説明

抽出処理用のカートリッジ

【課題】試料溶液の付着による汚染を防止できるとともに、抽出処理の方式に関わらず共通して使用することができる、抽出処理用のカートリッジを提供する。
【解決手段】本発明は、試料溶液L1に含まれる所定の物質を抽出する抽出処理用のカートリッジ10であって、試料溶液L1を内部に収容するように筒状に形成されたカートリッジ胴部11と、カートリッジ胴部11の一方の端部に形成された上部開口11bと、カートリッジ胴部11の他方の端部に形成され、試料溶液L1の抽出処理による廃液を排出するための排出側開口13aと、上部開口11bに着脱可能な蓋部21と、カートリッジ胴部11に収容され、所定の物質を吸着する吸着媒体Mと、を有し、蓋部21には、加圧方式の抽出処理を行う際に、加圧エアを供給するエアノズル31を取り付けるためのノズル取付部24が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧方式,遠心分離方式,及び、吸引方式などの抽出処理に使用されるカートリッジに関し、特に、核酸抽出に好適なカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ポストゲノム(post-genome)の研究等では、DNAやRNAの核酸抽出処理が行われている。核酸抽出処理においては、全血や組織を含む試料溶液を、核酸吸着媒体を備えた専用のカートリッジに注入し、ろ過工程によって、核酸を核酸吸着媒体に吸着させている。
【0003】
ろ過工程としては、カートリッジをエアで加圧し、試料溶液を核酸吸着媒体に透過する加圧方式と、遠心分離装置によって透過させる遠心分離方式と、吸引装置によって、試料溶液を吸引することで透過させる吸引方式とがある(例えば、下記非特許文献1など)。
【0004】
図7は、遠心分離方式のろ過システムを説明する図である。
図7に示すように遠心分離装置70は、カートリッジホルダ71を備えている。カートリッジホルダ71には、廃液容器74が保持され、該廃液容器74に、試料溶液L1を収容したカートリッジ72が装填される。カートリッジホルダ71は、回転軸Cを中心に回転するように駆動制御される。遠心分離装置70は、カートリッジホルダ71を回転させると、カートリッジ72に収容された試料溶液L1が核酸吸着媒体Mを透過して下部開口75から排出され、廃液L2が廃液溶液74に貯留する。ここで、遠心分離処理時には、試料溶液L1の漏れを防ぐため、カートリッジ72の上部開口が蓋部73によって密閉されている。
【0005】
図8は、吸引分離方式のろ過システムを説明する図である。
図8に示すように、吸引装置80は、減圧雰囲気を形成するための空間が内部に形成されたマニホールド81と、該マニホールド81内の空気を吸引する吸引ポンプとを備えている。抽出処理を行う際には、試料溶液L1が終了されたカートリッジ82をマニホールド81に固定し、マニホールド81を減圧雰囲気に設定することで、カー取り意地82の下部開口85から試料溶液L1を吸引する。そして、試料溶液L1は、核酸抽出媒体Mを透過し、廃液が下部開口85から排出されることで、所望の核酸を核酸抽出媒体によって抽出する。このとき、カートリッジ82aの上部開口82aは、減圧時に吸引を円滑に行うため、蓋部等で密閉することなく開放されている。
【0006】
図9は、加圧方式のろ過システムを説明する図である。
図9に示すように、加圧装置90は、加圧エアを供給するエアポンプ96と、エアポンプ96にエアホース93を介して接続されたエアノズル91とを備えている。そして、ろ過時には、エアノズル91を、試料溶液L1を収容したカートリッジ92の上部開口92aに押圧させた状態で、カートリッジ92の内部に加圧エアを供給することで、試料溶液L1を核酸吸着媒体Mに透過させ、カートリッジ92の下部開口95から排出される廃液L2を廃液容器94によって回収する。ここで、加圧時には、加圧エアがカートリッジ92の外部へ漏れることがないように、エアノズル91が弾性部材などで構成されるとともに、カートリッジ92の上部開口92aに圧着した状態で保持される。
【0007】
