説明

折り畳み自転車

【課題】特に車輪を持たなくてもよいので、手が汚れなく、フレームを折り畳んで簡単に収納できる折り畳み自転車を提供する。
【解決手段】フロント部10と、リア部20と、フレーム30と、駆動装置とを有し、その内、フレームを介してフロント部とリア部とを連結され、フレームは、リンク部材31と該リンク部材の前端に枢設されるフロントフレーム組32と、該リンク部材の後端に枢設されるリアフレーム組33とを備えることから、自転車を折り畳む時、手が汚れないように、フロントフレーム組及びリアフレーム組をそれぞれリンク部材に対して片側に枢転させると、簡単に折り畳んで収納することができ、利便性に優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に折り畳み自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自転車は、ガソリンが不要であり、車やバス、電車などの交通手段より環境に優しいので、現代社会において広く使用されている。また、自転車は、運転手の踏み込む力によって動かすが、人力では、移動可能範囲が狭いことから、自転車を簡単に車やバス、電車などの交通手段で持ち運べる折り畳み自転車の開発が期待されていた。
【0003】
従来の折り畳み自転車は、フレームを備え、該フレームの前端にフロントチューブが設けられると共に、後端にリアチューブが設けられ、その内、フロントチューブの上端にハンドル部材が取り付けられ、該フロントチューブの下端にフロントフォークが取り付けられ、該フロントフォークに前輪が取り付けられ、一方、該リアチューブの上端にサドルが取り付けられると共に、下端にリアフォークが取り付けられ、該リアフォークに後輪が取り付けられる。
【0004】
前記従来の折り畳み自転車を折り畳む時は、先ずハンドル部材を取り外して下方の前輪の片側に折り畳み、フロントチューブをフレームに対して回転させ、前輪、フロントフォーク、ハンドル部材を斜め上方へ回転させてフレームの中央部に折り畳み、続いて、リアチューブをフレームに対して回転させ、後輪、リアフォーク、ハンドル部材を斜め上方へ回転させてフレームの中央部に折り畳み、該前輪、フロントフォーク、ハンドル部材の一側に位置させれば、自転車を折り畳んで体積を小さくすることができる。
【0005】
既存の折り畳み自転車を改良するために、様々な新製品が開発されているが、本発明には、フロントフレーム組及びリアフレーム組をそれぞれ中央のリンク部材に対して片側に枢転させることにより、自転車のフレームを簡単に折り畳んで体積を大幅に縮小するものであることから、フレームの折り畳みに関する新たな技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の折り畳み自転車は、折り畳む時、使用者が手を用いて前輪及び後輪を斜め上方へ回転させなければならないことから、車輪の汚れが手に付着してしまうと共に、操作上においても非常に不便であった。また、自転車を折り畳んで持ち運ぶ時には、前輪及び後輪が上方に折り畳まれることから、使用者は車輪のリムを持って運ぶので、手が汚れるという問題があった。特に雨が降ってる時には、前後輪に泥が付いていることから、使用者の手を汚すだけではなく、他の乗客にも迷惑をかけることになるので、改良する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る折り畳み自転車は、フロントフォーク組と、回転可能に該フロントフォーク組に取り付けられるフロントハブを有する前輪とを備えるフロント部と、
リアフォーク組と、回転可能に該リアフォーク組に取り付けられるリアハブを有する後輪とを備えるリア部と、
前記フロント部とリア部との間に組み立てられ、第一端及び第二端を有するリンク部材と、一端が前軸により該リンク部材の第一端に枢設されると共に、他端が該フロント部のフロントフォーク組に連結され、該フロント部を該リンク部材の片側に折り畳むことができるフロントフレーム組と、一端が後軸により該リンク部材の第二端に枢設されると共に、他端が該リア部に連結され、該フロントフレーム組と平行するように該リア部を該リンク部材の片側に折り畳むことができるリアフレーム組とを備え、該フロントフレーム組及びリアフレーム組を折り畳むことにより、該フロント部とリア部とを平行にし、後輪のリアハブの中心からフロント部の前輪のフロントハブの中心までの距離が後軸と前軸との距離と同一であるフレームと、
前記フレームに取り付けられる、前記バック部の後輪を駆動するための駆動装置とを有するものである。
【0008】
また、かかる折り畳み自転車において、前記フロントフレーム組の後端における、リンク部材に枢設される端面に前部弧状溝が形成され、
