折畳み式ユニットハウス
【課題】側壁となる4面のパネルを全て床体上に倒伏可能として、組立て作業及び撤収作業の効率化を図る。
【解決手段】折畳まれた状態のユニットハウス1は、床体2の床前フレーム2bと床後フレーム2cとの高さ方向の段差により、各フレーム2b,2cにヒンジ7を介して回動自在に支持されている前桁パネル3と後桁パネル4とが重畳させた状態で倒伏され、又床体2の両側に立設するステー8に妻パネル5が回動自在に支持されており、この両妻パネル5が突き合わせた状態で倒伏され、その上面に屋根体6が載置される。
【解決手段】折畳まれた状態のユニットハウス1は、床体2の床前フレーム2bと床後フレーム2cとの高さ方向の段差により、各フレーム2b,2cにヒンジ7を介して回動自在に支持されている前桁パネル3と後桁パネル4とが重畳させた状態で倒伏され、又床体2の両側に立設するステー8に妻パネル5が回動自在に支持されており、この両妻パネル5が突き合わせた状態で倒伏され、その上面に屋根体6が載置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面となる4面のパネルを全て床体上に折畳んだ状態で収納することのできる折畳み式ユニットハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の折畳み式ユニットハウスは、設置及び撤収が容易であるため、土木現場や建設現場等における仮設事務室として広く利用されている。又、保管するに際しては、直方体の扁平状に折畳むことができるので、複数の折畳み式ユニットハウスを積層して保管することができ、保管スペースを効率よく使用できる。
【0003】
例えば、特許文献(特開2008−101402号公報)には、保管に際しては、床体上に柱体を倒伏させ、その上に、屋根を積み重ね、更に、床体と屋根との間に形成されたスペースに、取り外された側壁(パネル)を収納するようにした折畳み式ユニットハウスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−101402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した文献に開示されている技術では、ユニットハウスを組立てるに際し、側壁(パネル)を後から取付ける必要があるため、組立て作業に時間を要するばかりでなく、取り外した部品に欠品が生じ易く、管理が煩雑化するという不都合がある。
【0006】
更に、撤収するに際しては、側壁(パネル)を一々取り外して収納しなければならないため、撤収作業が煩雑で、作業性が悪いと云う問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、側壁となる4面のパネルを全て床面上に倒伏可能として、組立て作業、及び撤収作業の効率化が実現できるばかりでなく、極めてコンパクトに折畳んだ状態で保管することのできる折畳み式ユニットハウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるユニットハウスは、床体の相反する2辺に設けた各床フレームに対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に重畳された状態で倒伏自在な第1、第2のパネルと、前記床体の他の2辺に対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に突き合わせた状態で倒伏自在な第3、第4のパネルと、起立された前記第1〜第4のパネルの上面に載置されると共に倒伏された状態の前記第1〜第4のパネル上に載置自在な屋根体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1〜第4のパネルを全て床面上に倒伏可能にしたので、組立て作業、及び撤収作業の効率化を実現することができ、極めてコンパクトに折畳んだ状態で保管することができ、保管スペースを有効利用することができる。又、第1〜第4のパネルが全て床板の4辺に連設されているため、保管中にばらばらになったり、欠品が生じることがなく管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】折畳み式ユニットハウスの組立てた状態の正面図
【図2】図1の左側面図
【図3】図1のIII-III断面図
【図4】図1のIV-IV断面図
【図5】折畳み式ユニットハウスの折畳んだ状態を示す斜視図
【図6】図5の状態から屋根を外した状態を示す斜視図
