説明

押しボタンスイッチ

【課題】クリック感を確保しながら、薄型化を図ることができる押しボタンスイッチを提供する。
【解決手段】レバーリンク機構5の作動によって操作されるスイッチ本体2とをベース1に装備し、レバーリンク機構5を、一対のレバーリンク11と、両レバーリンク11の突合せ端部同士を連結するジョイント部材12とで構成し、レバーリン11の外端部をプランジャ4によって操作するよう構成し、スイッチ本体2に対向する操作片50を両レバーリンク11の外端部同士に亘って架設するとともに、各レバーリンク11の外端部に係止した引っ張りコイルバネ51の弾力によって両レバーリンク11の外端部を引き寄せ付勢するよう構成し、プランジャ4によるレバーリンク11の揺動操作に伴ってレバーリンク機構5がプランジャ移動方向にスナップ作動し、レバーリンク機構5の作動に伴ってプランジャ移動方向へ移動する操作片50によってスイッチ本体2を押圧操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータスイッチなどに好適に利用することのできる押しボタンスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
目的階の指定あるいはドアの開閉などを行うエレベータスイッチに利用される押しボタンスイッチとしては、押し操作時におけるクリック感を得るためにタクタイルスイッチを用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−272473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベータスイッチは、壁面に埋め込む形式と、壁面に取り付けられる壁面パネルに装着する壁掛け形式とがあり、壁掛け形式においては、操作パネルの張り出し量を小さくする上で、押しボタンスイッチをできるだけ薄型に構成することが望まれる。
【0005】
エレベータスイッチにクリック感をもたらすものに構成することで、スイッチ操作を触感として認識することができて、使い勝手に優れたものとすることができる。この場合、タクタイルスイッチはクリック感をもたらす点でエレベータスイッチとしても有用なものであるが、ドーム状に形成された可動接点を反転変形させることでクリック感を出すよう構成されているので、耐久性を高めて長寿命化を図るためには大型の可動接点を用いる必要があって薄型化が困難なものであり、壁掛け形式のエレベータスイッチとしての利用に難点がある。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、クリック感を確保しながら、薄型化を図ることができる押しボタンスイッチを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の押しボタンスイッチは、押し込み操作可能なプランジャ、プランジャに作用する復帰バネ、プランジャを平行移動させるレバーリンク機構、レバーリンク機構の作動によって操作されるスイッチ本体をベースに装備し、
前記レバーリンク機構は、前記ベースに中間支点周りに揺動可能に突合せ配置された一対のレバーリンクと、レバーリンクの突合せ端部同士を連結するジョイント部材とを備え、前記レバーリンクを前記プランジャによって操作可能とし、前記スイッチ本体に対向する操作片を両レバーリンク同士に亘って架設するとともに、各レバーリンクの遊端部に係止した引っ張りコイルバネによって両レバーリンクを引き寄せ付勢し、前記プランジャによるレバーリンクの揺動操作に伴ってレバーリンク機構がプランジャ移動方向にスナップ作動可能とし、前記レバーリンク機構の作動に伴ってプランジャ移動方向へ移動する前記操作片によって前記スイッチ本体を押圧操作することを特徴とする。
【0008】
本発明によると、両レバーリンク同士に亘って板バネを架設した場合に比べて弾性特性を安定して製作できるとともに、任意のバネ定数に設定しやすい引っ張りコイルバネで両レバーリンクを引き寄せ付勢することで、バラツキの少ない安定した特性のクリック感を得ることができる。
【0009】
(2)本発明の押しボタンスイッチの一つの実施形態では、一対の前記引っ張りコイルバネを、前記操作片と各レバーリンクの外端部に亘ってそれぞれ張設してある。
【0010】
この実施形態によると、両レバーリンクを引き寄せ付勢する所望のバネ力を一対の引っ張りコイルバネに二分するので、各引っ張りコイルバネを小型あるいは小径のものですますことができ、付勢構造の小型化に有効となる。
【0011】
(3)本発明の押しボタンスイッチの他の実施形態では、前記引っ張りコイルバネを前記操作片に形成した切欠きに入り込み収容してある。
【0012】
この実施形態によると、操作片と引っ張りコイルバネを重複してコンパクトに組み付けることができ、押しボタンスイッチの薄形化に有効となる。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明によれば、クリック感を確保しながら、薄型化を図ることができる押しボタンスイッチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1参考例の押しボタンスイッチの外観を示す斜視図である。