前記リンク部材に、前記前部弧状溝に係合される前部摺動柱が凸設され、
前記リアフレーム組の前端における、リンク部材に枢設される端面に後部弧状溝が形成され、
前記リンク部材に、前記後部弧状溝に係合される後部摺動柱が凸設されることが好ましい。
【0009】
また、かかる折り畳み自転車において、前記フロントフォーク組に、前記前輪のフロントハブの片側に枢設されるフロントフォークが設けられ、
前記リアフォーク組に、前記後輪のリアハブの片側に枢設されるリアフォークが設けられ、
前記フロントフレーム組及びリアフレーム組を折り畳むと、前記フロントフォークとリアフォークとが前記リンク部材に対して反対する両側に位置することが好ましい。
【0010】
また、かかる折り畳み自転車において、前記リアフォーク組は、前記リアフレーム組に枢設されると共に、該フロントフレーム組の内部へ挿入するように設置される位置合わせ部材が取り付けられ、
前記リアフレーム組の位置合わせ部材内に移動可能に後部摺動柱が挿設され、該リアフォーク組とリアフレーム組を固定するために、一端が着脱可能に該位置合わせ部材に噛合される噛合部材が設けられ、
前記噛合部材を枢転させると、位置合わせ部材が解放され、後部摺動柱が自由に位置合わせ部材において移動可能となるので、リアフォーク組がリアフレーム組に対して枢転可能となることが好ましい。
【0011】
また、かかる折り畳み自転車において、前記リアフォーク組が前記リアフレーム組に枢設され、該リアフォーク組とリアフレーム組との間に位置決めリングが設けられ、該リアフォーク組の位置決めリング内に移動可能に後部位置決め柱が挿設され、該リアフォーク組の一端に後部係合部が設けられ、一方、該リアフレーム組の位置決めリング内に、後部摺動柱が挿設され、その一端に、着脱可能に該後部係合部に係合される掛合部材が設けられ、
また、前記掛合部材を枢転させると、後部係合部が解放され、後部摺動柱及び後部位置決め柱が自由に位置決めリング内において移動できるようになることから、リアフォーク組がリアフレーム組に対して枢転可能となることが好ましい。
【0012】
また、かかる折り畳み自転車において、前記フロントフレーム組に前部固定柱が凸設され、
前記リアフレーム組に後部固定柱が凸設され、
前記リンク部材は、前記フロントフレーム組及びリアフレーム組に枢設されるリンクベースが設けられ、該リンクベースに第一係合プレートが枢設され、更に、該リンクベースと第一係合プレートとを固定するために、該リンクベースに、伸縮可能に該第一係合プレートの挿設孔に挿入する挿設柱が設けられ、該フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に結合されることにより、該第一係合プレートに、該前部固定柱及び後部固定柱に係合される第二係合プレートが枢設されることが好ましい。
【0013】
前記フロントフレーム組に前部固定柱が凸設され、
前記リアフレーム組に後部固定柱が凸設され、前記リンク部材に、該フロントフレーム組及びリアフレーム組に枢設されるリンクベースが設けられ、該リンクベースに第一係合プレートが枢設されると共に、伸縮可能に該第一係合プレートの挿設孔に挿入する挿設柱が設置され、該第一係合プレートに第二係合プレートが枢設され、該フロントフレーム組及びリアフレーム組をリンク部材に固定するために、該リンクベースにおける第一係合プレートと反対する側に第三係合プレートが枢設され、該第三係合プレートが該前部固定柱及び後部固定柱に係合されると共に、該第二係合プレートに係合されることが好ましい。
【0014】
前記前輪は、地面と直交する法線を呈し、
前記フロントフォーク組の長手方向が該前輪の法線との間において0度から45度に設けられることが好ましい。
【0015】
前記フロントフレーム組は、円弧状を呈し、乃至の弧度で延設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記の構成を有することから、自転車を折り畳む時に、前輪及び後輪を持つ必要がないので、手を汚す心配はないと共に、フロントフレーム組及びリアフレーム組をそれぞれリンク部材に対して枢転させれば、簡単に折畳むことができるので、実用性が極めて高い。さらに、本発明に係る折り畳み自転車を折り畳んだ時、前輪及び後輪が下方に位置することから、自転車を持ち運ぶ必要はなく、単にフロントフレーム組及びリアフレーム組を持って車体を前進させれば、簡単に自転車を移動できるので、利便性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例の前方視斜視図である。
【図2】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例の後方視斜視図である。
