説明

拡散板の製造方法、拡散板、拡散板の配置位置調整方法、バックライトユニット、及び電気光学装置、電子機器

【課題】 輝度むらが低減可能な拡散板の配置位置調整方法、光学特性の良好なバックライトユニット、及び電気光学装置、電子機器を提供する。
【解決手段】 拡散板43は、検出開始位置を示す検出マークとしての取り付け孔51を備えていて、拡散板43を移動させる移動工程と、取り付け孔51の位置を検出する第1検出工程と、光源としての蛍光管41の位置を検出する第2検出工程と、第1検出工程で検出された取り付け孔51と、第2検出工程で検出された蛍光管41との距離を測定する測定工程と、測定工程で測定された距離と、設計情報に基づく距離とを比較して、拡散板43の位置を調整する調整工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散板の製造方法、拡散板、拡散板の配置位置調整方法、バックライトユニット、及び電気光学装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気光学装置としての液晶表示装置においては、液晶表示装置に組み込まれている液晶ディスプレイ用バックライトユニットの拡散板に調光用のドットパターンを形成している。そして、バックライトユニットの照明用光源からの光を効率よく液晶素子(画素)に集光する方法があった。
【0003】
例えば特許文献1に開示されているように、拡散板の表面または裏面に調光用のドットパターンを形成し、この調光用のドットパターンのドット径を、蛍光管からの距離に応じて変化させていた。具体的には、蛍光管の真上に近い位置では、遮光する光量を増大させ、逆に、蛍光管から遠い位置では、遮光する光量を減少させるような調光用ドットパターンとしてのドットを備えた拡散板が提案されていた。一方、拡散板の製造方法では、例えば特許文献2に開示されているように、液滴吐出法を用いて拡散板を形成する製造方法が提案されていた。
【0004】
【特許文献1】特開2005−117023号公報
【特許文献2】特開2004−157430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これらの方法では、拡散板をバックライトユニットに組み込むときに、蛍光管の配置位置に対して、拡散板がずれて配置されてしまうことがあって、拡散板に形成された調光用のドットパターンが、蛍光管の所定の位置に配置されないことがあった。そして、液晶素子(画素)に効率よく光が集光しなくなり、画素に明るい所と暗い所とが発生することがあった。いわゆる輝度むらが発生することがあった。そこで、輝度むらの発生を抑制できるように、蛍光管の位置に対して拡散板に形成された調光用のドットパターンが精度良く配置できるような拡散板の配置位置調整方法が求められていた。
【0006】
本発明の目的は、輝度むらが低減可能な拡散板の配置位置調整方法、光学特性の良好なバックライトユニット、及び電気光学装置、電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の拡散板の配置位置調整方法は、光源の位置に対して拡散板の位置を調整する拡散板の配置位置調整方法であって、前記光源は、拡散板の下に配置されており、前記拡散板に検出開始位置を示す検出マークを備え、前記拡散板を移動させる移動工程と、前記検出マークの位置を検出する第1検出工程と、前記光源の位置を検出する第2検出工程と、前記第1検出工程で検出された前記検出マークの位置と、前記第2検出工程で検出された前記光源の位置との距離を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された距離と、設計情報に基づく距離とを比較して、前記拡散板の位置を調整する調整工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、検出マークの位置と、光源としての蛍光管との距離を測定して、測定結果を設計情報と比較してから拡散板の位置を調整するから、蛍光管の配置位置に対して、拡散板を精度よく配置させることができるから、拡散板に形成されている調光用ドットパターンとしてのドットを、蛍光管の所定の位置に配置できる。したがって、効率よく光を画素に集光させることが可能になるので、輝度むらが低減できる。そして、輝度むらが低減可能なバックライトユニットを形成できる。
【0009】
本発明の拡散板の配置位置調整方法は、前記拡散板は、取り付け孔を複数有しており、前記第1検出工程では、前記検出マークとして、前記取り付け穴の位置を検出することが望ましい。
【0010】
この発明によれば、拡散板に有する取り付け孔を検出マークとして利用するので、簡単である。
【0011】
本発明の拡散板の配置位置調整方法は、前記拡散板は、コーナを複数有しており、前記第1検出工程では、前記検出マークとして、前記コーナの位置を検出することが望ましい。
【0012】
この発明によれば、拡散板に有するコーナを検出マークとして利用するので、簡単である。
【0013】
本発明の拡散板の配置位置調整方法は、前記拡散板は、液滴吐出法により形成された凸部を複数有しており、前記第1検出工程では、前記検出マークとして、前記凸部の位置を検出することが望ましい。
【0014】
この発明によれば、凸部が液滴吐出法により形成されているので、凸部の位置精度が高い。しかも、凸部を検出マークとして利用するので簡単である。
【0015】
本発明の拡散板の製造方法は、光を拡散する拡散板の製造方法であって、前記拡散板には、非拡散領域部を有しており、前記非拡散領域部に液滴吐出法により液滴を配置する工程と、前記液滴を乾燥・固化させて、検出マークとしての凸部を形成する工程と、
を備えていること特徴とする。
【0016】