【図7】図6の状態から一方の妻パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図8】図7の状態から他方の妻パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図9】図8の状態から後桁パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図10】図9の状態から前桁パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図11】図10の状態から屋根を取付けた状態を示す斜視図
【図12】図11の状態から屋根を固定した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。尚、以下においては、各部材の前後左右方向を、組立てた状態のユニットハウス1を基準として説明する。
【0012】
図1〜図3に示すように、本実施形態で示す折畳み式ユニットハウス(以下、単に「ユニットハウス」と称する)1は、床体2の前後に第1のパネルとしての前桁パネル3と、第2のパネルとしての後桁パネル4とが立設され、両側に第3、第4パネルとしての妻パネル5が立設され、更に、上部に取り外し自在な屋根体6が取付けられている。床体2は複数の角パイプ根太にて骨格が形成され、その上面に床板2aが固設されて、平面視が長方形に形成されている。
【0013】
背反する2辺である前後端部に固設されている床フレームとしての床前フレーム2b,2cの上面に、前桁パネル3と後桁パネル4との底面が、ヒンジ7を介して床体2上に回動自在に支持されている。この両フレーム2b,2cは高さ方向に段差を有しており、本実施形態では、床前フレーム2bの高さHfが床後フレーム2cの高さHrよりも低く形成されている。この段差(Hr−hf)は、両桁パネル3,4を倒伏させた際に、後桁パネル4が前桁パネル3上に、干渉することなく重畳させることを許容する高さであり、少なくとも前桁パネル3の板厚よりも高く設定されている。又、床前フレーム2bの高さHfは床板2aと同じ位置か、それよりも高い位置に設定されている。
【0014】
尚、この場合、床前フレーム2bの高さを床後フレーム2cよりも高くし、両桁パネル3,4を倒伏させた際に、前桁パネル3が後桁パネル4上に重畳されるように設定しても良い。
【0015】
又、図4に示すように、床体2の両側前後端部にステー8が垂立固定されており、このステー8の上部に妻パネル5の前後に設けられている妻フレーム5aの下部内面がねじ軸9を介して回動自在に支持されている。
【0016】
図6に示すように、両妻パネル5は、予め倒伏されている後桁パネル4上に、上端面同士を突き合わせた状態で倒伏される。両妻パネル5が突き合わされた状態で倒伏されているため、上述した両桁パネル3,4のように重畳させた場合に比し、折畳んだ際のユニットハウス1全体の高さを低くすることができる。
【0017】
又、図3に示すように、両妻パネル5の前後下部にボルト挿通孔5bが穿設され、床体2の床両側フレーム2dに、ボルト挿通孔5bに挿通されるボルトを螺入するナット(ウエルドナット)10が固設されている。妻パネル5に穿設されているボルト挿通孔5bに挿通されたボルトを床体2の床両側フレーム2dに固設されているナット10に螺入することで、両妻パネル5の設状態を維持させることができる。
【0018】
更に、両妻パネル5の前後に設けられている妻フレーム5aの、両妻パネル5が立設されたときの対向面にL型フレーム11が固設されている。このL型フレーム11の上部中途にボルト挿通孔11aが穿設され、前後桁パネル3,4の両側に設けられている桁フレーム3a,4aの、ボルト挿通孔11aに対応する位置にナット(ウエルドナット)12が固設されている。このボルト挿通孔11aに挿通されたボルトを前後桁パネル3,4の桁フレーム3a,4aに固設されているナット12に螺入することで、前後桁パネル3,4が仮固定される。尚、前桁パネル3には引戸13が予め取付けられており、一方、後桁パネル4には窓14が予め取付けられている。
【0019】
又、屋根体6は、複数の角パイプ母屋材で骨格が形成され、その上面に母屋外板6aが固設されている。この屋根体6は、平面視において上述した床板2よりもやや大きい形状(長方形)に形成されている。この屋根体6の前後に屋根フレーム6bが設けられており、この屋根フレーム6bの下面、及び屋根体6の左右下縁部に枠フレーム15が固設されており、この枠フレーム15が、立設された各桁パネル3,4と妻パネル5の上端外縁に取付けられる。この枠フレーム15にはボルト挿通孔15aが所定に穿設されており、このボルト挿通孔15aに対応する各パネル3〜5の上端縁に、ナット(ウエルドナット)16が固設されている。
【0020】
