説明

折り畳み式ルーフ装置、及び折り畳み式ルーフ装置を備える自動車

【課題】簡単に構成されており、かつ迅速な折り畳み又は重ね合わせを可能にする、トップカバー及びトップフレームを備える折り畳み式ルーフ装置であって、トップフレームが、前側の領域を備える少なくとも1つのルーフフレームと、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材とを有している折り畳み式ルーフ装置を提供する。
【解決手段】トップフレーム14がトップカバーのありなしにかかわらず、テンション部材31〜34がトップフレーム14の折り畳み時又は重ね合わせ時に弾性変形するように折り畳み可能又は重ね合わせ可能であるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップカバー(Verdeckbezug)及びトップフレームを備える折り畳み式ルーフ装置(Faltdachanordnung)であって、トップフレームが、前側の領域を備える少なくとも1つのルーフフレームと、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材とを有している折り畳み式ルーフ装置に関する。
【0002】
さらに本発明は、折り畳み式ルーフ装置を備える自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
DE19916692A1において公知のウインドウパネルフレームを備える自動車のための折り畳み式トップは、カバー素材の、ウインドウパネルフレームに面した区分に、変形可能なテンション部材を有する。テンション部材は、閉鎖位置で車両縦方向に対して横方向で延在しており、引っ張り負荷可能である。変形可能なテンション部材は有利には、引っ張りケーブルが案内される閉鎖された通路を有する強化された枠縁として形成されている。FR2778609A1において、フレキシブルな部材により張設されているトップを備える自動車が公知である。US6811204B2において、曲げ可能なガラス繊維棒により張設されているフレキシブルな保護フードが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE19916692A1
【特許文献2】FR2778609A1
【特許文献3】US6811204B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、簡単に構成されており、かつ迅速な折り畳み又は重ね合わせを可能にする、トップカバー及びトップフレームを備える折り畳み式ルーフ装置であって、トップフレームが、前側の領域を備える少なくとも1つのルーフフレームと、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材とを有している折り畳み式ルーフ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の構成では、トップカバー及びトップフレームを備える折り畳み式ルーフ装置であって、トップフレームが、前側の領域を備える少なくとも1つのルーフフレームと、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材とを有している折り畳み式ルーフ装置において、トップフレームがトップカバーのありなしにかかわらず、テンション部材がトップフレームの折り畳み時又は重ね合わせ時に弾性変形するように折り畳み可能又は重ね合わせ可能であるようにした。
【0007】
本発明の本質的な態様では、トップフレームは、従来慣用の折り畳み式ルーフ装置で使用されるようなアーム(Lenker)を有しない。本発明は、特に、従来慣用のアームを少なくとも1つのテンション部材により代替することを教示する。
【0008】
折り畳み式ルーフ装置の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材がルーフフレームの前側の領域から折り畳み式ルーフ装置の後側の領域に向かって延在することを特徴とする。テンション部材は、折り畳み式ルーフ装置が閉鎖されているとき、例えば車両縦方向又は対角方向で配置されていてよい。
【0009】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、トップフレームがトップカバーのありなしにかかわらず、テンション部材がトップフレームの折り畳み時又は重ね合わせ時に弾性変形するように折り畳み可能又は重ね合わせ可能であるように、弾性変形可能なテンション部材がルーフフレームの前側の領域から折り畳み式ルーフ装置の後側の領域に向かって延在することを特徴とする。ルーフフレームは、有利には、弾性変形可能なテンション部材に比して剛性的である。ルーフフレームの前側の領域、特に前側のルーフフレーム部分は、上側のカウルにロック可能である。このために公知のカバー閉鎖装置が使用可能である。オプションとしては、トップフレームのサイドにそれぞれ、側方のルーフフレーム部分が設けられていてよい。折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置でトップカバーを張設するために、有利には曲げ棒(Biegestab)として構成されている少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材が設けられている。本発明の別の本質的な態様では、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材が、折り畳み式ルーフ装置の、有利には自動車のリヤ領域に配置されている後側の領域から、ルーフフレームの前側の領域まで延在する。この弾性変形可能なテンション部材又はその他の弾性変形可能なテンション部材は、少なくとも部分的に、自動車の縦方向、対角方向又は横方向で延在可能である。もちろん、それらの選択肢の組み合わせも可能である。
【0010】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が、トップフレーム内でアームの機能を有することを特徴とする。従来慣用のトップフレームは、前側のルーフフレーム部分、側方のルーフフレーム部分、主支承部(Hauptlager)及び主アーム(Hauptlenker)を備える4点継手として構成可能である。本発明によるトップフレームでは、主アームが省略される。少なくとも1つのテンション部材は、主アームの機能を請け負う。