この発明によれば、液滴吐出法は吐出条件を変更することができるので、検出マークとしての凸部を簡単に形成できる。しかも、液滴吐出法を用いれば、液滴の量をコントロールできて、位置精度も高くできるので、検出マークとしての凸部を精度よく形成できる。さらに、蛍光管の配置位置が変更になっても、液滴の配置位置を簡単に変更できるから、自由度が高い。
【0017】
本発明の拡散板は、光を拡散する拡散板であって、基板と、前記基板上に、液滴吐出法を用いて形成された検出マークとしての凸部と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、液滴吐出法を用いて形成された検出マークとしての凸部を備えているので、蛍光管の位置に対して拡散板をより精度よく配置できる。蛍光管の配置位置が変更されても、液滴吐出条件を変更するだけで検出マークとしての凸部を配置できるので、簡単である。そして、検出マークとしての凸部を簡単に形成できるから、バックライトユニットの生産性を向上することができる。
【0019】
本発明の拡散板は、前記検出マークとしての前記凸部が、前記基板の略中心線上に配置されていることが望ましい。
【0020】
この発明によれば、検出マークとしての凸部が、基板の略中心線上に配置されていると、基板が熱によって膨張(収縮)して変形しても、凸部は、均等に膨張(収縮)することになるから、熱の影響を受けにくいので、検出マークとしての位置精度が保持できる。
【0021】
本発明のバックライトユニットは、光を照射する光源と、前記光源から照射された前記光を拡散する拡散板と、を備えた直下型のバックライトユニットにおいて、前述に記載の拡散板を有することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、検出マークが簡単に形成できて、配置位置精度の高い拡散板であるから、輝度むらが低減可能なバックライトユニットを提供できる。しかも、生産性の向上可能なバックライトユニットを提供できる。
【0023】
本発明のバックライトユニットは、光を照射する光源と、前記光源から照射された前記光を拡散する拡散板と、を備えた直下型のバックライトユニットにおいて、前述に記載の拡散板の配置位置調整方法で調整されたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、検出マークが簡単に形成できて、配置位置精度の高い拡散板であるから、輝度むらが低減可能なバックライトユニットを提供できる。しかも、生産性の向上可能なバックライトユニットを提供できる。
【0025】
本発明の電気光学装置は、液晶パネルと、バックライトユニットとを備えた電気光学装置において、前記バックライトユニットとして、前述に記載のバックライトユニットを備えていることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、輝度むらが低減可能なバックライトユニットを備えているので、光学特性に優れた電気光学装置を提供できる。しかも、生産性の向上可能なバックライトユニットを備えているので、電気光学装置の生産性を向上することができる。
【0027】
本発明の電子機器は、前述に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、光学特性の優れた電気光学装置を備えているので、表示性能が向上した電子機器を提供できる。しかも、電気光学装置を簡単に形成できるので、電子機器の生産性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態)
【0030】
以下、本発明の拡散板の配置位置調整方法、及びバックライトユニットについて実施形態を挙げ、添付図面に沿って詳細に説明する。
【0031】
図1は、本実施形態における蛍光管41と拡散板43との配置の例を示す概略図である。
【0032】
図1に示すように、矩形状の拡散板43は蛍光管41(41a、41b)の上に配置されている。拡散板43は、基板P上に調光用ドットパターンとしての大きい径や小さい径を備えたドット30を有している。拡散板43の下にY方向に伸長する二本の蛍光管41(41a、41b)が配置されている。蛍光管41aと蛍光管41bとは略平行に配置されている。そして、拡散板43は、蛍光管41(41a、41b)の真上に近い位置では、遮光する光量を増大させ、逆に、蛍光管41(41a、41b)から遠い位置では、遮光する光量を減少させるように配置されている。
【0033】
拡散板43は、取り付け孔51(51a、51b、51c、51d)を有しており、液晶表示装置100のフレーム(図示省略)に取り付けることができる。そして、これらの取り付け孔51a、51b、51c、51dは、拡散板43のほぼ四隅の位置に形成されている。また、取り付け孔51(51a、51b、51c、51d)は、蛍光管の配置位置に対して拡散板を配置するときの検出マークとして用いることができる。ここで、蛍光管41aと蛍光管41bとの間隔がHである。蛍光管41aのY方向中心にセンターラインCL1がある。取り付け孔51aと51dとの中心位置をY方向に結ぶように、センターラインCL2がある。これら、センターラインCL1とセンターラインCL2との間隔がAである。
【0034】
図1を参照して、蛍光管41(41a、41b)に対して拡散板43を配置するときの調整方法について説明する。
【0035】
センターラインCL1とセンターラインCL2との間隔Aを事前に測定して、この測定値を測定装置などに設定しておく。同様に、蛍光管41aと蛍光管41bとの間隔Hを測定して、この測定値を測定装置などに設定しておく。なお、間隔Hは、ディスプレイの大きさや、蛍光管41の大きさが変われば、蛍光管41(41a、41b)の位置や、取り付け孔51(51a、51b、51c、51d)の位置も変わることがある。このような場合、測定値を測定装置などに設定するときには、その都度設定することが必要である。
