減する。高度に酸化された表面を、硝酸または硫酸を反応させることによって達成することができるか、または、この高度に酸化された表面を、オゾンプラズマもしくは酸素プラズマ、UV、または表面を酸化させる他の方法の存在下で達成することができる。酸化に加えて、表面は、さらなる表面修正のためにアミン基を提供するように処理することができる。そのような修正の一例は、表面アミン基または表面ヒドロキシル基を、反応性エポキシ基、または反応のために利用可能な他の活性基を有する化学種と反応させることであるか、または、エポキシ基、または、アルコキシ、アゼリジニウム、反応性水素(弱い極性共有結合のものを超える、元素水素より大きい電気的陰性度(電気的陰性スケールで>0.4)を有する原子に結合された水素原子)、およびそれらの混合物などの、反応のために利用可能な他の活性基を有する剤によって結合することができる。表面アミンまたは表面ヒドロキシルの濃度が、表面修正がその抗菌効果を示すように十分に高くない限り、そのような修正は、一般に、この用途のための著しい結果を与えない。上で説明されたように、活性炭上の十分な表面修正がないことがある。したがって、第2の活性成分をろ材中に含める必要がある。
【0076】
DEは、珪藻と呼ばれる単細胞植物の殻残骸(skeletal remains)から構成された天然材料である。珪藻の寿命において、珪藻は水からシリカおよび他の鉱物を抽出し、珪藻が枯れると、珪藻殻形状のみが残る。DEは、異なったサイズ、形状、および構造の微細粒子の混合物を有するので、何年もの間ろ材としてまたはろ過助剤として使用されている。未処理のDEの組成は、大部分シリカであり、いくらかのアルミナ、酸化カルシウム、酸化鉄、チタニアなどを有する。その組成の複雑さにもかかわらず、DEの表面は、湿らされた環境中にあるときヒドロキシル基で被覆される。本開示は、他の特徴の中で、そのような表面ヒドロキシル基を使用して、帯電した抗菌種と反応させて、表面を電荷修正して、抗菌能力を処理することを説明する。活性炭、ポリマー、セラミックス、および遷移金属が、必要な場合、いったん処理されて、表面ヒドロキシル基を生成すると、また、このように反応させて抗菌活性を生じさせることができると考えられる。
【0077】
1970年代初めに、1群の有機ケイ素第四級アンモニウム化合物がDow Corningによって開発され、多くが、抗菌特性を示すことに関して研究されている。研究されたものの中から、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリド(DC−9−6346)が、抗菌文献(たとえば、米国特許第3,560,385号明細書)に最も引用されたものの1つである。オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドの3つのメトキシル基を、DEのヒドロキシル基と反応させて、DEと抗菌オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドとの間の化学的結合を形成することができる。この反応は、一般に、図3に示されている。
【0078】
図3に示されているように、(A)は、DE中の主成分と、表面ヒドロキシル基とを含むDEを表す。(B)は、有機ケイ素第四級アンモニウム化合物の一般化形態を表す。(C)は、特定のアタッチメント位置を示唆せずに、(B)の、(A)の表面上のアタッチメントを表す。
【0079】
そのような置換シランの第四級アンモニウム塩の1つの代表的な例が、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドであり、これは、Dow Corning Corporation(DC−9−6346)またはAegis Environmental Management Inc.(AEM5700)から市販されている。
【0080】
そのような置換第四級シランがとることができる多くの形態がある。たとえば、第四級窒素原子は環中にあり、それにより、反応後、DE表面は、図4に示された構造と同様の構造を有する。
【0081】
これに限らないが、DEに結合された2つの隣接したシラン基が、アルキルオキシ結合を介してともにカップリングされた、図5に示された結合などの、DE基材と帯電したシラン種との間の結合の他の可能な形態がある。
【0082】
ヒドロキシル基またはアルキルオキシル基を介する、第四級アミン置換シランの、DEとの反応に加えて、DEと反応することができる他の官能基がある。そのような反応の1つの代表的な例は、これに限らないが、図6に示されているようなエポキシ基を介する。
【0083】
そのような反応の反応性が低い場合、カップリング剤を使用して、そのようなエポキシ担持第四級アンモニウム種をDEの表面上に化学的に結合することができる。これらのカップリング剤としては、これに限らないが、図7に示された構造と同様の構造を有するカップリング剤が挙げられる。
【0084】
DEのそのような表面修正の代表的な例としては、これに限らないが、図8に示されているような構造が挙げられる。
【0085】
これらの電荷修正化合物が、図6の(D)に示されているようなポリマーであろうと、約10より大きいなどの大きいm数を有する、図3の(B)に示されているような巨大分子であろうと、nが1に等しい、図6の(D)に示されているようなモノマーであろうと、それらはすべて、これに限らないが、細菌およびウイルスなどの、小さい負に帯電した種を吸収することができる。しかし、上述された電荷担持種がすべて、微生物のライフプロセスを不活性化する能力を所有するわけではない。そのような電荷担持種のサイズおよび/または形状の独特の組合せが、そのような微生物のライフプロセスを不活性化する機能を所有するようである。微生物と帯電した化合物との間の相互作用を探究することは特に興味深く、帯電した化合物は、各分枝の末端における、これに限らないが、第四級アミンなどの帯電した中心を有する分枝構造を有する。
【0086】
抗菌テスト
1987年に米国環境保護庁(United States Environmental Protection Agency)(US EPA)によって発行された「微生物学的水精製装置をテストするためのガイド標準およびプロトコル(Guide Standard and Protocol for Testing Microbiological Water Purifiers)」に厳密に従うために従うテストを行うことに加えて、等価な低バイオハザードテスト方法が、本開示において開発され示された。Brevundimonas diminuta(ATCC−19146)を細菌代用物として使用するものとし、バクテリオファージMS−2(ATCC−15597−B1)をポリオウイルスのウイルス代用物として使用するものとし、バクテリオファージPRD−1をロタウイルスSA−11のウイルス代用物として使用するものとする。
【0087】
使用/テストのためのチャレンジ(challenge)生物の懸濁液調製、密度測定、負の制御(negative control)および分析のために用いられる方法を、以下に提示する。
【0088】
テスト水要件:
次の特徴を満たす処理水を、「シードされた」テスト(チャレンジレベルに加えられた微生物)および「シードされていない」テスト(付加的な微生物なし)の両方のための水として使用した。
【0089】
【表1】