このような構成によるユニットハウス1は、折畳まれた状態で収納、保管されている。すなわち、図5に示すように、折畳まれた状態のユニットハウス1は、床体2上に前桁パネル3が倒伏され、その上に後桁パネル4が倒伏され、更に、この後桁パネル4上に左右の両妻パネル5が突き合わされた状態で倒伏され、その上に屋根体6が載置されている。
【0021】
屋根体6の前後に設けられている屋根フレーム6bの両側には、上部固定ブラケット20が固設されている。この上部固定ブラケット20に対応する床体2の部位に、コの字状に形成された下部固定ブラケット21が固設されている。この各固定ブラケット20,21には、掛止孔20a,21aが穿設されており、ユニットハウス1が折畳まれた状態で保管される際に、上下の掛止孔20a,21a間が締結具を介して締結される。このユニットハウス1を締結具で締結することで、ずれが防止され、搬送及び保管が容易となる。尚、締結具としては、ターンバックルがあり、ターンバックル胴の両側に螺入されているボルトの先端に形成されているフックを、各固定ブラケット20,21に穿設されている掛止孔20a,21a間に掛止して締結する。
【0022】
次に、折畳まれた状態のユニットハウス1を組立てる手順について説明する。図5に示すようなユニットハウス1が折畳まれている状態では、各部材のずれを防止するために床体2と屋根体6との間が締結具を介して締結されており、この締結具による締結を解放する。
【0023】
次いで、先ず、図6に示すように、ユニック等を利用して屋根体6を吊り上げて取り外す。その後、図7、図8に示すように、両側の妻パネル5を起立させる。各妻パネル5の下部は、床体2に固設されているステー8にねじ軸9を介して回動自在に支持されており、妻パネル5を後桁パネル4上から容易に起立させることができる。そして、この各妻パネル5の下部に穿設されているボルト挿通孔5b(図2参照)を貫通して、床体2の両側に固設されているナット10にボルトを螺入し、妻パネル5の下部を床体2に固定する。
【0024】
その後、図9に示すように、後桁パネル4を前桁パネル3上から起立させる。後桁パネル4の下端が床後フレーム2cの上面にヒンジ7を介して支持されているため、後桁パネル4はヒンジ7を中心として容易に起立させることができる。そして、後桁パネル4の両側に設けた桁フレーム4aを、両妻パネル5の妻フレーム5aに固設されているL型フレーム11の内面に当接させて位置決めする。次いで、L型フレーム11に穿設されているボルト挿通孔11aを貫通して、桁フレーム4aに固設されているナット(ウエルドナット)12にボルトを螺入して仮締結する。
【0025】
その後、図10に示すように、前桁パネル3を床体2の床板2a上から起立させる。この前桁パネル3の下端が床前フレーム2bの上面にヒンジ7を介して支持されているため、前桁パネル3はヒンジ7を中心として容易に起立させることができる。そして、前桁パネル3の両側に設けた桁フレーム3aを、両妻パネル5の妻フレーム5aに固設されているL型フレーム11の内面に当接させて位置決めする。
【0026】
次いで、L型フレーム11に穿設されているボルト挿通孔11aを貫通して、桁フレーム3aに固設されているナット(ウエルドナット)12にボルトを螺入して仮締結する(図4参照)。尚、前後桁パネル3,4には、引戸13や窓14が予め取付けられているため、組み立て作業が容易であり、当然、撤去作業も効率的に行うことができる。
【0027】
その後、図11に示すように、ユニック等を利用して屋根体6を、ユニットハウス1の上方に臨ませ、図12に示すように、この屋根体6を各パネル3〜5の上面に載置する。その際、この屋根体6の下面周縁に固設されている枠フレーム15を、各パネル3〜5の上縁外周に装着し、この枠フレーム15に対して所定に穿設されているボルト挿通孔15aを貫通し、各パネル3〜5の上部に所定間隔で固設されているナット16にボルトを螺入して締結し、ユニットハウス1の組立てを完成させる。
【0028】
このように、本実施形態によれば、ユニットハウス1の側壁となる各パネル3〜5を床体2に回動自在に支持させると共に、床体2上に倒伏させるようにしたので、ユニットハウス1の組立て作業、及び撤収作業の効率化が実現できる。更に、両妻パネル5は互いに突き合わせた状態で倒伏されるので、折畳んだ際の高さを低くすることができ、よりコンパクトな状態で保管することができる。その結果、保管スペースを有効に使用することができる。
【0029】
更に、前桁パネル3と後桁パネル4との下端を、ヒンジ7を介して支持する床前フレーム2bと床後フレーム2cとの高さHf,Hrに段差を設けて、両桁パネル3,4を倒伏させた際に互いに重畳されるようにしたので、この桁パネル3,4を、例えば特開平11−193575号公報に開示されているように、中央部から水平に屈曲させて折畳む必要がなく、組立て、及び撤収をより効率的に行うことができる。