【図2】第1参考例の押しボタンスイッチの中心部位での縦断側面図である。
【図3】第1参考例の押しボタンスイッチの中心から偏位した部位での縦断側面図である。
【図4】第1参考例の押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【図5】レバーリンク機構の作動説明図である。
【図6】スイッチ本体の外観を示す斜視図である。
【図7】スイッチ本体のオフ状態(a)およびオン状態(b)を示す縦断側面図である。
【図8】スイッチ本体の分解斜視図である。
【図9】押しボタンスイッチ取り付け構造の一例を示す分解斜視図である。
【図10】押しボタンスイッチ取り付け状態を示す縦断側面図である。
【図11】押しボタンスイッチ取り付け構造の他の例を示す分解斜視図である。
【図12】押しボタンスイッチ取り付け状態を示す縦断側面図である。
【図13】押しボタンスイッチ取り付け構造の更に別の例を示す分解斜視図である。
【図14】押しボタンスイッチ取り付け状態を示す縦断側面図である。
【図15】第2参考例の押しボタンスイッチの外観を示す斜視図である。
【図16】第2参考例の押しボタンスイッチの中心部位での縦断側面図である。
【図17】第2参考例の押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【図18】他の取り付け仕様に構成した第2参考例の押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【図19】他の取り付け仕様に構成した第2参考例の押しボタンスイッチの外観斜視図である。
【図20】他の取り付け仕様に構成した第2参考例の押しボタンスイッチの取り付け状態を示す縦断側面図である。
【図21】本発明の第1例の押しボタンスイッチの外観を示す斜視図である。
【図22】上記第1例の押しボタンスイッチの中心部位での縦断側面図である。
【図23】上記第1例の押しボタンスイッチの外観を示す斜視図である。
【図24】上記第1例の押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、参考例および本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図4に、エレベータスイッチとして利用される押しボタンスイッチAの第1参考例が示されており、図1は全体の外観斜視図、図2および図3はその縦断側面図、図4はその分解した斜視図であり、ここでは、エレベータワゴンの内壁に装着される押しボタンスイッチが例示されている。
【0017】
押しボタンスイッチAは、ベース1にスイッチ本体2、回路基板3、スイッチ操作用のプランジャ4、プランジャ4を平行移動させるためのレバーリンク機構5、等を組み付けた基本構成を備えている。
【0018】
前記ベース1は、四周辺に低い周壁1aを立設した長方形あるいは正方形に形成されており、その内部底面に沿って回路基板3が止着されるとともに、この回路基板3の端部に搭載されたコネクタ6が、周壁1aの一部に形成された図4に示す開口部7に臨設されて、外部配線がコネクタ接続できるようになっている。
【0019】
前記回路基板3の中央開口部3aに前記スイッチ本体2が嵌め込み装着されている。後述するように、スイッチ本体2は、上面に操作突起8を備えた上下に薄いリーフスイッチが使用されており、スイッチ本体2から左右に導出された一対の板状の外部端子9,10が回路基板3の上面に形成された回路パターンにハンダ付け連結されている。
【0020】
前記レバーリンク機構5は、金属線材をコの字形に屈曲してなる一対のレバーリンク11と、これを屈折可能に突き合わせ連結する一対のジョイント部材12と、スイッチ操作用およびスナップ作動用の左右に長い板バネ13とから構成されている。両レバーリンク11,11の両端部が互いに突き合わされるように対向配置されるとともに、各レバーリンク11の両端部が内向きに屈折されて突き合わされ、突き合わされた屈折端部11a,11a同士がジョイント部材12に差し込み連結される。各レバーリンク11における外端部には、上方に突出するバネ掛け部11bが屈曲形成されている。
【0021】
板バネ13は、その長手方向中央部が山形状に屈曲されるとともに、板バネ13の両端部にカール部13aが形成されており、山形屈曲部の弾性変形によって板バネ全長が伸縮変化するとともに、両端のカール部13aが両レバーリンク11のバネ掛け部11bにそれぞれ係止されている。また、板バネ13の中央部が前記スイッチ本体の操作突起8に対向して配備される。
【0022】
このように構成されたレバーリンク機構5の各レバーリンク11は、ベース1に設けられた上部突起14と下部突起15との突合せ先端部の間に係入され、図5に示すように、その係止点を中間支点pとしてシーソー揺動可能に支持されるとともに、各レバーリンク11の外端部がプランジャ4に突設した係止部16に係入支持される。