【図3】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例において、リアフォーク組及びリアフレーム組を連結した状態を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例において、リアフレーム組がリアフォーク組から外れた状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例において、フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に枢設された状態を示す部分斜視図である。
【図6】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例における挿設柱の部分拡大断面図である。
【図7】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例において、フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に枢設された状態を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る折り畳み自転車の第一実施例において、フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に対して枢転する動作を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る折り畳み自転車の第二実施例においての、駆動装置及び前輪の法線とフロントフォーク組の長手方向との角度を示す側面平面図である。
【図10】本発明に係る折り畳み自転車の折り畳み動作を示す平面図である。
【図11】本発明に係る折り畳み自転車を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る折り畳み自転車を折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図13】本発明に係る折り畳み自転車の第二実施例において、フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に枢設された状態を示す部分斜視図である。
【図14】図13におけるリンク部材の断面図である。
【図15】本発明に係る折り畳み自転車の第二実施例において、リアフレーム組がリアフォーク組から外れた状態を示す部分斜視図である。
【図16】本発明に係る折り畳み自転車の第二実施例において、リアフォーク組及びリアフレーム組が連結された状態を示す部分断面図である。
【図17】本発明に係る折り畳み自転車の第三実施例において、フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に枢設された状態を示す部分側面図である。
【図18】図17におけるリンク部材の断面図である。
【図19】本発明に係る折り畳み自転車の第四実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、下記実施例は、本発明の好適な実施の形態を示したものにすぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明に係る折り畳み自転車における第一実施例は、フロント部10と、リア部20と、フレーム30と、駆動装置40とを有する。
【0020】
前記フロント部10は、ハンドル11と、ヘッドチューブ12と、フロントフォーク組13と、前輪14とを備え、その内、該ハンドル11は、回転可能にヘッドチューブ12の上端に取り付けられると共に、該フロントフォーク組13が該ヘッドチューブ12の下端に設けられ、該フロントフォーク組13の片側にフロントフォーク131が下方へ延設され、該フロントフォーク131の下端に該前輪14のフロントハブ141が回転可能に取り付けられる。
【0021】
図1、図3及び図4に示すように、前記リア部20は、サドル21と、シートポスト22と、リアフォーク組23と、後輪24とを備え、その内、該サドル21は、シートポスト22の上端に取り付けられ、該リアフォーク組23の上部にリアベース232が設けられ、該リアベース232は、シートポスト22の下端及びフレーム30の後端に枢設され、該リアベース232の片側にリアフォーク231が下方へ延設され、該リアフォーク231の下端に該後輪24のリアハブ241が回転可能に取り付けられる。また、前記リアベース232に位置合わせ部材235が取り付けられ、該位置合わせ部材235は、該フレーム30の内部に位置する。
【0022】
