説明

折り畳み屋根のためのリンク

【課題】車両の折り畳み屋根のためのフレームが、わずかな構成部分により折り畳み屋根の運動に対応して所定の軌道に沿って運動できるようにする。
【解決手段】フレームはコーナーフレーム11であり、コーナーフレームの旋回運動は、連結リンク25及び制御リンク20を用いて制御されるようになっており、連結リンクは、折り畳み屋根1に向いた端部でもってコーナーフレームに連結されており、かつ逆側の端部でもって支承部29を介して駆動リンク30に旋回可能に取り付けられており、制御リンクは、連結リンクにスライド可能に取り付けられており、かつその自由な端部でもって主支承部15に旋回可能に支承されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に自動車の折り畳み屋根のためのリンクであって、折り畳み屋根は、Cピラー、少なくとも1つの屋根側部支持体及び屋根側部支持体と結合された屋根フードとから成っており、屋根側部支持体及び/又は屋根フードは、駆動リンクを介して主支承部に連結されており、折り畳み屋根は、少なくとも1つのフレームを有しており、1つのフレームはコーナーフレームであり、コーナーフレームの旋回運動は、連結リンク及び制御リンクを用いて制御されるようになっている形式のものに関する。本発明は、更に、折り畳み屋根のためのリンクを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
可動式の屋根、特に折り畳み屋根を、枢着連結されたリンクを介して相互に若しくは車体に対して旋回若しくは傾倒させることは公知である。この場合に、リンクは一方の端部で、可動式の屋根の各構成部分に枢着可能に取り付けられており、かつ他方の端部で、車体の1つ若しくは複数の主支承部に旋回可能に支承されている。可動式の屋根は、複数の構成部分から成っており、各構成部分はリンク、ヒンジ若しくはほかの運動可能な結合要素を用いて互いに連結されている。
【0003】
屋根の運動に際して、個別の屋根部分は、互いに相対的に作動されるようになっており、屋根を完全に開いた場合には、個別の屋根部分は所要スペースをできるだけ小さくするように互いに重ねられた状態で車両の後部側の収納部領域内に収納されるようになっている。屋根を閉じる場合には、個別の屋根部分は、屋根部分に連結されたリンクを介して閉じられた屋根位置へ移されるようになっており、可動式の屋根は、剛性の複数の構成要素から成っており、或いは、屋根領域にわたって張設される1つの幌部材若しくは覆い部材(カバー部材)からなっている。この種の屋根の駆動は、例えば電動式若しくは液圧式に行われ、リンク若しくはステー又はロッドの形の結合要素が、可動式の各屋根部分を相互に結合し若しくは連結しており、従って、結合要素により連結された屋根部分は、適切に移動され若しくは作動される。
【0004】
連結する要素若しくは各屋根部分間のリンク及び/又は屋根部分と車体との間のリンクの形状及び寸法の適切な設定により、各屋根部分の運動軌道並びに運動速度が規定されることになり、折り畳み屋根の場合には、張設用のカバー部材は、屋根の開閉に際して例えば折り畳みのための所定の運動軌道に沿って移動するようになっている。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公告第10913356C2号明細書により公知の乗用車、特にカブリオレ車のための開閉式のカバーにおいては、折り畳み屋根が車両のフロントガラスと後部領域との間を延びている。折り畳み屋根は、前側の領域、中央の領域及び後側の領域を有していて、折り畳み屋根の閉じられた状態では、1つのカバー部材によって覆い張られるようになっている。前側の屋根部分(領域)と中央の屋根部分(領域)とは、平行四辺形の配置のリンクによって互いに連結されている。中央の屋根部分(屋根領域)は、Cピラーを形成するリンクによって車体に連結されており、リンクの1つは、中央の屋根部分を超えて延長されていて、該延長部でもって、前側の屋根部分と中央の屋根部分とを連結する平行四辺形リンク機構の後側のリンクのスリット状の開口部内に係合している。前側の屋根部分と中央の屋根部分との間の平行四辺形リンク機構は、湾曲されたリンクの、スリット状の開口部内に係合する延長部を介して駆動されて、フロントガラスに隣接する前側の位置から、中央の屋根部分とオーバーラップする位置へ移されるようになっている。前側の屋根部分の駆動はスリット状の開口部を介して行われ、この場合にスリット状の開口部は、平行四辺形リンク機構の湾曲されたリンクの延長部とクロス運動する後側のリンクとの間の長さ補償にも役立てられるものである。
