折畳み式捕虫器
【課題】収納時には封筒状に折畳まれるか、又は多数を積重しコンパクトに収納可能であり、使用時には立体的な構造となり、内部に液体状誘引剤を注入し蜂や蝿等の飛翔害虫を誘引捕殺するために用いる折畳み式捕虫器を提供する。
【解決手段】可撓性シート材からなる上方を開口した有底封筒状の本体1の前面及び背面の開口縁から上方にそれぞれ舌片4a,4bを延設し、前面に延設してなる舌片4aを背面方向に折り畳み自在の上蓋とし、上蓋または本体1に逆支弁5を有する貫通孔を貫設したことを特徴とする折畳み式捕虫器。
【解決手段】可撓性シート材からなる上方を開口した有底封筒状の本体1の前面及び背面の開口縁から上方にそれぞれ舌片4a,4bを延設し、前面に延設してなる舌片4aを背面方向に折り畳み自在の上蓋とし、上蓋または本体1に逆支弁5を有する貫通孔を貫設したことを特徴とする折畳み式捕虫器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納時には封筒状に折畳まれるか、又は多数を積重しコンパクトに収納可能であり、使用時には立体的な構造となり、内部に液体状誘引剤を注入し蜂や蝿等の飛翔害虫を誘引捕殺するために用いる折畳み式捕虫器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の捕虫器としては、容器全体が上部蓋体と下部蓋体とに分離でき、上部下向きの小穴を設けた蓋体に対して下部上向きの大穴を設けた本体とが対向し、上記容器の下部には害虫誘引剤を収納するための凹部を具有し、且つ本体が浮き上がった状態で設置できる補虫器が知られている(特許文献1)。また、虫を誘引する光を発する誘虫光源と、誘虫光源から光に誘引された虫が落下或いは進入する開口部を備えた筐体とを備え、前記筐体は折り畳み状態又は展開状態から箱形に組立て可能な板材製とした捕虫器も存在する(特許文献2)。その他、粘着シートや粘着材を利用した捕虫器も知られている。さらに既成のペットボトルの側壁を切り開き、内部に清酒・酢・砂糖等を混合した液体状誘引剤を注入し使用する手作り捕虫器も知られている。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−70403号公報
【特許文献2】特開2009−5616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次のような問題点があった。
(イ)従来の粘着シートや粘着材を利用した捕虫器では害虫ばかりでなく益虫も捕獲してしまう恐れがあった。
(ロ)従来の誘虫光源を有する捕虫器は電源を必要とし、電源の無い場所への設置には電源並びに配線設備も併せて必要となっていた。
(ハ)従来の捕虫器は折畳みができず、多数の捕虫器の収納時には多くのスペースを必要とし、また登山道等への人力での運搬・設置する際、大量の捕虫器を担いで運搬するには嵩ばり不便であった。
(ニ)従来の捕虫器は概して高価であり、多数の捕虫器を設置するには多額の予算が必要となる。
(ホ)既成のペットボトルを利用した手作り捕虫器を利用すれば(ニ)の問題は解決される一方(ハ)の問題は解決されない。又、通常のペットボトルは自然に分解しないため使用後人の手で回収しない限り使用済みの捕虫器が設置場所に残り景観を損なうという問題があった。また大量の捕虫器を回収・廃棄する際にも嵩ばる点が問題となってくる。
(ヘ)(ロ)〜(ホ)の問題が存在するため、登山道付近に棲息するスズメバチ等の飛翔害虫捕殺のため、捕虫器を広範囲に多数設置する事が困難な状況が存在していた。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
可撓性シートからなる上部を開口した有底封筒状の本体の、前面シート並びに後面シートの開口縁から上方向に向け舌片を延設し、一方を内蓋、他方を把持部とし、内蓋又は内蓋と本体に逆支弁を有する貫通孔を貫設し、内蓋を本体内側に折り込み湾曲折りすることにより封筒状の本体を断面が逆三角錐状の立体に保持し、外蓋を湾曲させ本体に固定し天蓋とした構造を特徴とする折畳み式捕虫器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は本体内部に液体状誘引剤を注入し、蜂や蝿等の飛翔害虫等の捕殺に用いる折畳み式捕虫器である。本発明は、その簡便なる構造により従来品と比較し大量に且つ安価に製造が可能である。本発明は、収納時封筒状に折畳まれた状態ないし多数を積重した状態から、使用時には立体的な構造となるため、人力を要し運搬量の制限される登山道等での運搬・組立設置も従来品と比較し容易に可能となる。又、同様の特徴により回収廃棄作業も容易である。さらに、植物系生分解性プラスチックを素材として本体を形成することにより、害虫捕殺の目的を達成した後山野に放置しても自然に分解するため、環境に与える影響は少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態の斜視図
【図2】本発明の第1の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図3】本発明の第1の実施形態のA−A端面図
【図4】本発明の第1の実施形態の使用状況を示すB−B端面図
【図5】本発明の第1の実施形態の使用状況を示す略断面図
【図6】本発明の第1の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図7】本発明の第1の実施形態の他の実施例の正面図
【図8】本発明の第1の実施形態の他の実施例を示す斜視図
【図9】本発明の第1の実施形態の他の実施例の使用状況示す斜視図
【図10】本発明の第2の実施形態の正面図
【図11】本発明の第2の実施形態のC−C端面図
【図12】本発明の第2の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図13】本発明の第2の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図14】本発明の第2の実施形態のD−D端面図
【図15】本発明の第2の実施形態を示す斜視図
【図16】本発明の第2の実施形態を示す斜視図
【図17】本発明の第3の実施形態の斜視図
【図18】本発明の第3の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図19】本発明の第3の実施形態の正面図
【図20】本発明の第3の実施形態のE−E端面図
【図21】本発明の第4の実施形態の正面図
【図22】本発明の第4の実施形態の斜視図
【図23】本発明の第5の実施形態の斜視図
【図24】本発明の第5の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図25】本発明の第6の実施形態の斜視図
【図26】本発明の第6の実施形態の使用状況を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
本発明は、可撓性シートからなる上部を開口した有底封筒状の本体(1)の、前面シート(2)並びに後面シート(3)の開口縁から上方向に向け舌片(4)を延設し、一方を内蓋、他方を把持部とし、内蓋又は内蓋と本体(1)に逆支弁(5)を有する貫通孔(6)を貫設し、内蓋を本体(1)内側に折り込み湾曲折りすることにより封筒状の本体(1)を断面が逆三角錐状の立体に保持し、外蓋を湾曲させ本体(1)に固定し天蓋とした構造を特徴とする折畳み式捕虫器の発明である。
【実施例1】
【0009】
本発明の第1の実施の形態について図1から図9を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態は、雨などにさらされることの少ない、主に屋内への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材とし本体(1)は上方を開口部とする有底の封筒状に形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき封筒状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを二つ折りし、開いている側辺と底辺を液体が漏れないよう完全封着するか、又は、筒状の可撓性樹脂シートの底を液体が漏れないよう完全封着し封筒状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の封筒状の本体(1)として形成する。
