説明

拡張された作動範囲上における改善されたレーザ強度変調を有する電気光学リーダ

屋根型光学素子および滑らかな縁の開口絞りの組み合わせ、ならびに、収斂焦点レンズにおける発散球面収差の導入は、移動ビームと特に至近距離のシンボルのようなインディシア(例えば、バーコードシンボル)を電気光学的に読み取るためのイメージリーダとの両方における、作動距離と焦点深度とを改善し、さらに、ビーム輪郭における所望されない光を低減し、それによってリーダ性能を改善する。本発明は、バーコードシンボルなどのインディシアが読み取られる拡張された作動範囲または焦点深度において、レーザ強度変調を改善するための改善された開口絞りおよび光学コンポーネントに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、レーザスキャナおよびイメージャなどの電気光学リーダに関し、より詳細には、バーコードシンボルなどのインディシアが読み取られる拡張された作動範囲または焦点深度において、レーザ強度変調を改善するための改善された開口絞りおよび光学コンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、バーコードリーダは、ラベルまたは物品の表面に現れるUniversal Product Code(UPC)のバーコードシンボルのような様々な記号種を読むためのものとして知られている。バーコードシンボル自体は、様々な幅でスペースを境界付けるように互いに間隔付けられた様々な幅の一連のバーから構成される図形的なインディシアを暗号化したパターンである。これらのバーおよびスペースは、異なる光反射特性を有する。リーダは、図形的なインディシアを電気信号に変換し、この電気信号は、典型的には物品またはその何らかの特徴を記述する情報にデコードされる。このような情報は、従来、デジタル形式で表わされ、店頭での処理、在庫管理などの用途に、データ処理システムへの入力として使用されている。この一般的なタイプのリーダは、例えば、本出願と同じ指定代理人に譲渡された米国特許(特許文献1)に開示されており、ユーザによって携帯される携帯レーザ走査デバイスを使用し得る。このデバイスは、ユーザがデバイス(より具体的には走査レーザ光ビーム)を読まれるべき標的シンボルに照準できるように構成される。
【0003】
レーザ走査バーコードリーダにおける光源は、通常は、半導体レーザデバイスである。光源として半導体デバイスを使用することは、そのサイズの小ささ、低コスト、および低電圧の条件のために、特に所望される。レーザビームは、通常は光学アセンブリによって、必要に応じて改変され、標的の距離において、所定のサイズのビームスポットまたは断面を形成する。好適には、標的の距離におけるビームスポットの断面は、異なる光反射率の領域(すなわち、シンボルのバーとスペース)の間における最小幅とほぼ同じである。
【0004】
当該技術分野において周知である移動レーザビームリーダにおいて、レーザ光ビームは、レンズまたは他の光学コンポーネントによって、バーコードシンボルを含む標的に対して、光の経路に沿って方向付けられる。移動ビームリーダは、光ビームの経路に配置された移動ミラーなどのような、走査コンポーネントを動かすことによって、シンボル全体に亘ってある走査パターンで光ビームを反復的に走査することによって動作する。走査コンポーネントは、シンボル全体に亘ってビームスポットを掃引し、シンボル全体に亘って、一つの走査線、または一連の走査線、あるいは別のパターンをトレースするか、リーダの視野を走査するかのいずれか、または両方であり得る。
【0005】
バーコードリーダはまた、シンボルから反射または散乱された光を検出するセンサまたは光検出器をも含む。光検出器またはセンサは、リーダ内において光学経路に置かれる。それは、光検出器またはセンサが、シンボルから反射または散乱された光の一部を確実にキャプチャするための視野を有するようにするためである。光は、検出され、電気信号に変換される。
【0006】
一部のバーコードリーダは「逆反射」である。逆反射リーダにおいて、ミラーなどの移動光学素子は、出射光を送り、反射された光を受けるために用いられる。非逆反射(non−retro−reflective)リーダは、通常、移動するミラーを用いて出射光を送るが、広く静的な視野を有する別個の検出システムを有する。
【0007】
電気回路網およびソフトウェアは、その電気信号を、走査されたシンボルによって表わされるデータのデジタル表示にデコードする。例えば、光検出器によって生成されたアナログ電気信号は、デジタライザにより、バーおよびスペースの物理的な幅に対応する幅を有するパルス幅変調デジタル信号に変換される。その後、このようなデジタル化された信号は、シンボルによって使用される特定の記号種に基づいて、シンボル内でエンコードされるデータのバイナリ表示にデコードされ、続いて、それによって表わされる情報または英数字にデコードされる。このような信号処理は、本出願と同じ指定代理人に譲渡された米国特許(特許文献2)に開示されている。
【0008】
