説明

拭材保持具及び清掃具

【課題】比較的大きな塵芥を底面部が乗り越えて後方に取り残したり、前方へ弾いたり、取り込んだものの拭材保持具を後方に移動させると前方へ離脱してしまうことが防がれ、効果的に捕捉することができる拭材保持具及び清掃具の提供。
【解決手段】可撓性の下部部材は、拭材保持具の平面視の外周形状を一回り縮小した平面視長方形状の底板部Eと、その底板部Eの外周側に全周にわたり張り出した張出部Fを備え、張出部Fは、底板部Eの上部から外方に下降傾斜する下降傾斜板部F1と、下降傾斜板部F1の外端部から垂下する垂直縁部F2と、底板部Eの側面と下降傾斜板部F1の下面と垂直縁部F2の内側面にわたる、底板部Eの外周縁部に対し直交する補強フィン部F3からなり、張出部Fの下降傾斜板部F1の下面と垂直縁部F2の内側面と底板部Eの側面は、底板部Eの外周側の全周にわたり、下方開口の溝状の凹部Gを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状拭材を底面側を覆うように保持して床面等の清掃対象面を拭いて清掃を行うための拭材保持具及びその拭材保持具を備えた清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平9−238876号公報には、ヘッドの底面の少なくとも前後端の部分に傾斜面を有することにより、床面等を清掃する場合に、ヘッドの進行方向前方において該ヘッドと床面等との間に隙間ができ、それにより、微小な塵埃だけでなく、大きめの塵埃であってもヘッドではね除けることなく該ヘッドの底面に取り込んで確実に拭き取ることができるとされる清掃具が開示されている。
【0003】
しかしながら、特開平9−238876号公報記載の清掃具の場合、ある程度大きめの塵埃はヘッドではね除けることとなり易く、たとえヘッドではね除けなかったとしても、ヘッドの底面がその塵埃を乗り越えてしまい、拭き取ることができない結果となることが生じ易いものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−238876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、比較的大きな塵芥を底面部が乗り越えて後方に取り残したり、前方へ弾いたり、取り込んだものの拭材保持具を後方に移動させると前方へ離脱してしまうことが防がれ、効果的に捕捉することができる拭材保持具及び清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 上記目的を達成する本発明の拭材保持具は、
清掃用のシート状拭材が少なくとも底面部を覆う状態でそのシート状拭材を保持して清掃対象面を拭くための拭材保持具であって、
前記拭材保持具は、少なくとも主な拭方向における前記底面部の前側の側縁部の前方に張り出す可撓性材料製の張出部を備え、
前記張出部の下端位置は、前記底面部の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置し、
前記張出部の前側の側縁部と前記底面部の前側の側縁部の間の部分に、下方開口の凹部を形成し、
前記シート状拭材は、前記凹部の下方開口を覆う状態で保持されるものであることを特徴とする。
【0007】
また本発明の清掃具は、本発明の拭材保持具を備えるものである。
【0008】
拭材保持具の少なくとも底面部を覆う状態でシート状拭材を保持すると、そのシート状拭材は、張出部の前側の側縁部と底面部の前側の側縁部と間の部分に形成された凹部の下方開口を覆う状態となる。
【0009】
この状態で、拭材保持具の底面部の側のシート状拭材により、主な拭方向の前方に向かって清掃対象面を拭いた場合、比較的細かい塵埃は、底面部の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置する張出部の下端位置と清掃対象面との間を通過して拭材保持具の底面部の側のシート状拭材により拭き取られ得る。
【0010】
