折り込まれたおよび取り付けられた側縁を備えた物品
本発明はパンツまたはおむつなどの着用者の下胴部に着用される物品などの物品である。物品は、便と各々の生殖器の肌の有効な分離が達成されうるように特定の方法で取り付けられる便捕捉シートなどの可撓性のある便隔離部材を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパンツまたはおむつなどの着用者の下胴部に着用される衣類などの物品である。物品は良好な装着を提供し、かつ着用者の肌の清浄度を向上させるための要素を容易に導入することを可能にするように設計される。
【背景技術】
【0002】
パンツまたはおむつなどの着用者の下胴部に着用される物品は、それらの着用者へのフィット性について常に改良が求められている。ここ数年、物品に用いられる材料の弾性を向上させることによる改良に焦点があてられている。最近の手法では、持続的な身体に快適なフィット性を提供するために国際公開第06/102974A1号パンフレット(C4S)に記載されるような脚フープが導入されている。(国際公開第08/141756号パンフレットまたは国際公開第2010/057543号パンフレットに記載されるような)これらの設計ならびにこれらの製造は非常に単純であるがさらにより単純な設計が必要とされている。
【0003】
単純でありなお十分にフィット性のある設計に加えて、使い捨ての吸収体物品などの物品における便滲出物の不適切な処理による着用者の肌の汚れが長年課題として認められているが、数多くの解決策が提案されていても、現在のところ大規模かつ機能している実行策は市場に出ていない。
【0004】
上述の特許公報に加えて、使い捨ての吸収体物品で使用するための、異なる弾性特性を有する3つの部分に分割されているトップシートを示すさらなる例示的な手法が米国特許第5269775号明細書(P&G)に開示されている。このトップシートは、便の材料を、トップシートを通過させて使い捨ての吸収体物品の空隙まで伝達するための孔をさらに有しうる。
【0005】
欧州特許出願公開第1279388A1号明細書(P&G)には、便などのための防壁機能を提供するために装填時にたるみにくいカフが設計される吸収体物品が記載されている。
【0006】
米国特許第5462541号明細書(K−C)には、トップシートと、バックシートと、吸収体コアと、ポケットのような形状を形成するためにトップシートを吸収体コア上方に間隔をあけて配置するための上昇デバイスとを備える吸収体物品が記載されている。このトップシートは開口部を有しうるとともに、吸収体はその中に穴を有しうる。その両方が着用者から老廃物を受容し分離する。
【0007】
国際公開第09/119376A1号パンフレット(Uni−Charm)には、排泄による外部生殖器および会陰領域の肌の汚れを低減することを目的とするスペーサおよびセパレータを有するおむつが開示されている。
【0008】
国際公開第08/138018A1号パンフレット(DSG)には吸収体コアと、液透過性の上部シートと、液不透過性のバックシートとを有する物品が開示されている。一対の可撓性のある弾性脚ラップがコアの縁端から外側に向かってかつコアの縁端のそばに延在するとともに、一組の間隔をおいて配置された弾性ストランドを含む。脚ラップとコアは身体の滲出物を捕捉するための貯蔵部を形成する。物品の使用時に一組の流体堰がストランドにより画定され、各流体堰は脚ラップと着用者の間を通過する一定量の液体排出物を捕捉する。
【0009】
これらすべての手法の一般的な原理は、堆積された便を、着用者の肌からおよび/または生殖器から可能な限り隔離するための隔離材料を提供することである。この目的のため、二次トップシートまたは隔離障壁等の形態の隔離材料が着用者の肛門の近傍に配置されるようになっている。しかしながら、機能する製品が市場に導入されない理由にはは、便隔離手段と肛門の間の一致が使用中に維持されない場合が多いことにあると考えられる。この一致が損なわれない限り隔離は機能し得、ずれがある場合、漏れが起こらないとしても、これはそのような隔離手段がない場合よりも実際にはさらにひどい肌の汚れを引き起こすおそれがある。また、そのような従来の便隔離機能を備えた物品は適用がより困難となりうると考えられる。
【0010】
この問題の第1の解決策は本出願人Concepts for Successの名で同時係属中の特許出願に記載されている(出願番号、英国特許第1004733号明細書、未公開)。同明細書中において、肛門と二次トップシートなどの形態の隔離手段との一致は着用者の脚まわりの脚フープによって製品を固定することにより達成されている。
【0011】
しかしながら、脚フープというさらなる機能に依存しておらず、したがって非常に単純な手段により便隔離および簡便な適用を提供する解決策がなお必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は着用者の下胴部に着用されるための物品であり、長手方向(x−)および幅(y−)方向と、長手方向の中心線と、2つの対向する長手方向に延在する側縁とを画定する前部領域と、後部領域と、その間の股領域とを含む基部を含む。基部は使用時に着用者の方を向くようになっている第1の表面と、第2の逆側の表面とを呈す。物品は基部の第1の表面に取り付けられる可撓性のある便隔離部材をさらに含み、この取付部は可撓性のある便隔離部材を基部の第1の表面から少なくとも長手方向の中心線の一部に沿って間隔をあけて配置することを可能にするようになっている。
【0013】
基部の長手方向の側縁は、それらが少なくとも股領域において可撓性のある便隔離部材に重なり、折り込まれた長手方向の側縁が各側にある少なくとも1つのピックアップ連結部(pick−up connection)により可撓性のある便隔離部材に連結されるように折り込まれる。ピックアップ連結部は(i)長手方向の中心の線に対して10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2,5cm未満の距離で横断方向に配置される、および(ii)少なくとも物品の股領域において長手方向に配置される。ピックアップ連結部から長手方向の側縁までの横断方向の距離は10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満であってもよい。ピックアップ連結部は(iii)30cm未満、好ましくは15cm、より好ましくは5cm未満の長手方向の延びを有する。
【0014】
物品は股領域において便捕捉シートに、および脚フープまたはピックアップ連結部に、取り付けられる補強要素を含んでもよい。補強部材は可撓性のある便隔離部材の剛性よりも高い剛性を有する横断方向に延在する材料のストリップを含んでもよい。一方、補強要素はコアの横断方向に延在する縁により形成されてもよい。
【0015】
任意選択で、本発明による物品では、可撓性のある便隔離部材が生殖器用ポケットを形成してもよい。
【0016】
可撓性のある便隔離部材は方向性のある便運搬のための便案内手段を含んでもよく、便案内手段は、好ましくは、
表面摩擦低減物(surface friction reducer)と、
表面濡れ性低減物(surface wettability reducer)と、
便付着低減物(faeces adherence reducer)と、
表面構造と、からなる群から選択される表面特性変更物(surface property modifier)を含んでもよい。
【0017】
表面構造は少なくとも1つの横断方向に延在する便ストリップを含んでもよく、この便ストリップはその後方に向く縁において基部または可撓性のある便隔離部材に連結され、便ストリップが連結される表面に向く第1の便ストリップ表面を呈する一方、その前方に向く縁は基本的に連結されていない。
【0018】
第1の便ストリップ表面は逆側の表面と異なる摩擦特性であってもよい。相違は以下の作用の1つ以上を基にしていてもよい。すなわち(a)粗面処理または添加物処理による、および/または「形成フィルム」を形成する孔フィルム材料(aperture film material)を使用することによる、基本的に同じ表面材料に対する作用、および/または(b)粗い材料に対する滑らかな材料および/または非吸収体材料に対する吸収体材料の使用による、異なる表面材料に対する作用。
【0019】
物品は、任意選択で、腰フープ領域にまたはトップシートと基部の第2の逆側の表面との間に配置されるフラチュラスフィルタ材料をさらに含んでもよい。物品は身体接着物質を含んでもよい。
【0020】
1つの実施では、可撓性のある便隔離部材は、少なくとも股領域において基部の第1の表面に重なる便捕捉シートと基部の第1の表面との間に便捕捉部を形成する便捕捉シートである。便捕捉部は便捕捉シートの不連続部により少なくとも部分的に境界が定められる便通路をさらに含んでもよく、この通路は便が便捕捉シートと基部の第1の表面との間に堆積されることを可能にするようになっている。この通路は好ましくは長手方向の中心の線に沿ってまたは交差して配置される。
【0021】
不連続部は、好ましくは少なくとも1cmの長さで好ましくは基本的に長手方向に延在し、好ましくは便捕捉シートの長さの90%未満の長さの便捕捉シート全体に延在するスリットであってもよい。不連続部は便捕捉シートの縁に交差してもよい。
【0022】
一方、不連続部は横断方向に延在する折り線または接合線により形成される。したがって、便捕捉シートの一部は生殖器のポケットを形成するようになっている二層構造であってもよい。
【0023】
組成物が少なくとも2g/gのティーバッグ遠心分離吸収体容量を示すように、可撓性のある便隔離部材はそれに連結されるまたはそれと一体化される吸収体材料を有してもよい。好ましくは、吸収体材料は少なくとも股領域の一部において少なくとも長手方向の中心の線に沿って基本的に基部に取り付けられない。
【0024】
別の実施では、物品の基部は、第1のトップシートの1つ以上の基本的に横断方向に延在する前方(および/または後方)z折目によりその第1の表面が可撓性のある便隔離部材を形成するようになっている第1のトップシートを含み、
(i)着用者に向く部分の前方z折目は基本的に基部に取り付けられないが、ピックアップ用連結部により取り付けられ、(ii)z折目のベースは少なくとも基部の側縁の近傍において基部に取り付けられる。このz折目は、生殖器用ポケットが形成されるように、肛門の前方に配置され、連結される物品の基部の方を向くベースを有し、前方に入る横棒を有する(a)単一のz折目と、便捕捉部が形成されるように、肛門の前方に配置され、連結される物品の基部の方を向くベースを有し、後方に入る横棒を有する(b)単一のz折目と、便捕捉部が形成されるように、(a)または(b)によるz折目の1つと、肛門の後方向に配置され、連結される物品の基部の方を向くベースと、前方に入る横棒を有する、さらなるz折目とを含む(c)2つのz折目とからなる群から選択されてもよい。この実施では、可撓性のある便隔離部材は便の材料を通過させることを可能にするための不連続性、好ましくは孔をさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】図1Aは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図1B】図1Bは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図1C】図1Cは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図1D】図1Dは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図2】図2は、先行技術の物品設計を概略的に示す。
【図3】図3は、補強部材をさらに含む本発明による物品を示す。
【図4】図4は、横断方向の折目により実施される可撓性のある便隔離部材を含む本発明による実施形態を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による補強部材のいくつかの実施を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
異なる図における同じ番号は同一の特徴を示す。
【0027】
本発明は一般に人の下胴部に着用される物品、すなわちパンツ式の物品に関する。本発明による物品はそれに排出されうる便の処理に関して機能性を改良することによりフィット性および肌の清浄度の向上を付与するようになっている。
【0028】
本発明による物品は、典型的には着用者の前部腰領域と背部腰領域とに一致する前部および後部領域と、物品の長手方向の向きまたはx方向を画定するその間の股領域とを含む中心片を含む。物品の股領域は、後方向には肛門を超えておよび前方向には生殖器を超えて終端すると考えられてもよい着用者の股領域に一致する。物品は少なくとも前部および/または後部腰領域に物品の幅y方向に沿って中心片の側方に外側に向かって延在するサイドパネル領域をさらに含んでもよい。本文脈内では、これはその使用時の構成にある物品を意味する。それぞれ使用前の構成にある製造時または製造後の折り畳まれた物品では、サイドパネルは過度に中心領域となるように折り畳まれてもよいが、それでもなお「側方に外側に向かって延在する」とみなされる。本発明による物品はその長手方向の中心線に基本的に対称である。
【0029】
本発明は閉じられたパンツまたはパンツ式の物品であってもよい物品もしくは開いた製品であり、従来のテープ式おむつのように、装着時に閉じられたパンツ式の形態にされてもよい物品に関する。本発明はさらに、物品として機能しうるためにさらなる特定の要素または特定の工程ステップの実施を要してもよいそのような物品のプリフォームに関する。
【0030】