【0030】
又、壁面となる4面のパネル3〜5が全て床体2に連設されているため、保管中にばらばらになったり、欠品することもなく管理が容易となる。
【0031】
尚、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、例えば、両妻パネル5を床体2の床板2a上に突き合わせた状態で倒伏させ、前桁パネル3と後桁パネル4とを妻パネル5上に重畳させた状態で倒伏させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0032】
1…ユニットハウス、
2…床体、
2b…床前フレーム、
2c…床後フレーム、
2d…床両側フレーム、
3…前桁パネル、
3a…桁フレーム、
4…後桁パネル、
4a…桁フレーム、
5…妻パネル、
5a…妻フレーム、
6…屋根体、
6b…屋根フレーム、
7…ヒンジ、
8…ステー、
15…枠フレーム、
Hf,Hr…高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面となる4面のパネルを全て床体上に折畳んだ状態で収納することのできる折畳み式ユニットハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の折畳み式ユニットハウスは、設置及び撤収が容易であるため、土木現場や建設現場等における仮設事務室として広く利用されている。又、保管するに際しては、直方体の扁平状に折畳むことができるので、複数の折畳み式ユニットハウスを積層して保管することができ、保管スペースを効率よく使用できる。
【0003】
例えば、特許文献(特開2008−101402号公報)には、保管に際しては、床体上に柱体を倒伏させ、その上に、屋根を積み重ね、更に、床体と屋根との間に形成されたスペースに、取り外された側壁(パネル)を収納するようにした折畳み式ユニットハウスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−101402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した文献に開示されている技術では、ユニットハウスを組立てるに際し、側壁(パネル)を後から取付ける必要があるため、組立て作業に時間を要するばかりでなく、取り外した部品に欠品が生じ易く、管理が煩雑化するという不都合がある。
【0006】
更に、撤収するに際しては、側壁(パネル)を一々取り外して収納しなければならないため、撤収作業が煩雑で、作業性が悪いと云う問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、側壁となる4面のパネルを全て床面上に倒伏可能として、組立て作業、及び撤収作業の効率化が実現できるばかりでなく、極めてコンパクトに折畳んだ状態で保管することのできる折畳み式ユニットハウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるユニットハウスは、床体の相反する2辺に設けた各床フレームに対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に重畳された状態で倒伏自在な第1、第2のパネルと、前記床体の他の2辺に対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に突き合わせた状態で倒伏自在な第3、第4のパネルと、起立された前記第1〜第4のパネルの上面に載置されると共に倒伏された状態の前記第1〜第4のパネル上に載置自在な屋根体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1〜第4のパネルを全て床面上に倒伏可能にしたので、組立て作業、及び撤収作業の効率化を実現することができ、極めてコンパクトに折畳んだ状態で保管することができ、保管スペースを有効利用することができる。又、第1〜第4のパネルが全て床板の4辺に連設されているため、保管中にばらばらになったり、欠品が生じることがなく管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】折畳み式ユニットハウスの組立てた状態の正面図
【図2】図1の左側面図
【図3】図1のIII-III断面図
【図4】図1のIV-IV断面図
【図5】折畳み式ユニットハウスの折畳んだ状態を示す斜視図
【図6】図5の状態から屋根を外した状態を示す斜視図