【0036】
次に、蛍光管41(41a、41b)の上に拡散板43を配置する。このとき、拡散板43は、蛍光管41(41a、41b)に対して、任意の位置に配置されることになる。つまり、拡散板43に形成されている大きいドット径を有するドット30が、蛍光管41(41a、41b)の真上に配置されることは期待できず、ずれて配置されてしまう。
【0037】
次に、検出マークとしての取り付け孔51a、51dを検出して、センターラインCL2の位置を測定する。同様に、蛍光管41aを検出して、センターラインCL1の位置を測定する。そして、センターラインCL1と、センターラインCL2との距離が測定装置に設定しておいた間隔Aになるように、拡散板43をX方向へ移動させて調整する。なお、これら、取り付け孔51a、51d、蛍光管41aを検出するための検出機器は、例えば赤外線カメラなどが使用できる。また、取り付け孔51a、51dを検出マークとして利用したが、これに限らない。例えば、取り付け孔51b、51cを利用してもよい。
【0038】
本実施形態では、以下の効果が得られる。
【0039】
(1)検出マークとしての取り付け孔51a、51dと、光源としての蛍光管41(41a、41b)との距離を測定して、測定結果と設計情報とを比較してから拡散板43の位置を調整するから、蛍光管41(41a、41b)の配置位置に対して、拡散板43を精度よく配置させることができる。拡散板43に形成されている調光用ドットパターンとしてのドット30が、蛍光管41(41a、41b)の所定の位置に配置できる。したがって、効率よく光を画素に集光させることが可能になるので、輝度むらが低減できる。そして、輝度むらが低減可能なバックライトユニット40を形成できる。しかも、拡散板43に有する取り付け孔51(51a、51b、51c、51d)を検出マークとして利用するので、簡単である。
(第2実施形態)
【0040】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前述の第1実施形態における検出マークが異なる。具体的には、拡散板に有する取り付け孔に変えて、コーナを検出マークとして用いる点が異なる。なお、前述の第1実施形態と同じ機能を有する部品については、説明を省略する。
【0041】
図2は、本実施形態における蛍光管41と拡散板43との配置の例を示す概略図である。
【0042】
図2に示すように、矩形状の拡散板43は、その周囲にコーナ53(53a、53b、53c、53d)を有している。そして、これらのコーナ53a、53b、53c、53dは、四箇所あり、蛍光管の配置位置に対して拡散板を配置するときの検出マークとして用いることができる。蛍光管41aのY方向中心にセンターラインCL1がある。コーナ53aと53dとを結ぶ側辺が辺Mである。辺Mと蛍光管41aのセンターラインCL1との間隔がBである。蛍光管41aと蛍光管41bとの間隔がHである。
【0043】
図2を参照して、蛍光管41(41a、41b)に対して拡散板43を配置するときの調整方法について説明する。
【0044】
一対のコーナ53(53a、53d)と蛍光管41aのセンターラインCL1との間隔Bを事前に測定して、この測定値を測定装置などに設定しておく。同様に、蛍光管41aと蛍光管41bとの間隔Hを測定して、この測定値を測定装置などに設定しておく。
【0045】
次に、蛍光管41(41a、41b)の上に拡散板43を配置する。このとき、拡散板43は、蛍光管41(41a、41b)に対して、任意の位置に配置されることになる。
【0046】
次に、検出マークとしての一対のコーナ53(53a、53d)を検出して、辺Mの位置を測定する。同様に、蛍光管41aを検出して、センターラインCL1の位置を測定する。そして、辺Mと、センターラインCL1との距離が測定装置に設定しておいた間隔Bになるように、拡散板43をX方向へ移動させて調整する。なお、これら、一対のコーナ53(53a、53d)、蛍光管41a検出するための検出機器は、例えば赤外線カメラなどが使用できる。また、コーナ53a、53dを検出マークとして利用したが、これに限らない。例えば、他方のコーナ53b、53cを利用してもよい。
【0047】
本実施形態では、以下の効果が得られる。
【0048】
(2)拡散板43に有するコーナ53(53a、53b、53c、53d)を拡散板43の配置位置用の検出マークとして利用するので、簡単である。しかも、拡散板43を精度良く配置できる。
(第3実施形態)
【0049】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、前述の第1実施形態および第2実施形態おける検出マークが異なる。具体的には、拡散板に有する取り付け孔およびコーナに変えて、液滴吐出法で形成された凸部を検出マークとして用いる点が異なる。なお、前述の第1実施形態および第2実施形態と同じ機能を有する部品については、説明を省略する。
【0050】
図3は、本実施形態における蛍光管41と拡散板43との配置の例を示す概略図である。
【0051】
図3に示すように、矩形状の拡散板43は、ドット30が形成されない非拡散領域部31に凸部55を有している。そして、凸部55は、拡散板43の略中央に位置するセンターラインCL3上に形成されている。凸部55は、上下二箇所に配置されている。凸部55はドット30と同様に、液滴吐出法で形成されている。蛍光管41aのY方向中心にセンターラインCL1がある。凸部55のY方向中心にセンターラインCL3がある。ここで、蛍光管41aと蛍光管41bとの間隔がHであり、蛍光管41aのセンターラインCL1と上下の凸部55のセンターラインCL3との間隔がCである。
【0052】
図3を参照して、蛍光管41(41a、41b)の位置に対して拡散板43の配置位置を調整する方法について説明する。
【0053】