【0023】
プランジャ4は、中央に開口17を備えた中抜き矩形形に形成されており、その下面から突設した周壁がベースの周壁1aに内嵌される。プランジャ4における開口17の周部に沿って突部18が設けられ、表面に表示マークが形成された略矩形形状の押しボタン19が前記突部18に外嵌止着されている。
【0024】
ベース1の四隅近くには半割り筒状のバネ受けボス21が突設され、ここに圧縮コイルバネからなる復帰バネ22が挿入支持され、これら復帰バネ22によってプランジャ4が上向きに押圧付勢されている。
【0025】
プランジャ4が復帰位置にある状態では、図3および図5(a)に示すように、レバーリンク機構5の両レバーリンク11は、その突合せ部位が外端部より少し低くなった谷折り姿勢にあり、この時、図2に示すように、板バネ13がスイッチ本体2の操作突起8から離れている。
【0026】
押しボタン19に押し込み操作力が加わるとプランジャ4が復帰バネ22に抗して押し込み移動し、レバーリンク機構5における両レバーリンク11の外端部が下方に変位されて、プランジャ4は平行に押し込み移動する。プランジャ4の移動に伴ってレバーリンク11は、上部突起14と下部突起15との係止点である中間支点pを中心にしてシーソー揺動し、このシーソー揺動によって両レバーリンク11のバネ掛け部11bの間隔が拡がり、板バネ13が伸長するように弾性変形され、この変形反力によって押し操作抵抗が少し大きくなる。
【0027】
レバーリンク11が引き続きシーソー揺動されて、両バネ掛け部11bが前記支点pを下方に通過したとたん、図5(b)に示すように、板バネ13の弾性復元力によってレバーリンク11の外端部同士が互いに引き寄せられ、両レバーリンク11は突合せ部位が外端部より高くなる山折り姿勢に向けて瞬時に反転付勢され、付勢方向を反転させるスナップ作動によって押し込み操作抵抗が一瞬にして軽減され、これがクリック感となって押しボタン19を操作する指に感じられる。
【0028】
レバーリンク機構5がスナップ作動して板バネ13が下方に移動し、板バネ13の中央部位でスイッチ本体2の操作突起8が押し込まれ、スイッチ本体2がオン操作される。
【0029】
押しボタン19への押し込み操作を解除すると、復帰バネ22によってプランジャ4が上方に復帰移動するとともに、これに伴ってレバーリンク11の外端部も上方に移動し、逆のスナップ作動によってレバーリンク機構5は元の姿勢に復帰するとともに、スイッチ本体2がオフ状態に復帰する。
【0030】
スイッチ本体2の詳細な構成が図6〜図8に示されている。このスイッチ本体2は、樹脂製のスイッチケース25に、板バネからなる固定接点26と可動接点27、および、可動接点27を操作するアクチュエータ28を組み込んで構成されている。
【0031】
スイッチケース25は、浅い箱状に形成された上部ケース25aと下部ケース25bとからなり、下部ケース25bの四隅に突設したカシメピン29を上部ケース25aの連結孔30に挿通してカシメ変形することで上部ケース25aと下部ケース25bとが一体連結される。固定接点26と可動接点27は連結孔31,32を介して前記カシメピン29に位置決め挿嵌された状態で、上部ケース25aと下部ケース25bとの間に内向き片持ち状に挟持固定され、固定接点26と可動接点27の遊端部が互いに間隔をもって対向配備される。固定接点26および可動接点27はケース外に突出されて前記外部端子9,10が形成される。
【0032】
前記アクチュエータ28は、その一端部に左右一対の支点突起33が設けられるとともに、その他端部外面に前記操作突起8が設けられている。支点突起33が下部ケース25bにおける左右の周壁に形成された凹部34に係入されるとともに、連結される上部ケース25aによって抜け止め支持されることで、アクチュエータ28が支点突起33を中心に揺動可能に支持される。操作突起8は上部ケース25aに形成された開口35から突出されており、この操作突起8を押し込み操作することで、図7(b)に示すように、可動接点27が弾性変形されて固定接点26に接触導通されてスイッチオン状態が現出される。
【0033】
エレベータスイッチは、エレベータワゴンの内壁や各階におけるエレベータ乗降口の外壁に装備された操作パネルに取り付けられるのであるが、この押しボタンスイッチAの取り付け構造例のいくつかが図9〜図14に示されている。
【0034】
図9および図10に示された例では、ベース1の底面に板バネ材からなる一対の取付け金具37が差し込み止着される。この取付け金具37には、くの字形に屈曲した係止爪37aが備えられており、前後に薄い中空状に構成された操作パネル38の背面パネル38bに形成した取付け孔39に前記取付け金具37の係止爪37aを圧入して弾性係止することで、押しボタンスイッチAを背面パネル38bに取り付け固定することができる。その後、配線処理などを行って前面パネル38aを取り付け、押しボタン19を前面パネル38aに形成した開口40に臨設する。
