拡張可能デバイスを用いた椎体間の脊椎安定化のためのシステムおよび手法
拡張可能デバイス(30)は、送達器具(50)の遠位部で拡張可能要素(55)を受けるための中空の内部(40)を画成する円筒部を含む。拡張可能デバイスは、脊椎椎間板腔に送達するために送達器具の遠位部の表面で収縮している。縮小した拡張可能デバイスは脊椎椎間板腔内に送達されるとすぐに送達器具の拡張可能要素が拡張可能となり、拡張可能デバイスを拡張し椎間板腔を伸延する。拡張可能デバイスは、隣接する椎骨同士を安定させるように伸延した後、脊椎椎間板腔内に留まることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張可能デバイスを用いた椎体間の脊椎安定化のためのシステムおよび手法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、2002年11月21日に出願された仮出願第60/428,061号の出願日の利益を主張する。
脊椎変形がある場合、脊椎の隣接する椎骨間の椎間板腔の高さが椎間板腔の状態によって、または手術中に起こる状態によって、不十分になる、または異常を起こすことがある。術中における椎間板腔の高さの修復には、移植物の挿入中に椎間板腔を伸延しその伸延状態を維持するように器具を挿入することが必要になることがある。このような器具の使用には、このような挿入に対処する時間、および器具を収容するための手術部位の追加的な露出が必要となる。
【0003】
挿入後にケージの高さを調整する機能を有する椎体間融合ケージが開発されてきた。しかし、そのような調整にはケージの高さを調整するためにケージ内で煩雑かつ複雑な器具の操作が必要となることがある。そのような調整はまた、椎骨終板がそれぞれのケージ表面と接触する面に不均一な負荷の配分をもたらすこともある。さらに、ケージ内に内部拡張機構があると、骨成長物質のためのケージ内の利用可能な空間が減少する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、外科的露出および脊椎手術中に使用する器具の数を最小限に抑え、安定化デバイスの挿入に要する時間を低減し、かつ安定性損失の可能性を低減する、脊椎安定化システムおよび方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
椎体間の脊椎安定化の複雑性および侵襲性を低減するために提供されるシステムは、拡張可能な送達器具を用いて脊椎椎間板腔に送達可能である拡張可能デバイスを提供する。拡張可能デバイスは、椎間板腔を伸延するため、かつ安定化をもたらすように拡張したデバイスを埋め込むために、送達器具の拡張可能要素によって椎間板腔内で拡張する。
【0006】
一態様によれば、拡張可能デバイスおよび送達器具を含む脊椎移植物システムが提供される。送達器具は、縮小した拡張可能デバイスを送達器具によって手術部位に送達した後、デバイスに拡張力を加えるようにデバイスの内部空洞のサイズおよび形状に共形可能な遠位側拡張要素を含む。
【0007】
別の態様によれば、拡張可能デバイスおよび送達器具を含む脊椎移植物システムが提供される。送達器具は、拡張可能デバイスに拡張力を加えるように拡張可能であるバルーンの形をした遠位側拡張要素を含む。
【0008】
別の態様によれば、拡張可能デバイスおよび送達器具を含む脊椎移植物システムが提供される。送達器具は、収縮した拡張可能デバイス内部に拡張可能要素を備える遠位部を含む。拡張要素は、生体位で拡張可能デバイスを拡張するように拡張可能デバイスの長さに沿って均一に拡張力を加える形状になっている。
【0009】
他の態様によれば、送達器具の拡張可能部分に設置された拡張可能デバイスが提供される。拡張可能デバイスは、最小侵襲外科手術で手術部位に送達するための非拡張形状をとり、その後手術部位での術後移植のための拡張形状に送達器具を用いて拡張可能である。
【0010】
別の態様では、椎間板腔に椎体間癒合デバイスを配置し、椎体間癒合デバイスを送達器具を用いて送達し拡張して、椎間板腔を伸延する方法が企図されている。椎骨間の癒合を促進するために、拡張した拡張可能デバイス内に骨充填材を置くこともできる。
【0011】
別の態様では、椎間板腔に椎体間デバイスを配置し、椎体間デバイスを送達器具を用いて送達し拡張して、椎間板腔を伸延する方法が企図されている。脊椎椎間板の動作を維持するために、拡張可能デバイスの空洞内に弾性コアを置くこともできる。
【0012】
これらおよび他の態様は以下の説明にも示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の原理を理解しやすくするために、図面に示した実施形態を参照し、それを説明するために特定の用語を使用する。しかしながら、それによって本発明の範囲を限定しようとするものではないことを理解されたい。本発明の関連技術分野の当業者なら通常思いつくはずの、図示したデバイスにおける改変および他の修正、および本明細書に示した本発明の原理に関する他の応用例は企図されている。
【0014】
拡張可能デバイスを、脊柱分節の骨構造物内または骨構造物間に配置し展開するためのシステムおよび方法が示されている。そのようなシステムは拡張可能デバイスを手術部位に送達し、拡張可能デバイスを生体位で拡張するための器具を含むことができる。このような拡張は、椎間腔内に配置されると、隣接する椎骨同士を伸延し、変形した脊柱分節を修復し、1つまたは複数の骨構造物に直接的かつ長期的な支持をもたらすことができる。
【0015】
一実施形態によれば、送達器具は、拡張可能な遠位部を有するバルーンカテーテル式の器具を含んでおり、その周りには該手術部位への送達のために縮小した拡張可能デバイスが配置され固定されている。送達器具を利用して、最小侵襲手術で、縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイスを手術部位に送達することができる。拡張可能デバイスが手術部位に配置されると、拡張可能デバイスを手術部位で展開し拡張するように送達器具の遠位部が拡張可能となる。拡張可能デバイスのこのような展開および拡張は、例えば、椎間腔内に配置されると、所望の椎間板腔高さをもたらすように隣接する椎骨同士を伸延することができる。
【0016】
本発明のシステムおよび方法を利用して、脊椎への最小侵襲手術アプローチをとることができる。そのようなアプローチには、前方、後方、経椎間孔、側方、斜位、経椎弓根、および他の椎間板腔へのアプローチがある。アプローチの性質は単極でも多極でもよい。アプローチは仙骨、腰椎、胸椎、頚椎など、脊柱分節のどの部分に対しても可能である。拡張可能デバイスを拡張して椎間板腔を伸延することにより、拡張可能デバイスの挿入前に、椎間板腔の伸延を維持する伸延デバイスを椎間板腔に配置する必要がなくなる。このシステムの方法を任意の画像システムで利用して、拡張可能デバイスを椎間板腔内に置き伸延器具を用いてデバイスを拡張することを監視する際の助けとすることができる。適切な画像システムの例として、蛍光透視、内視鏡、顕微鏡、CTスキャン、X線、および肉眼による可視化システムが挙げられる。
【0017】
ここで図1および図2を参照すると、拡張可能デバイス30の第1の実施形態が示されている。この実施形態では拡張可能デバイス30は、第1の椎骨の1つの終板に沿って配置可能な第1部分34、および隣接する第2の椎骨の終板に沿って配置可能な第2部分44を有する、脊椎椎間板腔内に配置可能な細長い本体部を含む。第1部分34は遠位側の挿入先端36と近位側との末端32の間を延びる。第2部分44は遠位側の挿入先端46と近位側の末端42との間を延びる。第1部分34と第2部分44との間には空洞40が画成されている。空洞40は遠位側の挿入先端36と近位側の末端32との間を延び、また各端で開口することができる。
【0018】
第1部分34は、多数の係合部材38を備えることができ、第2部分44も多数の係合部材48を備えることができる。係合部材38、48は椎骨の骨組織に係合可能であり、例えば歯、スパイク、隆起、ねじ山、棘、ローレット、突起、フィン、およびそれらを組み合わせた形態とすることができる。さらに外周面を滑らかにする、あるいは補助固定部材または係合部材を設けてもよいことが企図されている。第1および第2部分34、44はさらに、骨の内方成長を促すために1つまたは複数の開口39、49をそれぞれ含むことができる。
【0019】
第1部分34および第2部分44は、図1に示す非拡張形状から図2に示す拡張形状へと互いに離れるように可動である。非拡張形状では、拡張可能デバイス30は図1に示すように第1部分34と第2部分44の間に高さH1を有する。拡張形状では、拡張可能デバイス30は第1部分34と第2部分44の間に高さH2を有する。高さH1によって、拡張可能デバイス30を例えば狭小化または変形した隣接する椎体間の椎間板腔に挿入することが可能になることが企図されている。高さH2は、隣接する椎体間に所望の椎間板腔の高さをもたらすのに必要な、第1部分34と第2部分44との間の分離時の高さに対応することができる。
【0020】
送達器具50は、拡張可能デバイス30を非拡張形状から拡張形状へと動かすように設けることができる。送達器具50は、近位シャフト52、および拡張可能要素55を含む遠位部54を含む。図示された実施形態では、拡張可能要素55は、図1に示す縮小形状および図2に示す拡張膨張形状を含む膨張可能なバルーン様構造である。シャフト52は内腔を備えることができ、その中を通る流体または材料を拡張可能要素55の内部容積57に開口56から供給して、拡張可能要素55を拡張または膨張させることができる。拡張可能要素55は、拡張可能要素55および拡張可能デバイス30をそれぞれ非拡張形状または縮小形状で、拡張可能デバイス30の空洞40内に配置可能である。
【0021】
拡張可能デバイス30を手術部位に送達した後、拡張可能要素55を膨張させて、拡張可能要素55を拡張形状にすることができ、それにより図2に示すように拡張可能デバイス30の第1部分34および第2部分44を分離させることができる。拡張可能デバイス30が拡張するにつれて、第1部分34および第2部分は互いに離れるように動き、空洞40の容積が増加する。この拡張によって、隣接する終板間に所望の空間を設け、かつ椎間板腔の高さを修復するように、隣接する椎骨同士を伸延することができる。
【0022】
適切な送達器具50の1つの例には、高圧バルーンカテーテルが挙げられる。シャフト52は剛性、半剛性、または可撓性とすることができる。シャフト52は金属、ポリマー、またはそれらの組合せから製造することができる。シャフト52は、例えば空気または生理食塩水などの生体適合流体によって拡張可能要素55が膨張または拡張できるように、少なくとも1つの内腔を備えることができる。他の実施形態では、シャフト52が例えば骨移植片、骨成長材料、または他の適切な充填材を、拡張されたデバイス30の空洞40内に送達する複数の内腔を含むことが企図されている。拡張可能要素55は充填材を置く前または置くと同時に縮小されることが企図されている。
【0023】
図示された実施形態では、遠位部54は単一の拡張可能要素55を含むが、複数の拡張可能要素もまた企図されており、遠位部54に交互に拡張する性質をもたらす。例えば遠位部54は、遠位側の拡張可能要素および近位側の拡張可能要素が異なる高さを有するようにして、拡張可能デバイス30の拡張した第1部分34と第2部分44との間に角度を形成することができる。別の実施例では、遠位部54は選択的に拡張する上部拡張可能要素および下部拡張可能要素を含み、第1部分34および第2部分44の隣接する方を動かし、また第1部分および第2部分の他方は固定したままとすることができる。他の実施例では、拡張可能要素55は単一方向に拡張し、第1部分34および第2部分44の隣接する方を拡張方向に動かす。
【0024】
別の実施形態では、拡張後に遠位部54をシャフト52から切り離し、術後に拡張可能デバイス30を拡張状態で維持できることが企図されている。したがって、拡張可能デバイス30にわたって拡張可能要素55を骨成長材料または他の適切な充填材で膨張させて、骨成長を促進する、または椎間腔の動作を保護することができる。充填材が拡張可能要素55内で適切に硬化してそこから外に流出しないようになると、シャフト52を取り除くことができる。その代わりに、またはそれに加えて、バルブを拡張可能要素55の近くに配置して充填材がそこから流出しないようにすることもできる。拡張可能要素55は多孔性材料、再吸収性材料、または拡張したデバイスの空洞を介して骨成長を可能にする他の適切な材料から製造することができる。他の実施形態では、拡張可能要素55は、拡張可能要素内部に流入可能でありその後第1部分34と第2部分44との間に弾性のコアを形成するように重合するポリマーによって膨張する。
【0025】
拡張可能要素55は、拡張形状で空洞40のサイズおよび形状と一致するサイズおよび形状を有することができるが、一致しない形状もまた企図されている。拡張形状では、拡張可能要素55は先端36と末端32の間で第1部分34の内壁面に沿って均一の拡張力を加えることができる。図2に示すように両側方向に拡張する形状である場合は、拡張可能要素55は、先端46と末端42の間で第2部分44の内壁面に沿って均一の拡張力を加えることができる。均一な拡張力によって、伸延負荷は隣接する椎骨終板に沿って配分され、拡張可能デバイス30の長さに沿った均一の伸延がもたらされる。拡張可能要素55および/または空洞40は、円錐状、切頭円錐状、球状、立方体、球状、多角形、卵形、長円錐状、長球状、長方形、先細状、段状、ドッグボーン形状、オフセット形状、およびそれらの組合せなど、任意の適切な全体形状を備えることができる。
【0026】
拡張可能要素55は、拡張可能要素55の生体位での拡張または膨張のために供給される圧力に耐え得る、任意の適切な材料から製造することができる。例として、ポリエチレン、テレフタレート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、または他の適切な材料など、様々な高分子材料がある。拡張可能要素55を構成する材料は、織布状または不織布状の繊維材料によって補強することができる。適切な補強材料の例としては、高分子および金属性の性質のものがある。
【0027】
ここで図3Aから7Bを参照しながら、椎間腔において拡張可能デバイスおよび送達器具を使用する外科的手法の一例を説明する。図3Aおよび3Bを参照すると、終板E1を有する下位椎骨V1、終板E2を有する上位椎骨V2、およびそれらの間の伸延されていない椎間板腔Dを含む脊柱分節が示されている。適切な椎間板切除術および終板準備の後、伸延されていない椎間板腔は拡張可能デバイスを受けるための挿入位置60、160を含む。挿入位置60は、リーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せによって終板E1に形成された受け台64、および終板E2に形成された受け台62を含む。
【0028】
受け台62、64は、その中に配置される拡張可能デバイスの部分の外周面の輪郭と一致するサイズおよび形状とすることができる。同様に、挿入位置160はリーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せによって終板E1に形成された受け台164、および終板E2に形成された受け台162を含むことができる。受け台162、164は、その中に配置される拡張可能デバイスの部分の外周面の輪郭と一致するサイズおよび形状とすることができる。図示された実施形態では、受け台62、64、162、164は、円形またはアーチ形の断面を有する拡張可能デバイスを受ける半円形の断面を有する。受け台には、長方形および正方形断面など、他の形状も企図されている。さらに、受け台が形成されず、移植物が終板の皮質骨または別の方法で準備された終板に直接接触して置かれることも企図されている。
【0029】
図4Aおよび4Bには、拡張していない拡張可能デバイス30、130が、手術部位への送達のために送達器具50、150の縮小した拡張可能要素55、155に取り付けられている。次いで拡張可能デバイス30、130は、伸延されていない椎間板腔Dの準備された挿入位置60、160内に置かれる。隣接する椎骨同士を伸延するのに十分な圧力を供給するように動作可能なシリンジまたはポンプによって、造影液、生理食塩水、圧縮空気、あるいは他の適切な流体または物質を拡張可能要素55、155に送達することができる。拡張可能要素55、155それぞれの圧力および容積が増加するにつれて、拡張可能デバイス30、130は徐々に拡張する。拡張可能デバイス30、130の第1部分および第2部分の表面が、準備された終板位置62、64、および終板位置162、164とそれぞれ接触する。拡張可能要素55、155内の圧力は継続的に増加し、図5Aおよび5Bに示すように所望の椎間板腔D1が得られるまで、拡張可能要素55、155および拡張可能デバイス30、130を膨張または拡大させる。したがって、縮小した拡張可能デバイス30、130を挿入する前に、伸延されていない椎間板腔Dを伸延する必要はない。
【0030】
次いで図6Aおよび6Bに示すように拡張可能要素55、155を収縮または縮小させる。次に拡張可能要素55、155を図7Aおよび7Bに示すようにそれぞれの拡張されたデバイス30、130から取り除くことができる。拡張可能デバイス30、130の空洞40、140および/または伸延された椎間板腔D1の中に、充填材を挿入、充填、配置、送達、または注入して、隣接する椎体同士の癒合および長期的支持を促進することができる。
【0031】
充填材には、自家移植片、同種移植片、異種移植片、脱灰骨、バイオセラミックス、ポリマーおよび骨誘導因子など合成および天然の骨移植片物質など、任意の適切な骨形成性材料または組成物が企図されている。骨形成性材料または骨形成性組成物という用語は、本明細書では自家移植片、同種移植片、異種移植片、骨移植片物質、ならびに天然、合成、組換えのタンパク質、ホルモンなど、骨成長または治癒を促進するどのような材料も広く含んでいる。
【0032】
自家移植片は、腸骨稜などの部位からドリル、切骨器、掻爬器、穿孔器、および本分野の外科医にはよく知られているその他の器具および方法を使用して採取することができる。好ましくは、自家移植片は最小侵襲ドナー手術によって腸骨稜から採取される。骨形成性材料はまた、外科医が終板を準備しながら穿孔した骨も含む。
【0033】
骨形成性組成物には、骨の構造物または機能を置換する天然および合成の移植片物質も企図されている。このような移植片物質には、例えば脱灰骨基質、骨細片の脱灰骨基質、PMMAおよびその他の注入式の合成骨セメント、鉱物組成物、およびバイオセラミックスなどが企図されている。BIOGLASS(登録商標)、ヒドロキシアパタイト、およびリン酸カルシウム組成物など、当技術分野で知られている非常に多くのバイオセラミックス材料が、この目的で利用するために使用することができる。好ましいカルシウム組成物には、生体活性ガラス、リン酸三カルシウム、およびヒドロキシアパタイトがある。一実施形態では、移植片物質はリン酸三カルシウムおよびヒドロキシアパタイトなどの二相性リン酸カルシウムセラミックである。
【0034】
いくつかの実施形態では、使用する骨形成性組成物は、骨成長を刺激または誘導する治療的有効量の骨誘導因子または成長因子、または製薬上許容された担体におけるタンパク質を含むことができる。組換えヒト骨形成タンパク質(rhBMPs)である骨形成性因子は、容易に入手可能であり伝染病が蔓延する原因となることがないので、企図されている。骨形成タンパク質は、rhBMP−2、rhBMP−4、またはそのヘテロダイマーとすることができる。ただし、BMP−1からBPM−13と呼ばれている骨形成タンパク質を含むどのような骨形成タンパク質も企図されている。
【0035】
骨形成性組成物としての担体材料の選択は、拡張可能デバイスの生体適合性、生分解性、機械的特性、境界面特性、および構造に基づいている。可能性のある担体には硫酸カルシウム、ポリ乳酸、ポリ無水物、コラーゲン、リン酸カルシウム、アクリル酸エステル重合体、および脱灰骨がある。担体はタンパク質を運ぶことが可能な任意の適切な担体とすることができる。担体は、インテグラ ライフサイエンシーズ社からヘリスタット吸収性コラーゲン止血剤(Helistat(登録商標)Absorbable Collagen Hemostatic Agent)という商標名で発売されている吸収可能なコラーゲンスポンジなど、最終的に体内に再吸収されることが可能なものとすることができる。別の担体には、二相性のリン酸カルシウムセラミックスがある。セラミックブロックは、フランス国、ラング−ドゥ−フライヤー、B.P.4−62180のソファモア ダネック グループ(Sofamor Danek Group),およびフランス国、トゥールーズ 31100、エスパグネ通り132のビオランド社(Bioland)から市販されている。骨形成誘導因子は任意の適切な方法で担体に導入される。例えば、因子を含む溶液に担体を浸すことができる。好ましい一実施形態では、リジェネレーション テクノロジーズ社(Regeneration Technologies,Inc.)から発売されている同種移植片ペーストOSTEOFIL(登録商標)の使用が企図されている。同種移植片ペーストは切断手術によって得られた自家移植片で補充することができる。
【0036】
図3Aから図7Bの実施形態では、拡張可能デバイス30、130はそれぞれ送達器具50、150によって径方向に拡張可能である。拡張可能デバイス30、130の一方を適切な椎間板腔位置に挿入し、椎骨V1およびV2を伸延するように拡張できることが企図されている。次いで他方の拡張可能デバイスを他の挿入位置に送達し、少なくとも椎骨V1およびV2の終板に接触するように拡張する。同じ送達器具50または150を使用して各デバイスを送達し拡張することも企図されている。あるいは、各拡張可能デバイス30、130を別個の送達器具50、150にあらかじめ取り付けることもできる。送達し拡張した一方の拡張可能デバイス30、130内の送達器具50、150によって椎間板腔D1の伸延を維持し、同時に他方の拡張可能デバイス30、130を他の椎間板腔位置に送達し拡張することができる。
【0037】
ここで図8Aから12Bを参照すると、拡張可能デバイスを椎間腔に送達し拡張するためのシステムおよび手法の別の実施形態が示されている。図8Aおよび8Bでは、終板E1を有する下位椎骨V1、終板E2を有する上位椎骨V2、およびそれらの間で伸延されていない椎間板腔Dを含む脊柱分節が示されている。適切な椎間板切除術および終板準備の後、伸延されていない椎間板腔は拡張可能デバイスを受けるための挿入位置260、360を含む。挿入位置260は、終板の骨材料にリーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せを施すことによって、終板E1に形成された受け台264および終板E2に形成された受け台262を含むことができる。同様に、挿入位置360はリーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せによって、終板E1に形成された受け台364および終板E2に形成された受け台362を含むことができる。受け台362、364は、その中に配置される拡張可能デバイスの部分の外周面の輪郭と一致するサイズおよび形状とすることができる。図示された実施形態では、受け台262、264、362、364はその中に配置される拡張可能デバイスの対応する形状をなす部分を受ける長方形断面に形成されている。
【0038】