いかなる測定可能な量の塩素もチオ硫酸ナトリウムによって除去し、これは、この分野において既知の技術である。シーディング処理前、水は、製造業者の指示に従って適切にフラッシングされたNSF標準42ろ過装置で予めろ過されるものとする。
【0090】
別の水道を浸出目的のために使用した。浸出目的のために使用された水道は、上述されたものと同様であり、pHは約5.0±0.2pHの単位の範囲内であり、TDS値は約100mg/L未満であった。
【0091】
微生物
次の具体例に使用されるように、すべての生物が、American Type Culture Collection, 19301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852−1776から得られた。
【0092】
関連したホストが具体例に使用されたテスト生物は、Brevundimonas diminuta(ATCC #19146)、MS−2(ATCC #15597−B1)、および大腸菌(ATCC # 15597、バクテリオファージMS−2のホスト生物)である。
【0093】
細菌チャレンジを「シードされた」テスト水
次の特徴を有する水道を次の具体例に使用した。
【0094】
【表2】

ウイルスチャレンジを「シードされた」テスト水
次の特徴を有する水道を次のテスト具体例の間使用した。
【0095】
【表3】

約30NTUより大きい濁り度をこのテストのために使用したが、テストダストが機械的低減によってろ過表面上で迅速に除去されるので、フィルタの内部機構がより低い濁り度の水に曝されると考えられる。上で指定されたようなチャレンジ水に使用されたテストダストの濃度に関係なく、示された結果を得ることができると考えられる。
【0096】
緩衝液調製:
無菌緩衝希釈水(SBDW)を、水および廃水の検査のための標準方法(Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater)(希釈水:緩衝水)に従って調製した。2つの緩衝液を、以下で規定されるように使用し調製した。約pH7.4を有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、および約pH7.3を有するTrizma(トリス)緩衝生理食塩水(TBS)。
【0097】
−リン酸緩衝生理食塩水(PBS)−80gの塩化ナトリウム(NaCl)、2gのリン酸二水素カリウム(KH2PO4)、29gのリン酸水素二ナトリウム水和物(Na2HPO4・12H2O)、および2gの塩化カリウム(KCl)を水に溶解して1Lの最終容量にすることによって、ストック溶液を調製した。ストック1容量を水9容量で希釈することによって、ストック溶液から作業溶液を調製した。使用前、0.1N HClまたは0.1N NaOHで、pHメータを使用して、pHを7.4に調整した。
【0098】
−Trizma(トリス)緩衝生理食塩水(TBS):Sigma−Aldrich Chemical, St. Louis, MO, USA.2.42gのトリスおよび29.24gのNaClを水に溶解して1Lの最終容量にすることによって、ストック溶液を調製した。0.1N HClで、pHメータを使用して、pHを7.3に調整した。
【0099】
成長媒体
次の代表的な成長媒体を、以下で説明される具体例に使用した。
【0100】
【表4】

トリプトン、ソイトン、デキストロース、塩化ナトリウム、およびリン酸二カリウムなどの固相化学物質を、沸騰によってDI水に溶解し、次に、最終pHに調整し、次に、約8mLのアリコートを、被覆された16×150mmの試験管内に分配する。次に、結果として生じるブロスを、オートクレーブ処理によって、蒸気を使用して、圧力下で、約121℃+/−1℃以上の温度で、約103kPa(15psi)で、約20分間滅菌する。次に、冷却されたブロスを約5℃+/−3℃ Fで保管して、細菌の再成長の可能性を最小にする。
【0101】
【表5】

トリプトン、ソイトン、デキストロース、塩化ナトリウム、およびリン酸二カリウムなどの固相化学物質を、沸騰によってDI水に溶解し、次に、最終pHに調整し、次に、オートクレーブ処理によって、蒸気を使用して、圧力下で、約121℃+/−1℃以上の温度で、約103kPa(15psi)で、約20分間滅菌する。調整された(tempered)媒体を無菌ペトリ皿に注ぐ。使用まで、寒天プレートを約5℃+/−3℃ Fで保管して、細菌の再成長の可能性を最小にする。使用前、プレートを室温に温めさせる。
【0102】
【表6】

