折畳みカップ状容器
【課題】不使用時には扁平な形状を保つとともに、使用時には開口部が十分に広がるような自立性を有する折畳みカップ状容器を提供する。
【解決手段】外側シートOに、貼着部1,1と側壁部3,3と折畳み部20とを設け、この側壁部3,3をその横方向の長さが縦方向外側に向かって長くなるような形状にするとともに、前記折畳み部20に、横方向中央の底面部4とこの底面部4から横方向外側に突出する支持部6,6とを設け、不使用時には前記折畳み部20を側壁部3,3の間に折り重ねることで扁平な形状とするとともに、使用時には、前記側壁部3,3を湾曲もしくは屈曲させることで底面および開口部を平面視で略円形にする。
【解決手段】外側シートOに、貼着部1,1と側壁部3,3と折畳み部20とを設け、この側壁部3,3をその横方向の長さが縦方向外側に向かって長くなるような形状にするとともに、前記折畳み部20に、横方向中央の底面部4とこの底面部4から横方向外側に突出する支持部6,6とを設け、不使用時には前記折畳み部20を側壁部3,3の間に折り重ねることで扁平な形状とするとともに、使用時には、前記側壁部3,3を湾曲もしくは屈曲させることで底面および開口部を平面視で略円形にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不使用時には扁平に折り畳んで容易に携帯可能であるとともに、使用時には内容物を注入しないでもそれ自体で自立性を有する折畳みカップ状容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折畳みカップ状容器としては、外側シートと可撓性を有する内側シートとを貼合してその一部を切り欠きして形成したものが知られている。
【0003】
この折畳みカップ状容器として、特許文献1には、図8〜図11に示すような容器Bが開示されている。この容器Bは図11に示すような外側シートOと内側シートIとからなるシートSにより形成されている。そして、この外側シートOには、図8に示すように、折線BaおよびBc〜Beが設けられており、これらによって各領域が区画されている。
【0004】
具体的には、縦方向両縁に貼着部B1が区画され、これら貼着部B1に挟まれた領域に側壁部B3と折畳み部B20とが区画されている。そして、この折畳み部B20には、その四隅に補強部B10が設けられるとともに、中央付近に底面部B4と支持部B6とが区画されている。また、この支持部B6の外周Bgと補強部B10とに挟まれた部分には、外側シートOが切欠されて内側シートIが露出した切欠部B7が形成されている。
【0005】
そして、この容器Bでは、横方向に平行に設けられた谷折り折線Bcと山折り折線Bdとが前記貼着部B1をそれぞれ互いに対面させるように折り曲げられるとともに、この対面した貼着部B1が貼合されており、これによって、不使用時には前記折畳み部B20が側壁部B3の間に折り重ねられて扁平な形状を保つ一方、使用時には前記折畳み部B20が展開されることで、図9および図10に示すように、一方に開口部を有する自立性のあるカップ状容器が形成されるよう構成されている。
【特許文献1】実公平7−12244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のような従来のカップ状容器Bは、図9等に示すように、組み立て時に前記支持部B6が上方に立ち上がり矩形の底面部B4のみが容器の底面となる略直方体の容器である。従って、円形の食品を入れて使用する場合には食品に対して容器が過剰に大きくなり持ち運びが不便であるとともに、例えば円形の即席麺を容器に挿入し湯をかけて調理する場合には過剰な湯が必要となって非効率であった。また飲食し難くいという課題もあり、以前より自立性を有し飲食し易いどんぶり形状の携帯用容器が求められていた。
【0007】
本発明は前記の点に鑑みてなされたものであり、使用時に自立性を有するどんぶり形状の折畳みカップ状容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明は、不使用時には扁平な形状を保つ一方、使用時には開口部を有するカップ状となるように組み立てられる折畳みカップ状容器において、略矩形の外側シートとこれに貼合される柔軟な内側シートとによって形成される基材シートからなり、前記外側シートは、横方向両縁に設けられて、縦方向に延びる一対の貼着折線により横方向外側に区画された貼着部と、前記貼着部で挟まれた部分のうち、当該貼着部にわたって横方向に互いに平行に延びた一対の谷折り折線により縦方向中央に区画された折畳み部と、前記貼着部で挟まれた部分のうち、前記一対の谷折り折線により前記折畳み部の縦方向外側に区画された一対の側壁部と、前記折畳み部と前記貼着部とにわたって横方向に延びる山折り折線とを有し、前記折畳み部は、横方向中央に設けられて前記一対の側壁部にそれぞれ連設された底面部と、当該底面部を挟んでそれぞれ横方向外側に突出する一対の支持部と、前記外側シートのうち前記支持部の外周線より横方向外側部分が切欠されることで形成された一対の切欠部とを備え、前記側壁部は、その横方向の長さが縦方向中央側から縦方向外側に向かうほど長くなるような形状を有しており、前記基材シートを、前記側壁部が互いに対面するように前記谷折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように谷折りにするとともに前記山折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように山折りにし、この折り曲げにより対面する前記貼着部を貼合することにより、不使用時には前記折畳み部が前記対面する側壁部の間に折り重ねられて扁平な形状を保つ一方、使用時には、前記折畳み部が展開されるに伴って前記支持部が前記底面部に対して開口部側に立ち上がり、当該折畳み部のうち前記底面部と前記支持部とを含む部分により底面が構成されるとともに、前記両側壁部が湾曲もしくは屈曲することで、前記底面と前記基材シートの縦方向両縁により形成される開口部とがそれぞれ平面視で略円形となるように組み立てられることを特徴とする折畳みカップ状容器を提供する(請求項1)。
【0009】
このような構成によれば、不使用時には略扁平な形状を保つことで容易に携帯することができるとともに、使用時には、前記側壁部を湾曲もしくは屈曲することで底面および開口部が平面視で略円形となるどんぶり形状の容器に組み立てることができる。特に、前記支持部の外周線より外側には切欠部が設けられており、この支持部の外側部分が比較的柔軟な内側シートのみで構成されているので、この内側シートを撓ませることで前記側壁部を比較的容易に湾曲もしくは屈曲させることができる。
【0010】
また、前記折畳み部には、前記側壁部に連設された底面部とこの底面部に連設された支持部とが設けられているので、使用時の容器の保形性を向上させることが可能となる。すなわち、本容器では、前記支持部が前記底面部に対して開口部側に立ち上がるようにして前記側壁部間に展開されるよう構成されており、使用時には、この底面部と支持部とにより両側壁部間に下方に突出する底面が形成されるため、この底面が両側壁部間に介在することによりこれら側壁部がその復元力により再び近接して扁平な形状に戻ろうとするのを抑制することができる。
【0011】
また、本容器では、前記側壁部がその横方向の長さが開口部に向かうほど長くなるような形状を有しているので、使用時に容器の開口部をより確実に円形に保つことができる。すなわち、前記のように側壁部を単に湾曲もしくは屈曲させただけでは、当該側壁部のうち前記底面部と支持部とから離間した開口部側では両側壁部がその復元力により互いに近接するように組み立てられてしまう場合があるが、側壁部が前記のような形状を有していれば、側壁部が開口部側に向けて離間する方向に展開しようとするため、開口部側においても側壁部が互いに近接してしまうのを抑制することができる。その結果、容器の開口部の大きさを確保することが可能となる。