【0006】
車両のための別の折り畳みカバーがドイツ連邦共和国特許出願公開第10053236A1号明細書に記載されており、この場合にも折り畳みカバーの閉じられた状態では、乗員室がカバー部材(覆い部材)により覆い張られるようになっている。カバー部材は、ルーフフードの形の可動のフロントパネルに固定されていて、カバー部材の後側の領域で車体に取り付けられている。折り畳みカバーの前側の領域では、組立部分がルーフフードに結合されており、組立部分から2つのリンクが互いにほぼ平行に延びていて、一方で組立部分に旋回可能に取り付けられ、かつ他方で車体に旋回可能に取り付けられている。後側のリンクのほぼ中央の位置では、ほぼU字形のフレーム(「フープ[hoop]」とも称される)がその自由な端部でもって後側の主リンクに支承されており、自由な端部は、アングルレバーを介して制御リンクの湾曲するスリット状の開口部内に係合している。制御リンクの上方の端部は、両方の主リンクの上方の枢着点間で組立部分に旋回可能に取り付けられている。制御リンクの下方の端部は後側の主リンクの湾曲するスリット状の開口部内に受容されている。
【0007】
制御リンクの下方の端部は、屋根(ルーフ)の開閉作動中には後側の主リンクのスリット状の開口部内を摺動するようになっており、フレームのアングル状の端部は、制御リンクの開口部の曲線に沿って、カバー部材を張設する位置からカバー部材の折り畳まれた位置へ旋回させられる。これによりカバー部材は、後部の受容スペース内に折り畳んで収納される。即ちフレームは、組立部分と後側のリンクとの間にある制御リンクを介して所定の軌道に沿って運動させられて、旋回及び直線運動が行われるようになっている。
【0008】
米国特許第3030140号明細書には、車両長手方向に延びる車両屋根の移動のためのリンク機構が記載されている。車両屋根は、1つのカバー部材から成っており、カバー部材は、走行方向とは逆の後側の端部で受容装置を介して車体に結合されている。主リンクは主支承部に支承されており、主リンクは片持ち式の複数のレバー領域を有しており、レバー領域に例えば支持リンク若しくは制御リンク若しくは駆動リンクが取り付けられている。主リンク並びにほぼ平行に延びる連結リンクが折り畳み屋根のCピラーの領域に配置されており、後部に向いた平らなコーナーフレーム(コーナーフープ)は、リヤパネルの上側で乗員室に向いた端部に円弧状の延長部を有している。円弧状の延長部は、スリット状の開口部を備えており、スリット状の開口部は主リンクの片持ち式のレバーに係合している。主リンクとスリット状の開口部とは、例えばピンを介して互いに連結されており、つまりピンが屋根の開閉に伴ってスリット状の開口部内を摺動移動するようになっている。
【0009】
フレームの延長部のスリット状の開口部は、カバー部材の張設の制御に役立っており、フレームはカバー部材の閉じられた状態で付加的なカバー部材張力を形成するようになっている。フレームは、付加的な連結リンクを介して主リンクの片持ち式のレバー部分に支持されており、これによって、フレームの延長された円弧状の端部領域及び連結リンクは伝動装置を形成している。更に、フレームの、乗員室に向いた端部領域は、走行方向に向いている湾曲された延長部を有しており、該延長部はその端部でもって三点レバーに取り付けられている。三点レバーは、主リンクに対してほぼ平行に延びる別個の連結ロッドを介して主リンクに結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公告第10913356C2号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10053236A1号明細書
【特許文献3】米国特許第3030140号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、折り畳み屋根のためのフレームに改良を加えて、フレームが折り畳み屋根の運動に対応して所定の運動を行うようにすることである。フレームの改良はわずかな構成部分を用いて簡単にかつ経済的に行われるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前記課題は、独立請求項に記載の構成により解決される。本発明の有利な形態が従属請求項に記載してある。
【0013】
本発明は、折り畳み屋根を張設可能な1つのカバー部材若しくは幌部材によって形成し、かつカバー部材の縁部領域での張設力の形成のために、屋根側部支持体若しくは屋根側部桁材、及び乗員室を取り囲むフレーム(フープ)を用いるという技術思想に基づくものである。
【0014】
前記課題を解決するために本発明の構成によれば、フレーム若しくはコーナーフレームの旋回運動を制御するための連結リンクは、該連結リンクの、折り畳み屋根に向いた一方の端部でもってフレーム若しくはコーナーフレームに連結され、かつ逆側(他方)の端部でもって支承部を介して駆動リンクに旋回可能に取り付け、若しくは枢着さられており、同じくフレーム若しくはコーナーフレームの旋回運動を制御するための制御リンクは一方の端部で連結リンクにスライド可能に取り付けられていて、かつ他方の端部でもって主支承部に旋回可能に支承若しくは枢着されている。折り畳み屋根の閉じられた状態では、カバー部材は、一般的にウインドガラスの上方縁部の領域から車両の後部領域まで延びており、つまり張られており、この場合にカバー部材はウインドガラスの近傍でルーフフードに取り付けられていてよく、後側のカバー部材領域では装置を用いて、一般的に張設用弓形フレームを用いて車体の受容部に取り付けられるようになっている。カバー部材を張設して安定させるために、1つ若しくは複数のフレームが、乗員室を左側の車両側部から右側の車両側部まで取り囲んでいる。フレームは弾性的な結合要素を介してカバー部材に結合されていてよく、この場合にフレームは、カバー部材のポケット内にも差し込まれるようになっている。フレームとカバー部材との間の結合は、折り畳み屋根を開く際に、カバー部材を折り畳んで所定に位置に収容するために必要である。
【0015】
フレームを、カバー部材を張設している位置(カバー部材の閉じられた状態、つまり広げ張られた状態)から戻り旋回させることは、有利には必要であり、これにより、カバー部材の張力が減少され、フレームの戻り旋回運動、ひいてはカバー部材の運動は、カバー部材の折り畳む方向に行われる。フレームを戻り旋回させなければ、カバー部材の折り畳む方向へのカバー部材の運動時のカバー部材の張力は、過度に増大してしまい、その結果、カバー部材が破損してしまうことになる。フレームを介して、カバー部材の意図的な折り畳みが、フレームの戻り旋回運動に伴うカバー部材の運動に基づき行われる。このために、フレームの端部はブラケットを備えており、ブラケット(保持体)が、屋根側部支持要素若しくはサイドフレームに連結され、或いは屋根運動機構のほかのリンクに連結されている。
【0016】
フレームの運動若しくは旋回の制御のための別の形態では、フレームの端部、例えばフレームのブラケット又は保持体は、連結リンクを介して主リンク又は駆動リンクに連結若しくは結合されていてよく、このような結合にもかかわらず、フレームの自由な旋回が可能になっている。
【0017】
フレームの意図的な運動軌道及び/又は運動速度を得るために、フレーム端部に連結された連結リンクは、制御リンクの形の付加的なリンクを介して連結されている。この場合に有利には、連結リンクは、該連結リンクから突出するピン若しくは滑子が、制御リンクのスリット状の開口部内に係合しており、制御リンクが該制御リンクの、例えば車体側の支承部を介して連結リンクに所定の軌道の運動を与えるようになっている。別の形態では、制御リンクのスリット状の開口部を曲線状に若しくは円弧状に形成することも可能であり、これにより、車両屋根の運動過程中に所望の曲線運動及び速度変化を実施できるようになっている。
【0018】
制御リンクのスリット状の開口部の端部領域は、有利には、保持体若しくはブラケットを介して連結リンクに結合されたピン、若しくは滑子或いは案内部材のための終端ストッパーとして用いられる。ピンと制御リンクのスリット状の開口部の端部との間の衝撃を減少させかつ騒音発生を避けるために、スリット状の開口部内には、ゴムキャップ、ゴムクッション若しくはほかの弾性要素の形の衝撃ダンパーが設けられるようになっている。スリット状の開口部の端部とピン若しくは滑子との間に、ばね要素を設けることも可能である。このような構成においては、折り畳み屋根の運動開始時に、連結リンク及びフレームの始動運動が、ばねにより支援されるようになる。スリット状の開口部に対して平行に、つまりスリット状の開口部に沿って、テレスコープ形ダンパーの形のダンパー要素若しくは減衰要素を組み付けることも可能である。
【0019】
制御リンクのスリット状の開口部の端部領域を連結リンクの運動のためのストッパーとして用いるので、有利な形態では、開口部内に衝撃ダンパーが組み込まれ、或いは衝撃ダンパーとこれに並列に配置されたリミットスイッチとが組み込まれている。制御リンクのスリット状の開口部内に係合するピン若しくは滑子を介して、カバー部材(覆い部材若しくは幌部材)の張力を適切なセンサーにより検出することも可能であり、このような構成により、カバー部材の過度な張力に際して折り畳み屋根の運動過程が中断されるようになっている。
【0020】
本発明の別の形態では、連結リンクのピン又は滑子の保持のためのブラケット(保持体)が、スリット状の開口部を有しており、若しくは旋回運動するブラケットとして制御リンクのスリット状の開口部内に係合している。別の有利な形態では、連結リンクの端部及びフレームの端部は、一緒に屋根運動機構の1つの支承部に支承されており、該支承部を介して、制御リンクのスリット状の開口部は、別の屋根構成部分に対しても終端ストッパーとして働くものである。スリット状の開口部を有する制御リンクは、折り畳み屋根の運動を受けることによってのみフレームの制御機能を実行する受動的なリンクである。
【0021】
本発明に基づく各構成事項は、記載された組み合わせだけではなく、種々の組合せで用いられ、また単独にも用いられるものである。
【0022】
次に本発明を、図示の有利な実施形態に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】折り畳み屋根の制御リンクを有するリンク機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、閉じられた状態の折り畳み屋根1を斜視図で示しており、該折り畳み屋根は、リンク機構並びに、コーナーフレーム11の意図的な運動のための、制御リンク20を介して制御可能な連結リンク25を備えている。車両用の折り畳み屋根1は、実質的に、前側の屋根領域に設けられる1つの屋根フード7及び、屋根長さに沿って分配して設けられた複数の屋根側部支持体6から構成されており、後側の屋根側部支持体領域にはCピラー5が形成されている。
【0025】
両方のCピラー5間には、カバー部材がコーナーフレーム11を用いて張設されており、この場合に折り畳み屋根1の後側の領域においては、リアウインドー12がカバー部材に組み込まれるようになっていてよい。リアウインドー12は、ガラス若しくは透明なプラスチックから成っていて、カバー部材に直接に結合され、若しくは対応する保持装置を介して結合されている。折り畳み屋根1の開かれた状態でリアウインドー12を所定の位置へ移動させるために、リアウインドー12の側部領域は、一般的に連結ステー13若しくはステー10によって結合されており、このような構成により、リアウインドー12の意図的な運動が可能になっている。
【0026】
図1に示してあるように、コーナーフレーム11と前側の屋根フード7との間に別のフレーム8を設けてあり、該フレーム(フープ)は、各端部でブラケット9を介してCピラー5若しくは屋根側部支持体6に連結されている。フレーム8及び/又はリアウインドー12の制御のために、図1に示してあるように、リアウインドー12はその側部の領域で、支承部37を介して旋回可能に後側のリンク36に連結されていてよく、リンク36の、リアウインドー12から離れた側の端部は、駆動リンク30の支承部29に旋回可能に受容されている。
【0027】
折り畳み屋根1の開閉に際して、駆動リンク30を介して旋回運動が後側のリンク36に与えられ、該リンクが、支承部37を介して旋回運動をリアウインドー12及び/又は連結ステー13若しくはステー10に伝達するようになっている。ステー13,10によりフレーム8が移動させられ、この場合に連結ステー13はCピラー5のための駆動要素としても機能している。