【図7】図6の状態から一方の妻パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図8】図7の状態から他方の妻パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図9】図8の状態から後桁パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図10】図9の状態から前桁パネルを起立させた状態を示す斜視図
【図11】図10の状態から屋根を取付けた状態を示す斜視図
【図12】図11の状態から屋根を固定した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。尚、以下においては、各部材の前後左右方向を、組立てた状態のユニットハウス1を基準として説明する。
【0012】
図1〜図3に示すように、本実施形態で示す折畳み式ユニットハウス(以下、単に「ユニットハウス」と称する)1は、床体2の前後に第1のパネルとしての前桁パネル3と、第2のパネルとしての後桁パネル4とが立設され、両側に第3、第4パネルとしての妻パネル5が立設され、更に、上部に取り外し自在な屋根体6が取付けられている。床体2は複数の角パイプ根太にて骨格が形成され、その上面に床板2aが固設されて、平面視が長方形に形成されている。
【0013】
背反する2辺である前後端部に固設されている床フレームとしての床前フレーム2b,2cの上面に、前桁パネル3と後桁パネル4との底面が、ヒンジ7を介して床体2上に回動自在に支持されている。この両フレーム2b,2cは高さ方向に段差を有しており、本実施形態では、床前フレーム2bの高さHfが床後フレーム2cの高さHrよりも低く形成されている。この段差(Hr−hf)は、両桁パネル3,4を倒伏させた際に、後桁パネル4が前桁パネル3上に、干渉することなく重畳させることを許容する高さであり、少なくとも前桁パネル3の板厚よりも高く設定されている。又、床前フレーム2bの高さHfは床板2aと同じ位置か、それよりも高い位置に設定されている。
【0014】
尚、この場合、床前フレーム2bの高さを床後フレーム2cよりも高くし、両桁パネル3,4を倒伏させた際に、前桁パネル3が後桁パネル4上に重畳されるように設定しても良い。
【0015】
又、図4に示すように、床体2の両側前後端部にステー8が垂立固定されており、このステー8の上部に妻パネル5の前後に設けられている妻フレーム5aの下部内面がねじ軸9を介して回動自在に支持されている。
【0016】
図6に示すように、両妻パネル5は、予め倒伏されている後桁パネル4上に、上端面同士を突き合わせた状態で倒伏される。両妻パネル5が突き合わされた状態で倒伏されているため、上述した両桁パネル3,4のように重畳させた場合に比し、折畳んだ際のユニットハウス1全体の高さを低くすることができる。
【0017】
又、図3に示すように、両妻パネル5の前後下部にボルト挿通孔5bが穿設され、床体2の床両側フレーム2dに、ボルト挿通孔5bに挿通されるボルトを螺入するナット(ウエルドナット)10が固設されている。妻パネル5に穿設されているボルト挿通孔5bに挿通されたボルトを床体2の床両側フレーム2dに固設されているナット10に螺入することで、両妻パネル5の設状態を維持させることができる。
【0018】
更に、両妻パネル5の前後に設けられている妻フレーム5aの、両妻パネル5が立設されたときの対向面にL型フレーム11が固設されている。このL型フレーム11の上部中途にボルト挿通孔11aが穿設され、前後桁パネル3,4の両側に設けられている桁フレーム3a,4aの、ボルト挿通孔11aに対応する位置にナット(ウエルドナット)12が固設されている。このボルト挿通孔11aに挿通されたボルトを前後桁パネル3,4の桁フレーム3a,4aに固設されているナット12に螺入することで、前後桁パネル3,4が仮固定される。尚、前桁パネル3には引戸13が予め取付けられており、一方、後桁パネル4には窓14が予め取付けられている。
【0019】
又、屋根体6は、複数の角パイプ母屋材で骨格が形成され、その上面に母屋外板6aが固設されている。この屋根体6は、平面視において上述した床板2よりもやや大きい形状(長方形)に形成されている。この屋根体6の前後に屋根フレーム6bが設けられており、この屋根フレーム6bの下面、及び屋根体6の左右下縁部に枠フレーム15が固設されており、この枠フレーム15が、立設された各桁パネル3,4と妻パネル5の上端外縁に取付けられる。この枠フレーム15にはボルト挿通孔15aが所定に穿設されており、このボルト挿通孔15aに対応する各パネル3〜5の上端縁に、ナット(ウエルドナット)16が固設されている。
【0020】