【0012】
このように、本発明によれば、開口部の大きさを確保して収納物を容易に出し入れできるとともに、保形性の高い使い易い容器を形成することができる。
【0013】
また本発明において、前記支持部が、前記底面部のそれぞれ横方向外側において、前記底面部の横方向両縁と前記谷折り折線との交点と、前記貼着折線と前記山折り折線との交点とを結ぶ境界線よりも中央寄りに設けられているのが好ましい(請求項2)。
【0014】
このようにすれば、前記支持部の外側に設けられる切欠部の領域を十分に確保することができるので、組立時に支持部によって切欠部の内側シートの変形が拘束されるのを抑制して、前記側壁部をより確実に湾曲もしくは屈曲させることが可能となる。
【0015】
また本発明において、前記支持部の形状が略半円形もしくは略欠円形で、使用時には、前記側壁部が前記支持部の外周部分にほぼ沿って湾曲もしくは屈曲されるように組み立てられるのが好ましい(請求項3)。
【0016】
このような構成によれば、底面部と支持部とにより略円形の底面を形成することができるので、側壁部がこれら底面部および支持部に沿って湾曲もしくは屈曲されることで、容器を容易に略円形に組み立てることができる。
【0017】
また本発明において、前記外側シートが、前記折畳み部の四隅に、前記谷折り折線の一部と前記貼着折線の一部とをそれぞれ二辺とする略三角形状を有する第一補助部を有し、前記切欠部において、当該第一補助部が切欠されずに残されるよう構成してもよい(請求項4)。
【0018】
このような構成によれば、前記第一補助部により、使用時に比較的大きな角度で折れ曲がる前記貼着部と前記側壁部との境界部分を保護することができるので、この境界部分において内側シートが破損等してしまうのを抑制することができる。また、この第一補助部により、使用時に容器が載置される台等と接触する前記谷折り折線部分が保護されるので、前記台等との接触による内側シートの損傷等を抑制することができ、容器の耐久性を向上させることが可能となる。
【0019】
また本発明において、前記外側シートが、前記支持部と前記側壁部との間に、当該側壁部に連設されるとともに、前記支持部あるいは前記底面部の少なくとも一方に連設される第二補助部を有し、前記切欠部において、当該第二補助部が切欠されずに残されるよう構成してもよい(請求項5)。
【0020】
このような構成によれば、前記第二補助部により、使用時に比較的大きな角度で折り曲げられる前記側壁部と前記切欠部との境界部分を保護することができるとともに、この境界部分の厚みを確保することでこの部分が大きく折れ曲がってしまうのを抑制することができる。すなわち、この構成によれば、容器の耐久性を向上させるとともに、容器をより円形に近づけることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、比較的簡単な構成で自立性を有し利便性の高いどんぶり形状の折畳みカップ状容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本実施形態に係る折畳みカップ状容器の展開図、図2は前記折畳みカップ状容器の分解斜視図、図3は前記折畳みカップ状容器の組み立て時の上面からの斜視図、図4は前記折畳みカップ状容器の折畳んだ状態での側面図、図5は図3の下面からの斜視図である。
【0024】
図1に示すように、本容器は、比較的剛性の高い略矩形の外側シートOと比較的柔軟性のある内側シートIとを貼合させた基材シートSから形成されている。外側シートOには、例えば、比較的剛性の高い紙やプラスチック等を用いればよく、内側シートIにはプラスチックフィルムの単体またはポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等のプラスチックフィルムにアルミ箔を蒸着したもの等を用いればよい。
【0025】
本折畳みカップ状容器50では、図1に示すように、外側シートOに、複数の折線と切り取り線とが設けられている。具体的には、貼着折線a,aと、切り取り線b,bと、谷折り折線c,cと、山折り折線dと、底面折線e,eとが設けられている。そして、これらの折線によって、前記シートSは、貼着部1,1と、切り取り部2,2と、折畳み部20と、側壁部3,3とに区画されている。
【0026】
ここで、本発明における折線とは、その線に沿って折り曲げ易いようにシートに何らかの処理を加えたもの(例えば折り癖やミシン目を設ける等)と、その線に沿って折り曲げることを表示した線のいずれをも含む。
【0027】
前記貼着折線a,aとは、外側シートOの横方向両縁付近に、縦方向に延びる折線であり、これら貼着折線a,aによって後述する貼着部1,1がシートSの横方向両端に区画されている。
【0028】
前記切り取り線b,bとは、縦方向両縁に沿って横方向に延びる切り取り線であり、これら切り取り線b,bによって後述する切り取り部2,2がシートSの縦方向両端に区画されている。この切り取り線b,bとは、この線に沿ってシートSを切除しやすいように、ミシン目等が設けられたものである。
【0029】
前記谷折り折線c,cとは、縦方向中央付近に横方向に延びる折線であり、これら谷折り折線c,cによって前記貼着部1,1で挟まれた部分の縦方向中央に、後述する折り畳み部20が区画されるとともに、この折畳み部20の縦方向外側に一対の側壁部3,3が区画されている。また、この谷折り折線c,cは、前記シートSにより本折畳みカップ状容器50を形成した際に、それぞれ前記内側シートIが上方となるように谷折りに折り曲げられる。
【0030】
前記山折り折線dとは、外側シートOの縦方向中央、すなわち、前記谷折り折線c,cのほぼ中央に設けられ、横方向に延びる折線である。この山折り折線dは、本折畳みカップ状容器50の不使用時には、前記内側シートIが上方となるように山折りに折り曲げられて、これによって前記折畳み部20が後述する側壁部3の間に収容されるようになっている。
【0031】
前記底面折線e,eとは、横方向中央付近に設けられ、互いに平行に並ぶ前記谷折り折線c,cを連結するように縦方向に延びる折線である。外側シートOの中央付近は、この底面折線e,eによって後述する底面部4と一対の支持部6とに区画されている。
【0032】
前記貼着部1,1とは、前記シートSを袋状に形成するために接着材やヒートシール等によって貼着される部分である。この貼着部1,1では、図2に示すように前記シートSが折り曲げられた際に、互いに対向する部分が貼着される。
【0033】
前記切り取り部2,2とは、不使用時に、本折畳みカップ状容器50を密閉して、この折畳みカップ状容器50の開口部分が不用意に開いてしまうのを抑制するためのものである。具体的には、不使用時には、前記貼着部1,1と同様に切り取り部2,2の互いに対向する部分が接着材やヒートシール等で貼着されることで、前記折畳みカップ状容器50が密閉状態になる一方、使用時には、切り取り部2,2が前記切り取り線b,bに沿って切り取られることで、折畳みカップ状容器50に開口部が形成される。
【0034】
前記側壁部3とは、図3に示すように、本折畳みカップ状容器50の使用時に、後述する底面部4および支持部6,6に沿って湾曲もしくは屈曲し、この容器50の外周壁を形成する部分である。この側壁部3は、その横方向の長さが前記折畳み部20から縦方向外側に向かうほど長くなるような形状を有している。すなわち、前記横方向両縁付近に設けられた貼着折線a,aのうちこの側壁部3を区画する部分が、縦方向外側に向かって互いに離間するように形成されている。ここで、図3では折畳みカップ状容器50の内側面は内側シートIで覆われることになるが、本図3では、煩雑さを回避すべく内側シートIを示す斜線を外してある。
【0035】