前記フレーム30は、フロント部10とリア部20との間に組み立てられ、リンク部材31と、フロントフレーム組32と、リアフレーム組33とを備える。
【0023】
図5乃至図8に示すように、前記リンク部材31は、プレート状を呈し、リンクベース311と、前部摺動柱312と、後部摺動柱313と、第一係合プレート314と、挿設柱316と、第二係合プレート317とを備え、その内、該リンクベース311は、前端に第一端が、後端に第二端が設けられ、該第一端の上面にフロントフレーム組32が枢設されると共に、該第二端の上面にリアフレーム組33が枢設され、該前部摺動柱312は、リンクベース311の第一端におけるフロントフレーム組32に枢設される上面に凸設され、該後部摺動柱313は、リンクベース311の第二端におけるリアフレーム組33に枢設される上面に凸設される。
【0024】
前記第一係合プレート314は、リンクベース311の外側面に枢設され、一端に挿設孔315が形成され、前記挿設柱316は、リンクベース311の外側面に取り付けられ、バネが環装され(図6の如く)、そのバネの伸縮により第一係合プレート314の挿設孔315に挿入可能となり、前記第二係合プレート317は、第一係合プレート314の外側に枢設される。この構成によれば、前記フロントフレーム組32及びリアフレーム組33をリンク部材31に固定することができる。
【0025】
図1、図7及び図8に示すように、前記フロントフレーム組32は、弧状の管体であり、後端がリンク部材31に枢設されると共に、前端が回転可能にヘッドチューブ12の管状部材123に枢設される(図11に示す)。この構成によれば、フロントフレーム組32をリンク部材31に対して水平方向に枢転させると共に、ヘッドチューブ12をフロントフレーム組32に対して下方へ枢転させることができる。
【0026】
また、前記フロントフレーム組32とリンク部材31との軸心位置に前軸321が貫設され、フロントフレーム組32の後端における、リンク部材31に枢設される端面に前部弧状溝322が形成され、該前部弧状溝322にリンク部材31の前部摺動柱312が移動可能に挿設される。この構成によれば、フロントフレーム組32を、リンク部材31に対してフレーム30の片側のみに枢転させることができ、また、フロントフレーム組32の後端一側に前部固定柱323が上方に向かって凸設され、該前部固定柱323が着脱可能に第二係合プレート317に係合される。
【0027】
前記リアフレーム組33は、弧状の管体であり、前端がリンク部材31に枢設されると共に、後端がリアフォーク組23のリアベース232に枢設される。この構成によれば、リアフレーム組33をリンク部材31に対して水平方向に枢転できると共に、リアフレーム組33をリアフォーク組23に対して枢転させることができ、更に、そのリアフレーム組33とリンク部材31との軸心位置に後軸331が貫設されるので、リアフレーム組33をリンク部材31に対して水平方向に枢転させることができる。
【0028】
また、前記リアフレーム組33の前端における、リンク部材31に枢設される端面に後部弧状溝332が形成され、該後部弧状溝332に前記リンク部材31の後部摺動柱313が移動可能に挿設される。この構成によれば、リアフレーム組33を、リンク部材31に対してフレーム30の片側のみに枢転させることができ、また、リアフレーム組33の前端一側に後部固定柱333が上方へ凸設され、該後部固定柱333が着脱可能に第二係合プレート317に係合される。
【0029】
図3及び図4に示すように、前記リアフレーム組33の後端内部に、前記リアベース232の位置合わせ部材235内に移動可能に挿設される後部摺動柱334が設けられ、該リアフレーム組33の後端に、内部につめ歯及び捻りバネを備える噛合部材335が取り付けられ、該捻りバネにより、噛合部材335のつめ歯が着脱可能に位置合わせ部材235に噛合される。
【0030】
前記駆動装置40は、リア部20の後輪24を駆動させるために、フレーム30に取り付けられる。尚、本発明における実施例に使用する駆動装置40は、人力駆動式、或いは電力駆動式を採用してもよく、後輪24のリアハブ241、或いは前輪14のフロントハブ141に設置されるものである。
【0031】
また、図9に示すように、本発明における第二実施例では、人力駆動式の駆動装置40を採用しているため、ペダルが設置されている。尚、本発明の実施例において、前輪14は、地面と直交する法線を呈し、フロントフォーク組13のフロントフォーク131の長手方向が前輪14の法線との間において0度から45度に設けられてもよく、30度に設けられてもよい。また、フロントフレーム組32は、円弧状を呈し、乃至の弧度で延設され、前端がフロントフォーク組13の近傍のヘッドチューブ12の管状部材123に連結されると共に、後端がリンク部材31に連結され、特にの弧度で延設されることが好ましい。