【0011】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が、トップフレーム内でフープ(Spriegel)の機能を有することを特徴とする。本発明の別の本質的な態様では、トップカバーがテンション部材により折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置で支持かつ/又は張設される。
【0012】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が、トップフレーム内でばねの機能を有することを特徴とする。ばね作用は、テンション部材が変形、例えば撓曲又は湾曲されることにより達成される。従来慣用のトップフレームで使用されるような付加的な機械的なばね又はガスばねは省略可能である。
【0013】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が予め付勢されていることを特徴とする。弾性変形可能なテンション部材は、折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置でトップカバーに対して予め付勢可能である。これにより、トップカバーは安定に張設される。
【0014】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が、トップフレームの閉鎖運動が弾性変形可能なテンション部材の予め付勢された力により補助されるように予め付勢されていることを特徴とする。これにより、折り畳み式ルーフ装置の張設運動が助成される。テンション部材は、質量補償(Massenkompensation)を折り畳み式ルーフ装置の閉鎖時に達成する弾性的なばねとして働く。これにより、折り畳み式ルーフ装置の閉鎖が容易になる。
【0015】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、複数の弾性変形可能なテンション部材がルーフフレームに取り付けられていることを特徴とする。複数の弾性変形可能なテンション部材は、有利にはそれぞれの一端でルーフフレームに取り付けられている。弾性変形可能なテンション部材の他端は、有利には自動車のリヤ領域で支持構造に取り付けられている。
【0016】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、複数の弾性変形可能なテンション部材の少なくとも1つ、有利には2つの弾性変形可能なテンション部材が、少なくとも部分的に、縦方向でルーフフレームの前側の領域から折り畳み式ルーフ装置の後側の領域に向かって延在することを特徴とする。当該構成は、有利には折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置に該当する。収納位置においては、テンション部材は、折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置とは異なって配置されている。
【0017】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、複数の弾性変形可能なテンション部材の少なくとも1つ、有利には2つの弾性変形可能なテンション部材が、少なくとも部分的に、対角方向でルーフフレームの前側の領域から折り畳み式ルーフ装置の後側の領域に向かって延在することを特徴とする。これにより、簡単に、折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置でのトップカバーの安定な張設が可能となる。
【0018】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、1つの弾性変形可能なテンション部材又は幾つかの若しくはすべての弾性変形可能なテンション部材が、折り畳み式ルーフ装置が折り畳まれた状態又は重ね合わせられた状態及び/又は折り畳まれていない状態又は張設された状態で、湾曲して配置されていることを特徴とする。通常の状態又は張設されていない状態で、テンション部材は有利にはまっすぐである。有利には、テンション部材は、折り畳まれた状態でも、折り畳まれていない状態でも、予め付勢されているように程度の差こそあれ強く湾曲されている。ルーフ装置の、折り畳まれた状態又は重ね合わせられた状態は、収納位置に相当する。ルーフ装置の、折り畳まれていない状態又は張設された状態は、閉鎖位置に相当する。テンション部材は、折り畳まれた状態で、有利には折り畳まれていない状態とは異なる平面又は面内に配置されている。さらにテンション部材は、折り畳まれた状態で、必要な収納室を縮小するために、有利には折り畳まれていない状態に比べて大きく湾曲されている。
【0019】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、ルーフフレームが、前側のルーフフレーム部分及び/又は側方のルーフフレーム部分を有しており、前側のルーフフレーム部分及び/又は側方のルーフフレーム部分に、複数の弾性変形可能なテンション部材が枢設されていることを特徴とする。テンション部材はその前側の端部で、有利には、枢設された端部が旋回軸線を中心に旋回可能であるように枢設されている。択一的には、テンション部材の結合がボールジョイントにより行われてもよい。
【0020】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、複数の弾性変形可能なテンション部材が、前側のルーフフレーム部分及び/又は側方のルーフフレーム部分のそれぞれ異なる箇所に枢設されていることを特徴とする。択一的には、2つ以上のテンション部材を1つの共通の枢設箇所に結合することも可能である。
