説明

抽出容器及びこれを用いた抽出装置、抽出方法

【課題】 混合物質から目的物質を溶媒により抽出するに際し、遠心抽出後の液体と液体、液体と固体の分離を容易にする。
【解決手段】 抽出容器3は、有底円筒状で、モータ51駆動の抽出機ロータ4により、中心軸回りに回転される。この抽出容器3は、底部に設けられた開口部3bと、この開口部3bに設けられて前後の圧力差により開閉する弁(弁ボール32)とを有する。抽出に際しては、抽出容器3に混合物質と溶媒とを入れて、抽出容器3の正回転、停止、逆回転、停止を繰り返し、混合物質から目的物質を溶媒により抽出して、上下の層に分離する。この後、抽出容器3の上部の開口部31bに空気加圧ホースノズルを接続して、抽出容器3内を加圧することで、底部の弁を開き、下層側の液から順に排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合物質から目的物質を溶媒に液液分配又は液固分配によって抽出するための抽出容器、及び、これを用いた抽出装置、抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分析関係の生体試料(血液、尿、臓器など)から目的の成分を取出し、分析機器で分析して病気の診断や健康状態の検査をすることが日常的に行われている。このような混合物質から目的物質を取出す手段としては、目的物質に親和性のある液体(溶媒)を用い、混合物質と溶媒とを容器に入れて振とう攪拌し、目的物質を溶媒に溶け込ませ、次に静置又は遠心分離機に掛け、比重差により分離して抽出溶媒部を取出し、この後、加熱したり、減圧したり、ガスを吹付けたりして、溶媒を蒸発させることで、目的物質を取出している。
【0003】
このような抽出操作のため、様々な抽出容器や抽出装置が提案されており、例えば特許文献1、2に記載の抽出容器は、有底円筒状の容器であり、下層液のみを抽出するために、容器内に内筒を設けて、複雑な取出し作業を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−285740号公報
【特許文献2】特開2000−157891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
抽出操作のための抽出容器としては、上記の特許文献1、2を初めとして様々な抽出容器が提案されているが、例えば生体試料抽出の場合は、一般に振とう抽出が行われており、抽出後に遠心分離、抽出液分画、抽出液膜濾過が必要になる。このように煩雑な操作が必要なため、特に病気感染に対する安全性、抽出効率の高さ、操作時間の長さと操作性、自動化、無人化の可能性などが問題になる。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑み、特に遠心抽出後の液分離に適した抽出容器を提供すること、及び、これを用いた抽出装置、抽出方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る抽出容器は、有底円筒状で、混合物質から目的物質を溶媒により抽出するため、混合物質と溶媒とが入れられて、中心軸回りに回転されるものであり、上部に設けられた蓋又は内径方向の堰と、底部に設けられた開口部と、この開口部に設けられて前後の圧力差により開閉する弁とを有することを特徴的構成とする。
従って、抽出・分離後に、抽出容器内の相対的な加圧(容器上部から内部への加圧、又は、底部からの減圧(ポンプやシリンジによる吸引))により、弁を開いて、下層側の液から順次取出すことができる。
【0008】
また、前記容器の上部に加圧ホースノズルの接続口を有する構成とするとよい。これにより、容器内の相対的な加圧、すなわち弁の開操作による液の取出しが容易となる。
【0009】
また、前記開口部の前記弁の出口側に機能性フィルタを有する構成とするとよく、この機能性フィルタは、その前後の圧力差に応じて、疎水性液体、親水性液体、固形物を分離させる性質を有するとよい。これにより、疎水性液体、親水性液体、固形物の分離を容易にし、さらに固形物は、溶解液(例えば蛋白質に対してアルカリ液)を加えて溶解し回収できる。
【0010】