【0032】
図1及び図11に示すように、本発明に係る折り畳み自転車を折り畳んで収納する時は、先ずハンドル11の両端をヘッドチューブ12の両側と平行するように下方へ折り曲げ、続いて、該ハンドル11及びヘッドチューブ12をフロントフォーク組13の一側に対して(図1の時計回り方向)に枢転させ、その後、サドル21をシートポスト22に対して前方へ回転させて、サドル21及びシートポスト22をリアフォーク組23に対して後方へ枢転させる。
【0033】
次に、図3及び図4に示すように、噛合部材335を引いて枢転させて位置合わせ部材235を解放させ、後部摺動柱334を自由に位置合わせ部材235内で移できるようにし、リアフォーク組23をリアフレーム組33に対して枢転させ、後輪24をリアフォーク組23に接近するように移動させる。続いて、図5に示すように、第一係合プレート314をリンクベース311に対して上方へ引いて枢転させると、第二係合プレート317がフロントフレーム組32の前部固定柱323及びリアフレーム組33の後部固定柱333から外れて、フロントフレーム組32及びリアフレーム組33が解放される。
【0034】
そして、図8及び図10に示すように、フロントフレーム組32及びフロント部10をリンク部材31の片側に対して枢転させると共に、リアフレーム組33及びリア部20をリンク部材31の同一側に対して枢転させると、リアフレーム組33とフロントフレーム組32とが平行するように収納できる(図11及び図12の如く)。
【0035】
この構成によれば、図8及び図12に示すように、フロントフレーム組32及びリアフレーム組33を折り畳んだ時、後輪24のリアハブ241の中心からフロント部10の前輪14のフロントハブ141の中心までの距離が後軸331と前軸321との距離と同一であり(図12の如く)、また、フロントフォーク131とリアフォーク231とがそれぞれリンク部材31と反対する側に位置すると共に、前輪14及び後輪24が、ハンドル11とヘッドチューブ12とを挟むように平行することから、自転車の体積を大幅に縮小できる。
【0036】
一方、図13及び図14に示すように、本発明における第二実施例では、前部固定柱323及び後部固定柱333がそれぞれ、フロントフレーム組32及びリアフレーム組33における対向する側に設けられ、リンク部材31における第一係合プレート314と反対する側に、複数の細長溝を有する第三係合プレート318Aが枢設され、該第三係合プレート318Aが枢転すると、それら細長溝により前部固定柱323及び後部固定柱333に係合されると共に、該第三係合プレート318Aに第二係合プレート317が係合され、第一係合プレート314がリンクベース311に枢設され、挿設柱316が伸縮可能に挿設孔315に挿入される。この構成によれば、前記第一係合プレート314を下方へ枢転させて挿設柱316を挿設孔315に挿入させると、第一係合プレート314が固定されて、第三係合プレート318A及び第二係合プレート317が前部固定柱323及び後部固定柱333に係合されるので、フロントフレーム組32及びリアフレーム組33をリンク部材31に固定することができる。
【0037】
尚、図15及び図16に示すように、本発明における第二実施例では、リア部20のリアフォーク組23とフレーム30のリアフレーム組33との間に位置合わせ部材235ではなく位置決めリング235Aが取り付けられている。
【0038】
また、リアフォーク組の23の位置決めリング235A内に移動可能に後部位置決め柱236Aが挿設され、該リアフォーク組23の外側に後部係合部237Aが設けられ、該リアフレーム組33の該位置決めリング235A内に移動可能に後部摺動柱334Aが挿設され、該リアフレーム組33の外側に掛合部材335Aが設けられ、該掛合部材335Aは、クイックリリースであり、リアフレーム組33の外側に後部枢設プレート336Aが枢設され、該後部枢設プレート336Aに着脱可能に、後部係合部237Aに掛合される後部枢設フック337Aが枢設される。この構成によれば、前記掛合部材335Aを引いて回転させると、後部枢設フック337Aが後部係合部237Aから解放され、後部摺動柱334A及び後部位置決め柱236Aが位置決めリング235A内において移動可能りなるので、リアフォーク組23がリアフレーム組33に対して所定の範囲で枢転可能となる。
【0039】