上記表に示された固形分をDI水に溶解し、約0.1N水酸化ナトリウムを使用して、pHを約6.9〜7.0に調整する。
【0103】
チャレンジ懸濁液の調製:
具体例に使用されるさまざまなチャレンジ溶液を調製するために用いられる方法を、以下で説明し、次のように詳述する。
【0104】
B.diminutaのチャレンジ懸濁液の調製:
チャレンジ懸濁液を調製する約2日前、低温凍結されたB.diminuta株を解凍し、1つのTSB管にストック懸濁液を接種する。約30℃±2℃で約24時間培養する。テストチャレンジ約24時間前、適切な量のSLBに、SLB1リットルあたりB.diminutaシード培養物1mLを接種する。約30℃±2℃で約24時間培養する。チャレンジ懸濁液を調製する日に、使用前、TSAプレートを室温に温めさせる。SLB培養物のアリコートを無菌で取り出し、光学濃度またはエピ蛍光(epifluorescence)によって密度を測定する。
【0105】
SLB培養物の測定された密度に基づいて、一般テスト水で約1×108cfu/Lの生物の懸濁液を調製する。チャレンジ懸濁液から10mLのアリコートを取り出し、密度検証のために取っておく。
【0106】
チャレンジストックMS−2の調製:
SmithおよびGerbaによって説明される方法(1982、Methods in Environmental Virology、pp.15〜47)によって成長され、Sharpらの手順(1975、Applied Microbiology、29:94〜101)または同様の手順(BermanおよびHoff、1984、Applied Environmental Microbiology、48:317〜323)によって精製されるべきすべてのストック、というのは、これらの方法が大部分単分散されたビリオン粒子を製造するからであり、各々の開示を、本開示と矛盾しない程度に参照により本明細書に組み入れる。
【0107】
チャレンジ懸濁液を調製する約2日前、低温凍結された大腸菌(ATCC # 15597)サンプルを解凍し、1つのTSB管にストック懸濁液を接種する。約35℃±2℃で約18時間振とうせずに培養する。別のTSB管に(a)からの培養物を接種し、約6時間約35℃±2℃で振とうしながら培養して、新しい培養物を得る。これらの工程後、ストックMS−2を解凍し希釈し、トリス緩衝生理食塩水中で連続的に希釈して105pfu/mlの近似濃度にする。MS−2ファージ希釈液約0.1mlおよび1mlの大腸菌培養物を過度溶融(molten overly)寒天の管(約1%の寒天を有するTSB)に加え、混合する。混合後、混合物を、TSAを収容するペトリ皿に注ぎ、約18〜24時間約35℃±2℃で培養する。融合(confluent)プラークが観察された場合、約6〜7mLのトリス緩衝液を、先に調製されたようなプレートに加え、最大約1時間放置させる。液体フラクションを回収し、遠心分離する(約20分間約10℃で約15000xg)。液体フラクションを回収し、0.2μmのSterAssureメンブランディスク(Cuno Incorporated, Meriden, CT.から)を通してろ過して、細菌汚染をなくす。ペレットを回収し、無菌トリス緩衝液中に再懸濁させる。約5℃±3℃で保管する。
【0108】
トリス緩衝液の添加、およびプレートを1時間静止したままにさせることは、MS−2などのバクテリオファージを、寒天表面を通って液体緩衝中に拡散させ、テストフィルタ中へのシード注入の間すべてのバクテリオファージ注入がなされる濃縮ストック溶液として、寒天表面から試験管にバクテリオファージを捕捉し移送する。
【0109】
MS−2のチャレンジ懸濁液の調製:
チャレンジ懸濁液を調製する日に、適切な量の無菌Trizmaベース(確認の間測定されるべき量)に、トリス1リットルあたり適切な量(確認の間測定されるべき量)のMS−2シード培養物を接種する。約23℃±1℃で保管する。使用前、TSAプレートを室温(室温の範囲)に温めさせる。培養物のアリコートを無菌で取り出し、光学濃度またはエピ蛍光によって密度を測定する。これらの工程後、細胞懸濁液を適切なテスト水で希釈して、約1×107cfu/Lの最小懸濁液ターゲットを得る。チャレンジ懸濁液から約10mLのアリコートを取り出し、密度検証のために取っておく。
【0110】
チャレンジ生物の濃度の測定
この測定は、単位チャレンジについて、単位流量、注入供給ポンプ速度、懸濁液密度、および最終チャレンジ生物濃度に基いた。懸濁液は、チャレンジ生物を、各サンプル点で2つの完全なオン/オフサイクルに配送するのに適切な容量でなければならない。
【0111】
たとえば、そのようにテストされた、1分あたり約3.785×10-33(1.0ガロン)(gpm)の単位流量、および同じ単位(duplicate unit)について、合計約7,560×10-33/分(2.0gpm)(7,560mL/min)が必要であろう。注入速度が約10mL/minであり、懸濁液密度が約1×109/mLである場合、最終濃度は約7.0×104/mLであろう。オン/オフサイクルは、10minのオン/10minのオフ(2つの完全なサイクルについて20分のオン)であることができる。
【0112】
B.diminutaの密度測定
無菌SDBWを使用して適切な段階希釈液(serial dilutions)を製造する。適切な(100〜10-5)希釈液を2つTSAプレート上に塗布する(Plate)。逆にし、約35℃±0.5℃で約48時間培養する。培養後、コロニーカウンタを使用して、約30〜300の別個のコロニー形成単位(cfu)を収容するプレートを数え上げる。得られたCFUの数に希釈係数の逆数を乗じることによって、B.diminuta懸濁液の密度を計算する。結果をCFU/Lの数として表現する。
【0113】
MS−2の密度測定
無菌SDBWを使用して段階希釈液(100〜10-4)を製造する。ホスト生物として大腸菌を使用して、(100〜10-5)希釈液を2つTSAプレート上に塗布する。逆にし、約35℃±0.5℃で約48時間培養する。培養後、コロニーカウンタを使用して、30〜300の別個のプラーク形成単位(pfu)を収容するプレートを数え上げる。得られたPFUの数に希釈係数の逆数を乗じることによって、MS−2懸濁液の密度を計算する。結果をPFU/Lの数として表現する。
【0114】
負の制御、流入サンプル、および流出サンプルの分析
負の制御
プレートを加熱して、B.diminutaについてTSA上の2つの各細菌株の約100にした。逆にし、約35℃±0.5℃で約24時間培養する。MS−2バクテリオファージのホスト生物として大腸菌(ATCC # 15597)を使用して、TSA上にウイルス株を3つ(in triplicate)100に塗布する。約35℃±0.5℃で約24時間培養する。
【0115】
B.diminuta
流入サンプル
無菌SDBWを使用して、流入サンプルの段階希釈液(100〜10-4)を製造する。100〜10-5希釈液を2つTSAプレート上に塗布する。逆にし、約35℃±0.5℃で約48時間培養する。培養後、コロニーカウンタを使用して、30〜300の別個のコロニー形成単位(CFU)を収容するプレートを数え上げる。得られたCFUの数に希釈係数の逆数を乗じることによって、B.diminuta懸濁液の流入を計算する。結果をCFU/Lの数として表現する。
【0116】
流出サンプル