【0021】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、前側のルーフフレーム部分及び/又は側方のルーフフレーム部分における弾性変形可能なテンション部材の継手軸線又は旋回軸線がそれぞれ、テンション部材が折り畳み式ルーフ装置の折り畳み運動時又は重ね合わせ時に所定の運動を実施するかつ/又は所定の通りに変形するように、Z軸に対して相対的に傾けられていることを特徴とする。Z軸は、自動車において、自動車の縦(長手方向)軸をX軸と呼び、横軸をY軸と呼ぶとき、X軸及びY軸に対して垂直に延びる。
【0022】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、ルーフフレームが、一端でそれぞれ前側のルーフフレーム部分に取り付けられている2つの側方のルーフフレーム部分を有することを特徴とする。側方のルーフフレームとも呼ばれる側方のルーフフレーム部分は、前側のルーフフレーム部分に枢設可能であり、それぞれ1つのサイドウインドウ開口部を画成する。
【0023】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、側方のルーフフレーム部分の他端がそれぞれ自動車の支持構造に取り付けられていることを特徴とする。側方のルーフフレーム部分の他端は、支持構造に枢設可能である。それゆえ、側方のルーフフレーム部分はBピラーとも呼ばれる。
【0024】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、側方のルーフフレーム部分がそれぞれ、互いに枢設されている少なくとも2つの側方のルーフフレーム部分区分を有することを特徴とする。枢設は有利には、両ルーフフレーム部分区分が旋回軸線を中心に旋回可能であるように構成されている。側方のルーフフレーム部分区分の1つは、有利には固定的に前側のルーフフレーム部分に結合されている。他方のルーフフレーム部分区分は、支持構造に枢設可能である。
【0025】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材が、それぞれ1つの側方のルーフフレーム部分に枢設されていることを特徴とする。弾性変形可能なテンション部材は、有利には側方のルーフフレーム部分の前側の領域に枢設されている。
【0026】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材が、ルーフフレームに枢設されていることを特徴とする。枢設は有利にはルーフフレームの前側の領域で行われる。
【0027】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、トップカバーが解離可能にトップフレームに取り付けられていることを特徴とする。解離可能とはこの関連で、有利には破壊することなく繰り返し分離可能であることを意味する。
【0028】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材がトップカバーに保持されているか、又は剛性的なトップフレーム部分がトップカバーに保持されていることを特徴とする。弾性変形可能なテンション部材は、トップカバーに統合されていてもよい。トップカバーは、テンション部材と共にトップフレームから取り外し可能であってもよい。テンション部材は、トップカバーが取り外される際にトップフレームに残留してもよい。
【0029】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が弾性的な曲げ棒として構成されていることを特徴とする。本発明における曲げ棒は、フープとして働き、トップカバーを折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置で支持又は張設するために役立つ。さらに曲げ棒は、ルーフフレーム部分、特に側方のルーフフレーム部分が収納されるとき、ルーフフレーム部分の同期化を請け負う。本発明の本質的な態様では、従来慣用のアームの代わりに曲げ棒が使用される。曲げ棒は、有利には弾性変形可能で、有利にはプリロードをかけることができる材料から製作されている。本発明に係る折り畳み式ルーフ装置の折り畳み時又は重ね合わせ時、ルーフフレームの前側の領域、特に前側のルーフフレーム部分は、後側の領域に向かって、有利には車両リヤ方向で運動する。その際、曲げ棒は、大きく湾曲又は変形されて緊張する。この大きく湾曲又は変形されて緊張した状態で、曲げ棒の占めるスペースは僅かであり、曲げ棒は、車両のリヤ領域における空間的に限られた収容コンパートメント内に収容可能である。曲げ棒は、色彩面で有利にはトップカバー及び/又は車両内装に適合されている。別の形態では、曲げ棒の色を意図的にトップカバー及び/又は車両内装に対して際立たせるようにしてもよい。
【0030】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性的な曲げ棒が略円形の横断面を有することを特徴とする。横断面は円形又は楕円形に構成されていてよい。
【0031】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性的な曲げ棒が矩形の横断面を有することを特徴とする。矩形の横断面は有利には、棒が車両横方向では撓曲又は屈曲可能に重ね合わされ、かつ/又は車両縦方向ではトップカバーを例えば高い成形材のフランクにより支持するように方向付けられている。
【0032】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性的な曲げ棒が、変化する横断面及び/又は所定の曲げ特性(Biegeverlauf)を有することを特徴とする。横断面は、例えば中央部に向かって又は端部に向かって減少又は増加してもよい。曲げ特性は、有利には曲げ棒の弛緩した状態に関する。曲げ棒は、所望のトップカバー輪郭に応じて撓曲可能であり、詳細にはそれぞれ同じ又は異なる曲率半径で撓曲可能である。
【0033】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、支持構造における弾性変形可能なテンション部材の継手軸線又は旋回軸線がそれぞれ、テンション部材が折り畳み式ルーフ装置の折り畳み運動時又は重ね合わせ時に所定の運動を実施するかつ/又は所定の通りに変形するように、Z軸に対して傾けられていることを特徴とする。Z軸は、自動車において、自動車の縦軸をX軸と呼び、横軸をY軸と呼ぶとき、X軸及びY軸に対して垂直に延びる。