本発明による物品は、任意選択で超吸収体材料および/または液体分散層を有する吸収体コアおよびバックシートなどの周知の衛生物品の要素を含んでもよい基部を含む。加えて、物品は使用時に着用者の方を向くようになっている基部の表面に配置される可撓性のある便隔離部材を含む。可撓性のある便隔離部材は物品が着用されると少なくとも物品の股領域の肛門の前方に配置される物品の部分に配置される。可撓性のある便隔離部材は物品の着用者に向くトップシートウェブと一体的に実施されてもよい、またはそれは別個のトップシートに重なってもよい。二次吸収体コアが少なくとも可撓性のある便隔離部材の一部に取り付けられてもよい。本明細書中の以下に記載されるように、便隔離部材は基部の着用者に向く表面上に平らにまたは折り畳まれた配置で配置することができるが、便隔離部材が使用時に少なくとも物品の長手方向に延在する中心の線の一部に沿ってこの表面から間隔をおいて配置されることを可能にするためにその特性についてだけでなくそのベースへの固定についても十分に可撓性のあることが必須である。この間隙は少なくとも物品の股領域において長手方向に延在する中心の線に向かってそれぞれ物品そのプリフォームの長手方向に延在する側縁を折り込むことにより得られる。好ましくは、折り込まれた側縁は、10cm未満、好ましくは5cm未満またはさらには2.5cm未満の長手方向に延在する中心の線までの距離を有する。さらに、折り込まれた側縁は、接着領域、線またはさらには接着点のみなどのピックアップ連結部により少なくとも股領域において可撓性のある隔離部材に連結される。このピックアップ連結部は長手方向の中心の線から30cm未満、好ましくは10cm未満またはさらには5cm未満またはさらには2.5cm未満の距離で横断方向に配置される。ピックアップ連結部は、また、中心片の長手方向の側縁から30cm未満、好ましくは10cm未満またはさらには5cm未満またはさらには2.5cm未満の距離で横断方向に配置される。好ましくは、接着連結部は30cm未満、好ましくは15cm未満またはさらには5cm未満の長手方向の延びを有する。
【0031】
本発明の原理がここで1つの特定の実施形態を概略的に示す図1を参照することによりさらに説明される。その詳細は本明細書中において以下にさらに説明される。図1は、本明細書中において以下に記載されかつ図1B〜Dに示されるような長手方向に折る前およびピックアップ連結部を取り付ける前の状態の物品のプリフォームを示す。図1Aに示すように、物品1000の平らに延伸されたプリフォームは股領域1015により連結される前部腰領域1012と後部腰領域1018とを有し、物品の長手方向の(x−)方向1001を画定する。物品の幅(y−)方向1002は着用者の左右の向きに一致する。典型的には、物品はその長手方向の中心線1004に対称である。典型的には、物品の厚さ(z−方向)は長さおよび幅に比べてかなり薄く、長さおよび幅に垂直に延在する。
【0032】
使用時の構成では、前部領域と後部領域のそれぞれはパンツ式の製品を形成するようにそれぞれ連結される。この連結は一般にいわゆるトレーニングパンツに適用されるように恒久的に実施することができる。この連結は、一般に開くことができるおむつに適用されるように、使用者または彼/彼女の世話人により実施されうる。この連結は、また、別個に適用されるベルトまたはフープを含むあらゆる従来の閉鎖手段の組み合わせであってもよい。
【0033】
物品は前部領域または後部領域よりも股領域においてより狭くてもよい。図1Aに示すように、前部サイドパネル(1013)および後部サイドパネル(1019)は前部領域および後部領域において中心片の側方に外側に向かって延在する。しかしながら、本発明は、例えばベルトなどの固定手段により所定の位置に保持することができる例えば矩形の形状の製品を含む、サイドパネルの側方延長部がより顕著でない場合にも一様に適用可能であることに留意されたい。
【0034】
本発明による物品は、乳児用または成人失禁用おむつまたはトレーニングパンツ等などの使い捨ての吸収体物品と同様に吸収体要素を有してもよい。そのような物品は、一体的な吸収体要素なしでも設計されてよいが、例えばパンツが成人失禁に関連してまたは女性衛生用に使用する吸収体パッドと組み合わせて使用される場合、別個の吸収体要素と組み合わせてもよい。そのような物品は、また、吸収性なしでまたは比較的ほとんど吸収性なしで設計されてもよく、使い捨てまたは有限の再利用下着として使用されてもよい。吸収体容量がないまたはわずかな吸収体容量しかない物品は少なくとも限られた量の洗浄サイクルに分解することなく耐えるように設計されてもよい。
【0035】
本文脈内では、バックシートおよびコアならびに任意選択でトップシートなどの従来の物品に一般に使用されるような他の要素が図に1010で示される本発明による物品の基部を形成すると考えられる。
【0036】
本発明の文脈内において、物品のプリフォームまたは物品それ自体は上述のような要素を含んでもよい基部を含む。本発明による物品または物品の基部は、しばしばトップシート側1022とも呼ばれる第1の、着用者に向く、すなわち内部表面と、しばしばバックシート側と呼ばれる第2の、反対側の、すなわち外部表面1021とを示す。トップシートに向く側は尿が吸収体要素を通過することが可能になるように一般に液透過性材料で作成されている。外部表面は一般に高分子フィルムまたは液不透過性ウェブなどの液不透過性材料で作成されており、すべて当業者に周知である。任意選択で、およびしばしば好ましくは、いわゆる微孔性フィルム等を使用することにより達成されうるため外部材料には少なくとも特定の領域において通気性がある。
【0037】
トップシート側を着用者に向くまたは物品の内部表面と呼ぶ場合、この表面全体が着用者の肌に接触した状態になるように配置される必要はなく、同様に本明細書中の以下に記載されるように、一部が折り畳まれてもよいまたは他の材料が重なってもよいことに留意されたい。同様に、バックシートまたは外部表面の全体を着用者の肌から離して配置する必要はなく、着用者の肌におそらくは接する可能性のあるあらゆるバックシート材料を肌へのフレンドリ性に関して適応させるべきである。
【0038】
本発明による物品は以下「可撓性のある便隔離部材」と呼ばれる、基部の使用者に向く表面1022に重なる層1030をさらに含む。可撓性のある便隔離部材は2つの好適な実施形態として実施することができ、それらは本明細書中において以下により詳細に記載される。図1に示される第1の実施形態では、可撓性のある便隔離部材は以下便捕捉シートと呼ばれるさらなるウェブとして実施される。便捕捉シートはその上に配置されかつそれから間隔をおいて配置されてもよい基部とともに便捕捉部を形成する。第2の実施形態では、可撓性のある便隔離部材は、例えば、少なくとも股領域の特定の部分において例えば横断方向の折目を含むことにより基部の残りから可撓性を有して離間されるようになっている従来のトップシートであってもよい基部のカバーと一体になっている。
【0039】
可撓性のある便隔離部材に適切な材料は肌の刺激を引き起こさないであろう軟質のウェブ材料である。このウェブは便が通過することを可能にしないように設計されてもよいが、任意選択で表面上で変化する特定の液体透過性を有するように設計されてもよい。いかなる制約も意図せず、特定の実施形態に適切な材料は0.1dTex〜3dTexまたはそれを超える厚さを有するポリプロピレン繊維で作成されているような基部重量約15〜30g/m2の不織布材料であってもよい。そのような材料はまた、例えば周知の「SMS」複合材、つまり2層のスパンドボンド材料間に挟まれたメルトブロー繊維の層で作成した複合材料であってもよい。可撓性のある便隔離部材は米国特許第5462541号明細書に記載されるような特定のマスキング特性を有してもよい。
【0040】
本発明の特定の実施では、可撓性のある便隔離部材は使用時の着用者の肌への接触を向上させるために弾性特性を有してもよい。例えば長手方向に延在する弾性を可撓性のある便隔離部材のスリットまたは開口部の外側に隣接して取り付けることにより。一方、可撓性のある便隔離部材は、任意選択で、ウェブの長手方向または横断方向において変化する弾性特性を有するウェブとして実施されてもよい。
【0041】
本発明はピックアップ連結部による可撓性のある便隔離部材の特定の取り付けをさらに含む。この目的のため、長手方向の側縁が、10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満の長手方向の中心線までの横断方向の距離で配置されるように、基部の長手方向の側縁が少なくとも股領域において可撓性のある便隔離部材に重なるように折り畳まれる。折り込まれた側縁と可撓性のある便隔離部材のピックアップ連結部は側縁の横断方向近傍に、すなわち5cm未満、好ましくは5mm未満の距離で、かつ長手方向の中心線からあまり遠くない、すなわち10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満の距離で配置される。ピックアップ連結部はさもなければ物品の全体的なフィット性にマイナスに影響するかもしれないため長すぎる長手方向の延びを有するべきではなく、したがって長手方向の延びは30cm未満、好ましくは15cm未満、より好ましくは5cm未満とすべきである。ピックアップ連結部は連続的な連結線または領域もしくは1つ以上の線、領域または点で作成されてもよい。
【0042】
可撓性のある便隔離部材は、物品を装着してその使用時の構成に適応させる際、ピックアップ連結部が便捕捉シートを持ち上げるように少なくともピックアップ連結部の近傍において基本的に下にある基部に取り付けられないままである。
【0043】
特定の実施形態では、本発明の物品は可撓性のある便隔離部材を基部から間隔をあけて配置することを支持するための補強部材をさらに含む。そのような補強部材は例えばテーバーこわさ試験により評価された場合、可撓性のある便隔離部材よりも高い剛性を示すいかなる硬い材料であってもよい。好ましくは、剛性は可撓性のある便隔離部材を使用者の肌に向かって付勢するのに十分である。そのような補強部材は基本的に物品の横断方向におよび/または長手方向に延在する1つ以上のストリップとして実施されてもよく、少なくともピックアップ連結部の近傍において可撓性のある便隔離部材に固定される。図1Dに示される位置に類似する位置にある物品を示す図3に示されるように、そのような補強部材1300は、単一片として、またはその内縁が製品の中心線および/または便を受容するための開口部の内縁に近い状態で配置される少なくとも各側に1つの片としてのいずれかで、長手方向の中心の線に横断方向に対称に側方に外側に向かって配置される。好ましくは、補強部材は可撓性のある便隔離部材が基部に連結される領域まで延在しない。好ましくは、補強部材ストリップは約1mmを超える、好ましくは約1cmを超える物品における長手方向の延びを有する。それは矩形形状を有してもよいが、特定の部分において物品の長手方向に著しく長い延びまたは長円または環のような閉じた構造を有する形状を含む他の形状が本発明の本範囲に含まれる。適宜、補強部材は好ましくは通路または孔を通る便の通過を妨げないようになっている。
【0044】
本発明の好適な実施では、可撓性のある便隔離部材は二次吸収体コアに連結されてもよい。この実施では、本明細書中ですでに上に記載されたように一次吸収体コアは基本的に基部のバックシートに取り付けられる。二次コアが少なくとも不連続部の周縁部に隣接する領域において可撓性のある便隔離部材に取り付けられ補強材として機能してもよい。1つの変形物では、二次コアは不連続部の前方に配置されるとともに物品の前部領域に延在してもよい。そのような実施形態は二次コアが便を形成する生殖器と肌を効果的に分離するように機能しうるため、便の処理において特定の利点を提供する。別の変形物では、二次コアは後方に配置され、したがって尿失禁のある仰臥位の人に対して特別な利点を提供する。
【0045】
一次および二次コアは、長手方向の投影で見た場合、「同一平面」位置、すなわち延びをバックシート上に投影した場合に重なりのないように配置されてもよい。一方、バックシート上における投影に重なりがあり、それは0〜20cmの間であってもよい。
【0046】
二次コアは一次コアと基本的に同じタイプであってもよく、特定の実施においてそれらはエアレイド材料などの同じロールオブロールストックを切り離したものであってもよい。そのような実施では、両コア片はトップシートとしておよびさらには可撓性のある便隔離部材として同時に機能してもよい連続的な支持ウェブ上に配置されてもよい。同時係属のPCT出願(代理人整理番号681)により詳細に記載されるように、2つのコア要素は前コア(leading core)に対する後コア(trailing core)の運搬速度の特定の不整合により重なった配置で配置されてもよい。
【0047】
二次コアは第1のコアと異なる特性および機能性を有してもよい。
【0048】
例えば、少なくとも物品の後部部分に配置されうるような一次コアはそれが着用者に向く表面に接触する場合に、例えば特定の液体捕捉特性、続いて(使用者から離れて)液体分散特性領域、さらには使用者から最も遠く離れたところに液体貯蔵機能性(liquid storage functionality)を備えて実施される着用者に向く表面を有することにより、尿が最良に処理されるように設計されてもよい。
【0049】
さらなる特定の実施では、本発明による物品は生殖器用ポケットを含む。この目的のため、特定の実施形態の文脈により詳細に記載されるように、使用時に肛門と生殖器の間に位置する可撓性のある便隔離部材の一部が横断方向に折り込まれる、または別個の生殖器用ポケット材料がこの領域において可撓性のある便隔離部材に取り付けられる。生殖器用ポケットは生殖器すなわち男性使用者では陰嚢および/または陰茎ならびに女性使用者の場合、特に垂下した陰唇(pendulous labia)の場合は陰唇を便受容領域から離して保持するようなおよび/または物品の便受容部分内への生殖器の落ち込みを防ぐような大きさに作られる。
【0050】
本発明による物品は装填点すなわち使用時に肛門に配置される領域から離れた便の方向性のある運搬を容易にするための便案内手段をさらに含んでもよい。そのような便案内手段は表面摩擦低減物、表面濡れ性低減物、便付着低減物および/または表面構造などの表面特性変更物を含んでもよい。そのような表面構造は少なくとも1つの横断方向に延在する便ストリップを含んでもよく、その後方に向く縁において基部または前記可撓性のある便隔離部材に連結され、かつ便ストリップが連結される表面に向く第1の便ストリップ表面を呈する一方、その前方に向く縁は基本的に連結されていない。好適な実施では、便ストリップの2つの逆側の表面は逆側の表面と異なる特性を示し、この相違は以下の作用の1つ以上を基にしてもよい。すなわち、
(a)粗面処理または添加物処理による、および/または「形成フィルム」を形成する孔フィルム材料を使用することによる、基本的に同じ表面材料に対する作用、および/または、