(ロ)封筒状本体(1)の一つの面を前面シート(2)とし、他の面を後面シート(3)とし、前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧が向くように弓状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け、逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を貫設する。貫通孔(6a)の切込み(8a)の形状は十文字に限らず、少なくはY字型の中央から3方向へ延長した切り込みで可能であり、また中央から前周方向へ延長した複数の切込み(8a)によっても形成可能である。本体(1)を透明又は半透明の素材を使用した場合も舌片(4a)は黒など、光を遮る着色を施す。
(ニ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の上側中央に掛止穴(9)を設ける。
(ホ)上記が本発明の構成であるが、図6に示すように、必要に応じて前面シート(2)又は後面シート(3)の中央上部にU字状の切込み(8b)を設け切断片を上方へ曲折させて庇(10)とする貫通孔(6b)を貫設し、貫通孔(6b)を複数設けることにより飛翔害虫(11)が本体(1)内部に進入しやすくする事も可能な構造となっている。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図2・図4・図5・図6に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぎつつ、本体(1)の断面が逆円錐状の立体を保持できるように本体(1)の形状を支える蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入し、掛止穴(9)に吊り下げ用の紐(13)を通すか、又は鉤等に掛止させ吊り下げ設置することにより、蜂や蝿等の飛翔害虫(11)を誘引する。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)又は貫通孔(6b)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)や、庇(10)を設けた貫通孔(6b)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6a)・貫通孔(6b)から脱出しにくい構造となる。本発明は、定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を捕殺する事が可能な構造となっている。また使用後は折り畳み収納することが可能な構造となっているため、回収・廃棄する際も嵩張らず作業が容易となる。そのほか、本発明の捕虫器としての使用方法以外にも、図9に示すように本体(1)内部に水(14)を注入し、貫通孔(6a)に切花(15)を挿入し、一輪挿しのような花卉装飾用具としての使用も可能である。このとき本体形状は図7に示すように、折畳んだ状態の本体(1)の形状は正面より見て逆三角形となり、組み立てた状態では 図8に示すように下部を頂点とした円錐形としたものが、貫通孔(6a)に挿した切花(14)が安定し、吊り下げ式花卉装飾用具として適した構造となる。
【実施例2】
【0010】
本発明の第2の実施の形態について図10から図16を用いて説明する。本発明の第2の実施の形態は、雨などにさらされる、主に屋外への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材とし本体(1)は上方を開口部とする有底の封筒状に形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき封筒状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを二つ折りし、開いている側辺と底辺を液体が漏れないよう完全封着するか、又は、筒状の可撓性樹脂シートの底を液体が漏れないよう完全封着し封筒状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の封筒状の本体(1)として形成する。
(ロ)前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧を向けた半円状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設ける。
(ニ)前面シート(2)の折り目(7a)下部中央に、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8c)を設け半円状の係止片(16a)を形成する。
(ホ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の中央先端寄りに、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8d)を設け半円状の係止片(16b)を形成する。
(ホ)後面シート(3)と舌片(4b)の境界部左右両縁に、内側に向けて切り欠き部(17)を設ける。切り欠き部(17)は、図12・図13・図14に示すように吊り下げ用の紐(13)を引っ掛ける溝となる部分であるが、切り欠き部(17)の代わりに図15に示すように中央に掛止穴(9)を設けた突片(18a)を設けたり、図16に示すように鉤状の突片(18b)とするなど、これに代える事も可能な構造となっている。
(ヘ)上記が本発明の構成であるが、図6に示すように、必要に応じて前面シート(2)又は後面シート(3)の中央上部にU字状の切込み(8b)を設け切断片を上方へ曲折させて庇(10)とする貫通孔(6b)を貫設し、貫通孔(6b)を複数設けることにより飛翔害虫(11)が本体(1)内部に進入しやすくする事も可能な構造となっている。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図12〜図16に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぎつつ、本体(1)の断面が逆円錐状の立体を保持できるように本体(1)の形状を支える蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入する。その上で、舌片(4b)を前方に湾曲させ係止片(16a)と係止片(16b)を係止させ、舌片(4b)を天蓋状の上蓋とする。これにより本体が雨等にさらされても本体内部の誘引剤(12)に雨水が混入し誘引効果が低下することを防ぐ。さらに天蓋状になった舌片(4b)の内側に紐(13)を通し、切り欠き部(17)に紐(11)を引っ掛けることにより本体(1)を吊り下げて設置する事が可能な構造となる。また切り欠き部(17)に紐(13)を引っ掛けることにより、係止片(16a)と係止片(16b)を外し舌片(4b)を伸ばした状態でも本体(1)は吊り下げ状態を維持する。これにより本体(1)を吊下げた状態での誘引剤(12)の交換や、本体(1)の清掃などメンテナンス作業が容易に可能となる。また、図16に示すように鉤状の突片(18b)を設けた実施例の場合は、紐(13)を使用することなく、木の枝などに突片(18b)を係止させることにより本体(1)の設置が可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)・貫通孔(6b)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)や、庇(10)を設けた貫通孔(6b)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6a)・貫通孔(6b)から脱出しにくい構造となる。定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を駆除する事が可能である。一方、本体(1)を植物系生分解性プラスチックにより形成することにより自然に分解するため、山野に設置後放置しても自然環境に与える影響は少なくなる。