このような構成によるユニットハウス1は、折畳まれた状態で収納、保管されている。すなわち、図5に示すように、折畳まれた状態のユニットハウス1は、床体2上に前桁パネル3が倒伏され、その上に後桁パネル4が倒伏され、更に、この後桁パネル4上に左右の両妻パネル5が突き合わされた状態で倒伏され、その上に屋根体6が載置されている。
【0021】
屋根体6の前後に設けられている屋根フレーム6bの両側には、上部固定ブラケット20が固設されている。この上部固定ブラケット20に対応する床体2の部位に、コの字状に形成された下部固定ブラケット21が固設されている。この各固定ブラケット20,21には、掛止孔20a,21aが穿設されており、ユニットハウス1が折畳まれた状態で保管される際に、上下の掛止孔20a,21a間が締結具を介して締結される。このユニットハウス1を締結具で締結することで、ずれが防止され、搬送及び保管が容易となる。尚、締結具としては、ターンバックルがあり、ターンバックル胴の両側に螺入されているボルトの先端に形成されているフックを、各固定ブラケット20,21に穿設されている掛止孔20a,21a間に掛止して締結する。
【0022】
次に、折畳まれた状態のユニットハウス1を組立てる手順について説明する。図5に示すようなユニットハウス1が折畳まれている状態では、各部材のずれを防止するために床体2と屋根体6との間が締結具を介して締結されており、この締結具による締結を解放する。
【0023】
次いで、先ず、図6に示すように、ユニック等を利用して屋根体6を吊り上げて取り外す。その後、図7、図8に示すように、両側の妻パネル5を起立させる。各妻パネル5の下部は、床体2に固設されているステー8にねじ軸9を介して回動自在に支持されており、妻パネル5を後桁パネル4上から容易に起立させることができる。そして、この各妻パネル5の下部に穿設されているボルト挿通孔5b(図2参照)を貫通して、床体2の両側に固設されているナット10にボルトを螺入し、妻パネル5の下部を床体2に固定する。
【0024】
その後、図9に示すように、後桁パネル4を前桁パネル3上から起立させる。後桁パネル4の下端が床後フレーム2cの上面にヒンジ7を介して支持されているため、後桁パネル4はヒンジ7を中心として容易に起立させることができる。そして、後桁パネル4の両側に設けた桁フレーム4aを、両妻パネル5の妻フレーム5aに固設されているL型フレーム11の内面に当接させて位置決めする。次いで、L型フレーム11に穿設されているボルト挿通孔11aを貫通して、桁フレーム4aに固設されているナット(ウエルドナット)12にボルトを螺入して仮締結する。
【0025】
その後、図10に示すように、前桁パネル3を床体2の床板2a上から起立させる。この前桁パネル3の下端が床前フレーム2bの上面にヒンジ7を介して支持されているため、前桁パネル3はヒンジ7を中心として容易に起立させることができる。そして、前桁パネル3の両側に設けた桁フレーム3aを、両妻パネル5の妻フレーム5aに固設されているL型フレーム11の内面に当接させて位置決めする。
【0026】
次いで、L型フレーム11に穿設されているボルト挿通孔11aを貫通して、桁フレーム3aに固設されているナット(ウエルドナット)12にボルトを螺入して仮締結する(図4参照)。尚、前後桁パネル3,4には、引戸13や窓14が予め取付けられているため、組み立て作業が容易であり、当然、撤去作業も効率的に行うことができる。
【0027】
その後、図11に示すように、ユニック等を利用して屋根体6を、ユニットハウス1の上方に臨ませ、図12に示すように、この屋根体6を各パネル3〜5の上面に載置する。その際、この屋根体6の下面周縁に固設されている枠フレーム15を、各パネル3〜5の上縁外周に装着し、この枠フレーム15に対して所定に穿設されているボルト挿通孔15aを貫通し、各パネル3〜5の上部に所定間隔で固設されているナット16にボルトを螺入して締結し、ユニットハウス1の組立てを完成させる。
【0028】
このように、本実施形態によれば、ユニットハウス1の側壁となる各パネル3〜5を床体2に回動自在に支持させると共に、床体2上に倒伏させるようにしたので、ユニットハウス1の組立て作業、及び撤収作業の効率化が実現できる。更に、両妻パネル5は互いに突き合わせた状態で倒伏されるので、折畳んだ際の高さを低くすることができ、よりコンパクトな状態で保管することができる。その結果、保管スペースを有効に使用することができる。
【0029】
更に、前桁パネル3と後桁パネル4との下端を、ヒンジ7を介して支持する床前フレーム2bと床後フレーム2cとの高さHf,Hrに段差を設けて、両桁パネル3,4を倒伏させた際に互いに重畳されるようにしたので、この桁パネル3,4を、例えば特開平11−193575号公報に開示されているように、中央部から水平に屈曲させて折畳む必要がなく、組立て、及び撤収をより効率的に行うことができる。