【0034】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が三次元的に旋回可能に支持構造に取り付けられていることを特徴とする。これにより、折り畳み式ルーフ装置の重ね合わせ時又は折り畳み時のより複雑な運動経過が可能となる。
【0035】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が少なくとも一端でボールジョイントにより支持構造に結合されていることを特徴とする。この目的のために、ボールジョイントヘッドが、対応する曲げ棒と一体的に結合されていてよい。
【0036】
折り畳み式ルーフ装置の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が、その形態、形状及び/又は色によりトップカバー及び/又は車両内装に対して際立つことを特徴とする。本発明の別の態様では、テンション部材が車両内室内で可視である。
【0037】
さらに本発明は、解離可能又は解離不能に自動車の支持構造に取り付けられている前記折り畳み式ルーフ装置を備える自動車、特に乗用自動車に関する。解離可能に取り付けられている場合、折り畳み式ルーフ装置は、有利には閉鎖位置で支持構造から解離され、別個に折り畳まれ、収納される。解離不能に取り付けられている場合、折り畳み式ルーフ装置は、閉鎖位置から収納位置に折り畳まれ、有利には自動車のリヤ領域に設けられる収納コンパートメント内に収納される。
【0038】
自動車の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が解離可能又は解離不能に自動車の支持構造に取り付けられていることを特徴とする。解離可能とはこの関連で、有利には破壊することなく繰り返し分離可能であることを意味する。変形可能なテンション部材は、直接、又は別の固定部材の介在下で、解離可能又は解離不能に支持構造に取り付けられていてよい。複数のテンション部材が、支持構造に取り付けられている1つの共通の固定部材に取り付けられていてもよい。
【0039】
自動車の別の有利な形態は、弾性変形可能なテンション部材が解離可能又は解離不能に自動車の支持構造に枢設されていることを特徴とする。テンション部材は、有利には一端で旋回軸線を中心に旋回可能に支持構造に枢設されている。択一的には、ボールジョイントの形態の枢設が行われていてもよい。
【0040】
自動車の別の有利な形態は、少なくとも2つの弾性変形可能なテンション部材が、自動車の支持構造の1つの共通の箇所に取り付けられていることを特徴とする。これにより、結合箇所の領域におけるテンション部材の運動は簡単に同期化可能である。テンション部材は、有利にはその後側の端部、すなわちリヤ領域側の端部で、支持構造に取り付けられている。
【0041】
自動車の別の有利な形態は、それぞれ少なくとも2つの弾性変形可能なテンション部材が、共通の箇所で、車両横方向で互いに間隔を置いて自動車の支持構造に取り付けられていることを特徴とする。これにより、簡単に、トップカバーのための比較的大きな張設面積が提供可能である。
【0042】
自動車の別の有利な形態は、トップフレームがトップカバーと共に閉鎖位置から収納位置へと折り畳み可能又は重ね合わせ可能であり、かつ逆向きにも運動可能であることを特徴とする。閉鎖位置において、トップカバーはテンション部材、有利には複数のテンション部材により、自動車のリヤ領域と、風防パネルの上側のカウルとの間に張設されている。収納位置において、トップカバーはトップフレームと共に折り畳まれるか、又は重ね合わされており、テンション部材は有利には折り畳まれずに、比較的強く湾曲されている。
【0043】
自動車の別の有利な形態は、単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材が閉鎖位置及び/又は収納位置で湾曲されていることを特徴とする。閉鎖位置において、テンション部材は、有利には、上側のカウルから車両のリヤ領域に向かって延在する曲面内に張設されている。しかし、テンション部材が折り畳み式ルーフ装置の閉鎖位置においてまっすぐに配置されていてもよい。折り畳み式ルーフ装置の収納位置において、テンション部材は実質的に一平面内に、又は比較的小さな収納コンパートメント内に、有利には比較的強く湾曲されて配置可能である。
【0044】
自動車の別の有利な形態は、単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材が閉鎖位置で、収納位置とは異なって湾曲されていることを特徴とする。閉鎖位置におけるテンション部材の湾曲、又は少なくとも部分的にまっすぐな配置は、所望されるルーフ形状から生じる。収納位置におけるテンション部材の湾曲は、有利には、収納位置において折り畳み式ルーフ装置の必要なスペースが最小化されるように選択されている。
【0045】
自動車の別の有利な形態は、単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材が閉鎖位置及び/又は収納位置で緊張されていることを特徴とする。閉鎖位置におけるテンション部材の緊張又はプリロードにより、トップカバーは張設される。収納位置におけるテンション部材の緊張又はプリロードにより、収納位置からの折り畳み式ルーフ装置の閉鎖又は張設を補助する力が簡単に発生可能である。
【0046】
本発明のその他の利点、特徴及び詳細は、図面を参照しながら種々異なる実施の形態を詳細に説明する以下の説明から看取される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】閉鎖位置にある折り畳み式ルーフ装置を備える乗用自動車を斜め後方から見た斜視図である。
【図2】トップカバーの下に配置されるトップフレームを可視とするためにトップカバーを取り除いた状態で示す、図1と同様の図である。
【図3】トップフレームが折り畳まれている又は重ね合わされている状態で示す、図2と同様の図である。
【図4】収納位置、又は収納位置に近似する位置にあるトップフレームを示す、図2及び図3と同様の図である。