【0028】
駆動リンク30は、該駆動リンクの、道路に向いた端部でもって主支承部15に旋回可能に取り付けられており、駆動モータ17から旋回運動が、伝動装置16及び図示省略の別の駆動要素を介して駆動リンク30に伝達されるようになっている。駆動リンク30の、折り畳み屋根1に向いた端部は、屋根支持体6若しくは屋根フード7の前側の領域のレバー32の支承部31に旋回可能に連結されている。
【0029】
後側のリンク36と駆動リンク30から突出するレバー34との間の共有の支承部29には、連結リンク25も旋回可能に連結されている。連結リンク25は、折り畳み屋根側では支承部28を介してリンク35に連結されている。リンク35は、個別の屋根支持体要素6間の結合要素を成している。同じくコーナーフレーム11がその端部でもって、支承部28を介して連結リンク25に連結されている。折り畳み屋根1の開閉時に連結リンク25、ひいてはコーナーフレーム11に所定の運動を与えるために、連結リンク25は、制御リンク20を介して主支承部15に連結されている。連結リンク25は更に、ほぼ中央の位置にブラケット26を有しており、該ブラケットの端部に設けられたピン27若しくは滑子が、制御リンク20のスリット状の開口部22内に係合している。
【0030】
制御リンク20は、本発明の実施形態では、クランク状に曲げられた屈曲部21を有しており、該屈曲部は、制御リンク20が、折り畳み屋根1の運動(開閉)時に駆動リンク30と干渉することなしに駆動リンク30のそばを案内移動されるように設けられている。制御リンク20は、支承部24を介して主支承部15に旋回可能に連結されており、この場合に支承部24は、旋回支承部又は球面支承部若しくはカルダン継手として形成されていてよい。
【0031】
駆動リンク30から突出するレバー34を追加的に旋回可能なリンクとして形成することも可能であり、この場合にはレバーは、後側のリンク36及び連結リンク25の運動の制限のために対応するストッパーを備えることになる。
【0032】
制御リンク20のスリット状の開口部22は、直線的に若しくは湾曲に形成されてよく、つまり直線状若しくは曲線状又は円弧状に延びていてよく、スリット状の開口部22の端部は、ブラケット26のピン27のためのストッパーを成している。該ストッパーにより、コーナーフレーム11の運動が制御されるようになっており、騒音発生を避けるため、若しくは端部への衝撃的な当接を避けるために、スリット状の開口部22内には衝撃ダンパー23が組み込まれていてよい。衝撃ダンパー23は、有利にはエラストマーから成形されていて、スリット状の開口部22内に、例えばクリップ留めされ、若しくは接着され、或いはクランプ装置を用いて取り付けられている。制御リンク20は、折り畳み屋根1の開閉に際して、カバー部材と連結リンク25との間を案内され、若しくは乗客室と連結リンク25との間を案内されるようになっている。連結リンク25及び制御リンク20は、Cピラー5の後側の生地領域内に配置されている。
【0033】
もちろん、連結リンク及び制御リンクを介してフレーム8を運動させることも可能であり、この場合には、連結リンク25とフレーム8との間の連結も考えられる。制御リンク20の構成並びにそのてこ比に対応して、該制御リンクは、金属薄板若しくは扁平な金属から曲げ加工若しくは打ち抜き加工により、或いはプラスチックから射出成形により成形されていてよい。更に別の実施形態では、制御リンク20は適切な結合部を介して直接に駆動ユニットにより駆動されるようになっていてよく、これによりコーナーフレーム11のアクティブな作動が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 折り畳み屋根、 5 Cピラー、 6 屋根側部支持体、 7 屋根フード、 8 フレーム、 9 ブラケット、 10 ステー、 11 コーナーフレーム、 12 リアウインドー、 13 連結ステー、 15 主支承部、 16 伝動装置、 17 駆動モータ、 20 制御リンク、 21 屈曲部、 22 開口部、 23 衝撃ダンパー、 24 支承部、 25 連結リンク、 26 ブラケット、 27 ピン、 28 支承部、 29 支承部、 30 駆動リンク、 31 支承部、 32 レバー、 34 レバー、 35 リンク、 36 リンク、 37 支承部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、特に自動車の折り畳み屋根(1)のためのリンクであって、
− Cピラー(5)、少なくとも1つの屋根側部支持体(6)及び該屋根側部支持体(6)と連結された屋根フード(7)から成る折り畳み屋根(1)を備えており、
− 前記屋根側部支持体(6)及び/又は前記屋根フード(7)は、駆動リンク(30)を介して主支承部(15)に連結されており、
− 前記折り畳み屋根(1)は、少なくとも1つのフレーム(8,11)を有しており、1つのフレーム(8,11)はコーナーフレーム(11)であり、
− 前記コーナーフレーム(11)の旋回運動は、連結リンク(25)及び制御リンク(20)を用いて制御されるようになっている形式のものにおいて、
− 前記連結リンク(25)は、該連結リンクの、前記折り畳み屋根(1)に向いた端部でもって前記コーナーフレーム(11)に連結されており、かつ該連結リンクの逆側の端部でもって支承部(29)を介して前記駆動リンク(30)に旋回可能に取り付けられており、
− 前記制御リンク(20)は、前記連結リンク(25)にスライド可能に取り付けられており、かつ該制御リンクの自由な端部でもって前記主支承部(15)に旋回可能に支承されていることを特徴とする、車両の折り畳み屋根のためのリンク。
【請求項2】
前記コーナーフレーム(11)は、端部側で支承部(28)を介して前記連結リンク(25)に連結されている請求項1に記載のリンク。
【請求項3】
前記制御リンク(20)は、該制御リンクの、前記連結リンク(25)に向いた端部にスリット状の開口部(22)を有しており、該スリット状の開口部(22)は、直線的に若しくは湾曲に形成されている請求項1又は2に記載のリンク。
【請求項4】
前記連結リンク(25)は、ブラケット(26)及びピン(27)を用いて、前記制御リンク(20)の前記スリット状の開口部(22)内への係合により、該制御リンク(20)にスライド可能に連結されている請求項3に記載のリンク。
【請求項5】
前記制御リンク(20)は、車両長手方向を基準として横方向及び/又は長手方向に少なくとも1つのクランク状の屈曲部(21)を有している請求項1から4のいずれか1項に記載のリンク。
【請求項6】
前記制御リンク(20)は、該制御リンクの前記屈曲部(21)でもって、前記駆動リンク(30)を部分的に取り囲んでいる請求項5に記載のリンク。
【請求項7】
前記制御リンク(20)は、該制御リンクのスリット状の開口部(22)の少なくとも一方の端部に衝撃ダンパー(23)を有しており、該衝撃ダンパー(23)は、エラストマーから成っている請求項3から6のいずれか1項に記載のリンク。
【請求項8】
前記衝撃ダンパー(23)は、終端位置の識別のためのセンサーに接続されている請求項7に記載のリンク。
【請求項9】
前記制御リンク(20)は、金属若しくはプラスチックから成形されている請求項1から8のいずれか1項に記載のリンク。
【請求項10】
車両、特に自動車において、請求項1から9のいずれか1項に記載の、折り畳み屋根(1)のためのリンクを備えていることを特徴とする車両。

【図1】
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【公開番号】特開2012−56569(P2012−56569A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196235(P2011−196235)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(506292985)マグナ カー トップ システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (31)
【氏名又は名称原語表記】Magna Car Top Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 59, D−74321 Bietigheim−Bissingen, Germany