説明

抽出プロダクトをポーションパッケージから取り出すための装置、穿刺装置、および抽出装置

本発明の一局面に従い、取り出し装置(1)は、カプセルの表面領域に当たる支持表面と、前記支持表面から突出する少なくとも1つの穿孔エレメント(3)とを備える。スクリーンエレメントが支持表面に設けられ、抽出プロダクトが取り出される複数のスクリーン穿孔を含む。前記抽出プロダクトは、穿孔エレメントによって形成された開口のうちの1つを通って、カプセルから出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルに含まれるたとえば粉コーヒーのような抽出材から飲み物などを用意するための抽出装置に関する。本発明は、特に、カプセルから抽出プロダクトを取り出すための取り出し装置、ポーションパックを穿刺するための穿刺装置、およびこの種の取り出し装置および/または穿刺装置を有する抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、コーヒーまたはエスプレッソのマシンのように、ポーションパックに含まれる抽出材から飲み物などを用意するための抽出装置は知られており、ますます広がっている。多くの対応するシステムにおいて、ポーションパックは抽出材がたとえば気密封止された態様で封入されているカプセルの形を取る。抽出のために、カプセルは両側から穿刺される。抽出液、一般には熱湯が、第1の側から入れられる。抽出プロダクトは、カプセルの第2の側から取り出される。用意する飲み物およびシステムに依存して、かなりの圧力、たとえば5〜20バールの圧力が、この処理の際にカプセルの内部にあり、穿刺および取り出し機構に厳しい基準が求められる。
【0003】
注入側では水がカプセル内に入れられ、抽出側ではカプセルが最初はそのままの状態にあるカプセルシステムは、第1の状況において対応するシステムとして開示されている。入れられる水の圧力下で、カプセルの抽出側の境界はたとえば畝のある構造体に押さえつけられ、その工程の際、大きな応力を受けると破れて、抽出プロダクトはカプセルから流出する。この種のシステムは、わずかにしか塑性的に膨張しない材料でのみ操作することができ、その制限応力耐荷重は材料がカプセルの内部圧によってリブなどに押さえつけられると到達する。今までは、この種の材料としてはアルミニウムしか用いることができなかった。この種のシステムの例は、EP0521188やUS5,897,899に開示されている。
【0004】
カプセルが抽出側の穿孔先端によって穴が開けられているシステムも開示されており、カプセルはたとえば醸造チャンバ内において位置付けられ、醸造処理を開始する前に穴が開けられる。この種のシステムでは、抽出プロダクトは穿孔スパイクを通過し、コーヒーの粉はカプセル内に残る。この種のシステムのカプセルの壁はプラスチック、たとえばポリプロピレンからなり、酸素気密バリア層を有する。このような場合、穿孔先端はこの種の材料が破れる際の非常に長い伸長に鑑み、非常に鋭くなければならない。このようなプラスチックカプセルの穿刺は容易ではない。
【0005】
WO2008/023057は穿孔先端を用いてポーションパックを穿刺するための対応する手段を記載しており、各穿孔先端の面は穿孔方向に傾斜しており、穿孔篩構造の開口を有する。これらの手段の目的は、導通特性を向上させることである。しかし、その複雑な製造方法は不利点となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
EP1783066およびWO95/25457の各々は、多くの穿孔先端を有する取り出し装置を記載し、各穿孔先端は通過開口または通過チャネルを有する。これらの文献における取り出し装置は「フィルタプレート」と呼ばれているが、通過開口はそれぞれの穿孔先端に設けられており、カプセルの外に配置される板状エレメントにはない。この種の取り出し装置の通過開口は、特定の最小径、たとえば約400μmを有するので、十分な液体が十分に確実な態様で、妨げられることなく、通過することができる。しかし、このサイズでは、開口のフィルタリングの効果は限定されており、それゆえコーヒーの粉の微細な粒子(または他の抽出材の残留物)が飲み物に入ってしまう。これ以外に、抽出材は粒径の規則性について非常に高い要件を満たし、これによりさらなる費用がかかることになる。本発明の目的は、抽出装置用の取り出し装置および穿刺装置、ならびに対応する抽出装置であって、先行技術の不利点を克服し、優れた導通特性を有し、製造するのが容易な装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本目的は、特許請求の範囲の請求項に記載されている本発明によって達成される。
本発明の第1の局面に従い、取り出し装置が設けられ、カプセルの表面領域を支える支持表面と、この支持表面から突出する少なくとも1つの穿孔エレメントを備える。支持表面は篩エレメントを有する篩サポートによって規定される。篩サポートは、篩エレメントによって覆われる少なくとも1つの通過開口を含む。篩エレメントは多数の穿孔を含み、その穿孔を通って抽出プロダクトが取り出可能であり、前記抽出プロダクトは、穿孔エレメントによって形成される開口を通ってカプセルから出る。
【0008】
穿孔エレメントは支持表面から内側方向、すなわちカプセルに対して内部の方向に突出する。本明細書において、「内側」および「外側」は一般にカプセルに対応する方向である。
【0009】