0.20μmのメンブラン、およびTSA上のプレートを使用して、標準プレートカウント方法を無菌で行う。逆にし、約35℃±0.5℃で約48時間培養する。成長が存在しない場合、約7日までの間培養し続ける。培養後、コロニーカウンタを使用して、約20〜約200の別個のコロニー形成単位(CFU)を収容するプレートを数え上げる。結果をCFU/Lの数として表現する。
【0117】
MS−2
流入サンプルおよび流出サンプル処理は、プラークがメンブランディスク上で検出可能でなく、メンブランろ過方法がプラークカウントには適切でないので、流出サンプルにおいてメンブランが使用されない以外は、B.diminutaと同様である。
【0118】
従属栄養プレートカウント(Heterotrophic Plate Counts)(HPC)とも呼ばれる、飲料水装置に通常見出される非病原性細菌が、B.diminuta分析を妨げることがあり、というのは、B.diminutaが、分類「HPC」内に含まれる生物の広い分類の一部であるからであり、誤ったポジティブな結果を回避するためにHPCの妨げをなくすことが必要である。
【0119】
結果
培養後、流入サンプルプレートのすべての上のコロニーをカウントする。ウイルスについて、30〜300のコロニーを有するプレートの1Lあたりのコロニー形成単位(cfu)、または30〜300のプラークを有するプレートの1Lあたりのプラーク形成単位(pfu)の平均を計算する。これは「No」値である。
【0120】
培養後、流出サンプルプレートのすべての上のコロニーをカウントする。ウイルスについて、30〜300のコロニーを有するプレートの1Lあたりのコロニー形成単位(cfu)、または30〜300のプラークを有するプレートの1Lあたりのプラーク形成単位(pfu)の平均を計算する。これは「Ns」値である。
【0121】
培養後、グラム染色法、およびB.diminutaに特有の生化学テストによって、すべての流出細菌コロニーがテスト生物であることを確認する。流出サンプルプレートに対応するフィルタ上にコロニーがない場合、テストフィルタごとの対数減少(Log Reduction)(LR)を、次の式、LR〜log10(No)を使用して近似する。
【0122】
流出サンプルプレート上に1つ以上のコロニーがある場合、このフィルタのLRを下記式、LR=log10(No/Ns)から計算する。
【0123】
流出サンプルプレートが融合(confluent)成長を有する場合、LRを測定することができず、そのように記録する。
【実施例】
【0124】
本開示の具体例に使用される代表的なろ材ブロックの準備のための一般手順を、次のように説明する。
【0125】
DE約28グラムを、約28グラムの活性炭(Barneby & Sutcliffe、Activated Carbon Type 1184)、ポリエチレンバインダー(Equistarから入手可能なFN510)約16グラム、フィブリル化(fibrillated)ポリエチレン繊維(Minifiberから入手可能なUL410)約8グラム、フィブリル化されていない(unfibrillated)ポリプロピレン繊維(Minifiberから入手可能な3DPP0.635センチメートル(1/4インチ))約2グラム、より小さいサイズのフィブリル化ポリエチレン繊維(Minifiberから入手可能なESS−5F)約4グラム、およびPb低減媒体(EngelhardからのATS)約14グラムと、V字形ブレンダ(Littleford Day, Inc.、多相ミキサ、モデル#:FM 130 DX)によって均一に配合する。成分を約30秒間混合し、次に、約10分間混合しチョッピングした。「フロック」と呼ばれる配合された混合物を、当業者によって理解されるように、振動テーブル、振動シュート、および真空ラインを介して、標準15.24センチメートル(6インチ)ブロックモールド内に供給する。モールドをほぼ室温で約5.17MPa(750psi)に等圧圧縮して(Conoflow、ITT Fluid Tech Corporation、Loomis Hydraulic Press)、グリーン強度を得る。圧縮操作後、結果として生じるものは、「ブロック」として知られている。次に、ブロックを、約60℃で約1時間、次に約114℃で約40分間、オーブン(Lunair Limited、Gruenberg Oven、モデル#:C35V31.50M)ベークした。ブロックは、その後の、中心機械卓上旋盤(Central Machinery Bench Lathe)上のOD(外寸法)旋盤加工を経て、約3.81センチメートル(1.5インチ)の平均ODを得る。その後、各旋盤加工されたブロックを剛性のこぎり(Rigid Saw)上で約15.24センチメートル(6インチ)の長さに切断した。
【0126】
銀種のDE上への含浸
銀種をDEに含浸させるために用いられた手順は、次の通りであった。硝酸銀(J. T. Bakerから入手可能)、1.6グラムを、1リットルのエタノールに加え、完全な溶解まで撹拌した。溶液を、初期湿潤状態段階に達するまで、2リットル容器内の1kgのDE(World Mineralsから入手可能なCelite(登録商標)501)に滴状に加え、混合物を絶えず撹拌した。含浸されたCelite(登録商標)501を浅いトレイに移送し、粉末深さが約1.27センチメートル(半インチ)になるように一様に広げた。中身を有するトレイを換気フード内に着座させ、図9に証明されるように検出可能なエタノール蒸発がなくなるまで、約15時間以上の期間の間、Celite(登録商標)501粉末を時々撹拌した。
【0127】
次に、トレイの中身をマッフル炉(Lindberg Blue Mオーブンモデル#:MO1440A−1)に移送し、次に、約440℃で約30分間加熱した。室温に冷却した後、含浸されたCelite(登録商標)501は、さらなる処理のための準備ができている。
【0128】
オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドでのDE表面の修正
オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドでのDEの表面の修正を次のように行った。DE(World Mineralsから入手可能なCelite(登録商標)501)100gを重量を計って、ガラスビーカー内に入れ、2gのオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリド(Dow Corning CorporationからDC9−6346として入手可能)の110gの水溶液を、ゆっくり(1分あたり約1グラム)加え、ビーカーをスロータンブリング(1秒あたり約2回転)して、加えられた液体を固体DE粉末へ均一に混合および分配した。添加を終えた後、中身をトレイに移送し、約80℃のオーブン内に約4時間、次に約120℃に約4時間配置した。より長い時間処理は、結果に影響を及ぼさないようであった。DEをスクリュトップジャー内で1LのDI水で4回すすぎ、ローラミル上でタンブリングして、均一な湿潤およびすすぎを確実にし、次に、中身をWhatman紙を通して真空ろ過し、約4時間、または処理されたDEが完全に乾燥されるまで、約120℃のオーブン内に配置した。
【0129】
次のテストは、DC9−6346の例を修正剤として使用することによって、このDEの非常に徹底的な洗浄の後でさえ、Celite 501の表面上の代表的な修正剤の存在を実証する。
【0130】
フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析法
未処理のDEおよびDC9−6346で処理されたDEのFTIRスペクトルを以下に示す。
【0131】
【表7】