異なるシンボルは、異なる情報密度を有し、異なる量のエンコードされたデータを表す所定の領域において、異なる数の要素を含む。その密度が濃ければ濃いほど、その要素およびその空間は小さくなる。適切な媒体上においてより密度の濃いシンボルを印刷することは骨の折れる作業であり、したがって、より多くの要素を用いて低密度のシンボルを印刷するよりもはるかにコストがかかる。バーコードシンボルの密度は、最小のバー/スペース幅に関して表現され得、「モジュールサイズ」またはコードの「空間頻度(frequency)」とも呼ばれ、それは、バー/スペース幅の二倍の逆数である。
【0009】
バーコードリーダは、通常、特定の解像度を有し、その実効的な感知スポットによって検出可能であるモジュールサイズによってしばしば表される。例えば、ビームスポットのサイズは、異なる光の反射率の領域(すなわち、シンボルのバーおよびスペース)の間における最小幅よりも幾分か大きくてもよい。リーダーの解像度は、ビームソースまたは検出器のパラメータ、ビームソースまたは検出器のいずれかに関連するレンズまたは開口部、シンボルの平面に関するビームの傾きの角度、デジタイザーの閾値レベル、デコーダにおけるプログラミング、または、これらの要因のうちの2つ以上の組み合わせによって確立される。光検出器は、検出器の開口部に到達する投射されたスポットの領域から拡散された光を実効的に平均化する。
【0010】
リーダがシンボルをデコードすることができる領域は、リーダの実効作動範囲と呼ばれる。この範囲内において、スポットのサイズは、所定の密度に対してシンボルの正確な読取りがなされる程度のサイズである。作動範囲は、リーダの光学コンポーネントの深度特性、ならびに、シンボルのモジュールサイズに依存する。
【0011】
多くの公知のリーダは、所定の距離において所定のサイズのビームスポットを作成するために、光学システムを用いて、レーザビームをコリメートまたは焦点を合わせる。この距離におけるレーザビームの強度は、ビームに対して直角の平面において(理想的には、走査されたシンボルに対してほぼ並行)、高い中央のピークを有する「ガウス」分布によって通常は特徴付けられる。ガウスビームは、通常は、発散ゾーンがその後に続く、限定された発散を有するウエスト(waist)(コリメートされた)ゾーンを示す伝搬の軸に沿った輪郭を有する。そのコリメートされたゾーンは、最大のバーコード密度の領域に対する深さ(焦点範囲)を決定する。しかしながら、リーダとシンボルとの間における距離がそのリーダの作動範囲の外へ移動する(それは、通常は、わずか数インチの長さである)と、ビームスポットのガウス分布は大きく広がり、シンボルの正確な読取りができなくなってしまう。したがって、そのようなリーダは、適切にシンボルを読み取るために、シンボルから比較的狭い範囲の距離内に配置されなければならない。
【0012】
コリメートされたレーザ光のビームを、アキシコン(axicon)光学素子(例えば、円錐レンズなど)光学素子に方向付けることによって改変し、そのビームの光学軸に沿って相当な距離を介して一定のスポットサイズを示す光のビームを生成することが、提案されている。そのような光学システムは、米国特許(特許文献3、特許文献4、特許文献5)に開示されている。円錐アキシコンは、ほぼ回折のないビームを生成し、走査ビームの作動範囲を広げる。そのようなビームは、比較的長い距離を介しても実質的に発散を示さず、強度分布に関してドーナツ状のスポットパターンを生じる。そのような発散のないビームは、特定のシンボル密度に対して、従来のガウスビームの範囲の2倍から3倍の範囲を提供することができる。しかしながら、そのようなビームは、所定のバーコード密度を走査することにおいて性能を改善させるように設計されるが、より低い密度のシンボルの対応する作動範囲は、殆ど増えないか、または全く増えず、ビームがドーナツ状分布となる距離によって制限されている。
【0013】
円錐アキシコンは、それ自体は、ほぼ円形のビームスポットを生成するが、楕円形のビームスポットが好適な一次元のUPCシンボルを読み取るためには所望されない。なぜならば、シンボルにおけるくぼみおよびインクの塗布によって、および、スペックル雑音によって導入されるエラーに対して感度が低いからである。実際には、狭い寸法の楕円スポットは、走査方向に沿って掃引され、そのようなエラーを最小化する。
【0014】
ビームスポットの楕円率は、回折格子を用いることによって、アキシコンベースのリーダにおいて導入され得る。しかしながら、特に、レーザダイオードからの従来のガウスビームが開口部を介して配向されれている非アキシコンベースの光学システムと比較すると、導かれ得る楕円率の大きさにおける制限が存在する。
【0015】
また、円錐アキシコンはレーザのポインティングエラーに対して敏感である。すなわち、レーザとアキシコンとの間の細かい角度調整および位置決めは、適切な動作のためには極めて重要である。それゆえ、特に、非常に遠くのシンボルがリーダから離れて位置されている場合の長距離スキャナにおいて、作動範囲を増加させるために、円錐アキシコンを用いることが所望されるが、ビームスポットを楕円形にさせ、かつレーザソースをポインティングエラーに対して感度を低くさせることにおける制限は、電気光学リーダにおけるアキシコンを前もって選定することを妨げる傾向がある。
【特許文献1】米国特許第5,600,121号明細書
【特許文献2】米国特許第5,734,153号明細書
【特許文献3】米国特許第5,164,584号明細書
【特許文献4】米国特許第5,331,143号明細書