【図5】図4の一部を拡大した図である。
【図6】図2の一部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1から図4には、支持構造とも呼ばれるボデー2及びリヤ領域3を備える乗用自動車1の一部が、それぞれ異なる視点及び状態で示されている。図1及び図2には、風防パネルフレーム5の一部であるAピラー4が示されている。風防パネルフレーム5は、上側のカウル(Windlauf)6を有する。乗用自動車1の例は、カブリオレ若しくは開放型の構造を有するスポーツクーペ又はロードスターである。
【0049】
乗用自動車1のリヤ領域3から、折り畳み式ルーフ装置(Faltdachanordnung)10が、風防パネルフレーム5のカウル6に向かって延在している。折り畳み式ルーフ装置10は、トップフレーム14に張設されているトップカバー(Verdeckbezug)12を有する。トップカバー12は、ワンピースに構成されていてもよいし、図示のようにマルチピースに、主カバー15及び補助カバー16を備えて構成されていてもよい。補助カバー16は、リヤウインドウ18を有しており、例えばシームにより固定的に主カバー15に結合可能である。
【0050】
トップフレーム14は、1つの前側のルーフフレーム部分22と、2つの側方のルーフフレーム部分24,25とを備えるルーフフレーム20を有する。前側のルーフフレーム部分22は、例えば従来慣用の閉鎖装置により上側のカウル6に固定可能である。側方のルーフフレーム部分24,25は、(図示しない)サイドウインドウのための開口部を画成する。曲線26,27,28,29により、トップカバー12の下に張設されているテンション部材(Spannelement)31,32,33,34により形成される稜が概略的に示されている。
【0051】
図2には、張設された状態にあるトップフレーム14が、トップカバーなしに示されている。この張設された状態は、折り畳み式ルーフ装置10の閉鎖位置とも呼ばれる。図2には、側方のルーフフレーム部分24が、Aピラー4の延長線上にそれぞれ異なる大きさで湾曲して延在する2つの側方のルーフフレーム部分区分41,42を有していることが示されている。側方のルーフフレーム部分25についてもこれと同様である。結合箇所43において、ルーフフレーム部分区分41の前側の端部は、図3に示すように固定的に前側のルーフフレーム部分22に結合されている。
【0052】
別の結合箇所44において、両ルーフフレーム部分区分41,42は、継手を介して互いに結合されている。結合箇所44における継手を介した結合は、両ルーフフレーム部分区分41,42が、十字により概略的に図示され、実質的に車両横方向で延びる旋回軸線を中心に旋回可能であるように構成されている。
【0053】
さらに別の結合箇所45において、ルーフフレーム部分区分42は、乗用自動車1の側方の支持構造に枢設されている。結合箇所45は、ルーフフレーム部分区分42が、十字により概略的に図示され、実質的に車両横方向で延びる旋回軸線を中心に旋回可能であるように構成されている。
【0054】
テンション部材31〜34の前側の端部は、結合箇所51,52,53,54において前側のルーフフレーム部分22に枢設されている。結合箇所51〜54は、車両横方向で互いに間隔を置いており、テンション部材31〜34の枢設された端部が、実質的に乗用自動車1のZ方向で延びる旋回軸線55,56,57,58を中心に旋回できるようにしている。車両縦方向をX方向とし、車両横方向をY方向としたとき、Z方向は、X軸及びY軸に対して垂直に延びる。旋回軸線55〜58は、有利には僅かにZ軸に対して傾いて配置されている。
【0055】
テンション部材31,32の後側の端部は、左後の1つの共通の結合箇所61においてリヤ領域3で支持構造2に枢設されている。同様に、テンション部材33,34は、右後の1つの共通の結合箇所62においてリヤ領域3で支持構造2に枢設されている。結合箇所61,62は、テンション部材の枢設された端部が旋回軸線63,64を中心に旋回できるように構成されている。旋回軸線63,64は、僅かに乗用自動車1のZ軸に対して傾いて配置されている。
【0056】
側方のルーフフレーム部分24,25間には、コーナーフープ(Eckspriegel)70が延在する。コーナーフープ70は、テンション部材31〜34を折り畳み式ルーフ装置10の閉鎖位置で下方から、すなわち車両内室側から負荷する。コーナーフープ70は、結合箇所71,72において側方のルーフフレーム部分24,25に枢設されている。対応する旋回軸線は、十字により概略的に図示されており、有利には車両横方向で延びる。コーナーフープ70は、剛性的に又は弾性変形可能に構成されていてよいクロスフープ74を有する。
【0057】
クロスフープ74の端部から、それぞれ2つの固定アーム75,76が、対応する側方のルーフフレーム部分24に向かって延在している。固定アーム75の自由端は、結合箇所71において側方のルーフフレーム部分24のルーフフレーム部分区分42に枢設されている。固定アーム76の自由端は、例えば継手を介してかつ/又は解離可能に、結合箇所44の領域において又は結合箇所44において側方のルーフフレーム部分24に取り付けられている。固定アーム76は、本発明の別の態様では、フレキシブルなベルトとして構成されており、このベルトは、折り畳み式ルーフ装置10の閉鎖位置において引っ張り負荷されるだけである。折り畳み式ルーフ装置10の収納位置で、固定ベルトは簡単に折り畳み可能又は重ね合わせ可能である。
【0058】
図3及び図4には、トップフレーム14が如何にして、図2に示した閉鎖位置から、図4に示した収納位置へと重ね合わされるか、又は折り畳まれるかが示されている。重ね合わされるか、又は折り畳む際に、ルーフフレーム20は、結合箇所44における旋回軸線を中心にフラップ式に畳まれる。畳まれたルーフフレーム20は、側方の結合箇所45における旋回軸線を中心に旋回される。重ね合わせる際、テンション部材31〜34はより大きく湾曲される。収納位置において、大きく湾曲されたテンション部材31〜34は、部分的に重なり合い、実質的に1つの平面内に配置されている。
【0059】