前記折畳み部20とは、図2に示すように、本折畳みカップ状容器50を形成する際には前記側壁部3,3の間に折畳まれ、折畳みカップ状容器50を使用する際には展開されて容器の底面を形成する部分のことである。この折畳み部20の中央付近には、前記底面折線e,eによって横方向中央の底面部4と、この底面部4の外側に連結されて横方向外側に突出する一対の支持部6,6とが区画されている。また、この折畳み部20には、切欠部7と、第一補助部10と、第二補助部8とが設けられている。
【0036】
前記底面部4とは、略矩形を有し、使用時に本折畳みカップ状容器50の底面を構成する部分である。この底面部4は、前記側壁部3,3に連設されており、使用時に前記側壁部3,3間に展開される。
【0037】
前記支持部6とは、前記底面部4とともに、使用時に本折畳みカップ状容器50の底面を構成する部分である。この支持部6は、図3等に示すように、使用時に前記底面部4から開口部側に立ち上がるように組み立てられる。そして、前記底面部4とともに、側壁部3,3間に下方に突出する底面を形成することで、これら側壁部3,3がその復元力により再び扁平な形状に戻ろうとするのを抑制している。また、この支持部6はその外周gが円弧状を有しており、前記側壁部3,3がこの支持部6の外側で湾曲もしくは屈曲することで本折畳みカップ状容器50が平面視でより円形に近い形となるように構成されている。さらに、この支持部6は、前記底面折線e,eと前記谷折り折線c,cとの交点mと、前記貼着折線a,aと前記山折り折線dとの交点nとを結ぶ各境界線pよりもそれぞれ中央寄りになるよう設けられている。
【0038】
前記第一補助部10とは、前記折畳み部20の四隅に設けられて、前記貼着部1,1と前記側壁部3,3との境界部分を保護するためのものである。この第一補助部10は、前記側壁部3,3および前記貼着部1,1にそれぞれ連設されており、前記谷折れ折線c,cの一部と前記貼着折線a,aの一部とをそれぞれ二辺とする略三角形状を有している。
【0039】
前記第二補助部8とは、前記支持部6,6と前記側壁部3,3との間に設けられて、前記側壁部3,3と後述する切欠部7との境界部分を保護するためのものである。この第二補助部8は、前記側壁部3,3および前記底面部4に連設されており、前記底面折線e,eの一部と前記谷折り折線c,cの一部とを二辺とする略三角形状を有している。
【0040】
前記切欠部7とは、比較的柔軟な前記内側シートIのみからなり、本折畳みカップ状容器50の組み立て時に撓んで前記側壁部3,3を容易に湾曲もしくは屈曲させるためのものである。この切欠部7は、前記折畳み部20の外側シートOのうち、前記支持部6,6の外周線gより横方向外側部分であって前記第一補助部10および前記第二補助部8を除く部分が切欠されることで形成されている。
【0041】
以上のように構成されたシートSは、図2に示すように、内側シートIを内側として、前記谷折り折線c,cが谷折りに折り曲げられ、前記山折り折線dが山折りに折り曲げられる。そして、前記側壁部3,3が互いに対面するように、前記折畳み部20が側壁部3,3の間に折り重ねられ、その後、前記貼着部1,1および前記切り取り部2,2のそれぞれ対向する部分が接着材等によって貼着される。こうして、不使用時には、扁平な形状を有し嵩張らずに容易に携帯可能な本発明の折畳みカップ状容器50が形成される。
【0042】
次に、使用時における本折畳みカップ状容器50の組み立て方法について説明する。
【0043】
まず前記切り取り部2、2を前記切り取り線b、bに沿って切除して、この切り取り線b,bに沿った開口部を形成する。
【0044】
次に、対面する前記側壁部3,3を引き離し、この側壁部3,3の間に折り重ねられていた前記折畳み部20を展開する。この時、前記底面部4は側壁部3,3とほぼ垂直に展開され、前記支持部6,6は、前記切欠部7の内側シートIを撓ませつつ前記底面部4から上方に向かって傾斜するようにして展開される。そして、この底面部4と支持部6,6とによって下方に突出する底面が形成される。
【0045】
また、前記のように側壁部3,3を引き離すと、側壁部3,3は、前記内側シートIを撓ませつつこの支持部の外周gの外側で湾曲し、本折畳みカップ状容器50が平面視で略円形となるように組み立てられる。また、前記切欠部7の内側シートIは、前記第二補助部8が図3に示すように側壁部3,3に沿って開口部側に折り曲げられることで、この第二補助部8とともに側壁部3,3に沿うように変形する。
【0046】
ここで、この折畳み部20が展開された状態では、前記のように側壁部3,3間に、前記底面部4と支持部6,6とによって形成された下方に突出する底面が介在することになるので、この底面すなわち前記底面部4および支持部6,6により側壁部3,3が支持され、両側壁部3,3が再び近接して扁平な形状に戻ろうとするのが抑制される。
【0047】
また、前記側壁部3,3が前記のようにその横方向の長さが、縦方向外側、すなわち、前記開口部に向かうほど長くなるような形状を有しているので、この側壁部3,3により形成される折畳みカップ状容器50の外周壁は、開口部に向けて広がる方向に展開しようとする。その結果、開口部付近において側壁部3,3が再び近接して扁平な形状に戻ろうとするのが抑制される。特に、これら側壁部3,3の横方向の長さのうち開口部側の長さを十分に長くしておけば、折畳みカップ状容器50を開口部に向けて側壁部3,3が互いに離間していくような略台形錐体形状とすることができる。
【0048】
また、側壁部3,3を前記のような形状とすれば、両側壁部3,3が底面に向かうほど互いに近接することになるので、単に一定の断面積を有する円筒状の容器に比べて、前記底面には強い挟持力が作用することになる。その結果、前記底面すなわち前記支持部6,6および前記底面部4の変形が抑制され、それに伴って側壁部3,3の変形がより確実に抑制されることになる。
【0049】
さらに、この折畳み部20が展開された状態では、図5に示すように、前記貼着部1,1と前記側壁部3,3との境界部分が比較的大きな角度で折れ曲がるが、この境界部分に前記第一補助部10が設けられており、この第一補助部10によりこの境界部分の内側シートIが破損等しないように保護されている。
【0050】
同様に、前記側壁部3,3と前記切欠部7,7との境界部分も比較的大きな角度で折れ曲がろうとするが、この境界部分には前記第二補助部8が設けられており、内側シートIのみの場合に比べて厚みが確保されるため、この折れ曲がり角度が比較的小さくなる。また、この第二補助部8により、この境界部分が保護されることになる。
【0051】
以上のように、本折畳みカップ状容器50によれば、側壁部3,3を湾曲させるとともに、前記側壁部3,3を、その横方向の長さが前記開口部に向かうほど長くなるような形状とすることで、使用時の容器の形状をより確実に平面視で略円形となるどんぶり形状とすることができる。すなわち、容器を円形の食品等の調理に適し飲食し易い形状に容易に組み立てることが可能となる。
【0052】
特に、前記支持部6,6が、前記底面折線e,eと前記谷折り折線c,cとの交点mと、前記貼着折線a,aと前記山折り折線dとの交点nとを結ぶ境界線pよりも中央寄りに設けられるとともに、この支持部6,6の外周線gより外側部分の外側シートOが切欠されていれば、この支持部6,6の外側部分が比較的柔軟な内側シートIのみで構成されることになるので、この内側シートIを撓ませることで前記側壁部3,3を比較的容易に湾曲もしくは屈曲させることができる。
【0053】
また、前記のように、前記折畳み部20の四隅に第一補助部10を設けておけば、使用時に比較的大きな角度で折れ曲がる前記貼着部1,1と前記側壁部3,3との境界部分を保護することができるので、この部分の内側シートIの損傷を抑制することができ、本折畳みカップ状容器50の耐久性を向上させることが可能となる。
【0054】