上および真中のスペクトルは、未処理のCelite 501およびDC9−6346で処理されたCelite 501を示す。両方のスペクトルは、約1070&790cm-1において強いSi−Oバンドを示し、約1990、約1870、&約1620cm-1においてより小さいバンドを示す。シラン処理されたCelite 501のスペクトルは、また、未処理のCelite 501のスペクトル内に存在しない、約2920&約2850cm-1における脂肪族バンドを表示する。
【0132】
下のスペクトルはDC9−6346である。処理されたCelite 501のスペクトル内に見られる(しかし未処理のCelite 501のスペクトル内に見られない)約2920および約2850cm-1における吸収バンドは、DC9−6346のスペクトル内の同様のバンドとよく一致する。
【0133】
DC9−6346で処理されたCelite 501のスペクトル内の(しかし未処理のCelite 501のスペクトル内でない)約1460cm-1における吸収バンドは、DC9−6346のスペクトル内の約1470cm-1におけるバンドに近いが、厳密な一致でない。
【0134】
ゼータ電位
この研究のゼータ電位をAnton PaarからのElectro Kinetic Analyzer(EKA)で行った。未処理のCelite 501およびDC9−6346で処理されたCelite 501について、差は、pHが約10と高い場合でも、処理されたDEが正の電荷を所有するものである。未処理のDEは、約5.5から約10.5のpH範囲内で負のゼータ電位を有する。
【0135】
【表8】