【特許文献5】米国特許第6,651,888号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、電気光学リーダにおける作動範囲を増加させることが本発明の一般的な課題である。
【0017】
より詳細には、特に、リーダの近くに位置される至近距離のシンボルに対して、移動ビームリーダにおける作動範囲を増加させることが本発明の課題である。
【0018】
回折格子に頼らずに、ビームスポットの楕円率を導入することが、本発明のさらなる別の課題である。
【0019】
光源のポインティングエラーおよび誤った位置決めに対してリーダをより感知しにくくさせることが、本発明のさらに別の課題である。
【0020】
本発明のさらなる課題は、イメージング・リーダにおける焦点深度を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述の課題と以下で明らかにされるその他の課題とを踏まえると、本発明の一つの特徴は、簡潔に述べると、対称ではなく、周知の円錐アキシコンの場合におけるように、非対称であり、相互に独立した長さおよび幅の寸法(好適には、異なるサイズ)を有する光学素子を利用することにある。この非対称的な光学素子は、本明細書においては「屋根型」素子とも呼ばれ、レンズ表面の対(好適には平面である)を有し、光が伝搬される光学軸に沿って交差する線に沿って接触する。これらの2つのレンズ表面は、光を光学軸に沿った複数の焦点に合わせ、それによって、屋根型素子が、拡張された作動範囲内に配置されたインディシアを読み取るために用いられる、移動ビームタイプの電気光学リーダの作動範囲を拡張する。イメージングリーダの場合において、2つのレンズ表面は、光学軸に沿って複数のイメージ点から戻ってくる光をイメージングする。
【0022】
したがって、所望の拡張される作動範囲が得られる。しかしながら、屋根型素子は、その屋根型素子を通過する光の光強度分布を表す線広さ関数またはビーム輪郭において、「波状線」として知られる所望されない光強度変調を生成する。これらの波状線は、リーダが首尾よくシンボルを読み取る性能に欠陥を生じさせ、および一部の場合においては、シンボルを読み取ることに完全に失敗してしまうこともある。
【0023】
本発明の別の特徴は、波状線の影響を縮減するための新しい開口絞りにあり、それによって、リーダの読み取り性能を改善する。その開口絞りは、光学開口部と、該インディシアが延びている該方向の両方に沿って、可変の寸法を有する該光学開口部を形成する境界に沿った該光学開口部を境界付ける支持部を含む。光学開口部の寸法は、光が通過する光の断面が、長円または楕円形を有し、それによって、回折格子のための従来技術による要求を避けるように、異なる。
【0024】
従来技術に従い、光学開口部は、円形、楕円形、長方形、正方形、または菱形であり得る。しかしながら、本発明に従うと、光学開口部は、境界に沿って間隔をおかれた複数の光通過領域を有し、光遮断領域は、光通過領域の対の間において配置される。好適には、境界は、想定される光学開口部の対向側において、上記方向のうちの1つに沿って周期形状を有する。その周期形状は、正弦、あるいは、三角形、台形、または長方形の連続であり得る。
【0025】
したがって、光強度における突然の変化とは異なり、ビームスポットが長方形開口部の各側において、垂直の縁に亘っている場合などのように、本発明は、開口部の各側における縁が垂直な線形の縁、あるいは、円形または楕円形の開口部の場合などのように、湾曲した縁ではないという事実によって、光強度におけるより段階的な変化を目的としている。その代わり、各縁は、光強度の変化が継続的で漸次的であるように、複数の光通過領域および光遮断領域を有する。開口部の対向側は突然の光強度変化を生じないゆえに、これらの対向側または縁は、本明細書において、「滑らかな」縁と呼ばれることもあり、その開口部は、本明細書において、「滑らかな縁」の開口部と呼ばれる。
【0026】
上述のように、滑らかな縁の開口部は、以下でさらに詳細に記載されるように、ビーム輪郭において波状線の影響を縮減するが、また、作動範囲をも縮減してしまう。しかしながら、滑らかな縁の開口部が、上述にて説明されたような、作動範囲を増加させる屋根型素子とともに用いられる場合、その効果は、改善であり、悪くても、その作動範囲は変化しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本明細書において使用されるとき、「シンボル」という用語は、バーコードシンボルとして一般に称される様々な幅のバーとスペースとの交互配置から構成されるシンボルパターンのみならず、他の一次元または二次元の図形的なパターンおよび英数字も包含する。一般に、「シンボル」という用語は、パターンまたはインディシアの様々な点における光反射における変化の表出として、光ビームを走査し、反射および拡散された光を検出するか、または、視野を走査し、シンボルからセンサアレイへと戻ってくる光をイメージングするかのいずれかによって、認識または識別され得る任意のタイプのパターンまたはインディシアに適用され得る。図1は、読み取られるべき「シンボル」の一例として、インディシア15を示している。
【0028】