さらに、前記のように、前記支持部6,6と前記側壁部3,3との間に、第二補助部8を設けておけば、使用時に前記側壁部3,3と前記切欠部7,7との境界部分が大きく折れ曲がってしまうのを抑制することができるとともに、この境界部分を保護することができるので、本折畳みカップ状容器50の形状をより円形に近づけることができるとともにこの容器50の耐久性を向上させることが可能となる。また、この第二補助部8が開口部側に折り曲げられることで、この第二補助部8に連なる前記切欠部7の内側シートIを側壁部3,3に沿って開口部側に容易に押し上げることが可能となる。
【0055】
ここで、前記実施形態では、貼着折線a,aのうち、前記折畳み部20と前記貼着部1とを区画する部分を縦方向に真っ直ぐに伸びる形状とした場合について示したが、例えば図6に示すように、この部分を屈曲させてもよい。
【0056】
また、前記シートSおよび前記貼着折線a,aを図7のように構成してもよい。すなわち、シートSの横方向両縁qのうち前記谷折り折線c,cより縦方向外側の部分を、前記貼着折線a,aと平行に設け、シートSの横方向両縁qのうち前記谷折り折線c,cより縦方向内側の部分を、この横方向両縁qの最外端を結ぶ線rよりも内側になるようにしてもよい。そして、このようにすれば、シートSを折畳んだ際に、貼着部1,1のうちの前記側壁部3,3に連設される部分1a,1aによって挟みこまれる部分の大きさをより小さくすることができる。換言すれば、前記貼着部1,1のうち前記側壁部3,3に連設される部分1a、1a同士が直接接触する部分の大きさをより大きくすることができるので、この貼着部1,1同士の貼着力を確保することができ、貼着部1,1の剥離をより確実に抑制することが可能となる。
【0057】
また、前記底面部4は矩形に限らず、横方向外側に膨出するような形状であってもよい。
【0058】
同様に、前記支持部6,6は、略半円形にしてもよく、欠円形や矩形、多角形状であってもよい。特に、図6に示すように、前記支持部6,6の形状を略半円形とすれば、側壁部3,3がこの支持部6,6の外周線gに沿って湾曲されることで、折畳みカップ状容器50を比較的容易に平面視で円形となるよう組み立てることができる。
【0059】
また、前記実施形態では、前記第二補助部8を、前記底面折線e,eの一部を一辺とする三角形状とするとともに、前記底面部4に連設した場合について示したが、前記支持部6,6の外周線gと前記底面折線e,eとをそれぞれ一辺とする略台形状とし、この支持部6,6と底面部4とに連設ようにしてもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、前記底面部4の横方向両縁に底面折線e,eを設けた場合について示したが、この底面折線e,eは設けなくてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、シートSの縦方向両縁に切り取り線b,bを設け、この切り取り線b,bによって使用時に切除する切り取り部2,2を設けた場合について示したが、この切り取り線b,bおよび切り取り部2,2を切除することなく、引き離すことで折畳みカップ状容器50に開口部を設けるようにしてもよい。また、これら切り取り線b,bおよび切り取り部2,2を設けなくてもよい。すなわち、シートSの縦方向両縁fにより開口部を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る折畳みカップ状容器の展開図である。
【図2】図1に示す折畳みカップ状容器の分解斜視図である。
【図3】図1に示す折畳みカップ状容器の組み立て時の上面斜視図である。
【図4】図1に示す折畳みカップ状容器の折畳み時の側面図である。
【図5】図3の下面斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る折畳みカップ状容器の展開図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る折畳みカップ状容器の展開図である。
【図8】従来の折畳み容器の展開図である。
【図9】図8に示す従来の折畳み容器の組み立て時の下面斜視図である。
【図10】図9の上面斜視図である。
【図11】図1に示す本発明に係る折畳みカップ状容器および図8に示す従来の折畳み容器に用いられるシートの断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 貼着部
3 側壁部
4 底面部
6 支持部
7 切欠部
8 第二補助部
10 第一補助部
20 折畳み部
50 折畳みカップ状容器
a 貼着折線
c 谷折り折線
d 山折り折線
e 底面折線
I 内側シート
O 外側シート
S シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、不使用時には扁平に折り畳んで容易に携帯可能であるとともに、使用時には内容物を注入しないでもそれ自体で自立性を有する折畳みカップ状容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折畳みカップ状容器としては、外側シートと可撓性を有する内側シートとを貼合してその一部を切り欠きして形成したものが知られている。
【0003】
この折畳みカップ状容器として、特許文献1には、図8〜図11に示すような容器Bが開示されている。この容器Bは図11に示すような外側シートOと内側シートIとからなるシートSにより形成されている。そして、この外側シートOには、図8に示すように、折線BaおよびBc〜Beが設けられており、これらによって各領域が区画されている。
【0004】
具体的には、縦方向両縁に貼着部B1が区画され、これら貼着部B1に挟まれた領域に側壁部B3と折畳み部B20とが区画されている。そして、この折畳み部B20には、その四隅に補強部B10が設けられるとともに、中央付近に底面部B4と支持部B6とが区画されている。また、この支持部B6の外周Bgと補強部B10とに挟まれた部分には、外側シートOが切欠されて内側シートIが露出した切欠部B7が形成されている。
【0005】
そして、この容器Bでは、横方向に平行に設けられた谷折り折線Bcと山折り折線Bdとが前記貼着部B1をそれぞれ互いに対面させるように折り曲げられるとともに、この対面した貼着部B1が貼合されており、これによって、不使用時には前記折畳み部B20が側壁部B3の間に折り重ねられて扁平な形状を保つ一方、使用時には前記折畳み部B20が展開されることで、図9および図10に示すように、一方に開口部を有する自立性のあるカップ状容器が形成されるよう構成されている。
【特許文献1】実公平7−12244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のような従来のカップ状容器Bは、図9等に示すように、組み立て時に前記支持部B6が上方に立ち上がり矩形の底面部B4のみが容器の底面となる略直方体の容器である。従って、円形の食品を入れて使用する場合には食品に対して容器が過剰に大きくなり持ち運びが不便であるとともに、例えば円形の即席麺を容器に挿入し湯をかけて調理する場合には過剰な湯が必要となって非効率であった。また飲食し難くいという課題もあり、以前より自立性を有し飲食し易いどんぶり形状の携帯用容器が求められていた。
【0007】