テンション部材31〜34は、本発明の本質的な態様では、それぞれ弾性的な曲げ棒(Biegestab)として構成されており、折り畳み式ルーフ装置10の閉鎖位置においてフープの機能を果たす。急速折り畳み式ルーフ装置10は、取り外し可能なルーフとして構成されていてよく、取り外された状態で重ね合わされ、車両に積載される。しかし、折り畳み式ルーフ装置10は、車両に保持される重ね合わせ可能なトップとして構成されていてもよく、対応する収容室内に収納される。
【0060】
この目的に合わせて、テンション部材31〜34は解離可能に又は解離不能に乗用自動車1の支持構造2に取り付けられていてよい。折り畳み式ルーフ装置10の重ね合わせ、収容又は折り畳み時、テンション部材31〜34は、従来慣用の折り畳み式ルーフ装置で設けられている付加的なリンク機構のアーム(Lenker)の機能を果たす。
【0061】
本発明の別の本質的な態様では、テンション部材31〜34は、ルーフフレーム20、特に側方のルーフフレーム部分24,25の収納運動も同期化する。トップカバー12は、取り外し可能にトップフレーム14に保持されていてよい。有利には、テンション部材31〜34が、トップカバー12に保持されており、場合によってはトップカバー12と共に取り外し可能である。しかし、択一的には、テンション部材31〜34がトップフレーム14に保持されており、トップカバー12がテンション部材31〜34とは別個に取り外されるようになっていてもよい。
【0062】
図5には、図4に示した結合箇所52,53の拡大図が示されている。テンション部材32,33は、収納位置にあるか、又はほぼ収納位置にある。この位置で、テンション部材32,33は、部分的に前側のルーフフレーム部分22に当接している。テンション部材32,33の図示の端部には、それぞれ1つのエンドピース82,83が固定されている。エンドピース82,83は、支承ブロック84,85に旋回可能に支承されて、テンション部材32,33の対応する端部と共に旋回軸線56,57を中心に旋回可能であるようになっている。支承ブロック84,85は、横方向で互いに間隔を置いて前側のルーフフレーム部分22に固定されている。エンドピース82,83は、例えばテンション部材32,33の対応する端部に被せ嵌められて、接着されているか、又はかしめられていてよい。
【0063】
図6には、図2に示した結合箇所62の拡大図が示されている。この拡大図には、テンション部材33が矩形の横断面を有することが示されている。これに対して、テンション部材34は、円形の横断面を有する。テンション部材33の図示の端部には、略直方体形のエンドピース93が固定されている。テンション部材34の図示の端部には、略管形のエンドピース94が固定されている。両エンドピース93,94は、1つの共通の旋回支承ピン95上に、旋回軸線64を中心に旋回可能に支承されている。旋回支承ピン95は、自動車の(図示しない)支持構造に固定されている支承プレート96から延びている。
【0064】
テンション部材の旋回軸線56,57;64は、本発明の別の本質的な態様では、車両のZ軸に対して、テンション部材がトップの運動時に制御されて収納又は展開されるように傾けられている。本発明の別の本質的な態様では、テンション部材の旋回軸線は、テンション部材が収納位置及び閉鎖位置で、ほぼ同じ大きさの予め付勢された力により予め付勢されているように配置されている。旋回軸線のこの配置により、中間値が格納位置と閉鎖位置との間に形成される。
【0065】
本発明の別の態様では、回転継手部位又は旋回支承部位は、ストッパを備えて構成されていてよく、これにより、テンション部材は、収納位置及び/又は閉鎖位置において所定の位置又は姿勢にもたらされることができる。これにより、隣接する部材との不都合な衝突は回避可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 乗用自動車
2 ボデー
3 リヤ領域
4 Aピラー
5 風防パネルフレーム
6 上側のカウル
10 折り畳み式ルーフ装置
12 トップカバー
14 トップフレーム
15 主カバー
16 補助カバー
18 リヤウインドウ
20 ルーフフレーム
22 前側のルーフフレーム部分
24,25 側方のルーフフレーム部分
26〜29 稜
31〜34 テンション部材
41,42 側方のルーフフレーム部分区分
43〜45,51〜54,61,62,71,72 結合箇所
55〜58,63,64 旋回軸線
70 コーナーフープ
74 クロスフープ
75,76 固定アーム
82,83,93,94 エンドピース
84,85 支承ブロック
95 旋回支承ピン
96 支承プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップカバー(12)及びトップフレーム(14)を備える折り畳み式ルーフ装置であって、トップフレーム(14)が、前側の領域を備える少なくとも1つのルーフフレーム(20)と、少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材(31〜34)とを有している折り畳み式ルーフ装置において、トップフレーム(14)がトップカバー(12)のありなしにかかわらず、テンション部材(31〜34)がトップフレーム(14)の折り畳み時又は重ね合わせ時に弾性変形するように折り畳み可能又は重ね合わせ可能であることを特徴とする、折り畳み式ルーフ装置。
【請求項2】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)がルーフフレーム(20)の前側の領域から折り畳み式ルーフ装置(10)の後側の領域に向かって延在する、請求項1記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項3】