図1は、シンボルを読み取るための携帯レーザスキャナデバイス10を示す。レーザスキャナデバイス10は、樽部分11およびハンドル12を有し概して上述のパターンにおいて示されたタイプである筺体を含む。図は、携帯型のピストル形状の筺体が示されているが、本発明はまた、デスクトップワークステーションまたは固定スキャナのような他のタイプの筺体にもインプリメントされ得る。図示された実施形態において、筺体の樽部分11は、出口ポートまたは出口窓13を含み、この出口ポートまたは出口窓を介して、外へ行くレーザ光ビーム14は、筺体から幾分か離れた距離に配置されたバーコードシンボル15上に衝突し、シンボル全体を走査する。
【0029】
レーザビーム14は、シンボル15全体にわたって動き、走査パターンを生成する。典型的には、走査パターンは、線16によって示されるように、一次元または線形である。レーザビーム14のこの線形の走査の動きは、振動モータ18によって駆動される振動する走査ミラー17によって生成される。必要に応じて、二次元走査パターンを介してビーム14を走査する手段が提供され得、二次元の光学的にエンコードされたシンボルの読み取りを可能にし得る。手動のトリガ19または類似する手段は、オペレータがデバイス10を持ち、デバイス10をシンボル15に照準するときに、オペレータが走査動作を開始することを可能にする。
【0030】
スキャナデバイス10は、筺体内に装着されたレーザソース20(例えば、ガスレーザチューブまたは半導体レーザダイオード)を含む。レーザソース20は、レーザビーム14を生成する。光検出器21は、バーコードシンボル15から反射および散乱された光の少なくとも一部を収集するために、筺体の中に置かれる。光検出器21は、窓13に面し得る。あるいは、走査ミラー17の凸部は、反射された光を光検出器21に焦点を合わせし得、その場合、光検出器は走査ミラーに面する。ビーム14がシンボル15を掃引すると、光検出器21は、シンボル15から反射された光を検出し、反射された光の強度に比例したアナログ電気信号を生成する。デジタイザー(図示されず)は、通常は、アナログ信号をパルス幅変調されたデジタル信号に変換し、そのパルス幅および/または間隔は、走査されたシンボル15のバーおよびスペースの物理的幅に対応する。デコーダ(図示されず)は、通常、関連するRAMおよびROMを有するプログラムされたマイクロプロセッサを備え、特定の記号種に従ったパルス幅変調されたデジタル信号をデコードし、そのシンボルにおいてエンコードされたデータのバイナリ表示およびそのシンボルによって表された英数字を引き出す。
【0031】
レーザソース20は、焦点レンズ69、光学素子22、および開口絞り23を備える光学アセンブリを介してレーザビームを方向付け、そのレーザビームを改変したり、走査ミラー17に方向付ける。ミラー17は、垂直シャフトに実装され、垂直軸のまわりのモータドライブ18によって発振され、ビームを反射し、それを、出口ポート13を介してシンボル15に方向付ける。素子22および開口部23の詳細は、本発明が関与する範囲で、以下に記載される。
【0032】
走査デバイス10を動作させるために、オペレータは、レーザソース20およびモータ18を起動させるトリガ19を押し下げる。レーザソース20は、素子22および開口部23の組み合わせを通過するレーザビームを生成する。素子22および開口絞り23はビームを改変し、所定のサイズのくっきりとした(intense)ビームスポットを生成する。その所定のサイズは、継続して拡大するが、範囲24の作動距離を超えては、実質的に変化しない。素子および開口部の組み合わせは、ビームを回転式ミラー17に方向付け、上記ミラーは、その改変されたレーザビームを走査筺体11から外に向け、ある掃引パターンで(すなわち、走査線16にそって)バーコードシンボル15に向けて方向付ける。バーコードシンボル15は、作動距離24内の任意の位置に配置され、レーザビーム14と実質的に直角であり、レーザ光の一部を反射する。光検出器21は、非逆反射位置において、走査筺体11に実装されて示されており、反射された光を検出し、その受け取った光をアナログ電気信号に変換する。光検出器はまた、走査ミラー17に面する逆反射位置に実装され得る。システム回路網は次いで、そのアナログ信号を、マイクロプロセッサベースのデコーダがバーコードの記号種のルールの特性に従ってパルス幅変調するデジタル信号に変換する。
【0033】
本発明の一つの特徴に従うと、図2において最も良く示されるように、素子22の一実施形態は、前方の概して平面である光を受け取る入射表面24、および、後方の概して平面である素子を通過した後に光が発せられる出口表面25、26の対を有する。用語「前方」および「出口」は、便宜上用いられている。なぜならば、表面25、26はまた、前方表面としても用いられ得、表面24はまた、出口表面としても用いられ得るからである。出口表面25、26は、ソース20からのビーム14が伝搬する光学軸と交差し、かつ直角である線27に沿って接触する。光学素子22は、長さLおよび幅Wを有し、それらの両方は、相互に直交した寸法となっており、独立して選択可能である。光学素子22は、点光源20から来る光ビーム14を、実点線に沿う作動距離範囲24に沿った軸と交差するように、各出口表面に対する角度αの傾きの関数として、光学軸上に折り曲げる。
【0034】
上記のように、円錐対称アキシコンを用いることは当該技術分野において周知であり、その出口表面は平面である代わりに円錐型である。円錐アキシコンは円形ビーム断面を生成し、その断面は、一次元シンボルの読み取りに対しては所望されない。それゆえ、その技術は、上記されたように、回折格子に頼っており、レーザポインティングエラーと争っている。