本発明は前記の点に鑑みてなされたものであり、使用時に自立性を有するどんぶり形状の折畳みカップ状容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明は、不使用時には扁平な形状を保つ一方、使用時には開口部を有するカップ状となるように組み立てられる折畳みカップ状容器において、略矩形の外側シートとこれに貼合される柔軟な内側シートとによって形成される基材シートからなり、前記外側シートは、横方向両縁に設けられて、縦方向に延びる一対の貼着折線により横方向外側に区画された貼着部と、前記貼着部で挟まれた部分のうち、当該貼着部にわたって横方向に互いに平行に延びた一対の谷折り折線により縦方向中央に区画された折畳み部と、前記貼着部で挟まれた部分のうち、前記一対の谷折り折線により前記折畳み部の縦方向外側に区画された一対の側壁部と、前記折畳み部と前記貼着部とにわたって横方向に延びる山折り折線とを有し、前記折畳み部は、横方向中央に設けられて前記一対の側壁部にそれぞれ連設された底面部と、当該底面部を挟んでそれぞれ横方向外側に突出する一対の支持部と、前記外側シートのうち前記支持部の外周線より横方向外側部分が切欠されることで形成された一対の切欠部とを備え、前記側壁部は、その横方向の長さが縦方向中央側から縦方向外側に向かうほど長くなるような形状を有しており、前記基材シートを、前記側壁部が互いに対面するように前記谷折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように谷折りにするとともに前記山折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように山折りにし、この折り曲げにより対面する前記貼着部を貼合することにより、不使用時には前記折畳み部が前記対面する側壁部の間に折り重ねられて扁平な形状を保つ一方、使用時には、前記折畳み部が展開されるに伴って前記支持部が前記底面部に対して開口部側に立ち上がり、当該折畳み部のうち前記底面部と前記支持部とを含む部分により底面が構成されるとともに、前記両側壁部が湾曲もしくは屈曲することで、前記底面と前記基材シートの縦方向両縁により形成される開口部とがそれぞれ平面視で略円形となるように組み立てられることを特徴とする折畳みカップ状容器を提供する(請求項1)。
【0009】
このような構成によれば、不使用時には略扁平な形状を保つことで容易に携帯することができるとともに、使用時には、前記側壁部を湾曲もしくは屈曲することで底面および開口部が平面視で略円形となるどんぶり形状の容器に組み立てることができる。特に、前記支持部の外周線より外側には切欠部が設けられており、この支持部の外側部分が比較的柔軟な内側シートのみで構成されているので、この内側シートを撓ませることで前記側壁部を比較的容易に湾曲もしくは屈曲させることができる。
【0010】
また、前記折畳み部には、前記側壁部に連設された底面部とこの底面部に連設された支持部とが設けられているので、使用時の容器の保形性を向上させることが可能となる。すなわち、本容器では、前記支持部が前記底面部に対して開口部側に立ち上がるようにして前記側壁部間に展開されるよう構成されており、使用時には、この底面部と支持部とにより両側壁部間に下方に突出する底面が形成されるため、この底面が両側壁部間に介在することによりこれら側壁部がその復元力により再び近接して扁平な形状に戻ろうとするのを抑制することができる。
【0011】
また、本容器では、前記側壁部がその横方向の長さが開口部に向かうほど長くなるような形状を有しているので、使用時に容器の開口部をより確実に円形に保つことができる。すなわち、前記のように側壁部を単に湾曲もしくは屈曲させただけでは、当該側壁部のうち前記底面部と支持部とから離間した開口部側では両側壁部がその復元力により互いに近接するように組み立てられてしまう場合があるが、側壁部が前記のような形状を有していれば、側壁部が開口部側に向けて離間する方向に展開しようとするため、開口部側においても側壁部が互いに近接してしまうのを抑制することができる。その結果、容器の開口部の大きさを確保することが可能となる。
【0012】
このように、本発明によれば、開口部の大きさを確保して収納物を容易に出し入れできるとともに、保形性の高い使い易い容器を形成することができる。
【0013】
また本発明において、前記支持部が、前記底面部のそれぞれ横方向外側において、前記底面部の横方向両縁と前記谷折り折線との交点と、前記貼着折線と前記山折り折線との交点とを結ぶ境界線よりも中央寄りに設けられているのが好ましい(請求項2)。
【0014】
このようにすれば、前記支持部の外側に設けられる切欠部の領域を十分に確保することができるので、組立時に支持部によって切欠部の内側シートの変形が拘束されるのを抑制して、前記側壁部をより確実に湾曲もしくは屈曲させることが可能となる。
【0015】
また本発明において、前記支持部の形状が略半円形もしくは略欠円形で、使用時には、前記側壁部が前記支持部の外周部分にほぼ沿って湾曲もしくは屈曲されるように組み立てられるのが好ましい(請求項3)。
【0016】
このような構成によれば、底面部と支持部とにより略円形の底面を形成することができるので、側壁部がこれら底面部および支持部に沿って湾曲もしくは屈曲されることで、容器を容易に略円形に組み立てることができる。
【0017】
また本発明において、前記外側シートが、前記折畳み部の四隅に、前記谷折り折線の一部と前記貼着折線の一部とをそれぞれ二辺とする略三角形状を有する第一補助部を有し、前記切欠部において、当該第一補助部が切欠されずに残されるよう構成してもよい(請求項4)。
【0018】
このような構成によれば、前記第一補助部により、使用時に比較的大きな角度で折れ曲がる前記貼着部と前記側壁部との境界部分を保護することができるので、この境界部分において内側シートが破損等してしまうのを抑制することができる。また、この第一補助部により、使用時に容器が載置される台等と接触する前記谷折り折線部分が保護されるので、前記台等との接触による内側シートの損傷等を抑制することができ、容器の耐久性を向上させることが可能となる。
【0019】
また本発明において、前記外側シートが、前記支持部と前記側壁部との間に、当該側壁部に連設されるとともに、前記支持部あるいは前記底面部の少なくとも一方に連設される第二補助部を有し、前記切欠部において、当該第二補助部が切欠されずに残されるよう構成してもよい(請求項5)。
【0020】
このような構成によれば、前記第二補助部により、使用時に比較的大きな角度で折り曲げられる前記側壁部と前記切欠部との境界部分を保護することができるとともに、この境界部分の厚みを確保することでこの部分が大きく折れ曲がってしまうのを抑制することができる。すなわち、この構成によれば、容器の耐久性を向上させるとともに、容器をより円形に近づけることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、比較的簡単な構成で自立性を有し利便性の高いどんぶり形状の折畳みカップ状容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本実施形態に係る折畳みカップ状容器の展開図、図2は前記折畳みカップ状容器の分解斜視図、図3は前記折畳みカップ状容器の組み立て時の上面からの斜視図、図4は前記折畳みカップ状容器の折畳んだ状態での側面図、図5は図3の下面からの斜視図である。
【0024】
図1に示すように、本容器は、比較的剛性の高い略矩形の外側シートOと比較的柔軟性のある内側シートIとを貼合させた基材シートSから形成されている。外側シートOには、例えば、比較的剛性の高い紙やプラスチック等を用いればよく、内側シートIにはプラスチックフィルムの単体またはポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等のプラスチックフィルムにアルミ箔を蒸着したもの等を用いればよい。
【0025】
本折畳みカップ状容器50では、図1に示すように、外側シートOに、複数の折線と切り取り線とが設けられている。具体的には、貼着折線a,aと、切り取り線b,bと、谷折り折線c,cと、山折り折線dと、底面折線e,eとが設けられている。そして、これらの折線によって、前記シートSは、貼着部1,1と、切り取り部2,2と、折畳み部20と、側壁部3,3とに区画されている。
【0026】
ここで、本発明における折線とは、その線に沿って折り曲げ易いようにシートに何らかの処理を加えたもの(例えば折り癖やミシン目を設ける等)と、その線に沿って折り曲げることを表示した線のいずれをも含む。
【0027】
前記貼着折線a,aとは、外側シートOの横方向両縁付近に、縦方向に延びる折線であり、これら貼着折線a,aによって後述する貼着部1,1がシートSの横方向両端に区画されている。