(b)粗い材料に対する滑らかな材料および/または非吸収体材料に対する吸収体材料の使用による、異なる表面材料に対する作用。
【0051】
さらなる特定の実施は尿および便のより良い保持を提供するだけでなく、脚および腰フープにおいて大方の気密封止または少なくともかなりの向上を提供する本発明の物品の良好な装着に基づく。したがって米国特許出願公開第2004/00010842A2号明細書、国際公開第02/005603A1号パンフレットまたは英国特許出願公開第02296660A号明細書に記載されるような人工肛門バッグだけでなくおむつ用品から周知のようなフラチュラスフィルタを容易におよび効果的に実施することができる。本文脈内では、両方が着用者の輪郭への製品の良好な適応に基づくその2つの実施が好適である。第1の実施では、物品の外部層は基本的に気密であるが、腰フープ領域にはフィルタ材料が木炭などのフィルタ材料を備えた泡沫状の材料のような形態で挿入されてもよい。さらなる実施では、また、当該技術分野において周知のように外部層は「通気性のある」材料として実施され、臭い吸収体材料が内方向(または着用者に向く)表面の全体にわたって配置されてもよい。
【0052】
またさらなる特定の実施では、本発明による物品は肌/身体接着物質を含む。そのような物質は国際公開第00/00111号パンフレット(Palumbo)に記載されるように当該技術分野において周知である。身体接着物質は可撓性のある便隔離部材が基部から取り外すことができる領域において物品に適用されてもよく、身体接着物質は取り外し可能なカバーにより被覆されるようにまたは物品が開かれるとその接着表面が露出するように実施されてもよい。任意選択で、物質はまた例えば温度誘発物質(temperature triggered substance)を用いた場合には使用時にその接着特性を発生させてもよい。
【0053】
本発明はここで特定の実施を参照することによりさらに説明されるが、本発明はそれに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0054】
図1A〜Dに示されるような第1の実施形態では、可撓性のある便隔離部材はその厚さ全体に延在するスリットまたは切り込みまたは開口部などの不連続部1040を含む便捕捉シート1030として実施される。この不連続部は使用時に着用者の肛門の穴と一致した状態で配置されるようになっており、それは便が通過することを可能にするであろう。
【0055】
図1に示すように、不連続部は後部横断方向に延在する縁1037を遮断し、かつ約20cm未満、好ましくは約5cm未満の長手方向の延びを有する。
【0056】
便捕捉シート1030の着用者に面する表面が、折り込まれた基部1010の長手方向の側縁に、不連続部1040に近接して取り付けられる一方で、その逆側の表面が基部の下にある部分に連結されないままであることが本発明の本質的な特徴である。これは長手方向の側縁1023が中心の線1004に向かって配置されるようにその基部1010が長手方向の折線1027に沿って折り畳まれた物品1000を示す図1BおよびCに示される。前部サイドパネル領域(1013)および後部サイドパネル領域(1019)は(これらの領域におけるトップシート表面1022および股領域におけるバックシート表面1028を示すことにより図1Bに示されるように)再度折り返されてもよいが、物品の股領域の断面図を示す図1Cに同様に示されるように、基部は少なくとも股領域の特定の部分において折り返されない。不連続部1040を有する便捕捉シート1030は少なくともその側方(1031)およびその前方(1036)縁により下にある基部1010に取り付けられるが、ピックアップ連結部1045からは離され基本的に取り付けられないままである。このピックアップ連結部は不連続部1040の側方に外側に向かって配置され、少なくとも不連続部の外周の部分を基部の長手方向の側縁1023の近傍の領域に連結する。したがって、図1Cに示すような実施形態では、便捕捉シート1030はその外周においてこの基部に連結部1032により連結される一方で、便捕捉シート1030は不連続部の外周まわりにおいてピックアップ連結1045によりその逆側の表面で基部に連結される。好ましくは、ピックアップ連結部と不連続部の外周との間の横断方向の距離は8cm未満、より好ましくは2cm未満およびゼロであってもよい。同様に、長手方向に延在する側縁とピックアップ連結部との間の距離は好ましくは8cm未満、より好ましくは2cm未満およびゼロであってもよい。基部の折り込まれた長手方向に延在する側縁間の間隔は好ましくは10cm未満、より好ましくは5cm未満およびゼロであってもよく、同様に、これらの側縁の長手方向の中心の線からの距離はその半分である。折り込まれた領域の重なりはあまり好ましくないが、本発明の範囲内であると考えられる。好ましくは、股領域における基部材料の折り返しは避けるべきである。
【0057】
この実施形態の別の実施では、便捕捉シートは物品の全表面をカバーしてもよく、したがって同様に基部のすべてをカバーする。この場合、基部のトップシートがその表面全体をカバーする必要はなく、例えば、ストリップ材料として実施されてもよい。このストリップ材料は、また、従来のトップシートとは別のおよび/または追加の機能性を有してもよい。例えば、それは特定の液体処理を有してもよい。すなわち捕捉または分散特性。表面トラップシートは、したがって便貯蔵領域が下層に接合されず、それがスリットであり、スリットの左および右のピックアップ(例えば接着)点を保持するのであれば、全体のトップシートならびに便捕捉シートとして部分的に機能しうる。この実施形態では、便捕捉シートは好ましくは基部の最上層に、少なくとも基部の外周において取り付けられる。便の材料の過剰な分散を防ぐために便捕捉シートはさらにより内方に取り付けられてもよい。
【0058】
図2AおよびBに示されるように、当該技術分野において周知のように(例えば米国特許第3426756号明細書を参照)これは「従来の」設計とは対照的に解釈されるべきである。本発明中において、(図2Bの左部分およびこれを反転した右部分に見られるように)物品の基部2010は第1の(2021)および第2の(2022)折り線に沿ってZ構成に折り畳まれる。長手方向の側縁2023は第2の折り線から側方に外側に向かって延在し、この折りはしばしば中心接着とも呼ばれる連結部2045により固定される。そのような設計が従来の手法で二次トップシートと組み合わされたとしても、本発明の機能性を生じないであろう。
【0059】
これは(使用前の構成で示される)図1A〜Cに示されるような物品を(正確な縮尺ではないが)その使用時の構成において示す図1Dを考慮する際にさらに説明される。
【0060】
この目的のために、着用者1200の股または鼠径領域が脚1212、臀部1214、殿溝1220および肛門1230とともに概略的に示される。物品1000は脚の間に取り付けられ、その基部1010は便捕捉シート1030が連結線1032に沿って側方外周に連結される「バケット」を形成する。この連結のほかに、便捕捉シートは(図1Cに対応するこの横断方向の図において)基本的に、ここでスリット1040の形態の不連続部として示される便通路に隣接する基部のみにピックアップ連結部1045によってさらに連結されてもよい。装着時、物品の基部は胴部と脚の間の鼠径部の溝にぴったりと収まり、したがって横断方向の引張力をかけ、したがって便通路を十分に開いて便を通過させることを可能にする。
【0061】
図1Aに破線1037’により示されるように、この実施形態のさらなる実施では、不連続部は、使用時に着用者の肛門の位置に一致する点の近傍に延在している便捕捉シートの後方縁に一致する。上方に記載されるように、好ましくはピックアップ連結部1045と長手方向の中心の線との間の横断方向の距離が8cm未満、より好ましくは2cm未満およびゼロであってもよいように、便捕捉シートは、ピックアップ連結部1045により、基部1010の折り込まれた部分に、その側縁1023に近接して連結される。物品がその使用時の構成にされると、ピックアップ連結部は便捕捉1030シートを基部1010から離して持ち上げ、それによって便を便捕捉シートと基部の間に蓄積させるための開口部を生成する。
【0062】
図1Aに示される実施形態に示されるように、便捕捉シート1030は物品の全表面1022に過度に必要ない。それは使用時に少なくとも着用者の肛門に向かって後方に延在している少なくとも物品の股領域1015に配置されるべきである。便捕捉シート1030のサイズは便または排便を受容するのに十分に大きいポケットの生成を可能にするようになっているべきである。
【0063】
便捕捉シート1030の幅1039は股領域における基部の幅により限定される。当然、便捕捉シートの絶対寸法は製品の大きさに依存し、乳児用おむつよりも成人失禁用製品においてより大きくてもよい。典型的には、便捕捉シートは物品の股幅の100%未満、しばしば90%未満または75%の幅を有する。好ましくは、それは着用者の「股幅」、すなわち股鼠径部の左右距離、すなわち胴部と脚の接合部の溝間よりも狭くなるべきではない。便捕捉シートは、その長手方向に延在する側縁1031において、および任意選択でその前方横断方向に延在する側縁1036において、連結線または領域1032に沿って、典型的には基部の一次トップシートである下部層に固定されるが、便捕捉シートは連結線または領域1032を超えて外側に向かって延在してもよい。この連結は好ましくは固体または半固体の滲出物が通過することができないように実施され、かつ当該技術分野において周知のように接着線または超音波溶接線であってもよい。物品を取り外す際に簡単な便の除去を可能にするためにその前方横断方向に延在する側縁1036の連結は省略することができる。この連結は、また、使用時にこの連結が便を保持しそれが前方に分散されることを防ぐが、おそらくは物品のいくらかの震動により支援される装填された物品の取り外し時、この連結が開きトイレなどの適切な処分手段に便を処分することを可能にするように、容易に開く実施で実施されてもよい。その後部外周において、便捕捉シートはその縁1037に沿って下部層に固定されてもよいか、またはそれは固定されないままでもよい。
【0064】
当業者は用語「連結線」が広い接着線または溶接パターンなどのxおよびy方向に延びる領域を含むことを容易に理解する。同様に、便捕捉シートは矩形の実施形態で記載されているが、この形状からの逸脱、例えば便捕捉シートが長円形、楕円形、円形またはさらには不規則な形状のものである場合もまた本発明の範囲内であり、当業者は各々の用語および特徴を容易に適応させる。
【0065】
この実施形態のいくつかの実施による物品は、便が便捕捉シートと基部の第1の表面との間に堆積されることを可能にするようになっている便通路を含む。使用前の構成では、便捕捉シートと基部の第1の表面はそれらが離間しうるように互いに完全に取り付けられることなく接触位置にあってもよい。この間隔をあけた配置は使用時に物品の再構成により達成されてもよい、および/または便の材料の堆積により達成されてもよい、またはさらに離されてもよい。
【0066】
便通路は便捕捉シートの不連続部により少なくとも部分的に境界が定められる。本文脈内では、不連続部という用語は、その適用の前にまたは後に種々の切断または当業者に公知のタイプの他のデバイスにより便捕捉シートに適用されてもよい切断などにより、便捕捉シートの厚さ全体にわたって分離するまたは切り離す行為の結果を意味する。
【0067】
第1の実施では、この不連続部は材料の縁に交差することなく材料内において開始および終了してもよい便捕捉シート内の直線または曲線の切り込みであってもよい。別の実施では、切り込みは便捕捉シートの縁、特にその後方縁に交差してもよい。さらなる実施では、不連続部は縁の一部分であってもよい。
【0068】
不連続部は便を便捕捉部に移動させることを可能にするようになっている位置および長手方向の延びを有する。したがって、使用時の構成では、不連続部を含む便通路は着用者の肛門に近接して配置され、したがって不連続部は典型的には不連続部が中心線に少なくとも交差するように物品の長手方向の中心線のあたりに配置される。それは真直な切り込みが中心の線に沿って実施される場合のようにこの中心線に沿って配置されてもよい。任意選択で、この中心線に沿う切り込みは便捕捉シートの後縁に交差してもよい。一方、不連続部はその後部横断方向に延在する縁などの便捕捉シートの終端縁であってもよい。不連続部は長手方向の延びを有するが(すなわち不連続部の突出部が長手方向の中心線上にある)そうでなければ便と着用者の肌との間の分離効果に影響することができないため、それは大きくなりすぎるべきではない。したがって、不連続部は20cm未満、好ましくは10cm未満の長手方向の延びを有するべきである。例えば不連続部が便捕捉シートの後縁に交差する長手方向に延在する切り込みとして実施される場合、長手方向の延びはこれより短くてもよく、それはそれ自体が後方横断方向に延在する縁である不連続部の場合実際にはゼロであってもよい。
【0069】
任意選択で、便捕捉シートと下にある基部のさらなる連結が、不連続部に近接して、例えばその後部外周において実施されてもよく、側方外側の折りから中心の線に向かって延びるが、好ましくは側縁上のピックアップ連結部と便捕捉シート上の対応するものとの間の距離の約50%以下である。
【0070】
図5はこの実施形態の好適な実施を概略的に示す。この実施では、便通路が使用前または使用中に6000’、6000’’または6000’’’などの種々の形状を有してもよい補強部材6000によって作成または維持され、かつここで図1と比べてより長い実施で示され、ここで使用時に着用者の肛門と一致した状態で配置されるようになっているスリット1040として示される不連続部を備える便捕捉シート1030に連結される。
【0071】
この実施形態における生殖器用ポケットの形成のために、便捕捉シートの後方外周は、線に沿って長手方向の折りが実施される前に横断方向に延在する折り線に沿って折り畳まれてもよい。折り込まれた部分は両側において長手方向の中心線から折り込まれた側縁まで1mmを超える、好ましくは4cmを超える距離で固定される。これらの固定部間において、ここで便捕捉シートの折り込まれた部分の前方に向く縁は基本的に固定されない。使用時、ポケットは生殖器、すなわち男性使用者では陰嚢および/または陰茎ならびに女性使用者の場合、特に垂下した陰唇の場合、陰唇の形状にされる。