また、図17及び図18に示すように、本発明における第三実施例は、殆ど第二実施例と同一であるが、フレーム30の構成が異なる。詳しく説明すると、前部固定柱323B及び後部固定柱333Bはそれぞれ、フロントフレーム組32及びリアフレーム組33における対向する側に設けられ、リンクベース311Bの両端が上方へ湾曲するようにフロントフレーム組32とリアフレーム組33とに取り付けられ、リンク部材31の第三係合プレート318Bは、その両端にリンクベース311Bの前部固定柱323B及び後部固定柱333Bと対応する弧状の係合面を備え、、第二係合プレート317Bは、上側が第三係合プレート318Bと対応する弧状を呈し、該上側が第三係合プレート318Bに合うように係合され、第一係合プレート314Bがリンクベース311Bの外側に枢設され、挿設柱316が伸縮可能に第一係合プレート314Bに挿設される。使用する時は、前記第一係合プレート314Bを下方へ枢転させて挿設柱316を第一係合プレート314Bに挿入させて第一係合プレート314Bを固定すると共に、前部固定柱323B及び後部固定柱333Bを係合することによって、フロントフレーム組32及びリアフレーム組33をリンク部材31に固定する。
【0040】
また、図19に示すように、本発明における第四実施例は、その殆どが第一実施例と同一であるが、フロント部10、リア部20、フレーム30の形状が異なる。尚、第四実施例における駆動装置40は、フレーム30に装設されると共に、後輪24のリアハブ241又は前輪14のフロントハブ141に設置され、その駆動装置40は、電力駆動装置であってもよく、チェーンやペダルなどの部材からなる人力駆動装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明における折り畳み自転車における駆動装置は、電力駆動式を採用してもよく、或いはチェーンやペダルなどの部材を装設することにより、人力駆動式を採用してもよいので、各種類の自転車に応用することができる。
【符号の説明】
【0042】
10…フロント部、
11…ハンドル、
12…ヘッドチューブ、
123…管状部材、
13…フロントフォーク組、
131…フロントフォーク、
14…前輪、
141…フロントハブ、
20…リア部、
21…サドル、
22…シートポスト、
23…リアフォーク組、
231…リアフォーク、
232…リアベース、
235…位置合わせ部材、
24…後輪、
241…リアハブ、
30…フレーム、
31…リンク部材、
311…リンクベース、
312…前部摺動柱、
313…後部摺動柱、
314…第一係合プレート、
315…挿設孔、
316…挿設柱、
317…第二係合プレート、
32…フロントフレーム組、
321…前軸、
322…前部弧状溝、
323…前部固定柱、
33…リアフレーム組、
331…後軸、
332…後部弧状溝、
333…後部固定柱、
334…後部摺動柱、
335…噛合部材、
40…駆動装置、
235A…位置決めリング、
236A…後部位置決め柱、
237A…後部係合部、
318A…第三係合プレート、
334A…後部摺動柱、
335A…掛合部材、
336A…後部枢設プレート、
337A…後部枢設フック、
311B…リンクベース、
314B…第一係合プレート、
317B…第二係合プレート、
318B…第三係合プレート、
323B…前部固定柱、
333B…後部固定柱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントフォーク組と、回転可能に該フロントフォーク組に取り付けられるフロントハブを有する前輪とを備えるフロント部と、
リアフォーク組と、回転可能に該リアフォーク組に取り付けられるリアハブを有する後輪とを備えるリア部と、
前記フロント部とリア部との間に組み立てられ、第一端及び第二端を有するリンク部材と、一端が前軸により該リンク部材の第一端に枢設されると共に、他端が該フロント部のフロントフォーク組に連結され、該フロント部を該リンク部材の片側に折り畳むことができるフロントフレーム組と、一端が後軸により該リンク部材の第二端に枢設されると共に、他端が該リア部に連結され、該フロントフレーム組と平行するように該リア部を該リンク部材の片側に折り畳むことができるリアフレーム組とを備え、該フロントフレーム組及びリアフレーム組を折り畳むことにより、該フロント部とリア部とを平行にし、後輪のリアハブの中心からフロント部の前輪のフロントハブの中心までの距離が後軸と前軸との距離と同一であるフレームと、
前記フレームに取り付けられる、前記バック部の後輪を駆動するための駆動装置とを有することを特徴とする折り畳み自転車。
【請求項2】
前記フロントフレーム組の後端における、リンク部材に枢設される端面に前部弧状溝が形成され、
前記リンク部材に、前記前部弧状溝に係合される前部摺動柱が凸設され、
前記リアフレーム組の前端における、リンク部材に枢設される端面に後部弧状溝が形成され、