本発明に係る抽出装置は、上記の抽出容器と、この抽出容器を同心的に保持する有底円筒状の抽出機ロータと、前記ロータの下方に配置されて前記ロータを回転駆動するモータと、を含んで構成される。
従って、上記の抽出容器を簡単に装着でき、エマルジョンのできやすい試料でもエマルジョンを起こさず効率よく抽出できる。
【0011】
本発明に係る抽出装置は、更に、前記抽出容器の上部の開口部に接続して、前記抽出容器内を加圧する加圧ホースノズルを含んで構成するとよい。これにより、容器内の相対的な加圧、すなわち弁の開操作による液の取出しが容易となる。
【0012】
本発明に係る抽出装置は、更に、前記抽出容器の底部の開口部に接続されて、前記ロータの底部を貫通して前記モータの中空の回転軸内を通る配管と、この配管の下端側の開口部の下方に配置される受取容器と、を含んで構成されるとよい。抽出・分離後に抽出容器を抽出装置から取外して液体を回収するのではなく、取付けたまま行うことで、操作が簡単になり、自動化も容易になる。特に抽出容器を交換せず、抽出後洗浄液を入れて洗浄し、排液後に再使用するときに有効である。
【0013】
本発明に係る抽出方法は、上記の抽出容器を用い、この抽出容器に混合物質と溶媒とを入れて、抽出容器の正回転、停止、逆回転、停止を繰り返して、混合物質から目的物質を溶媒により抽出して、上下の層に分離し、この後、抽出容器内を相対的に加圧して、底部の弁を開き、下層側の液から順に排出させる。
【0014】
本発明に係る抽出方法は、また、前記抽出容器内を相対的に加圧するに際し、抽出容器の上部の開口部に加圧ホースノズルを接続する。これにより、容器内の相対的な加圧、すなわち弁の開操作による液の取り出しが容易となる。
【0015】
本発明に係る抽出装置及び抽出方法は、また、抽出容器の開口部よりミキサーカッターを入れ、混合物質を撹拌又は粉砕する。すなわち、混合物質が2相に分かれ溶媒が1相に触れにくい時(例えば混合物質が水と油の混合物で、溶媒がクロロホルムの時は、外側よりクロロホルム、水、油の順になる)や混合物質が固形物を含む時は、抽出機ロータの停止中に抽出容器内にミキサーカッターを入れ、混合物質を撹拌又は破砕した後に遠心抽出することにより、効率よく短時間で抽出できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、抽出容器内で遠心抽出によって上下に分離された液を、底部の弁の前後に圧力差をつけることで、順に取出すことができ、取出しが容易となる。従って、生体試料抽出において、病気感染に対する安全性の向上、抽出効率の向上、操作時間短縮(操作性向上)、自動化・無人化の可能性向上等を図ることができる。
【0017】
尚、医用分析には、専用の自動分析装置が多用されている。また、医療技術の発達に伴い、さらに高度の分析が必要となり、質量分析装置(MS)、核磁気共鳴装置(NMR)なども検討されている。しかし、医用分析装置として広く採用されるには試料の前処理の自動化が不可欠であり、本発明はそれに貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態の抽出装置の全体正面図
【図2】同上の抽出装置の全体側面図
【図3】同上の抽出装置の要部縦断面図
【図4】図3のX−X矢視断面図
【図5】遠心抽出時の容器内の液層の状態を示す図
【図6】静置時の容器内の液層の状態を示す図
【図7】ミキサーカッター設置時の要部縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の抽出装置の全体正面図、図2は全体側面図である。
【0020】
本実施形態の抽出装置は、図1及び図2に示されるように、抽出装置本体1、制御表示・操作部2、抽出容器3、抽出機ロータ4、抽出機ロータ駆動部5、抽出液受取容器6,抽出液受取容器取付クリップ7、及び、空気加圧ホースノズル8を含んで構成される。
【0021】
制御表示・操作部2は、抽出装置本体1の上部前面に設けられ、制御表示を行うランプ及びデジタルディスプレーと、各種設定を含む制御操作のためのボタンとを備えている。
【0022】