【0030】
又、壁面となる4面のパネル3〜5が全て床体2に連設されているため、保管中にばらばらになったり、欠品することもなく管理が容易となる。
【0031】
尚、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、例えば、両妻パネル5を床体2の床板2a上に突き合わせた状態で倒伏させ、前桁パネル3と後桁パネル4とを妻パネル5上に重畳させた状態で倒伏させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0032】
1…ユニットハウス、
2…床体、
2b…床前フレーム、
2c…床後フレーム、
2d…床両側フレーム、
3…前桁パネル、
3a…桁フレーム、
4…後桁パネル、
4a…桁フレーム、
5…妻パネル、
5a…妻フレーム、
6…屋根体、
6b…屋根フレーム、
7…ヒンジ、
8…ステー、
15…枠フレーム、
Hf,Hr…高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床体の相反する2辺に設けた各床フレームに対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に重畳された状態で倒伏自在な第1、第2のパネルと、
前記床体の他の2辺に対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に突き合わせた状態で倒伏自在な第3、第4のパネルと、
起立された前記第1〜第4のパネルの上面に載置されると共に倒伏された状態の前記第1〜第4のパネル上に載置自在な屋根体と
を備えることを特徴とするユニットハウス。
【請求項2】
前記第1のパネルと前記第2のパネルとを各々支持する前記各床フレームの高さに、倒伏させた際の該第1のパネルと該第2のパネルとの重畳を許容する段差が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載のユニットハウス。
【請求項3】
前記床体上に前記第1、第2のパネルが重畳された状態で倒伏され、該両パネル上に前記第3、第4のパネルが突き合わされた状態で倒伏される
ことを特徴とする請求項1或いは2記載のユニットハウス。
【請求項4】
前記床体上に前記第3、第4のパネルが突き合わされた状態で倒伏され、該両パネル上に前記第1、第2のパネルが重畳された状態で倒伏される
ことを特徴とする請求項1或いは2記載のユニットハウス。
【請求項1】
床体の相反する2辺に設けた各床フレームに対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に重畳された状態で倒伏自在な第1、第2のパネルと、
前記床体の他の2辺に対して下部が回動自在に支持されていると共に前記床体上に突き合わせた状態で倒伏自在な第3、第4のパネルと、
起立された前記第1〜第4のパネルの上面に載置されると共に倒伏された状態の前記第1〜第4のパネル上に載置自在な屋根体と
を備えることを特徴とするユニットハウス。
【請求項2】
前記第1のパネルと前記第2のパネルとを各々支持する前記各床フレームの高さに、倒伏させた際の該第1のパネルと該第2のパネルとの重畳を許容する段差が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載のユニットハウス。
【請求項3】
前記床体上に前記第1、第2のパネルが重畳された状態で倒伏され、該両パネル上に前記第3、第4のパネルが突き合わされた状態で倒伏される
ことを特徴とする請求項1或いは2記載のユニットハウス。
【請求項4】
前記床体上に前記第3、第4のパネルが突き合わされた状態で倒伏され、該両パネル上に前記第1、第2のパネルが重畳された状態で倒伏される
ことを特徴とする請求項1或いは2記載のユニットハウス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−158897(P2012−158897A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18533(P2011−18533)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(509117698)富士ハウレン株式会社 (4)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(509117698)富士ハウレン株式会社 (4)
[ Back to top ]