図9Aおよび9Bに示すように、拡張していない拡張可能デバイス230、330がそれぞれ送達器具250、350の遠位部254、354に沿って縮小した拡張可能要素255、355に取り付けられている。次いで拡張可能デバイス230、330は、伸延されていない椎間板腔D内の対応する挿入位置260、360内に配置される。拡張可能デバイス230、330を拡張するのに十分な圧力を供給してその拡張中に隣接しする椎骨同士を伸延するように動作可能なシリンジまたはポンプを介して、造影液、生理食塩水、圧縮空気、あるいは他の適切な流体または物質をシャフト252、352を通して拡張可能要素255、355に送達することができる。拡張可能要素255、355それぞれの圧力および容積が増加するにつれて、拡張可能デバイス230、330は徐々に拡張し、第1および第2部分がそれぞれ互いから離れて椎骨V1およびV2に向かって動くようになる。拡張可能デバイス230、330は、最初に、隣接する椎骨間で垂直方向に、主に両側方向または単一方向に拡張可能である。
【0039】
拡張可能デバイス230の第1部分および第2部分の表面が準備された終板位置262、264と接触し、拡張可能デバイス330の第1部分および第2部分の表面が終板位置362、364と接触する。拡張可能要素255、355は、図10Aおよび10Bに示すように所望の椎間板腔D1が得られるまで拡張または膨張する。したがって、縮小した拡張可能デバイス230、330を挿入する前に、伸延されていない椎間板腔Dを伸延する必要がない。
【0040】
次いで図11Aおよび11Bに示すように拡張可能要素55、155を収縮または縮小させる。次に遠位部254、354を図12Aおよび12Bに示すようにそれぞれの拡張した拡張可能デバイスから取り除くことができる。骨移植片、骨移植片物質、骨成長因子/担体、同種移植片、自家移植片などの骨成長促進物質、治療薬、および他の適切な材料を、拡張した拡張可能デバイス230、330の空洞および/または伸延された椎間板腔D1内に、挿入、充填、または注入して、隣接する椎体同士の癒合および長期的支持を促進することができる。それに加えて、またはその代わりに、生体活性骨セメントなどの骨セメントを、拡張可能デバイスの空洞に挿入、充填、または注入して、隣接する椎骨同士に長期的支持をもたらすこともできる。
【0041】
拡張可能デバイスには様々な断面形状および拡張性質が企図されている。図13には、円形の断面形状を有する脊椎椎間板腔内の拡張可能デバイス30、130が示されている。拡張可能デバイス30、130は径方向に拡張可能であり、拡張と同時にそれぞれの高さおよび横方向長さが増大するようになっている。図14には、長方形の断面形状を有する脊椎椎間板腔内の拡張可能デバイス230、330が示されている。拡張可能デバイス230、330は両側方向または単一方向に拡張可能であり、各デバイスの高さは垂直に増大するが横方向の長さはほぼ同じままである。図15には、長円形の断面形状を有する脊椎椎間板腔内の拡張可能デバイス400、410が示されている。拡張可能デバイス400、410は主に両側方向または単一方向に拡張可能であり、各デバイスの高さは垂直に増大するが横方向長さはわずかに拡大する、またはほぼ同じままである。他の断面形状、例えば多角形、楕円形、レーストラック形なども企図されている。
【0042】
さらに、椎骨間の椎間板腔の高さを修復するために2つ以上の拡張可能デバイスを椎間腔に配置できることが企図されている。また単一の拡張可能デバイスを椎間腔に配置することもできる。
【0043】
拡張可能デバイスの長さに沿った様々な形状が企図されている。例えば図16では、長さに沿った断面が先細状である拡張可能デバイス420が示されている。拡張可能デバイス420は、後方端428および前方端426を備えた第1部分422を含む。拡張可能デバイス420はさらに後方端432および前方端430を備えた第2部分424も含む。拡張状態では、図16に示すように後方端428、432は前方端426、430よりも互いに接近して配置されている。この配置によって拡張可能デバイス420の上面と下面の間は先細状になり、空洞436内で対応する形状になっている送達器具の遠位部によって拡張可能デバイス420が拡張すると、脊柱分節に標準的な前彎湾曲が修復される。標準的な後彎湾曲の場合は前方端と後方端の間の相対的配置を逆にすることができる。
【0044】
椎間での応用例には、椎間板腔への様々なアプローチが企図されている。図17では、横に並んだ1対の拡張可能デバイス30、130を受ける形の挿入位置70、72が形成された前方アプローチが使用されている。他の実施形態では、隣接する椎骨同士を両側で支持するサイズおよび形状になっている単一の拡張可能デバイスを挿入する前方アプローチが企図されている。
【0045】
図18では、移植物収容位置74、76が椎間板腔の後方に形成された後方アプローチが企図されている。拡張可能デバイス30、130を縮小した状態で後方アプローチによって移植物収容位置の中に挿入し、その後椎間板腔を伸延するように拡張する。拡張可能デバイス30、130を縮小した状態で後方アプローチによって挿入することによって、椎間板腔へのアプローチにおける神経根および筋肉の収縮量を最小限に抑えることができる。さらに、移植物挿入中の伸延を維持するために椎間板腔の空間を占めることになるであろう別個の伸延器や他のデバイスを椎間板腔内で使用する必要がない。そのような伸延器はまた、移植物挿入位置に到達する解剖学的空間も占めることがある。伸延器を使用しないことにより、拡張した拡張可能デバイスが占有するための追加の空間が椎間板腔内にもたらされる。
【0046】
図19では、挿入位置78、80が椎間板腔に斜めに形成された後側方アプローチが示されている。拡張可能デバイス440、450を縮小した状態で後側方アプローチによって移植物収容位置の中に挿入し、その後椎間板腔を伸延するように拡張する。拡張可能デバイス440、450は椎間板腔内でV字形を形成しV字の先端は前方を向いている。拡張可能デバイス440、450を縮小した状態で後側方アプローチによって挿入することにより、アプローチは椎骨の後方中心に沿った脊髄部分から離れる。さらに、術中に椎間板腔内に配置することになっている別個の伸延器や他のデバイスを使用する必要がなく、拡張した拡張可能デバイスが占有するための追加の空間が椎間板腔内にもたらされる。
【0047】
図20では、挿入位置82、84が形成され、椎間板腔を横切って互いに側方に間隔があけられている、側方アプローチが示されている。拡張可能デバイス460、470を縮小した状態で側方アプローチによって挿入位置内に挿入し、その後椎間板腔を伸延するように拡張する。拡張可能デバイス460、470を縮小した状態で側方アプローチによって挿入することにより、胸椎手術の際に胸郭を広げるとともに神経根および筋肉の収縮量を最小限に抑えることができる。さらに、伸延を維持するために、椎間板腔へのアプローチおよび椎間板腔内の空間を占めることになるであろう別個の伸延器や他のデバイスを椎間板腔内で使用する必要がない。他の実施形態では、隣接する椎骨同士を前方および後方で支持するサイズおよび形状になっている単一の拡張可能デバイスを挿入する側方アプローチが企図されている。
【0048】
図20では、前方に配置された拡張可能デバイス460は、挿入先端464と反対側の末端466の間を延びる本体部462を含む。後方に配置された拡張可能デバイス470は、挿入先端474と反対側の末端476の間を延びる本体部472を含む。椎間板腔内での拡張可能デバイス460の前方配置に対応するために、本体部462の先端と末端の間の長さは本体部472の先端と末端の間の長さより短くすることができる。
【0049】
本明細書で企図された拡張可能デバイスはさまざまな形で提供することができる。例えば、図21に示すように、拡張可能デバイスの第1部分および第2部分は、第1部分および第2部分の重なり合った側壁に沿って調整可能に連結することができる。拡張可能デバイス480は、上述した拡張可能デバイス30と同様の第1部分482および第2部分492を含む。第1部分482は向かい合う側壁484、485を含み、第2部分492は向かい合う側壁494、495を含む。第1部分482および第2部分492は、それらの間に送達器具50の拡張可能要素55を中に配置することのできる空洞488を画成する。
【0050】
隣接する側壁484、494は互いに係合する多数の噛合歯を含み、隣接する側壁485、495は互いに係合する多数の噛合歯を含む。図示された実施形態では、噛合歯は側壁484、485、494、495の長さの全部または一部に沿って延びる。噛合歯によって第1部分482および第2部分492は、空洞488内の拡張可能要素55の拡張時に、矢印490で示すように互いに離れるように単一方向または両側方向に動くことが可能になっている。噛合歯は、拡張後に第1部分482および第2部分492が互いの方へ動くことを阻止または防止する歯止め構造を含むことができる。
【0051】
拡張可能デバイス480によって、伸延の直後、また拡張可能要素55を空洞488から取り除いた後も、伸延された椎骨の支持が維持される。噛合歯はさらに、単一の拡張可能デバイス480によって伸延の高さをもたらすことを可能にする、多数の拡張または分離位置を第1部分482と第2部分492の間に画成する。したがって、拡張可能デバイス480は狭小化した椎間板腔に送達器具で挿入しやすいように垂直に縮小可能であり、その後椎間板腔を伸延し術後に伸延を維持するように垂直に拡張可能である。
【0052】
別の実施形態では、拡張可能デバイスは形状記憶材料または延性のある材料から製造され、挿入前の送達器具への配置の際は拡張されていない、または縮小されているようにすることができる。椎間板腔内への挿入時に、送達器具の膨張または拡大によってデバイスは径方向に拡張可能となり、拡張形状をとり維持する。拡張可能デバイスの拡張は、温度変化、化学変化、または送達器具50の拡張可能要素55が膨張または拡大する変化で引き起こされる力によって達成される。
【0053】
例えば、図22では、近位端534と遠位端536との間に延びる内部空洞532を画成する本体部538を含む拡張可能デバイス530が示されている。本体部538は、その周りに、それぞれが細長い可撓性開口544を画成する幾つかの部分542を含んでいる。隣接する部分542同士は蝶番546によって相互連結されている。本体部538は、十分に可塑的又は成形可能な材料で製造され、矢印540で示す径方向の拡張力がかかる時、可撓性開口544が拡大し蝶番546が伸展して、内部空洞532を拡大し、隣接する椎骨同士を伸延しながら、部分542を互いに離れるように動かすことができる。
【0054】
他の実施例では、拡張可能デバイスは、デバイスを送達器具で挿入するための縮小した状態をとることを可能にする第1の機械的構造を含むことができる。挿入後、デバイスを機械的に調整して、送達器具の遠位部の膨張または拡大の直後に、手術部位で拡張状態をとることができる。そのような拡張可能なデバイスの例には、金網材料から製造したもの、および図23から図25に示すように第1部分および第2部分が機械的リンク機構によって連結されたデバイスなどがある。
【0055】
図23から図25では、デバイス630は第1部分632および第2部分642を含む。リンク機構650は第1部分632および第2部分642を互いに可動的に連結する。リンク機構650は互いに枢動的に連結された第1および第2部材652、654を含む。各部材652、654は第1部分632の受け器634内にそれぞれ配置された第1端、および第2部分642の受け器644内にそれぞれ配置された反対側の第2端を含む。部材650、652の端部は、それぞれの受け器634、644に沿って形成された歯止め面と噛合する構造を含むことができる。図23に示す非拡張形状では、部材652、654の端部はそれぞれの受け器634、644の外端に配置されている。
【0056】
第1および第2部分632、642が矢印640で示すように空洞638内の拡張可能要素55によって両側方向に互いに離れるように動くにつれて、部材650、652の端部は、図24に示すように、第1および第2部分632、642それぞれの受け器634、644に沿って長手方向に互いに近づくように動く。剛性部材652、654は、第1および第2部分632、642が互いに離れるように動かし、受け器634、644に沿った歯止め面と係合し、図24および図25に示すように第1部分632と第2部分642との間での拡張または分離位置を維持する。したがって、拡張可能デバイス630は、狭小化した椎間板腔内に送達器具とともに挿入しやすいように垂直に縮小可能であり、その後椎間板腔を伸延し術後に伸延を維持するように垂直に拡張可能である。
【0057】
図26から図28を参照すると、本明細書で述べた拡張可能デバイスを使用して脊柱側彎症の脊柱分節を修復するための一手法の様々な工程が示されている。図26から図28は拡張可能デバイス30、330を参照しながら述べるが、本明細書で述べる他の拡張可能デバイスの実施形態も本手法への応用性があることを理解されたい。図26では、脊柱分節は椎骨V1および椎骨V2、およびそれぞれ終板E1とE2の間で変形または狭小化した椎間板Dを含む。拡張可能デバイス230は、脊椎正中線Mの脊柱分節が凹状に湾曲している側の椎間板腔Dに非拡張状態で配置されている。
【0058】
図27では、拡張可能デバイス230は、例えば送達器具250の拡張可能要素255によって拡張し、椎間板腔D1を修復しながら終板E1およびE2が互いに離れてより平行または自然な向きになるように動かす。図28では、第2の拡張可能デバイス330が椎間板腔D1に脊椎正中線Mの反対側に配置され、均衡の取れた脊椎分節の両側支持をもたらすように拡張する。
【0059】
複数レベルの側彎矯正処置には、1つまたは複数の追加の拡張可能デバイス230を他の椎骨レベルの椎間板腔に配置することによって所望の脊椎分節を修復することも企図されている。拡張可能デバイス230、330を拡張した後、骨移植片、骨移植片物質、骨成長促進材料などの充填材で、癒合を促進するために空洞を満たすことができる。1つまたは複数の修復した椎骨レベルの動作を維持することを望む場合、後述するように、拡張可能デバイス230、330の空洞内に動作保護デバイスを挿入することができる。
【0060】
図29から図30は、拡張可能デバイス230、330の実施形態の立面図を提供する。拡張可能デバイス230は、第1部分232および第2部分242を含み、それらの間で空洞240を画成する。第1部分232はそれぞれがアーム235を有する側壁234を含む。アーム235の一端に沿って受け器238が形成されている。アーム235は受け器238に沿って延びる係合面237を含む。第2部分242も同様にそれぞれがアーム245及び受け器248を有する側壁244を含む。アーム245は受け器238内で受けられ、アーム235は受け器248内で受けられる。アーム245は、そこにそって延び、隣接する第1部分232のアーム235の係合面237に係合可能である係合面247を含む。
【0061】
図29および図31では、拡張可能デバイス230は、第2部分240のアーム245が隣接する第1部分230の受け器238内に完全に引き込まれた縮小状態で示されている。拡張可能要素255が非拡張状態で空洞240内に配置され、拡張可能デバイス230も非拡張状態である。図30および図32では、拡張可能要素255が第1および第2部分232、242が互いに離れるように動かされて拡張状態に拡張している。係合面237、247は、圧縮負荷が第1および第2部分232、242に加えられても拡張可能デバイス230を拡張状態に維持するように、互いに噛合し係合することができる。係合面237、247は、第1および第2部分232、242が互いに離れるように動くことは許容するが第1および第2部分232、242が互いの方へ動くことは阻止または防止する、歯止め形状または他の適切な形状を備えることができる。
【0062】
図33では、拡張可能要素255は取り除かれ、動作保護デバイス270が拡張可能デバイス230の拡張した空洞240内に配置されている。動作保護デバイス270は、弾性コア272、第1および第2部分232、242に沿ってそれぞれ配置可能な上面および下面274、276を含むことができる。動作保護デバイス270が空洞240内に配置されていると、第1および第2部分232、242の係合面同士が接触しなくなり、負荷は弾性コア272によって支えられるようになる。例えば、アーム235、245および/または係合面237、247の一方または両方を取り除く、または時間をかけて再吸収させることができる。第1部分232と第2部分242との間で圧力負荷を支える機能を取り除くことにより、圧力負荷は弾性コア272によって支えられるようになる。
【0063】
弾性コア272によって、隣接する椎骨終板間の所望の配置を維持しながら、隣接する椎骨間の動作を保護することが可能になる。第1部分232と第2部分242との間の負荷支持アームおよび/または係合面237、247を取り除くことによって、剛性の負荷支持アーム235、245によって第1部分232と第2部分242の間で支えられた負荷を弾性コア272に移動することを達成できる。一実施形態では、第1部分232と第2部分242の間の剛性の負荷支持要素が体内で分解することによって、負荷を取り除くことを達成できる。例えば、剛性の負荷支持アーム235、245、または第1および第2部分232、242全体を生体再吸収性ポリマー、あるいは他の生分解性材料または再吸収性材料で製造することができる。
【0064】
一実施形態では、弾性コア272は重合可能なポリマーを拡張可能要素255の中に注入することによって生体位で形成することができる。ポリマーによって拡張可能要素255は拡張し、第1および第2部分232、242が互いに離れて隣接する椎骨終板と接触するように動かすことによって椎間板腔の高さを修復する。重合した後、シャフト252を取り外すことができ、拡張可能要素255は拡張可能デバイス230の空洞内に残る。拡張可能要素255は、長さ全体に沿って柔軟な負荷支持を提供するように、第1部分232と第2部分242との間の空洞に一致するサイズおよび形状を備えることができる。この様式の弾性コアを使用する実施形態では、拡張可能デバイス230は第1部分232と第2部分242との間に剛性の負荷支持アームを備える必要がない。
【0065】
図35Aおよび図35Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、1対の縮小した拡張可能デバイス700および付随する送達器具710の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス700は、狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具710の遠位端でそれぞれの拡張していない拡張可能要素714の周りに固定されている。図示された実施形態では、椎間板腔Dには後方アプローチでアクセスしているが、他のアプローチも企図されている。拡張可能デバイス700は向かい合う側面703及び705の間にある幅を有する。
【0066】
図36Aおよび図36Bはそれぞれ、送達器具710のシャフト712を通って送達される流体によって拡張可能デバイス700が拡張している、平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス700の上面および下面702、704が、隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。拡張可能デバイス700の向かい合う側面703および705の間の幅は拡張後もほぼ一定である。したがって、拡張可能デバイス700は、幅は一定のままで高さが垂直に増加するように拡張可能である。
【0067】
拡張可能デバイス700は、前方端と後方端の間でその長さに沿って先細状になっている。図示された実施形態では、後方端は第1の高さ708を有し、前方端は第1の高さ708よりも大きい第2の高さ709を有する。この先細状の高さによって、終板E1とE2の間に所望の角度を所望のように設けることができる。拡張可能デバイス700は前方を先細状とすることができることも企図されている。
【0068】
図37Aおよび37Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス700が拡張し、送達器具710が拡張可能デバイス700の空洞706から取り除かれた平面図および立面図である。隣接する椎骨間の動作を融合または維持するための充填材を、空洞706内に置くことができる。
【0069】
図38Aおよび図38Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、1対の縮小した拡張可能デバイス720および付随する送達器具730の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス720は、狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具730の遠位端で拡張していない拡張可能要素734、736の周りに固定されている。拡張可能デバイス720はそれぞれ、後方部723および前方部725を含み、向かい合う面727および729の間にある幅を有する。拡張可能デバイス720の縮小または非拡張状態の高さおよび幅は、図示された実施形態では後方部723および前方部725に沿ってほぼ均一である。
【0070】
図39Aおよび図39Bはそれぞれ、送達器具730のシャフト732を通って送達される流体によって拡張可能デバイス720が拡張している、平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス720の後方部および前方部723、725が隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。拡張可能デバイス720の向かい合う側面727及び729の間の幅は、拡張中および拡張後はほぼ一定である。したがって、拡張可能デバイス720は、幅は一定のままで垂直に拡張可能である。
【0071】
拡張可能デバイス720は、前方部725と後方部723の間の高さが段状になっており、拡張した拡張可能デバイス720では前方の方が高さが大きくなっている。この段状の高さによって、終板E1とE2の間に所望の角度を設けることができる。デバイス720は前方の方が低い段状とすることもできることが企図されている。このような段状の伸延をしやすくするために、送達器具730は前方拡張可能要素734および後方拡張可能要素736を備えることができる。拡張可能要素734、736は、拡張形状で、拡張可能要素734、736を中に配置する前方部および後方部725、723それぞれの拡張した高さと一致する、異なる高さを備えることができる。
【0072】
図40Aおよび図40Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス720が拡張し、送達器具730が拡張可能デバイス720の空洞726から取り除かれた状態をそれぞれ示す平面図および立面図である。隣接する椎骨間の融合または隣接する椎骨間の動作を維持するための充填材を、空洞726内に置くことができる。
【0073】
図41Aおよび図41Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、縮小した拡張可能デバイス740および付随する送達器具750の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス740は、狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具750の遠位端で拡張していない拡張可能要素754の周りに固定されている。拡張可能デバイス740は、縮小状態で、凸状に湾曲した前方壁742および凹状に湾曲した後方壁744を含む。壁742、744は、椎骨V1およびV2をシングルアプローチで両側方向に支持するための拡張可能デバイス740を椎間板腔内に配置することを容易にするバナナ形または腎臓形を形成する。
【0074】
図42Aおよび図42Bはそれぞれ、送達器具750のシャフト752を通って送達される流体によって拡張可能デバイス740が拡張している状態を示す、平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス740の上部および下部747、748が隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。拡張可能デバイス740が拡張することによって後部壁744は後方に動くことができ、後部壁744は拡張状態でほぼ直線状となり、拡張可能デバイス740がD字形になる。
【0075】
拡張可能デバイス740は、前方壁742が終板E1,E2の湾曲した前方部の輪郭に一致する、湾曲した挿入経路に沿った拡張可能デバイス740の配置を容易にする、凸状に湾曲した前方壁742を含む。図示された実施形態では、拡張可能デバイス740は椎間板腔Dの前半分に配置されている。拡張可能要素754は、拡張時にD字形の内部空洞746に一致する形状を備えることができる。
【0076】
図43Aおよび図43Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス740が拡張し、送達器具750が拡張可能デバイス740の空洞746から取り除かれた状態を示す平面図および立面図である。隣接する椎骨間の融合または隣接する椎骨間の動作を維持するための充填材を、空洞746内に置くことができる。
【0077】
図44Aおよび図44Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、縮小した拡張可能デバイス760および付随する送達器具770の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス760は、側方アプローチによる狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具770の遠位端で拡張していない拡張可能要素774の周りに固定される。拡張可能デバイス760は、拡張可能要素774の両側の面に沿って係合し終板E1およびE2のそれぞれに隣接して配置可能である第1部分762および第2部分764を含む。
【0078】
図45Aおよび図45Bはそれぞれ、拡張可能要素774を拡張するように送達器具770のシャフト772を操作することによって拡張可能デバイス760が拡張している状態を示す平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス760の第1部分および第2部分762、764が隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。
【0079】
図46Aおよび図46Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス760が拡張し、送達器具770が拡張可能デバイス760の空洞766から取り除かれた状態を示す平面図および立面図である。隣接する椎骨間の融合または隣接する椎骨間の動作を維持するための充填材を、空洞766内に置くことができる。
【0080】
送達器具770のさらなる詳細が図47Aおよび図47Bに提供されている。シャフト772は拡張可能要素774を通って延びる近位ハンドル部773および遠位部776を含む。拡張可能要素774は、第1の枢動リンク機構778および第2の枢動リンク機構780を含む。枢動リンク機構778、780は、それぞれ遠位部776に係合し可動である中間枢動点を含む。枢動リンク機構778、780はさらに、その上端および下端に連結された伸延部材782、784を含む。
【0081】
遠位部776は枢動リンク機構778、780に連結されており、図47Aに示すようにシャフト772がハンドル部773によって軸周りで回転するにつれ、図47Bに示すように枢動リンク機構778、780の枢動中間部は互いに近づくように引き付けられ、伸延部材782、784は互いに離れるように動かされる。拡張可能デバイスの空洞内に配置されると、伸延部材782、784は拡張可能デバイスの隣接する部分に接触して、拡張可能デバイスを拡張し椎間板腔を伸延する。所望の伸延が達成されると、シャフト772を逆方向に回転し伸延部材782、784を互いの方へ動かすことにより、拡張可能デバイス770を移植物から取り除くことができる。
【0082】
図48Aおよび図48Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、縮小した拡張可能デバイス800および付随する送達器具820の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス800は、前方アプローチでの狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具800の遠位端で拡張していない拡張可能要素824の周りに固定される。拡張可能デバイス800は第1部分802および第2部分804を含み、該第1部分802および第2部分804は、拡張可能要素824の両側の面に沿って係合し終板E1およびE2それぞれに隣接して配置可能である。
【0083】
第1および第2部分802、804は、広い表面部分に負荷が配分されるように、隣接する椎骨終板の大部分を占めるサイズおよび形状を有する。一実施形態では、第1および第2部分802、804は椎骨終板の半分以上を占め、隣接する椎骨同士を両側方向に支持するように、脊柱の正中線を横切って延びる幅を有する。第1および第2部分802、804はそれぞれ、D字形、長円形、円形、長方形、または図に示すように前方壁および後方壁が丸みを帯びた長方形の終板接触面を含むことができる。
【0084】
第1部分802は、そこから隣接する椎骨終板E2の方へ延びる多数の係合部材806を含む。同様に、第2部分804は、そこから終板E1の方へ延びる多数の係合部材808を含む。非拡張状態では、第1および第2部分802、804は、係合部材806、808が終板と係合せずに、かつ拡張可能デバイス800を椎間板腔内に配置することと干渉せずに、終板E1、E2に沿って動くことを可能にする高さを含む。
【0085】
図49Aおよび図49Bはそれぞれ、拡張可能要素824を拡大または膨張させることによって拡張可能デバイス800が拡大している状態を示す平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス800の第1および第2部分802、804は、隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。さらに、係合部材806、808は隣接する椎骨終板E2、E1内に打ち込まれて、第1および第2部分802、804の椎骨V2、V1への固定を達成する。次いで拡張可能要素824を収縮させ拡張可能デバイス800から取り除くことができる。第1部分802と第2部分804の間の相対的配置は、第1および第2部分802、804がそれぞれの椎骨終板と係合することによって維持することができる。第1および第2部分802、804は、上述のようにそれらの間に突き出ている係合部材と相互連結することができるが、第1および第2部分802、804の拡張または分離は、単にそれらをそれぞれの椎骨終板に固定することによっても維持できることが企図されている。
【0086】
図50Aおよび図50Bは、それぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス800が拡張し、送達器具820が拡張可能デバイス800の空洞から取り除かれた状態を示す平面図および立面図である。次いで、矢印818で示すように、動作保護デバイス810を第1部分802と第2部分804の間の空間または空洞内に置くことができる。動作保護デバイス810は上述のように弾性コアとすることができる。一実施形態では、弾性コア812は、第1および第2部分802、804の隣接する面と接触する上側および下側の凸状湾曲面814、816を含み、弾性コア812の周りで隣接する椎骨間の動きを容易にする。
【0087】
次いで、脊柱分節の動作を支持するように、動作保護デバイス810に脊柱の負荷を移動させることができる。脊柱の負荷の移動は、第1部分802と第2部分804の間を延びる負荷支持部材または係合部材を取り除くことによって、あるいは上述のように第1部分802と第2部分804を互いの方へ動かすことによって達成することができる。さらに、動作保護デバイス810を縮小したサイズ形状で第1部分802と第2部分804の間に挿入し、その後隣接する第1部分802と第2部分804に接触するように開放または拡張できることが企図されている。さらに、動作保護デバイス810の挿入に対応するように椎骨V1、V2を過剰に伸延し、その後第1および第2部分802、804と接触するように圧縮できることも企図されている。
【0088】
別の実施形態では、拡張可能要素824は動作保護デバイス810の外殻を含む。この実施形態では、拡張可能要素824は適切な重合可能材料で膨張する。重合可能材料は、生体位で硬化することが可能であり、弾性コアを備えた拡張可能要素824が術後に第1部分802と第2部分804の間に残るように、出入口またはシャフト822を切断または除去する。
【0089】
本明細書の拡張可能デバイスは、骨の内方成長を促進するように、内部空洞と隣接する骨構造物との間の連絡を可能にする1つまたは複数の開口、窓、または他の構造物を備えることができる。拡張可能デバイスは単一の空洞または複数の空洞を含むことができる。さらに、拡張可能デバイスは、デバイスの拡張状態を維持するまたは維持を助けるように、空洞内に配置可能な支持機構を備えることができることも企図されている。
【0090】
本明細書で述べた拡張可能デバイスは、金属、ポリマー、および複合材料など、任意の生体適合材料から製造することができる。金属の例には、チタンおよびチタン合金、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼、コバルトクロム合金などがある。ポリマーの例には、例えば、ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレン、チロシンベースのポリカーボネート、ポリエステル、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリフォスファゼン、ポリヒドロキシルブチレート、およびポリヒドロキシルバレレートなどがある。複合材料の例には、例えば、炭素充填複合材料、ヒドロキシアパタイト充填複合材料、生体反応ガラス充填複合材料、皮質骨片充填複合材料などがある。
【0091】
以上、本発明を図面および上記の説明において詳細に図示し説明してきたが、これは例示としてみなされるべきであり、性質に関して限定的にみなされるべきではない。本発明の精神の範囲内で思いつく変更および修正は保護されることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】一実施形態による、縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具の断面図である。
【図2】図1の拡張可能デバイスおよび送達器具の拡張状態を示す図である。
【図3】図3Aは、図1の1対の拡張可能デバイスを受け入れる準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、平面図であり、図3Bは、図1の1対の拡張可能デバイスを受け入れる準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、立面図である。
【図4】図4Aは、図1の縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、平面図であり、図4Bは、図1の縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、立面図である。
【図5】図5Aは、拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所で図2に示すように拡張した、平面図である、図5Bは、拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所で図2に示すように拡張した、立面図である。
【図6】図6Aは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している平面図であり、図6Bは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している立面図である。
【図7】図7Aは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた部分断面平面図であり、図7Bは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた部分断面立面図である。
【図8】図8Aは、別の実施形態による、1対の拡張可能デバイスを受ける準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、平面図であり、図8Bは、別の実施形態による、1対の拡張可能デバイスを受ける準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、立面図である。
【図9】図9Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、平面図であり、図9Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、立面図である。
【図10】図10Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所にある、平面図であり、図10Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所にある、立面図である。
【図11】図11Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している平面図であり、図11Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している立面図である。
【図12】図12Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図12Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図13】脊椎椎間板腔内にある、図7Aおよび7Bの拡張可能デバイスの端面図である。
【図14】脊椎椎間板腔内にある、図12Aおよび12Bの拡張可能デバイスの端面図である。
【図15】脊椎椎間板腔内にある、別の実施形態による1対の拡張可能デバイスの端面図である。
【図16】脊椎椎間板腔内にある、別の実施形態による拡張可能デバイスを断面で示す側面図である。
【図17】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への1つのアプローチを示す側面図である。
【図18】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への別のアプローチを示す側面図である。
【図19】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への別のアプローチを示す側面図である。
【図20】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への別のアプローチを示す側面図である。
【図21】別の実施形態による拡張可能デバイスの端面図である。
【図22】別の実施形態による拡張可能デバイスの非拡張形状の斜視図である。
【図23】別の実施形態による拡張可能デバイスの非拡張形状の立面図である。
【図24】図23の拡張可能デバイスの拡張形状の立面図である。
【図25】図24の拡張した拡張可能デバイスの端面図である。
【図26】拡張可能デバイスが非拡張状態で椎間板腔内に配置されている、変形した脊柱分節の立面図である。
【図27】拡張可能な移植物が椎間板腔内で拡張している、図26の脊柱分節を示す図である。
【図28】第2の拡張可能な移植物が椎間板腔内で拡張している、図27の脊柱分節を示す図である。
【図29】別の実施形態による拡張可能デバイスの非拡張状態の立面図である。
【図30】図29の拡張可能デバイスの拡張状態の立面図である。
【図31】中に送達器具の遠位部を備える、図29の拡張可能デバイスの非拡張状態の端面図である。
【図32】送達器具の遠位部および拡張可能デバイスが拡張している、図31の拡張可能デバイスおよび送達器具の端面図である。
【図33】空洞の中に中間部材が配置された、図32の拡張した拡張可能デバイスの端面図である。
【図34】拡張可能デバイスが、中間部材によって主要な支持が提供されることを可能にする形態の、図33の拡張した拡張可能デバイスおよび中間部材の端面図である。
【図35】図35Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図35Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図36】図36Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、修復された脊柱分節の椎間板腔内にある平面図であり、図36Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図37】図37Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図37Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図38】図38Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図38Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図39】図39Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図39Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図40】図40Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図40Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図41】図41Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図41Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図42】図42Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図42Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図43】図43Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図43Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図44】図44Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図44Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図45】図45Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図45Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図46】図46Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図46Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図47】図47Aは、遠位側の拡張可能要素が非拡張状態である、送達器具の立面図であり、図47Bは、遠位側の拡張可能要素が拡張状態である、送達器具の立面図である。
【図48】図48Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図48Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図49】図49Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図49Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図50】図50Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図50Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張可能デバイスを用いた椎体間の脊椎安定化のためのシステムおよび手法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、2002年11月21日に出願された仮出願第60/428,061号の出願日の利益を主張する。
脊椎変形がある場合、脊椎の隣接する椎骨間の椎間板腔の高さが椎間板腔の状態によって、または手術中に起こる状態によって、不十分になる、または異常を起こすことがある。術中における椎間板腔の高さの修復には、移植物の挿入中に椎間板腔を伸延しその伸延状態を維持するように器具を挿入することが必要になることがある。このような器具の使用には、このような挿入に対処する時間、および器具を収容するための手術部位の追加的な露出が必要となる。
【0003】
挿入後にケージの高さを調整する機能を有する椎体間融合ケージが開発されてきた。しかし、そのような調整にはケージの高さを調整するためにケージ内で煩雑かつ複雑な器具の操作が必要となることがある。そのような調整はまた、椎骨終板がそれぞれのケージ表面と接触する面に不均一な負荷の配分をもたらすこともある。さらに、ケージ内に内部拡張機構があると、骨成長物質のためのケージ内の利用可能な空間が減少する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、外科的露出および脊椎手術中に使用する器具の数を最小限に抑え、安定化デバイスの挿入に要する時間を低減し、かつ安定性損失の可能性を低減する、脊椎安定化システムおよび方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
椎体間の脊椎安定化の複雑性および侵襲性を低減するために提供されるシステムは、拡張可能な送達器具を用いて脊椎椎間板腔に送達可能である拡張可能デバイスを提供する。拡張可能デバイスは、椎間板腔を伸延するため、かつ安定化をもたらすように拡張したデバイスを埋め込むために、送達器具の拡張可能要素によって椎間板腔内で拡張する。
【0006】
一態様によれば、拡張可能デバイスおよび送達器具を含む脊椎移植物システムが提供される。送達器具は、縮小した拡張可能デバイスを送達器具によって手術部位に送達した後、デバイスに拡張力を加えるようにデバイスの内部空洞のサイズおよび形状に共形可能な遠位側拡張要素を含む。
【0007】
別の態様によれば、拡張可能デバイスおよび送達器具を含む脊椎移植物システムが提供される。送達器具は、拡張可能デバイスに拡張力を加えるように拡張可能であるバルーンの形をした遠位側拡張要素を含む。
【0008】
別の態様によれば、拡張可能デバイスおよび送達器具を含む脊椎移植物システムが提供される。送達器具は、収縮した拡張可能デバイス内部に拡張可能要素を備える遠位部を含む。拡張要素は、生体位で拡張可能デバイスを拡張するように拡張可能デバイスの長さに沿って均一に拡張力を加える形状になっている。
【0009】
他の態様によれば、送達器具の拡張可能部分に設置された拡張可能デバイスが提供される。拡張可能デバイスは、最小侵襲外科手術で手術部位に送達するための非拡張形状をとり、その後手術部位での術後移植のための拡張形状に送達器具を用いて拡張可能である。
【0010】
別の態様では、椎間板腔に椎体間癒合デバイスを配置し、椎体間癒合デバイスを送達器具を用いて送達し拡張して、椎間板腔を伸延する方法が企図されている。椎骨間の癒合を促進するために、拡張した拡張可能デバイス内に骨充填材を置くこともできる。
【0011】
別の態様では、椎間板腔に椎体間デバイスを配置し、椎体間デバイスを送達器具を用いて送達し拡張して、椎間板腔を伸延する方法が企図されている。脊椎椎間板の動作を維持するために、拡張可能デバイスの空洞内に弾性コアを置くこともできる。
【0012】
これらおよび他の態様は以下の説明にも示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の原理を理解しやすくするために、図面に示した実施形態を参照し、それを説明するために特定の用語を使用する。しかしながら、それによって本発明の範囲を限定しようとするものではないことを理解されたい。本発明の関連技術分野の当業者なら通常思いつくはずの、図示したデバイスにおける改変および他の修正、および本明細書に示した本発明の原理に関する他の応用例は企図されている。
【0014】
拡張可能デバイスを、脊柱分節の骨構造物内または骨構造物間に配置し展開するためのシステムおよび方法が示されている。そのようなシステムは拡張可能デバイスを手術部位に送達し、拡張可能デバイスを生体位で拡張するための器具を含むことができる。このような拡張は、椎間腔内に配置されると、隣接する椎骨同士を伸延し、変形した脊柱分節を修復し、1つまたは複数の骨構造物に直接的かつ長期的な支持をもたらすことができる。
【0015】
一実施形態によれば、送達器具は、拡張可能な遠位部を有するバルーンカテーテル式の器具を含んでおり、その周りには該手術部位への送達のために縮小した拡張可能デバイスが配置され固定されている。送達器具を利用して、最小侵襲手術で、縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイスを手術部位に送達することができる。拡張可能デバイスが手術部位に配置されると、拡張可能デバイスを手術部位で展開し拡張するように送達器具の遠位部が拡張可能となる。拡張可能デバイスのこのような展開および拡張は、例えば、椎間腔内に配置されると、所望の椎間板腔高さをもたらすように隣接する椎骨同士を伸延することができる。
【0016】
本発明のシステムおよび方法を利用して、脊椎への最小侵襲手術アプローチをとることができる。そのようなアプローチには、前方、後方、経椎間孔、側方、斜位、経椎弓根、および他の椎間板腔へのアプローチがある。アプローチの性質は単極でも多極でもよい。アプローチは仙骨、腰椎、胸椎、頚椎など、脊柱分節のどの部分に対しても可能である。拡張可能デバイスを拡張して椎間板腔を伸延することにより、拡張可能デバイスの挿入前に、椎間板腔の伸延を維持する伸延デバイスを椎間板腔に配置する必要がなくなる。このシステムの方法を任意の画像システムで利用して、拡張可能デバイスを椎間板腔内に置き伸延器具を用いてデバイスを拡張することを監視する際の助けとすることができる。適切な画像システムの例として、蛍光透視、内視鏡、顕微鏡、CTスキャン、X線、および肉眼による可視化システムが挙げられる。
【0017】
ここで図1および図2を参照すると、拡張可能デバイス30の第1の実施形態が示されている。この実施形態では拡張可能デバイス30は、第1の椎骨の1つの終板に沿って配置可能な第1部分34、および隣接する第2の椎骨の終板に沿って配置可能な第2部分44を有する、脊椎椎間板腔内に配置可能な細長い本体部を含む。第1部分34は遠位側の挿入先端36と近位側との末端32の間を延びる。第2部分44は遠位側の挿入先端46と近位側の末端42との間を延びる。第1部分34と第2部分44との間には空洞40が画成されている。空洞40は遠位側の挿入先端36と近位側の末端32との間を延び、また各端で開口することができる。
【0018】
第1部分34は、多数の係合部材38を備えることができ、第2部分44も多数の係合部材48を備えることができる。係合部材38、48は椎骨の骨組織に係合可能であり、例えば歯、スパイク、隆起、ねじ山、棘、ローレット、突起、フィン、およびそれらを組み合わせた形態とすることができる。さらに外周面を滑らかにする、あるいは補助固定部材または係合部材を設けてもよいことが企図されている。第1および第2部分34、44はさらに、骨の内方成長を促すために1つまたは複数の開口39、49をそれぞれ含むことができる。
【0019】
第1部分34および第2部分44は、図1に示す非拡張形状から図2に示す拡張形状へと互いに離れるように可動である。非拡張形状では、拡張可能デバイス30は図1に示すように第1部分34と第2部分44の間に高さH1を有する。拡張形状では、拡張可能デバイス30は第1部分34と第2部分44の間に高さH2を有する。高さH1によって、拡張可能デバイス30を例えば狭小化または変形した隣接する椎体間の椎間板腔に挿入することが可能になることが企図されている。高さH2は、隣接する椎体間に所望の椎間板腔の高さをもたらすのに必要な、第1部分34と第2部分44との間の分離時の高さに対応することができる。
【0020】
送達器具50は、拡張可能デバイス30を非拡張形状から拡張形状へと動かすように設けることができる。送達器具50は、近位シャフト52、および拡張可能要素55を含む遠位部54を含む。図示された実施形態では、拡張可能要素55は、図1に示す縮小形状および図2に示す拡張膨張形状を含む膨張可能なバルーン様構造である。シャフト52は内腔を備えることができ、その中を通る流体または材料を拡張可能要素55の内部容積57に開口56から供給して、拡張可能要素55を拡張または膨張させることができる。拡張可能要素55は、拡張可能要素55および拡張可能デバイス30をそれぞれ非拡張形状または縮小形状で、拡張可能デバイス30の空洞40内に配置可能である。
【0021】
拡張可能デバイス30を手術部位に送達した後、拡張可能要素55を膨張させて、拡張可能要素55を拡張形状にすることができ、それにより図2に示すように拡張可能デバイス30の第1部分34および第2部分44を分離させることができる。拡張可能デバイス30が拡張するにつれて、第1部分34および第2部分は互いに離れるように動き、空洞40の容積が増加する。この拡張によって、隣接する終板間に所望の空間を設け、かつ椎間板腔の高さを修復するように、隣接する椎骨同士を伸延することができる。
【0022】
適切な送達器具50の1つの例には、高圧バルーンカテーテルが挙げられる。シャフト52は剛性、半剛性、または可撓性とすることができる。シャフト52は金属、ポリマー、またはそれらの組合せから製造することができる。シャフト52は、例えば空気または生理食塩水などの生体適合流体によって拡張可能要素55が膨張または拡張できるように、少なくとも1つの内腔を備えることができる。他の実施形態では、シャフト52が例えば骨移植片、骨成長材料、または他の適切な充填材を、拡張されたデバイス30の空洞40内に送達する複数の内腔を含むことが企図されている。拡張可能要素55は充填材を置く前または置くと同時に縮小されることが企図されている。
【0023】
図示された実施形態では、遠位部54は単一の拡張可能要素55を含むが、複数の拡張可能要素もまた企図されており、遠位部54に交互に拡張する性質をもたらす。例えば遠位部54は、遠位側の拡張可能要素および近位側の拡張可能要素が異なる高さを有するようにして、拡張可能デバイス30の拡張した第1部分34と第2部分44との間に角度を形成することができる。別の実施例では、遠位部54は選択的に拡張する上部拡張可能要素および下部拡張可能要素を含み、第1部分34および第2部分44の隣接する方を動かし、また第1部分および第2部分の他方は固定したままとすることができる。他の実施例では、拡張可能要素55は単一方向に拡張し、第1部分34および第2部分44の隣接する方を拡張方向に動かす。
【0024】
別の実施形態では、拡張後に遠位部54をシャフト52から切り離し、術後に拡張可能デバイス30を拡張状態で維持できることが企図されている。したがって、拡張可能デバイス30にわたって拡張可能要素55を骨成長材料または他の適切な充填材で膨張させて、骨成長を促進する、または椎間腔の動作を保護することができる。充填材が拡張可能要素55内で適切に硬化してそこから外に流出しないようになると、シャフト52を取り除くことができる。その代わりに、またはそれに加えて、バルブを拡張可能要素55の近くに配置して充填材がそこから流出しないようにすることもできる。拡張可能要素55は多孔性材料、再吸収性材料、または拡張したデバイスの空洞を介して骨成長を可能にする他の適切な材料から製造することができる。他の実施形態では、拡張可能要素55は、拡張可能要素内部に流入可能でありその後第1部分34と第2部分44との間に弾性のコアを形成するように重合するポリマーによって膨張する。
【0025】
拡張可能要素55は、拡張形状で空洞40のサイズおよび形状と一致するサイズおよび形状を有することができるが、一致しない形状もまた企図されている。拡張形状では、拡張可能要素55は先端36と末端32の間で第1部分34の内壁面に沿って均一の拡張力を加えることができる。図2に示すように両側方向に拡張する形状である場合は、拡張可能要素55は、先端46と末端42の間で第2部分44の内壁面に沿って均一の拡張力を加えることができる。均一な拡張力によって、伸延負荷は隣接する椎骨終板に沿って配分され、拡張可能デバイス30の長さに沿った均一の伸延がもたらされる。拡張可能要素55および/または空洞40は、円錐状、切頭円錐状、球状、立方体、球状、多角形、卵形、長円錐状、長球状、長方形、先細状、段状、ドッグボーン形状、オフセット形状、およびそれらの組合せなど、任意の適切な全体形状を備えることができる。
【0026】
拡張可能要素55は、拡張可能要素55の生体位での拡張または膨張のために供給される圧力に耐え得る、任意の適切な材料から製造することができる。例として、ポリエチレン、テレフタレート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、または他の適切な材料など、様々な高分子材料がある。拡張可能要素55を構成する材料は、織布状または不織布状の繊維材料によって補強することができる。適切な補強材料の例としては、高分子および金属性の性質のものがある。
【0027】
ここで図3Aから7Bを参照しながら、椎間腔において拡張可能デバイスおよび送達器具を使用する外科的手法の一例を説明する。図3Aおよび3Bを参照すると、終板E1を有する下位椎骨V1、終板E2を有する上位椎骨V2、およびそれらの間の伸延されていない椎間板腔Dを含む脊柱分節が示されている。適切な椎間板切除術および終板準備の後、伸延されていない椎間板腔は拡張可能デバイスを受けるための挿入位置60、160を含む。挿入位置60は、リーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せによって終板E1に形成された受け台64、および終板E2に形成された受け台62を含む。
【0028】
受け台62、64は、その中に配置される拡張可能デバイスの部分の外周面の輪郭と一致するサイズおよび形状とすることができる。同様に、挿入位置160はリーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せによって終板E1に形成された受け台164、および終板E2に形成された受け台162を含むことができる。受け台162、164は、その中に配置される拡張可能デバイスの部分の外周面の輪郭と一致するサイズおよび形状とすることができる。図示された実施形態では、受け台62、64、162、164は、円形またはアーチ形の断面を有する拡張可能デバイスを受ける半円形の断面を有する。受け台には、長方形および正方形断面など、他の形状も企図されている。さらに、受け台が形成されず、移植物が終板の皮質骨または別の方法で準備された終板に直接接触して置かれることも企図されている。
【0029】
図4Aおよび4Bには、拡張していない拡張可能デバイス30、130が、手術部位への送達のために送達器具50、150の縮小した拡張可能要素55、155に取り付けられている。次いで拡張可能デバイス30、130は、伸延されていない椎間板腔Dの準備された挿入位置60、160内に置かれる。隣接する椎骨同士を伸延するのに十分な圧力を供給するように動作可能なシリンジまたはポンプによって、造影液、生理食塩水、圧縮空気、あるいは他の適切な流体または物質を拡張可能要素55、155に送達することができる。拡張可能要素55、155それぞれの圧力および容積が増加するにつれて、拡張可能デバイス30、130は徐々に拡張する。拡張可能デバイス30、130の第1部分および第2部分の表面が、準備された終板位置62、64、および終板位置162、164とそれぞれ接触する。拡張可能要素55、155内の圧力は継続的に増加し、図5Aおよび5Bに示すように所望の椎間板腔D1が得られるまで、拡張可能要素55、155および拡張可能デバイス30、130を膨張または拡大させる。したがって、縮小した拡張可能デバイス30、130を挿入する前に、伸延されていない椎間板腔Dを伸延する必要はない。
【0030】
次いで図6Aおよび6Bに示すように拡張可能要素55、155を収縮または縮小させる。次に拡張可能要素55、155を図7Aおよび7Bに示すようにそれぞれの拡張されたデバイス30、130から取り除くことができる。拡張可能デバイス30、130の空洞40、140および/または伸延された椎間板腔D1の中に、充填材を挿入、充填、配置、送達、または注入して、隣接する椎体同士の癒合および長期的支持を促進することができる。
【0031】
充填材には、自家移植片、同種移植片、異種移植片、脱灰骨、バイオセラミックス、ポリマーおよび骨誘導因子など合成および天然の骨移植片物質など、任意の適切な骨形成性材料または組成物が企図されている。骨形成性材料または骨形成性組成物という用語は、本明細書では自家移植片、同種移植片、異種移植片、骨移植片物質、ならびに天然、合成、組換えのタンパク質、ホルモンなど、骨成長または治癒を促進するどのような材料も広く含んでいる。
【0032】
自家移植片は、腸骨稜などの部位からドリル、切骨器、掻爬器、穿孔器、および本分野の外科医にはよく知られているその他の器具および方法を使用して採取することができる。好ましくは、自家移植片は最小侵襲ドナー手術によって腸骨稜から採取される。骨形成性材料はまた、外科医が終板を準備しながら穿孔した骨も含む。
【0033】
骨形成性組成物には、骨の構造物または機能を置換する天然および合成の移植片物質も企図されている。このような移植片物質には、例えば脱灰骨基質、骨細片の脱灰骨基質、PMMAおよびその他の注入式の合成骨セメント、鉱物組成物、およびバイオセラミックスなどが企図されている。BIOGLASS(登録商標)、ヒドロキシアパタイト、およびリン酸カルシウム組成物など、当技術分野で知られている非常に多くのバイオセラミックス材料が、この目的で利用するために使用することができる。好ましいカルシウム組成物には、生体活性ガラス、リン酸三カルシウム、およびヒドロキシアパタイトがある。一実施形態では、移植片物質はリン酸三カルシウムおよびヒドロキシアパタイトなどの二相性リン酸カルシウムセラミックである。
【0034】
いくつかの実施形態では、使用する骨形成性組成物は、骨成長を刺激または誘導する治療的有効量の骨誘導因子または成長因子、または製薬上許容された担体におけるタンパク質を含むことができる。組換えヒト骨形成タンパク質(rhBMPs)である骨形成性因子は、容易に入手可能であり伝染病が蔓延する原因となることがないので、企図されている。骨形成タンパク質は、rhBMP−2、rhBMP−4、またはそのヘテロダイマーとすることができる。ただし、BMP−1からBPM−13と呼ばれている骨形成タンパク質を含むどのような骨形成タンパク質も企図されている。
【0035】
骨形成性組成物としての担体材料の選択は、拡張可能デバイスの生体適合性、生分解性、機械的特性、境界面特性、および構造に基づいている。可能性のある担体には硫酸カルシウム、ポリ乳酸、ポリ無水物、コラーゲン、リン酸カルシウム、アクリル酸エステル重合体、および脱灰骨がある。担体はタンパク質を運ぶことが可能な任意の適切な担体とすることができる。担体は、インテグラ ライフサイエンシーズ社からヘリスタット吸収性コラーゲン止血剤(Helistat(登録商標)Absorbable Collagen Hemostatic Agent)という商標名で発売されている吸収可能なコラーゲンスポンジなど、最終的に体内に再吸収されることが可能なものとすることができる。別の担体には、二相性のリン酸カルシウムセラミックスがある。セラミックブロックは、フランス国、ラング−ドゥ−フライヤー、B.P.4−62180のソファモア ダネック グループ(Sofamor Danek Group),およびフランス国、トゥールーズ 31100、エスパグネ通り132のビオランド社(Bioland)から市販されている。骨形成誘導因子は任意の適切な方法で担体に導入される。例えば、因子を含む溶液に担体を浸すことができる。好ましい一実施形態では、リジェネレーション テクノロジーズ社(Regeneration Technologies,Inc.)から発売されている同種移植片ペーストOSTEOFIL(登録商標)の使用が企図されている。同種移植片ペーストは切断手術によって得られた自家移植片で補充することができる。
【0036】
図3Aから図7Bの実施形態では、拡張可能デバイス30、130はそれぞれ送達器具50、150によって径方向に拡張可能である。拡張可能デバイス30、130の一方を適切な椎間板腔位置に挿入し、椎骨V1およびV2を伸延するように拡張できることが企図されている。次いで他方の拡張可能デバイスを他の挿入位置に送達し、少なくとも椎骨V1およびV2の終板に接触するように拡張する。同じ送達器具50または150を使用して各デバイスを送達し拡張することも企図されている。あるいは、各拡張可能デバイス30、130を別個の送達器具50、150にあらかじめ取り付けることもできる。送達し拡張した一方の拡張可能デバイス30、130内の送達器具50、150によって椎間板腔D1の伸延を維持し、同時に他方の拡張可能デバイス30、130を他の椎間板腔位置に送達し拡張することができる。
【0037】
ここで図8Aから12Bを参照すると、拡張可能デバイスを椎間腔に送達し拡張するためのシステムおよび手法の別の実施形態が示されている。図8Aおよび8Bでは、終板E1を有する下位椎骨V1、終板E2を有する上位椎骨V2、およびそれらの間で伸延されていない椎間板腔Dを含む脊柱分節が示されている。適切な椎間板切除術および終板準備の後、伸延されていない椎間板腔は拡張可能デバイスを受けるための挿入位置260、360を含む。挿入位置260は、終板の骨材料にリーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せを施すことによって、終板E1に形成された受け台264および終板E2に形成された受け台262を含むことができる。同様に、挿入位置360はリーマ通し、きさげ仕上げ、切削、またはのみ切りのいずれか、またはそれらの組合せによって、終板E1に形成された受け台364および終板E2に形成された受け台362を含むことができる。受け台362、364は、その中に配置される拡張可能デバイスの部分の外周面の輪郭と一致するサイズおよび形状とすることができる。図示された実施形態では、受け台262、264、362、364はその中に配置される拡張可能デバイスの対応する形状をなす部分を受ける長方形断面に形成されている。
【0038】
図9Aおよび9Bに示すように、拡張していない拡張可能デバイス230、330がそれぞれ送達器具250、350の遠位部254、354に沿って縮小した拡張可能要素255、355に取り付けられている。次いで拡張可能デバイス230、330は、伸延されていない椎間板腔D内の対応する挿入位置260、360内に配置される。拡張可能デバイス230、330を拡張するのに十分な圧力を供給してその拡張中に隣接しする椎骨同士を伸延するように動作可能なシリンジまたはポンプを介して、造影液、生理食塩水、圧縮空気、あるいは他の適切な流体または物質をシャフト252、352を通して拡張可能要素255、355に送達することができる。拡張可能要素255、355それぞれの圧力および容積が増加するにつれて、拡張可能デバイス230、330は徐々に拡張し、第1および第2部分がそれぞれ互いから離れて椎骨V1およびV2に向かって動くようになる。拡張可能デバイス230、330は、最初に、隣接する椎骨間で垂直方向に、主に両側方向または単一方向に拡張可能である。
【0039】
拡張可能デバイス230の第1部分および第2部分の表面が準備された終板位置262、264と接触し、拡張可能デバイス330の第1部分および第2部分の表面が終板位置362、364と接触する。拡張可能要素255、355は、図10Aおよび10Bに示すように所望の椎間板腔D1が得られるまで拡張または膨張する。したがって、縮小した拡張可能デバイス230、330を挿入する前に、伸延されていない椎間板腔Dを伸延する必要がない。
【0040】
次いで図11Aおよび11Bに示すように拡張可能要素55、155を収縮または縮小させる。次に遠位部254、354を図12Aおよび12Bに示すようにそれぞれの拡張した拡張可能デバイスから取り除くことができる。骨移植片、骨移植片物質、骨成長因子/担体、同種移植片、自家移植片などの骨成長促進物質、治療薬、および他の適切な材料を、拡張した拡張可能デバイス230、330の空洞および/または伸延された椎間板腔D1内に、挿入、充填、または注入して、隣接する椎体同士の癒合および長期的支持を促進することができる。それに加えて、またはその代わりに、生体活性骨セメントなどの骨セメントを、拡張可能デバイスの空洞に挿入、充填、または注入して、隣接する椎骨同士に長期的支持をもたらすこともできる。
【0041】
拡張可能デバイスには様々な断面形状および拡張性質が企図されている。図13には、円形の断面形状を有する脊椎椎間板腔内の拡張可能デバイス30、130が示されている。拡張可能デバイス30、130は径方向に拡張可能であり、拡張と同時にそれぞれの高さおよび横方向長さが増大するようになっている。図14には、長方形の断面形状を有する脊椎椎間板腔内の拡張可能デバイス230、330が示されている。拡張可能デバイス230、330は両側方向または単一方向に拡張可能であり、各デバイスの高さは垂直に増大するが横方向の長さはほぼ同じままである。図15には、長円形の断面形状を有する脊椎椎間板腔内の拡張可能デバイス400、410が示されている。拡張可能デバイス400、410は主に両側方向または単一方向に拡張可能であり、各デバイスの高さは垂直に増大するが横方向長さはわずかに拡大する、またはほぼ同じままである。他の断面形状、例えば多角形、楕円形、レーストラック形なども企図されている。
【0042】
さらに、椎骨間の椎間板腔の高さを修復するために2つ以上の拡張可能デバイスを椎間腔に配置できることが企図されている。また単一の拡張可能デバイスを椎間腔に配置することもできる。
【0043】
拡張可能デバイスの長さに沿った様々な形状が企図されている。例えば図16では、長さに沿った断面が先細状である拡張可能デバイス420が示されている。拡張可能デバイス420は、後方端428および前方端426を備えた第1部分422を含む。拡張可能デバイス420はさらに後方端432および前方端430を備えた第2部分424も含む。拡張状態では、図16に示すように後方端428、432は前方端426、430よりも互いに接近して配置されている。この配置によって拡張可能デバイス420の上面と下面の間は先細状になり、空洞436内で対応する形状になっている送達器具の遠位部によって拡張可能デバイス420が拡張すると、脊柱分節に標準的な前彎湾曲が修復される。標準的な後彎湾曲の場合は前方端と後方端の間の相対的配置を逆にすることができる。
【0044】
椎間での応用例には、椎間板腔への様々なアプローチが企図されている。図17では、横に並んだ1対の拡張可能デバイス30、130を受ける形の挿入位置70、72が形成された前方アプローチが使用されている。他の実施形態では、隣接する椎骨同士を両側で支持するサイズおよび形状になっている単一の拡張可能デバイスを挿入する前方アプローチが企図されている。
【0045】
図18では、移植物収容位置74、76が椎間板腔の後方に形成された後方アプローチが企図されている。拡張可能デバイス30、130を縮小した状態で後方アプローチによって移植物収容位置の中に挿入し、その後椎間板腔を伸延するように拡張する。拡張可能デバイス30、130を縮小した状態で後方アプローチによって挿入することによって、椎間板腔へのアプローチにおける神経根および筋肉の収縮量を最小限に抑えることができる。さらに、移植物挿入中の伸延を維持するために椎間板腔の空間を占めることになるであろう別個の伸延器や他のデバイスを椎間板腔内で使用する必要がない。そのような伸延器はまた、移植物挿入位置に到達する解剖学的空間も占めることがある。伸延器を使用しないことにより、拡張した拡張可能デバイスが占有するための追加の空間が椎間板腔内にもたらされる。
【0046】
図19では、挿入位置78、80が椎間板腔に斜めに形成された後側方アプローチが示されている。拡張可能デバイス440、450を縮小した状態で後側方アプローチによって移植物収容位置の中に挿入し、その後椎間板腔を伸延するように拡張する。拡張可能デバイス440、450は椎間板腔内でV字形を形成しV字の先端は前方を向いている。拡張可能デバイス440、450を縮小した状態で後側方アプローチによって挿入することにより、アプローチは椎骨の後方中心に沿った脊髄部分から離れる。さらに、術中に椎間板腔内に配置することになっている別個の伸延器や他のデバイスを使用する必要がなく、拡張した拡張可能デバイスが占有するための追加の空間が椎間板腔内にもたらされる。
【0047】
図20では、挿入位置82、84が形成され、椎間板腔を横切って互いに側方に間隔があけられている、側方アプローチが示されている。拡張可能デバイス460、470を縮小した状態で側方アプローチによって挿入位置内に挿入し、その後椎間板腔を伸延するように拡張する。拡張可能デバイス460、470を縮小した状態で側方アプローチによって挿入することにより、胸椎手術の際に胸郭を広げるとともに神経根および筋肉の収縮量を最小限に抑えることができる。さらに、伸延を維持するために、椎間板腔へのアプローチおよび椎間板腔内の空間を占めることになるであろう別個の伸延器や他のデバイスを椎間板腔内で使用する必要がない。他の実施形態では、隣接する椎骨同士を前方および後方で支持するサイズおよび形状になっている単一の拡張可能デバイスを挿入する側方アプローチが企図されている。
【0048】
図20では、前方に配置された拡張可能デバイス460は、挿入先端464と反対側の末端466の間を延びる本体部462を含む。後方に配置された拡張可能デバイス470は、挿入先端474と反対側の末端476の間を延びる本体部472を含む。椎間板腔内での拡張可能デバイス460の前方配置に対応するために、本体部462の先端と末端の間の長さは本体部472の先端と末端の間の長さより短くすることができる。
【0049】
本明細書で企図された拡張可能デバイスはさまざまな形で提供することができる。例えば、図21に示すように、拡張可能デバイスの第1部分および第2部分は、第1部分および第2部分の重なり合った側壁に沿って調整可能に連結することができる。拡張可能デバイス480は、上述した拡張可能デバイス30と同様の第1部分482および第2部分492を含む。第1部分482は向かい合う側壁484、485を含み、第2部分492は向かい合う側壁494、495を含む。第1部分482および第2部分492は、それらの間に送達器具50の拡張可能要素55を中に配置することのできる空洞488を画成する。
【0050】
隣接する側壁484、494は互いに係合する多数の噛合歯を含み、隣接する側壁485、495は互いに係合する多数の噛合歯を含む。図示された実施形態では、噛合歯は側壁484、485、494、495の長さの全部または一部に沿って延びる。噛合歯によって第1部分482および第2部分492は、空洞488内の拡張可能要素55の拡張時に、矢印490で示すように互いに離れるように単一方向または両側方向に動くことが可能になっている。噛合歯は、拡張後に第1部分482および第2部分492が互いの方へ動くことを阻止または防止する歯止め構造を含むことができる。
【0051】
拡張可能デバイス480によって、伸延の直後、また拡張可能要素55を空洞488から取り除いた後も、伸延された椎骨の支持が維持される。噛合歯はさらに、単一の拡張可能デバイス480によって伸延の高さをもたらすことを可能にする、多数の拡張または分離位置を第1部分482と第2部分492の間に画成する。したがって、拡張可能デバイス480は狭小化した椎間板腔に送達器具で挿入しやすいように垂直に縮小可能であり、その後椎間板腔を伸延し術後に伸延を維持するように垂直に拡張可能である。
【0052】
別の実施形態では、拡張可能デバイスは形状記憶材料または延性のある材料から製造され、挿入前の送達器具への配置の際は拡張されていない、または縮小されているようにすることができる。椎間板腔内への挿入時に、送達器具の膨張または拡大によってデバイスは径方向に拡張可能となり、拡張形状をとり維持する。拡張可能デバイスの拡張は、温度変化、化学変化、または送達器具50の拡張可能要素55が膨張または拡大する変化で引き起こされる力によって達成される。
【0053】
例えば、図22では、近位端534と遠位端536との間に延びる内部空洞532を画成する本体部538を含む拡張可能デバイス530が示されている。本体部538は、その周りに、それぞれが細長い可撓性開口544を画成する幾つかの部分542を含んでいる。隣接する部分542同士は蝶番546によって相互連結されている。本体部538は、十分に可塑的又は成形可能な材料で製造され、矢印540で示す径方向の拡張力がかかる時、可撓性開口544が拡大し蝶番546が伸展して、内部空洞532を拡大し、隣接する椎骨同士を伸延しながら、部分542を互いに離れるように動かすことができる。
【0054】
他の実施例では、拡張可能デバイスは、デバイスを送達器具で挿入するための縮小した状態をとることを可能にする第1の機械的構造を含むことができる。挿入後、デバイスを機械的に調整して、送達器具の遠位部の膨張または拡大の直後に、手術部位で拡張状態をとることができる。そのような拡張可能なデバイスの例には、金網材料から製造したもの、および図23から図25に示すように第1部分および第2部分が機械的リンク機構によって連結されたデバイスなどがある。
【0055】
図23から図25では、デバイス630は第1部分632および第2部分642を含む。リンク機構650は第1部分632および第2部分642を互いに可動的に連結する。リンク機構650は互いに枢動的に連結された第1および第2部材652、654を含む。各部材652、654は第1部分632の受け器634内にそれぞれ配置された第1端、および第2部分642の受け器644内にそれぞれ配置された反対側の第2端を含む。部材650、652の端部は、それぞれの受け器634、644に沿って形成された歯止め面と噛合する構造を含むことができる。図23に示す非拡張形状では、部材652、654の端部はそれぞれの受け器634、644の外端に配置されている。
【0056】
第1および第2部分632、642が矢印640で示すように空洞638内の拡張可能要素55によって両側方向に互いに離れるように動くにつれて、部材650、652の端部は、図24に示すように、第1および第2部分632、642それぞれの受け器634、644に沿って長手方向に互いに近づくように動く。剛性部材652、654は、第1および第2部分632、642が互いに離れるように動かし、受け器634、644に沿った歯止め面と係合し、図24および図25に示すように第1部分632と第2部分642との間での拡張または分離位置を維持する。したがって、拡張可能デバイス630は、狭小化した椎間板腔内に送達器具とともに挿入しやすいように垂直に縮小可能であり、その後椎間板腔を伸延し術後に伸延を維持するように垂直に拡張可能である。
【0057】
図26から図28を参照すると、本明細書で述べた拡張可能デバイスを使用して脊柱側彎症の脊柱分節を修復するための一手法の様々な工程が示されている。図26から図28は拡張可能デバイス30、330を参照しながら述べるが、本明細書で述べる他の拡張可能デバイスの実施形態も本手法への応用性があることを理解されたい。図26では、脊柱分節は椎骨V1および椎骨V2、およびそれぞれ終板E1とE2の間で変形または狭小化した椎間板Dを含む。拡張可能デバイス230は、脊椎正中線Mの脊柱分節が凹状に湾曲している側の椎間板腔Dに非拡張状態で配置されている。
【0058】
図27では、拡張可能デバイス230は、例えば送達器具250の拡張可能要素255によって拡張し、椎間板腔D1を修復しながら終板E1およびE2が互いに離れてより平行または自然な向きになるように動かす。図28では、第2の拡張可能デバイス330が椎間板腔D1に脊椎正中線Mの反対側に配置され、均衡の取れた脊椎分節の両側支持をもたらすように拡張する。
【0059】
複数レベルの側彎矯正処置には、1つまたは複数の追加の拡張可能デバイス230を他の椎骨レベルの椎間板腔に配置することによって所望の脊椎分節を修復することも企図されている。拡張可能デバイス230、330を拡張した後、骨移植片、骨移植片物質、骨成長促進材料などの充填材で、癒合を促進するために空洞を満たすことができる。1つまたは複数の修復した椎骨レベルの動作を維持することを望む場合、後述するように、拡張可能デバイス230、330の空洞内に動作保護デバイスを挿入することができる。
【0060】
図29から図30は、拡張可能デバイス230、330の実施形態の立面図を提供する。拡張可能デバイス230は、第1部分232および第2部分242を含み、それらの間で空洞240を画成する。第1部分232はそれぞれがアーム235を有する側壁234を含む。アーム235の一端に沿って受け器238が形成されている。アーム235は受け器238に沿って延びる係合面237を含む。第2部分242も同様にそれぞれがアーム245及び受け器248を有する側壁244を含む。アーム245は受け器238内で受けられ、アーム235は受け器248内で受けられる。アーム245は、そこにそって延び、隣接する第1部分232のアーム235の係合面237に係合可能である係合面247を含む。
【0061】
図29および図31では、拡張可能デバイス230は、第2部分240のアーム245が隣接する第1部分230の受け器238内に完全に引き込まれた縮小状態で示されている。拡張可能要素255が非拡張状態で空洞240内に配置され、拡張可能デバイス230も非拡張状態である。図30および図32では、拡張可能要素255が第1および第2部分232、242が互いに離れるように動かされて拡張状態に拡張している。係合面237、247は、圧縮負荷が第1および第2部分232、242に加えられても拡張可能デバイス230を拡張状態に維持するように、互いに噛合し係合することができる。係合面237、247は、第1および第2部分232、242が互いに離れるように動くことは許容するが第1および第2部分232、242が互いの方へ動くことは阻止または防止する、歯止め形状または他の適切な形状を備えることができる。
【0062】
図33では、拡張可能要素255は取り除かれ、動作保護デバイス270が拡張可能デバイス230の拡張した空洞240内に配置されている。動作保護デバイス270は、弾性コア272、第1および第2部分232、242に沿ってそれぞれ配置可能な上面および下面274、276を含むことができる。動作保護デバイス270が空洞240内に配置されていると、第1および第2部分232、242の係合面同士が接触しなくなり、負荷は弾性コア272によって支えられるようになる。例えば、アーム235、245および/または係合面237、247の一方または両方を取り除く、または時間をかけて再吸収させることができる。第1部分232と第2部分242との間で圧力負荷を支える機能を取り除くことにより、圧力負荷は弾性コア272によって支えられるようになる。
【0063】
弾性コア272によって、隣接する椎骨終板間の所望の配置を維持しながら、隣接する椎骨間の動作を保護することが可能になる。第1部分232と第2部分242との間の負荷支持アームおよび/または係合面237、247を取り除くことによって、剛性の負荷支持アーム235、245によって第1部分232と第2部分242の間で支えられた負荷を弾性コア272に移動することを達成できる。一実施形態では、第1部分232と第2部分242の間の剛性の負荷支持要素が体内で分解することによって、負荷を取り除くことを達成できる。例えば、剛性の負荷支持アーム235、245、または第1および第2部分232、242全体を生体再吸収性ポリマー、あるいは他の生分解性材料または再吸収性材料で製造することができる。
【0064】
一実施形態では、弾性コア272は重合可能なポリマーを拡張可能要素255の中に注入することによって生体位で形成することができる。ポリマーによって拡張可能要素255は拡張し、第1および第2部分232、242が互いに離れて隣接する椎骨終板と接触するように動かすことによって椎間板腔の高さを修復する。重合した後、シャフト252を取り外すことができ、拡張可能要素255は拡張可能デバイス230の空洞内に残る。拡張可能要素255は、長さ全体に沿って柔軟な負荷支持を提供するように、第1部分232と第2部分242との間の空洞に一致するサイズおよび形状を備えることができる。この様式の弾性コアを使用する実施形態では、拡張可能デバイス230は第1部分232と第2部分242との間に剛性の負荷支持アームを備える必要がない。
【0065】
図35Aおよび図35Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、1対の縮小した拡張可能デバイス700および付随する送達器具710の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス700は、狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具710の遠位端でそれぞれの拡張していない拡張可能要素714の周りに固定されている。図示された実施形態では、椎間板腔Dには後方アプローチでアクセスしているが、他のアプローチも企図されている。拡張可能デバイス700は向かい合う側面703及び705の間にある幅を有する。
【0066】
図36Aおよび図36Bはそれぞれ、送達器具710のシャフト712を通って送達される流体によって拡張可能デバイス700が拡張している、平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス700の上面および下面702、704が、隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。拡張可能デバイス700の向かい合う側面703および705の間の幅は拡張後もほぼ一定である。したがって、拡張可能デバイス700は、幅は一定のままで高さが垂直に増加するように拡張可能である。
【0067】
拡張可能デバイス700は、前方端と後方端の間でその長さに沿って先細状になっている。図示された実施形態では、後方端は第1の高さ708を有し、前方端は第1の高さ708よりも大きい第2の高さ709を有する。この先細状の高さによって、終板E1とE2の間に所望の角度を所望のように設けることができる。拡張可能デバイス700は前方を先細状とすることができることも企図されている。
【0068】
図37Aおよび37Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス700が拡張し、送達器具710が拡張可能デバイス700の空洞706から取り除かれた平面図および立面図である。隣接する椎骨間の動作を融合または維持するための充填材を、空洞706内に置くことができる。
【0069】
図38Aおよび図38Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、1対の縮小した拡張可能デバイス720および付随する送達器具730の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス720は、狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具730の遠位端で拡張していない拡張可能要素734、736の周りに固定されている。拡張可能デバイス720はそれぞれ、後方部723および前方部725を含み、向かい合う面727および729の間にある幅を有する。拡張可能デバイス720の縮小または非拡張状態の高さおよび幅は、図示された実施形態では後方部723および前方部725に沿ってほぼ均一である。
【0070】
図39Aおよび図39Bはそれぞれ、送達器具730のシャフト732を通って送達される流体によって拡張可能デバイス720が拡張している、平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス720の後方部および前方部723、725が隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。拡張可能デバイス720の向かい合う側面727及び729の間の幅は、拡張中および拡張後はほぼ一定である。したがって、拡張可能デバイス720は、幅は一定のままで垂直に拡張可能である。
【0071】
拡張可能デバイス720は、前方部725と後方部723の間の高さが段状になっており、拡張した拡張可能デバイス720では前方の方が高さが大きくなっている。この段状の高さによって、終板E1とE2の間に所望の角度を設けることができる。デバイス720は前方の方が低い段状とすることもできることが企図されている。このような段状の伸延をしやすくするために、送達器具730は前方拡張可能要素734および後方拡張可能要素736を備えることができる。拡張可能要素734、736は、拡張形状で、拡張可能要素734、736を中に配置する前方部および後方部725、723それぞれの拡張した高さと一致する、異なる高さを備えることができる。
【0072】
図40Aおよび図40Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス720が拡張し、送達器具730が拡張可能デバイス720の空洞726から取り除かれた状態をそれぞれ示す平面図および立面図である。隣接する椎骨間の融合または隣接する椎骨間の動作を維持するための充填材を、空洞726内に置くことができる。
【0073】
図41Aおよび図41Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、縮小した拡張可能デバイス740および付随する送達器具750の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス740は、狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具750の遠位端で拡張していない拡張可能要素754の周りに固定されている。拡張可能デバイス740は、縮小状態で、凸状に湾曲した前方壁742および凹状に湾曲した後方壁744を含む。壁742、744は、椎骨V1およびV2をシングルアプローチで両側方向に支持するための拡張可能デバイス740を椎間板腔内に配置することを容易にするバナナ形または腎臓形を形成する。
【0074】
図42Aおよび図42Bはそれぞれ、送達器具750のシャフト752を通って送達される流体によって拡張可能デバイス740が拡張している状態を示す、平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス740の上部および下部747、748が隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。拡張可能デバイス740が拡張することによって後部壁744は後方に動くことができ、後部壁744は拡張状態でほぼ直線状となり、拡張可能デバイス740がD字形になる。
【0075】
拡張可能デバイス740は、前方壁742が終板E1,E2の湾曲した前方部の輪郭に一致する、湾曲した挿入経路に沿った拡張可能デバイス740の配置を容易にする、凸状に湾曲した前方壁742を含む。図示された実施形態では、拡張可能デバイス740は椎間板腔Dの前半分に配置されている。拡張可能要素754は、拡張時にD字形の内部空洞746に一致する形状を備えることができる。
【0076】
図43Aおよび図43Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス740が拡張し、送達器具750が拡張可能デバイス740の空洞746から取り除かれた状態を示す平面図および立面図である。隣接する椎骨間の融合または隣接する椎骨間の動作を維持するための充填材を、空洞746内に置くことができる。
【0077】
図44Aおよび図44Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、縮小した拡張可能デバイス760および付随する送達器具770の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス760は、側方アプローチによる狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具770の遠位端で拡張していない拡張可能要素774の周りに固定される。拡張可能デバイス760は、拡張可能要素774の両側の面に沿って係合し終板E1およびE2のそれぞれに隣接して配置可能である第1部分762および第2部分764を含む。
【0078】
図45Aおよび図45Bはそれぞれ、拡張可能要素774を拡張するように送達器具770のシャフト772を操作することによって拡張可能デバイス760が拡張している状態を示す平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス760の第1部分および第2部分762、764が隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。
【0079】
図46Aおよび図46Bはそれぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス760が拡張し、送達器具770が拡張可能デバイス760の空洞766から取り除かれた状態を示す平面図および立面図である。隣接する椎骨間の融合または隣接する椎骨間の動作を維持するための充填材を、空洞766内に置くことができる。
【0080】
送達器具770のさらなる詳細が図47Aおよび図47Bに提供されている。シャフト772は拡張可能要素774を通って延びる近位ハンドル部773および遠位部776を含む。拡張可能要素774は、第1の枢動リンク機構778および第2の枢動リンク機構780を含む。枢動リンク機構778、780は、それぞれ遠位部776に係合し可動である中間枢動点を含む。枢動リンク機構778、780はさらに、その上端および下端に連結された伸延部材782、784を含む。
【0081】
遠位部776は枢動リンク機構778、780に連結されており、図47Aに示すようにシャフト772がハンドル部773によって軸周りで回転するにつれ、図47Bに示すように枢動リンク機構778、780の枢動中間部は互いに近づくように引き付けられ、伸延部材782、784は互いに離れるように動かされる。拡張可能デバイスの空洞内に配置されると、伸延部材782、784は拡張可能デバイスの隣接する部分に接触して、拡張可能デバイスを拡張し椎間板腔を伸延する。所望の伸延が達成されると、シャフト772を逆方向に回転し伸延部材782、784を互いの方へ動かすことにより、拡張可能デバイス770を移植物から取り除くことができる。
【0082】
図48Aおよび図48Bはそれぞれ、椎骨V1とV2の間の狭小化した椎間板腔D内に配置された、縮小した拡張可能デバイス800および付随する送達器具820の、別の実施形態の平面図および立面図である。縮小したまたは拡張していない拡張可能デバイス800は、前方アプローチでの狭小化した椎間板腔D内への送達のために、送達器具800の遠位端で拡張していない拡張可能要素824の周りに固定される。拡張可能デバイス800は第1部分802および第2部分804を含み、該第1部分802および第2部分804は、拡張可能要素824の両側の面に沿って係合し終板E1およびE2それぞれに隣接して配置可能である。
【0083】
第1および第2部分802、804は、広い表面部分に負荷が配分されるように、隣接する椎骨終板の大部分を占めるサイズおよび形状を有する。一実施形態では、第1および第2部分802、804は椎骨終板の半分以上を占め、隣接する椎骨同士を両側方向に支持するように、脊柱の正中線を横切って延びる幅を有する。第1および第2部分802、804はそれぞれ、D字形、長円形、円形、長方形、または図に示すように前方壁および後方壁が丸みを帯びた長方形の終板接触面を含むことができる。
【0084】
第1部分802は、そこから隣接する椎骨終板E2の方へ延びる多数の係合部材806を含む。同様に、第2部分804は、そこから終板E1の方へ延びる多数の係合部材808を含む。非拡張状態では、第1および第2部分802、804は、係合部材806、808が終板と係合せずに、かつ拡張可能デバイス800を椎間板腔内に配置することと干渉せずに、終板E1、E2に沿って動くことを可能にする高さを含む。
【0085】
図49Aおよび図49Bはそれぞれ、拡張可能要素824を拡大または膨張させることによって拡張可能デバイス800が拡大している状態を示す平面図および立面図である。拡張状態では、拡張可能デバイス800の第1および第2部分802、804は、隣接する椎骨終板E1、E2に作用して、椎骨V1、V2を伸延し椎間板腔D1を修復する。さらに、係合部材806、808は隣接する椎骨終板E2、E1内に打ち込まれて、第1および第2部分802、804の椎骨V2、V1への固定を達成する。次いで拡張可能要素824を収縮させ拡張可能デバイス800から取り除くことができる。第1部分802と第2部分804の間の相対的配置は、第1および第2部分802、804がそれぞれの椎骨終板と係合することによって維持することができる。第1および第2部分802、804は、上述のようにそれらの間に突き出ている係合部材と相互連結することができるが、第1および第2部分802、804の拡張または分離は、単にそれらをそれぞれの椎骨終板に固定することによっても維持できることが企図されている。
【0086】
図50Aおよび図50Bは、それぞれ、脊柱分節の修復された椎間板腔D1内で拡張可能デバイス800が拡張し、送達器具820が拡張可能デバイス800の空洞から取り除かれた状態を示す平面図および立面図である。次いで、矢印818で示すように、動作保護デバイス810を第1部分802と第2部分804の間の空間または空洞内に置くことができる。動作保護デバイス810は上述のように弾性コアとすることができる。一実施形態では、弾性コア812は、第1および第2部分802、804の隣接する面と接触する上側および下側の凸状湾曲面814、816を含み、弾性コア812の周りで隣接する椎骨間の動きを容易にする。
【0087】
次いで、脊柱分節の動作を支持するように、動作保護デバイス810に脊柱の負荷を移動させることができる。脊柱の負荷の移動は、第1部分802と第2部分804の間を延びる負荷支持部材または係合部材を取り除くことによって、あるいは上述のように第1部分802と第2部分804を互いの方へ動かすことによって達成することができる。さらに、動作保護デバイス810を縮小したサイズ形状で第1部分802と第2部分804の間に挿入し、その後隣接する第1部分802と第2部分804に接触するように開放または拡張できることが企図されている。さらに、動作保護デバイス810の挿入に対応するように椎骨V1、V2を過剰に伸延し、その後第1および第2部分802、804と接触するように圧縮できることも企図されている。
【0088】
別の実施形態では、拡張可能要素824は動作保護デバイス810の外殻を含む。この実施形態では、拡張可能要素824は適切な重合可能材料で膨張する。重合可能材料は、生体位で硬化することが可能であり、弾性コアを備えた拡張可能要素824が術後に第1部分802と第2部分804の間に残るように、出入口またはシャフト822を切断または除去する。
【0089】
本明細書の拡張可能デバイスは、骨の内方成長を促進するように、内部空洞と隣接する骨構造物との間の連絡を可能にする1つまたは複数の開口、窓、または他の構造物を備えることができる。拡張可能デバイスは単一の空洞または複数の空洞を含むことができる。さらに、拡張可能デバイスは、デバイスの拡張状態を維持するまたは維持を助けるように、空洞内に配置可能な支持機構を備えることができることも企図されている。
【0090】
本明細書で述べた拡張可能デバイスは、金属、ポリマー、および複合材料など、任意の生体適合材料から製造することができる。金属の例には、チタンおよびチタン合金、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼、コバルトクロム合金などがある。ポリマーの例には、例えば、ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレン、チロシンベースのポリカーボネート、ポリエステル、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリフォスファゼン、ポリヒドロキシルブチレート、およびポリヒドロキシルバレレートなどがある。複合材料の例には、例えば、炭素充填複合材料、ヒドロキシアパタイト充填複合材料、生体反応ガラス充填複合材料、皮質骨片充填複合材料などがある。
【0091】
以上、本発明を図面および上記の説明において詳細に図示し説明してきたが、これは例示としてみなされるべきであり、性質に関して限定的にみなされるべきではない。本発明の精神の範囲内で思いつく変更および修正は保護されることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】一実施形態による、縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具の断面図である。
【図2】図1の拡張可能デバイスおよび送達器具の拡張状態を示す図である。
【図3】図3Aは、図1の1対の拡張可能デバイスを受け入れる準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、平面図であり、図3Bは、図1の1対の拡張可能デバイスを受け入れる準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、立面図である。
【図4】図4Aは、図1の縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、平面図であり、図4Bは、図1の縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、立面図である。
【図5】図5Aは、拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所で図2に示すように拡張した、平面図である、図5Bは、拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所で図2に示すように拡張した、立面図である。
【図6】図6Aは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している平面図であり、図6Bは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している立面図である。
【図7】図7Aは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた部分断面平面図であり、図7Bは、図2の拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた部分断面立面図である。
【図8】図8Aは、別の実施形態による、1対の拡張可能デバイスを受ける準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、平面図であり、図8Bは、別の実施形態による、1対の拡張可能デバイスを受ける準備がなされた椎間腔を有する脊柱分節を示す、立面図である。
【図9】図9Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、平面図であり、図9Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所に配置されている、立面図である。
【図10】図10Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所にある、平面図であり、図10Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の準備された場所にある、立面図である。
【図11】図11Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している平面図であり、図11Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が縮小している立面図である。
【図12】図12Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図12Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の準備された場所にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図13】脊椎椎間板腔内にある、図7Aおよび7Bの拡張可能デバイスの端面図である。
【図14】脊椎椎間板腔内にある、図12Aおよび12Bの拡張可能デバイスの端面図である。
【図15】脊椎椎間板腔内にある、別の実施形態による1対の拡張可能デバイスの端面図である。
【図16】脊椎椎間板腔内にある、別の実施形態による拡張可能デバイスを断面で示す側面図である。
【図17】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への1つのアプローチを示す側面図である。
【図18】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への別のアプローチを示す側面図である。
【図19】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への別のアプローチを示す側面図である。
【図20】1つまたは複数の拡張可能デバイスを挿入するための、脊椎椎間板腔への別のアプローチを示す側面図である。
【図21】別の実施形態による拡張可能デバイスの端面図である。
【図22】別の実施形態による拡張可能デバイスの非拡張形状の斜視図である。
【図23】別の実施形態による拡張可能デバイスの非拡張形状の立面図である。
【図24】図23の拡張可能デバイスの拡張形状の立面図である。
【図25】図24の拡張した拡張可能デバイスの端面図である。
【図26】拡張可能デバイスが非拡張状態で椎間板腔内に配置されている、変形した脊柱分節の立面図である。
【図27】拡張可能な移植物が椎間板腔内で拡張している、図26の脊柱分節を示す図である。
【図28】第2の拡張可能な移植物が椎間板腔内で拡張している、図27の脊柱分節を示す図である。
【図29】別の実施形態による拡張可能デバイスの非拡張状態の立面図である。
【図30】図29の拡張可能デバイスの拡張状態の立面図である。
【図31】中に送達器具の遠位部を備える、図29の拡張可能デバイスの非拡張状態の端面図である。
【図32】送達器具の遠位部および拡張可能デバイスが拡張している、図31の拡張可能デバイスおよび送達器具の端面図である。
【図33】空洞の中に中間部材が配置された、図32の拡張した拡張可能デバイスの端面図である。
【図34】拡張可能デバイスが、中間部材によって主要な支持が提供されることを可能にする形態の、図33の拡張した拡張可能デバイスおよび中間部材の端面図である。
【図35】図35Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図35Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図36】図36Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、修復された脊柱分節の椎間板腔内にある平面図であり、図36Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図37】図37Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図37Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図38】図38Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図38Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図39】図39Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図39Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図40】図40Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図40Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図41】図41Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図41Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図42】図42Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図42Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図43】図43Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図43Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図44】図44Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図44Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図45】図45Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図45Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図46】図46Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図46Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【図47】図47Aは、遠位側の拡張可能要素が非拡張状態である、送達器具の立面図であり、図47Bは、遠位側の拡張可能要素が拡張状態である、送達器具の立面図である。
【図48】図48Aは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている平面図であり、図48Bは、別の実施形態による縮小した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の狭小化した椎間板腔内に配置されている立面図である。
【図49】図49Aは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある平面図であり、図49Bは、拡張した拡張可能デバイスおよび送達器具が断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にある立面図である。
【図50】図50Aは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた平面図であり、図50Bは、拡張した拡張可能デバイスが断面で示され、脊柱分節の修復された椎間板腔内にあり、送達器具が取り除かれた立面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間安定化のための方法であって、
椎体間の椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを非拡張状態で前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、拡張可能要素を用いて前記椎間板腔を伸延するように拡張するステップと、
動作保護デバイスを、拡張した前記拡張可能デバイスの空洞内に置くステップとを含む方法。
【請求項2】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能デバイスを送達器具の遠位部に設置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記遠位部が前記拡張可能要素を含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが重合可能材料を前記拡張可能要素内に置くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動作保護デバイスを置くステップが、前記重合可能材料を前記拡張可能要素内で硬化させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能要素を膨張させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能要素が収縮した状態で、前記拡張可能デバイスを前記拡張可能要素に設置するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分が互いに離れて、隣接する椎体終板と接触するように動かすステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1部分および前記第2部分がその外周面に沿って骨係合機能を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1部分および前記第2部分が前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接して第1の高さを、近位端に隣接して第2の高さを形成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および前記第2の高さの大きい方を前記椎間板腔内で前方に向くように配置するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
椎体が側彎脊柱分節の凹状に湾曲した部分を含み、椎間板腔が狭小化した高さを脊柱分節の正中線の片側に沿って含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが狭小化した椎間板腔を修復し、凹状に湾曲した部分の側彎湾曲を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記動作保護デバイスを置く前に、拡張した前記拡張可能デバイスによって椎間板腔を一時的に支持するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記負荷支持要素を取り除くステップが、前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
椎間の伸延のための方法であって、
椎体間の狭小化した椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを送達器具の遠位部で拡張可能要素に設置するステップと、
前記拡張可能デバイスを非拡張状態で前記送達器具を用いて前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、前記拡張可能要素を拡張することによって椎間板腔の高さを修復するように拡張するステップと、
前記拡張可能要素を拡張した前記拡張可能デバイスから取り除くステップと、
修復された椎間板腔の高さを拡張した前記拡張可能デバイスによって維持するステップとを含む方法。
【請求項20】
骨充填材を拡張した前記拡張可能デバイス内に置くステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記拡張可能要素を前記拡張可能デバイスの第1部分と第2部分との間に画成された空洞内に配置する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記拡張可能要素が流体によって膨張可能な内部を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方、側方、後側方、および後方アプローチからなる群から選択されたアプローチで、前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分を互いに離れるように動かすステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1部分および前記第2部分がそれぞれ、前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接する第1の高さ、および近位端に隣接する第2の高さによって分離され、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間で先細状である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間に段形状部分を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記拡張可能デバイスが拡張状態および非拡張状態においてほぼ同一の幅を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記拡張可能デバイスを送達するステップが、凸状に湾曲した前方壁を前記椎間板腔の前方部分に沿う向きに配置するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
拡張した前記拡張可能デバイスがD字形を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
拡張した前記拡張可能デバイス内に動作保護デバイスを配置するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
負荷支持要素を取り除くステップが前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
脊柱分節安定化のためのシステムであって、
遠位部に沿ってシャフトおよび拡張可能要素を含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、かつ前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
前記空洞内に配置可能な動作保護デバイスと
を含むシステム。
【請求項36】
前記拡張可能要素が拡張流体を受ける内部を備えたバルーン構造を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記拡張流体が、生理食塩水、圧縮空気、造影液からなる群から選択される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記拡張流体が重合可能材料である、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記動作保護デバイスが、前記重合可能材料を硬化することによって形成した弾性コアを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記送達器具のシャフトが、前記拡張可能要素の内部と流体連通する内腔を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記拡張可能デバイスが、前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端の間を延びる隣接する第1および第2部分を含み、前記第1および第2部分は前記拡張可能要素の拡張によって互いに離れるように可動である、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間で先細状である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間に段形状を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性であり、前記拡張可能要素が非剛性である、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1部分および前記第2部分が互いに係合して、前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も前記拡張可能デバイスを拡張状態で維持する、請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一部が、前記動作保護デバイスに負荷を移動するように分解可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記空洞が、前記拡張可能デバイスの遠位端および近位端で開口している、請求項35に記載のシステム。
【請求項51】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項52】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項53】
脊椎椎間板腔を伸延するためのシステムであって、
シャフトと、遠位部に沿った拡張可能要素を含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
を含むシステム。
【請求項54】
前記拡張可能デバイスが、第1部分および第2部分を含み、前記第1および第2部分が前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端との間を延びる、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間で先細状である、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間に段形状部分を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1および第2部分が、それらの間の前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も拡張形状を維持する構造になっている、請求項54に記載のシステム。
【請求項61】
前記空洞内に配置された弾性コアをさらに含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記空洞内に配置可能な骨充填材をさらに含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項63】
前記骨充填材が骨成長促進材料を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項65】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項66】
前記拡張可能デバイスが非拡張状態でバナナ形状を有する、請求項53に記載のシステム。
【請求項67】
前記拡張可能デバイスが拡張状態でD字形状を有する、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記拡張可能デバイスが、上位椎骨の終板に沿って配置可能な第1部分および下位椎骨の終板に沿って配置可能な第2部分を含み、前記第1および第2部分がそれぞれ隣接する終板の大部分を占めるサイズおよび形状を含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項69】
前記第1部分と第2部分の間に動作保護デバイスをさらに含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記動作保護デバイスが上部および下部に凸状の湾曲面を有する弾性コアを含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1および第2部分がそれぞれ、拡張時に前記第1および第2部分を隣接する終板に固定するための係合部材を含む、請求項70に記載のシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間安定化のための方法であって、
椎体間の椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを非拡張状態で前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、拡張可能要素を用いて前記椎間板腔を伸延するように拡張するステップと、
動作保護デバイスを、拡張した前記拡張可能デバイスの空洞内に置くステップとを含む方法。
【請求項2】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能デバイスを送達器具の遠位部に設置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記遠位部が前記拡張可能要素を含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが重合可能材料を前記拡張可能要素内に置くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動作保護デバイスを置くステップが、前記重合可能材料を前記拡張可能要素内で硬化させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能要素を膨張させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能要素が収縮した状態で、前記拡張可能デバイスを前記拡張可能要素に設置するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分が互いに離れて、隣接する椎体終板と接触するように動かすステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1部分および前記第2部分がその外周面に沿って骨係合機能を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1部分および前記第2部分が前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接して第1の高さを、近位端に隣接して第2の高さを形成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および前記第2の高さの大きい方を前記椎間板腔内で前方に向くように配置するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
椎体が側彎脊柱分節の凹状に湾曲した部分を含み、椎間板腔が狭小化した高さを脊柱分節の正中線の片側に沿って含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが狭小化した椎間板腔を修復し、凹状に湾曲した部分の側彎湾曲を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記動作保護デバイスを置く前に、拡張した前記拡張可能デバイスによって椎間板腔を一時的に支持するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記負荷支持要素を取り除くステップが、前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
椎間の伸延のための方法であって、
椎体間の狭小化した椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを送達器具の遠位部で拡張可能要素に設置するステップと、
前記拡張可能デバイスを非拡張状態で前記送達器具を用いて前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、前記拡張可能要素を拡張することによって椎間板腔の高さを修復するように拡張するステップと、
前記拡張可能要素を拡張した前記拡張可能デバイスから取り除くステップと、
修復された椎間板腔の高さを拡張した前記拡張可能デバイスによって維持するステップとを含む方法。
【請求項20】
骨充填材を拡張した前記拡張可能デバイス内に置くステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記拡張可能要素を前記拡張可能デバイスの第1部分と第2部分との間に画成された空洞内に配置する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記拡張可能要素が流体によって膨張可能な内部を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方、側方、後側方、および後方アプローチからなる群から選択されたアプローチで、前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分を互いに離れるように動かすステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1部分および前記第2部分がそれぞれ、前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接する第1の高さ、および近位端に隣接する第2の高さによって分離され、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間で先細状である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間に段形状部分を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記拡張可能デバイスが拡張状態および非拡張状態においてほぼ同一の幅を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記拡張可能デバイスを送達するステップが、凸状に湾曲した前方壁を前記椎間板腔の前方部分に沿う向きに配置するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
拡張した前記拡張可能デバイスがD字形を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
拡張した前記拡張可能デバイス内に動作保護デバイスを配置するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
負荷支持要素を取り除くステップが前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
脊柱分節安定化のためのシステムであって、
遠位部に沿ってシャフトおよび拡張可能要素を含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、かつ前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
前記空洞内に配置可能な動作保護デバイスと
を含むシステム。
【請求項36】
前記拡張可能要素が拡張流体を受ける内部を備えたバルーン構造を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記拡張流体が、生理食塩水、圧縮空気、造影液からなる群から選択される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記拡張流体が重合可能材料である、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記動作保護デバイスが、前記重合可能材料を硬化することによって形成した弾性コアを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記送達器具のシャフトが、前記拡張可能要素の内部と流体連通する内腔を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記拡張可能デバイスが、前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端の間を延びる隣接する第1および第2部分を含み、前記第1および第2部分は前記拡張可能要素の拡張によって互いに離れるように可動である、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間で先細状である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間に段形状を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性であり、前記拡張可能要素が非剛性である、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1部分および前記第2部分が互いに係合して、前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も前記拡張可能デバイスを拡張状態で維持する、請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一部が、前記動作保護デバイスに負荷を移動するように分解可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記空洞が、前記拡張可能デバイスの遠位端および近位端で開口している、請求項35に記載のシステム。
【請求項51】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項52】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項53】
脊椎椎間板腔を伸延するためのシステムであって、
シャフトと、遠位部に沿った、共形可能な拡張可能要素とを含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
を含むシステム。
【請求項54】
前記拡張可能デバイスが、第1部分および第2部分を含み、前記第1および第2部分が前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端との間を延びる、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間で先細状である、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間に段形状部分を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1および第2部分が、それらの間の前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も拡張形状を維持する構造になっている、請求項54に記載のシステム。
【請求項61】
前記空洞内に配置された弾性コアをさらに含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記空洞内に配置可能な骨充填材をさらに含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項63】
前記骨充填材が骨成長促進材料を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項65】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項66】
前記拡張可能デバイスが非拡張状態でバナナ形状を有する、請求項53に記載のシステム。
【請求項67】
前記拡張可能デバイスが拡張状態でD字形状を有する、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記拡張可能デバイスが、上位椎骨の終板に沿って配置可能な第1部分および下位椎骨の終板に沿って配置可能な第2部分を含み、前記第1および第2部分がそれぞれ隣接する終板の大部分を占めるサイズおよび形状を含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項69】
前記第1部分と第2部分の間に動作保護デバイスをさらに含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記動作保護デバイスが上部および下部に凸状の湾曲面を有する弾性コアを含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1および第2部分がそれぞれ、拡張時に前記第1および第2部分を隣接する終板に固定するための係合部材を含む、請求項70に記載のシステム。
【請求項1】
椎間安定化のための方法であって、
椎体間の椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを非拡張状態で前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、拡張可能要素を用いて前記椎間板腔を伸延するように拡張するステップと、
動作保護デバイスを、拡張した前記拡張可能デバイスの空洞内に置くステップとを含む方法。
【請求項2】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能デバイスを送達器具の遠位部に設置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記遠位部が前記拡張可能要素を含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが重合可能材料を前記拡張可能要素内に置くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動作保護デバイスを置くステップが、前記重合可能材料を前記拡張可能要素内で硬化させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能要素を膨張させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能要素が収縮した状態で、前記拡張可能デバイスを前記拡張可能要素に設置するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分が互いに離れて、隣接する椎体終板と接触するように動かすステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1部分および前記第2部分がその外周面に沿って骨係合機能を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1部分および前記第2部分が前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接して第1の高さを、近位端に隣接して第2の高さを形成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および前記第2の高さの大きい方を前記椎間板腔内で前方に向くように配置するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
椎体が側彎脊柱分節の凹状に湾曲した部分を含み、椎間板腔が狭小化した高さを脊柱分節の正中線の片側に沿って含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが狭小化した椎間板腔を修復し、凹状に湾曲した部分の側彎湾曲を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記動作保護デバイスを置く前に、拡張した前記拡張可能デバイスによって椎間板腔を一時的に支持するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記負荷支持要素を取り除くステップが、前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
椎間の伸延のための方法であって、
椎体間の狭小化した椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを送達器具の遠位部で拡張可能要素に設置するステップと、
前記拡張可能デバイスを非拡張状態で前記送達器具を用いて前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、前記拡張可能要素を拡張することによって椎間板腔の高さを修復するように拡張するステップと、
前記拡張可能要素を拡張した前記拡張可能デバイスから取り除くステップと、
修復された椎間板腔の高さを拡張した前記拡張可能デバイスによって維持するステップとを含む方法。
【請求項20】
骨充填材を拡張した前記拡張可能デバイス内に置くステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記拡張可能要素を前記拡張可能デバイスの第1部分と第2部分との間に画成された空洞内に配置する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記拡張可能要素が流体によって膨張可能な内部を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方、側方、後側方、および後方アプローチからなる群から選択されたアプローチで、前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分を互いに離れるように動かすステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1部分および前記第2部分がそれぞれ、前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接する第1の高さ、および近位端に隣接する第2の高さによって分離され、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間で先細状である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間に段形状部分を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記拡張可能デバイスが拡張状態および非拡張状態においてほぼ同一の幅を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記拡張可能デバイスを送達するステップが、凸状に湾曲した前方壁を前記椎間板腔の前方部分に沿う向きに配置するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
拡張した前記拡張可能デバイスがD字形を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
拡張した前記拡張可能デバイス内に動作保護デバイスを配置するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
負荷支持要素を取り除くステップが前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
脊柱分節安定化のためのシステムであって、
遠位部に沿ってシャフトおよび拡張可能要素を含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、かつ前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
前記空洞内に配置可能な動作保護デバイスと
を含むシステム。
【請求項36】
前記拡張可能要素が拡張流体を受ける内部を備えたバルーン構造を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記拡張流体が、生理食塩水、圧縮空気、造影液からなる群から選択される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記拡張流体が重合可能材料である、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記動作保護デバイスが、前記重合可能材料を硬化することによって形成した弾性コアを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記送達器具のシャフトが、前記拡張可能要素の内部と流体連通する内腔を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記拡張可能デバイスが、前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端の間を延びる隣接する第1および第2部分を含み、前記第1および第2部分は前記拡張可能要素の拡張によって互いに離れるように可動である、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間で先細状である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間に段形状を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性であり、前記拡張可能要素が非剛性である、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1部分および前記第2部分が互いに係合して、前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も前記拡張可能デバイスを拡張状態で維持する、請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一部が、前記動作保護デバイスに負荷を移動するように分解可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記空洞が、前記拡張可能デバイスの遠位端および近位端で開口している、請求項35に記載のシステム。
【請求項51】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項52】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項53】
脊椎椎間板腔を伸延するためのシステムであって、
シャフトと、遠位部に沿った拡張可能要素を含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
を含むシステム。
【請求項54】
前記拡張可能デバイスが、第1部分および第2部分を含み、前記第1および第2部分が前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端との間を延びる、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間で先細状である、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間に段形状部分を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1および第2部分が、それらの間の前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も拡張形状を維持する構造になっている、請求項54に記載のシステム。
【請求項61】
前記空洞内に配置された弾性コアをさらに含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記空洞内に配置可能な骨充填材をさらに含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項63】
前記骨充填材が骨成長促進材料を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項65】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項66】
前記拡張可能デバイスが非拡張状態でバナナ形状を有する、請求項53に記載のシステム。
【請求項67】
前記拡張可能デバイスが拡張状態でD字形状を有する、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記拡張可能デバイスが、上位椎骨の終板に沿って配置可能な第1部分および下位椎骨の終板に沿って配置可能な第2部分を含み、前記第1および第2部分がそれぞれ隣接する終板の大部分を占めるサイズおよび形状を含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項69】
前記第1部分と第2部分の間に動作保護デバイスをさらに含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記動作保護デバイスが上部および下部に凸状の湾曲面を有する弾性コアを含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1および第2部分がそれぞれ、拡張時に前記第1および第2部分を隣接する終板に固定するための係合部材を含む、請求項70に記載のシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間安定化のための方法であって、
椎体間の椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを非拡張状態で前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、拡張可能要素を用いて前記椎間板腔を伸延するように拡張するステップと、
動作保護デバイスを、拡張した前記拡張可能デバイスの空洞内に置くステップとを含む方法。
【請求項2】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、後側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、側方アプローチで前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能デバイスを送達器具の遠位部に設置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記遠位部が前記拡張可能要素を含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが重合可能材料を前記拡張可能要素内に置くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動作保護デバイスを置くステップが、前記重合可能材料を前記拡張可能要素内で硬化させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能要素を膨張させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張可能デバイスを送達する前に、前記拡張可能要素が収縮した状態で、前記拡張可能デバイスを前記拡張可能要素に設置するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分が互いに離れて、隣接する椎体終板と接触するように動かすステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1部分および前記第2部分がその外周面に沿って骨係合機能を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1部分および前記第2部分が前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接して第1の高さを、近位端に隣接して第2の高さを形成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および前記第2の高さの大きい方を前記椎間板腔内で前方に向くように配置するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
椎体が側彎脊柱分節の凹状に湾曲した部分を含み、椎間板腔が狭小化した高さを脊柱分節の正中線の片側に沿って含み、前記拡張可能デバイスを拡張するステップが狭小化した椎間板腔を修復し、凹状に湾曲した部分の側彎湾曲を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記動作保護デバイスを置く前に、拡張した前記拡張可能デバイスによって椎間板腔を一時的に支持するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記負荷支持要素を取り除くステップが、前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
椎間の伸延のための方法であって、
椎体間の狭小化した椎間板腔にアクセスするステップと、
拡張可能デバイスを送達器具の遠位部で拡張可能要素に設置するステップと、
前記拡張可能デバイスを非拡張状態で前記送達器具を用いて前記椎間板腔内へ送達するステップと、
前記拡張可能デバイスを、前記拡張可能要素を拡張することによって椎間板腔の高さを修復するように拡張するステップと、
前記拡張可能要素を拡張した前記拡張可能デバイスから取り除くステップと、
修復された椎間板腔の高さを拡張した前記拡張可能デバイスによって維持するステップとを含む方法。
【請求項20】
骨充填材を拡張した前記拡張可能デバイス内に置くステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記拡張可能要素を前記拡張可能デバイスの第1部分と第2部分との間に画成された空洞内に配置する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記拡張可能要素が流体によって膨張可能な内部を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記椎間板腔にアクセスするステップが、前方、側方、後側方、および後方アプローチからなる群から選択されたアプローチで、前記椎間板腔にアクセスするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記拡張可能デバイスを拡張するステップが、前記拡張可能デバイスの第1部分および第2部分を互いに離れるように動かすステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1部分および前記第2部分がそれぞれ、前記拡張可能デバイスの近位端と遠位端の間を延び、拡張時に前記第1部分および前記第2部分が遠位端に隣接する第1の高さ、および近位端に隣接する第2の高さによって分離され、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間で先細状である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
拡張時に前記拡張可能デバイスが前記遠位端と前記近位端の間に段形状部分を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記拡張可能デバイスが拡張状態および非拡張状態においてほぼ同一の幅を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記拡張可能デバイスを送達するステップが、凸状に湾曲した前方壁を前記椎間板腔の前方部分に沿う向きに配置するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
拡張した前記拡張可能デバイスがD字形を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
拡張した前記拡張可能デバイス内に動作保護デバイスを配置するステップと、
脊柱負荷を前記動作保護デバイスに移動させるために、拡張した前記拡張可能デバイスの負荷支持要素を取り除くステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
負荷支持要素を取り除くステップが前記負荷支持要素を生体位で分解するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
脊柱分節安定化のためのシステムであって、
遠位部に沿ってシャフトおよび拡張可能要素を含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、かつ前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
前記空洞内に配置可能な動作保護デバイスと
を含むシステム。
【請求項36】
前記拡張可能要素が拡張流体を受ける内部を備えたバルーン構造を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記拡張流体が、生理食塩水、圧縮空気、造影液からなる群から選択される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記拡張流体が重合可能材料である、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記動作保護デバイスが、前記重合可能材料を硬化することによって形成した弾性コアを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記送達器具のシャフトが、前記拡張可能要素の内部と流体連通する内腔を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記拡張可能デバイスが、前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端の間を延びる隣接する第1および第2部分を含み、前記第1および第2部分は前記拡張可能要素の拡張によって互いに離れるように可動である、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間で先細状である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さとの間に段形状を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1部分および前記第2部分が実質的に剛性であり、前記拡張可能要素が非剛性である、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1部分および前記第2部分が互いに係合して、前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も前記拡張可能デバイスを拡張状態で維持する、請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一部が、前記動作保護デバイスに負荷を移動するように分解可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記空洞が、前記拡張可能デバイスの遠位端および近位端で開口している、請求項35に記載のシステム。
【請求項51】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項52】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項53】
脊椎椎間板腔を伸延するためのシステムであって、
シャフトと、遠位部に沿った、共形可能な拡張可能要素とを含む送達器具と、
空洞を含む拡張可能デバイスであって、前記空洞内にあり、前記拡張可能デバイスおよび前記拡張可能要素がそれぞれ非拡張状態のとき前記拡張可能要素に脱着可能に設置され、前記送達器具を用いて非拡張状態で脊椎椎間板腔に送達可能であり、その後脊椎椎間板腔を伸延するように前記拡張可能要素の拡張によって拡張可能となる拡張可能デバイスと、
を含むシステム。
【請求項54】
前記拡張可能デバイスが、第1部分および第2部分を含み、前記第1および第2部分が前記拡張可能デバイスの遠位端と近位端との間を延びる、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1および第2部分がそれぞれ、そこに沿って骨係合部材を備えた外周面を画成する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1および第2部分が、拡張時に、前記拡張可能デバイスの遠位端に隣接して第1の高さを、前記拡張可能デバイスの近位端に隣接して第2の高さを画成し、前記第1および前記第2の高さの一方が前記第1および前記第2の高さの他方よりも大きい、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間で先細状である、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記拡張可能デバイスが前記第1の高さと前記第2の高さの間に段形状部分を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1および第2部分がそこを通る骨成長開口を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1および第2部分が、それらの間の前記空洞から前記拡張可能要素を取り除いた後も拡張形状を維持する構造になっている、請求項54に記載のシステム。
【請求項61】
前記空洞内に配置された弾性コアをさらに含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記空洞内に配置可能な骨充填材をさらに含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項63】
前記骨充填材が骨成長促進材料を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記拡張可能デバイスが径方向に拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項65】
前記拡張可能デバイスが幅および高さを含み、前記拡張可能デバイスが前記幅はほぼ一定のままで前記高さを増加させるように拡張可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項66】
前記拡張可能デバイスが非拡張状態でバナナ形状を有する、請求項53に記載のシステム。
【請求項67】
前記拡張可能デバイスが拡張状態でD字形状を有する、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記拡張可能デバイスが、上位椎骨の終板に沿って配置可能な第1部分および下位椎骨の終板に沿って配置可能な第2部分を含み、前記第1および第2部分がそれぞれ隣接する終板の大部分を占めるサイズおよび形状を含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項69】
前記第1部分と第2部分の間に動作保護デバイスをさらに含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記動作保護デバイスが上部および下部に凸状の湾曲面を有する弾性コアを含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1および第2部分がそれぞれ、拡張時に前記第1および第2部分を隣接する終板に固定するための係合部材を含む、請求項70に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公表番号】特表2006−510400(P2006−510400A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555519(P2004−555519)
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/037181
【国際公開番号】WO2004/047691
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(500273034)エスディージーアイ・ホールディングス・インコーポレーテッド (48)
【出願人】(305058760)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/037181
【国際公開番号】WO2004/047691
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(500273034)エスディージーアイ・ホールディングス・インコーポレーテッド (48)
【出願人】(305058760)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]