【0035】
本発明の非対称または「屋根型」素子22は所望の拡張された作動範囲を生成するが、従来の開口絞りを用いて使用される場合、線広がり関数における前述の波状線(wiggle)を生成する。例えば、図3は、長方形の開口絞りと共に用いられる場合の図2の屋根型素子の線広がり関数を示す。線広がり関数は、走査方向(x軸)および直交方向(y軸)に沿った標的平面におけるシンボル上において、ビームスポットの光強度分布を積分することによって得られた関数である。図3において、x軸分布は、曲線28によって識別され、y軸分布は、曲線29によって識別され、所望されない光強度変調は、波状線30によって識別される。波状線の存在は、デコーディングの悪化または失敗を導く。
【0036】
本発明の別の特徴に従うと、開口絞り23は、波状線30を最小化するように構成されている。正方形、長方形、円形、楕円形、または従来技術による教示のような菱形の開口部とは異なり、開口絞り23は、上述のように、「滑らか(soft)」な縁を有する。図4にみられるように、開口絞り23は光学開口部31、および、x軸(水平走査方向)およびy軸(垂直方向)に沿って可変の寸法を有する開口部を形成する境界33に沿った開口部31にて境界を示す支持部32を有する。2つの軸に沿った寸法は、ビームが通過する断面が楕円形となるように、異なっており、より狭い、またはより短い寸法が走査方向に沿っている。
【0037】
滑らかな縁は、少なくとも2つの(および好適には、境界に沿って互いに間隔付けられた)一連の光通過領域35、37、39、41、43、45、ならびに、少なくとも一つの(および好適には、境界に沿って互いに間隔付けられた)一連の光通過領域34、36、38、40、42によって特徴付けられる。光通過領域は、光遮断領域と交互になっている。好適には、一つの光遮断領域は、隣接する光通過領域の対の間に配置される。
【0038】
図4は好適な実施形態を示しており、滑らかな縁は、振幅Aおよび周期Tを有する正弦曲線であり、A sin(2πT)の関数にて特徴付けられる。他の周期形状、例えば、三角、長方形、または台形などもまた用いられ得る。他の非周期形状、例えば自由形式の曲線などもまた用いられ得る。
【0039】
図5aは、標準的な長方形開口部46を示す。図5bは、窓13から約4インチの至近距離の標的平面におけるx軸およびy軸全体に亘る対応する線広がり関数47、48を示す。図5cは、窓から約18インチの至近距離の標的平面におけるx軸およびy軸全体に亘る対応する線広がり関数49、50を示す。x軸に対する線広がり関数47、49は、所望のガウスビーム輪郭の質を低下させる波状線または段部51、52を有することに留意されたい。
【0040】
図6aは、図4の滑らかな縁の開口部23を示し、ここで、A=開口幅の8%、および、T=4.5である。図6bは、至近距離の標的平面における対応する線広がり関数53、54を示す。図6cは、遠距離の標的平面における対応する線広がり関数55、56を示す。
【0041】
図7a、図7b、図7cは、A=開口幅の16%であることを除き、図6a、図6b、図6cと類似している。x軸に亘る線広がり関数57、59は段部を有さず(段部51、
52と比較して)、それゆえ、理想的なガウスビーム輪郭に極めて類似する。
【0042】
したがって、周期的な縁の振幅Aが大きければ大きいほど、段部51、52が作動距離範囲の対向する端部において至近距離および遠距離の両方のシンボルに対してリーダの性能を低下させる点について有する影響が小さくなる。周期Tは、開口部において、スポットサイズよりも小さいように選択され、そのスポットの変化は、線広がり関数に不利に影響しない。レーザスポットの最大強度が開口部の中央にない場合に、レーザソースからの相当なポインティングエラーがあったとしても、ビーム輪郭は、その整合性を維持する。図8aおよび図8bは、ビームスポット変化またはポインティングエラーを示し、そのビーム輪郭はこれに対して感度は低い。
【0043】
非対称な屋根型素子22は、作動範囲を低減する傾向にある滑らかな縁の開口部によってその影響が反作用される作動範囲に延びている。しかしながら、ビーム輪郭における波状線の低減は、特に、至近距離シンボルに対して、リーダ性能を改善する。また、開口絞りは、ビームスポットの水平および垂直の寸法を、独立して最適化することを可能にする。ビームスポットの垂直のサイズは、水平のサイズとは独立して選ばれ得る。また、図9の実施形態に示されるように、前方表面24は必ずしも平面である必要はなく、ビームスポットの楕円率を制御するために、円筒形の表面61として構成され得る。
【0044】
図9に示されるように、開口絞りは、各平面表面25、26上において、一連の溝62、63を形成することによって、屋根型素子22と一体化して形成され得る。図10に示されるように、平面の領域を通過する光は、真直ぐに通過する。しかしながら、溝62、63上に入射する光は拡散され、それによって、望まれた実効的な開口縁を形成する。一連の各溝は、可変の距離で間隔付けられ、それによって、屋根型素子の組み入れのために、滑らかな開口縁を与え得る。
【0045】