一方、比較的大きな塵芥は、拭材保持具が前方に移動するに従って、張出部の下端位置と清掃対象面との間を通過し、或いは、可撓性材料製の張出部が塵芥により下方開口の凹部が存在する後上方に変形しつつ張出部の下端位置と清掃対象面との間を通過した場合に、張出部の前側の側縁部と底面部の前側の側縁部と間の部分に形成された下方開口の凹部の位置において、シート状拭材のうち凹部の下方開口を覆う部分に捕捉され得る。このような塵芥を底面部が乗り越えて後方に取り残したり、前方へ弾いたり、取り込んだものの拭材保持具を後方に移動させると前方へ離脱してしまうことが効果的に防がれ、清掃効果が高まる。
【0011】
また可撓性材料製の張出部は、拭材保持具と家具や壁面等との緩衝効果を発揮し得る。
【0012】
(2) 上記凹部は、上記底面部の前側の側縁部の全長に沿った溝状をなすものとすることができる。
【0013】
この場合、凹部が、底面部の前側の側縁部の全長に沿った溝状をなすので、比較的大きな塵芥を底面部の前側の側縁部の全長にわたり効果的に捕捉し得る。
【0014】
(2-1) 上記凹部は、可撓性材料製の補強用のリブ状部を、上記底面部の前側の側縁部に沿って間隔おきに有するものとすることができる。
【0015】
この場合、溝状をなす凹部が、可撓性材料製の補強用のリブ状部(例えば溝状をなす凹部に対し直交状をなす壁状のリブ状部)を、上記底面部の前側の側縁部に沿って間隔(例えば凹部の幅の1乃至5倍、好ましくは2乃至3倍の間隔)おきに有するので、比較的大きな塵芥を捕捉することが妨げられることなく、下方開口の凹部の形状を保持し得る。
【0016】
(3) 上記拭材保持具の底面は、中央部側から前側の側縁部に向かって漸次上昇する形状であるものとすることができる。
【0017】
この場合、拭材保持具の底面部が、中央部側から前側の側縁部に向かって漸次上昇する形状であるから、底面部を覆うシート状拭材の内奥まで塵埃が達し得、シート状拭材が拭き方向の広い範囲において塵埃を拭き取る状態で拭き掃除を行うことができる。
【0018】
(3-1) この拭材保持具は、その底面部のうち前端部が水平状態となるように前向きに下降傾斜しても、張出部が清掃対象面の上方に位置するものとすることができる。
【0019】
この場合、拭材保持具の底面部のうち前端部が水平状態となるように前向きに下降傾斜しても、張出部が清掃対象面の上方に位置し、張出部と清掃対象面との間に間隙を有するので、比較的細かい塵埃を張出部において塞き止めて底面部に取り込めなくなることや、比較的大きな塵芥を張出部において弾いてしまい捕捉し得なくなることが防がれる。
【0020】
(4) 上記拭材保持具は、少なくとも主な拭方向における前記底面部の前側の側縁部の前方及び後側の側縁部の後方にそれぞれ張り出す可撓性材料製の張出部を備え、
前記張出部の下端位置は、前記底面部の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置し、
前記張出部の前側の側縁部と前記底面部の前側の側縁部の間の部分並びに前記張出部の青後側の側縁部と前記底面部の後側の側縁部の間の部分に、それぞれ下方開口の凹部を形成し、
前記シート状拭材は、底面部の前側及び後側の何れの凹部の下方開口も覆う状態で保持されるものとすることができる。
【0021】
この場合、保持したシート状拭材により主な拭き方向における前方及び後方の何れの向きに拭いた場合でも清掃効果を十分に発揮し得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の拭材保持具及び清掃具によれば、比較的細かい塵埃は、底面部の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置する張出部の下端位置と清掃対象面との間を通過して拭材保持具の底面部の側のシート状拭材により拭き取られ得る。一方、比較的大きな塵芥は、これを底面部が乗り越えて後方に取り残したり、前方へ弾いたり、取り込んだものの拭材保持具を後方に移動させると前方へ離脱してしまうことが防がれ、効果的に捕捉することができて清掃効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】拭材保持具の下部部材の底面側斜視図である。
【図2】拭材保持具の下部部材の正面図である。
【図3】清掃具の側面図である。
【図4】清掃具の側面図である。
【図5】清掃具の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(1) 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図面は何れも本発明の実施の形態の一例としての、拭材保持具Aと柄Bからなる清掃具に関するものである。
【0026】
拭材保持具Aは、エラストマー製の可撓性の下部部材Cの上側に、合成樹脂製の剛性的な上部部材Dが結合してなる。この拭材保持具Aは、平面視長方形状をなし、主な拭方向は、平面視における短手方向である。
【0027】
柄Bは、拭材保持具Aの上部部材Dの上側中央部に対し、何れの向きにも伏倒自在なように連結されている。このように柄Bを何れの向きにも伏倒自在なものとする手段の例としては、図3及び図4に示されるように上部部材Dに対し互いに直交する両水平軸のまわりにそれぞれ回動し得るように柄Bの基部を連結する手段を挙げることができる。
【0028】
清掃用のシート状拭材Sとしては、一般には、正方形状又は長方形状の不織布製のものを用いるが、これに限るものではない。拭材保持具Aの形態等に適合するものを適宜用いることができ、素材は必ずしも不織布に限らない。シート状拭材Sは、いわゆる乾拭きの他、洗浄液を使用して拭くもの等であってもよい。
【0029】
拭材保持具Aの上部部材Dの上側における両長手方向側縁部(長辺の縁部)のそれぞれ両端側に、それぞれシート状拭材Sの一部を保持するための保持部(図示せず)が設けられている。この保持部は、尖端部を備えたエラストマー製の水平状の舌片が2以上向かい合ってなるものである。尤も、保持部はこのような態様に限るものではなく、例えば機械的に挟圧保持するものや、面ファスナーのように不織布等を絡合するもの等を採用することもできる。
【0030】
エラストマー製の可撓性の下部部材Cは、拭材保持具Aの平面視の外周形状を一回り縮小した平面視長方形状の底板部Eと、その底板部Eの外周側に全周にわたり張り出した張出部Fを備えてなる。
【0031】
底板部Eの底面部E1は、短手方向において、中央部から両側方の長手方向側縁部に向かって漸次上方に湾曲傾斜する。従って、拭材保持具Aを水平状にして底面部E1において水平面(清掃対象面)上に載置した場合、中央部側から所定の端縁部に向かって水平面(清掃対象面)から漸次離隔することとなる。底面部E1の最大傾斜角は、例えば3乃至15度、好ましくは4乃至8度程度とすることができる。底面部E1には、短手方向に2.5波長分の波形畝状部E2が、長手方向にほぼ半振幅の間隔をおいて多数同位相で並列形成されている。
【0032】
張出部Fは、底板部Eの上部から外方に下降傾斜する下降傾斜板部F1と、下降傾斜板部F1の外端部から垂下する垂直縁部F2と、底板部Eの側面と下降傾斜板部F1の下面と垂直縁部F2の内側面にわたる、底板部Eの外周縁部に対し直交する補強フィン部F3からなり、補強フィン部F3は周方向所定間隔おきに多数設けられている。張出部Fの下降傾斜板部F1の下面と垂直縁部F2の内側面と底板部Eの側面は、底板部Eの外周側の全周にわたり、下方開口の溝状の凹部Gを形成している。補強フィン部F3は、溝状の凹部Gに直交し、溝状の凹部Gの幅の2乃至3倍の間隔おきに多数設けられている。
【0033】
拭材保持具Aの底面部E1のうち前端部が水平状態となるように前向きに下降傾斜しても、前側の張出部Fは清掃対象面の上方に位置する。また、拭材保持具Aの底面部E1のうち後端部が水平状態となるように後向きに下降傾斜しても、後側の張出部Fは清掃対象面の上方に位置する。
【0034】
(2) 拭材保持具Aによるシート状拭材Sの保持は、例えば次のように行い得る。先ず、一辺の長さが拭材保持具Aの長手方向長さよりも長いシート状拭材Sを床面上に広げ、そのシート状拭材Sの相対する辺に対し拭材保持具Aの両長手方向側縁部が平行となるようにしながら、シート状拭材Sの相対する辺の間の中央位置上に、拭材保持具Aの両長手方向側縁部の間の中央位置がほぼ一致するように拭材保持具Aを載置する。シート状拭材Sのうち拭材保持具Aの両長手方向側縁部の外方の部分を、拭材保持具Aを包むようにそれぞれ拭材保持具Aの上側へ折り返してできるだけ弛みのないように各側の両保持部にシート状拭材Sの各側の対応箇所を押し込んで保持させる。このようにして、シート状拭材Sにより拭材保持具Aの底面を覆った状態でそのシート状拭材Sを拭材保持具Aにより保持することができる。
【0035】
図3乃至図5に示されるように、拭材保持具Aの短手方向の前側においては、シート状拭材Sは、底面部E1の前側の側縁部と張出部Fの前側の側縁部にわたり、それらの間の空間に張り渡されて溝状凹部Gの下方開口を覆い、短手方向の後側においては、シート状拭材Sは、底面部E1の後側の側縁部と張出部Fの後側の側縁部にわたり、それらの間の空間に張り渡されて溝状凹部Gの下方開口を覆う。
【0036】
この状態で、拭材保持具Aの底面部E1の側のシート状拭材Sにより、主な拭方向である拭材保持具Aの短手方向における前方に向かって清掃対象面Pを拭いた場合、比較的細かい塵埃は、底面部E1の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置する張出部Fの下端位置と清掃対象面Pとの間を通過して拭材保持具Aの底面部E1の側のシート状拭材Sにより拭き取られ得る。
【0037】
拭材保持具Aの底面部E1が、中央部側から前側の側縁部に向かって漸次上昇する形状であることにより、底面部E1に保持されたシート状拭材Sの内奥まで塵埃が達し得、拭き方向の広い範囲において塵埃を拭き取ることができる。底面部E1が前方に下降傾斜した場合でも、張出部Fと清掃対象面Pとの間に間隙を有するので、比較的細かい塵埃を張出部Fにおいて塞き止めて底面部E1に取り込めなくなることが防がれる。
【0038】
また、シート状拭材Sによって清掃対象面Pが拭かれる際に、清掃対象面P上の塵埃がシート状拭材Sに対し隣接波形畝状部E2同士の間(例えば図1における矢示V)を短手方向に移動することにより、波形畝状部E2に沿う部分のうち波形畝状部E2と拭き方向がなす角度が大きくなる位置(例えば、図1におけるX部やY部)において塵埃がシート状拭材Sによって捕捉され易い。
【0039】
一方、比較的大きな塵芥Tは、図5(a)に矢示するように拭材保持具Aが前方に移動するに従って、張出部Fの下端位置と清掃対象面Pとの間を通過し、或いは、可撓性材料製の張出部Fが塵芥Tにより下方開口の溝状の凹部Gが存在する後上方に変形しつつ張出部Fの下端位置と清掃対象面Pとの間を通過した場合に、図5(b)に示されるように、張出部Fの垂直縁部F2と底板部Eの側面の間の部分に形成された下方開口の溝状の凹部Gの位置において、シート状拭材Sのうちシート状拭材Sのうち凹部Gの下方開口を覆う部分に捕捉され得る。そのため、このような塵芥Tを底面部E1が乗り越えて後方に取り残したり、前方へ弾いたり、取り込んだものの拭材保持具Aを後方に移動させると前方へ離脱してしまうことが効果的に防がれ、清掃効果が高まる。また、凹部Gは、底面部E1の前側の側縁部の全長に沿った溝状をなすので、比較的大きな塵芥Tを底面部E1の前側の側縁部の全長にわたり効果的に補足し得る。
【0040】
更に、溝状の凹部Gが、可撓性材料製の補強用のリブ状部を、上記底面部E1の前側の側縁部に沿って凹部Gの幅の2乃至3倍の間隔おきに有するので、下方開口の凹部Gの形状を保持しつつ、比較的大きな塵芥Tを効果的に補足し得る。
【0041】
また、底面部E1が前方に下降傾斜した場合でも、張出部Fと清掃対象面Pとの間に間隙を有するので、比較的大きな塵芥Tを張出部Fにおいて弾いてしまい捕捉し得なくなることが防がれる。
【0042】
主な拭き方向の後方に向かって拭いた場合でも同様である。
【0043】
また可撓性材料製の張出部Fは、拭材保持具Aと家具や壁面等との緩衝効果を発揮し得る。
【0044】
(3) 本発明における拭材保持具の底面部は、湾曲傾斜ではなく一定角度又は複数の角度で傾斜するものとすることもでき、或いは、傾斜のない平面状とすることもできる。また、底面部は、波形畝状部や三角波形畝状部等が形成されたもの、或いはその他の形状の畝状部が形成されたものの他、例えば畝状部等を有しない平坦面とすることもできる。
【0045】