トップフレーム(14)がトップカバー(12)のありなしにかかわらず、テンション部材(31〜34)がトップフレーム(14)の折り畳み時又は重ね合わせ時に弾性変形するように折り畳み可能又は重ね合わせ可能であるように、弾性変形可能なテンション部材(31〜34)がルーフフレーム(20)の前側の領域から折り畳み式ルーフ装置(10)の後側の領域に向かって延在する、請求項1又は2記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項4】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、トップフレーム(14)内でアームの機能を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項5】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、トップフレーム(14)内でフープの機能を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項6】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、トップフレーム(14)内でばねの機能を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項7】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が予め付勢されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項8】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、トップフレーム(14)の閉鎖運動が弾性変形可能なテンション部材(31〜34)の予め付勢された力により補助されるように予め付勢されている、請求項7記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項9】
複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)がルーフフレーム(20)に取り付けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項10】
複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)の少なくとも1つ、有利には2つの弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、少なくとも部分的に、縦方向でルーフフレーム(20)の前側の領域から折り畳み式ルーフ装置(10)の後側の領域に向かって延在する、請求項9記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項11】
複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)の少なくとも1つ、有利には2つの弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、少なくとも部分的に、対角方向でルーフフレーム(20)の前側の領域から折り畳み式ルーフ装置(10)の後側の領域に向かって延在する、請求項9又は10記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項12】
1つの弾性変形可能なテンション部材(31〜34)又は幾つかの若しくはすべての弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、折り畳み式ルーフ装置(10)が折り畳まれた状態及び/又は折り畳まれていない状態で、湾曲して配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項13】
ルーフフレーム(20)が、前側のルーフフレーム部分(22)及び/又は側方のルーフフレーム部分(24,25)を有しており、前側のルーフフレーム部分(22)及び/又は側方のルーフフレーム部分(24,25)に、複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が枢設されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項14】
複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、前側のルーフフレーム部分(22)及び/又は側方のルーフフレーム部分(24,25)のそれぞれ異なる箇所(51〜54)に枢設されている、請求項13記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項15】
前側のルーフフレーム部分(22)及び/又は側方のルーフフレーム部分(24,25)における弾性変形可能なテンション部材(31〜34)の継手軸線又は旋回軸線(56,57;64)がそれぞれ、テンション部材(31〜34)が折り畳み式ルーフ装置(10)の折り畳み運動時又は重ね合わせ時に所定の運動を実施するかつ/又は所定の通りに変形するように、Z軸に対して相対的に傾けられている、請求項13又は14記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項16】
ルーフフレーム(20)が、一端でそれぞれ前側のルーフフレーム部分(22)に取り付けられている2つの側方のルーフフレーム部分(24,25)を有する、請求項13から15までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項17】
側方のルーフフレーム部分(24,25)の他端がそれぞれ自動車の支持構造に取り付けられている、請求項16記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項18】
側方のルーフフレーム部分(24,25)がそれぞれ、互いに枢設されている少なくとも2つの側方のルーフフレーム部分区分(41,42)を有する、請求項17記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項19】
少なくとも1つの弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、それぞれ1つの側方のルーフフレーム部分(24,25)に枢設されている、請求項3から18までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項20】