【0028】
前記切り取り線b,bとは、縦方向両縁に沿って横方向に延びる切り取り線であり、これら切り取り線b,bによって後述する切り取り部2,2がシートSの縦方向両端に区画されている。この切り取り線b,bとは、この線に沿ってシートSを切除しやすいように、ミシン目等が設けられたものである。
【0029】
前記谷折り折線c,cとは、縦方向中央付近に横方向に延びる折線であり、これら谷折り折線c,cによって前記貼着部1,1で挟まれた部分の縦方向中央に、後述する折り畳み部20が区画されるとともに、この折畳み部20の縦方向外側に一対の側壁部3,3が区画されている。また、この谷折り折線c,cは、前記シートSにより本折畳みカップ状容器50を形成した際に、それぞれ前記内側シートIが上方となるように谷折りに折り曲げられる。
【0030】
前記山折り折線dとは、外側シートOの縦方向中央、すなわち、前記谷折り折線c,cのほぼ中央に設けられ、横方向に延びる折線である。この山折り折線dは、本折畳みカップ状容器50の不使用時には、前記内側シートIが上方となるように山折りに折り曲げられて、これによって前記折畳み部20が後述する側壁部3の間に収容されるようになっている。
【0031】
前記底面折線e,eとは、横方向中央付近に設けられ、互いに平行に並ぶ前記谷折り折線c,cを連結するように縦方向に延びる折線である。外側シートOの中央付近は、この底面折線e,eによって後述する底面部4と一対の支持部6とに区画されている。
【0032】
前記貼着部1,1とは、前記シートSを袋状に形成するために接着材やヒートシール等によって貼着される部分である。この貼着部1,1では、図2に示すように前記シートSが折り曲げられた際に、互いに対向する部分が貼着される。
【0033】
前記切り取り部2,2とは、不使用時に、本折畳みカップ状容器50を密閉して、この折畳みカップ状容器50の開口部分が不用意に開いてしまうのを抑制するためのものである。具体的には、不使用時には、前記貼着部1,1と同様に切り取り部2,2の互いに対向する部分が接着材やヒートシール等で貼着されることで、前記折畳みカップ状容器50が密閉状態になる一方、使用時には、切り取り部2,2が前記切り取り線b,bに沿って切り取られることで、折畳みカップ状容器50に開口部が形成される。
【0034】
前記側壁部3とは、図3に示すように、本折畳みカップ状容器50の使用時に、後述する底面部4および支持部6,6に沿って湾曲もしくは屈曲し、この容器50の外周壁を形成する部分である。この側壁部3は、その横方向の長さが前記折畳み部20から縦方向外側に向かうほど長くなるような形状を有している。すなわち、前記横方向両縁付近に設けられた貼着折線a,aのうちこの側壁部3を区画する部分が、縦方向外側に向かって互いに離間するように形成されている。ここで、図3では折畳みカップ状容器50の内側面は内側シートIで覆われることになるが、本図3では、煩雑さを回避すべく内側シートIを示す斜線を外してある。
【0035】
前記折畳み部20とは、図2に示すように、本折畳みカップ状容器50を形成する際には前記側壁部3,3の間に折畳まれ、折畳みカップ状容器50を使用する際には展開されて容器の底面を形成する部分のことである。この折畳み部20の中央付近には、前記底面折線e,eによって横方向中央の底面部4と、この底面部4の外側に連結されて横方向外側に突出する一対の支持部6,6とが区画されている。また、この折畳み部20には、切欠部7と、第一補助部10と、第二補助部8とが設けられている。
【0036】
前記底面部4とは、略矩形を有し、使用時に本折畳みカップ状容器50の底面を構成する部分である。この底面部4は、前記側壁部3,3に連設されており、使用時に前記側壁部3,3間に展開される。
【0037】
前記支持部6とは、前記底面部4とともに、使用時に本折畳みカップ状容器50の底面を構成する部分である。この支持部6は、図3等に示すように、使用時に前記底面部4から開口部側に立ち上がるように組み立てられる。そして、前記底面部4とともに、側壁部3,3間に下方に突出する底面を形成することで、これら側壁部3,3がその復元力により再び扁平な形状に戻ろうとするのを抑制している。また、この支持部6はその外周gが円弧状を有しており、前記側壁部3,3がこの支持部6の外側で湾曲もしくは屈曲することで本折畳みカップ状容器50が平面視でより円形に近い形となるように構成されている。さらに、この支持部6は、前記底面折線e,eと前記谷折り折線c,cとの交点mと、前記貼着折線a,aと前記山折り折線dとの交点nとを結ぶ各境界線pよりもそれぞれ中央寄りになるよう設けられている。
【0038】
前記第一補助部10とは、前記折畳み部20の四隅に設けられて、前記貼着部1,1と前記側壁部3,3との境界部分を保護するためのものである。この第一補助部10は、前記側壁部3,3および前記貼着部1,1にそれぞれ連設されており、前記谷折れ折線c,cの一部と前記貼着折線a,aの一部とをそれぞれ二辺とする略三角形状を有している。
【0039】
前記第二補助部8とは、前記支持部6,6と前記側壁部3,3との間に設けられて、前記側壁部3,3と後述する切欠部7との境界部分を保護するためのものである。この第二補助部8は、前記側壁部3,3および前記底面部4に連設されており、前記底面折線e,eの一部と前記谷折り折線c,cの一部とを二辺とする略三角形状を有している。
【0040】
前記切欠部7とは、比較的柔軟な前記内側シートIのみからなり、本折畳みカップ状容器50の組み立て時に撓んで前記側壁部3,3を容易に湾曲もしくは屈曲させるためのものである。この切欠部7は、前記折畳み部20の外側シートOのうち、前記支持部6,6の外周線gより横方向外側部分であって前記第一補助部10および前記第二補助部8を除く部分が切欠されることで形成されている。
【0041】
以上のように構成されたシートSは、図2に示すように、内側シートIを内側として、前記谷折り折線c,cが谷折りに折り曲げられ、前記山折り折線dが山折りに折り曲げられる。そして、前記側壁部3,3が互いに対面するように、前記折畳み部20が側壁部3,3の間に折り重ねられ、その後、前記貼着部1,1および前記切り取り部2,2のそれぞれ対向する部分が接着材等によって貼着される。こうして、不使用時には、扁平な形状を有し嵩張らずに容易に携帯可能な本発明の折畳みカップ状容器50が形成される。
【0042】
次に、使用時における本折畳みカップ状容器50の組み立て方法について説明する。
【0043】
まず前記切り取り部2、2を前記切り取り線b、bに沿って切除して、この切り取り線b,bに沿った開口部を形成する。
【0044】
次に、対面する前記側壁部3,3を引き離し、この側壁部3,3の間に折り重ねられていた前記折畳み部20を展開する。この時、前記底面部4は側壁部3,3とほぼ垂直に展開され、前記支持部6,6は、前記切欠部7の内側シートIを撓ませつつ前記底面部4から上方に向かって傾斜するようにして展開される。そして、この底面部4と支持部6,6とによって下方に突出する底面が形成される。
【0045】
また、前記のように側壁部3,3を引き離すと、側壁部3,3は、前記内側シートIを撓ませつつこの支持部の外周gの外側で湾曲し、本折畳みカップ状容器50が平面視で略円形となるように組み立てられる。また、前記切欠部7の内側シートIは、前記第二補助部8が図3に示すように側壁部3,3に沿って開口部側に折り曲げられることで、この第二補助部8とともに側壁部3,3に沿うように変形する。
【0046】
ここで、この折畳み部20が展開された状態では、前記のように側壁部3,3間に、前記底面部4と支持部6,6とによって形成された下方に突出する底面が介在することになるので、この底面すなわち前記底面部4および支持部6,6により側壁部3,3が支持され、両側壁部3,3が再び近接して扁平な形状に戻ろうとするのが抑制される。
【0047】