屋根型素子64のさらなる別の実施形態は図11に示され、各出口表面が平面ではなく湾曲していることを除いて、図2に示されたものと同一である。好適には、各湾曲した出口表面65、66は、放物線である。y軸に沿ったビーム輪郭は、放物線表面によって制御される。
【0046】
図12は、光電池の線形センサアレイ67(好適には、電荷結合素子)、焦点レンズ68、屋根型素子22、および滑らかな縁開口絞り23を含むイメージングリーダのコンポーネントを概略的に示し、それら全ては、焦点深度内の任意の場所に配置されたシンボルのイメージからキャプチャされた光が戻る経路において実装されている。線形アレイを有する周知のイメージングリーダは、通常は、移動ビームリーダよりも低い焦点深度を有する。しかしながら、本発明に従った屋根型素子22および滑らかな縁開口絞り23の使用は焦点深度を増加させ、それによって、高い処理能力を要する環境における使用に対して、このタイプのイメージングリーダを、さらに有用なものにする。
【0047】
イメージャとともに、滑らかな縁開口絞りを有する屋根型素子を用いることで、開口部のサイズを、拡張された作動範囲を犠牲にして増加させることが可能である。新たなシステムは、アキシコン開口部の組み合わせを有さないものと同じ作動範囲を有するが、より大きいクリアーな開口部を有する。より大きな開口部は、さらなる光がセンサアレイによって集められるという結果を引き起こし、センサの露出時間の縮減を可能にする。露出時間を縮減することによって、手の動きに対する携帯用リーダの免疫性は増加する。これは、高い生産性および生産力に直接、関係する。
【0048】
それゆえ、好適には滑らかな縁開口絞りと組み合わせて屋根型素子を使用することにより、作動範囲を犠牲にせず、電気光学リーダにおけるアキシコンの使用を除去することが提案されている。本発明に従ったさらなる別の解決策は、再び、作動範囲を増加させるという同一の目的にために、収斂(焦点)レンズの表面上に、意図的に発散型球面による収差を形成することである。
【0049】
図13は、アキシコンをベースとした従来の配置を示しており、上記配置において、レーザダイオード20は、収斂焦点レンズ69、従来の開口絞り70(すなわち、一つは、円形、楕円、長方形、正方形、または菱形の開口部)と、複数の焦点(光学軸72に沿ったP1およびP2の間の全ての点)にビームを合わせるための円錐アキシコン71とを介することにより、レーザビームを方向付け、拡張された作動範囲を規定する。焦点レンズ69は、収差がなく、ビームの波面は、参照番号73に概略的に表されるように、円錐形である。
【0050】
図14は、本発明に従って、参照番号75によって概略的に表されるようにビームの波面が非球面になるように、追加の光学コンポーネント74が、収斂焦点レンズ69に対して、発散型球面による収差を生成するために用いられることを示す。発散型球面による収差は、内側の光線(すなわち、放射状に光学軸72により接近している光線R2)をレンズ69により接近した焦点ポイントP3へと屈折させることに比べ、外側の縁の光線(すなわち、放射状にさらに光学軸72からである光線R1)を、レンズ69からさらに離れた焦点ポイントP4へと屈折させる。
【0051】
収斂型球面による収差と同じように、発散型球面による収差は、光が正確な点に焦点を合わされることを妨げる本質的な欠陥である。そのような収差を補償および補正することは、光学設計者にとっては慣習的なことである。しかしながら、本発明に従って、焦点レンズは意図的に必要以上に補正される。
【0052】
数学的に言えば、出口瞳孔(pupil)の平面における波面の下降(W)は、
W=AR+BR
として記載され得、ここで、Aはピンぼけの係数であり、Bは、球面による収差の係数であり、Rは光線が光学軸からオフセットされる半径距離である。収差のないレンズに対しては、Bはゼロである。しかしながら、本発明に従い、Bは、負の値として選択される。
【0053】
発散型球面による収差を有するために収斂レンズ69を必要以上に補正すると、その結果、ポイントP3とP4との間において測定される作動範囲が増加する。アキシコンは用いられない。したがって、光学アセンブリは、アキシコンベースのアセンブリの場合と同じように、ダイオードポインティングエラーおよびレーザダイオードの変化に対して感度は低い。滑らかな縁の開口絞りの使用など、開口部の平面におけるアポディゼーションは、必要とされない。なぜならば、従来の開口絞りが用いられ得るからである。アキシコンとは異なり、必要以上に補正されたレンズは、レンズまたはミラーなど従来の非点収差のコンポーネントを用いて、x軸およびy軸の両方に沿って走査ビームの高さおよび幅の寸法を独立的に制御することを可能にする。ビームスポットは、アキシコンベースのアセンブリを用いて達成されるよりもさらに大きい程度に楕円にされ得る。
【0054】
発散型球面による収差は、ガラス基板上、または直接に焦点レンズ69上に、プラスチックの非球面レプリカを使用することによって導入され得、一体化されたワンピースの構造を形成する。あるいは、発散球面収差は、別個の光学コンポーネント、すなわち、図15に示されるような、位相板76によって導入され得る。図15において、ガラス平凸レンズ69はレーザビームをコリメートする。プラスチックの位相板76は、ビーム改変ゾーンおよび円錐ゾーンの2つのゾーンを組み合わせる第1の表面を有する。ビーム改変ゾーンは、所望の大きさの発散型球面収差を導入し、本発明に従った拡張された作動範囲を提供する。実効開口部は、ビーム改変ゾーンおよび円錐ゾーンの交差によって形成される。円錐ゾーンは、実効開口部の外側の光線を、光学軸から外れてそらせる。そのそらされた光線は、次いで、開口部70によって絞られる。この配置は、作動範囲の整合性を提供するために、生成されたレーザビームの波面の離心率を最小化する。