【0072】
本実施形態のさらなる特定の実施は便材料が後ろに流れることを可能にせず容易に受容するための便捕捉部の能力に関する。この目的のために、基部の外側に向く表面および面捕捉シートの内側に向く表面により形成されるようなその便捕捉部は少なくとも便案内手段を備えた部分にあり、捕捉部内への便の移動を促進してもよい。この実施形態の第1の実施では、案内手段は、当該技術分野において周知であるような例えば表面摩擦低減物および/または表面濡れ性低減物を用いることによる表面特性変更物を含む。表面特性変更は巨視的に表面を構造することを含んでもよい。それは例えば1つ以上の横断方向に延在する便ストリップを実装することにより達成されてもよく、この便ストリップはそれら後方に向く縁において前記トップシートまたは前記便捕捉シートに連結され、それが連結される表面に向く第1の便ストリップ表面を示す一方で、その前方に向く縁が基本的に連結されない。好ましくは、第1の便ストリップ表面は逆側の表面と異なる摩擦特性を示す。この特性の相違は基本的に同じタイプの材料が表面上にある材料の1つの層または材料のいくつかの層を使用することにより達成されうるが、表面の特性の相違は表面を粗面処理または添加物処理などにより異なるように処理することにより達成される。1つの層または多層の材料は、また、米国特許第4601868号明細書に詳細に記載されるような巨視的に拡張され形成されたフィルムまたは欧州特許出願公開第1040800A2号明細書に記載されるような斜めの細管部材により達成されうるような方向流または表面特性を備えたマクロ組織を有してもよい。一方、2つの異なる材料は記載されるような特性を備えた便ストリップの第1の表面および逆側の表面を形成してもよい。すなわち第1の表面は滑らかであり、反対側は粗くてもよく、または形成フィルムまたは傾斜細管材料で作成されている。逆側の表面は、また、低または中粘度の便などの特定の便の処理または国際公開第01/06974号パンフレットに記載されるような便吸収材料で形成されてもよい。
【0073】
本発明のまたさらなる実施は、液体吸収性特性を呈し、主要コアと細管液体連通(capillary liquid communication)していてもよい便捕捉シートに関する。そのような「二次コア」は一般に特開平08196565号公報、または欧州特許出願公開第1234563A1号明細書、または国際公開第06/108029A1号パンフレットの取り外し可能なコアの文脈に記載されているように当該技術分野において周知である。本発明の吸収体コア構造に利用されてもよい例示的な材料および構造は、例えば、米国特許第5531728号明細書(Lash)、米国特許第5147345号明細書(Young)、米国特許第5800416号明細書(Seger)、米国特許第6372953号明細書(Young)、米国特許第5260345号明細書(DesMarais)に記載されている。吸収体コア構成要素は、また、種々の吸収体材料の組み合わせ、例えば、発泡樹脂製品と木材パルプまたは他のセルロース系繊維および/または高分子吸収体ゲル化材料の粒子または繊維の組み合わせを含んでもよい。米国特許第5714156号明細書により詳細に記載されるように例えばティーバッグ遠心分離容量により評価される場合、適切な吸収体構造は2g/g、好ましくは4g/gを超える、またはさらには10g/gを超える吸収体容量を示してもよい。
【0074】
本発明の第2の実施形態では、可撓性のある便隔離部材は基部のトップシートを特定の状態に適合させることにより、すなわちその中に1つ以上の横断方向のz折目を含むことにより実施される。着用者に向く部分のz折目は基本的に基部に取り付けられないがピックアップ用連結部により取り付けられる。
【0075】
この実施形態の第1の実施では、図4Aに示されるように、トップシート4000の横断方向のz折目は使用時に肛門の前方に配置される。図4Aに示されるようなこの実施の変形物では、物品またはそのためのプリフォームの基部の方を向き、かつ吸収体コア4010およびバックシート4020とともに示されるz折目4050のベースはそれに連結されてもよい。着用者の方を向くz折目の上基部は連結部4060により少なくともピックアップ連結部の近傍において中心片の側縁に連結される。z折目のベースは少なくとも基部の側縁に近接して基部に取り付けられる。図4Aに示すような実施は前方に入るz折目の横棒を有し、したがって、生殖器用ポケットが形成されてもよい。
【0076】
図4Bはまた、z折目4070が基部のトップシート内に組み込まれるこの実施のさらなる変形物を示す。しかしながら、この実施では、上方に記載されたような便捕捉部に類似する便移動障壁が作成されるように、z折目の横棒が後方に向かって入る。
【0077】
この実施形態のさらなる実施はここで使用時に肛門の後方向に配置されるさらなるz折目4080を含む。また、この実施において、基部に向くz折目のベースはその基部に取り付けられ、着用者に向くz折目のベースは基部の折り込まれた側部に連結される。図4Cに示すように、この実施におけるz折目の横棒は前方に向く。この実施は好ましくは前方に配置されるz折目のいずれかまたは両方の実施と組み合わされる
【0078】
任意選択で、トップシートは便が通過することを可能にするための孔などの不連続性を含む。これらの孔はz折目4070および/または4080の横棒に配置されてもよい。
【0079】
任意選択で、便捕捉シートを用いた実施形態により詳細に記載されるようにトップシートは便案内手段をさらに含んでもよい。
【0080】
記載されたいずれの実施形態も本発明を制限すると考えられるべきではないことに留意されたい。また、当業者は種々の実施形態を別のものと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明はパンツまたはおむつなどの着用者の下胴部に着用される衣類などの物品である。物品は良好な装着を提供し、かつ着用者の肌の清浄度を向上させるための要素を容易に導入することを可能にするように設計される。
【背景技術】
【0002】
パンツまたはおむつなどの着用者の下胴部に着用される物品は、それらの着用者へのフィット性について常に改良が求められている。ここ数年、物品に用いられる材料の弾性を向上させることによる改良に焦点があてられている。最近の手法では、持続的な身体に快適なフィット性を提供するために国際公開第06/102974A1号パンフレット(C4S)に記載されるような脚フープが導入されている。(国際公開第08/141756号パンフレットまたは国際公開第2010/057543号パンフレットに記載されるような)これらの設計ならびにこれらの製造は非常に単純であるがさらにより単純な設計が必要とされている。
【0003】
単純でありなお十分にフィット性のある設計に加えて、使い捨ての吸収体物品などの物品における便滲出物の不適切な処理による着用者の肌の汚れが長年課題として認められているが、数多くの解決策が提案されていても、現在のところ大規模かつ機能している実行策は市場に出ていない。
【0004】
上述の特許公報に加えて、使い捨ての吸収体物品で使用するための、異なる弾性特性を有する3つの部分に分割されているトップシートを示すさらなる例示的な手法が米国特許第5269775号明細書(P&G)に開示されている。このトップシートは、便の材料を、トップシートを通過させて使い捨ての吸収体物品の空隙まで伝達するための孔をさらに有しうる。
【0005】
欧州特許出願公開第1279388A1号明細書(P&G)には、便などのための防壁機能を提供するために装填時にたるみにくいカフが設計される吸収体物品が記載されている。
【0006】
米国特許第5462541号明細書(K−C)には、トップシートと、バックシートと、吸収体コアと、ポケットのような形状を形成するためにトップシートを吸収体コア上方に間隔をあけて配置するための上昇デバイスとを備える吸収体物品が記載されている。このトップシートは開口部を有しうるとともに、吸収体はその中に穴を有しうる。その両方が着用者から老廃物を受容し分離する。
【0007】
国際公開第09/119376A1号パンフレット(Uni−Charm)には、排泄による外部生殖器および会陰領域の肌の汚れを低減することを目的とするスペーサおよびセパレータを有するおむつが開示されている。
【0008】
国際公開第08/138018A1号パンフレット(DSG)には吸収体コアと、液透過性の上部シートと、液不透過性のバックシートとを有する物品が開示されている。一対の可撓性のある弾性脚ラップがコアの縁端から外側に向かってかつコアの縁端のそばに延在するとともに、一組の間隔をおいて配置された弾性ストランドを含む。脚ラップとコアは身体の滲出物を捕捉するための貯蔵部を形成する。物品の使用時に一組の流体堰がストランドにより画定され、各流体堰は脚ラップと着用者の間を通過する一定量の液体排出物を捕捉する。
【0009】
これらすべての手法の一般的な原理は、堆積された便を、着用者の肌からおよび/または生殖器から可能な限り隔離するための隔離材料を提供することである。この目的のため、二次トップシートまたは隔離障壁等の形態の隔離材料が着用者の肛門の近傍に配置されるようになっている。しかしながら、機能する製品が市場に導入されない理由にはは、便隔離手段と肛門の間の一致が使用中に維持されない場合が多いことにあると考えられる。この一致が損なわれない限り隔離は機能し得、ずれがある場合、漏れが起こらないとしても、これはそのような隔離手段がない場合よりも実際にはさらにひどい肌の汚れを引き起こすおそれがある。また、そのような従来の便隔離機能を備えた物品は適用がより困難となりうると考えられる。
【0010】
この問題の第1の解決策は本出願人Concepts for Successの名で同時係属中の特許出願に記載されている(出願番号、英国特許第1004733号明細書、未公開)。同明細書中において、肛門と二次トップシートなどの形態の隔離手段との一致は着用者の脚まわりの脚フープによって製品を固定することにより達成されている。
【0011】
しかしながら、脚フープというさらなる機能に依存しておらず、したがって非常に単純な手段により便隔離および簡便な適用を提供する解決策がなお必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は着用者の下胴部に着用されるための物品であり、長手方向(x−)および幅(y−)方向と、長手方向の中心線と、2つの対向する長手方向に延在する側縁とを画定する前部領域と、後部領域と、その間の股領域とを含む基部を含む。基部は使用時に着用者の方を向くようになっている第1の表面と、第2の逆側の表面とを呈す。物品は基部の第1の表面に取り付けられる可撓性のある便隔離部材をさらに含み、この取付部は可撓性のある便隔離部材を基部の第1の表面から少なくとも長手方向の中心線の一部に沿って間隔をあけて配置することを可能にするようになっている。
【0013】
基部の長手方向の側縁は、それらが少なくとも股領域において可撓性のある便隔離部材に重なり、折り込まれた長手方向の側縁が各側にある少なくとも1つのピックアップ連結部(pick−up connection)により可撓性のある便隔離部材に連結されるように折り込まれる。ピックアップ連結部は(i)長手方向の中心の線に対して10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2,5cm未満の距離で横断方向に配置される、および(ii)少なくとも物品の股領域において長手方向に配置される。ピックアップ連結部から長手方向の側縁までの横断方向の距離は10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満であってもよい。ピックアップ連結部は(iii)30cm未満、好ましくは15cm、より好ましくは5cm未満の長手方向の延びを有する。
【0014】
物品は股領域において便捕捉シートに、および脚フープまたはピックアップ連結部に、取り付けられる補強要素を含んでもよい。補強部材は可撓性のある便隔離部材の剛性よりも高い剛性を有する横断方向に延在する材料のストリップを含んでもよい。一方、補強要素はコアの横断方向に延在する縁により形成されてもよい。
【0015】
任意選択で、本発明による物品では、可撓性のある便隔離部材が生殖器用ポケットを形成してもよい。
【0016】
可撓性のある便隔離部材は方向性のある便運搬のための便案内手段を含んでもよく、便案内手段は、好ましくは、
表面摩擦低減物(surface friction reducer)と、
表面濡れ性低減物(surface wettability reducer)と、
便付着低減物(faeces adherence reducer)と、
表面構造と、からなる群から選択される表面特性変更物(surface property modifier)を含んでもよい。
【0017】
表面構造は少なくとも1つの横断方向に延在する便ストリップを含んでもよく、この便ストリップはその後方に向く縁において基部または可撓性のある便隔離部材に連結され、便ストリップが連結される表面に向く第1の便ストリップ表面を呈する一方、その前方に向く縁は基本的に連結されていない。
【0018】
第1の便ストリップ表面は逆側の表面と異なる摩擦特性であってもよい。相違は以下の作用の1つ以上を基にしていてもよい。すなわち(a)粗面処理または添加物処理による、および/または「形成フィルム」を形成する孔フィルム材料(aperture film material)を使用することによる、基本的に同じ表面材料に対する作用、および/または(b)粗い材料に対する滑らかな材料および/または非吸収体材料に対する吸収体材料の使用による、異なる表面材料に対する作用。
【0019】
物品は、任意選択で、腰フープ領域にまたはトップシートと基部の第2の逆側の表面との間に配置されるフラチュラスフィルタ材料をさらに含んでもよい。物品は身体接着物質を含んでもよい。
【0020】
1つの実施では、可撓性のある便隔離部材は、少なくとも股領域において基部の第1の表面に重なる便捕捉シートと基部の第1の表面との間に便捕捉部を形成する便捕捉シートである。便捕捉部は便捕捉シートの不連続部により少なくとも部分的に境界が定められる便通路をさらに含んでもよく、この通路は便が便捕捉シートと基部の第1の表面との間に堆積されることを可能にするようになっている。この通路は好ましくは長手方向の中心の線に沿ってまたは交差して配置される。