また、前記側壁部3,3が前記のようにその横方向の長さが、縦方向外側、すなわち、前記開口部に向かうほど長くなるような形状を有しているので、この側壁部3,3により形成される折畳みカップ状容器50の外周壁は、開口部に向けて広がる方向に展開しようとする。その結果、開口部付近において側壁部3,3が再び近接して扁平な形状に戻ろうとするのが抑制される。特に、これら側壁部3,3の横方向の長さのうち開口部側の長さを十分に長くしておけば、折畳みカップ状容器50を開口部に向けて側壁部3,3が互いに離間していくような略台形錐体形状とすることができる。
【0048】
また、側壁部3,3を前記のような形状とすれば、両側壁部3,3が底面に向かうほど互いに近接することになるので、単に一定の断面積を有する円筒状の容器に比べて、前記底面には強い挟持力が作用することになる。その結果、前記底面すなわち前記支持部6,6および前記底面部4の変形が抑制され、それに伴って側壁部3,3の変形がより確実に抑制されることになる。
【0049】
さらに、この折畳み部20が展開された状態では、図5に示すように、前記貼着部1,1と前記側壁部3,3との境界部分が比較的大きな角度で折れ曲がるが、この境界部分に前記第一補助部10が設けられており、この第一補助部10によりこの境界部分の内側シートIが破損等しないように保護されている。
【0050】
同様に、前記側壁部3,3と前記切欠部7,7との境界部分も比較的大きな角度で折れ曲がろうとするが、この境界部分には前記第二補助部8が設けられており、内側シートIのみの場合に比べて厚みが確保されるため、この折れ曲がり角度が比較的小さくなる。また、この第二補助部8により、この境界部分が保護されることになる。
【0051】
以上のように、本折畳みカップ状容器50によれば、側壁部3,3を湾曲させるとともに、前記側壁部3,3を、その横方向の長さが前記開口部に向かうほど長くなるような形状とすることで、使用時の容器の形状をより確実に平面視で略円形となるどんぶり形状とすることができる。すなわち、容器を円形の食品等の調理に適し飲食し易い形状に容易に組み立てることが可能となる。
【0052】
特に、前記支持部6,6が、前記底面折線e,eと前記谷折り折線c,cとの交点mと、前記貼着折線a,aと前記山折り折線dとの交点nとを結ぶ境界線pよりも中央寄りに設けられるとともに、この支持部6,6の外周線gより外側部分の外側シートOが切欠されていれば、この支持部6,6の外側部分が比較的柔軟な内側シートIのみで構成されることになるので、この内側シートIを撓ませることで前記側壁部3,3を比較的容易に湾曲もしくは屈曲させることができる。
【0053】
また、前記のように、前記折畳み部20の四隅に第一補助部10を設けておけば、使用時に比較的大きな角度で折れ曲がる前記貼着部1,1と前記側壁部3,3との境界部分を保護することができるので、この部分の内側シートIの損傷を抑制することができ、本折畳みカップ状容器50の耐久性を向上させることが可能となる。
【0054】
さらに、前記のように、前記支持部6,6と前記側壁部3,3との間に、第二補助部8を設けておけば、使用時に前記側壁部3,3と前記切欠部7,7との境界部分が大きく折れ曲がってしまうのを抑制することができるとともに、この境界部分を保護することができるので、本折畳みカップ状容器50の形状をより円形に近づけることができるとともにこの容器50の耐久性を向上させることが可能となる。また、この第二補助部8が開口部側に折り曲げられることで、この第二補助部8に連なる前記切欠部7の内側シートIを側壁部3,3に沿って開口部側に容易に押し上げることが可能となる。
【0055】
ここで、前記実施形態では、貼着折線a,aのうち、前記折畳み部20と前記貼着部1とを区画する部分を縦方向に真っ直ぐに伸びる形状とした場合について示したが、例えば図6に示すように、この部分を屈曲させてもよい。
【0056】
また、前記シートSおよび前記貼着折線a,aを図7のように構成してもよい。すなわち、シートSの横方向両縁qのうち前記谷折り折線c,cより縦方向外側の部分を、前記貼着折線a,aと平行に設け、シートSの横方向両縁qのうち前記谷折り折線c,cより縦方向内側の部分を、この横方向両縁qの最外端を結ぶ線rよりも内側になるようにしてもよい。そして、このようにすれば、シートSを折畳んだ際に、貼着部1,1のうちの前記側壁部3,3に連設される部分1a,1aによって挟みこまれる部分の大きさをより小さくすることができる。換言すれば、前記貼着部1,1のうち前記側壁部3,3に連設される部分1a、1a同士が直接接触する部分の大きさをより大きくすることができるので、この貼着部1,1同士の貼着力を確保することができ、貼着部1,1の剥離をより確実に抑制することが可能となる。
【0057】
また、前記底面部4は矩形に限らず、横方向外側に膨出するような形状であってもよい。
【0058】
同様に、前記支持部6,6は、略半円形にしてもよく、欠円形や矩形、多角形状であってもよい。特に、図6に示すように、前記支持部6,6の形状を略半円形とすれば、側壁部3,3がこの支持部6,6の外周線gに沿って湾曲されることで、折畳みカップ状容器50を比較的容易に平面視で円形となるよう組み立てることができる。
【0059】
また、前記実施形態では、前記第二補助部8を、前記底面折線e,eの一部を一辺とする三角形状とするとともに、前記底面部4に連設した場合について示したが、前記支持部6,6の外周線gと前記底面折線e,eとをそれぞれ一辺とする略台形状とし、この支持部6,6と底面部4とに連設ようにしてもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、前記底面部4の横方向両縁に底面折線e,eを設けた場合について示したが、この底面折線e,eは設けなくてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、シートSの縦方向両縁に切り取り線b,bを設け、この切り取り線b,bによって使用時に切除する切り取り部2,2を設けた場合について示したが、この切り取り線b,bおよび切り取り部2,2を切除することなく、引き離すことで折畳みカップ状容器50に開口部を設けるようにしてもよい。また、これら切り取り線b,bおよび切り取り部2,2を設けなくてもよい。すなわち、シートSの縦方向両縁fにより開口部を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る折畳みカップ状容器の展開図である。
【図2】図1に示す折畳みカップ状容器の分解斜視図である。
【図3】図1に示す折畳みカップ状容器の組み立て時の上面斜視図である。
【図4】図1に示す折畳みカップ状容器の折畳み時の側面図である。
【図5】図3の下面斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る折畳みカップ状容器の展開図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る折畳みカップ状容器の展開図である。
【図8】従来の折畳み容器の展開図である。
【図9】図8に示す従来の折畳み容器の組み立て時の下面斜視図である。
【図10】図9の上面斜視図である。
【図11】図1に示す本発明に係る折畳みカップ状容器および図8に示す従来の折畳み容器に用いられるシートの断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 貼着部
3 側壁部
4 底面部
6 支持部
7 切欠部
8 第二補助部
10 第一補助部
20 折畳み部
50 折畳みカップ状容器
a 貼着折線
c 谷折り折線
d 山折り折線
e 底面折線
I 内側シート
O 外側シート
S シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不使用時には扁平な形状を保つ一方、使用時には開口部を有するカップ状となるように組み立てられる折畳みカップ状容器において、