【0055】
発散型球面収差を生成するための位相板76はまた、イメージングの用途における作動範囲を拡張するために有用であり得る。それゆえ、位相板76は、図12における屋根型素子22および滑らかな縁開口部23と差し替え可能である。
【0056】
新規かつ特許証によって保護されることが所望されるものとして請求されるものは、添付の請求の範囲において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明に従った、隔たった作動範囲に配置されているインディシアを電気光学的に読み取るためのリーダにおいて用いられる携帯用デバイスの一部除去された透視図であり、そのデバイスは、屋根型素子の一実施形態および、開口部絞りの一実施形態を含む。
【図2】図2は、図1の屋根型素子の実施形態の拡大斜視図である。
【図3】図3は、所望されない光強度変調を示す2つの軸に亘る線広さ関数のグラフである。
【図4】図4は、図1の開口絞りの実施形態の拡大立面図である。
【図5a】図5aは、従来技術に従った長方形の開口絞りである。
【図5b】図5bは、従来技術に従った至近距離および遠距離のシンボルのための2つの軸に亘る線広さ関数である。
【図5c】図5cは、従来技術に従った至近距離および遠距離のシンボルのための2つの軸に亘る線広さ関数である。
【図6a】図6aは、本発明に従った、設計パラメータの第1のセットを有する滑らかな縁の開口絞りである。
【図6b】図6bは、図の開口絞りを別にして、図5bと類似している。
【図6c】図6cは、図の開口絞りを別にして、図5cと類似している。
【図7a】図7aは、本発明に従った、設計パラメータの第2のセットを有する滑らかな縁の開口絞りである。
【図7b】図7bは、図の開口絞りを別にして、図5bと類似している。
【図7c】図7cは、図の開口絞りを別にして、図5cと類似している。
【図8】図8aおよび図8bは、図4の開口絞りの立面図であるが、上に載せられた楕円のビームスポットは、レーザポインティングエラーに対する感度の低さを示す。
【図9】図9は、本発明の屋根型素子の別の実施形態の透視図である。
【図10】図10は、図9の表面の詳細の拡大断面図である。
【図11】図11は、本発明に従った屋根型素子の別の実施形態の透視図である。
【図12】図12は、本発明に従った屋根型素子および開口絞りを用いたイメージングリーダの略透視図である。
【図13】図13は、従来技術に従ったアキシコンベースの光学アセンブリの略図である。
【図14】図14は、本発明に従った、作動範囲を拡張するための、非アキシコンベースの光学アセンブリの図である。
【図15】図15は、本発明に従った、作動範囲を拡張するための、別の非アキシコンベースの光学アセンブリの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に直交する方向に沿って延びているインディシアを電気光学的に読み取るためのシステムにおいて、開口絞りを通過する光の量を制限するための開口絞りであって、
a)光学開口部と、
b)該インディシアが延びている該方向の両方に沿って可変の寸法を有する該光学開口部を形成する境界に沿い、該光学開口部を境界付ける支持部であって、該光学開口部は、該境界に沿って間隔をおかれた複数の光通過領域を有し、該支持部は、該境界に沿って、光通過領域間における光遮断領域を有する、支持部と
を備える、開口絞り。
【請求項2】
前記支持部は、前記境界に沿って連続的に配置された複数の光遮断領域を有し、各光遮断領域は、光通過領域の対の間に配置されている、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項3】
前記境界は、想定される光学開口部の対向側において、前記方向のうちの一つに沿って周期形状を有する、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項4】
前記開口形状は、正弦曲線である、請求項3に記載の開口絞り。
【請求項5】
前記周期形状は、三角形、台形、および長方形のうちの一つの連続物である、請求項3に記載の開口絞り。
【請求項6】
相互に直交する方向に沿って延びているインディシアを電気光学的に読み取るためのシステムにおいて使用するための光学素子であって、
光学軸と、該光学軸と交差する線に沿って接触する一対のレンズ表面とを有する非対称レンズであって、該線は、該方向のうちの一つに沿って延びている長さの寸法を有し、該レンズは、該方向のうちのもう一つに沿って延びている幅の寸法を有し、該長さの寸法は、該幅の寸法から独立している、非対称レンズ
を備える、光学素子。
【請求項7】
各レンズ表面が平面である、請求項6に記載の素子。
【請求項8】
各レンズ表面が湾曲表面である、請求項6に記載の素子。
【請求項9】
前記レンズは、光を受け取るためのほぼ平らな入射表面を有する、請求項6に記載の素子。
【請求項10】