各DC9−6346で処理されたDEを徹底的に洗浄して、いかなる自由シラン分子も除去した。1つのそのような洗浄方法は、ろ過後、処理されたDE約50グラムを水約0.8リットルで洗浄し、次いで、約0.2リットルの水すすぎを行うことである。下記表は、5回の連続洗浄後、シラン濃度が定量化の限界未満である(<0.40mg/L)ことを示す。
【0136】
【表9】

リンカーおよびSolfix EでのDEの修正
リンカーおよびSolfix EでのDEの表面の修正を次のように行った。DE(World Mineralsから入手可能なCelite(登録商標)501)100gを重量を計って、ガラスビーカー内に入れ、約1.2gの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(Gelest, Inc.から入手可能)の約110gの水溶液を、ゆっくり(1分あたり約1グラム)加え、ビーカーをスロータンブリング(1秒あたり約2回転)して、加えられた液体を固体DE粉末へ均一に混合および分配した。添加を終えた後、中身をトレイに移送し、約115℃のオーブン内に約4時間配置した。より長い時間処理は、結果に影響を及ぼさないようであった。処理されたDEをスクリュトップジャー内で約1LのDI水で4回すすぎ、ローラミル上でタンブリングして、均一な湿潤およびすすぎを確実にし、次に、中身をWhatman紙を通して真空ろ過し、約4時間、または処理されたDEが完全に乾燥されるまで、約115℃のオーブン内に配置した。苛性Solfix E(Ciba Specialty Chemicals, Inc.から20%の濃度として入手可能)溶液を、約33.75gの20%Solfix Eおよび約33.75gの5N NaOHを約575gのDI水に溶解することによって調製し、よく混合した。結果として生じたSolfix E溶液を、同様に、先に処理されたDEに加えた。洗浄後、中身をトレイに移送し、前のように乾燥させた。
【0137】
緊張病的に(catatonically)修正されたDEに対するある範囲のアニオン対イオンを使用することができると考えられ、アニオンを、実効負電荷(net negative charge)を所有する原子または1群の原子と定義する。
【0138】
いったん、実験を行うために必要である上述された準備作業が完了すると、新たな革新的なろ材の実現可能性をテストした。これらの実験の実施の間に従った手順を、以下で具体例1〜3に説明する。
【0139】
具体例1:修正されていないろ材での抗菌低減テスト
約28%のACと、約28%の修正されていないDEと、約16%のポリエチレンバインダーFN510と、約8%のポリエチレン繊維UL410と、約2%のポリプロピレン繊維3DPP0.635センチメートル(1/4インチ)と、約4%のポリエチレンESS−5Fと、約14%のATSとから構成された代表的なフィルタブロック。ブロックを、流体入口と流体出口とを有するフィルタハウジングに嵌合して、水ろ過用途に使用されるそれらのフィルタ装置と同様のフィルタ装置を構成した。
【0140】
次に、フィルタ装置を、USEPAガイド標準およびテストプロトコル(Guide Standard and Test Protocol)(1987)に従ってテストし、その開示を参照により本明細書に組み入れる。
【0141】
未ろ過水道水でできた75.7リットル(20ガロン)のチャレンジテスト水を一晩冷蔵した。一晩の冷却の間の細菌成長を抑制するために、残留塩素をタンク内に残した。一般のテスト水を、Cuno, Inc.から入手可能なAqua Pure(商標)AP117塩素低減フィルタによってろ過された水道水でつくった。両方のタンクを、Hach(商標)DR/700測色計によって、AccuVac(商標)DPD全塩素試薬で、全塩素についてテストした。全塩素が約0.02mg/Lより大きいか等しい場合、約3%のチオ硫酸ナトリウム溶液(w/v)を各タンクに加えた(水約1200mLあたり約3%のチオ硫酸ナトリウム約0.1mL)。撹拌後、次に、タンクをリサンプリングし、全塩素について再テストした。全塩素が約0.02mg/L未満になるまで、チオ硫酸ナトリウムを上述されたように加えた。
【0142】
テストの間、MS−2(ATCC 15597−B1)を使用して、一般テスト水タンクに、約106PFU/mLの濃度にシードし、Klebsiella terrigena(ATCC−33257)を使用して、水タンクに、約108/lの濃度にシードした。次の表は、この具体例の結果を示す。
【0143】
【表10】

結果からわかり得るように、バクテリオファージの流入チャレンジは、約1.0E+07pfu/lの指定された濃度に維持されており、これは「No」値と呼ばれる。流出濃度、またはフィルタを出る水中に検出されたバクテリオファージMS2の濃度は、1.5E+05pfu/lから1lあたり1.22E+06であることが示され、これらは「Ns」値と呼ばれる。本開示に先に説明されたように、流入濃度Noと流出濃度Nsとの比の対数は、上記表に示されたような対数減少値(「LRV」とも呼ばれる)であり、これは、フィルタのウイルス低減能力の直接の尺度である。本開示に先に詳述された計算によれば、修正が少しもないただフィルタブロックだけを使用する一般テスト水環境中のバクテリオファージMS−2の約1logから約2logの低減があった。これは、EPAプロトコルによって規定されたようなウイルス低減要件に対処するには不十分である。なぜなら、テストにおける1ポイントが、最小4logウイルス低減要件より2桁小さいからである。
【0144】
具体例2:修正されたろ材での抗菌低減テスト
DEを上述された方法に基づいて修正した以外は、具体例1に使用されたのと同じ成分から構成されたフィルタブロック。結果は、バクテリオファージMS−2を、一般テスト水環境中にシードされたテスト生物として使用して、次の表に示されている。
【0145】
【表11】

結果からわかり得るように、ろ過装置内へのバクテリオファージの流入チャレンジは、約1.0E+07pfu/lの指定された濃度に維持されており、これは「No」値と呼ばれる。流出濃度、またはフィルタを出る水中に検出されたバクテリオファージMS2の濃度は、検出可能でない(約100pfu/l未満、これは、このプロトコルを用いる検出の限界である)、すなわち、約100pfu/l以下であることが示され、これらは「Ns」値と呼ばれる。本開示に先に説明されたように、流出MS−2レベルが、この方法によって適切に定量化されるには低すぎるので、流入濃度Noの対数は、上記表に示されたような対数減少値(「LRV」とも呼ばれる)として近似することができ、これは、フィルタのウイルス低減能力の直接の尺度である。本開示に先に詳述された計算によれば、修正されたフィルタブロックだけを使用するシードされた一般テスト水環境中のバクテリオファージMS−2の4logより大きい低減があった。本開示に説明されるようなフィルタブロックの修正は、修正されていないブロックと比較されると著しくより大きいウイルス低減を生じている。
【0146】
具体例3:0.2μmのナイロンメンブランで巻かれた修正されたろ材での抗菌低減テスト
プリーツ付き0.2μmナイロンメンブランを使用してフィルタブロックの周りに巻いた以外は、具体例2に使用されたのと同じ成分から構成されたフィルタブロック。テスト結果は次の表に示されている。
【0147】
【表12】

結果からわかり得るように、ろ過装置内へのバクテリオファージの流入チャレンジは、約1.0E+07pfu/lの指定された濃度に維持されており、これは「No」値と呼ばれる。流出濃度、またはフィルタを出る水中に検出されたバクテリオファージMS2の濃度は、検出可能でない(約10pfu/l未満、これは、このプロトコルを用いる検出の限界である。)ことが示され、これらは「Ns」値と呼ばれる。本開示に先に説明されたように、流出MS−2レベルが、この方法によって適切に定量化されるには低すぎる場合、流入濃度Noの対数は、上記表に示されたような対数減少値(「LRV」とも呼ばれる。)として近似することができ、これは、フィルタのウイルス低減能力の直接の尺度である。本開示に先に詳述された計算によれば、修正されたフィルタブロックだけを使用するシードされた一般テスト水環境中のバクテリオファージMS−2の4logより大きい低減があった。本開示に説明されるようなフィルタブロックの修正は、修正されていないブロックと比較されると著しくより大きいウイルス低減を生じている。
【0148】
カーボンブロック(修正を伴うまたは伴わない。)の多孔性より小さい、等しい、またはわずかに大きい多孔性を有する前ろ過メンブラン段階の使用が、テストダストおよび特定のタイプの難溶性フミン酸などのコロイド汚染の著しいフラクションを機械的に除去し、カーボンブロックの微細細孔構造上の汚染物質充填を低減し、かつウイルス低減に向けてカーボンブロックの利用可能な表面領域の全体的な増加を生じさせることができるとさらに考えられる。
【0149】
上記から当業者には明らかなはずであるように、本開示に対して説明されるような代表的なフィルタブロックの修正、結果、および代表的な流体、すなわち水からの微生物の著しい低減。おそらく当業者によって理解されるように、同様の結果がおそらく予期され、たとえば空気などの気体から微生物を除去するであろう。空気などの気体からの微生物の除去を検証するように設計された特定の実験はまだ完了されていないが、上述された基本的な考えを用いて達成された微生物低減が証明されることが予想される。
【0150】
本明細書に含まれる物品、本物品を製造するための器具および方法が、本開示の好ましい実施形態を構成するが、本開示が、これらの厳密な物品、器具および方法に限定されないこと、ならびに特許請求の範囲に画定された本開示の範囲から逸脱することなくそこに変更がなされてもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】固体ろ材基材の表面上に金属種を堆積させるための1つの既知の処理の概略図である。
【図2】本開示によるろ材の表面上に金属種の実質的に均一な分配の比較的薄い層を堆積させるための代表的な処理の概略図である。
【図3】DEと抗菌オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドとの間の化学的結合を形成する、オクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドの3つのメトキシル基の、DEのヒドロキシル基との代表的な反応を示す。
【図4】本開示による、そのような置換第四級シランがとることができる複数の可能な形態のいずれか1つの代表的な形態の反応後のDE表面を示す。
【図5】DE基材と帯電したシラン種との間の複数の可能な結合形態の別の代表的な可能な結合形態を示す。
【図6】本開示による、DEと反応することができる別の複数の可能な代表的な官能基、特にエポキシ基を示す。
【図7】本開示による、DEの表面に対する基の反応性を向上させるためのカップリング剤の使用を示した。
【図8】図7のカップリング剤を使用するDEの表面修正の代表的な例の図である。
【図9】本開示による、1つの代表的なろ材の1つの代表的な表面修正を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体用分離媒体であって、
有機成分および無機成分のベース混合物を含み、前記ベース混合物が、少なくとも1つの抗菌成分を含み、前記ベース混合物の少なくとも1つの成分が、前記少なくとも1つの抗菌成分の表面に共有結合された電荷修正された基を含む、流体用分離媒体。
【請求項2】
前記ベース混合物の少なくとも1つの成分に共有結合された前記電荷修正された基が、電荷担持モノマー、電荷担持巨大分子、電荷担持ポリマー、およびそれらの混合物を含む群から選択される、請求項1に記載の分離媒体。
【請求項3】
前記電荷修正された基が、アルコキシ、アゼリジニウム、エポキシ、反応性水素、およびそれらの混合物を含む群から選択される官能基を含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項4】
前記ベース混合物が、珪藻土、活性炭、ポリマー、パーライト、多孔性および非多孔性セラミック材料、ガラス繊維、ガラス球、ならびにそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項5】
前記共有結合された電荷修正基が、前記ベース混合物の少なくとも1つの成分と永久結合する、請求項1に記載の分離媒体。
【請求項6】
前記抗菌成分が、5から9のpHにおいて正のゼータ電位を有する、請求項1に記載の分離媒体。
【請求項7】
電荷担持モノマー、電荷担持巨大分子、および電荷担持ポリマーの分子量が、5,000未満である、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項8】
前記ベース混合物が、オレフィンのポリマー、または−NH2、−OH、−NH、C=O、−C(=O)−O−、およびそれらの組み合わせの官能基を有するポリマーを含む、請求項1に記載の分離媒体。
【請求項9】
前記ポリマーが、セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、修飾されたポリエチレンおよびポリプロピレン、ならびにそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項8に記載の分離媒体。
【請求項10】
前記電荷担持モノマーが、次の式
123SiCp2p+(Cl2l+1)(Cm2m+1)(Cn2n+1)X-
(式中、A1、A2、およびA3は、独立してCr2r+1OまたはOHであり、ここで、rは1から5の範囲内であり、pは1および10の範囲内であり、Bは窒素またはリンを含み、l、m、およびnは、個別に1および32の範囲内であり、X-は、Cl、Br、I、NO3、OH、ClO3、SO3、SO4、MnO4、PF6、またはBF4、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるアニオンである。)で表されるアルコキシ基を有するオルガノシランを含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項11】
前記電荷担持モノマーが、次の式
123SiCp2p+(C55)X-
(式中、A1、A2、およびA3は、独立してCr2r+1OまたはOHであり、rは1から5の範囲内であり、pは1から30の範囲内であり、N+(C55)はピリジニウム基であり、X-は、Cl、Br、I、NO3、ClO3、SO3、SO4、MnO4、PF6、またはBF4、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるアニオンである。)によるアルコキシ基を有するオルガノシランを含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項12】
前記電荷担持巨大分子の少なくとも1つが、複数の末端を含む分枝構造を有する、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項13】
前記電荷担持巨大分子の少なくとも1つが、前記分枝末端の1つ以上に作動可能に連結された第四級アンモニウム基またはホスホニウム基を含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項14】
前記電荷担持巨大分子の少なくとも1つが、次の繰返し単位
【化1】

(ここで、nは5から24である。)を含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項15】
前記電荷担持巨大分子の少なくとも1つが、次の繰返し単位
【化2】

(ここで、nは5から16である。)を含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項16】
前記電荷担持巨大分子が、前記ベース混合物の少なくとも1つの成分に共有結合するための次の構造
【化3】

(式中、R1、R2、およびR3は、H、またはC1〜C5アルキル基であり、R4は、30以下の炭素原子を有する、脂肪族もしくは芳香族の炭化水素鎖、または脂肪族および芳香族の炭化水素鎖の2つの組み合わせ、またはアミノ脂肪族鎖である。)による結合分子を含む、請求項2に記載の分離媒体。
【請求項17】
ベース無機成分が、初期湿潤状態含浸方法によって組入れられた、1つの遷移金属化合物または遷移金属化合物の混合物を含む群から選択される化合物を含む、請求項1に記載の分離媒体。
【請求項18】
前記遷移金属化合物が、遷移金属酸化物、遷移金属ハロゲン化物、および遷移金属硫化物を含む、請求項17に記載の分離媒体。
【請求項19】
前記遷移金属化合物が、Ag2O、AgO、Ag2S、およびAgClを含む、請求項17に記載の分離媒体。
【請求項20】
前記遷移金属化合物の少なくとも1つが、水の表面張力以下の表面張力を有する溶媒に溶解される、請求項17に記載の分離媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−530258(P2007−530258A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505168(P2007−505168)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/009812
【国際公開番号】WO2005/095285
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(506067903)スリーエム イノベーティブ プロパティーズ カンパニー (23)
【Fターム(参考)】