支持表面は、穿孔処理および醸造処理の際の外側方向へのカプセルの境界面をなす。カプセルが圧力を受けている場合でも、カプセルのどの部分も、処理の際に支持表面によって規定される面よりも外側にはならない。支持表面が平らであるというのは、カプセル壁がたとえばポリプロピレンからなり、さらにたとえば0.3mmの壁厚さを有するカプセルが、十分な力で支持表面に対して押さえつけられると(この時点で、穿孔先端によって穿孔される)、支持表面に沿って平坦となる意味である。カプセル内において静水圧は、穿刺または平坦な位置付けのどちらにも必要ない。
【0010】
篩エレメントは、たとえば微細穿刺膜またはホイルの形を取り得る。
ベースエレメント(たとえば、篩エレメントを有する篩サポートによって形成される醸造篩プレート)によって規定される支持表面は、支持面であり得る。しかし、複数の支持面からなることができ、または曲げることができる。本発明の動作態様は、支持表面の形に依存しない。
【0011】
本アプローチは特に簡単な構成を可能にする。たとえば、支持表面は、部分的に平坦である篩サポートによって形成することができ、相対的に(篩穿孔と比べて)大きい通過開口を有することができる。微細穿孔(微細穿孔膜またはホイル)を有する既知の種類の篩は、この篩サポート上に平らに取付けることができる。上記穿孔は、篩が一つの通過開口にわたって引延ばされている場所において篩内において微細穿孔によって形成される。すべての通過開口または少なくとも一部の通過開口は、好ましくは穿孔エレメントの領域に位置付けられる。この篩支持技術自体は商業用のコーヒーマシンでは知られているが、全く異なる要件で相補的な技術に属するので、封入された抽出材から飲み物を用意するコーヒーマシンで用いることは今まで考えられなかった。
【0012】
穿孔エレメントはプラスチックの壁、たとえばカプセルのポリプロピレン壁であって、0.2mmおよび0.4mmの間、特に0.3mmの厚さの壁を穿孔するよう好ましくは設計されている。この特性および壁厚さを有する材料は非常に硬く、穿孔先端および/または穿孔エッジに対して類似の需要がある。対応する鋭い穿孔先端を含むエレメントが特に適する。したがって、穿孔エレメントは、ポリプロピレンからなりかつある壁厚さを有するカプセル本体が、取り出し装置に対して押さえつけられ、カプセルが穿孔エレメントの横にある支持面に対して平らになるまで押さえつけられるときに穿孔されるよう設計されるべきである。これらの条件は、好ましくは以下に記載されるインジェクタ装置にも適用される。
【0013】
穿孔エレメントは、穿孔エレメントの軸方向(ここで、軸方向は支持表面に対して垂直な方向を意味する)に延びる通過チャネルがない。前記穿孔エレメントは単にカプセルに穴を開ける働きをし、一方側の抽出プロダクトと他方側の粉は実際には醸造篩によって分離される。醸造篩に対して押されるコーヒーの粉は、完全自動のコーヒーマシンで既知であるよう、圧縮することができる。穿孔エレメント自体は相対的に簡単な、スロットがない、かつ開口のない圧縮エレメントであり得る。たとえば、本発明の第2の局面に従い、金属板の形を取り得る。
【0014】
これに対して、通過開口およびそれとともに、一方の抽出プロダクトと他方の粉との間の分離場所は、篩サポートまたは篩エレメントに設けられ、それゆえ支持表面に配置される。
【0015】
「篩エレメント」の用語は、抽出プロダクトは通過することができるが抽出材は保持されるような大きさの穿孔を有するエレメントを指す。粉コーヒーの場合、篩効果は、約0.3〜0.4mmまでの穿孔の大きさによって得られる。穿孔の大きさは、好ましくは微細な抽出材の粉をも保持するものである。穿孔の好ましい直径範囲は0.1mmおよび0.3mmの間、特に好ましくは0.15および0.25の間にあることがわかった。穿孔は円筒形であってもよい。しかし、前記穿孔はカプセルの方向において減少する直径を有する円錐体でもあり得る。ここでは、上記の直径範囲は、篩エレメントのカプセル側の表面で測定される直径に関連する。
【0016】
支持表面上の突出において、穿孔エレメントは好ましくは凸状以外の形であり、穿孔エレメントは支持表面の一部を制限する。
【0017】
本発明の第2の局面に従い、穿刺装置が設けられる。前記穿刺装置は取り出し装置、たとえば本発明の第1の局面の形、または抽出液を導入するためのインジェクタ装置の形を取り得る。穿刺装置は、カプセルの表面領域を支える支持表面と、この支持表面から突出する少なくとも1つの穿孔エレメントを含む。この少なくとも1つの穿孔エレメントは支持表面からたとえばほぼ垂直の態様で突出する金属板を含む。金属板は曲げられ、ねじられ(たとえば折り曲げられ)、または互いに対してある角度で位置付けられている複数の金属板片からなる。
【0018】
穿孔エレメントのこれらの特性は、穿孔エレメントが簡単な態様で製造できるという重要な利点を有する。支持表面をなすサポートから少なくとも部分的に分けられた部分として製造されると、穿孔エレメントは前記サポートに容易に固定することができる。固定動作は、たとえばベースエレメントの対応する開口内において係合する、穿孔エレメントの固定ラグによって行なうことができ、ベース本体に対してたとえば溶接、接着結合、またははんだ付けによって固定される。穿孔エレメントは少なくとも部分的にサポートと一体的に形成することができ、たとえば前記サポートから離れる方向に折り曲げられる部分によって形成できる。
【0019】
さらに、曲げられた金属板片からなる、または互いに対してある角度で位置付けられる複数のシート金属片からなる形状は自己支持される。すなわち、その力学的安定性は、0.05mmおよび0.6mmの間であり得る所与の金属板厚さに対して、支持表面から突出する1枚の金属板ストリップの安定性よりもはるかに高い。
【0020】
製造するのが容易であるということにも関わらず、本発明に従うアプローチによる穿孔エレメントは、エッジおよび/または先端の適切な成形が与えられると、有効な穿刺および適切な通過特性を提供する。