【0021】
不連続部は、好ましくは少なくとも1cmの長さで好ましくは基本的に長手方向に延在し、好ましくは便捕捉シートの長さの90%未満の長さの便捕捉シート全体に延在するスリットであってもよい。不連続部は便捕捉シートの縁に交差してもよい。
【0022】
一方、不連続部は横断方向に延在する折り線または接合線により形成される。したがって、便捕捉シートの一部は生殖器のポケットを形成するようになっている二層構造であってもよい。
【0023】
組成物が少なくとも2g/gのティーバッグ遠心分離吸収体容量を示すように、可撓性のある便隔離部材はそれに連結されるまたはそれと一体化される吸収体材料を有してもよい。好ましくは、吸収体材料は少なくとも股領域の一部において少なくとも長手方向の中心の線に沿って基本的に基部に取り付けられない。
【0024】
別の実施では、物品の基部は、第1のトップシートの1つ以上の基本的に横断方向に延在する前方(および/または後方)z折目によりその第1の表面が可撓性のある便隔離部材を形成するようになっている第1のトップシートを含み、
(i)着用者に向く部分の前方z折目は基本的に基部に取り付けられないが、ピックアップ用連結部により取り付けられ、(ii)z折目のベースは少なくとも基部の側縁の近傍において基部に取り付けられる。このz折目は、生殖器用ポケットが形成されるように、肛門の前方に配置され、連結される物品の基部の方を向くベースを有し、前方に入る横棒を有する(a)単一のz折目と、便捕捉部が形成されるように、肛門の前方に配置され、連結される物品の基部の方を向くベースを有し、後方に入る横棒を有する(b)単一のz折目と、便捕捉部が形成されるように、(a)または(b)によるz折目の1つと、肛門の後方向に配置され、連結される物品の基部の方を向くベースと、前方に入る横棒を有する、さらなるz折目とを含む(c)2つのz折目とからなる群から選択されてもよい。この実施では、可撓性のある便隔離部材は便の材料を通過させることを可能にするための不連続性、好ましくは孔をさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】図1Aは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図1B】図1Bは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図1C】図1Cは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図1D】図1Dは、特定の実施形態としての便捕捉シートを含む本発明による物品を概略的に示す。
【図2】図2は、先行技術の物品設計を概略的に示す。
【図3】図3は、補強部材をさらに含む本発明による物品を示す。
【図4】図4は、横断方向の折目により実施される可撓性のある便隔離部材を含む本発明による実施形態を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による補強部材のいくつかの実施を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
異なる図における同じ番号は同一の特徴を示す。
【0027】
本発明は一般に人の下胴部に着用される物品、すなわちパンツ式の物品に関する。本発明による物品はそれに排出されうる便の処理に関して機能性を改良することによりフィット性および肌の清浄度の向上を付与するようになっている。
【0028】
本発明による物品は、典型的には着用者の前部腰領域と背部腰領域とに一致する前部および後部領域と、物品の長手方向の向きまたはx方向を画定するその間の股領域とを含む中心片を含む。物品の股領域は、後方向には肛門を超えておよび前方向には生殖器を超えて終端すると考えられてもよい着用者の股領域に一致する。物品は少なくとも前部および/または後部腰領域に物品の幅y方向に沿って中心片の側方に外側に向かって延在するサイドパネル領域をさらに含んでもよい。本文脈内では、これはその使用時の構成にある物品を意味する。それぞれ使用前の構成にある製造時または製造後の折り畳まれた物品では、サイドパネルは過度に中心領域となるように折り畳まれてもよいが、それでもなお「側方に外側に向かって延在する」とみなされる。本発明による物品はその長手方向の中心線に基本的に対称である。
【0029】
本発明は閉じられたパンツまたはパンツ式の物品であってもよい物品もしくは開いた製品であり、従来のテープ式おむつのように、装着時に閉じられたパンツ式の形態にされてもよい物品に関する。本発明はさらに、物品として機能しうるためにさらなる特定の要素または特定の工程ステップの実施を要してもよいそのような物品のプリフォームに関する。
【0030】
本発明による物品は、任意選択で超吸収体材料および/または液体分散層を有する吸収体コアおよびバックシートなどの周知の衛生物品の要素を含んでもよい基部を含む。加えて、物品は使用時に着用者の方を向くようになっている基部の表面に配置される可撓性のある便隔離部材を含む。可撓性のある便隔離部材は物品が着用されると少なくとも物品の股領域の肛門の前方に配置される物品の部分に配置される。可撓性のある便隔離部材は物品の着用者に向くトップシートウェブと一体的に実施されてもよい、またはそれは別個のトップシートに重なってもよい。二次吸収体コアが少なくとも可撓性のある便隔離部材の一部に取り付けられてもよい。本明細書中の以下に記載されるように、便隔離部材は基部の着用者に向く表面上に平らにまたは折り畳まれた配置で配置することができるが、便隔離部材が使用時に少なくとも物品の長手方向に延在する中心の線の一部に沿ってこの表面から間隔をおいて配置されることを可能にするためにその特性についてだけでなくそのベースへの固定についても十分に可撓性のあることが必須である。この間隙は少なくとも物品の股領域において長手方向に延在する中心の線に向かってそれぞれ物品そのプリフォームの長手方向に延在する側縁を折り込むことにより得られる。好ましくは、折り込まれた側縁は、10cm未満、好ましくは5cm未満またはさらには2.5cm未満の長手方向に延在する中心の線までの距離を有する。さらに、折り込まれた側縁は、接着領域、線またはさらには接着点のみなどのピックアップ連結部により少なくとも股領域において可撓性のある隔離部材に連結される。このピックアップ連結部は長手方向の中心の線から30cm未満、好ましくは10cm未満またはさらには5cm未満またはさらには2.5cm未満の距離で横断方向に配置される。ピックアップ連結部は、また、中心片の長手方向の側縁から30cm未満、好ましくは10cm未満またはさらには5cm未満またはさらには2.5cm未満の距離で横断方向に配置される。好ましくは、接着連結部は30cm未満、好ましくは15cm未満またはさらには5cm未満の長手方向の延びを有する。
【0031】
本発明の原理がここで1つの特定の実施形態を概略的に示す図1を参照することによりさらに説明される。その詳細は本明細書中において以下にさらに説明される。図1は、本明細書中において以下に記載されかつ図1B〜Dに示されるような長手方向に折る前およびピックアップ連結部を取り付ける前の状態の物品のプリフォームを示す。図1Aに示すように、物品1000の平らに延伸されたプリフォームは股領域1015により連結される前部腰領域1012と後部腰領域1018とを有し、物品の長手方向の(x−)方向1001を画定する。物品の幅(y−)方向1002は着用者の左右の向きに一致する。典型的には、物品はその長手方向の中心線1004に対称である。典型的には、物品の厚さ(z−方向)は長さおよび幅に比べてかなり薄く、長さおよび幅に垂直に延在する。
【0032】
使用時の構成では、前部領域と後部領域のそれぞれはパンツ式の製品を形成するようにそれぞれ連結される。この連結は一般にいわゆるトレーニングパンツに適用されるように恒久的に実施することができる。この連結は、一般に開くことができるおむつに適用されるように、使用者または彼/彼女の世話人により実施されうる。この連結は、また、別個に適用されるベルトまたはフープを含むあらゆる従来の閉鎖手段の組み合わせであってもよい。
【0033】
物品は前部領域または後部領域よりも股領域においてより狭くてもよい。図1Aに示すように、前部サイドパネル(1013)および後部サイドパネル(1019)は前部領域および後部領域において中心片の側方に外側に向かって延在する。しかしながら、本発明は、例えばベルトなどの固定手段により所定の位置に保持することができる例えば矩形の形状の製品を含む、サイドパネルの側方延長部がより顕著でない場合にも一様に適用可能であることに留意されたい。
【0034】
本発明による物品は、乳児用または成人失禁用おむつまたはトレーニングパンツ等などの使い捨ての吸収体物品と同様に吸収体要素を有してもよい。そのような物品は、一体的な吸収体要素なしでも設計されてよいが、例えばパンツが成人失禁に関連してまたは女性衛生用に使用する吸収体パッドと組み合わせて使用される場合、別個の吸収体要素と組み合わせてもよい。そのような物品は、また、吸収性なしでまたは比較的ほとんど吸収性なしで設計されてもよく、使い捨てまたは有限の再利用下着として使用されてもよい。吸収体容量がないまたはわずかな吸収体容量しかない物品は少なくとも限られた量の洗浄サイクルに分解することなく耐えるように設計されてもよい。
【0035】
本文脈内では、バックシートおよびコアならびに任意選択でトップシートなどの従来の物品に一般に使用されるような他の要素が図に1010で示される本発明による物品の基部を形成すると考えられる。
【0036】
本発明の文脈内において、物品のプリフォームまたは物品それ自体は上述のような要素を含んでもよい基部を含む。本発明による物品または物品の基部は、しばしばトップシート側1022とも呼ばれる第1の、着用者に向く、すなわち内部表面と、しばしばバックシート側と呼ばれる第2の、反対側の、すなわち外部表面1021とを示す。トップシートに向く側は尿が吸収体要素を通過することが可能になるように一般に液透過性材料で作成されている。外部表面は一般に高分子フィルムまたは液不透過性ウェブなどの液不透過性材料で作成されており、すべて当業者に周知である。任意選択で、およびしばしば好ましくは、いわゆる微孔性フィルム等を使用することにより達成されうるため外部材料には少なくとも特定の領域において通気性がある。
【0037】
トップシート側を着用者に向くまたは物品の内部表面と呼ぶ場合、この表面全体が着用者の肌に接触した状態になるように配置される必要はなく、同様に本明細書中の以下に記載されるように、一部が折り畳まれてもよいまたは他の材料が重なってもよいことに留意されたい。同様に、バックシートまたは外部表面の全体を着用者の肌から離して配置する必要はなく、着用者の肌におそらくは接する可能性のあるあらゆるバックシート材料を肌へのフレンドリ性に関して適応させるべきである。
【0038】
本発明による物品は以下「可撓性のある便隔離部材」と呼ばれる、基部の使用者に向く表面1022に重なる層1030をさらに含む。可撓性のある便隔離部材は2つの好適な実施形態として実施することができ、それらは本明細書中において以下により詳細に記載される。図1に示される第1の実施形態では、可撓性のある便隔離部材は以下便捕捉シートと呼ばれるさらなるウェブとして実施される。便捕捉シートはその上に配置されかつそれから間隔をおいて配置されてもよい基部とともに便捕捉部を形成する。第2の実施形態では、可撓性のある便隔離部材は、例えば、少なくとも股領域の特定の部分において例えば横断方向の折目を含むことにより基部の残りから可撓性を有して離間されるようになっている従来のトップシートであってもよい基部のカバーと一体になっている。
【0039】
可撓性のある便隔離部材に適切な材料は肌の刺激を引き起こさないであろう軟質のウェブ材料である。このウェブは便が通過することを可能にしないように設計されてもよいが、任意選択で表面上で変化する特定の液体透過性を有するように設計されてもよい。いかなる制約も意図せず、特定の実施形態に適切な材料は0.1dTex〜3dTexまたはそれを超える厚さを有するポリプロピレン繊維で作成されているような基部重量約15〜30g/m2の不織布材料であってもよい。そのような材料はまた、例えば周知の「SMS」複合材、つまり2層のスパンドボンド材料間に挟まれたメルトブロー繊維の層で作成した複合材料であってもよい。可撓性のある便隔離部材は米国特許第5462541号明細書に記載されるような特定のマスキング特性を有してもよい。
【0040】
本発明の特定の実施では、可撓性のある便隔離部材は使用時の着用者の肌への接触を向上させるために弾性特性を有してもよい。例えば長手方向に延在する弾性を可撓性のある便隔離部材のスリットまたは開口部の外側に隣接して取り付けることにより。一方、可撓性のある便隔離部材は、任意選択で、ウェブの長手方向または横断方向において変化する弾性特性を有するウェブとして実施されてもよい。
【0041】
本発明はピックアップ連結部による可撓性のある便隔離部材の特定の取り付けをさらに含む。この目的のため、長手方向の側縁が、10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満の長手方向の中心線までの横断方向の距離で配置されるように、基部の長手方向の側縁が少なくとも股領域において可撓性のある便隔離部材に重なるように折り畳まれる。折り込まれた側縁と可撓性のある便隔離部材のピックアップ連結部は側縁の横断方向近傍に、すなわち5cm未満、好ましくは5mm未満の距離で、かつ長手方向の中心線からあまり遠くない、すなわち10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満の距離で配置される。ピックアップ連結部はさもなければ物品の全体的なフィット性にマイナスに影響するかもしれないため長すぎる長手方向の延びを有するべきではなく、したがって長手方向の延びは30cm未満、好ましくは15cm未満、より好ましくは5cm未満とすべきである。ピックアップ連結部は連続的な連結線または領域もしくは1つ以上の線、領域または点で作成されてもよい。
【0042】
可撓性のある便隔離部材は、物品を装着してその使用時の構成に適応させる際、ピックアップ連結部が便捕捉シートを持ち上げるように少なくともピックアップ連結部の近傍において基本的に下にある基部に取り付けられないままである。
【0043】