【非特許文献1】QIAGEN社、製品QIAamp DNA Blood Mini Kit、[online]、[平成18年1月31日検索]、インターネット<http://www1.qiagen.com/Products/GenomicDnaStabilizationPurification/QIAampSystem/QIAampDNABloodMiniKit>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、加圧方式の抽出処理の場合には、上部開口側から加圧エアを送る必要があり、上部開口には、エアノズルを密着させる必要がある。図9にように、弾性部材のエアノズルを上部開口に直接取り付ける場合には、カートリッジの上部開口とエアノズルとの接触部で試料溶液の付着による汚染が生じ、他のカートリッジにも影響を及ぼすおそれがある点で改善の余地があった。
一方、加圧方式の抽出処理で使用するカートリッジは、上部開口が開放されていることが前提であるが、吸引方式や遠心分離方式では、開放されていないことが好ましいことから、共通して使用できるカートリッジの形状への要望があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、試料溶液の付着による汚染を防止できるとともに、抽出処理の方式に関わらず共通して使用することができる、抽出処理用のカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、試料溶液に含まれる所定の物質を抽出する抽出処理用のカートリッジであって、前記試料溶液を内部に収容するように筒状に形成されたカートリッジ胴部と、前記カートリッジ胴部の一方の端部に形成された上部開口と、前記カートリッジ胴部の他方の端部に形成され、前記試料溶液の抽出処理による廃液を排出するための排出側開口と、前記上部開口に着脱可能な蓋部と、前記カートリッジ胴部に収容され、前記所定の物質を吸着する吸着媒体と、を有し、前記蓋部には、加圧方式の抽出処理を行う際に、加圧エアを供給するエアノズルを取り付けるためのノズル取付部が設けられていることを特徴とする、抽出処理用のカートリッジによって達成される。
【0011】
本発明の抽出処理用のカートリッジは、加圧方式によって抽出処理を行い際には、蓋部をカートリッジ胴部の上部開口に装着し、該蓋部に設けられたノズル取付部にエアノズルのエア噴射口を取り付ける。そして、加圧エアを供給すれば、試料溶液が吸着媒体を透過するとともに、該吸着媒体に所定の物質が吸着される。このとき、エアノズルが、カートリッジ胴体などに直接接触させる構成ではないため、試料溶液の付着などによる汚染が生じることを防止することができる。
また、蓋部がカートリッジ胴部から着脱可能であるため、吸引方式の抽出処理に使用する場合には、該蓋部をカートリッジ胴部から取り外すことで、上部開口を開放した状態とすることができ、吸引効果を低下させることを回避できる。さらに、遠心分離方式の抽出処理に使用する場合にも、蓋部をカートリッジ胴部から取り外し、他の蓋部を取り付けることができる。このため、抽出処理の方式に関わらず、同一のカートリッジを使用することができるため、使い勝手が良い。
【0012】
上記カートリッジは、蓋部がカートリッジ胴部に連結部によって接続された構成であることが好ましい。こうすれば、使用者がカートリッジ胴部と蓋部とを一対で取り扱うことができるため、試料溶液が蓋部を介して他のカートリッジに付着して汚染してしまうことがない。また、使用者は、吸引方式の抽出処理時などのように蓋部を使用しない場合でも、該蓋部がカートリッジ胴部とともに取り扱われるため紛失してしまうことがなく、扱い易い。
【0013】
上記カートリッジは、ノズル取付部がエアノズルのエア噴射口に嵌合するように蓋部に形成された、環状の凸部であることが好ましい。こうすれば、加圧方式の抽出処理時には、エア噴射口を蓋部の環状の凸部に嵌め込むことで、該蓋部にエアノズルを固定させることができ、また、蓋部へのエアノズルの取り付けや取り外しが容易であるため、使い勝手が良い。
【0014】
上記カートリッジは、上部開口を密閉するように着脱可能な別の蓋部を有していることが好ましい。こうすれば、吸引方式の抽出処理時のように、上部開口を密閉する場合には、別の蓋部を装着させればよく、吸引方式に適合する蓋部のみを用意する必要がない。
【0015】
上記カートリッジは、特に、試料溶液に含まれる核酸を抽出する抽出処理に用いることに好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、試料溶液の付着による汚染を防止できるとともに、抽出処理の方式に関わらず共通して使用することができる、抽出処理用のカートリッジを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる抽出処理用のカートリッジの第1実施形態の構成を示す斜視図である。図2は、加圧方式の抽出処理時において、カートリッジ胴部に蓋部を取り付けた状態を示す要部拡大図である。なお、本実施形態では、全血,組織からDNAを抽出する工程や、培養細胞,組織からRNAを抽出する工程において、試料溶液を含まれる核酸を抽出する核酸抽出処理を例に説明する。しかし、本発明にかかる抽出処理用のカートリッジは、核酸抽出処理に限定されず、その他の抽出処理に用いることができる。
【0018】
図1に示すように、カートリッジ10は、円筒形状を有するカートリッジ胴部11を有している。カートリッジ胴部11の内部には試料溶液を収容する空間がある構成である。カートリッジ胴部11の一方の端部(本実施形態において上側の端部)には、試料溶液を注入するための上方開口11bが設けられ、他方の端部(本実施形態において下側の端部)には、抽出処理時に、廃液を排出する排出側開口13aが設けられている。上方開口11bの外周縁部には、外側に突設する鍔部11cが形成されている。鍔部11cは、蓋部21を上方開口11bに後述する蓋部21を装着した際に、カートリッジ10内部の圧力によって該蓋部21が内側に入り込むことを防止する。
【0019】
カートリッジ胴部11の下部には、漏斗状の底部11aが形成され、該底部11aの中央には、下方に突出し、且つ、カートリッジ胴部11より小径であって、円筒形状を有する排出部13が設けられている。排出部13には、カートリッジ胴部11の内部に連通するように、排出側開口13aが形成されている。
【0020】
カートリッジ胴部11の底部11aの上部には、試料溶液に含まれる所定の物質(本実施形態では核酸)を吸着して保持するため、多孔性物質で構成された吸着部材Mが備えられている。
【0021】
カートリッジ10は、上部開口11bに着脱可能な蓋部21を備えている。蓋部21は、円形板状の蓋板部22を有し、蓋板部22のカートリッジ胴部11側の面には、上部開口11bの内側面に外周面が嵌合する環状の嵌合部23が形成されている。また、蓋板部22の上面(カートリッジ胴部11とは反対側の面)の略中央部には、上方に向って立設された環状の凸部であるノズル取付部24が形成されている。図2に示すようにノズル取付部24は、加圧方式の抽出処理時において、後述する加圧エアを供給するためのエアノズル31のエア噴射口31aが外周面に嵌め込まれる部位である。ノズル取付部24には、蓋部21をカートリッジ胴部11に取り付けた状態で、該カートリッジ胴部11の内部に連通するとともに、エアノズル31のエア噴射口31aから供給されるエアをカートリッジ胴部内へ通すための通気口24aが形成されている。
【0022】
蓋部21は、カートリッジ胴部11の外周面における、上部開口11側の縁部に、連結部14によって連結されている。カートリッジ10は、カートリッジ胴部11と、蓋部21と、連結部14とを、樹脂等で一体成形された構成としてもよい。
【0023】
図3は、加圧方式によって抽出処理を行うシステムの一例を示す断面図である。図3に示すように、カートリッジ10は、上部開口11に蓋部21を装着した状態で、カートリッジ胴部11の外周面上方が保持機構H1によって保持される。
【0024】
また、カートリッジ胴部11の排出部13側に、抽出処理時にカートリッジから排出される廃液L2を回収するための廃液回収容器32が被された状態で保持機構H2に保持されている。
【0025】
抽出処理時には、エアノズル31のエア噴出口31aを蓋部21のノズル取付部24に取り付け、図示しないエアポンプ等のエア供給部から加圧エアを供給する。エアノズル31のエア噴出口31aから噴出された加圧エアは、通気口24aを介してカートリッジ胴部11の内部空間に導入される。すると、カートリッジ胴部11内の圧力が急激に上昇することで、予め収容されていた試料溶液L1が吸着媒体Mを透過する。試料溶液L1が吸着媒体Mを透過する際に、核酸が吸着媒体Mに捕集されるとともに、それ以外の液体は、廃液L2として排出部13の排出側開口13aを通過して、排出され、廃液回収容器32に収容される。
【0026】
本実施形態の抽出処理用のカートリッジ10は、加圧方式によって抽出処理を行い際には、蓋部21をカートリッジ胴部11の上部開口11bに装着し、該蓋部21に設けられたノズル取付部24にエアノズル31のエア噴射口31aを取り付ける。そして、加圧エアを供給すれば、試料溶液L1が吸着媒体を透過するとともに、該吸着媒体Mに所定の物質が吸着される。このとき、エアノズル31が、カートリッジ胴体11などに直接接触させる構成ではないため、試料溶液l1の付着などによる汚染が生じることを防止することができる。
また、蓋部21がカートリッジ胴部11の上方開口11bから着脱可能であるため、吸引方式の抽出処理に使用する場合には、該蓋部21をカートリッジ胴部11から取り外すことで、上部開口11bを開放した状態とすることができ、吸引効果を低下させることを回避できる。さらに、遠心分離方式の抽出処理に使用する場合にも、蓋部21をカートリッジ胴部11から取り外し、遠心分離に適した他の蓋部を取り付けることができる。このため、抽出処理の方式に関わらず、同一のカートリッジを使用することができるため、使い勝手が良い。
【0027】
また、図1に示すように、蓋部がカートリッジ胴部に連結部によって接続された構成とすれば、使用者がカートリッジ胴部11と蓋部21とを一対で取り扱うことができるため、試料溶液L1が蓋部21を媒介して他のカートリッジに付着して汚染してしまうことがない。また、使用者は、吸引方式の抽出処理時などのように蓋部21を使用しない場合でも、該蓋部21がカートリッジ胴部11とともに取り扱われるため、紛失してしまうことがなく、扱い易い。
【0028】
カートリッジ10は、ノズル取付部24がエアノズル31のエア噴射口31aに嵌合するように蓋部21に形成された、環状の凸部である構成とすれば、加圧方式の抽出処理時に、エア噴射口31aを蓋部21の環状の凸部に嵌め込むことで、該蓋部21にエアノズルを確実に固定させることができ、また、蓋部21へのエアノズル31の取り付けや取り外しが容易であるため、使い勝手が良い。
【0029】
カートリッジ10におけるエアノズル31を蓋部21に着脱可能とする構成については、本実施形態の構成に限定されず、適宜変形することができる。
【0030】
図4(a)は、蓋部の変形例を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の断面を示す図である。
図4(a)及び(b)に示すように、蓋部41は、円形状の蓋板部42と、該蓋板部43の下面に設けられ、カートリッジへの装着時に上方開口の内側面に外周面が嵌合する嵌合部23が形成されている。また、蓋板部22の上面の着中央部には、上方に向って立設された環状の内側凸部44と、該内側凸部44を囲むように外周側に率設された環状の外側凸部45とが形成されている。内側凸部44の内側には、エアノズル31を蓋部41に装着した状態で、エアノズル31のエア噴出口31aに連通する通気口44aが開口している。エアノズル31を蓋部41に装着するときは、内側凸部44の外周面がエアノズル31のエア噴出口31aの内側面に嵌合するとともに、外側凸部45の内周面がエアノズル31の外周面に嵌合する。すると、エアノズル31のエア噴出口31a側の先端部が蓋部41の内側凸部44と外側凸部45とによって固定される構成であるため、エアノズル31を蓋部21により一層確実に取り付けることができる。
【0031】
図5(a)は、蓋部の別の変形例を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の断面を示す図である。
蓋部51は、円形板状の蓋板部52と、該蓋板部52の下面に環状に立設された嵌合部53とを有している。蓋板部52の中央部には、エアノズル31を嵌め込むための嵌合口52aが形成されている。本形態では、嵌合口52aが、ノズル取付部として機能し、加圧方式による抽出処理時には、蓋部51をカートリッジに装着し、エアノズル31の端部を蓋部51の嵌合口52aに嵌め込んだ状態で、加圧エアを供給する構成である。
【0032】
次に、本発明にかかるカートリッジの第2実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0033】
図6は、本実施形態のカートリッジの要部斜視図である。図6に示すように、カートリッジ20は、エアノズルを装着可能なノズル取付部24を有する蓋部21を備えているとともに、該蓋部21とは別に、カートリッジ胴部11の上方開口11bを密閉するための蓋部61を備えている。蓋部61は円形状の密閉板部62と、密閉板部の一方の面に環状に立設された嵌合部63とを有している。吸引方式による抽出処理時のように、カートリッジ胴部11の上方開口11bを密閉する際には、蓋部61の嵌合部63を上方開口11bの内側に嵌め込むことでカートリッジ20を密閉する。なお、蓋部61は、蓋部21と同様に、連結部64によってカートリッジ胴部11に連結されている構成とすることが好ましい。
【0034】
本実施形態のカートリッジ20によれば、吸引方式の抽出処理時のように、上部開口11bを密閉する場合には、別の蓋部61を装着させることで、カートリッジ20を密閉して吸引装置による吸引効果を低下させることがないうえ、また、吸引方式に適合する蓋部を別途用意する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態の抽出処理用のカートリッジの構成を示す斜視図である。
【図2】加圧方式の抽出処理時において、カートリッジ胴部に蓋部を取り付けた状態を示す要部拡大図である。
【図3】加圧方式によって抽出処理を行うシステムの一例を示す断面図である。
【図4】(a)蓋部の変形例を示す斜視図である。(b)図4(a)の断面を示す図である。
【図5】(a)蓋部の別の変形例を示す斜視図である。(b)図5(a)の断面を示す図である。
【図6】第2実施形態のカートリッジの要部斜視図である。
【図7】遠心分離方式のろ過システムを説明する図である。
【図8】吸引分離方式のろ過システムを説明する図である。
【図9】加圧方式のろ過システムを説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
10,20 カートリッジ
11 カートリッジ胴部
21,41,51,61 蓋部
24 ノズル取付部
M 吸着媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料溶液に含まれる所定の物質を抽出する抽出処理用のカートリッジであって、
前記試料溶液を内部に収容するように筒状に形成されたカートリッジ胴部と、
前記カートリッジ胴部の一方の端部に形成された上部開口と、
前記カートリッジ胴部の他方の端部に形成され、前記試料溶液の抽出処理による廃液を排出するための排出側開口と、
前記上部開口に着脱可能な蓋部と、
前記カートリッジ胴部に収容され、前記所定の物質を吸着する吸着媒体と、を有し、
前記蓋部には、加圧方式の抽出処理を行う際に、加圧エアを供給するエアノズルを取り付けるためのノズル取付部が設けられていることを特徴とする、抽出処理用のカートリッジ。
【請求項2】
前記蓋部が前記カートリッジ胴部に連結部によって接続された構成であることを特徴とする請求項1に記載の抽出処理用のカートリッジ。
【請求項3】
前記ノズル取付部が前記エアノズルのエア噴射口に嵌合するように前記蓋部に形成された、環状の凸部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抽出処理用のカートリッジ。
【請求項4】
前記上部開口を密閉するように着脱可能な別の蓋部を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の抽出処理用のカートリッジ。
【請求項5】
前記試料溶液に含まれる核酸を抽出する抽出処理に用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の抽出処理用のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−203272(P2007−203272A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28776(P2006−28776)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】