【0021】
曲げられたまたは折り畳まれた金属板としての、または互いに対してある角度で位置付けられる複数の金属板片からなるコンポーネントとしての穿孔エレメントの構成により、穿孔エレメントは支持表面の少なくとも一部を境界し、前記部分は穿孔エレメントによって部分的に取囲まれる。抽出液または抽出プロダクト用の単一もしくは複数個の供給もしくは取り出し開口は、前記部分に設けられる、または前記部分内に突出する。本発明の第2の局面が第1の局面と組合せられると、篩面は好ましくは境界された部分の領域において少なくとも部分的に位置付けられる。
【0022】
金属板は好ましくは一定の幅(支持表面上の穿孔エレメントの高さに対応)を含むのではなく、穿孔エレメントが穿孔先端を形成させるような幅プロファイルを含む。この穿孔先端は、たとえば穿孔エレメントのほぼ対称な面に位置付けることができる。
【0023】
先端をテーパー状にすることに加えて、または代替的に、金属板は支持表面から突出するエッジにおいて尖らせることができ、前記エッジは穿孔エッジまたは切断エッジをなす。
【0024】
一実施例に従い、穿孔エレメントはたとえば型押しまたはレーザ切断によっておよびあとの成形により製造することができる統合金属板を含み、折れ線に沿って折られ、互いに対してある角度をなす2つの平坦な部分を有する。2つの部分の幅は折れ線の方向に延びるので、先端が形成される。穿孔エレメントが面に対して対称であるのなら、金属板は折り曲げの前に、鏡像的対称性を有する六角形または八角形の形を取り得る。
【0025】
保持ウェブおよび穿孔エレメントの形に関する以下の記載は、本発明の両方の局面に関する。すなわち、対応する利点の特徴は、第1の局面に従い、第2の局面に従い、および両方の局面に従い、装置に設けることができる。
【0026】
特に好ましい実施例に従い、穿孔エレメントまたは穿孔エレメントの少なくとも1つは、少なくとも1つの保持ウェブを含む。保持ウェブは、切断エッジをなす穿孔エレメントの部分(「穿孔エッジ部」)のすぐ近くに配置され、この部分と同様に、抽出処理の際にはカプセルによって占められる空間の方向に支持表面から突出する。しかし、カプセルの方向にある1つのエッジは切断用ではない。すなわち、カプセルの壁を貫通するほど、または少なくとも部分的に貫通するほど十分に尖っていない。保持ウェブは、少なくともエッジが非切断であるところでは、穿孔エッジよりも高さが低く、たとえば穿孔エッジ部に当接する。好ましい実施例に従い、穿孔エレメントによって境界される表面は、通過開口の表面に対して、すなわち取り出し装置において(たとえば、格子状に配置された)穴が設けられている表面に対して、少なくとも部分的に対応する。特に好ましくは、穿孔エレメントの穿孔エッジ部のみが既に表面を境界するよう、穿孔エレメントが形成される。すなわち、カプセルの穿孔エッジ部と結合する部分は、折り曲げられた態様で延在する、または互いに対してある角度で配置される複数の部分を含む。保持ウェブは、穿孔エッジ部によって境界される表面の内部において少なくとも部分的に延在する。
【0027】
取り出し装置端部において、保持ウェブは穴が開けられたカプセルの壁(カプセル膜またはホイル)が、カプセルの内部にある圧力により、醸造処理(抽出処理)の際に篩面に対して押さえつけられるのを防ぎ、その結果篩面を通る抽出プロダクトの通過を防止することができる。前記保持ウェブはプラスチック、たとえばポリプロピレンからなるカプセル壁と合わせて特に適切である。アルミニウムホイルと比べて、プラスチックは通常伸張可能および弾性であり、それにより保持ウェブはたとえば支持面から突出する金属板の形を取ることができる。なぜなら、この種のエッジは、特に尖らせない場合対応する改善がなされたカプセル壁を容易に剪断しないからである。しかし、保持ウェブは、穿孔エッジ部の穿孔効果を強化するために、鋭い先端または鋭いエッジ部を含むことができる。
【0028】
保持ウェブは同様にインジェクタ装置に設けることができる。保持ウェブは、穿孔エッジの開口効果を付加的に強化する。一般的に、少なくとも1つの保持ウェブを取り出し装置に、インジェクタ装置に、または両方の装置に設けることができる。
【0029】
一例として、穿孔は上記のように、穿孔エレメントによって境界される表面の領域に少なくとも設けられる。
【0030】
保持ウェブは穿孔エッジ部と当接し、前記穿孔エッジ部に対してある角度をなす。
取り出し装置の好ましい実施例に従い、保持ウェブは穿孔を有する領域上に少なくとも部分的に延在するように、すなわち通過開口を横切るよう配置される。
【0031】
穿孔エレメントは互いに対してある角度をなす少なくとも2つの金属板部を含むことができ、その共通エッジの方向に延在する幅を有する。代替的に、穿孔エレメントは、支持表面に突出する領域において、円の不完全な円弧の形を有し、その先を尖らせる、すなわち、先端が切り落とされた管の形を取ることができる。保持ウェブまたは穿孔エッジを形成し得るさらなる部分は、角度によってまたは円の円弧によって境界される表面の内部に延在し、任意にそこから突出することができる。この部分は平坦である、または折り曲げられ/角度がつけられ、および任意に複数の部分を含むことができる。
【0032】
特定の実施例に従い、切断エッジ部および保持ウェブを有する穿孔エレメントは1つの部分から、たとえば傾斜のついたおよび切断エッジを形成する先端が切り落とされた金属パイプエレメントから作成することができる。同時に、金属パイプエレメントの切断エッジは、穿孔エレメントの切断エッジを形成する。切断エッジ下の金属パイプエレメントの部分的1片は、保持ウェブを形成するよう、内側に折り曲げられる。
【0033】