【0035】
図11および図12に示された例では、操作パネル38における背面パネル38bの背面側に配備される板状の取付け金具37が用いられる。取付け金具37からは孔付きの係止片37bが折り出し形成されており、この係止片37bを背面パネル38bから前方に貫通突出させる。スイッチ取り付けに際しては、背面パネル38bから前方に貫通突出された係止片37b群の間に押しボタンスイッチAを押し込み、ベース1の周壁外面に形成した凹部41に係止片37bを係入するとともに、凹部41に備えた突起42を係止片37bに係止することで、押しボタンスイッチAを背面パネル38bに取り付け固定することができる。その後、配線処理などを行って前面パネル38aを取り付け、押しボタン19を前面パネル38aに形成した開口40に臨設する。
【0036】
図13および図14に示された例では、ベース1の底面に板状の取付け金具37が連結固定される。この例の取付け金具37は、孔付きの係止片37cが折り出し形成されるとともに、対角位置に一対の孔付き突片37dが備えられており、この孔付き突片37dを用いて背面パネル38bに取付け金具37をネジ連結しておく。スイッチ取り付けに際しては、背面パネルから突出した係止片37c群の間に押しボタンスイッチAを押し込み、ベース1の周壁外面に形成した凹部41に係止片37cを係入するとともに、凹部41に備えた突起42を係止片37cに係止することで、押しボタンスイッチAを背面パネル38bに取り付け固定することができる。その後、配線処理などを行って前面パネル38aを取り付け、押しボタン19を前面パネル38aに形成した開口40に臨設する。
【0037】
図15〜図17に、押しボタンスイッチAの第2参考例が示されており、図15は全体の外観斜視図、図16はその縦断側面図、図17はその分解した斜視図である。
【0038】
この押しボタンスイッチAは、上記第1例と同様に、ベース1にスイッチ本体2、回路基板3、スイッチ操作用のプランジャ4、スナップ作動しながらプランジャ4を平行移動させるためのレバーリンク機構5、等を組み付けて構成されており、第1例と同一機能部品および部位には第1例と同一の符号を記して、その詳細な説明は省略する。
【0039】
この押しボタンスイッチAのベース1、スイッチ本体2、回路基板3、および、レバーリンク機構5は上記第1例と同じものが共用されており、プランジャ操作構造が第1例と異なっている。
【0040】
すなわち、プランジャ4の上面に一対の連結ピン45を介して円形の押しボタン19が連結されるとともに、ベース1にカバー46が取り付け固定され、このカバー46に形成された円筒状のガイド部46aによって押しボタン19が上下動可能に案内される。なお、カバー46には孔付きの係止片46bが突設され、この係止片46bをベース1の外周に形成した凹部41に係入し、凹部41に備えた突起42を係止片46bに係止することで、カバー46がベース1に連結固定されている。
【0041】
また、ベース1の底面には、上記した弾性係止爪式の一対の取付け金具37が装着固定され、図10に示す要領で図示されていない操作パネル38の背面パネル38bに取り付けることができる。
【0042】
この構成の押しボタンスイッチAは、以下のようにして操作パネル38の前面パネル38aに取り付けることも可能である。
【0043】
すなわち、図18〜図20に示すように、前記カバー46に代えて取付け用フランジ48がベース1に連結固定され、この取付け用フランジ48に備えられた円筒状のガイド部48aによって押しボタン19が上下動可能に案内される。
【0044】
取り付け用フランジ48は、ベース1の外形から張り出す大きさに形成されており、図20に示すように、操作パネル38の前面パネル38aを取付け用フランジ48とベース1とで挟んで連結することで押しボタンスイッチAを前面パネルに取り付け固定することができる。なお、取付け用フランジ48には孔付きの係止片48bが突設され、この係止片48bをベース1の外周に形成した凹部41に係入し、凹部41に備えた突起42を係止片48bに係止することで、取付け用フランジ48をベース1に連結することができる。
【0045】
図21〜図24に、本発明の押しボタンスイッチAの第1例が示されており、図21は全体の外観斜視図、図22はその縦断側面図、図23はその要部の斜視図、図24は全体の分解斜視図である。
【0046】
この押しボタンスイッチAは、上記第2参考例と同様に、ベース1にスイッチ本体2、回路基板3、スイッチ操作用のプランジャ4、スナップ作動しながらプランジャ4を平行移動させるためのレバーリンク機構5、カバー46、押しボタン19、等を組み付けて構成されており、第2参考例と同一機能部品および部位には第2参考例と同一の符号を記して、その詳細な説明は省略する。
【0047】
この押しボタンスイッチAはプランジャ操作構造および回路基板3の組み付け仕様が第1参考例および第2参考例と異なっている。
【0048】
