説明

持ち上げ要素を有する容器

本発明は、喫煙物品を含む容器(1)に関する。容器は、更に、底壁、側壁、及び開口部を含む喫煙物品(17)のためのカップ形状箱(2)を含む。容器は、更に、容器の底壁の喫煙物品(17)を持ち上げるために少なくとも1つの喫煙物品(17)と相互に関連付けられた持ち上げ要素(20)を含む。持ち上げ要素(20)は、喫煙物品(17)の外側上端部分に係合可能な係合部分(22)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品を含み、かつ喫煙物品を持ち上げるために少なくとも1つの喫煙物品と相互に関連付けられた持ち上げ要素を更に含む容器に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品は、一般的に、ブランク材から形成されたヒンジ式蓋容器に入れて提供される。容器内の喫煙物品にアクセスするために、消費者は、典型的には、透明な外側包装紙を取り外し、蓋を開けて喫煙物品の上端を覆う内側ライナの区画を取り外す。典型的に、喫煙物品の上端は、喫煙物品の唇側端部である。これは、特に、喫煙物品がフィルタを含む場合に一般的である。そのような喫煙物品を容器から取り外す時に、消費者は、喫煙物品の唇側端部に触れる。
【0003】
一部の消費者は、特に喫煙物品の唇側端部が埋め込みフィルタを含む場合に、フィルタの唇側端部への接触を避けることを好む。埋め込みフィルタを有する喫煙物品は、例えば、欧州特許EP 1299012に開示されている。
【0004】
US特許US−A−4,949,841は、収容されたシガレットを簡単に抜き取るためのヒンジ式蓋パックを開示している。パック内のシガレットは、パックの底壁及び後壁の一部に取り付けられた、例えば接着された内側ライナに包まれる。内側ライナの前壁の把持タブが引っ張られると、シガレットの第1の列が持ち上げられるように内側ライナの底壁の一部が上げられる。
【0005】
しかし、このパックの内側ライナは、喫煙物品のための従来技術の容器と比較して内側ライナブランク材の大幅な修正を必要とし、かつ包装機械に対する大規模な修正を必要とする。更に、内側ライナの持ち上げ部及び持ち上げ可能な前壁は、持ち上げ過程の間に喫煙物品のロッド端部に対して圧力を及ぼし、それがロッド端部を傷める場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP 1299012
【特許文献2】US−A−4,949,841
【特許文献3】US−A−4,714,082
【特許文献4】US−A−5,692,525
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、喫煙物品の簡単な取り出しを容易にする一方で高品質でかつコスト効率良く製造されることを可能にする容器を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、喫煙物品と喫煙物品のためのカップ形状箱とを含む容器を提供することによって解決され、カップ形状箱は、底壁、側壁、及び開口部を含み、容器は、喫煙物品を容器の底壁から持ち上げるために少なくとも1つの喫煙物品と相互に関連付けられた持ち上げ要素を更に含み、持ち上げ要素は、係合部分を含み、係合部分は、喫煙物品の外側上端部分と係合可能である。
【0009】
持ち上げ要素と喫煙物品の間の係合は、喫煙物品の外側上端部分の位置で起こるので、喫煙物品のロッド端部部分は、係合せず、従って、持ち上げ移動中に損傷する可能性がない。更に、持ち上げ要素は、喫煙物品の上端が容器内の他の喫煙物品の上に突出するように喫煙物品を容器の底壁から十分離れるように移動することができるので、消費者は、喫煙物品の唇側端部に触れる必要がない。これは、消費者が持ち上げられた喫煙物品の突出した上端をその側面に沿って容易に把持することを可能にする。
【0010】
更に、本発明による持ち上げ要素の構成は、持ち上げ要素を容器の生産工程中に公知の生産段階において容易に含めることができるので、本発明による容器の生産を容易にする。すなわち、本発明による持ち上げ要素は、公知の容器生産工程に関して僅かな修正だけしか必要とせず、従って、公知の生産ラインで廉価な修正として実施することができる。
【0011】
持ち上げ要素の喫煙物品の外側上端部分との係合は、更に、持ち上げ要素の小型化と単純な幾何学形状を可能にする。そのような持ち上げ要素は、その製造自体において廉価である。
【0012】
本明細書で使用される時に、用語「前部」、「背部」、「上側」、「下側」、「側部」、「上部」、「底部」、及び本発明による容器の要素の相対位置を説明するのに使用される他の用語は、上端に蓋がある直立位置の容器を基準とする。容器がヒンジ式蓋を含む場合、蓋は、容器の背部にヒンジ止めすることができる。用語「左」及び「右」は、直立位置でその前部から容器を見た時に容器の側壁に関連して使用される。直立した位置の容器が開いている時に、箱に収容された喫煙物品は、容器の上端から取り外すことができる。
【0013】
喫煙物品の下端部分は、容器の底部により近い端部部分である。従って、上端部分は、喫煙物品の反対端である。喫煙物品がフィルタを含む場合、喫煙物品の上端部分は、典型的には喫煙物品のフィルタ端部である。
【0014】
用語「縦方向」は、底部から上部へ又はその反対の方向を意味する。用語「横方向」は、前壁、背面壁、又は側壁の1つを横切って縦方向に垂直な方向を意味する。参照される持ち上げ方向は、一般的に、容器の底壁から離れる縦方向である。
【0015】
用語「ヒンジ線」は、容器を開くためにその周りで蓋がピボット回転することができる線を意味する。ヒンジ線は、例えば、容器の背面壁の折り畳み線又は切り込み線とすることができる。代替的に、ヒンジ線は、蓋の背面壁の下縁と箱の背面壁の上縁とを架橋する材料の一片における折り畳み線又は切り込み線とすることができる。そのような材料の一片は、例えば、蓋の背面壁と箱の背面壁に恒久的に又は取外し可能に取り付けられたラベルとすることができる。好ましくは、ヒンジ線は、背面壁の上縁の下のレベルに容器の背面壁に沿って位置決めすることができる。
【0016】
好ましくは、喫煙物品は、喫煙物品の長さの約5パーセントと約50パーセントの間、好ましくは、喫煙物品の長さの約10パーセントと約30パーセントの間だけ容器の底部から持ち上げられる。
【0017】
好ましくは、持ち上げ要素は、例えば、内側ライナ、内側フレーム、インサート、オンサート、又はアウトサートのような既存の包装構成要素の一部であるか、又は上に列挙した既存の包装構成要素のいずれかのためのブランク材の一片である。
【0018】
好ましくは、容器内の少なくとも1つの喫煙物品は、持ち上げ要素によって係合するように構成されたその外側に完全リング又は完全リングの区画の形態の肩部を含む。肩部は、喫煙物品のロッド端部から喫煙物品の唇側端部に向う方向に喫煙物品の直径が変化する喫煙物品に沿った区画である。肩部は、突起の形態のリング要素、並びにラッチ又は僅かに減少した喫煙物品の直径の形態のリング要素を有することができる。代替的に又は追加的に、肩部は、持ち上げ要素の係合部分によって係合することができる部分を提供する喫煙物品に固定された付加的な部分によって形成することができる。肩部は、好ましくは、持ち上げ要素があらゆる周方向位置で喫煙物品に係合することができるように完全に角張って形成される。しかし、容器内の喫煙物品の配置次第で、肩部はまた、喫煙物品の周りに単に部分的に延びることができる。肩部は、持ち上げ要素が喫煙物品を持ち上げるために喫煙物品の肩部に対して持ち上げ方向に確実に力を伝達することができるように、正のロッキング又は摩擦ロッキングを提供するような持ち上げ要素の係合を可能にする。
【0019】
本発明の一実施形態では、喫煙物品の肩部は、喫煙物品の周方向に包まれた先端紙の下端によって形成される。先端紙は、一般的に、全てのフィルタ付きシガレット又はフィルタ付きシガーのために使用され、かつ実質的に喫煙物品のフィルタ部分の周りを包んでいる。しかし、フィルタを含まない喫煙物品はまた、喫煙物品の一端の視覚的及び触覚的様相を変えるために紙リングを含むことができる。持ち上げ要素の先端紙の縁部との係合は、フィルタ付きシガレットにおいて既に一般的に利用可能な特徴を持ち上げ機能性を提供するのに使用することができるという恩典を提供する。本発明により、フィルタ付きシガレットは、本発明による持ち上げ要素と係合するために何の修正も必要としない。従って、喫煙物品の製造工程を変更する必要がないので、持ち上げ機能性の実施が廉価である。
【0020】
好ましくは、持ち上げ要素の寸法は、それがカップ形状箱の開口部から先端紙の下縁の下まで延びるようなものである。この特徴は、持ち上げ要素を先端紙の縁部に確実に係合させて喫煙物品を持ち上げるために、持ち上げ要素の上部に向う持ち上げ移動だけしか必要としないという恩典を提供する。
【0021】
本発明の別の実施形態により、持ち上げ要素は、喫煙物品の外側上端部分との単なる摩擦係合にある。従って、係合は、摩擦力を通じて起こる。持ち上げ要素によるカップ形状箱の底部からの喫煙物品の持ち上げを可能にするために突起又は肩部などが何も必要ない。本発明はまた、先端紙などを含まないが、好ましくは正のロッキングのためのいずれの縁部もない単にほぼ円筒形又は長円形外観の喫煙物品に適用することができる。喫煙物品の外側上端部分上の付加的な突起、縁部、又は肩部は、摩擦係合をサポートすることができる。更に、持ち上げ要素又は喫煙物品又は両方は、喫煙物品又は持ち上げ要素の面の残り部分と比較して摩擦係数が大きい表面積を有することができる。これは、例えば、粗い又は粘着性の面とすることができる。好ましくは、そのような持ち上げ要素は、喫煙物品の外側上端部分の少なくとも2つの位置、より好ましくは、喫煙物品の外側上端部分の円周上で互いに反対の2つの位置と同時に相互作用することにより、喫煙物品の外側上端部分との摩擦を通じてのみ相互作用する。
【0022】
好ましくは、持ち上げ要素は、係合部分として突起を含む。突起は、正のロッキングにおいて喫煙物品の肩部に係合する部分を形成するように適応させることができる。代替的に、突起は、持ち上げ要素と喫煙物品の間の摩擦係合のための法線力を提供することができる。喫煙物品に対する突起の法線力は、喫煙物品の突起と肩部の間の正のロッキングにおける係合を保証するのに使用することができる。
【0023】
法線力は、突起自体の又は持ち上げ要素を喫煙物品の方を向くように弾力的に押し付ける容器のそのいずれかの弾性特性によって発生させることができる。
【0024】
一実施形態では、突起は、持ち上げ要素内の折り目に沿って折り畳まれた持ち上げ要素のフラップによって形成される。従って、それ以外は平坦なブランク材の一部分だけが折り畳まれて持ち上げ要素を形成し、それによって突起を形成する。折り目の弾力性は、喫煙物品に向うフラップの法線力を発生させるために使用することができる。
【0025】
フラップは、喫煙物品に向う方向、特に、喫煙物品に向う上向き方向に延びることができる。好ましくは、フラップは、横方向フラップヒンジ線の周りで持ち上げ要素から垂れ下がる。好ましくは、フラップは、喫煙物品と係合する少なくとも1つの横方向係合縁部を更に含む。好ましくは、フラップは、矩形又は台形形状を有する。
【0026】
一実施形態では、横方向フラップヒンジ線は、フラップの自由部分が上方を指すようにフラップの下端上に位置付けられる。この実施形態では、好ましくは、フラップが喫煙物品に向う方向に予め折り畳まれる。有利な態様では、フラップヒンジ線の折り目の弾性力は、フラップを組み立てられたパック内の喫煙物品に向けて付勢されたままに維持することになる。
【0027】
代替的な実施形態では、横方向フラップヒンジ線は、フラップの自由部分が下向きを指すようにフラップの下端上に位置付けられる。後者の場合には、フラップは、好ましくは、弾性力が持ち上げ要素から離れるようにフラップを押し出し、フラップが喫煙物品と接触するように、90度よりも大きい角度に予め折り畳まれる。更に、この特徴は、喫煙物品の持ち上げ中に下向き方向の力がフラップに加えられた時に、フラップが強制的に喫煙物品の方向に向けられてその結果係合が確実になるという恩典を可能にする。これは、持ち上げ要素をその最初の位置に押し戻すことができる一方で喫煙物品が持ち上げられた位置に留まるという更に別の効果を有する。
【0028】
一実施形態では、容器は、喫煙物品を取り囲む内側ライナを含み、内側ライナは、喫煙物品にアクセスすることができるように、取り外されるように構成されたプルホイルを含む。この実施形態では、持ち上げ要素は、それが喫煙物品と係合することができるようにプルホイルの内側に取り付けられる。好ましくは、持ち上げ要素は、喫煙物品の少なくとも一部の外側上端部分の下で喫煙物品と接触し、プルホイルが取り外された時に喫煙物品に係合してそれを持ち上げる。内側ライナの上部前部区画は、典型的には、内側ライナ内の喫煙物品にアクセスするために取外し可能なプルホイルを形成するように穿孔される。この実施形態は、内側ライナの切断の前に持ち上げ要素を内側ライナに設けることができるという恩典を提供する。特に、持ち上げ要素は、ライナの切断の前に係合部分を提供するように既に折り畳まれたフッキングテープである。
【0029】
別の実施形態では、容器は、喫煙物品を取り囲む内側ライナを含む。持ち上げ要素は、内側ライナが取り外されると喫煙物品と接触するようになる。内側ライナの上部前部区画は、典型的には、内側ライナ内の喫煙物品にアクセスするために取外し可能なプルホイルを形成するように穿孔される。好ましくは、プルホイルは、プルホイルが取り外された時に喫煙物品の外側上端部分が持ち上げ要素と接触することができるように形成される。代替的に、持ち上げ要素は、内側ライナ内に、例えば、喫煙物品の2列の間の喫煙物品の列と内側ライナの内側との間に配置することができる。
【0030】
一実施形態では、持ち上げ要素は、プルホイルに取り付けられる。このようにして、少なくとも1つの喫煙物品が持ち上げられて消費者のための簡単なアクセスが提供されるように、プルホイルの取り外しが自動的に持ち上げ要素を持ち上げる。持ち上げ要素は、喫煙物品が持ち上げられた位置にある時にプルホイルと共に容器から完全に取り外すことができる。
【0031】
プルホイルは、プルホイルに対して所定の最大引張力を超えた時に持ち上げ要素から取り外すことができる。従って、プルホイルは、プルホイルを引くことによって持ち上げ要素を喫煙物品と共に持ち上げた後に容器から個々に取り外すことができる。これは、持ち上げ要素がパック内に留まり、かつ最終的に喫煙物品のその後の持ち上げ動作のために再使用することができ、一方で喫煙物品にアクセスするようにプルホイルが個々に取り外されるということを可能にする。
【0032】
一実施形態では、持ち上げ要素は、持ち上げ要素のための停止を提供するように、持ち上げ要素が所定の持ち上げ高さに持ち上げられた時にカップ形状箱に係合するように構成された第2のフラップを含む。これは、喫煙物品の持ち上げ動作が行われた後に定められた位置での持ち上げ要素の停止を可能にする。好ましくは、持ち上げ要素は、喫煙物品への消費者のアクセスを制限することなく定められた位置に留まる。例えば、内側フレームの下縁は、持ち上げ要素の第2のフラップと係合する停止部として機能することができる。
【0033】
更に別の実施形態では、持ち上げ要素は、持ち上げ要素の別々の高さに設けられたいくつかのフラップを含むことができる。従って、いくつかの喫煙物品は、別々の喫煙物品が消費者のために容易にアクセス可能であり、かつ持ち上げられた喫煙物品の配置が美的に訴えるように異なる高さに持ち上げることができる。
【0034】
好ましくは、持ち上げ要素は、カップ形状箱の1つの箱壁に対して少なくとも部分的に平行に延び、少なくとも1つの隣接する箱壁によって案内される。これは、持ち上げ要素が、持ち上げ過程の間に望ましい位置にあり、従って、喫煙物品をカップ形状箱の外へ確実に持ち上げることができるように喫煙物品の上端部分の外側で喫煙物品に適切に係合することを可能にする。持ち上げ要素は、カップ形状箱と物理的に接触することができる。例えば、持ち上げ要素は、カップ形状箱の内部と実質的に同じ幅を有する。従って、持ち上げ要素は、箱の側壁と密接に相互に関連付けられ、従って、そこに確実に案内することができる。
【0035】
好ましくは、容器は、箱内に装着された内側フレームを含み、内側フレームは、容器の箱の少なくとも前壁の上縁の上方に延びている。内側フレームは、蓋が開いた時に消費者に可視になる。内側フレームの前壁には、箱の前壁に印刷された印しと同じか又は異なる印しを印刷することができる。代替的に又は追加的に、内側フレームの前壁は、例えば、消費財の銘柄を反映させるように独特の形状に切断することができる。必要に応じて、内側フレームはまた、容器の平坦化を容易にするために容器の脆弱線を含むことができる。
【0036】
好ましくは、内側フレームの前壁には、その上縁に切り欠き部分を設けることができる。これは、内側フレームの前壁の表面積を有意に低減することなく容器内の喫煙物品に対してより便利なアクセスを可能にする。
【0037】
本発明による容器は、直角縦方向及び直角横方向縁部を含む直方体の形状とすることができる。代替的に、容器は、1つ又はそれよりも多くの丸形縦方向縁部、丸形横方向縁部、斜面付き縦方向縁部、又は斜面付き横方向縁部、又はその組合せを含むことができる。例えば、本発明による容器は、限定ではないが、以下を含むことができる。
−前壁上の1つ又は2つの縦方向丸形又は斜面付き縁部、及び/又は
−背面壁上に1つ又は2つの縦方向丸形又は斜面付き縁部、
−前壁上の1つ又は2つの横方向丸形又は斜面付き縁部、及び/又は
−背面壁上の1つ又は2つの横方向丸形又は斜面付き縁部、
−前壁上の1つの縦方向丸形縁部及び1つの縦方向斜面付き縁部、及び/又は
−背面壁上に1つの横方向丸形縁部及び1つの横方向斜面付き縁部、
−前壁上の1つ又は2つの横方向丸形又は斜面付き縁部、及び前壁上の1つ又は2つの縦方向丸形又は斜面付き縁部、
−第1の側壁上の2つの縦方向丸形又は斜面付き縁部、又は第2の側壁上の2つの横方向丸形又は斜面付き縁部。
【0038】
容器が1つ又はそれよりも多くの丸形縁部を含み、かつ積層ブランク材で作られる場合、好ましくは、ブランク材は、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つの切り込み線又は折り畳み線を含み、組み立てられた容器に丸形縁部を形成する。切り込み線又は折り畳み線は、容器の内側上又は容器の外側上のいずれかとすることができる。好ましくは、切り込み線又は折り畳み線は、約0.3mmと4mmの間だけ互いに離間する。
【0039】
好ましくは、切り込み線又は折り畳み線の間隔は、積層ブランク材の厚みの関数である。好ましくは、切り込み線又は折り畳み線の間隔は、積層ブランク材の厚みよりも約0.5から約4倍大きい。
【0040】
容器が1つ又はそれよりも多くの斜面付き縁部を含む場合、好ましくは、斜面付きの1つ又はそれよりも多くの縁部は、約1mmと約10mmの間、好ましくは、約2mmと約6mmの間の幅を有する。代替的に、容器は、2つの異なる斜面が容器の縁部上に形成されるように離間した3つの平行な切り込み線又は折り畳み線によって形成された2重斜面を含むことができる。
【0041】
矩形横方向断面を有する容器の代替として、容器は、例えば、三角形、四角形、又は六角形のような多角形断面、又は長円形、半長円形、円形、又は半円形の断面を有することができる。
【0042】
容器が斜面付き縁部を含み、かつ積層ブランク材で作られる場合、斜面は、積層ブランク材の2つの平行な切り込み線又は折り畳み線によって形成することができる。切り込み線又は折り畳み線は、第1の壁と第2の壁の間で縁部に対して対称に配置することができる。代替的に、切り込み線又は折り畳み線は、斜面が容器の第2の壁の中よりも容器の第1の壁の中に更に延びるように、第1の壁と第2の壁の間で縁部に対して非対称に配置することができる。
【0043】
容器は、以下に限定されるものではないが、厚紙、板紙、プラスチック、金属、又はその組合せを含むあらゆる適切な材料から形成することができる。好ましくは、厚紙は、平方メートル当たり約100グラムと平方メートル当たり約350グラムの間の重量を有する。
【0044】
本発明による容器は、以下に限定されるものではないが、公知の着火端部シガレット、シガー、又はシガリロ、可燃性燃料要素又は熱源及びエーロゾル発生基体を含む加熱式喫煙物品(例えば、US−A−4,714,082に開示する種類のシガレット)、及び電気式喫煙システムに使用するための喫煙物品(例えば、US−A−5,692,525に開示する種類のシガレット)を含む喫煙物品を包装するのに有利に使用することができる。
【0045】
その寸法の適切な選択により、本発明による容器は、異なる総数の喫煙物品、又は異なる配置の喫煙物品を保持するように設計することができる。その寸法の適切な選択により、本発明による容器は、総数が10と30の間の喫煙物品を保持するように設計することができる。
【0046】
本発明による容器は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの喫煙物品の別々の束を保持することができる。別々の束は、前壁に対して及び背面壁に対して実質的に平行に又は前壁に対して及び背面壁に対して実質的に垂直に配置することができる。
【0047】
喫煙物品は、喫煙物品の総数、喫煙物品の寸法、又は容器の断面形状に応じて、束内に異なる丁合で配置することができる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9、又は10の1列の束に配置することができる。代替的に、喫煙物品は、2つ又はそれよりも多くの列に配置することができる。2つ又はそれよりも多くの列は、同じ数の喫煙物品を収容することができる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9、又は10の2列、5、6、7、8、9、又は10の3列、4、5、6、又は7の4列に配置することができる。代替的に、2つ又はそれよりも多くの列は、互いに対して異なる数の喫煙物品を収容する少なくとも2列を含むことができる。例えば、喫煙物品は、5の列と6の列(5−6)、6の列と7の列(6−7)、7の列と8の列(7−8)、5の中央列と6の外側2列(6−5−6)、5の中央列と7の外側2列(7−5−7)、6の中央列と5の外側2列(5−6−5)、6の中央列と7の外側2列(7−6−7)、7の中央列と6の外側2列(6−7−6)、9の中央列と8の外側2列(8−9−8)、又は6の中央列と5の外側1列と7の外側1列(5−6−7)の状態で配置することができる。
【0048】
本発明による容器は、同じ種類又は銘柄、又は異なる種類又は銘柄の喫煙物品を保持することができる。更に、フィルタなし喫煙物品及び様々なフィルタチップ付きの喫煙物品の両方、並びに異なる長さ(例えば、約40mmと約180mmの間)及び直径(例えば、約4mmと約9mmの間)の喫煙物品を収容することができる。更に、喫煙物品は、風味の強度、吸引抵抗、及び総粒子状物質送出量が異なる場合がある。容器が1つよりも多くの束を含む場合、同じ容器内のそれぞれの束は、上に説明したような同じか又は異なる喫煙物品を保持することができる。
【0049】
好ましくは、容器の寸法は、喫煙物品の長さと喫煙物品の丁合に適合される。容器の寸法は、典型的には、容器に収容された喫煙物品の束の寸法よりも約0.5mmから約5mm大きい。
【0050】
好ましくは、本発明による容器は、容器の上壁から底壁まで測定した高さで約60mmと約150mmの間の高さ、より好ましくは、約70mmと約125mmの間の高さを有する。
【0051】
好ましくは、本発明による容器は、容器の第1の側壁から第2の側壁まで測定した幅で約12mmと約150mmの間の幅、より好ましくは、約70mmと約125mmの間の幅を有する。
【0052】
好ましくは、本発明による容器は、容器(箱と蓋の間にヒンジを含む)の前壁から背面壁まで測定した深さで約6mmと約100mmの間の深さ、より好ましくは、約12mmと約25mmの間の深さを有する。
【0053】
好ましくは、容器の高さ対容器の深さの比率は、約0.3対1と約10対1の間、より好ましくは、約2対1と約8対1の間、最も好ましくは、約3対1と約5対1の間である。
【0054】
好ましくは、容器の幅対容器の深さの比率は、約1対1と約10対1の間、より好ましくは、約2対1と約8対1の間、最も好ましくは、約2対1と約3対1の間である。
【0055】
好ましくは、蓋背面壁の高さ対箱背面壁の高さの比率は、約0対1(ヒンジが容器の上端に設けられる)から約1対1の間、より好ましくは、約1対5と約1対10の間、最も好ましくは、約1対6と約1対8の間である。
【0056】
好ましくは、蓋前壁の高さ対箱前壁の高さの比率は、約1対0(蓋が前壁全体を覆う)から約1対10の間、より好ましくは、約1対1と約1対5の間、最も好ましくは、約1対2と約1対3の間である。
【0057】
本発明による容器の外部表面、内部表面、及び外部表面及び内部表面の両方は、製造業者又は銘柄ロゴ、商標、スローガン、及び他の消費者情報及び印しを用いて印刷、エンボス、デボス、又はその他の方法で装飾することができる。代替的に又は追加的に、本発明による容器の外部表面、内部表面、又は外部表面及び内部表面の両方は、ラッカー、金属化、ホログラム、発光性材料、又は容器の感触、臭い、又は外観を変えるいずれかの他の材料を用いて少なくとも部分的に覆うことができる。
【0058】
本発明による容器の内側ハウジングが喫煙物品の1つ又はそれよりも多くの束を収容する場合、喫煙物品は、好ましくは、例えば、金属箔又は金属化紙の内側ライナに包まれる。
【0059】
容器が、喫煙物品を含む場合、容器は、廃棄物のための仕切り(例えば、灰又は吸い殻のための)、又は例えばマッチ、ライター、消火手段、気分転換剤、又は電子機器のような他の消費財を更に含むことができる。他の消費財は、容器の外側に取り付けるか、容器の個々の仕切り内に喫煙物品と共に容器に収容するか、又はその組合せとすることができる。
【0060】
充填された状態で、本発明による容器は、例えば、高密度又は低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルムのような透明なポリマーフィルム又はその組合せを用いて、従来の方法で収縮包装又はその他の方法で上包装することができる。本発明による容器が上包装される場合、上包装包装紙は、開封テープを含むことができる。開封テープは、好ましくは、開封テープが取り外された状態で蓋が第1のヒンジ線の回りに自由に回転するように、蓋の前壁の下縁の下方の容器の周りに位置決めされる。代替的に又は追加的に、開封テープが取り外された状態でハッチが第2のヒンジ線の回りに自由に回転するように、ハッチの上方の容器の周りに位置決めされた第2の開封テープが存在する場合がある。代替的に、開封テープは、容器の周りに縦方向に設けることができる。
【0061】
本発明による容器は、更に、カップ形状箱が厚紙などで作られた容器と比較して低い曲げ強度又は厚みを有する材料で作られたいわゆるソフトパックを含む。しかし、持ち上げ要素は、ソフトパックがちょうどよく喫煙物品で満たされた場合、持ち上げ動作中に喫煙物品と確実に接触するようになる。
【0062】
持ち上げ要素は、喫煙物品との係合を可能にする十分な強度を提供することができるあらゆる材料で形成することができる。特に、持ち上げ要素がフラップを含む場合、フラップ領域内の材料は、持ち上げ動作中に喫煙物品にぴったりと係合するように十分な強度を提供すべきである。持ち上げ要素は、紙、厚紙、並びにポリマー材料から形成することができる。
【0063】
添付図面は、本発明の原理を説明する目的のために明細書の一部を形成するように組み込まれている。図面は、本発明が作られて使用される方法の例示的かつ説明的な例だけに本発明を制限するものと解釈すべきではない。添付図面に示すような本発明の以下の説明から更に別の特徴及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】蓋が閉じている第1の実施形態による容器の断面図である。
【図2】喫煙物品が持ち上げられた第1の実施形態による容器の断面図である。
【図3】図2のように先端紙の縁部に係合している持ち上げ要素の拡大図である。
【図4】喫煙物品が持ち上げられた第2の実施形態による容器の断面図である。
【図5】喫煙物品が持ち上げられた第3の実施形態による容器の断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による容器の断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による容器の断面図である。
【図8】本発明の第1又は第2の実施形態による持ち上げ要素の平面図である。
【図9】本発明による持ち上げ要素の平面図である。
【図10】本発明による持ち上げ要素の平面図である。
【図11】本発明による持ち上げ要素の平面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による持ち上げ要素の平面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態による持ち上げ要素の平面図である。
【図14】本発明による持ち上げ要素の平面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態による内側ライナ上に配置された持ち上げ要素の平面図である。
【図16】喫煙物品の外側上端と相互作用する本発明による持ち上げ要素の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1には本発明の第1の実施形態による容器1の断面図が示されている。容器1は、ヒンジ線4に沿って接続されたカップ形状箱2と蓋3とを含む。蓋3は、開いた状態(図2)でヒンジ線4に沿ってピボット回転することができる。カップ形状箱2は、箱前壁5、箱右側壁、箱左側壁、箱底壁8、及びヒンジ線4に隣接する箱背面壁9を含む。蓋3は、蓋前壁10、蓋右側壁、蓋左側壁、蓋上壁13、及びヒンジ線4に隣接する蓋背面壁14を含む。好ましくは、箱2及び蓋3は、説明した幾何学形状を形成するように折り畳まれて接着された1つのブランク材で形成される。
【0066】
容器1は、上述の箱壁と平行に突出するように箱前壁5、箱右側壁、及び箱左側壁の内側に固定された内側フレーム15含む。内側フレーム15は、蓋3が確実に閉じたままに留まり、容器1の内容物が保護されるように、それが閉じている時に蓋3と係合する。内側フレーム15は、箱2の内容物へのアクセスを可能にする切り欠き部16を含む。
【0067】
箱2は、内側ライナ18内に位置付けられる喫煙物品17の包まれた束を含む。内側ライナ18は、通常は、金属化紙で作られる。内側ライナ18は、喫煙物品17の周りでそれ自体に接着する。内側ライナ18の上部前部区画は、内側ライナ18内の喫煙物品17にアクセスするために取り外すことができるプルホイル19を形成する。従って、内側ライナ18は、プルホイル19を引っ張った時に取り外すことができるように穿孔される。
【0068】
内側フレーム15、それぞれ箱前壁5及び内側ライナ18の間に、持ち上げ要素20がインサートの形態で配置される。持ち上げ要素20には、内側フレーム15の切り欠き部16の前部側面からアクセスすることができる。
【0069】
図2は、プルホイル19が取り外され、かつ喫煙物品17が持ち上げられるように持ち上げ要素20が持ち上げられた本発明の第1の実施形態による容器の状態を示している。
【0070】
箱2は、通常は、喫煙物品17の束の周りにぴったりと適合する。従って、喫煙物品17を直接に掴んで取り出すのは困難である。特に、喫煙物品17の上端のフィルタ又は同様の要素は、便利な取り出し動作に対して適応されるべきである。これは、特に、埋め込みフィルタ先端付き喫煙物品の場合に当て嵌まる。しかし、本発明により、喫煙物品17は、箱2から直接に取り出されず、最初に持ち上げ要素20によって持ち上げられる。
【0071】
持ち上げ要素20は、少なくとも1つの喫煙物品17に係合し、図2に示すように持ち上げ要素20の移動と共に喫煙物品17を持ち上げる。従って、持ち上げ要素20は、喫煙物品17の上端部分と連結するフックを含む。持ち上げ要素20は、ある一定の高さまで持ち上げられると取り外すことができる。一部の喫煙物品17は、都合の良い方法でかつフィルタ部分の端部に接触することなく持ち上げられて容易に取り出すことができる。
【0072】
3列の喫煙物品17が、箱前壁5と箱背面壁9の間に提供される。蓋3は、蓋前壁10が箱前壁5に隣接するように閉じた状態にある。内側フレーム15は、箱前壁5の背面側に特にそこに接着することによって固定される。
【0073】
喫煙物品17は、内側ライナ18のプルホイル19を取り外すことができるような穿孔21を含む内側ライナ18に包まれる。内側フレーム15、それぞれ箱前壁5及び喫煙物品17の第1の列の間に、喫煙物品17に向けて上方に延びるフラップ22を含む持ち上げ要素20が設けられる。
【0074】
喫煙物品17は、喫煙物品17の外側上端部分に先端紙23を含む。先端紙23は、特にシガレット紙25である喫煙物品17の前部部分の上に小さい縁部24又はリップを形成する。
【0075】
プルホイル19の高さを定める穿孔21は、好ましくは、先端紙長さ101、安全マージン102、及び喫煙物品17の上部から測定した持ち上げ要素フラップ長さ103の合計を少なくとも下回るような位置に形成される。好ましくは、持ち上げ要素フラップ長さ103は、4mmであり、安全マージン102は、4mmである。先端紙長さ101は、例えば、32mmである。
【0076】
プルホイル19が取り外された時に、持ち上げ要素20のフラップ22は、先端紙23の縁部24の下で喫煙物品17と接触する。フラップ22が折り目26に沿って折り畳まれ、かつ持ち上げ要素の材料に固有の弾力性がフラップ22に対して喫煙物品17の方向に力を生じる時に、フラップ22の緊密な接触が可能になる。この時点で、持ち上げ要素20の上側部分27にいくらかの圧力が加えられ、持ち上げ要素20が摩擦力によって上部まで移動される。
【0077】
ある一定の高さ距離の持ち上げ移動の後に、持ち上げ要素20は、そのフラップ22で先端紙23の縁部24と係合する。
【0078】
図3は、持ち上げ要素20のフラップ22と先端紙23の縁部24との間の係合の拡大図である。この実施形態では、持ち上げ要素20のフラップ22と喫煙物品17の間の係合に十分である縁部24を形成する先端紙23の厚みのために係合が可能である。この係合は、折り目26の弾性力及び持ち上げ要素20の上側部分27に対して消費者によって加えられる圧力によってサポートされる。持ち上げ要素20の上側部分27に力が加えられると、これが喫煙物品17の上側部分と接触するようになる。
【0079】
その後、図2に示すように、持ち上げ要素20は、更に持ち上げられ、箱2の開口部から外に突出するように喫煙物品17を持ち上げる。次に、喫煙物品17は、容易に取り出すことができる。持ち上げ要素20が更に上部まで移動されると、持ち上げ要素20は、容器1から取り外すことができる。
【0080】
図4には本発明の第2の実施形態が示されているが、第1の実施形態との主要な違いは、インサートである持ち上げ要素20をプルホイル19に固定する固定手段28が設けられるということである。更に、引き続きフラップ22と先端紙23の縁部24との間の係合を可能にするために、この時点でプルホイル19の穿孔21がフラップ22の直ぐ上方に配置される。
【0081】
すなわち、消費者がプルホイル19を持ち上げると、穿孔21が引き裂かれて持ち上げ要素20がプルホイル19と共に持ち上げられる。持ち上げ要素20は、そのフラップ22で先端紙23の縁部24と係合し、少なくとも1つの喫煙物品17を容易にアクセス可能にし、図4に示す位置で持ち上げる。
【0082】
プルホイル19は、持ち上げ要素20及びプルホイル19を一緒に捨てることができるように、持ち上げ要素20が箱2から取り外されるまで消費者によって持ち上げることができる。
【0083】
図5には、本発明による容器の第3の実施形態が示されている。インサートである持ち上げ要素20は、折り目26に対してより低い位置に配置された第2の折り目30に沿って折り畳まれた少なくとも1つの第2のフラップ29を付加的に含む。第2のフラップ29は、箱前壁1に向けて延びている。
【0084】
図5のように持ち上げ要素20が完全に持ち上げられると、第2のフラップ29は、容器1と係合し、持ち上げ要素20が容器1から完全に取り外されるのを防止する停止部をもたらす。これは、持ち上げ要素20が再使用されること、すなわち、第1の喫煙物品17を取り外した後に持ち上げられた残りの喫煙物品17と共に持ち上げ要素20を再度下げることを可能にする。更に別の取り出し動作では、別の喫煙物品17を持ち上げ要素20と共に持ち上げることができる。好ましくは、第2のフラップ29は、持ち上げられた位置で内側フレーム15の下縁と係合し、持ち上げ要素20が内側フレーム15の上縁と同一平面になる。
【0085】
本発明により、図4の第2の実施形態の特徴を図5の第3の実施形態と組み合わせることができる。すなわち、少なくともフラップ22と第2のフラップ29とを含む持ち上げ要素20は、固定手段28によってプルホイル19に固定される。この組合せの場合、固定手段28は、プルホイル19に対する所定の最大引張力を超えた時に、持ち上げ要素20からプルホイル19が取り外されるように選択されることが好ましい。これは、第2のフラップ29が内側フレーム15の下縁に係合する時に当て嵌まる。
【0086】
すなわち、単に1つの動作、すなわち、プルホイル19を引くことにより、容器1は、プルホイル19が持ち上げ要素20から既に取り外された図5に示す構成にもたらされる。
【0087】
図6は、インサートである持ち上げ要素20が、2列の喫煙物品17の間に配置され、かつ内側ライナ18に収容された喫煙物品17の束内に配置された本発明の第4の実施形態を示している。容器1の蓋3が開くと、プルホイル19が取り外され、持ち上げ要素20のハンドル部分31に消費者がアクセス可能である。消費者は、次に、ハンドル部分31を持ち上げ、従って、特に、先端紙23の縁部24での持ち上げ要素20のフラップ22の喫煙物品17との係合が可能になる。喫煙物品17は、次に、持ち上げ要素20が箱2内部から取り外されるまで持ち上げられる。従って、箱2の第2列の喫煙物品17は、消費者が容易にアクセス可能である。
【0088】
図6の実施形態に関して、接着剤のような固定手段によってハンドル部分31を内側ライナ18のプルホイル19に固定することも可能である。プルホイル19を引いてそれを取り外すことにより、持ち上げ要素20が持ち上げられ、上述の機能によって喫煙物品17に係合する。従って、1つの動作でプルホイル19が取り外され、第2列の喫煙物品17をそれらが消費者によって都合の良い方法でアクセス可能なように持ち上げることができる。
【0089】
図7は、持ち上げ要素20が、内側ライナ18の内側、特に、プルホイル19の区域に取り付けられたフッキングテープ33である本明細書の第5の実施形態を示している。フッキングテープ33は、プルホイル19を有する内側ライナ18を形成する材料に取り付けられる。内側ライナ18は、喫煙物品を包んでプルホイル19を提供するのに望ましい形状に切断される。フッキングテープ33は、好ましくは、内側ライナ18の材料が切断される前に既に折り畳まれたフラップ22を含む。容器1の蓋3が開かれる時に、プルホイル19は、取り外すことができる。プルホイル19の取り外し中に、フッキングテープ33の形態の持ち上げ要素20は、喫煙物品17の先端紙23の縁部24に係合することになる。フッキングテープは、プルホイル19がフッキングテープ33と共に完全に取り外されるまで喫煙物品17を持ち上げる。従って、少なくとも1つの喫煙物品17が容易にアクセス可能である。
【0090】
図8から14には、本発明によるインサートの形態の持ち上げ要素のいくつかの実施形態が示されている。
【0091】
図8は、図1から4の第1及び第2の実施形態に適用することができる時の持ち上げ要素20を表している。持ち上げ要素20は、持ち上げ要素20の下縁に沿って少なくとも部分的に延びるフラップ22を含む。持ち上げ要素20は、2次元のブランク材であり、かつ部分的に穿孔することができる折り目26を含み、それに沿って容易に折り畳むことができる。持ち上げ要素20が容器1内に挿入される前に、フラップ22は、折り目26に沿って上向き方向に折り畳まれる。従って、図8による持ち上げ要素20は、喫煙物品17の第1列の中心の3つの喫煙物品を持ち上げ、一方で2つの左側面の喫煙物品17及び2つの右側面の喫煙物品17を持ち上げないように適応させることができる。
【0092】
喫煙物品17を非対称に持ち上げるために、図9によるブランク材が使用されて持ち上げ要素20を形成する。持ち上げ要素20は、折り目26を含むフラップ22と切り欠き部32とを1つの下側側面に含む。フラップ22は、例えば、容器1の喫煙物品17の第1列の左側面上の3つの喫煙物品17の係合を可能にするように上向き方向に折り畳むことができる。
【0093】
図10は、持ち上げ要素20の全幅に沿って持ち上げ要素20のフラップ22を含む持ち上げ要素20のためのブランク材を示している。従って、持ち上げ要素20は、容器1の前列に存在する全ての喫煙物品17に係合するようになっている。
【0094】
図11は、別々の高さでフラップ22を提供する持ち上げ要素20のためのブランク材を示している。従って、この持ち上げ要素20が、喫煙物品17に係合して持ち上げるために使用される場合、中心の喫煙物品17は、容器1内の喫煙物品17の第1列内の中心の喫煙物品17に隣接する喫煙物品17よりも高く持ち上げられることになる。フラップ22は、それらが喫煙物品17に向う方向に延びるような方向に折り畳まれる。
【0095】
図12は、図5の第3の実施形態に適用された持ち上げ要素20のためのブランク材を示している。持ち上げ要素20は、喫煙物品17に係合することができるようにそれに向う方向に折り目26に沿って折り畳まれたフラップ22を含む。更に、持ち上げ要素20は、より低い位置に設けられ、かつ持ち上げ要素20が特定高さに持ち上げられた後にそれに係合することができるように容器1に向けて第2の折り目30に沿って折り畳まれた第2のフラップ29を含む。
【0096】
図13は、図6による第4の実施形態に使用することができる持ち上げ要素20のためのブランク材を示している。持ち上げ要素20は、折り目26及び切り欠き部32によって形成されたフラップ22を含む。フラップ22は、喫煙物品17に向けて折り畳んで外側上端部分でそれに係合することができる。更に、持ち上げ要素20は、ハンドル部分31を含み、これは、持ち上げ要素20の上端に設けられ、かつプルホイル19に固定されるか、又は持ち上げ要素20を容易に掴んでそれを持ち上げることができるように使用される。
【0097】
図14は、本発明の別の実施形態による持ち上げ要素20のためのブランク材を示している。ブランク材は、折り目26と折り目26から延びるブランク材の内側の切り欠き部32とを含む。従って、ブランク材が折り目26に沿って折り畳まれると、フラップ22は、ブランク材の上側部分から外へ曲げられ、従って、喫煙物品17の方向に突出して喫煙物品17に係合することになる。ブランク材は、ブランク材の下側部分がブランク材の上側部分に接触して持ち上げ要素20を形成するように折り目に沿って折り畳まれる。代替的に、折り目26は、持ち上げ要素20の全幅にわたって延びるのではなく、単にフラップにわたって延びる。一実施形態では、折り目26は、容器1内に挿入された時にフラップ22の下に位置付けられる。フラップ22は、フラップ22の係合縁部が持ち上げ要素の主本体の平面を離れるように僅かに喫煙物品に向けて事前に折り畳まれる。代替的な実施形態では、折り目26は、容器1内に挿入された時にフラップ22の上方に位置付けられる。この実施形態では、フラップは、フラップ22の係合縁部がそれが容器にある時に上方に向くように、90度よりも大きく事前に折り畳まれる。
【0098】
図15は、本発明の第5の実施形態に適用するための内側ライナ18を示している。内側ライナは、プルホイルを容易に取り除くことを可能にするための穿孔21を含む。更に、フッキングテープ33の形態の持ち上げ要素20は、それがプルホイル19の領域を通って延びるようにその製造工程中に内側ライナ18上に付加される。特に、フッキングテープ33の形態の持ち上げ要素20は、折り畳まれて内側ライナ18の内側側面に取り付けられる。従って、内側ライナ18が喫煙物品17の束の周りを包んで容器1内に設けられた時に、図7に示す構成が得られる。フッキングテープ33が内側ライナ18の製造工程中に付加されるので、公知の製造工程に2次的な修正を実施する必要があるだけである。従って、容器の生産コストを低く留めることができる。
【0099】
持ち上げ要素20は、好ましくは、フラップ22が喫煙物品17と適正に係合することを可能にする十分な強度を有する材料から形成される。従って、例えば、紙、厚紙、及びポリマー材料を使用することができる。
【0100】
更に、説明した持ち上げ要素20の特徴は組み合わせることができ、例えば、ハンドル部分31は、上述の持ち上げ要素20上に設けられる。
【0101】
第2のフラップ29は、持ち上げ要素20の幅に沿ったいずれの位置にも設けることができる。更に、持ち上げ要素20は、上側部分27が消費者によって便利にアクセス可能になるより高い高さを有することができる。持ち上げ要素20の高さは、容器1の箱2の上縁によってだけ制限される。
【0102】
フラップは、好ましくは、高さが3から4mmである。フラップの折り目は、好ましくは、横向きである。
【0103】
図16は、同時に2つの位置で喫煙物品17の外側上縁と相互作用することができる本発明による持ち上げ要素20の更に別の実施形態を示している。持ち上げ要素20は、喫煙物品17の外側上端と持ち上げ要素20の間の摩擦を増すのに役に立つ2つの突起を有する。例えば、持ち上げ要素20は、ヒンジ式蓋容器の蓋の一片、例えば、ダストフラップである。使用中に、図16に示すように、持ち上げ要素20は、例えば、穿孔線のような脆弱線に沿って引き裂くことによってブランク材から容易に分離することができる。次に、持ち上げ要素20内の切り欠き部は、切り欠き部が挟みとして作用するように両側で喫煙物品17の外側上端の上に置かれる。2つの突起22は、持ち上げ要素20が上方に引っ張られた時に喫煙物品17を上に持ち上げるために持ち上げ要素20と喫煙物品17の間に十分な摩擦を生成する。容器ブランク材の一部とする代わりに、喫煙物品17の外側上端の2つの側面上で喫煙物品17に係合することにより喫煙物品17を持ち上げることができる切り欠き部を提供するインサートを持ち上げ要素20として設けることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 容器
2 カップ形状箱
17 喫煙物品
20 持ち上げ要素
22 係合部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)であって、
喫煙物品を含み、
底壁と、側壁と、開口部とを含む前記喫煙物品(17)のためのカップ形状箱(2)を更に含み、
前記容器の前記底壁の前記喫煙物品(17)を持ち上げるために少なくとも1つの喫煙物品(17)と相互に関連付けられた持ち上げ要素を更に含み、
前記持ち上げ要素(20)は、前記喫煙物品(17)の外側上端部分に係合可能な係合部分(22)を有する、
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記喫煙物品(17)は、その周方向外側側面上に前記持ち上げ要素(20)によって係合されるようになったリング状肩部(24)を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記喫煙物品(17)の前記肩部は、特にシガレットフィルタである該喫煙物品(17)の周方向に包まれた先端紙(23)の縁部(24)によって形成されることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記持ち上げ要素(20)は、前記カップ形状箱(2)の前記開口部から前記先端紙(23)の前記縁部(24)の下まで延びることを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記持ち上げ要素(20)は、前記喫煙物品(17)と摩擦係合することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記持ち上げ要素(20)は、前記係合部分として突起(22)を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記突起は、前記持ち上げ要素(20)の折り目(26)に沿って折り畳まれた該持ち上げ要素(20)のフラップ(22)によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記フラップ(22)は、前記喫煙物品(17)に向う方向、特に、該喫煙物品(17)に向う上向き方向に延びることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記喫煙物品(17)を取り囲む内側ライナ(18)を含み、
前記内側ライナ(18)は、取り外されるようになったプルホイル(19)を含み、
前記持ち上げ要素(20)は、該持ち上げ要素(20)が前記喫煙物品(17)と接触可能であるように前記プルホイル(19)の内側側面に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記喫煙物品(17)を取り囲む内側ライナ(18)を含み、
前記内側ライナ(18)は、前記喫煙物品(17)にアクセスすることができて前記持ち上げ要素(20)が該喫煙物品(17)と接触可能であるように取り外されるようになったプルホイル(19)を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記持ち上げ要素(20)は、前記プルホイル(19)の外側側面に取り付けられることを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記プルホイル(19)は、該プルホイル(19)に対する所定の最大引張力を超えた時に前記持ち上げ要素(20)から分離されることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記持ち上げ要素(20)は、該持ち上げ要素(20)が所定の持ち上げ高さに対して持ち上げられる時に該持ち上げ要素(20)のための停止部を提供するために前記カップ形状箱(2)と係合するようになった第2のフラップ(29)を含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
前記持ち上げ要素(20)は、該持ち上げ要素の異なる高さに設けられたいくつかのフラップ(22)を含むことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記持ち上げ要素(20)は、カップ形状箱(2)の1つの箱壁(5)と少なくとも部分的に平行に延び、該持ち上げ要素(20)は、該1つの箱壁(5)の少なくとも1つの隣接する箱壁によって案内され、特に、該持ち上げ要素(20)は、該カップ形状箱(2)の内部と実質的に同じ幅を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−500212(P2013−500212A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521998(P2012−521998)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004361
【国際公開番号】WO2011/012235
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】