特定のさらなる実施例に従い、保持ウェブは切断エッジ部分以外の材料からなり得る。この実施例において、保持ウェブは、穿孔エレメントと別個の部分であるとも考えられる。
【0034】
特に、醸造篩またはインジェクタプレートはウェブ開口を含むことができる。保持ウェブは支持本体に一体的に形成される、たとえば注入成形プラスチックからなり、外側からウェブ開口を通って内側に突出する。これらの実施例は、保持ウェブを製造するのにさらなる材料および組立費用がかからないという利点を有する。プラスチック本体の製造コストは、付加的な小さな突出部(保持ウェブを形成)が設けられるか否かについて文字通り切り離されており、独立した固定処理は保持ウェブに必要ない。
【0035】
本発明は同様に抽出装置、たとえばコーヒーマシンであって、上記の種類の取り出し装置および/またはインジェクタ装置を含む抽出装置に関する。装置のさらなるエレメント、たとえば抽出装置の醸造液体準備手段、醸造モジュール、分配ユニット、ハウジングなどは、先行技術から既知の態様で形成することができ、本発明の主題ではないので、ここではより詳細には説明されない。この種の装置は、当業者にとって周知である。当業者ならこの種の装置を構成する方法を、たとえばWO2008/023057に見ることができる。
【0036】
本発明の例示的実施例は図面を参照して以下に説明される。図面において、同じ参照符号は同じまたは同様のエレメントを示す。図面は尺度どおりには描かれておらず、示されるエレメントは互いに部分的に対応するとしても、図面ごとにその大きさは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に従う穿刺および取り出し装置の例示的実施例を示す図である。
【図2】図1の装置の篩膜またはホイルを示す図である。
【図3】図2の詳細を示す図である。
【図4】図1の装置の篩サポートを示す図である。
【図5】本発明の穿刺および取り出し装置のさらなる例示的実施例を示す図である。
【図6】本発明の穿刺および取り出し装置のさらなる例示的実施例を示す図である。
【図7】本発明の穿刺および取り出し装置のさらなる例示的実施例を示す図である。
【図8】本発明の穿刺および取り出し装置のさらなる例示的実施例を示す図である。
【図9】図5、図7および図8に示される種類の穿刺および取り出し装置の穿孔エレメントを形成するための異なるブランクを示す図である。
【図10】図5、図7および図8に示される種類の穿刺および取り出し装置の穿孔エレメントを形成するための異なるブランクを示す図である。
【図11】図5、図7および図8に示される種類の穿刺および取り出し装置の保持ウェブを形成するためのブランクを示す図である。
【図12a】支持表面への突出部におけるさまざまな穿孔エレメントを概略的に示す図である。
【図12b】支持表面への突出部におけるさまざまな穿孔エレメントを概略的に示す図である。
【図12c】支持表面への突出部におけるさまざまな穿孔エレメントを概略的に示す図である。
【図12d】支持表面への突出部におけるさまざまな穿孔エレメントを概略的に示す図である。
【図13】インジェクタ装置の形をとる穿刺装置を示す図である。
【図14】インジェクタ装置の形をとる穿刺装置を示す図である。
【図15】インジェクタ装置の形をとる穿刺装置を示す図である。
【図16】本発明のさらなる実施例に従い、(篩エレメントがない)取り出し装置を示す図である。
【図17】本発明のさらなる実施例に従い、インジェクタ装置を示す図である。
【図18a】穿孔エレメントのさらなる実施例を示す図である。
【図18b】穿孔エレメントのさらなる実施例を示す図である。
【図19】さらなる取り出し装置を示す図である。
【図20】さらなる取り出し装置を示す図である。
【図21】さらなる取り出し装置を示す図である。
【図22】さらなるインジェクタ装置を示す図である。
【図23】さらなるインジェクタ装置を示す図である。
【図24】さらなるインジェクタ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1に示される取り出し装置1は、複数の穿孔エレメント3を有する醸造篩プレート2の形を取る。醸造篩プレートは、上面側、すなわちカプセルの方向に取付けられる微細穿孔篩を有する篩サポートから作成され、これは以下でより詳細に説明される。この醸造篩プレートは、中央に位置付けおよび中央付け穴5を有する。図1において上面にある醸造篩プレート2の表面は、カプセルの当接面として働く。
【0039】
図示される実施例において、各穿孔エレメントは、エッジ部6および保持ウェブ4を有する。
【0040】
穿孔エッジ部6は斜めに切り落とされた金属パイプ片の形を取る。すなわち、(穿孔エレメントの高さに対応して)一定ではない幅を有する円筒形に曲げられた板金属壁の形を取る。板金属壁の厚さは、好ましくは0.15mmおよび0.5mmの間、たとえば0.2mmおよび0.3mmの間にある。板金属材はステンレススチールであってもよい。
【0041】
板金属壁は当接面に対して垂直、すなわち穿孔方向に対して平行である。カプセル側端部において、パイプ片は領域3.1を有し、これは穿孔エッジの方向において厚さがテーパー状である。穿孔方向において最も高い穿孔エレメントの点は、ここでは穿孔先端3.2と呼ばれる。穿孔エレメントは鏡像的に対称であり、対称面は穿孔先端を通る。
【0042】
図示されている例では、4つの穿孔エレメント3が設けられている。これらの穿孔エレメントは、醸造篩プレートの中心に対して等間隔で配置される。一般的には、規則的および不規則的な間隔で配置される穿孔エレメントの数は任意であり、穿孔エレメントの数は好ましくは1および6個の間にある。
【0043】
各穿孔エレメント3はウェブ4(保持ウェブ)を有し、これも同様に穿孔方向に対して実質的に平行に延在し、それゆえ支持面に対して垂直である板金属壁の形を実質的に取る。しかし、穿孔エッジ部と比べて、これらのウェブは穿孔エッジまたは先端を有さない。その代わりに、ウェブ4のエッジは、カプセル材が醸造処理の際にある圧力でウェブによって切断または貫通されないよう、カプセル材と対応するよう形成されている。ウェブ4はそれぞれ対応する穿孔エッジ部に当接する。しかし、ウェブは穿孔エッジ部に対してずれている、すなわちウェブの高さは、穿孔方向に対してより低い。その高さは、穿孔エレメントから離れるに従い、低くなっている。
【0044】
ウェブは穿孔エレメントの内部で部分的に延在する。すなわちそれぞれの板金属壁によって境界される領域の内部で延在する。
【0045】
醸造処理の際、ウェブはカプセル壁が篩面に対して完全に押さえつけられることを防ぐ機能を有する。カプセル壁は醸造処理の際、テントのような態様で、ウェブ上に位置付けられる。さらに、保持ウェブは、カプセル壁で保持される粒子によって、醸造処理の際大量の粒子が醸造篩に到達するのを防ぐ働きがある。
【0046】
醸造篩プレートは、篩サポート23と、この篩サポート上に装着される篩膜またはホイル21を含み、これは図2および図4においてより明確に示される。篩膜またはホイル21はそれ自体知られている篩膜またはホイルの態様で形成される。たとえば、ステンレススチールからなり、たとえば0.05〜0.1mmの厚さを有するホイルとして、接着結合、溶接、はんだ付けまたは他の既知の技術によって、篩サポートに固定される。篩膜またはホイルの穿孔22の大きさは、好ましくは0.1mmおよび0.3mmの間、特に好ましくは0.15mmおよび0.25mmの間(最も狭い点におけるほぼ円形の穴の直径)である。図3に示されるように、穿孔22はわずかに円錐形のプロファイルを含むことができる。この種の少し円錐形のプロファイルは、篩膜またはホイルの製造の際に形成され、これはエッチング法において微細穿孔膜またはホイルとして知られている。篩膜またはホイルは、最も狭い点が上面側、すなわちカプセル側にあるよう、篩サポート上に好ましくは固定される。これにより抽出プロダクトの粒子が穿孔内に堆積するのを防ぐ。抽出プロダクトの流れる方向は、図3において矢印によって示される。
【0047】
微細穿孔膜またはホイルの製造方法で可能であるのなら、穿孔は図示されているものではなく、円筒形であり得る。
【0048】
篩サポート23は金属板の形を取り、これはたとえば同様にステンレススチールからなり、その厚さはたとえば0.2mmおよび2mmの間にある。前記篩サポートは複数の通過開口25を含み、そこを通って抽出プロダクトは穿孔から届く方向に取り出される。通過エレメントから来る抽出プロダクトを通過させるための取り出し配置は、先行技術において周知であり、ここでは記載されない。
【0049】
通過開口25は、篩サポート面上でさまざまな態様で配置できる。しかし、通過開口は、少なくとも穿孔エレメント3およびウェブ4があるところに設けられる。たとえば、図1に示される種類の穿孔エレメント3は、支持サポートの対応する通過開口の直径よりもわずかに大きい内径を有することができ、その対応する通過開口とほぼ同軸に配置されてその境界を定めることができる。ウェブは通過開口を横切って延在する。醸造処理の際に、カプセル膜またはホイルによって形成されるテント状構造は、理想的には通過開口上に位置付けられる。
【0050】
対応する穿孔エレメントを有さない通過開口は、抽出プロダクトを取り出す際には、強いフローで取り出す働きがあり、穿孔エレメントと対応する通過開口は、特定の状況下で、全体のフローに係わらず、抽出プロダクトは設けられているいずれかの通過開口を通って出力されて、たとえば共通の取り出しラインを通って取り出される。
【0051】
篩膜またはホイルは、好ましくは上面側、すなわちカプセル側の篩サポート上に取付けられる。これにより、通過開口25の汚れ、および篩サポートと篩膜またはホイルとの間の接続における力学的荷重の問題を減少させる。
【0052】
図5に示される取り出し装置1が図1から図4に示されるものと異なるのは、穿孔エレメント3の形状である。穿孔エッジ部6は、後ろエッジ3.3に沿って捻られている態様の金属板で形成される。さらに、板金属壁は支持表面に対して正確には垂直ではなく、穿孔方向からわずかに傾斜、具体的には内側に、すなわち板金属壁によって境界される領域の方向に傾斜している。傾斜角度は好ましくは0°および10°の間、たとえば2°および5°の間にある。
【0053】
図5に示される態様の穿孔エレメントの構成は、好都合である。なぜなら、第1に非常に特徴的でありながら力学的に非常に安定している穿孔先端3.2がこの態様に作成できるからである。力学的安定性は、穿孔先端に先細りとなる後ろエッジ3.3によって得られる。第2に、製造面における利点もあるからである。これは以下においてより詳細に説明される。
【0054】
図5に従う実施例のウェブ4は、構成および機能の面において、図1のものと対応することができる。すなわち、図5に関連した記載は、この観点において図5にも当てはまる。示される変形では、2つの実施例のウェブ4が異なるのは、図1のウェブ4の幅は穿孔エッジ部から離れている端部の方向に広がる、すなわち全体として直角三角形の形を取るのに対して、図5のウェブ4は正方形の基本形状を有することである。しかし、ウェブの正確な構造の点において設計に自由度がある。特に、取り出し装置は、たとえば図1および図5のウェブを入れ替えても機能する。ウェブの他の形状も容易である。たとえば、全体的に矩形の形状であって、角が丸められるまたは面取りされるなどが可能である。