蛍光管41aのセンターラインCL1と凸部55のセンターラインCL3との間隔Cを事前に測定して、この測定値を測定装置などに設定しておく。同様に、蛍光管41aと蛍光管41bとの間隔Hを測定して、この測定値を測定装置などに設定しておく。
【0054】
次に、蛍光管41(41a、41b)の上に拡散板43を配置する。このとき、拡散板43は、蛍光管41(41a、41b)に対して、任意の位置に配置されることになる。
【0055】
次に、検出マークとしての凸部55を検出して、センターラインCL3の位置を測定する。同様に、蛍光管41aを検出して、センターラインCL1の位置を測定する。そして、センターラインCL1と、センターラインCL3との距離が測定装置に設定しておいた間隔Cになるように、拡散板43をX方向へ移動させて調整する。なお、これら、凸部55、蛍光管41a検出するための検出機器は、例えば赤外線カメラなどが使用できる。
【0056】
次に、本実施形態における検出マークとしての凸部55を有する拡散板43の形成方法について説明する。
【0057】
図4(a)〜(d)は、ドット30と検出マークとしての凸部55とを有する拡散板43の製造工程を示す図である。図4を参照して、液滴吐出方法で拡散板43を形成する方法について説明する。なお、本実施形態の拡散板43の形成方法は、基板洗浄工程、基板表面処理工程、液滴配置工程、固化処理工程から概略構成される。以下、各工程について詳細に説明する。
(基板洗浄工程)
【0058】
基板Pの撥液化処理を良好に行うため、撥液化処理の前処理工程として基板Pを洗浄することが好ましい。基板Pの洗浄方法は、例えば、紫外線洗浄、紫外線/オゾン洗浄、プラズマ洗浄、酸あるいはアルカリ洗浄等を採用できる。
(基板表面処理工程)
【0059】
次に、基板Pの表面を表面処理する。基板Pの表面処理は、液体Lの着弾径を小さくする目的で必要な接触角を得られるように基板Pの表面を撥液化することである。基板Pの表面を撥液化する方法としては、基板Pの表面に有機薄膜を形成する方法、プラズマ処理法等を採用できる。
(液滴配置工程)
【0060】
次に、図4(a)に示すように、液滴Lを配置する工程では、撥液性が付与された基板P上に、液滴吐出ヘッド1から液滴Lを吐出する。そして、図4(b)に示すように、大きい径と小さい径とが混在している液滴30aを配置する。基板Pの略中心線上で、非拡散領域部31に液滴55aを配置する。
【0061】
なお、液滴吐出の条件としては、例えば重量が4ng/dot、速度(吐出速度)が5〜7m/secで行うことでできる。また、吐出する雰囲気は、温度60℃以下、湿度80%以下に設定されていることが好ましい。これにより、液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルが目詰まりすることなく安定した液滴吐出を行うことができる。基板Pの表面は撥液性が付与されているため、液滴55aは弾かれやすくなり、液滴55aは凸状になりやすい。
(固化処理工程)
【0062】
最後に、図4(c)に示すように、滴下された液滴30aと液滴55aとを固化する工程である。この固化する工程では、形状を保持するために固化処理をする。そして、ドット30や凸部55を有する拡散板43を形成する。図4(d)に示すように、凸部55は、基板Pの略中心線上で、非拡散領域部31に形成される。
【0063】
なお、固化処理の条件としては、熱処理及び/又は光処理などがあり、通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理条件は、溶媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、重合開始剤の反応温度または反応露光量、架橋反応の反応温度または反応露光量、オリゴマーやポリマーのガラス転移温度、基材の耐熱温度、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動などを考慮して適宜決定される。
【0064】
光処理には、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を用いて液体材料を固化処理することができ、いずれも1J/cm2以下であることが望ましく、生産性向上のためには0.2J/cm2以下であることがより好ましい。また、熱処理にはホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うことができ、硬化物のガラス転移温度以下であれば200℃以下であることが望ましい。
【0065】
次に、図4(d)を参照して、本発明の拡散板43について説明する。
【0066】
図4(d)に示すように、拡散板43は、基板Pと、この基板Pの表面に有する複数の調光用ドットパターンとしてのドット30と、検出パターンとしての凸部55(この場合、二箇所)とを備えている。検出パターンとしての凸部55は、非拡散領域部31に形成されている。
【0067】
拡散板43は、検出パターンとしての凸部55を有しているので、凸部55とドット30の径の大きい(または小さい)ところとの距離を事前に設定できる。つまり、凸部55を検出マークとして利用すれば、蛍光管41aのセンターラインCL1と凸部55のセンターラインCL3との間隔Cを精度よく設定できる(図3参照)。
【0068】
ここで、本実施形態の拡散板の形成方法において使用される基体、機能液、液滴吐出法、液滴吐出装置について順次説明する。
<基体>
【0069】
本発明に用いうる基体としての基板Pは、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。基板Pに用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル、放射線硬化型樹脂等が挙げられる。
【0070】
基板Pの厚み(平均厚み)は、特には限定されないが、例えば10μm以上500μm以下、好ましくは35μm以上250μm以下、特に好ましくは50μm以上188μm以下とされる。基板Pの厚みが上記範囲未満であると、バックライトユニット40等において熱に曝された際にカールが発生しやすくなってしまうことや、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基板Pの厚みが上記範囲を超えると、液晶表示装置100の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニット40の厚みが大きくなって液晶表示装置100の薄型化の要求に反することにもなる。
<機能液>
【0071】
ドット30(凸部55)を形成する材料としては、形成時には液滴として吐出可能な液状であり、その後、固化可能なものであり、さらに、固化後は、光に対して透過性を有する材料であれば特に限定されるものではない。このような樹脂としては、上記透過性を有する樹脂を溶媒に熔解した溶液を塗布した後、溶剤を除去するようにしたもの、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等種々の樹脂を挙げることができるが、固化が容易でかつ迅速であるので、光硬化性樹脂が好ましい。
【0072】
このような光硬化性樹脂は、通常少なくとも1個以上の官能基を有し、光重合開始剤に光を照射することにより発生するイオンまたはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を行い、分子量を増加させ必要であれば架橋構造の形成を行うモノマーやオリゴマーと、光重合開始剤とを少なくとも有する樹脂組成物を硬化させたものである。ここでいう官能基とは、ビニル基、カルボキシル基、水酸基などの反応の原因となる原子団もしくは結合様式をいう。
【0073】
このようなモノマー、オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル型、エンチオール型、アクリル型等が挙げられ、中でも硬化速度、物性選択の幅の広さからアクリル型が好ましい。このようなアクリル型のモノマー、オリゴマーの内、単官能基のものとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルEO付加物アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン付加物、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、ノニルフェノールEO付加物にカプロラクトン付加したアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フルフリルアルコールのカプロラクトン付加物アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート等を挙げることができる。
【0074】
また、アクリル型のモノマー、オリゴマーの内、多官能のものとしては、ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニル]メタン、水添ビスフェノールエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートペンタアクリレート混合物、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物アクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、2−アクリロイロキシエチルホスフェート等を挙げることができる。
【0075】
なお、上記の透過性を有する樹脂には、予め光拡散性微粒子を混合分散させておいてもよい。光拡散性微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物などの微粒子が挙げられ、これらのうちの一種が用いられ、あるいは複数種が混合されて用いられる。ただし、光拡散性微粒子が十分な光拡散性を発揮するためには、この微粒子が光透過性である場合、その屈折率が前記光透過性樹脂の屈折率と十分に差がある必要がある。したがって、光拡散性微粒子が光透過性である場合には、このような条件を満たすよう、使用する光透過性樹脂に応じて適宜に選定され用いられる。
【0076】
このような光拡散性微粒子は、前述したように予め光透過性樹脂に分散させられることにより、液滴吐出ヘッドから吐出可能な液状に調整されている。その際、光拡散性微粒子の表面を界面活性剤で被覆処理することや、あるいは溶融樹脂で覆う処理を行うことによって光拡散性微粒子の光透過性樹脂への分散性を高めておくのが好ましく、このような処理を行うことにより、液滴吐出ヘッドからの吐出が良好となる流動性を、この光拡散性微粒子を分散させた光透過性樹脂に付加することができる。なお、表面処理を行うための界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素樹脂系などのものが、光拡散微粒子の種類に応じて適宜に選択され用いられる。
【0077】
また、このような光拡散性微粒子としては、その粒径が5nm以上、1000nm以下のものを用いるのが好ましい。より好ましくは粒径が200nm以上、500nm以下のものを用いるのが好ましい。このような範囲にすれば、粒径が200nm以上であることによってその光拡散性が良好に確保され、また500nm以下であることによって液滴吐出ヘッドのノズルから良好に吐出できる
【0078】
このような光拡散性微粒子を混合分散させた光透過性樹脂から得られたドット30にあっては、光拡散性微粒子によって複合化していることから、より一層高い拡散性能が付与されるとともに熱可塑性を抑えることができるため優れた耐熱性を得ることができる。
【0079】
また、耐熱性と優れた光透過性を獲得できるという点で、無機成分を含む樹脂を採用することもできる。具体的にはケイ素、ゲルマニウム、チタン等を挙げることができるが、入手しやすさという点ではケイ素を含有する樹脂が好ましい。
【0080】
このようなポリマーとしては、ポリシロキサン、ポリシラン、ポリシラザンが挙げられる。これらの化合物は高分子主鎖骨格にケイ素を含んでおり、熱や光、触媒等による化学反応により、ガラスに類似したケイ素酸化物を形成する。このようにして形成されたケイ素酸化物は有機材料のみからなる樹脂等にくらべ、優れた耐熱性と光透過性を有するため、好適である。
【0081】
より具体的には、アルコキシ基を有するポリシロキサン溶液を触媒と共に吐出した後、乾燥し、加熱することでアルコキシ基を縮合し、ケイ素酸化物を得ることができる。また、ポリシラン溶液を吐出した後、紫外線を照射し、上記ポリシランを光酸化することにより、ケイ素酸化物を得ることができる。ポリシラザン溶液を吐出した後、上記ポリシラザンを紫外線や酸またはアルカリ等で加水分解し、かつ、酸化することによりケイ素酸化物を得ることができる。
【0082】
液体材料は、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量添加することができる。これらの表面張力調節材は、インクの塗布対象物への濡れ性の制御を可能とし、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものである。
【0083】
このようにして調製した液体材料の粘度は1〜50mPa・sであることが好ましい。液滴吐出装置IJにて溶液を塗布する場合、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部が汚染され易く、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な吐出が困難となるためである。より好ましくは5〜20mPa・sであることが好ましい。
【0084】
さらに、このようにして調製した液体材料の表面張力は1〜50mPa・sであることが好ましい。この表面張力は0.02〜0.07N/mの範囲に入ることが望ましい。液滴吐出装置IJにて溶液を塗布する場合、表面張力が0.02N/m未満であると、ノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲がりが生じ易くなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるためである。
<液滴吐出法>
【0085】
液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。ここで、帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
【0086】
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液体材料の一滴の量は例えば1〜300ナノグラムである。
<液滴吐出装置>
【0087】
次に、上述の液滴吐出法を用いて液体材料を吐出する液滴吐出装置の一例について説明する。なお、本実施形態においては、液滴吐出法を用いて液滴吐出ヘッドから基板に対して液滴を吐出(滴下)することによる液滴吐出装置を挙げて説明する。
【0088】
図5は、液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15とを備えている。
ステージ7は、この液滴吐出装置IJにより液体材料を配置される基体としての基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
【0089】
液滴吐出ヘッド1は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とX軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1の下面に一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルからは、ステージ7に支持されている基板Pに対して、液体材料が吐出される。
【0090】
X軸方向駆動軸4には、X軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド
1はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸5は、基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向に移動する。
【0091】
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ2に液滴吐出ヘッド1のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ3にステージ7のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は、液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものである。クリーニング機構8には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構8は、Y軸方向ガイド軸5に沿って移動する。クリーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ15は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に配置された液体材料に含まれる溶媒の蒸発、乾燥を行う。このヒータ15の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
【0092】
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して、液滴吐出ヘッド1の下面にX軸方向に配列された複数の吐出ノズルから液滴を吐出する。
【0093】
図6は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
【0094】
図6において、液体材料を収容する液体室21に隣接してピエゾ素子22が設置されている。液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系23を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素子22に電圧を印加して、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形する。液体室21が元の状態に復元するときに、吐出ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は液体材料に熱を加えないため、液体材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0095】
以上説明した液滴吐出装置IJは、本発明に係る配置方法や製造方法において用いることができるものであるが、本発明はこれに限られることはなく、液体材料を吐出し、所定の着弾予定位置に着弾させることができるものであれば、如何なる装置を用いることも可能である。
【0096】
以上説明した液滴吐出装置は、本発明に係る配置方法や製造方法において用いることができるものであるが、本発明はこれに限られることはなく、液滴を吐出し、所定の着弾予定位置に着弾させることができるものであれば、如何なる装置を用いることも可能である。
【0097】
本実施形態では、前述の第1実施形態および第2実施形態で得られた効果以外に以下の効果が得られる。
【0098】
(3)拡散板43に液滴吐出法を用いて形成された検出マークとしての凸部55を、より精度よく形成できるから、拡散板43をより精度よく配置できる。しかも、液滴吐出法だから、凸部55を簡単に形成できる。また、蛍光管41の配置位置が変更された場合でも、液滴吐出条件を変更するだけで検出マークとしての凸部55を任意の位置に配置できる。
(4)検出マークとしての凸部55を基板Pの略中心線上に配置すると、基板Pが熱によって膨張(収縮)しても、凸部55は、ほぼ均等に膨張(収縮)することになるから、熱の影響を受けにくいので、検出マークとしての位置精度が保持できる。
(5)液滴吐出法だから、検出マークとしての凸部55を簡単に形成できるので、バックライトユニット40の生産性を向上することができる。
【0099】
次に、拡散板43を有するバックライトユニット40および電気光学装置としての液晶表示装置100について説明する。
【0100】
図7は、液晶表示装置100を示す図である。なお、同図において、液晶パネル110と、バックライトユニット40との大きさには整合がとれていない。液晶表示装置100は、バックライトユニット40、液晶パネル110、ドライバーLSI(図示省略)などで構成されている。液晶パネル110は、2枚のガラス基板101a、101b、2枚の偏光板102a、102b、カラーフィルタ104などで構成されている。ガラス基板101aおよび101bの外側表面には偏光板102aおよび102bが貼り付けられている。ガラス基板101aの内側表面にはTFT105などが形成されている。ガラス基板101bの内側表面にはカラーフィルタ104や、配向膜106などが形成されている。ガラス基板101aとガラス基板101bとの間に液晶103が配置されている。
【0101】
ガラス基板101a、101bは、液晶パネル110を構成する透明な基板である。偏光板102a、102bは、特定の偏光成分を透過または吸収できる。液晶103は、数種類のネマティック液晶を混合することによって、その特性を調整できる。カラーフィルタ104は、R、G、Bの三原色を持つ染料や顔料の入った樹脂膜である。TFT105は、液晶103を駆動するための駆動用スイッチング素子である。配向膜106は、液晶103を配向させるための有機薄膜であり、ポリイミド薄膜が主流である。
【0102】
そして、バックライトユニット40から出射した光は、偏光板102aとガラス基板101aを通過して、さらに液晶103、配向膜106、カラーフィルタ104、を順次通過していき、所定の画像および映像を液晶パネル110に表示することができる。拡散板43は、蛍光管41(41a、41b)の配置位置に対して精度よく配置されているから、バックライトユニット40は、輝度むらを低減することができる。液晶表示装置100は、輝度むらの低減が可能なバックライトユニット40を備えているので、光学特性が良好な液晶表示装置100を提供できる。
【0103】
図8は、図7に示した電気光学装置としての液晶表示装置100を備えた電子機器としての液晶テレビ600の例を示す図である。図8おいて、液晶テレビ600と液晶表示装置100を備えた液晶表示部601とを示している。液晶テレビ600は、輝度むらが低減可能な液晶表示装置100を備えたものであるので、例えば表示性能が向上可能な電子機器としての液晶テレビ600を提供できる。
【0104】
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造および形状に設定できる。
【0105】