特定の実施形態では、本発明の物品は可撓性のある便隔離部材を基部から間隔をあけて配置することを支持するための補強部材をさらに含む。そのような補強部材は例えばテーバーこわさ試験により評価された場合、可撓性のある便隔離部材よりも高い剛性を示すいかなる硬い材料であってもよい。好ましくは、剛性は可撓性のある便隔離部材を使用者の肌に向かって付勢するのに十分である。そのような補強部材は基本的に物品の横断方向におよび/または長手方向に延在する1つ以上のストリップとして実施されてもよく、少なくともピックアップ連結部の近傍において可撓性のある便隔離部材に固定される。図1Dに示される位置に類似する位置にある物品を示す図3に示されるように、そのような補強部材1300は、単一片として、またはその内縁が製品の中心線および/または便を受容するための開口部の内縁に近い状態で配置される少なくとも各側に1つの片としてのいずれかで、長手方向の中心の線に横断方向に対称に側方に外側に向かって配置される。好ましくは、補強部材は可撓性のある便隔離部材が基部に連結される領域まで延在しない。好ましくは、補強部材ストリップは約1mmを超える、好ましくは約1cmを超える物品における長手方向の延びを有する。それは矩形形状を有してもよいが、特定の部分において物品の長手方向に著しく長い延びまたは長円または環のような閉じた構造を有する形状を含む他の形状が本発明の本範囲に含まれる。適宜、補強部材は好ましくは通路または孔を通る便の通過を妨げないようになっている。
【0044】
本発明の好適な実施では、可撓性のある便隔離部材は二次吸収体コアに連結されてもよい。この実施では、本明細書中ですでに上に記載されたように一次吸収体コアは基本的に基部のバックシートに取り付けられる。二次コアが少なくとも不連続部の周縁部に隣接する領域において可撓性のある便隔離部材に取り付けられ補強材として機能してもよい。1つの変形物では、二次コアは不連続部の前方に配置されるとともに物品の前部領域に延在してもよい。そのような実施形態は二次コアが便を形成する生殖器と肌を効果的に分離するように機能しうるため、便の処理において特定の利点を提供する。別の変形物では、二次コアは後方に配置され、したがって尿失禁のある仰臥位の人に対して特別な利点を提供する。
【0045】
一次および二次コアは、長手方向の投影で見た場合、「同一平面」位置、すなわち延びをバックシート上に投影した場合に重なりのないように配置されてもよい。一方、バックシート上における投影に重なりがあり、それは0〜20cmの間であってもよい。
【0046】
二次コアは一次コアと基本的に同じタイプであってもよく、特定の実施においてそれらはエアレイド材料などの同じロールオブロールストックを切り離したものであってもよい。そのような実施では、両コア片はトップシートとしておよびさらには可撓性のある便隔離部材として同時に機能してもよい連続的な支持ウェブ上に配置されてもよい。同時係属のPCT出願(代理人整理番号681)により詳細に記載されるように、2つのコア要素は前コア(leading core)に対する後コア(trailing core)の運搬速度の特定の不整合により重なった配置で配置されてもよい。
【0047】
二次コアは第1のコアと異なる特性および機能性を有してもよい。
【0048】
例えば、少なくとも物品の後部部分に配置されうるような一次コアはそれが着用者に向く表面に接触する場合に、例えば特定の液体捕捉特性、続いて(使用者から離れて)液体分散特性領域、さらには使用者から最も遠く離れたところに液体貯蔵機能性(liquid storage functionality)を備えて実施される着用者に向く表面を有することにより、尿が最良に処理されるように設計されてもよい。
【0049】
さらなる特定の実施では、本発明による物品は生殖器用ポケットを含む。この目的のため、特定の実施形態の文脈により詳細に記載されるように、使用時に肛門と生殖器の間に位置する可撓性のある便隔離部材の一部が横断方向に折り込まれる、または別個の生殖器用ポケット材料がこの領域において可撓性のある便隔離部材に取り付けられる。生殖器用ポケットは生殖器すなわち男性使用者では陰嚢および/または陰茎ならびに女性使用者の場合、特に垂下した陰唇(pendulous labia)の場合は陰唇を便受容領域から離して保持するようなおよび/または物品の便受容部分内への生殖器の落ち込みを防ぐような大きさに作られる。
【0050】
本発明による物品は装填点すなわち使用時に肛門に配置される領域から離れた便の方向性のある運搬を容易にするための便案内手段をさらに含んでもよい。そのような便案内手段は表面摩擦低減物、表面濡れ性低減物、便付着低減物および/または表面構造などの表面特性変更物を含んでもよい。そのような表面構造は少なくとも1つの横断方向に延在する便ストリップを含んでもよく、その後方に向く縁において基部または前記可撓性のある便隔離部材に連結され、かつ便ストリップが連結される表面に向く第1の便ストリップ表面を呈する一方、その前方に向く縁は基本的に連結されていない。好適な実施では、便ストリップの2つの逆側の表面は逆側の表面と異なる特性を示し、この相違は以下の作用の1つ以上を基にしてもよい。すなわち、
(a)粗面処理または添加物処理による、および/または「形成フィルム」を形成する孔フィルム材料を使用することによる、基本的に同じ表面材料に対する作用、および/または、
(b)粗い材料に対する滑らかな材料および/または非吸収体材料に対する吸収体材料の使用による、異なる表面材料に対する作用。
【0051】
さらなる特定の実施は尿および便のより良い保持を提供するだけでなく、脚および腰フープにおいて大方の気密封止または少なくともかなりの向上を提供する本発明の物品の良好な装着に基づく。したがって米国特許出願公開第2004/00010842A2号明細書、国際公開第02/005603A1号パンフレットまたは英国特許出願公開第02296660A号明細書に記載されるような人工肛門バッグだけでなくおむつ用品から周知のようなフラチュラスフィルタを容易におよび効果的に実施することができる。本文脈内では、両方が着用者の輪郭への製品の良好な適応に基づくその2つの実施が好適である。第1の実施では、物品の外部層は基本的に気密であるが、腰フープ領域にはフィルタ材料が木炭などのフィルタ材料を備えた泡沫状の材料のような形態で挿入されてもよい。さらなる実施では、また、当該技術分野において周知のように外部層は「通気性のある」材料として実施され、臭い吸収体材料が内方向(または着用者に向く)表面の全体にわたって配置されてもよい。
【0052】
またさらなる特定の実施では、本発明による物品は肌/身体接着物質を含む。そのような物質は国際公開第00/00111号パンフレット(Palumbo)に記載されるように当該技術分野において周知である。身体接着物質は可撓性のある便隔離部材が基部から取り外すことができる領域において物品に適用されてもよく、身体接着物質は取り外し可能なカバーにより被覆されるようにまたは物品が開かれるとその接着表面が露出するように実施されてもよい。任意選択で、物質はまた例えば温度誘発物質(temperature triggered substance)を用いた場合には使用時にその接着特性を発生させてもよい。
【0053】
本発明はここで特定の実施を参照することによりさらに説明されるが、本発明はそれに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0054】
図1A〜Dに示されるような第1の実施形態では、可撓性のある便隔離部材はその厚さ全体に延在するスリットまたは切り込みまたは開口部などの不連続部1040を含む便捕捉シート1030として実施される。この不連続部は使用時に着用者の肛門の穴と一致した状態で配置されるようになっており、それは便が通過することを可能にするであろう。
【0055】
図1に示すように、不連続部は後部横断方向に延在する縁1037を遮断し、かつ約20cm未満、好ましくは約5cm未満の長手方向の延びを有する。
【0056】
便捕捉シート1030の着用者に面する表面が、折り込まれた基部1010の長手方向の側縁に、不連続部1040に近接して取り付けられる一方で、その逆側の表面が基部の下にある部分に連結されないままであることが本発明の本質的な特徴である。これは長手方向の側縁1023が中心の線1004に向かって配置されるようにその基部1010が長手方向の折線1027に沿って折り畳まれた物品1000を示す図1BおよびCに示される。前部サイドパネル領域(1013)および後部サイドパネル領域(1019)は(これらの領域におけるトップシート表面1022および股領域におけるバックシート表面1028を示すことにより図1Bに示されるように)再度折り返されてもよいが、物品の股領域の断面図を示す図1Cに同様に示されるように、基部は少なくとも股領域の特定の部分において折り返されない。不連続部1040を有する便捕捉シート1030は少なくともその側方(1031)およびその前方(1036)縁により下にある基部1010に取り付けられるが、ピックアップ連結部1045からは離され基本的に取り付けられないままである。このピックアップ連結部は不連続部1040の側方に外側に向かって配置され、少なくとも不連続部の外周の部分を基部の長手方向の側縁1023の近傍の領域に連結する。したがって、図1Cに示すような実施形態では、便捕捉シート1030はその外周においてこの基部に連結部1032により連結される一方で、便捕捉シート1030は不連続部の外周まわりにおいてピックアップ連結1045によりその逆側の表面で基部に連結される。好ましくは、ピックアップ連結部と不連続部の外周との間の横断方向の距離は8cm未満、より好ましくは2cm未満およびゼロであってもよい。同様に、長手方向に延在する側縁とピックアップ連結部との間の距離は好ましくは8cm未満、より好ましくは2cm未満およびゼロであってもよい。基部の折り込まれた長手方向に延在する側縁間の間隔は好ましくは10cm未満、より好ましくは5cm未満およびゼロであってもよく、同様に、これらの側縁の長手方向の中心の線からの距離はその半分である。折り込まれた領域の重なりはあまり好ましくないが、本発明の範囲内であると考えられる。好ましくは、股領域における基部材料の折り返しは避けるべきである。
【0057】
この実施形態の別の実施では、便捕捉シートは物品の全表面をカバーしてもよく、したがって同様に基部のすべてをカバーする。この場合、基部のトップシートがその表面全体をカバーする必要はなく、例えば、ストリップ材料として実施されてもよい。このストリップ材料は、また、従来のトップシートとは別のおよび/または追加の機能性を有してもよい。例えば、それは特定の液体処理を有してもよい。すなわち捕捉または分散特性。表面トラップシートは、したがって便貯蔵領域が下層に接合されず、それがスリットであり、スリットの左および右のピックアップ(例えば接着)点を保持するのであれば、全体のトップシートならびに便捕捉シートとして部分的に機能しうる。この実施形態では、便捕捉シートは好ましくは基部の最上層に、少なくとも基部の外周において取り付けられる。便の材料の過剰な分散を防ぐために便捕捉シートはさらにより内方に取り付けられてもよい。
【0058】
図2AおよびBに示されるように、当該技術分野において周知のように(例えば米国特許第3426756号明細書を参照)これは「従来の」設計とは対照的に解釈されるべきである。本発明中において、(図2Bの左部分およびこれを反転した右部分に見られるように)物品の基部2010は第1の(2021)および第2の(2022)折り線に沿ってZ構成に折り畳まれる。長手方向の側縁2023は第2の折り線から側方に外側に向かって延在し、この折りはしばしば中心接着とも呼ばれる連結部2045により固定される。そのような設計が従来の手法で二次トップシートと組み合わされたとしても、本発明の機能性を生じないであろう。
【0059】
これは(使用前の構成で示される)図1A〜Cに示されるような物品を(正確な縮尺ではないが)その使用時の構成において示す図1Dを考慮する際にさらに説明される。
【0060】
この目的のために、着用者1200の股または鼠径領域が脚1212、臀部1214、殿溝1220および肛門1230とともに概略的に示される。物品1000は脚の間に取り付けられ、その基部1010は便捕捉シート1030が連結線1032に沿って側方外周に連結される「バケット」を形成する。この連結のほかに、便捕捉シートは(図1Cに対応するこの横断方向の図において)基本的に、ここでスリット1040の形態の不連続部として示される便通路に隣接する基部のみにピックアップ連結部1045によってさらに連結されてもよい。装着時、物品の基部は胴部と脚の間の鼠径部の溝にぴったりと収まり、したがって横断方向の引張力をかけ、したがって便通路を十分に開いて便を通過させることを可能にする。
【0061】
図1Aに破線1037’により示されるように、この実施形態のさらなる実施では、不連続部は、使用時に着用者の肛門の位置に一致する点の近傍に延在している便捕捉シートの後方縁に一致する。上方に記載されるように、好ましくはピックアップ連結部1045と長手方向の中心の線との間の横断方向の距離が8cm未満、より好ましくは2cm未満およびゼロであってもよいように、便捕捉シートは、ピックアップ連結部1045により、基部1010の折り込まれた部分に、その側縁1023に近接して連結される。物品がその使用時の構成にされると、ピックアップ連結部は便捕捉1030シートを基部1010から離して持ち上げ、それによって便を便捕捉シートと基部の間に蓄積させるための開口部を生成する。
【0062】
図1Aに示される実施形態に示されるように、便捕捉シート1030は物品の全表面1022に過度に必要ない。それは使用時に少なくとも着用者の肛門に向かって後方に延在している少なくとも物品の股領域1015に配置されるべきである。便捕捉シート1030のサイズは便または排便を受容するのに十分に大きいポケットの生成を可能にするようになっているべきである。
【0063】