【0055】
図6および図7の取り出し装置1は、それぞれ図1および図5のものに対応する。しかし、醸造篩プレート2の形状が異なる。前記醸造篩プレートは正方形である。したがって、通常の回転可能な対称的形と異なる形状を有し、たとえば立方体もしくは立方形、または矩形の断面を有する領域を通るカプセルに適する。
【0056】
より一般的に、本発明はカプセルの形状に依存するのではなく、どの種類のカプセルに対しても、特に自己フィルタ装置を有さないカプセルに対しても用いることができる。したがって、醸造篩プレートの外形として他のもの、たとえば矩形、六角形、楕円形などの外形も可能である。さらに、支持面が、実質的に平坦な醸造篩プレートによって形成される必要はない。曲げられたまたは捻られた構成を有する基本エレメント、またはエッジ2.1もしくは角に延在する構成の基本エレメントも容易であり、これらは図8に示されるように、対応する平坦ではない支持表面や一部においてのみ平坦である支持表面を規定する。したがって、穿孔エレメント3は、示される実施例のように、互いに平行またはほぼ平行な方向に突出する必要はなく、支持表面に従い異なる方向に突出することができる。しかし、穿孔エレメントが穿孔方向に対して実質的に平行である(すなわち、穿孔方向に対して、たとえば10°以下の角度でわずかに傾斜している)実施例が好ましい。
【0057】
図9はブランク31を示し、これは図5または図7の実施例に示される、または以下の図14に従って示される穿孔エッジ部を形成するために、打抜かれた部分またはレーザ切断によって形成された板金属部である。打抜かれた部分の基本形状はある点31.2に先細りとなり、これは前記打抜かれた部分が折れ線31.3に沿って折られたあと、穿孔先端3.2となる(対応する成形方法、たとえば折り曲げ成形または深絞り成形が既知である)。穿孔エッジを形成する領域31.1であって、厚さにおいて外側に先細りとなる領域も同様に示される。
【0058】
これらの特徴に加えて、ブランク31は複数の突出固定ラグ31.4を有し、これらのラグは、前記ブランクが醸造篩プレート(または、以下で説明される実施例におけるインジェクタプレート)に固定された場合に、醸造篩プレート(またはインジェクタプレート)の対応する穴と係合する。固定ラグは醸造篩プレートの下側において、すなわちカプセルから反れている醸造篩プレート側において、醸造篩プレートまたはインジェクタプレートに溶接することができる。これは全体として、既知の板金属成形技術を用いて、穿孔エレメント用として非常に簡単およびそれにより費用効果の高い製造および固定方法がもたらされることになる。簡単であっても、互いに対してほぼ直角に折り曲げられている領域を有する選択された、自己強化設計のおかげで、穿孔の力学的安定性および有効性は非常に優れている。
【0059】
図9のブランク31を用いることにより、直角に、すなわち穿孔方向に対して平行に、支持表面から突出する穿孔エレメントがもたらされる。図5および図7に示されるようなわずかな傾斜は、図10の下側(組立てられた状態において、支持表面を支える側)にあるベースライン31.5によって達成でき、ベースライン31.5は折り曲げ線31.3に対して正確に垂直に延在するのではなく、垂直に対してわずかな角度で延在するので、ベースラインは、図10に示されるように、交差点31.6において、折り曲げ線31.3に対して鈍角をなす。
【0060】
図11は、上記の種類のウェブを形成するためのブランク41を示す。固定は、穿孔エッジ部の場合のように、固定ラグ41.4によって好ましくは行なわれる。
【0061】
図1および図6に示される種類の穿孔エレメントは、同様に醸造篩プレートまたは(保持部を有してまたは有さずに)インジェクタプレートに固定することができ、さらにたとえば同様に製造することができる。折り曲げ以外の板金属成形方法を用いることもできる(または小さい金属パイプから製造される)。
【0062】
図12aから図12dは、概略的に、既に示された原理であって、支持表面上の穿孔エレメントが部分的に取囲んでいる表面部51を境界する原理を示す。境界された表面部は、支持表面への穿孔エレメントの突出部の「凸状エンベロープ」として数学的に定義することができる。篩面およびウェブは好ましくはこの境界された表面を少なくとも部分的に延在する。図12aは、図5および図7に示される実施例を示し、図12bは、図1および図6の変形に対応する。図12cおよび図12dはさらなる変形を示す。図12cの実施例の金属板は2回折られ、その穿孔先端は対称面にある。代替的に、2つの穿孔先端を設けることも可能であり、その場合穿孔先端は折り曲げがなされる点にある。図12dの変形は、複数の板金属片からなり、製造するのがより複雑である穿孔エレメントを示す。
【0063】
図13から図15は、取り出し装置ではなく、抽出液が、一般に圧力下でカプセルに供給されるインジェクタ装置101としての穿刺装置の改良を示す。取り出し装置と比べて、インジェクタ装置は篩を必要とせず、抽出液は穿孔エレメント103によって穴が開けられているカプセルに、導入開口125を通して直接供給される。穿刺装置のウェブも必ずしも必要ない。なぜなら、液体の圧力により液体は醸造処理の際、カプセルの外にではなく、カプセルの中に押されるからである。しかし、取り出し装置を参照して記載された種類のウェブ(図13から図15では示されていない)も、カプセル材に応じて、インジェクタ装置においても有利である。
【0064】
示される例示的実施例と比べて、インジェクタプレート102は穿孔エレメントと同様の数の導入開口125を含む。さらに、他の導入開口も原則的に他の位置に位置付けることができる。
【0065】
図13は、図1および図6の取り出し装置と同様の、穿孔エレメント103を有する第1の実施例を示す。示される実施例において、穿孔エレメントは穿孔エッジ部106を含むが、保持ウェブ(図示されていない)をも含む。図14は、矩形インジェクタプレートならびに図5および図7の取り出し装置の特に有利な穿孔エレメントと同様の穿孔エレメント103を有する第2の実施例を示す。図15の実施例は、エッジ102.1を形成するインジェクタプレート102を含み、たとえば図8に示される取り出し装置とともに用いて、多面体のカプセルに対して特に適する。
【0066】
インジェクタプレート101の設計、穿孔エレメント103の設計および配置、インジェクタプレートへの穿孔エレメントの固定、ならびにベースエレメントの他の特性、たとえば位置付けおよび中央付け穴105について、取り出し装置に関連した他の同様の教示も言及される。
【0067】
図16および図17は、それぞれ取り出し装置1およびインジェクタ装置101の代替の実施例を示す。好ましくは同様に存在する微細穿孔篩21の穿孔は、図16には示されない。微細穿孔プレートの下に、篩サポート(図16では見えない)は、複数の通過開口、たとえばインジェクタ装置101のように、各穿孔エレメント3に対して1つの通過開口を有する。これらの実施例は、以下の特徴により上記の実施例と異なる:
− 穿孔エレメントの保持ウェブ4、104は、高さ(支持表面に対して垂直な延長)について、穿孔エッジ部6、106を超えて突出し、穿孔処理を開始させおよび助ける先端4.1,104.1が備わっている。しかし、上記のように、保持ウェブ4,104のエッジは、先端から離れた箇所では切断態様ではない。
【0068】
− 穿孔エッジ部6,106はサポート(取り出し装置プレート/醸造篩プレート2)またはインジェクタプレート102と一体的であり、前記穿孔エッジ部を超えて突出する長さの箇所を折り曲げることによって形成される。保持ウェブ4,104は平坦であり、たとえば上記の方法を用いて固定される。
【0069】
これら2つの特徴は互いに独立して実施することができる。
図18aおよび図18bは概略断面図(支持表面に平行な面の断面)および穿孔エレメント3,103のさらなる実施例を示す。金属パイプ状の開始プロダクトから作成される場合、カット71が形成され、保持ウェブ4,104は結果として作成される部分を内側に折り曲げることによって形成される(図18a参照)。その結果、穿孔エレメント3,103は、穿孔エッジ部6,106および保持ウェブ4,104と一体的である。
【0070】
特に醸造篩プレート2の保持ウェブおよびおそらくはインジェクタプレートの保持部は、穿孔機能を有さず、穿刺処理の際またはあとの醸造の際、カプセルの(プラスチックの)壁を切断しないよう意図されている。したがって、本発明の特定の実施例に従い、保持ウェブは、たとえば0.2mmおよび0.4mmの間の通例の壁厚さを有するポリプロピレンカプセル壁を穿孔するような非常に鋭い切断エッジまたは先端が形成されないような硬さを有する材料からなることができる。したがって、前記保持ウェブは特に、穿孔エレメント自体の材料から異なる材料から製造することができる。保持ウェブが穿孔先端および切断エッジの材料と異なる材料からなり、対応する装置の費用効率のある製造を確実にする実施例は、図19から図24を参照して記載される。
【0071】
図19から図21に従い、取り出し装置1は、(醸造篩プレート2の)ベースエレメントに加えて、取り出し装置サポート201を有する。穿孔エレメント3を有するベースエレメント2は、位置付けおよび中央付け穴5と係合するガイドピン203により、取り出し装置サポート上に取付けられる。取り出し装置サポート201はたとえば射出成形によって製造されるプラスチック成形体である。保持ウェブを形成するウェブ4は、取り出し装置サポート201上に一体的に形成される。このため、ウェブ4は醸造篩プレートの対応するウェブ開口51を通る。図21に示されるように、ガイドウェブは、穿孔エッジ部と当接するように、または前記穿孔エッジ部から少ししか離れていないように、位置付けられる。前記ガイドウェブはさらに穿孔エッジ部に対してずれている。すなわち、その高さは穿孔方向においてより低く、その高さは穿孔エレメントから離れるにつれ低くなる。保持ウェブを有する穿孔エレメントのジオメトリは、図5を参照して記載されたジオメトリと同様である。
【0072】
醸造篩プレートの穿孔は、図19には示されていない。破線55は、微細穿孔膜またはホイルの下にある篩サポートの通過開口のおおよその位置を示す。
【0073】
図22から図24は、インジェクタ装置104の類似した構成を示す。インジェクタプレート102の導入開口125は、突出部151を含み、これは穿孔エレメント103の方向に突出し、同時にインジェクタ装置の任意の保持ウェブ104用のウェブ開口を形成する。これらの保持ウェブ104は、プラスチック射出成形部の形で同様に設けられるインジェクタ装置サポート301上に一体的に形成される。参照符号303は、インジェクタ装置サポート303のガイドピン303を示し、ガイドピン303は位置付けおよび中央付け穴105と係合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出材または抽出物を含むカプセルから抽出プロダクトを取り出すための装置であって、カプセル用の支持表面と、支持面から突出し、カプセルを穿孔するための穿孔先端および/または穿孔エッジを含む少なくとも1つの穿孔エレメント(3)とを備え、支持表面は、少なくとも一部において平坦であり、かつ少なくとも1つの通過開口を有する篩サポート(23)と、篩サポート上に平らに取付けられ、通過開口を覆う篩エレメント(21)とによって規定され、抽出プロダクトが前記篩エレメントを通ってカプセルから取り出し可能であり、前記抽出プロダクトは前記少なくとも1つの穿孔エレメント(3)によって形成された開口を通ってカプセルから出る、装置。
【請求項2】
篩エレメント(21)の穿孔(22)は、0.1mmおよび0.3mmの間の直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
支持表面から突出する少なくとも1つの保持ウェブ(4)は、非切断エッジを含み、前記エッジに当たるカプセルの壁により、保持ウェブ(4)を囲む領域においてカプセルの壁が支持表面に当たるのを防ぐ、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
保持ウェブ(4)は、カプセルの壁が穿孔エッジ(3.1)を囲む領域において支持表面に当たらないような態様で、穿孔エレメント(3)の穿孔エッジに対して配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
保持ウェブ(4)は、穿孔エッジを形成する穿孔エッジ部(6)と当接する、または前記穿孔エッジ部と一体的に形成され、保持ウェブは穿孔エッジと比べて、穿孔位置に対してずれている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
保持ウェブ(4)は、穿孔方向に対して平行に延在するよう設計されている、請求項3から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
保持ウェブは、穿孔方向に対して平行に測定された場合、一定ではなく、かつ穿孔エレメント(3)の穿孔エッジから離れるにつれ減少する延長部を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
保持ウェブ(4)は篩サポートが固定されるサポート(201)上に一体的に形成され、保持ウェブは支持表面から突出するような態様で篩サポート(23)を貫通する、請求項3から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
穿孔エレメント(3)は、支持表面から突出する金属板の形を含み、金属板は折り曲げられる、または互いに対して角度をなして位置付けられる複数の板金属片からなる、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
カプセルの壁を穿孔することによってカプセルを穿刺するための装置であって、特にカプセルから抽出液を取り出すための請求項1から9のいずれか1項に従う装置として構成される装置であり、カプセルの支持表面を形成するベースエレメント(2,102)と、支持表面から突出する少なくとも1つの穿孔エレメント(3,103)とを備え、穿孔エレメント(3,103)は支持表面から突出する金属板の形を含み、金属板は折り曲げられる、または互いに対して角度をなして位置付けられる複数の板金属片からなる、装置。
【請求項11】
金属板は、支持表面に対してほぼ垂直に、すなわち80°および90°の間の角度で位置付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ベースエレメントにある少なくとも1つの通過開口(25,125)は、穿孔エレメント(3,103)に覆われている領域(51)に設けられる、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
穿孔エレメントは、互いに対してたとえばほぼ90°の角度で位置付けられ、かつ互いに向かって折り曲げられる2つの板金属部を有する金属板を含む、請求項10から12に記載の装置。
【請求項14】
折り曲げによって形成されるエッジ(3.3)は、金属板の最大延長部のある点に位置付けられ、それにより穿孔先端(3.2)はエッジの終端点で形成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
カプセルにパッケージングされる抽出材から飲料または他の抽出プロダクトの個々の部分を準備するための、たとえばコーヒーマシン用の、抽出装置であって、抽出プロダクトを取り出すための請求項1から14のいずれか1項に従って構成される装置、および/または抽出液をカプセル内に入れるための請求項10から14のいずれか1項に従って構成されるインジェクタ装置を備える、抽出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18a】
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【図18b】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2012−523861(P2012−523861A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505020(P2012−505020)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/CH2010/000098
【国際公開番号】WO2010/118544
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511248548)ルナ・テクノロジー・システムズ・エル・テー・エス・ゲゼルシャフト・ミット・べシュレンクテル・ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】LUNA TECHNOLOGY SYSTEMS LTS GMBH
【Fターム(参考)】