単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、ルーフフレーム(20)に枢設されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項21】
トップカバー(12)が解離可能にトップフレーム(14)に取り付けられている、請求項1から20までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項22】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)がトップカバー(12)に保持されているか、又は剛性的なトップフレーム部分がトップカバー(12)に保持されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項23】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が曲げ棒として構成されている、請求項1から22までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項24】
弾性的な曲げ棒が円形の横断面を有する、請求項23記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項25】
弾性的な曲げ棒が矩形の横断面を有する、請求項23又は24記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項26】
弾性的な曲げ棒が、変化する横断面及び/又は所定の曲げ特性を有する、請求項23から25までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項27】
支持構造における弾性変形可能なテンション部材(31〜34)の継手軸線又は旋回軸線(64)がそれぞれ、テンション部材(31〜34)が折り畳み式ルーフ装置(10)の折り畳み運動時に所定の運動を実施するかつ/又は所定の通り変形するように、Z軸に対して傾けられている、請求項1から26までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項28】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が三次元的に旋回可能に支持構造に取り付けられている、請求項1から27までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項29】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が少なくとも一端でボールジョイントにより支持構造に結合されている、請求項1から28までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項30】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が、その形態、形状及び/又は色によりトップカバー及び/又は車両内装に対して際立つ、請求項1から29までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置。
【請求項31】
解離可能又は解離不能に自動車の支持構造(2)に取り付けられている、請求項1から30までのいずれか1項記載の折り畳み式ルーフ装置(10)を備える自動車。
【請求項32】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が解離可能又は解離不能に自動車の支持構造(2)に取り付けられている、請求項31記載の自動車。
【請求項33】
弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が解離可能又は解離不能に自動車の支持構造(2)に枢設されている、請求項32記載の自動車。
【請求項34】
少なくとも2つの弾性変形可能なテンション部材(31,32;33,34)が、自動車の支持構造(2)の1つの共通の箇所(61,62)に取り付けられている、請求項31から33までのいずれか1項記載の自動車。
【請求項35】
それぞれ少なくとも2つの弾性変形可能なテンション部材(31,32;33,34)が、共通の箇所(61,62)で、車両横方向で互いに間隔を置いて自動車の支持構造(2)に取り付けられている、請求項31から34までのいずれか1項記載の自動車。
【請求項36】
トップフレーム(14)がトップカバー(12)と共に閉鎖位置から収納位置へと折り畳み可能又は重ね合わせ可能であり、かつ逆向きにも運動可能である、請求項31から35までのいずれか1項記載の自動車。
【請求項37】
単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が閉鎖位置及び/又は収納位置で湾曲されている、請求項36記載の自動車。
【請求項38】
単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が閉鎖位置で、収納位置とは異なって湾曲されている、請求項36又は37記載の自動車。
【請求項39】
単数又は複数の弾性変形可能なテンション部材(31〜34)が閉鎖位置及び/又は収納位置で緊張されている、請求項37又は38記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−36896(P2010−36896A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177325(P2009−177325)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(508174975)ドクトル イング ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (134)
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D−70435 Stuttgart, Germany