前記レンズは、非対称的な断面を有するために前記光を光学的に改変するための円筒形の入射表面を有する、請求項6に記載の素子。
【請求項11】
インディシア全体に亘る走査においてレーザビームを掃引することによって、相互に直交する方向に沿って延びている該インディシアを電気光学的に読み取るためのシステムにおける光学アセンブリであって、
a)付随する所望されないレーザ強度変調とともに該インディシアが読み取られる作動範囲を拡張するための非対称的な光学素子であって、該素子は、光学軸と、該光学軸に沿って該レーザビームを複数の焦点に合わせるための一対のレンズ表面とを有し、該レンズ表面は、該光学軸と交差し、該方向のうちの一つに沿って延びている長さの寸法を有する線に沿って接触し、該素子は、該長さの寸法とは独立な該方向のうちのもう一つに沿って延びている幅の寸法を有している、非対称的な光学素子と、
b)該作動範囲において、付随した低減とともに、該所望されないレーザ強度変調を低減させるための開口絞りであって、該開口絞りは、光学開口部と、該インディシアが延びている該方向の両方に沿って可変の寸法を有する該光学開口部を形成する境界に沿い、該光学開口部を境界付ける支持部であって、該光学開口部は、該境界に沿って間隔をおかれた複数の光通過領域を有し、該支持部は、該境界に沿って、光通過領域間における光遮断領域を有する、支持部と、を含む、開口絞りと
を備える、光学アセンブリ。
【請求項12】
前記素子および前記開口絞りは、ワンピース構造である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記素子の前記レンズ表面の各々は、平面である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記素子は、非対称の断面を有するために前記レーザビームを光学的に改変するための円筒形の入射表面を有する、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記支持部は、前記境界に沿って連続的に配置された複数の光遮断領域を有し、各光遮断領域は、光通過領域の対の間に配置されている、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項16】
視野全体に亘るインディシアから拡散されたレーザ光をイメージングすることによって、相互に直交する方向に沿って延びている該インディシアを電気光学的に読み取るためのシステムにおける光学アセンブリであって、
a)該インディシアは、付随する所望されないレーザ強度変調とともに読み取られる作動範囲を拡張するための非対称的な光学素子であって、該素子は、光学軸と、該光学軸に沿って複数のイメージングポイントからのレーザ光をイメージングするための一対のレンズ表面とを有し、該レンズ表面は、該光学軸と交差し、該方向のうちの一つに沿って延びている長さの寸法を有する線に沿って接触し、該素子は、該長さの寸法とは独立な該方向のうちのもう一つに沿って延びている幅の寸法を有している、非対称的な光学素子と、
b)該作動範囲において、付随した低減とともに、該所望されないレーザ強度変調を低減させるための開口絞りであって、該開口絞りは、光学開口部と、該インディシアが延びている該方向の両方に沿って可変の寸法を有する該光学開口部を形成する境界に沿い、該光学開口部を境界付ける支持部であって、該光学開口部は、該境界に沿って間隔をおかれた複数の光通過領域を有し、該支持部は、該境界に沿って、光通過領域間における光遮断領域を有する、支持部と、を含む、開口絞りと
を備える、光学アセンブリ。
【請求項17】
前記素子および前記開口絞りは、ワンピース構造である、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記素子の前記レンズ表面の各々は、平面である、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記支持部は、前記境界に沿って連続的に配置された複数の光遮断領域を有し、各光遮断領域は、光通過領域の対の間に配置されている、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項20】
インディシア全体に亘ってレーザビームを掃引することによって該インディシアを電気光学的に読み取るためにシステムにおける光学システムであって、
a)該ビームの焦点を合わせるための収斂焦点レンズと、
b)該インディシアが読み取られる作動範囲を増加させるために、該収斂レンズに対する発散型球面収差を生成する生成器と
を備える、光学アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−507758(P2008−507758A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522523(P2007−522523)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023825
【国際公開番号】WO2006/023111
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(506144101)シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】