【実施例3】
【0011】
本発明の第3の実施の形態について図17から図20を用いて説明する。本発明の第3の実施の形態は、主に屋内への設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いた箱状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。箱状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを手提げ袋又は液体用紙パックを形成する要領で液体が漏れないよう完全封着し箱状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の箱状の本体(1)として形成する。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)前面シート(2)の中央部に水平に折り目(7a)を設け、折り目(7a)の両端を側面シート(20)の後上端まで延長し、側面シート(20)上端を三角状に分割する形に設け、折り目(7a)より上の部分を上面シート(21)とする。
(ハ)上面シート(21)の上端中央から左右斜め下方向に、逆V字上に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端と上面シート(21)上端を結ぶ折り目(7b)を設け、3つの三角状の逆支弁(5)を形成する。これにより上面シート(21)の先端に貫通孔(6)を形成することになるが、実施例1(ハ)並びに実施例2(ハ)の要領で上面シート(21)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け貫通孔(6)を貫設する構造も可能である。
(ニ)後面シート(3)の上部に掛止穴(6)を貫設する。
(ホ)側面シート(20)の両下端から折り目(7c)を逆V字状に設け、折り目(7c)の上端から側面シート(20)の上端まで側面シート(20)を前後に2分割する形に折り目(7d)を垂直に設ける。さらに折り目(7c)の上端から後面シート(3)を水平に横切りもう一方の折り目(7c)の上端を結ぶように、折目(7d)を設ける。これにより本体を紙製手提げ袋のように薄く折畳むことが可能な構造となる。尚本体を紙コップ等を収納するように複数を積重する収納を主な収納方法とする場合、(ホ)の構造は省略できる。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図18に示すように、折り目(7a)を山折りし上面シート(21)を本体(1)の内側へ折り込み、本体(1)の開口部を塞ぎ、さらに折り目(7b)を下方向へ折込み逆支弁(5)を下方向に折り込み、上面シート(21)の奥端中央に貫通孔(6c)を形成する。本発明の第3の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所に載置可能で、掛止穴(9)に紐(13)を通すか、又は直接鉤棒等に係止させるなど吊り下げ設置が可能な構造となっている。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入する。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6c)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。上面シート(21)や貫通孔(6c)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6c)から脱出しにくい構造となる。定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を駆除する事が可能である。本発明の第3の実施の形態を収納するときは、紙コップ等を収納するように複数を積重し収納することが可能な構造である。また図19、図20に示すように、本体(1)を紙製の手提げ袋を折畳む要領で薄く折畳むことも可能な構造となっている。
【実施例4】
【0012】
本発明の第4の実施の形態について図21並びに図22を用いて説明する。本発明の第4の実施の形態は、雨などにさらされる、主に屋外への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いた箱状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。箱状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを手提げ袋又は液体用紙パックを形成する要領で液体が漏れないよう完全封着し箱状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の箱状の本体(1)として形成する。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)前面シート(2)の中央部に水平に折り目(7a)を設け、折り目(7a)の両端を側面シート(20)の後上端まで延長し、側面シート(20)上端を三角状に分割する形に設け、折り目(7a)より上の部分を上面シート(21)とする。
(ハ)上面シート(21)の上端中央から左右斜め下方向に、逆V字上に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端と上面シート(21)上端を結ぶ折り目(7b)を設け、3つの三角状の逆支弁(5)を形成する。これにより上面シート(21)の先端に貫通孔(6)を形成することになるが、実施例1(ハ)並びに実施例2(ハ)の要領で上面シート(21)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け貫通孔(6)を貫設する構造も可能である。
(ニ)前面シート(2)折り目(7a)の下部中央に、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8c)を設け半円状の係止片(16a)を形成する。
(ホ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の中央先端寄りに、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8d)を設け半円状の係止め片(16b)を形成する。
(ヘ)側面シート(20)の両下端から折り目(7c)を逆V字状に設け、折り目(7c)の上端から側面シート(20)の上端まで側面シート(20)を前後に2分割する形に折り目(7d)を垂直に設ける。さらに折り目(7c)の上端から後面シート(3)を水平に横切りもう一方の折り目(7c)の上端を結ぶように、折目(7e)を設ける。これにより本体を紙製手提げ袋のように薄く折畳むことが可能な構造となる。尚本体を紙コップ等を収納するように複数を積重する収納を主な収納方法とする場合、(ヘ)の構造は省略できる。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図22に示すように、折り目(7a)を山折りし上面シート(21)を本体(1)の内側へ折り込み、本体(1)の開口部を塞ぎ、さらに折り目(7b)を折込み逆支弁(5)を下方向に折り込み、上面シート(21)の奥端中央に貫通孔(6c)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入し、舌片(4b)を前方に湾曲させ係止片(16a)と係止片(16b)を係止させ、舌片(4b)を天蓋状の上蓋とする。これにより本体が雨等にさらされても本体内部の誘引剤(12)に雨水が混入し誘引効果が低下することを防ぐ。さらに天蓋状になった舌片(4b)の内側に紐(13)を通しすことにより本体(1)を吊り下げて設置する事が可能な構造となる。本発明の第4の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所に載置可能で、舌片(4b)の内側に紐(13)を通し吊り下げ設置が可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6c)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4b)並びに上面シート(21)や貫通孔(6c)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6c)から脱出しにくい構造となる。定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を駆除する事が可能である。本発明の第4の実施の形態を収納するときは、紙コップ等を収納するように複数を積重し収納することが可能な構造である。また図20に示すように、本体(1)を紙製の手提げ袋を折畳む要領で薄く折畳むことも可能な構造となっている。