すなわち、この例においては、前記スイッチ本体2を押圧操作する操作片50が、レバーリンク機構5における各レバーリンク11の外端部に亘って係止装着されるとともに、この操作片50と各レバーリンク11の外端部に亘って引っ張りコイルバネ51が張設されて、両レバーリンク11が引き寄せ付勢されている。
【0049】
前記操作片50は厚板金属材を打抜き加工して横長形状に構成され、その両端部に形成された屈曲部50aが各レバーリンク11の外端部に上方から係止される。操作片50の左右部位には切欠き52が形成され、ここに前記引っ張りコイルバネ51が入り込み収容される。操作片50の左右中央部位には操作舌片50bが片持ち状に切り出し形成されてスイッチ本体2の操作突起8に上方から対向されている。
【0050】
スイッチ本体2は、先例と同様にリーフスイッチが使用されており、スイッチ本体2から導出された一対の板状の外部端子9,10が回路基板3の上面に形成された回路パターンにハンダ付け連結されている。
【0051】
回路基板3はベース1の下方から装着連結され、回路基板3上の装着されたスイッチ本体2はベース1の中央に形成された開口53を通してベース内に配備される。回路基板3の背面には上記した弾性係止爪式の一対の取付け金具37が装着固定され、図10に示す要領で図示されていない操作パネル38の背面パネル38bに取り付けることができる。回路基板3の背面には防塵シール54が貼付けられて、内部へのゴミの侵入が防止される。
【0052】
(他の実施例) 本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0053】
(1)スイッチ本体2は、薄型化の容易なリーフスイッチを用いることが望ましいが、クリック感のない他の仕様のスイッチを利用して実施することも可能である。
【0054】
(2)プランジャ4に押しボタン19を一体形成することも可能である。
【0055】
(3)各種仕様に応じて、複数種の押しボタン19およびプランジャ4を、予め準備し、任意に選択した押しボタン19および4に対して、スイッチ本体2、回路基板3、板バネ13、および、レバーリンク機構5を共用して組込むことで、一層多種類の仕様で押しボタンスイッチAを構成してニーズに対応することができる。
【0056】
(4)レバーリンク機構5をスナップ作動させる引っ張りコイルバネを両レバーリンク11の外端部に亘って張設して実施することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、各種の押しボタンスイッチとして有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 ベース
2 スイッチ本体
4 プランジャ
5 レバーリンク機構
11 レバーリンク
12 ジョイント部材
13 板バネ
37 取付け金具
46 カバー
48 取付け用フランジ
50 操作片
51 引っ張りコイルバネ
52 切欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押し込み操作可能なプランジャ、プランジャに作用する復帰バネ、プランジャを平行移動させるレバーリンク機構、レバーリンク機構の作動によって操作されるスイッチ本体をベースに装備し、
前記レバーリンク機構は、前記ベースに中間支点周りに揺動可能に突合せ配置された一対のレバーリンクと、レバーリンクの突合せ端部同士を連結するジョイント部材とを備え、前記レバーリンクを前記プランジャによって操作可能とし、
前記スイッチ本体に対向する操作片を両レバーリンク同士に亘って架設するとともに、各レバーリンクの外端部に係止した引っ張りコイルバネによって両レバーリンクを引き寄せ付勢し、前記プランジャによるレバーリンクの揺動操作に伴ってレバーリンク機構がプランジャ移動方向にスナップ作動可能とし、
前記レバーリンク機構の作動に伴ってプランジャ移動方向へ移動する前記操作片によって前記スイッチ本体を押圧操作することを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項2】
一対の前記引っ張りコイルバネを、前記操作片と各レバーリンクの外端部に亘ってそれぞれ張設してある請求項1記載の押しボタンスイッチ。
【請求項3】
前記引っ張りコイルバネを前記操作片に形成した切欠きに入り込み収容してある請求項1または2に記載の押しボタンスイッチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−74393(P2012−74393A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260484(P2011−260484)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【分割の表示】特願2007−116832(P2007−116832)の分割
【原出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】