前記リンク部材に、前記後部弧状溝に係合される後部摺動柱が凸設されることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み自転車。
【請求項3】
前記フロントフォーク組に、前記前輪のフロントハブの片側に枢設されるフロントフォークが設けられ、
前記リアフォーク組に、前記後輪のリアハブの片側に枢設されるリアフォークが設けられ、
前記フロントフレーム組及びリアフレーム組を折り畳むと、前記フロントフォークとリアフォークとが前記リンク部材に対して反対する両側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の折り畳み自転車。
【請求項4】
前記リアフォーク組は、前記リアフレーム組に枢設されると共に、該フロントフレーム組の内部へ挿入するように設置される位置合わせ部材が取り付けられ、
前記リアフレーム組の位置合わせ部材内に移動可能に後部摺動柱が挿設され、該リアフォーク組とリアフレーム組を固定するために、一端が着脱可能に該位置合わせ部材に噛合される噛合部材が設けられ、
前記噛合部材を枢転させると、位置合わせ部材が解放され、後部摺動柱が自由に位置合わせ部材において移動可能となるので、リアフォーク組がリアフレーム組に対して枢転可能となることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折り畳み自転車。
【請求項5】
前記リアフォーク組が前記リアフレーム組に枢設され、該リアフォーク組とリアフレーム組との間に位置決めリングが設けられ、該リアフォーク組の位置決めリング内に移動可能に後部位置決め柱が挿設され、該リアフォーク組の一端に後部係合部が設けられ、一方、該リアフレーム組の位置決めリング内に、後部摺動柱が挿設され、その一端に、着脱可能に該後部係合部に係合される掛合部材が設けられ、
また、前記掛合部材を枢転させると、後部係合部が解放され、後部摺動柱及び後部位置決め柱が自由に位置決めリング内において移動できるようになることから、リアフォーク組がリアフレーム組に対して枢転可能となることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折り畳み自転車。
【請求項6】
前記フロントフレーム組に前部固定柱が凸設され、
前記リアフレーム組に後部固定柱が凸設され、
前記リンク部材は、前記フロントフレーム組及びリアフレーム組に枢設されるリンクベースが設けられ、該リンクベースに第一係合プレートが枢設され、更に、該リンクベースと第一係合プレートとを固定するために、該リンクベースに、伸縮可能に該第一係合プレートの挿設孔に挿入する挿設柱が設けられ、該フロントフレーム組及びリアフレーム組がリンク部材に結合されることにより、該第一係合プレートに、該前部固定柱及び後部固定柱に係合される第二係合プレートが枢設されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折り畳み自転車。
【請求項7】
前記フロントフレーム組に前部固定柱が凸設され、
前記リアフレーム組に後部固定柱が凸設され、前記リンク部材に、該フロントフレーム組及びリアフレーム組に枢設されるリンクベースが設けられ、該リンクベースに第一係合プレートが枢設されると共に、伸縮可能に該第一係合プレートの挿設孔に挿入する挿設柱が設置され、該第一係合プレートに第二係合プレートが枢設され、該フロントフレーム組及びリアフレーム組をリンク部材に固定するために、該リンクベースにおける第一係合プレートと反対する側に第三係合プレートが枢設され、該第三係合プレートが該前部固定柱及び後部固定柱に係合されると共に、該第二係合プレートに係合されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折り畳み自転車。
【請求項8】
前記前輪は、地面と直交する法線を呈し、
前記フロントフォーク組の長手方向が該前輪の法線との間において0度から45度に設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折り畳み自転車。
【請求項9】
前記フロントフレーム組は、円弧状を呈し、乃至の弧度で延設されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折り畳み自転車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−82433(P2013−82433A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−186001(P2012−186001)
【出願日】平成24年8月27日(2012.8.27)
【出願人】(512222091)
【Fターム(参考)】