便捕捉シート1030の幅1039は股領域における基部の幅により限定される。当然、便捕捉シートの絶対寸法は製品の大きさに依存し、乳児用おむつよりも成人失禁用製品においてより大きくてもよい。典型的には、便捕捉シートは物品の股幅の100%未満、しばしば90%未満または75%の幅を有する。好ましくは、それは着用者の「股幅」、すなわち股鼠径部の左右距離、すなわち胴部と脚の接合部の溝間よりも狭くなるべきではない。便捕捉シートは、その長手方向に延在する側縁1031において、および任意選択でその前方横断方向に延在する側縁1036において、連結線または領域1032に沿って、典型的には基部の一次トップシートである下部層に固定されるが、便捕捉シートは連結線または領域1032を超えて外側に向かって延在してもよい。この連結は好ましくは固体または半固体の滲出物が通過することができないように実施され、かつ当該技術分野において周知のように接着線または超音波溶接線であってもよい。物品を取り外す際に簡単な便の除去を可能にするためにその前方横断方向に延在する側縁1036の連結は省略することができる。この連結は、また、使用時にこの連結が便を保持しそれが前方に分散されることを防ぐが、おそらくは物品のいくらかの震動により支援される装填された物品の取り外し時、この連結が開きトイレなどの適切な処分手段に便を処分することを可能にするように、容易に開く実施で実施されてもよい。その後部外周において、便捕捉シートはその縁1037に沿って下部層に固定されてもよいか、またはそれは固定されないままでもよい。
【0064】
当業者は用語「連結線」が広い接着線または溶接パターンなどのxおよびy方向に延びる領域を含むことを容易に理解する。同様に、便捕捉シートは矩形の実施形態で記載されているが、この形状からの逸脱、例えば便捕捉シートが長円形、楕円形、円形またはさらには不規則な形状のものである場合もまた本発明の範囲内であり、当業者は各々の用語および特徴を容易に適応させる。
【0065】
この実施形態のいくつかの実施による物品は、便が便捕捉シートと基部の第1の表面との間に堆積されることを可能にするようになっている便通路を含む。使用前の構成では、便捕捉シートと基部の第1の表面はそれらが離間しうるように互いに完全に取り付けられることなく接触位置にあってもよい。この間隔をあけた配置は使用時に物品の再構成により達成されてもよい、および/または便の材料の堆積により達成されてもよい、またはさらに離されてもよい。
【0066】
便通路は便捕捉シートの不連続部により少なくとも部分的に境界が定められる。本文脈内では、不連続部という用語は、その適用の前にまたは後に種々の切断または当業者に公知のタイプの他のデバイスにより便捕捉シートに適用されてもよい切断などにより、便捕捉シートの厚さ全体にわたって分離するまたは切り離す行為の結果を意味する。
【0067】
第1の実施では、この不連続部は材料の縁に交差することなく材料内において開始および終了してもよい便捕捉シート内の直線または曲線の切り込みであってもよい。別の実施では、切り込みは便捕捉シートの縁、特にその後方縁に交差してもよい。さらなる実施では、不連続部は縁の一部分であってもよい。
【0068】
不連続部は便を便捕捉部に移動させることを可能にするようになっている位置および長手方向の延びを有する。したがって、使用時の構成では、不連続部を含む便通路は着用者の肛門に近接して配置され、したがって不連続部は典型的には不連続部が中心線に少なくとも交差するように物品の長手方向の中心線のあたりに配置される。それは真直な切り込みが中心の線に沿って実施される場合のようにこの中心線に沿って配置されてもよい。任意選択で、この中心線に沿う切り込みは便捕捉シートの後縁に交差してもよい。一方、不連続部はその後部横断方向に延在する縁などの便捕捉シートの終端縁であってもよい。不連続部は長手方向の延びを有するが(すなわち不連続部の突出部が長手方向の中心線上にある)そうでなければ便と着用者の肌との間の分離効果に影響することができないため、それは大きくなりすぎるべきではない。したがって、不連続部は20cm未満、好ましくは10cm未満の長手方向の延びを有するべきである。例えば不連続部が便捕捉シートの後縁に交差する長手方向に延在する切り込みとして実施される場合、長手方向の延びはこれより短くてもよく、それはそれ自体が後方横断方向に延在する縁である不連続部の場合実際にはゼロであってもよい。
【0069】
任意選択で、便捕捉シートと下にある基部のさらなる連結が、不連続部に近接して、例えばその後部外周において実施されてもよく、側方外側の折りから中心の線に向かって延びるが、好ましくは側縁上のピックアップ連結部と便捕捉シート上の対応するものとの間の距離の約50%以下である。
【0070】
図5はこの実施形態の好適な実施を概略的に示す。この実施では、便通路が使用前または使用中に6000’、6000’’または6000’’’などの種々の形状を有してもよい補強部材6000によって作成または維持され、かつここで図1と比べてより長い実施で示され、ここで使用時に着用者の肛門と一致した状態で配置されるようになっているスリット1040として示される不連続部を備える便捕捉シート1030に連結される。
【0071】
この実施形態における生殖器用ポケットの形成のために、便捕捉シートの後方外周は、線に沿って長手方向の折りが実施される前に横断方向に延在する折り線に沿って折り畳まれてもよい。折り込まれた部分は両側において長手方向の中心線から折り込まれた側縁まで1mmを超える、好ましくは4cmを超える距離で固定される。これらの固定部間において、ここで便捕捉シートの折り込まれた部分の前方に向く縁は基本的に固定されない。使用時、ポケットは生殖器、すなわち男性使用者では陰嚢および/または陰茎ならびに女性使用者の場合、特に垂下した陰唇の場合、陰唇の形状にされる。
【0072】
本実施形態のさらなる特定の実施は便材料が後ろに流れることを可能にせず容易に受容するための便捕捉部の能力に関する。この目的のために、基部の外側に向く表面および面捕捉シートの内側に向く表面により形成されるようなその便捕捉部は少なくとも便案内手段を備えた部分にあり、捕捉部内への便の移動を促進してもよい。この実施形態の第1の実施では、案内手段は、当該技術分野において周知であるような例えば表面摩擦低減物および/または表面濡れ性低減物を用いることによる表面特性変更物を含む。表面特性変更は巨視的に表面を構造することを含んでもよい。それは例えば1つ以上の横断方向に延在する便ストリップを実装することにより達成されてもよく、この便ストリップはそれら後方に向く縁において前記トップシートまたは前記便捕捉シートに連結され、それが連結される表面に向く第1の便ストリップ表面を示す一方で、その前方に向く縁が基本的に連結されない。好ましくは、第1の便ストリップ表面は逆側の表面と異なる摩擦特性を示す。この特性の相違は基本的に同じタイプの材料が表面上にある材料の1つの層または材料のいくつかの層を使用することにより達成されうるが、表面の特性の相違は表面を粗面処理または添加物処理などにより異なるように処理することにより達成される。1つの層または多層の材料は、また、米国特許第4601868号明細書に詳細に記載されるような巨視的に拡張され形成されたフィルムまたは欧州特許出願公開第1040800A2号明細書に記載されるような斜めの細管部材により達成されうるような方向流または表面特性を備えたマクロ組織を有してもよい。一方、2つの異なる材料は記載されるような特性を備えた便ストリップの第1の表面および逆側の表面を形成してもよい。すなわち第1の表面は滑らかであり、反対側は粗くてもよく、または形成フィルムまたは傾斜細管材料で作成されている。逆側の表面は、また、低または中粘度の便などの特定の便の処理または国際公開第01/06974号パンフレットに記載されるような便吸収材料で形成されてもよい。
【0073】
本発明のまたさらなる実施は、液体吸収性特性を呈し、主要コアと細管液体連通(capillary liquid communication)していてもよい便捕捉シートに関する。そのような「二次コア」は一般に特開平08196565号公報、または欧州特許出願公開第1234563A1号明細書、または国際公開第06/108029A1号パンフレットの取り外し可能なコアの文脈に記載されているように当該技術分野において周知である。本発明の吸収体コア構造に利用されてもよい例示的な材料および構造は、例えば、米国特許第5531728号明細書(Lash)、米国特許第5147345号明細書(Young)、米国特許第5800416号明細書(Seger)、米国特許第6372953号明細書(Young)、米国特許第5260345号明細書(DesMarais)に記載されている。吸収体コア構成要素は、また、種々の吸収体材料の組み合わせ、例えば、発泡樹脂製品と木材パルプまたは他のセルロース系繊維および/または高分子吸収体ゲル化材料の粒子または繊維の組み合わせを含んでもよい。米国特許第5714156号明細書により詳細に記載されるように例えばティーバッグ遠心分離容量により評価される場合、適切な吸収体構造は2g/g、好ましくは4g/gを超える、またはさらには10g/gを超える吸収体容量を示してもよい。
【0074】
本発明の第2の実施形態では、可撓性のある便隔離部材は基部のトップシートを特定の状態に適合させることにより、すなわちその中に1つ以上の横断方向のz折目を含むことにより実施される。着用者に向く部分のz折目は基本的に基部に取り付けられないがピックアップ用連結部により取り付けられる。
【0075】
この実施形態の第1の実施では、図4Aに示されるように、トップシート4000の横断方向のz折目は使用時に肛門の前方に配置される。図4Aに示されるようなこの実施の変形物では、物品またはそのためのプリフォームの基部の方を向き、かつ吸収体コア4010およびバックシート4020とともに示されるz折目4050のベースはそれに連結されてもよい。着用者の方を向くz折目の上基部は連結部4060により少なくともピックアップ連結部の近傍において中心片の側縁に連結される。z折目のベースは少なくとも基部の側縁に近接して基部に取り付けられる。図4Aに示すような実施は前方に入るz折目の横棒を有し、したがって、生殖器用ポケットが形成されてもよい。
【0076】
図4Bはまた、z折目4070が基部のトップシート内に組み込まれるこの実施のさらなる変形物を示す。しかしながら、この実施では、上方に記載されたような便捕捉部に類似する便移動障壁が作成されるように、z折目の横棒が後方に向かって入る。
【0077】
この実施形態のさらなる実施はここで使用時に肛門の後方向に配置されるさらなるz折目4080を含む。また、この実施において、基部に向くz折目のベースはその基部に取り付けられ、着用者に向くz折目のベースは基部の折り込まれた側部に連結される。図4Cに示すように、この実施におけるz折目の横棒は前方に向く。この実施は好ましくは前方に配置されるz折目のいずれかまたは両方の実施と組み合わされる
【0078】
任意選択で、トップシートは便が通過することを可能にするための孔などの不連続性を含む。これらの孔はz折目4070および/または4080の横棒に配置されてもよい。
【0079】
任意選択で、便捕捉シートを用いた実施形態により詳細に記載されるようにトップシートは便案内手段をさらに含んでもよい。
【0080】
記載されたいずれの実施形態も本発明を制限すると考えられるべきではないことに留意されたい。また、当業者は種々の実施形態を別のものと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の下胴部に着用されるための物品であって、
長手方向(x−)および幅(y−)方向と、長手方向の中心線と、2つの対向する長手方向に延在する側縁とを画定する前部領域と、後部領域と、その間の股領域と、を含む、基部を含み、
前記基部は使用時に着用者の方を向くようになっている第1の表面と、第2の逆側の表面とを呈し、
前記物品は可撓性のある便隔離部材をさらに備え、
前記可撓性のある便隔離部材は前記基部の前記第1の表面に取り付けられ、それにより前記取付部は前記可撓性のある便隔離部材を前記基部の前記第1の表面から少なくとも前記長手方向の中心線の一部に沿って間隔をあけて配置することを可能にするようになっている、着用者の下胴部に着用されるための物品において、
前記基部の前記長手方向の側縁は、それらが少なくとも前記股領域において前記可撓性のある便隔離部材に重なるように折り込まれることと、
前記折り込まれた長手方向の側縁はピックアップ連結部により前記可撓性のある便隔離部材に連結され、前記ピックアップ連結部は、
(i)10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2,5cm未満の距離で前記長手方向の中心の線に対して横断方向に配置され、
(ii)少なくとも前記物品の前記股領域において長手方向に配置されることとを特徴とする、物品。
【請求項2】
請求項1に記載の物品において、前記ピックアップ連結部から前記長手方向の側縁までの前記横断方向の距離は10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満である、ことを特徴とする物品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の物品において、前記ピックアップ連結部は(iii)30cm未満、好ましくは15cm、より好ましくは5cm未満の長手方向の延びを有することを特徴とする物品。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品において、
前記股領域において前記便捕捉シートに、および脚フープまたは前記ピックアップ連結部に、取り付けられる補強要素をさらに含むことを特徴とする物品。
【請求項5】
請求項4に記載の物品において、前記補強部材は前記可撓性のある便隔離部材の剛性よりも高い剛性を有する横断方向に延在する材料のストリップを含むことを特徴とする物品。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の物品において、前記可撓性のある便隔離部材は生殖器用ポケットを形成するようになっていることを特徴とする物品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品において、前記可撓性のある便隔離部材は方向性のある便運搬のための便案内手段を含むことを特徴とする物品。
【請求項8】
請求項7に記載の物品において、
前記便案内手段は、
表面摩擦低減物と、
表面濡れ性低減物と、
便付着低減物と、
表面構造と
からなる群から選択される表面特性変更物を含むことを特徴とする物品。
【請求項9】
請求項8に記載の物品において、