抽出容器3は、抽出機ロータ4内に着脱自在にセットされる。抽出機ロータ4は、抽出機ロータ駆動部5により回転駆動されて、抽出容器3を一体に回転させる。抽出機ロータ駆動部5は、モータを主体として構成され、抽出機本体1に支持されている。抽出液受取容器6は、抽出装置本体1から突設された抽出液受取容器取付クリップ7に着脱自在にセットされて、抽出機ロータ駆動部5の下方に配置される。これらについては後に図3により詳細に説明する。
【0023】
空気加圧ホースノズル8は、抽出装置本体1内の空気供給源に接続されて、抽出装置本体1の上部に引出し可能に備えられ、抽出終了後、引出して抽出容器3に接続し、抽出容器3内の加圧による抽出液受取容器6への抽出液の排出に使用する。ここでの空気加圧の圧力は複数段に操作可能である。
【0024】
図3は抽出容器3及び抽出液受取容器6がセットされた状態の抽出装置の要部縦断面図である。また、図4は図3中の2箇所のX−X矢視断面図である。
【0025】
抽出機ロータ駆動部5を構成する駆動モータ51は、モータ取付パネル11に防振ゴム52を介して支持されている。駆動モータ51の回転軸51aはこれに取付けられたロータ51bから回転力を受けて回転するもので、軸受51c、51cにより回転自在に支持されている。また、駆動モータ51の回転軸51aは鉛直方向に配置され、内部は中空に形成されている。
【0026】
抽出機ロータ4は、上側が大径、下側が小径の円筒状に形成され、上側の円筒部内に抽出容器3が装着される。抽出機ロータ4の下側の円筒部は駆動モータ51の回転軸51aの外周部に嵌挿され、止めネジ43で固定されている。従って、抽出機ロータ4は、駆動モータ51の回転軸51aと一体に回転する。
【0027】
抽出容器3は、有底円筒状で、抽出機ロータ4の上側の円筒部内に挿入配置される。
抽出容器3が挿入配置される抽出機ロータ4の上側の円筒部の外周には、上下2段に、断面U字状の環状溝4a、4aが形成され、各環状溝4aには円周上3等分の位置に、溝底部から内周部へ向かうボールガイド穴4bが形成されている。そして、このボールガイド穴4bにボール41を設置し、環状溝4aにゴムバンド42を巻掛けることで、ゴムバンド42でボール41を押し、抽出機ロータ4の内壁4cよりボール41が頭を覗かせるようにしている。
【0028】
従って、抽出機ロータ4の上側の円筒部内に挿入配置される抽出容器3は、抽出機ロータ4にボール41を介してゴムバンド42の力で同心的に保持され、抽出機ロータ4と一体に回転できる。
【0029】
抽出容器3は、また、有底円筒状で、上部に開口部を持ち、この開口部には容器蓋31が設けられる。容器蓋31は、抽出容器3の開口部にネジ3a、31aにより気密に嵌合可能である。また、容器蓋31は、その中央部に開口部31bを持つ。
【0030】
抽出容器3は、さらに、その底部中央に開口部3bを持ち、その下端3cは、弁を構成する弁ボール32に対する気密の弁座になっている。弁ボール32はこれに作用させた圧縮バネ33により閉弁方向である上方に付勢され、弁ボール32の上下にかかる圧力差が所定値以上になると下方に移動して開弁する。前記所定値(開弁時の圧力差)は、抽出容器3に入れた試料と抽出液の重さで開かない10〜20KPaに設定すればよい。弁ボール32と圧縮バネ33は、弁ホルダ34により保持され、弁ホルダ34は抽出容器3の底部にネジ3d,34aで固定されている。
【0031】
抽出機ロータ4の上側の円筒部の底部には、弁ホルダ34の下方に位置させて、機能性フィルタ35が配置される。弁ホルダ34と機能性フィルタ35とは嵌合部34b,35aで気密につながっている。
【0032】
また、抽出機ロータ4の下側の円筒部には、機能性フィルタ35の下方に位置させて、配管36が配置されている。機能性フィルタ35と配管36とは嵌合部35b、36aで気密につながっている。
従って、弁ボール32下流側の弁ホルダ34内の通路は、機能性フィルタ35を介して、配管36内の通路とつながっている。
そして、この配管36は、駆動モータ51の中空回転軸51a内に引き通され、配管36の下端部は中空回転軸51aの下端部から突出している。
【0033】
抽出液受取容器6は、有底円筒状で、その上部の開口部内に前記配管36の下端部を受け入れるように、抽出液受取容器取付クリップ7に取付けられる。
【0034】