【実施例5】
【0013】
本発明の第5の実施の形態について図23並びに図24を用いて説明する。本発明の第5の実施の形態は、主に屋内への設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いたコップ状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)本体(1)の一方の垂直面を前面シート(2)とし、前面シート(2)と対向する垂直面を後面シート(3)とする。前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧が向くように弓状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け、逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を貫設する。貫通孔(6a)の切込み(8a)形状は十文字に限らず、少なくはY字型の中央から3方向へ延長した切り込みで可能であり、また中央から全周方向へ延長した複数の切込み(8a)によっても形成可能である。本体(1)を透明又は半透明の素材を使用した場合も舌片(4a)は黒など、光を遮る着色を施す。
(ニ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の上側中央に掛止穴(9)を設ける。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図24に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぐ蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入し、掛止穴(9)に吊り下げ用の紐(13)を通すか、又は鉤等に掛止させ吊り下げ設置することにより、蜂や蝿等の飛翔害虫(11)を誘引する。また、本発明の第5の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所に載置可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6a)から脱出しにくい構造となる。本発明は、定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を捕殺する事が可能な構造となっている。本発明の第5の実施の形態は、紙コップ等を収納するように複数を積重することが可能な構造となるため、収納収・廃棄する際も嵩張らず作業が容易となる。
【実施例6】
【0014】
本発明の第6の実施の形態について図25並びに図26を用いて説明する。本発明の第6の実施の形態は、雨などにさらされる、主に屋外への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いたコップ状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)本体(1)の一方の垂直面を前面シート(2)とし、前面シート(2)と対向する垂直面を後面シート(3)とする。前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧を向けた半円状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け、逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を貫設する。貫通孔(6a)の切込み(8a)形状は十文字に限らず、少なくはY字型の中央から3方向へ延長した切り込みで可能であり、また中央から全周方向へ延長した複数の切込み(8a)によっても形成可能である。本体(1)を透明又は半透明の素材を使用した場合も舌片(4a)は黒など、光を遮る着色を施す。
(ニ)前面シート(2)折り目(7a)下部中央に、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8c)を設け半円状の係止片(16a)を形成する。
(ホ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の中央先端寄りに、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8d)を設け半円状の係止め片(16b)を形成する。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図26に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)の内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぐ蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入する。その上で、舌片(4b)を前方に湾曲させ係止片(16a)と係止片(16b)を係止させ、舌片(4b)を天蓋状の上蓋とする。これにより本体が雨等にさらされても本体内部の誘引剤(12)に雨水が混入し誘引効果が低下することを防ぐ。さらに天蓋状になった舌片(4b)の内側に紐(13)を通し、切り欠き部(17)に紐(11)を引っ掛けることにより本体(1)を吊り下げて設置する事が可能な構造となる。また、本発明の第6の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所にも載置可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が開口部(4b)から脱出しにくい構造となる。本発明は、定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を捕殺する事が可能な構造となっている。本発明の第6の実施の形態は、紙コップ等を収納するように複数を積重することが可能な構造となるため、収納収・廃棄する際も嵩張らず作業が容易となる。
【符号の説明】
【0015】
1 本体
2 前面シート
3 後面シート
4 舌片
5 逆支弁
6 貫通孔
7 折り目
8 切込み
9 掛止穴
10 庇
11 飛翔害虫
12 誘引剤
13 紐
14 水
15 切花
16 係止片
17 切り欠き部
18 突片
19 底面
20 側面シート
21 上面シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納時には封筒状に折畳まれるか、又は多数を積重しコンパクトに収納可能であり、使用時には立体的な構造となり、内部に液体状誘引剤を注入し蜂や蝿等の飛翔害虫を誘引捕殺するために用いる折畳み式捕虫器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の捕虫器としては、容器全体が上部蓋体と下部蓋体とに分離でき、上部下向きの小穴を設けた蓋体に対して下部上向きの大穴を設けた本体とが対向し、上記容器の下部には害虫誘引剤を収納するための凹部を具有し、且つ本体が浮き上がった状態で設置できる補虫器が知られている(特許文献1)。また、虫を誘引する光を発する誘虫光源と、誘虫光源から光に誘引された虫が落下或いは進入する開口部を備えた筐体とを備え、前記筐体は折り畳み状態又は展開状態から箱形に組立て可能な板材製とした捕虫器も存在する(特許文献2)。その他、粘着シートや粘着材を利用した捕虫器も知られている。さらに既成のペットボトルの側壁を切り開き、内部に清酒・酢・砂糖等を混合した液体状誘引剤を注入し使用する手作り捕虫器も知られている。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−70403号公報
【特許文献2】特開2009−5616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次のような問題点があった。
(イ)従来の粘着シートや粘着材を利用した捕虫器では害虫ばかりでなく益虫も捕獲してしまう恐れがあった。
(ロ)従来の誘虫光源を有する捕虫器は電源を必要とし、電源の無い場所への設置には電源並びに配線設備も併せて必要となっていた。
(ハ)従来の捕虫器は折畳みができず、多数の捕虫器の収納時には多くのスペースを必要とし、また登山道等への人力での運搬・設置する際、大量の捕虫器を担いで運搬するには嵩ばり不便であった。
(ニ)従来の捕虫器は概して高価であり、多数の捕虫器を設置するには多額の予算が必要となる。
(ホ)既成のペットボトルを利用した手作り捕虫器を利用すれば(ニ)の問題は解決される一方(ハ)の問題は解決されない。又、通常のペットボトルは自然に分解しないため使用後人の手で回収しない限り使用済みの捕虫器が設置場所に残り景観を損なうという問題があった。また大量の捕虫器を回収・廃棄する際にも嵩ばる点が問題となってくる。
(ヘ)(ロ)〜(ホ)の問題が存在するため、登山道付近に棲息するスズメバチ等の飛翔害虫捕殺のため、捕虫器を広範囲に多数設置する事が困難な状況が存在していた。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
可撓性シートからなる上部を開口した有底封筒状の本体の、前面シート並びに後面シートの開口縁から上方向に向け舌片を延設し、一方を内蓋、他方を把持部とし、内蓋又は内蓋と本体に逆支弁を有する貫通孔を貫設し、内蓋を本体内側に折り込み湾曲折りすることにより封筒状の本体を断面が逆三角錐状の立体に保持し、外蓋を湾曲させ本体に固定し天蓋とした構造を特徴とする折畳み式捕虫器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は本体内部に液体状誘引剤を注入し、蜂や蝿等の飛翔害虫等の捕殺に用いる折畳み式捕虫器である。本発明は、その簡便なる構造により従来品と比較し大量に且つ安価に製造が可能である。本発明は、収納時封筒状に折畳まれた状態ないし多数を積重した状態から、使用時には立体的な構造となるため、人力を要し運搬量の制限される登山道等での運搬・組立設置も従来品と比較し容易に可能となる。又、同様の特徴により回収廃棄作業も容易である。さらに、植物系生分解性プラスチックを素材として本体を形成することにより、害虫捕殺の目的を達成した後山野に放置しても自然に分解するため、環境に与える影響は少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態の斜視図
【図2】本発明の第1の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図3】本発明の第1の実施形態のA−A端面図
【図4】本発明の第1の実施形態の使用状況を示すB−B端面図
【図5】本発明の第1の実施形態の使用状況を示す略断面図
【図6】本発明の第1の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図7】本発明の第1の実施形態の他の実施例の正面図
【図8】本発明の第1の実施形態の他の実施例を示す斜視図
【図9】本発明の第1の実施形態の他の実施例の使用状況示す斜視図
【図10】本発明の第2の実施形態の正面図
【図11】本発明の第2の実施形態のC−C端面図
【図12】本発明の第2の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図13】本発明の第2の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図14】本発明の第2の実施形態のD−D端面図
【図15】本発明の第2の実施形態を示す斜視図
【図16】本発明の第2の実施形態を示す斜視図
【図17】本発明の第3の実施形態の斜視図
【図18】本発明の第3の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図19】本発明の第3の実施形態の正面図
【図20】本発明の第3の実施形態のE−E端面図
【図21】本発明の第4の実施形態の正面図
【図22】本発明の第4の実施形態の斜視図
【図23】本発明の第5の実施形態の斜視図
【図24】本発明の第5の実施形態の使用状況を示す斜視図
【図25】本発明の第6の実施形態の斜視図
【図26】本発明の第6の実施形態の使用状況を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
本発明は、可撓性シートからなる上部を開口した有底封筒状の本体(1)の、前面シート(2)並びに後面シート(3)の開口縁から上方向に向け舌片(4)を延設し、一方を内蓋、他方を把持部とし、内蓋又は内蓋と本体(1)に逆支弁(5)を有する貫通孔(6)を貫設し、内蓋を本体(1)内側に折り込み湾曲折りすることにより封筒状の本体(1)を断面が逆三角錐状の立体に保持し、外蓋を湾曲させ本体(1)に固定し天蓋とした構造を特徴とする折畳み式捕虫器の発明である。
【実施例1】
【0009】
本発明の第1の実施の形態について図1から図9を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態は、雨などにさらされることの少ない、主に屋内への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材とし本体(1)は上方を開口部とする有底の封筒状に形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき封筒状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを二つ折りし、開いている側辺と底辺を液体が漏れないよう完全封着するか、又は、筒状の可撓性樹脂シートの底を液体が漏れないよう完全封着し封筒状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の封筒状の本体(1)として形成する。
(ロ)封筒状本体(1)の一つの面を前面シート(2)とし、他の面を後面シート(3)とし、前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧が向くように弓状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け、逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を貫設する。貫通孔(6a)の切込み(8a)の形状は十文字に限らず、少なくはY字型の中央から3方向へ延長した切り込みで可能であり、また中央から前周方向へ延長した複数の切込み(8a)によっても形成可能である。本体(1)を透明又は半透明の素材を使用した場合も舌片(4a)は黒など、光を遮る着色を施す。
(ニ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の上側中央に掛止穴(9)を設ける。
(ホ)上記が本発明の構成であるが、図6に示すように、必要に応じて前面シート(2)又は後面シート(3)の中央上部にU字状の切込み(8b)を設け切断片を上方へ曲折させて庇(10)とする貫通孔(6b)を貫設し、貫通孔(6b)を複数設けることにより飛翔害虫(11)が本体(1)内部に進入しやすくする事も可能な構造となっている。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図2・図4・図5・図6に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぎつつ、本体(1)の断面が逆円錐状の立体を保持できるように本体(1)の形状を支える蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入し、掛止穴(9)に吊り下げ用の紐(13)を通すか、又は鉤等に掛止させ吊り下げ設置することにより、蜂や蝿等の飛翔害虫(11)を誘引する。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)又は貫通孔(6b)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)や、庇(10)を設けた貫通孔(6b)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6a)・貫通孔(6b)から脱出しにくい構造となる。本発明は、定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を捕殺する事が可能な構造となっている。また使用後は折り畳み収納することが可能な構造となっているため、回収・廃棄する際も嵩張らず作業が容易となる。そのほか、本発明の捕虫器としての使用方法以外にも、図9に示すように本体(1)内部に水(14)を注入し、貫通孔(6a)に切花(15)を挿入し、一輪挿しのような花卉装飾用具としての使用も可能である。このとき本体形状は図7に示すように、折畳んだ状態の本体(1)の形状は正面より見て逆三角形となり、組み立てた状態では 図8に示すように下部を頂点とした円錐形としたものが、貫通孔(6a)に挿した切花(14)が安定し、吊り下げ式花卉装飾用具として適した構造となる。
【実施例2】
【0010】
本発明の第2の実施の形態について図10から図16を用いて説明する。本発明の第2の実施の形態は、雨などにさらされる、主に屋外への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材とし本体(1)は上方を開口部とする有底の封筒状に形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき封筒状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを二つ折りし、開いている側辺と底辺を液体が漏れないよう完全封着するか、又は、筒状の可撓性樹脂シートの底を液体が漏れないよう完全封着し封筒状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の封筒状の本体(1)として形成する。
(ロ)前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧を向けた半円状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設ける。
(ニ)前面シート(2)の折り目(7a)下部中央に、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8c)を設け半円状の係止片(16a)を形成する。
(ホ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の中央先端寄りに、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8d)を設け半円状の係止片(16b)を形成する。
(ホ)後面シート(3)と舌片(4b)の境界部左右両縁に、内側に向けて切り欠き部(17)を設ける。切り欠き部(17)は、図12・図13・図14に示すように吊り下げ用の紐(13)を引っ掛ける溝となる部分であるが、切り欠き部(17)の代わりに図15に示すように中央に掛止穴(9)を設けた突片(18a)を設けたり、図16に示すように鉤状の突片(18b)とするなど、これに代える事も可能な構造となっている。
(ヘ)上記が本発明の構成であるが、図6に示すように、必要に応じて前面シート(2)又は後面シート(3)の中央上部にU字状の切込み(8b)を設け切断片を上方へ曲折させて庇(10)とする貫通孔(6b)を貫設し、貫通孔(6b)を複数設けることにより飛翔害虫(11)が本体(1)内部に進入しやすくする事も可能な構造となっている。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図12〜図16に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぎつつ、本体(1)の断面が逆円錐状の立体を保持できるように本体(1)の形状を支える蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入する。その上で、舌片(4b)を前方に湾曲させ係止片(16a)と係止片(16b)を係止させ、舌片(4b)を天蓋状の上蓋とする。これにより本体が雨等にさらされても本体内部の誘引剤(12)に雨水が混入し誘引効果が低下することを防ぐ。さらに天蓋状になった舌片(4b)の内側に紐(13)を通し、切り欠き部(17)に紐(11)を引っ掛けることにより本体(1)を吊り下げて設置する事が可能な構造となる。また切り欠き部(17)に紐(13)を引っ掛けることにより、係止片(16a)と係止片(16b)を外し舌片(4b)を伸ばした状態でも本体(1)は吊り下げ状態を維持する。これにより本体(1)を吊下げた状態での誘引剤(12)の交換や、本体(1)の清掃などメンテナンス作業が容易に可能となる。また、図16に示すように鉤状の突片(18b)を設けた実施例の場合は、紐(13)を使用することなく、木の枝などに突片(18b)を係止させることにより本体(1)の設置が可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)・貫通孔(6b)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)や、庇(10)を設けた貫通孔(6b)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6a)・貫通孔(6b)から脱出しにくい構造となる。定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を駆除する事が可能である。一方、本体(1)を植物系生分解性プラスチックにより形成することにより自然に分解するため、山野に設置後放置しても自然環境に与える影響は少なくなる。
【実施例3】
【0011】
本発明の第3の実施の形態について図17から図20を用いて説明する。本発明の第3の実施の形態は、主に屋内への設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いた箱状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。箱状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを手提げ袋又は液体用紙パックを形成する要領で液体が漏れないよう完全封着し箱状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の箱状の本体(1)として形成する。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)前面シート(2)の中央部に水平に折り目(7a)を設け、折り目(7a)の両端を側面シート(20)の後上端まで延長し、側面シート(20)上端を三角状に分割する形に設け、折り目(7a)より上の部分を上面シート(21)とする。
(ハ)上面シート(21)の上端中央から左右斜め下方向に、逆V字上に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端と上面シート(21)上端を結ぶ折り目(7b)を設け、3つの三角状の逆支弁(5)を形成する。これにより上面シート(21)の先端に貫通孔(6)を形成することになるが、実施例1(ハ)並びに実施例2(ハ)の要領で上面シート(21)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け貫通孔(6)を貫設する構造も可能である。
(ニ)後面シート(3)の上部に掛止穴(6)を貫設する。
(ホ)側面シート(20)の両下端から折り目(7c)を逆V字状に設け、折り目(7c)の上端から側面シート(20)の上端まで側面シート(20)を前後に2分割する形に折り目(7d)を垂直に設ける。さらに折り目(7c)の上端から後面シート(3)を水平に横切りもう一方の折り目(7c)の上端を結ぶように、折目(7d)を設ける。これにより本体を紙製手提げ袋のように薄く折畳むことが可能な構造となる。尚本体を紙コップ等を収納するように複数を積重する収納を主な収納方法とする場合、(ホ)の構造は省略できる。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図18に示すように、折り目(7a)を山折りし上面シート(21)を本体(1)の内側へ折り込み、本体(1)の開口部を塞ぎ、さらに折り目(7b)を下方向へ折込み逆支弁(5)を下方向に折り込み、上面シート(21)の奥端中央に貫通孔(6c)を形成する。本発明の第3の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所に載置可能で、掛止穴(9)に紐(13)を通すか、又は直接鉤棒等に係止させるなど吊り下げ設置が可能な構造となっている。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入する。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6c)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。上面シート(21)や貫通孔(6c)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6c)から脱出しにくい構造となる。定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を駆除する事が可能である。本発明の第3の実施の形態を収納するときは、紙コップ等を収納するように複数を積重し収納することが可能な構造である。また図19、図20に示すように、本体(1)を紙製の手提げ袋を折畳む要領で薄く折畳むことも可能な構造となっている。
【実施例4】
【0012】
本発明の第4の実施の形態について図21並びに図22を用いて説明する。本発明の第4の実施の形態は、雨などにさらされる、主に屋外への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いた箱状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。箱状の本体(1)は、1枚の方形状可撓性樹脂シートを手提げ袋又は液体用紙パックを形成する要領で液体が漏れないよう完全封着し箱状に形成するか、又は、上方に開口部を設けた封着部のない一体成型の箱状の本体(1)として形成する。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)前面シート(2)の中央部に水平に折り目(7a)を設け、折り目(7a)の両端を側面シート(20)の後上端まで延長し、側面シート(20)上端を三角状に分割する形に設け、折り目(7a)より上の部分を上面シート(21)とする。
(ハ)上面シート(21)の上端中央から左右斜め下方向に、逆V字上に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端と上面シート(21)上端を結ぶ折り目(7b)を設け、3つの三角状の逆支弁(5)を形成する。これにより上面シート(21)の先端に貫通孔(6)を形成することになるが、実施例1(ハ)並びに実施例2(ハ)の要領で上面シート(21)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け貫通孔(6)を貫設する構造も可能である。
(ニ)前面シート(2)折り目(7a)の下部中央に、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8c)を設け半円状の係止片(16a)を形成する。
(ホ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の中央先端寄りに、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8d)を設け半円状の係止め片(16b)を形成する。
(ヘ)側面シート(20)の両下端から折り目(7c)を逆V字状に設け、折り目(7c)の上端から側面シート(20)の上端まで側面シート(20)を前後に2分割する形に折り目(7d)を垂直に設ける。さらに折り目(7c)の上端から後面シート(3)を水平に横切りもう一方の折り目(7c)の上端を結ぶように、折目(7e)を設ける。これにより本体を紙製手提げ袋のように薄く折畳むことが可能な構造となる。尚本体を紙コップ等を収納するように複数を積重する収納を主な収納方法とする場合、(ヘ)の構造は省略できる。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図22に示すように、折り目(7a)を山折りし上面シート(21)を本体(1)の内側へ折り込み、本体(1)の開口部を塞ぎ、さらに折り目(7b)を折込み逆支弁(5)を下方向に折り込み、上面シート(21)の奥端中央に貫通孔(6c)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入し、舌片(4b)を前方に湾曲させ係止片(16a)と係止片(16b)を係止させ、舌片(4b)を天蓋状の上蓋とする。これにより本体が雨等にさらされても本体内部の誘引剤(12)に雨水が混入し誘引効果が低下することを防ぐ。さらに天蓋状になった舌片(4b)の内側に紐(13)を通しすことにより本体(1)を吊り下げて設置する事が可能な構造となる。本発明の第4の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所に載置可能で、舌片(4b)の内側に紐(13)を通し吊り下げ設置が可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6c)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4b)並びに上面シート(21)や貫通孔(6c)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6c)から脱出しにくい構造となる。定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を駆除する事が可能である。本発明の第4の実施の形態を収納するときは、紙コップ等を収納するように複数を積重し収納することが可能な構造である。また図20に示すように、本体(1)を紙製の手提げ袋を折畳む要領で薄く折畳むことも可能な構造となっている。
【実施例5】
【0013】
本発明の第5の実施の形態について図23並びに図24を用いて説明する。本発明の第5の実施の形態は、主に屋内への設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いたコップ状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)本体(1)の一方の垂直面を前面シート(2)とし、前面シート(2)と対向する垂直面を後面シート(3)とする。前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧が向くように弓状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け、逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を貫設する。貫通孔(6a)の切込み(8a)形状は十文字に限らず、少なくはY字型の中央から3方向へ延長した切り込みで可能であり、また中央から全周方向へ延長した複数の切込み(8a)によっても形成可能である。本体(1)を透明又は半透明の素材を使用した場合も舌片(4a)は黒など、光を遮る着色を施す。