略矩形の外側シートとこれに貼合される柔軟な内側シートとによって形成される基材シートからなり、
前記外側シートは、
横方向両縁に設けられて、縦方向に延びる一対の貼着折線により横方向外側に区画された貼着部と、
前記貼着部で挟まれた部分のうち、当該貼着部にわたって横方向に互いに平行に延びた一対の谷折り折線により縦方向中央に区画された折畳み部と、
前記貼着部で挟まれた部分のうち、前記一対の谷折り折線により前記折畳み部の縦方向外側に区画された一対の側壁部と、
前記折畳み部と前記貼着部とにわたって横方向に延びる山折り折線とを有し、
前記折畳み部は、横方向中央に設けられて前記一対の側壁部にそれぞれ連設された底面部と、当該底面部を挟んでそれぞれ横方向外側に突出する一対の支持部と、前記外側シートのうち前記支持部の外周線より横方向外側部分が切欠されることで形成された一対の切欠部とを備え、
前記側壁部は、その横方向の長さが縦方向中央側から縦方向外側に向かうほど長くなるような形状を有しており、
前記基材シートを、前記側壁部が互いに対面するように前記谷折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように谷折りにするとともに前記山折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように山折りにし、この折り曲げにより対面する前記貼着部を貼合することにより、
不使用時には前記折畳み部が前記対面する側壁部の間に折り重ねられて扁平な形状を保つ一方、
使用時には、前記折畳み部が展開されるに伴って前記支持部が前記底面部に対して開口部側に立ち上がり、当該折畳み部のうち前記底面部と前記支持部とを含む部分により底面が構成されるとともに、前記両側壁部が湾曲もしくは屈曲することで、前記底面と前記基材シートの縦方向両縁により形成される開口部とがそれぞれ平面視で略円形となるように組み立てられることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳みカップ状容器において、
前記支持部は、前記底面部のそれぞれ横方向外側において、前記底面部の横方向両縁と前記谷折り折線との交点と、前記貼着折線と前記山折り折線との交点とを結ぶ境界線よりも中央寄りに設けられていることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の折畳みカップ状容器において、
前記支持部の形状が略半円形もしくは略欠円形で、
使用時には、前記側壁部が前記支持部の外周部分にほぼ沿って湾曲もしくは屈曲されるように組み立てられることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の折畳みカップ状容器において、
前記外側シートが、前記折畳み部の四隅に、前記谷折り折線の一部と前記貼着折線の一部とをそれぞれ二辺とする略三角形状を有する第一補助部を有し、
前記切欠部において、当該第一補助部が切欠されずに残されていることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の折畳みカップ状容器において、
前記外側シートが、前記支持部と前記側壁部との間に、当該側壁部に連設されるとともに、前記支持部あるいは前記底面部の少なくとも一方に連設される第二補助部を有し、
前記切欠部において、当該第二補助部が切欠されずに残されていることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項1】
不使用時には扁平な形状を保つ一方、使用時には開口部を有するカップ状となるように組み立てられる折畳みカップ状容器において、
略矩形の外側シートとこれに貼合される柔軟な内側シートとによって形成される基材シートからなり、
前記外側シートは、
横方向両縁に設けられて、縦方向に延びる一対の貼着折線により横方向外側に区画された貼着部と、
前記貼着部で挟まれた部分のうち、当該貼着部にわたって横方向に互いに平行に延びた一対の谷折り折線により縦方向中央に区画された折畳み部と、
前記貼着部で挟まれた部分のうち、前記一対の谷折り折線により前記折畳み部の縦方向外側に区画された一対の側壁部と、
前記折畳み部と前記貼着部とにわたって横方向に延びる山折り折線とを有し、
前記折畳み部は、横方向中央に設けられて前記一対の側壁部にそれぞれ連設された底面部と、当該底面部を挟んでそれぞれ横方向外側に突出する一対の支持部と、前記外側シートのうち前記支持部の外周線より横方向外側部分が切欠されることで形成された一対の切欠部とを備え、
前記側壁部は、その横方向の長さが縦方向中央側から縦方向外側に向かうほど長くなるような形状を有しており、
前記基材シートを、前記側壁部が互いに対面するように前記谷折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように谷折りにするとともに前記山折り折線に沿って前記内側シートが上方となるように山折りにし、この折り曲げにより対面する前記貼着部を貼合することにより、
不使用時には前記折畳み部が前記対面する側壁部の間に折り重ねられて扁平な形状を保つ一方、
使用時には、前記折畳み部が展開されるに伴って前記支持部が前記底面部に対して開口部側に立ち上がり、当該折畳み部のうち前記底面部と前記支持部とを含む部分により底面が構成されるとともに、前記両側壁部が湾曲もしくは屈曲することで、前記底面と前記基材シートの縦方向両縁により形成される開口部とがそれぞれ平面視で略円形となるように組み立てられることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳みカップ状容器において、
前記支持部は、前記底面部のそれぞれ横方向外側において、前記底面部の横方向両縁と前記谷折り折線との交点と、前記貼着折線と前記山折り折線との交点とを結ぶ境界線よりも中央寄りに設けられていることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の折畳みカップ状容器において、
前記支持部の形状が略半円形もしくは略欠円形で、
使用時には、前記側壁部が前記支持部の外周部分にほぼ沿って湾曲もしくは屈曲されるように組み立てられることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の折畳みカップ状容器において、
前記外側シートが、前記折畳み部の四隅に、前記谷折り折線の一部と前記貼着折線の一部とをそれぞれ二辺とする略三角形状を有する第一補助部を有し、
前記切欠部において、当該第一補助部が切欠されずに残されていることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の折畳みカップ状容器において、
前記外側シートが、前記支持部と前記側壁部との間に、当該側壁部に連設されるとともに、前記支持部あるいは前記底面部の少なくとも一方に連設される第二補助部を有し、
前記切欠部において、当該第二補助部が切欠されずに残されていることを特徴とする折畳みカップ状容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−239209(P2008−239209A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83589(P2007−83589)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000226976)日清食品株式会社 (127)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000226976)日清食品株式会社 (127)
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