前記表面構造は、少なくとも1つの横断方向に延在する便ストリップを含み、前記便ストリップは、その後方に向く縁で前記基部または前記可撓性のある便隔離部材に連結され、それが連結される前記表面に向く第1の便ストリップ表面を呈する一方で、その前方に向く縁は基本的に連結されていないことを特徴とする物品。
【請求項10】
請求項9に記載の物品において、
前記第1の便ストリップ表面は前記逆側の表面と異なる摩擦特性を示し、前記相違は、
(a)粗面処理または添加物処理による、および/または「形成フィルム」を形成する孔フィルム材料を使用することによる、基本的に同じ表面材料に対する作用、および/または、
(b)粗い材料に対する滑らかな材料および/または非吸収体材料に対する吸収体材料の使用による、異なる表面材料に対する作用
の1つ以上を基にしていることを特徴とする物品。
【請求項11】
フラチュラスフィルタ材料をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の物品。
【請求項12】
請求項11に記載の物品において、
前記フラチュラスフィルタは前記腰フープ領域にまたは前記トップシートと前記基部の前記第2の逆側の表面の間に配置されることを特徴とする物品。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の物品において、
身体接着物質をさらに備えることを特徴とする物品。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の物品において、
前記可撓性のある便隔離部材は、少なくとも前記股領域において前記基部の前記第1の表面に重なっている前記便捕捉シートと前記基部の前記第1の表面との間に便捕捉部を形成する便捕捉シートであり、
前記便捕捉部は前記便捕捉シートの不連続部により少なくとも部分的に境界が定められる便通路をさらに含み、前記通路は便が前記便捕捉シートと前記基部の前記第1の表面との間に堆積されることを可能にするようになっており、前記通路は前記長手方向の中心の線に沿ってまたは交差して配置されることを特徴とする物品。
【請求項15】
請求項14に記載の物品において、
前記不連続部は、好ましくは少なくとも1cmの長さで好ましくは基本的に長手方向に延在し、好ましくは前記便捕捉シートの前記長さの90%未満の長さであり、前記便捕捉シート全体に延在するスリットであることを特徴とする、物品。
【請求項16】
、請求項15に記載の物品において、前記不連続部は前記便捕捉シートの縁に交差することを特徴とする物品。
【請求項17】
請求項15または16に記載の物品において、
前記便捕捉シートの前記不連続部は、前記便捕捉シートの一部が前記生殖器用ポケットを形成するようになっている二層構造であるように、横断方向に延在する折り線または接合線により形成されることを特徴とする物品。
【請求項18】
請求項14〜17のいずれか1項に記載の物品において、
前記複合材は少なくとも2g/gのティーバッグ遠心分離吸収体容量を示すように前記便捕捉シートに連結されるまたは一体化される吸収体材料をさらに含み、前記吸収体材料は少なくとも前記股領域の一部において少なくとも前記長手方向の中心の線に沿って基本的に前記基部に取り付けられないことを特徴とする物品。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の物品において、
前記基部はその第1の表面において前記可撓性のある便隔離部材を形成するようになっている第1のトップシートを含み、
前記可撓性のある便隔離部材は、前記第1のトップシートの1つ以上の基本的に横断方向に延在する前方(および/または後方)z折目により形成され、
(i)着用者に向く部分の前記前方z折目は基本的に前記基部に取り付けられないが、前記ピックアップ用連結部により取り付けられ、
(ii)前記z折目の前記ベースは少なくとも前記基部の前記側縁の近傍において前記基部に取り付けられることを特徴とする物品。
【請求項20】
請求項19に記載の物品において、
前記z折目は、
生殖器用ポケットが形成されるように、
肛門の前方に配置され、
連結される前記物品の前記基部の方を向く前記ベースを有し、かつ前方に入る前記横棒を有する、(a)単一のz折目と、
便捕捉部が形成されるように、
肛門の前方に配置され、
連結される前記物品の前記基部の方を向く前記ベースを有し、かつ後方に入る前記横棒を有する、(b)単一のz折目と、
便捕捉部が形成されるように、
(a)または(b)による前記z折目の1つと、
連結される前記物品の前記基部の方を向く前記ベースを有し、かつ前方に入る前記横棒を有する、肛門の後方向に配置されるさらなるz折目と、を含む、(c)2つのz折目と、
からなる群から選択されることを特徴とする物品。
【請求項21】
請求項19または20に記載の物品において、
前記可撓性のある便隔離部材は、便材料を通過させることを可能にするための不連続部、好ましくは孔をさらに含むことを特徴とする物品。
【請求項1】
着用者の下胴部に着用されるための物品であって、
長手方向(x−)および幅(y−)方向と、長手方向の中心線と、2つの対向する長手方向に延在する側縁とを画定する前部領域と、後部領域と、その間の股領域と、を含む、基部を含み、
前記基部は使用時に着用者の方を向くようになっている第1の表面と、第2の逆側の表面とを呈し、
前記物品は可撓性のある便隔離部材をさらに備え、
前記可撓性のある便隔離部材は前記基部の前記第1の表面に取り付けられ、それにより前記取付部は前記可撓性のある便隔離部材を前記基部の前記第1の表面から少なくとも前記長手方向の中心線の一部に沿って間隔をあけて配置することを可能にするようになっている、着用者の下胴部に着用されるための物品において、
前記基部の前記長手方向の側縁は、それらが少なくとも前記股領域において前記可撓性のある便隔離部材に重なるように折り込まれることと、
前記折り込まれた長手方向の側縁はピックアップ連結部により前記可撓性のある便隔離部材に連結され、前記ピックアップ連結部は、
(i)10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2,5cm未満の距離で前記長手方向の中心の線に対して横断方向に配置され、
(ii)少なくとも前記物品の前記股領域において長手方向に配置されることとを特徴とする、物品。
【請求項2】
請求項1に記載の物品において、前記ピックアップ連結部から前記長手方向の側縁までの前記横断方向の距離は10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは2.5cm未満である、ことを特徴とする物品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の物品において、前記ピックアップ連結部は(iii)30cm未満、好ましくは15cm、より好ましくは5cm未満の長手方向の延びを有することを特徴とする物品。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品において、
前記股領域において前記便捕捉シートに、および脚フープまたは前記ピックアップ連結部に、取り付けられる補強要素をさらに含むことを特徴とする物品。
【請求項5】
請求項4に記載の物品において、前記補強部材は前記可撓性のある便隔離部材の剛性よりも高い剛性を有する横断方向に延在する材料のストリップを含むことを特徴とする物品。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の物品において、前記可撓性のある便隔離部材は生殖器用ポケットを形成するようになっていることを特徴とする物品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品において、前記可撓性のある便隔離部材は方向性のある便運搬のための便案内手段を含むことを特徴とする物品。
【請求項8】
請求項7に記載の物品において、
前記便案内手段は、
表面摩擦低減物と、
表面濡れ性低減物と、
便付着低減物と、
表面構造と
からなる群から選択される表面特性変更物を含むことを特徴とする物品。
【請求項9】
請求項8に記載の物品において、
前記表面構造は、少なくとも1つの横断方向に延在する便ストリップを含み、前記便ストリップは、その後方に向く縁で前記基部または前記可撓性のある便隔離部材に連結され、それが連結される前記表面に向く第1の便ストリップ表面を呈する一方で、その前方に向く縁は基本的に連結されていないことを特徴とする物品。
【請求項10】
請求項9に記載の物品において、
前記第1の便ストリップ表面は前記逆側の表面と異なる摩擦特性を示し、前記相違は、
(a)粗面処理または添加物処理による、および/または「形成フィルム」を形成する孔フィルム材料を使用することによる、基本的に同じ表面材料に対する作用、および/または、
(b)粗い材料に対する滑らかな材料および/または非吸収体材料に対する吸収体材料の使用による、異なる表面材料に対する作用
の1つ以上を基にしていることを特徴とする物品。
【請求項11】
フラチュラスフィルタ材料をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の物品。
【請求項12】
請求項11に記載の物品において、
前記フラチュラスフィルタは前記腰フープ領域にまたは前記トップシートと前記基部の前記第2の逆側の表面の間に配置されることを特徴とする物品。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の物品において、
身体接着物質をさらに備えることを特徴とする物品。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の物品において、
前記可撓性のある便隔離部材は、少なくとも前記股領域において前記基部の前記第1の表面に重なっている前記便捕捉シートと前記基部の前記第1の表面との間に便捕捉部を形成する便捕捉シートであり、
前記便捕捉部は前記便捕捉シートの不連続部により少なくとも部分的に境界が定められる便通路をさらに含み、前記通路は便が前記便捕捉シートと前記基部の前記第1の表面との間に堆積されることを可能にするようになっており、前記通路は前記長手方向の中心の線に沿ってまたは交差して配置されることを特徴とする物品。
【請求項15】
請求項14に記載の物品において、
前記不連続部は、好ましくは少なくとも1cmの長さで好ましくは基本的に長手方向に延在し、好ましくは前記便捕捉シートの前記長さの90%未満の長さであり、前記便捕捉シート全体に延在するスリットであることを特徴とする、物品。
【請求項16】
、請求項15に記載の物品において、前記不連続部は前記便捕捉シートの縁に交差することを特徴とする物品。
【請求項17】
請求項15または16に記載の物品において、
前記便捕捉シートの前記不連続部は、前記便捕捉シートの一部が前記生殖器用ポケットを形成するようになっている二層構造であるように、横断方向に延在する折り線または接合線により形成されることを特徴とする物品。
【請求項18】
請求項14〜17のいずれか1項に記載の物品において、
前記複合材は少なくとも2g/gのティーバッグ遠心分離吸収体容量を示すように前記便捕捉シートに連結されるまたは一体化される吸収体材料をさらに含み、前記吸収体材料は少なくとも前記股領域の一部において少なくとも前記長手方向の中心の線に沿って基本的に前記基部に取り付けられないことを特徴とする物品。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の物品において、
前記基部はその第1の表面において前記可撓性のある便隔離部材を形成するようになっている第1のトップシートを含み、
前記可撓性のある便隔離部材は、前記第1のトップシートの1つ以上の基本的に横断方向に延在する前方(および/または後方)z折目により形成され、
(i)着用者に向く部分の前記前方z折目は基本的に前記基部に取り付けられないが、前記ピックアップ用連結部により取り付けられ、
(ii)前記z折目の前記ベースは少なくとも前記基部の前記側縁の近傍において前記基部に取り付けられることを特徴とする物品。
【請求項20】
請求項19に記載の物品において、
前記z折目は、
生殖器用ポケットが形成されるように、
肛門の前方に配置され、
連結される前記物品の前記基部の方を向く前記ベースを有し、かつ前方に入る前記横棒を有する、(a)単一のz折目と、
便捕捉部が形成されるように、
肛門の前方に配置され、
連結される前記物品の前記基部の方を向く前記ベースを有し、かつ後方に入る前記横棒を有する、(b)単一のz折目と、
便捕捉部が形成されるように、
(a)または(b)による前記z折目の1つと、
連結される前記物品の前記基部の方を向く前記ベースを有し、かつ前方に入る前記横棒を有する、肛門の後方向に配置されるさらなるz折目と、を含む、(c)2つのz折目と、
からなる群から選択されることを特徴とする物品。
【請求項21】
請求項19または20に記載の物品において、
前記可撓性のある便隔離部材は、便材料を通過させることを可能にするための不連続部、好ましくは孔をさらに含むことを特徴とする物品。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【公表番号】特表2013−511312(P2013−511312A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539367(P2012−539367)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068158
【国際公開番号】WO2011/064272
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512131140)
【氏名又は名称原語表記】CONCEPTS FOR SUCCESS(C4S)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068158
【国際公開番号】WO2011/064272
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512131140)
【氏名又は名称原語表記】CONCEPTS FOR SUCCESS(C4S)
【Fターム(参考)】
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