(変形例1)前述の第1実施形態および第2実施形態における拡散板43の調整方法で、取り付け孔51(51a、51b、51c、51d)およびコーナ53(53a、53b、53c、53d)を検出マークとして利用したが、これに限らない。例えば、取り付け孔51(51a、51b、51c、51d)とコーナ53(53a、53b、53c、53d)とを組み合わせて検出マークとして利用してもよい。このようにしても、前述の第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られ、拡散板43を輝度むらの低減可能な位置に配置できる。
【0106】
(変形例2)前述の第3実施形態における拡散板43の調整方法で、凸部55を拡散板43の略中央に位置するセンターラインCL3上に配置させて検出マークとして利用したが、これに限らない。例えばセンターラインCL3上でなく、多少、位置をずらして凸部55を配置させてもよい。このようにしても、前述の第1実施形態〜第3実施形態と同様の効果が得られ、拡散板43を輝度むらの低減可能な位置に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1実施形態における蛍光管と拡散板との配置の例を示す概略図。
【図2】第2実施形態における蛍光管と拡散板との配置の例を示す概略図。
【図3】第3実施形態における蛍光管と拡散板との配置の例を示す概略図。
【図4】(a)〜(d)は、ドットと検出マークとしての凸部を有する拡散板の製造工程を示す図。
【図5】液滴吐出装置の全体構成を示す概略斜視図。
【図6】ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図。
【図7】電気光学装置としての液晶表示装置を示す図。
【図8】電子機器としての液晶テレビを示す図。
【符号の説明】
【0108】
1…液滴吐出ヘッド、30…ドット、30a…液滴、31…非拡散領域部、40…バックライトユニット、41(41a、41b)…光源としての線状ランプ、43…拡散板、44…反射板、51(51a、51b、51c、51d)…検出マークとしての取り付け孔、53(53a、53b、53c、53d)…検出マークとしてのコーナ、55…検出マークとしての凸部、55a…液滴、100…電気光学装置としての液晶表示装置、600…電子機器としての液晶テレビ、CL1…センターライン、CL2…センターライン、CL3…センターライン、IJ…液滴吐出装置、L…液滴、P…基体としての基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の位置に対して拡散板の位置を調整する拡散板の配置位置調整方法であって、
前記光源は、拡散板の下に配置されており、
前記拡散板に検出開始位置を示す検出マークを備え、
前記拡散板を移動させる移動工程と、
前記検出マークの位置を検出する第1検出工程と、
前記光源の位置を検出する第2検出工程と、
前記第1検出工程で検出された前記検出マークの位置と、前記第2検出工程で検出された前記光源の位置との距離を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された距離と、設計情報に基づく距離とを比較して、前記拡散板の位置を調整する調整工程と、
を備えたことを特徴とする拡散板の配置位置調整方法。
【請求項2】
請求項1に記載の拡散板の配置位置調整方法において、
前記拡散板は、取り付け孔を複数有しており、
前記第1検出工程では、
前記検出マークとして、前記取り付け穴の位置を検出することを特徴とする拡散板の配置位置調整方法。
【請求項3】
請求項1に記載の拡散板の配置位置調整方法において、
前記拡散板は、コーナを複数有しており、
前記第1検出工程では、
前記検出マークとして、前記コーナの位置を検出することを特徴とする拡散板の配置位置調整方法。
【請求項4】
請求項1に記載の拡散板の配置位置調整方法において、
前記拡散板は、液滴吐出法により形成された凸部を複数有しており、
前記第1検出工程では、
前記検出マークとして、前記凸部の位置を検出することを特徴とする拡散板の配置位置調整方法。
【請求項5】
光を拡散する拡散板の製造方法であって、
前記拡散板には、非拡散領域部を有しており、
前記非拡散領域部に液滴吐出法により液滴を配置する工程と、
前記液滴を乾燥・固化させて、検出マークとしての凸部を形成する工程と、
を備えていること特徴とする拡散板の製造方法。
【請求項6】
光を拡散する拡散板であって、
基板と、
前記基板上に、液滴吐出法を用いて形成された検出マークとしての凸部と、
を備えていることを特徴とする拡散板。
【請求項7】
請求項6に記載の拡散板において、
前記検出マークとしての前記凸部が、前記基板の略中心線上に配置されていることを特徴とする拡散板。
【請求項8】
光を照射する光源と、
前記光源から照射された前記光を拡散する拡散板と、を備えた直下型のバックライトユニットにおいて、
請求項6または請求項7に記載の拡散板を有することを特徴とするバックライトユニット。
【請求項9】
光を照射する光源と、前記光源から照射された前記光を拡散する拡散板と、を備えた直下型のバックライトユニットにおいて、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の拡散板の配置位置調整方法で調整されたことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項10】
液晶パネルと、バックライトユニットとを備えた電気光学装置において、
前記バックライトユニットとして、請求項8または請求項9に記載のバックライトユニットを備えていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−57756(P2007−57756A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242244(P2005−242244)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】