また、本発明の拭材保持具は、例えばハンディモップとして使用する場合は、拭材保持具に対し柄をほぼ水平状に固定的に設けることができる。柄を設けないで使用することも可能である。
【0046】
拭材保持具の主な拭方向というのは、本発明の拭材保持具により清掃対象面を拭く場合の主たる方向であり、拭材保持具の平面視形状が長手方向とそれに直交する短手方向が定まる形状(例えば長方形、正方形、楕円形等)の場合、通常、長手方向又は短手方向である。このうち、拭く範囲が広くなる短手方向が主たる方向となることが多い。円形のように長手方向と短手方向が定まらない形状の場合、何れの方向を主たる拭方向とすることもできる。
【0047】
張出部は、エラストマー製又はその他の可撓性材料からなり、底面部の外周よりも外方に例えば5−20mmに張り出すものとすることができる。張出部が張り出す向きは、主な拭方向における底面部の前側の側縁部の前方の他、主な拭方向における底面部の後側の側縁部の後方や、底面部のその他の側の外方を含めることができる。
【0048】
張出部の下端位置は、拭材保持具を底面部において水平面上に水平状に載置した場合に、水平面との間に例えば1−10mmの間隙を隔てて上方に位置するものとすることができる。
【0049】
また、張出部の前側の側縁部と前記底面部の前側の側縁部と間の部分に形成される下方開口の凹部は、張出部自体に形成されるものであってもよく、張出部と底面部の側縁部により形成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
A 拭材保持具
B 柄
C 下部部材
D 上部部材
E 底板部
E1 底面部
E2 波形畝状部
F 張出部
F1 下降傾斜板部
F2 垂直縁部
F3 補強フィン部
G 凹部
P 清掃対象面
S シート状拭材
T 塵芥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用のシート状拭材が少なくとも底面部を覆う状態でそのシート状拭材を保持して清掃対象面を拭くための拭材保持具であって、
前記拭材保持具は、少なくとも主な拭方向における前記底面部の前側の側縁部の前方に張り出す可撓性材料製の張出部を備え、
前記張出部の下端位置は、前記底面部の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置し、
前記張出部の前側の側縁部と前記底面部の前側の側縁部の間の部分に、下方開口の凹部を形成し、
前記シート状拭材は、前記凹部の下方開口を覆う状態で保持されるものであることを特徴とする拭材保持具。
【請求項2】
上記凹部が、上記底面部の前側の側縁部の全長に沿った溝状をなす請求項1記載の拭材保持具。
【請求項3】
上記凹部が、可撓性材料製の補強用のリブ状部を、上記底面部の前側の側縁部に沿って間隔おきに有する請求項2記載の拭材保持具。
【請求項4】
上記拭材保持具の底面が、中央部側から前側の側縁部に向かって漸次上昇する形状である請求項1乃至3の何れか1項に記載の拭材保持具。
【請求項5】
上記拭材保持具の底面部のうち前端部が水平状態となるように前向きに下降傾斜しても、張出部が清掃対象面の上方に位置する請求項4記載の拭材保持具。
【請求項6】
上記拭材保持具は、少なくとも主な拭方向における前記底面部の前側の側縁部の前方及び後側の側縁部の後方にそれぞれ張り出す可撓性材料製の張出部を備え、
前記張出部の下端位置は、前記底面部の上下方向位置よりも間隙を隔てて上方に位置し、
前記張出部の前側の側縁部と前記底面部の前側の側縁部と間の部分並びに前記張出部の青後側の側縁部と前記底面部の後側の側縁部と間の部分に、それぞれ下方開口の凹部を形成し、
前記シート状拭材は、底面部の前側及び後側の何れの凹部の下方開口も覆う状態で保持されるものである請求項1乃至5の何れか1項に記載の拭材保持具。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の拭材保持具を備えた清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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