次に、上記の抽出装置を用いて、混合物質から目的物質を抽出溶媒により抽出する抽出方法について、試料(例えば血液)中の成分を抽出液(クロロホルム)により抽出する例で、説明する。
【0035】
制御表示・操作部2により、ロータ回転立ち上げ時間、高速回転時間、回転立ち下げ時間、停止時間、繰り返し回数を設定する。標準的には、立ち上げ時間5秒、高速回転時間5秒、立ち下げ時間5秒、停止時間5秒、繰り返し回数5に設定し、試料、抽出液により増減する。
【0036】
次に抽出容器3に容器蓋31の開口部31bから抽出液(クロロホルム)と試料(血液)とを入れる。次に制御表示・操作部2の抽出開始ボタンを押して抽出を開始する。
【0037】
図5及び図6を参照し、抽出容器3内の抽出液(クロロホルム)Aと試料(血液)Bは、抽出機ロータ4と共に抽出容器3が回転を始めると図5のように、回転を止めると図6のようになる。次に回転方向を変えながら回転と停止を設定回数繰り返し、最後にゆっくり2液が混じらないように止める。このときのA、B両液の様子を見ると、抽出機ロータ4の回転が立ち上がる時は、抽出容器3の回転が1番速く、2番目にA液、3番目がB液になり、回転が立ち下がる時の回転は、B液が1番速く、2番目にA液、3番目が抽出容器3になるので、お互いの境界面でスリップが起こり、速やかに分配が起こり抽出できる。さらに回転を止め、お互いの接触面を変えて新しくすることにより、短時間で抽出でき、遠心をかけ最後にゆっくり2液が混じらないように止めることにより、エマルジョンが起こらない。
【0038】
抽出後、図6の状態で、空気加圧ホースノズル8を引出し、容器蓋31の開口部31bに気密に接続し、圧縮バネ33に打ち勝つ圧力をかける。すると、弁ボール32が下方に移動して開弁し、下層側の抽出液Aから排出される。
【0039】
排出される抽出液Aは、機能性フィルタ35に入る。機能性フィルタ35として疎水性フィルタを使用すると、抽出液Aはフィルタ35を通過し、配管36を通って抽出液受取容器6に入る。試料Bは機能性フィルタ35の特性で通過できず、抽出液受取容器6には抽出液Aのみを受取ることができる。
【0040】
次に抽出液受取容器6を交換し、空気加圧ノズル8により開口部31bから機能性フィルタ35の特性を打ち破る圧力をかけると、試料Bがフィルタ35を通過し、配管36を通って抽出液受取容器6に入る。従って、試料Bも採取することができる。
【0041】
さらに蛋白などの固形物が残ったときは、抽出液受取容器6を交換し、開口部31bからアルカリ溶液を入れて溶解することで、これも抽出液受取容器6に回収できる。
【0042】
次の試料を抽出するときは、マニピュレータ(図示せず)で抽出ユニットを簡単に交換できる。また、洗浄してそのまま使用する時は、開口部31bから洗浄液を入れ簡単に洗浄できる。
【0043】
本実施形態によれば、抽出容器3が、底部に設けられた開口部3bと、この開口部3bに設けられて前後の圧力差により開閉する弁(弁ボール32)とを有する構成としたことにより、抽出・分離後に、抽出容器3内を相対的に加圧することで、弁(弁ボール32)を開いて、下層側の液から順次取出すことができる。
【0044】
ここでの抽出容器3内の相対的な加圧は、底部からの減圧、すなわち、ポンプやシリンジによる吸引でもよいが、容器上部から内部への加圧とすると、より容易に実施できる。具体的には、抽出容器3の上部に加圧ホースノズルの接続口(31b)を有する構成として、これに接続する加圧ホースノズル8を備える構成とすることにより、より容易に実施できる。
【0045】
また、抽出容器3の底部の開口部3bの弁(弁ボール35)の出口側に機能性フィルタ35を有する構成とし、この機能性フィルタ35が、疎水性フィルタであって、その前後の圧力差に応じて、疎水性液体、親水性液体、固形物を順次透過させる性質を有するものとすると、これらの分離が更に容易となる。
但し、機能性フィルタ35は、疎水性フィルタでなくてもよく、試料と抽出液との組み合わせによっては親水性フィルタも使用できる。
【0046】