(ニ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の上側中央に掛止穴(9)を設ける。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図24に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぐ蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入し、掛止穴(9)に吊り下げ用の紐(13)を通すか、又は鉤等に掛止させ吊り下げ設置することにより、蜂や蝿等の飛翔害虫(11)を誘引する。また、本発明の第5の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所に載置可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が貫通孔(6a)から脱出しにくい構造となる。本発明は、定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を捕殺する事が可能な構造となっている。本発明の第5の実施の形態は、紙コップ等を収納するように複数を積重することが可能な構造となるため、収納収・廃棄する際も嵩張らず作業が容易となる。
【実施例6】
【0014】
本発明の第6の実施の形態について図25並びに図26を用いて説明する。本発明の第6の実施の形態は、雨などにさらされる、主に屋外への吊り下げ設置を想定した構造である。
(イ)可撓性樹脂シートを素材として、上方向に開口部の空いたコップ状の本体(1)形成する。本体(1)は防水性の紙シートを用いても構成可能であるが、本体(1)内部の状態確認のため透明又は半透明可撓性樹脂シートを用いるのが適当である。このとき本体(1)の形状を、底面(19)よりも開口部を広く形成することにより、紙コップ等を収納するように複数を積重することも可能な構造となる。
(ロ)本体(1)の一方の垂直面を前面シート(2)とし、前面シート(2)と対向する垂直面を後面シート(3)とする。前面シート(2)の上辺から上方に向けて舌片(4a)を延設し、前面シート(2)と舌片(4a)の境界に、下方に円弧を向けた半円状の折り目(7a)を設ける。
(ハ)舌片(4a)の中央に十文字に切込み(8a)を設け、切込み(8a)の先端同志を結ぶように折り目(7b)を設け、逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を貫設する。貫通孔(6a)の切込み(8a)形状は十文字に限らず、少なくはY字型の中央から3方向へ延長した切り込みで可能であり、また中央から全周方向へ延長した複数の切込み(8a)によっても形成可能である。本体(1)を透明又は半透明の素材を使用した場合も舌片(4a)は黒など、光を遮る着色を施す。
(ニ)前面シート(2)折り目(7a)下部中央に、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8c)を設け半円状の係止片(16a)を形成する。
(ホ)後面シート(3)の上辺から上方に向けて舌片(4b)を延設し、舌片(4b)の中央先端寄りに、下方に円弧を向けた半円状の切込み(8d)を設け半円状の係止め片(16b)を形成する。
本発明は以上の構成からなっている。
本発明を使用するときは、図26に示すように、弓状の折り目(7a)を山折りし舌片(4a)を本体(1)の内側へ折り込み湾曲させ、本体(1)の開口部を塞ぐ蓋とする。さらに逆支弁(5)を下方向に折り込み、舌片(4a)の中央に逆支弁(5)を有する貫通孔(6a)を形成する。ここで本体(1)内に飛翔害虫(11)を誘引するために清酒・酢・砂糖・ジュース類を適宜に混合した液状の誘引剤(12)を注入する。その上で、舌片(4b)を前方に湾曲させ係止片(16a)と係止片(16b)を係止させ、舌片(4b)を天蓋状の上蓋とする。これにより本体が雨等にさらされても本体内部の誘引剤(12)に雨水が混入し誘引効果が低下することを防ぐ。さらに天蓋状になった舌片(4b)の内側に紐(13)を通し、切り欠き部(17)に紐(11)を引っ掛けることにより本体(1)を吊り下げて設置する事が可能な構造となる。また、本発明の第6の実施の形態は水平な底面(19)を有することにより本体(1)を水平な任意の場所にも載置可能な構造となっている。誘引された飛翔害虫(11)は貫通孔(6a)より本体(1)内部に進入が可能であるが逆支弁(5)により外部に出ることが難しく、誘引剤(12)により本体(1)内部で溺死する構造となっている。舌片(4a)に光を遮る黒等の着色を施すことにより、光向性の飛翔害虫(11)が開口部(4b)から脱出しにくい構造となる。本発明は、定期的に誘引剤(12)を交換し継続的に飛翔害虫(11)を捕殺する事が可能な構造となっている。本発明の第6の実施の形態は、紙コップ等を収納するように複数を積重することが可能な構造となるため、収納収・廃棄する際も嵩張らず作業が容易となる。
【符号の説明】
【0015】
1 本体
2 前面シート
3 後面シート
4 舌片
5 逆支弁
6 貫通孔
7 折り目
8 切込み
9 掛止穴
10 庇
11 飛翔害虫
12 誘引剤
13 紐
14 水
15 切花
16 係止片
17 切り欠き部
18 突片
19 底面
20 側面シート
21 上面シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性シート材からなる上方を開口した有底封筒状の本体の前面及び背面の開口縁から上方にそれぞれ舌片を延設し、前面に延設してなる舌片を背面方向に折り畳み自在の上蓋とし、上蓋または本体に逆支弁を有する貫通孔を貫設したことを特徴とする折畳み式捕虫器。
【請求項2】
本体の前面と舌片の境界は下方に円弧が向くように弓状の折り目とし、舌片を背面側に折り畳んで上蓋を形成したとき本体の縦断面が逆円錐状の立体を保持する請求項1の折畳み式捕虫器。
【請求項3】
前面に延設する舌片の上端縁は円弧状とした請求項1または請求項2の折畳み式捕虫器。
【請求項4】
本体背面の開口縁に延設した舌片に掛止用のフック又は把持部を設けたことを特徴とする、請求項1から請求項3いずれかに該当する折畳み式捕虫器。
【請求項5】
可撓性シート材からなる箱状の本体の、請求項1から請求項4いずれかに該当する折畳み式捕虫器。
【請求項6】
可撓性シート材からなるコップ状の本体の、請求項1から請求項4いずれかに該当する折畳み式捕虫器。
【請求項1】
可撓性シート材からなる上方を開口した有底封筒状の本体の前面及び背面の開口縁から上方にそれぞれ舌片を延設し、前面に延設してなる舌片を背面方向に折り畳み自在の上蓋とし、上蓋または本体に逆支弁を有する貫通孔を貫設したことを特徴とする折畳み式捕虫器。
【請求項2】
本体の前面と舌片の境界は下方に円弧が向くように弓状の折り目とし、舌片を背面側に折り畳んで上蓋を形成したとき本体の縦断面が逆円錐状の立体を保持する請求項1の折畳み式捕虫器。
【請求項3】
前面に延設する舌片の上端縁は円弧状とした請求項1または請求項2の折畳み式捕虫器。
【請求項4】
本体背面の開口縁に延設した舌片に掛止用のフック又は把持部を設けたことを特徴とする、請求項1から請求項3いずれかに該当する折畳み式捕虫器。
【請求項5】
可撓性シート材からなる箱状の本体の、請求項1から請求項4いずれかに該当する折畳み式捕虫器。
【請求項6】
可撓性シート材からなるコップ状の本体の、請求項1から請求項4いずれかに該当する折畳み式捕虫器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−139693(P2011−139693A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15989(P2010−15989)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(506257607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(506257607)
【Fターム(参考)】
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