また、本実施形態の抽出装置は、上記の抽出容器3と、これを同心的に保持する有底円筒状の抽出機ロータ4と、前記ロータ4の下方に配置されて前記ロータ4を回転駆動するモータ51と、前記抽出容器3の底部の開口部3bに接続され、前記ロータ4の底部を貫通して前記モータ51の中空の回転軸51a内を通る配管36と、この配管36の下端側の開口部の下方に配置される受取容器6と、含んで構成されることにより、抽出・分離後の受取りが極めて容易となる。
【0047】
図7は本発明の他の実施形態を示している。
試料が水と油の混合物で図5のような遠心抽出時に3相に分かれる場合や、固形物を含む場合は、図7に示すように、ミキサーカッター9を開口部31bから入れ、抽出機ローター4が停止した時に攪拌、粉砕することが望ましい。ミキサーカッター9は外刃固定、内刃回転式の一般的なもので良い。
【0048】
尚、以上の実施形態では、抽出容器3の上部に、中央部に開口部31bを有する容器蓋31を着脱可能に備える構成としたが、抽出容器3の上部開口部の全周に内径方向に突出する堰を予め一体に備える構成としてもよい。
【0049】
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、試料の前処理の自動化が可能となり、質量分析装置(MS)や核磁気共鳴装置(NMR)などが医用分析装置として広く採用される道を開く。また、生体試料を扱う医薬品開発や環境分析、一般分析にも寄与する。
【符号の説明】
【0051】
1 抽出装置本体
2 制御表示・操作部
3 抽出容器
4 抽出機ロータ
5 抽出機ロータ駆動部
6 抽出液受取容器
7 抽出液受取容器取付クリップ
8 空気加圧ホースノズル
9 ミキサーカッター
11 モータ取付パネル
31 容器蓋
32 弁ボール
33 圧縮バネ
34 弁ホルダ
35 機能性フィルタ
36 配管
41 ボール
42 ゴムバンド
51 モータ
52 防振ゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底円筒状で、混合物質から目的物質を溶媒により抽出するため、混合物質と溶媒とが入れられて、中心軸回りに回転される、抽出容器であって、
上部に設けられた蓋又は内径方向の堰と、底部に設けられた開口部と、この開口部に設けられて前後の圧力差により開閉する弁とを有する、抽出容器。
【請求項2】
前記開口部の前記弁の出口側に機能性フィルタを有し、その前後の圧力差に応じて、疎水性液体、親水性液体、固形物を分離させる性質を有する、請求項1記載の抽出容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の抽出容器と、
前記抽出容器を同心的に保持する有底円筒状の抽出機ロータと、
前記ロータの下方に配置されて前記ロータを回転駆動するモータと、
を含んで構成される、抽出装置。
【請求項4】
前記抽出容器の上部の開口部に接続して、前記抽出容器内を加圧する加圧ホースノズルを更に含んで構成される、請求項3記載の抽出装置。
【請求項5】
前記抽出容器の底部の開口部に接続され、前記ロータの底部を貫通して前記モータの中空の回転軸内を通る配管と、
前記配管の下端側の開口部の下方に配置される受取容器と、
を更に含んで構成される、請求項3又は請求項4記載の抽出装置。
【請求項6】
前記抽出容器の上部の開口部より挿入されて、混合物質を撹拌又は破砕するミキサーカッターを更に含んで構成される、請求項3〜請求項5のいずれか1つに記載の抽出装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項2記載の抽出容器を用い、
前記抽出容器に混合物質と溶媒とを入れて、前記抽出容器の正回転、停止、逆回転、停止を繰り返し、混合物質から目的物質を溶媒により抽出して、上下の層に分離し、
この後、前記抽出容器内を相対的に加圧して、底部の弁を開き、下層側の液から順に排出させる、抽出方法。
【請求項8】
前記抽出容器内を相対的に加圧するに際し、前記抽出容器の上部の開口部に加圧ホースノズルを接続する、請求項7記載の抽出方法。
【請求項9】
抽出に先立って、前記抽出容器の上部の開口部よりミキサーカッターを入れ、混合物質を撹拌又は破砕する、請求項7又は請求項8記載の抽出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate