説明

振れ補正機能付き光学ユニット

【課題】撮影ユニットに対する振れ補正用の撮影ユニット駆動機構の構成を改良して手振れを確実に補正することのできる撮影用光学装置を提供すること。
【解決手段】撮影用光学装置200において、撮影ユニット1を揺動させて手振れを補正するにあたって、ピボット部225を間に挟む両側2箇所に2つが対になった第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yを各々設け、これらの撮影ユニット駆動機構では、可動体側である撮影ユニット1側に撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが保持され、固定体210側に撮影ユニット駆動用コイル230x、230yが保持されている。撮影ユニット1は、互いに周方向の同一方向に延在する複数本のアーム部287を備えたジンバルバネ280によってピボット部225に向けて押圧されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯電話機などに搭載される振れ補正機能付き光学ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯機器に搭載される撮影用光学装置は、レンズを備えた移動体、この移動体を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構、および撮像素子が支持体上に支持された撮影ユニットを備えている。かかる撮影用光学装置においては、ユーザーの手振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、各種の振れ補正機構が搭載されており、このような振れ補正機構としては、撮影ユニットに設けた振れ補正用レンズを、振れを打ち消す方向にシフトさせる構造や、撮像素子の方を光軸に垂直な面内でシフトさせる構造等が実用化されている。
【0003】
しかしながら、振れ補正機構を撮影ユニット内に組み込んだ構造は、デジタルカメラ等の比較的大きな携帯機器に搭載される撮影用光学装置では採用可能であるが、カメラ付き携帯電話機などといった小型の携帯機器に搭載される撮影用光学装置では、撮影ユニットが小型であるため、振れ補正機構を撮影ユニット内に組み込むことは不可能である。
【0004】
そこで、撮影用光学装置において、撮影ユニットと、この撮影ユニットを支持する固定体との間に振れ補正機構を構成することが提案されている。かかる構成を採用する場合、撮影ユニットは、固定体上で光軸に対して交差する方向に変位可能な可動モジュールとして構成される(特許文献1参照)。
【0005】
かかる特許文献1に記載の振れ補正機構は、固定体に形成したピボット部に対して撮影ユニットを板バネによって弾性をもって付勢して、ピボット部を支点にして撮影ユニットを揺動可能にした構造を有しており、ピボット部からずれた片側1箇所に設けた第1撮影ユニット駆動機構によって光軸に対して直交するX軸周りに撮影ユニットを揺動させるとともに、ピボット部からずれた別の片側1箇所に設けた第2撮影ユニット駆動機構によって光軸に対して直交するY軸周りに撮影ユニットを揺動させる。
【特許文献1】特開2007−310084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の振れ補正機構のように、ピボット部に対して片側1箇所に配置した第1撮影ユニット駆動機構、あるいはピボット部に対して片側1箇所に配置した第2撮影ユニット駆動機構では、かかる駆動機構とピボット部の位置関係がわずかにずれただけでも駆動能力が変動するため、安定した推力を得るのが難しいという問題点がある。
【0007】
また、特許文献1に記載の振れ補正機構に用いた板バネは、X軸方向とY軸方向とでバネ定数が大きく異なる形状を有しているため、第1撮影ユニット駆動機構および第2撮影ユニット駆動機構の双方を駆動した際、板バネが撮影ユニットに加える付勢力の大きさや方向が直線性を有していない。従って、第1撮影ユニット駆動機構および第2撮影ユニット駆動機構に対する制御が極めて複雑になってしまうという問題点がある。
【0008】
さらに、特許文献1に記載の振れ補正機構のように、固定体側に撮影ユニット駆動用マグネットを設け、可動体側である撮影ユニットの方に撮影ユニット駆動用コイルを設けた構成では、撮影ユニット駆動用コイルに給電用配線を接続する必要がある分、撮影ユニットに対する配線数が増えるので、配線構造が複雑であるとともに、撮影ユニットの方では撮影ユニット駆動用コイルの巻回数を多くすることが困難である。また、撮影ユニット駆動用コイルおよび撮影ユニット駆動用マグネットのうち、質量の大きな撮影ユニット駆動用コイルの方を、可動体側である撮影ユニットの方に設けたため、撮影ユニットを揺動させるのに大きな力が必要であるとともに、その制御が難しいという問題点がある。
【0009】
さらに、振れ補正機構として、撮影ユニット駆動用マグネットと撮影ユニット駆動用コイルとを用いた磁気駆動機構を採用した場合、外部への磁気ノイズの放出によってスピーカなどの磁気デバイスに影響を及ぼす虞がある。また、外部から磁気的な影響を受けると、振れ補正を正確に行なえないという問題点がある。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、可動モジュールに対する振れ補正を行なうにあたって、可動モジュールに加わる力を安定化させることにより、手振れを確実に補正することのできる撮影用光学装置を提供することにある。
【0011】
次に本発明の課題は、可動体に対する振れ補正用の可動モジュール駆動機構を構成するマグネットとコイルの配置を改良して、少ない消費電力で迅速に手振れを補正することのできる撮影用光学装置を提供することにある。
【0012】
次に本発明の課題は、磁気駆動機構を採用した場合でも、外部への磁気的な影響や、外部から磁気的な影響を回避することのできる振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットは、少なくともレンズが支持体上に支持された可動モジュールと、該可動モジュールを支持する固定体と、を有し、前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記固定体において前記可動モジュールを揺動可能に支持するピボット部と、該ピボット部を支点にして前記可動モジュールを同一方向に揺動させる磁気力を、前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させる振れ補正用の可動モジュール駆動機構と、を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明では、ピボット部を介して可動モジュールが固定体に対して揺動可能に支持された構造とするとともに、可動モジュールと固定体との間に、可動モジュールを揺動させる可動モジュール駆動機構を設けてあるため、振れ補正機能付き光学ユニットを搭載したカメラ付き携帯電話などで撮影を行なう際、手振れが発生したときでも、かかる手振れを可動モジュールの揺動によって補正することができる。従って、可動モジュールに振れ補正機構を内蔵させる必要がないので、可動モジュールが小型ゆえに可動モジュール内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。また、本発明では、ピボット部を間に挟む両側2箇所に配置した可動モジュール駆動機構によって可動モジュールを同一方向に揺動させる磁気力を発生させるため、ピボット部に対して片側のみに可動モジュール駆動機構を配置した場合と違って、駆動能力が安定している。すなわち、可動モジュール駆動機構のピボット部からの距離が一方で駆動力が弱まる方にずれたとき、他方の可動モジュール駆動機構では駆動力が強まる方にずれることになる。それ故、本発明によれば、手振れを精度よく補正することができる。
【0015】
本発明において、前記可動モジュールは、磁気的な付勢力を利用した付勢手段や、バネ部材を利用した付勢手段によって前記ピボット部に押圧されている構成を採用できる。かかる構成のうち、前記可動モジュールが、付勢手段としてのバネ部材によって付勢されている構成を採用する場合、当該付勢手段は、前記可動モジュールに連結される内周側連結部と、前記固定体に連結される外周側連結部と、前記内周側連結部から互いに周方向の同一方向に延在して前記外周側連結部に繋がる複数本のアーム部とを備えたジンバルバネであることが好ましい。このように構成すると、付勢手段は、全て方位に向けて略均一な付勢力を発揮するので、可動モジュールの姿勢が安定しているとともに、可動モジュール駆動機構に対する制御が極めて容易である。また、アーム部が周方向の同一方向に延在しているので、アーム部を長く延在させることができる。従って、付勢手段は、可動モジュールの可動範囲の全域にわたってリニアリティの高い付勢力を発揮するので、可動モジュール駆動機構に対する制御を複雑にしなくても手振れを確実に補正することができる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の別の形態に係る振れ補正機能付き光学ユニットは、少なくともレンズが支持体上に支持された可動モジュールと、該可動モジュールを支持する固定体と、を有し、前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記固定体において前記可動モジュールを揺動可能に支持するピボット部と、前記可動モジュールを前記ピボット部に向けて押圧する付勢手段と、前記ピボット部を支点にして前記可動モジュールを揺動させる磁気力を発生させる振れ補正用の可動モジュール駆動機構と、を有し、前記付勢手段は、前記可動モジュールに連結される内周側連結部と、前記固定体に連結される外周側連結部と、前記内周側連結部から互いに周方向の同一方向に延在して前記外周側連結部に繋がる複数本のアーム部とを備えたジンバルバネであることを特徴とする。
【0017】
本発明において、付勢手段は、上記構成を備えたジンバルバネであるため、全ての方位に向けて略均一な付勢力を発揮するので、可動モジュールの姿勢が安定しているとともに、可動モジュール駆動機構に対する制御が極めて容易である。また、アーム部が周方向の同一方向に延在しているので、アーム部を長く延在させることができる。従って、付勢手段は、可動モジュールの可動範囲の全域にわたってリニアリティの高い付勢力を発揮するので、可動モジュール駆動機構に対する制御を複雑にしなくても手振れを確実に補正することができる。
【0018】
本発明において、前記可動モジュール駆動機構は、前記ピボット部を支点にして前記可動モジュールを同一方向に揺動させる磁気力を、前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させることが好ましい。このように構成すると、ピボット部を間に挟む両側2箇所に配置した可動モジュール駆動機構によって可動モジュールを同一方向に揺動させる磁気力を発生させるため、ピボット部に対して片側のみに可動モジュール駆動機構を配置した場合と違って、駆動能力が安定している。すなわち、可動モジュール駆動機構のピボット部からの距離が一方で駆動力が弱まる方にずれたとき、他方の可動モジュール駆動機構では駆動力が強まる方にずれることになる。それ故、本発明によれば、手振れを精度よく補正することができる。
【0019】
本発明において、互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、前記光軸に平行な方向をZ軸としたとき、前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記可動モジュール駆動機構として、X軸、Y軸およびZ軸のうちの2つの軸線周りに揺動させる磁気駆動力を発生させる2組の可動モジュール駆動機構が構成されていることが好ましい。
【0020】
例えば、前記2組の可動モジュール駆動機構は、Y軸方向において前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸およびY軸のうちの一方の軸線周りに揺動させる磁気駆動力を発生させる第1可動モジュール駆動機構と、X軸方向において前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸およびY軸のうちの他方の軸線周りに揺動させる磁気駆動力を発生させる第2可動モジュール駆動機構とからなることが好ましい。このように構成すると、可動モジュールをX軸周りおよびY軸周りに揺動させることができるので、それらを合成すれば、XY面全体に対して可動モジュールを揺動させることができる。それ故、カメラ付き携帯電話などで想定される全ての手振れを確実に補正することができる。
【0021】
本発明において、前記可動モジュールは、前記支持体上に撮像素子を備えた撮影ユニットである。
【0022】
この場合、前記レンズは、光軸方向に移動可能に前記支持体上に支持された移動体に含まれ、前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持されている構成を採用することができる。このように構成すると、可動モジュールがレンズ駆動機構を備えている場合でも、撮影用光学装置を搭載した携帯電話機などの手振れを可動モジュールの変位によって補正することができるので、可動モジュールに振れ補正機構を内蔵させる必要がない。それ故、可動モジュールが小型ゆえに可動モジュール内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。
【0023】
本発明において、前記可動モジュール駆動機構は、前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所の各々に、前記可動モジュールおよび前記固定体のうちの一方側に保持された可動モジュール駆動用マグネットと、他方側に保持された可動モジュール駆動用コイルと、を備えていることが好ましい。
【0024】
この場合、前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記可動モジュール側に保持され、前記可動モジュール駆動用コイルは、前記固定体側に保持されていることが好ましい。このように構成すると、可動モジュールに対する配線数が少なくてよいので、配線構造を簡素化することができる。また、可動モジュール駆動用コイルの巻回数を多くすることができるので、大きな駆動力を発揮することができる。さらに、可動モジュール駆動用コイルおよび可動モジュール駆動用マグネットのうち、質量の小さな可動モジュール駆動用マグネットの方を、可動体側である可動モジュールの方に設けたため、可動モジュールの軽量化を図ることができる。それ故、小さな力で可動モジュールを揺動させることができるので、振れ補正に要する消費電力を削減することができる。また、手振れに対する応答性に優れているという利点もある。
【0025】
本発明では、前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持されており、前記可動モジュール駆動機構は、前記可動モジュール側に保持された可動モジュール駆動用マグネットと、前記固定体側に保持された可動モジュール駆動用コイルとを備え、前記可動モジュールは、前記移動体を外周側で囲むカバー部を備え、前記レンズ駆動機構は、前記移動体の外周面に保持されたレンズ駆動用コイルと、前記カバー部の内周面に保持されたレンズ駆動用マグネットとを備え、前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記カバー部の外周面に保持されていることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動機構と可動モジュール駆動機構との間の磁気的な干渉を防止することができる。
【0026】
本発明において、前記移動体には、前記レンズ駆動用マグネットより光軸方向における被写体側位置に当該レンズ駆動用マグネットとの間に磁気吸引力を発生させる磁性片が保持されていることが好ましい。このように構成すると、可動モジュールでは、移動体の光軸方向の位置を高い精度で制御できるので、レンズの光軸方向の位置をセンサなどで監視してフィードバックする制御を行なう必要がない。
【0027】
本発明において、前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構を外周側で覆う固定カバーを有し、当該固定カバーにおいて前記光軸と直交する方向から見たときに、前記可動モジュール駆動用マグネットの外側で少なくとも当該可動モジュール駆動用マグネットの磁束領域内に位置する部分は、磁性体からなることが好ましい。このように構成すると、可動モジュール駆動機構から固定カバーの外側への漏れ磁束を少なくできる。また、磁性材料が集磁ヨークとして働くので、可動モジュール駆動用コイルに鎖交する鎖交磁束が増えるので、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる際に大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。
【0028】
この場合、前記固定カバーは、非磁性材料からなる第1カバー部分と、前記磁性体からなる第2カバー部分とを備えていることが好ましい。このように構成しても、可動モジュール駆動機構から固定カバーの外側への漏れ磁束を少なくできる。また、磁性材料が集磁ヨークとして働くので、可動モジュール駆動用コイルに鎖交する鎖交磁束が増えるので、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる際に大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。さらに、外部の磁束が振れ補正用磁気駆動機構に侵入して、可動モジュールの姿勢に影響を与えることを低減できる。さらに、可動モジュール駆動用コイルとの磁気吸引力が可動モジュールを変位させる際の負荷となるような箇所に磁性体が存在しない構成を容易に実現することができる。
【0029】
本発明において、前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構の外周側を磁性体部分で覆う固定カバーを有し、前記可動モジュール駆動用マグネットにおいて前記光軸周りに隣接している可動モジュール駆動用マグネット同士は、前記光軸周りに隣接する位置の磁極が相違していることが好ましい。このように構成すると、光軸周りに隣接している可動モジュール駆動用マグネットから発生した磁束は、固定カバーの側に流れる磁束を減少させる。この結果、固定カバーと可動モジュール駆動用マグネットとの吸引力を小さくできるので、これらの間の吸引力が可動モジュールの変位に影響を与えることを低減できる。
【0030】
本発明において、前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動用マグネットを保持している可動モジュール側ヨークを備え、前記可動モジュール側ヨークは、前記可動モジュール駆動用マグネットの外面に対向する位置まで屈曲して延在したコイル側集磁ヨーク部分を備えていることが好ましい。このように構成すると、可動モジュール駆動機構はコイル側集磁ヨーク部分を備えているヨークによって挟まれるので、可動モジュール駆動機構からの漏れ磁束を少なくできる。また、可動モジュール駆動用コイルに鎖交する鎖交磁束が増えるので、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる際に、大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、ピボット部を介して可動モジュールが固定体に対して揺動可能に支持された構造とするとともに、可動モジュールと固定体との間に、可動モジュールを揺動させる可動モジュール駆動機構を設けてあるため、撮影用光学装置を搭載したカメラ付き携帯電話などで撮影を行なう際、手振れが発生したときでも、かかる手振れを可動モジュールの揺動によって補正することができる。従って、可動モジュールに振れ補正機構を設ける必要がないので、可動モジュールが小型ゆえに可動モジュール内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。また、本発明では、可動モジュール駆動機構で発生する磁気力、あるいは付勢手段が発揮する付勢力が安定しているため、手振れを精度よく補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、可動モジュールとして撮影ユニットの手振れを防止するための構成を例示する。従って、以下の説明では、撮影用光学装置が振れ補正機能付き光学ユニットに相当する。また、以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、光軸L(レンズ光軸)に沿う方向をZ軸とする。従って、以下の説明では、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。
【0033】
[実施の形態1]
(撮影用光学装置の全体構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。
【0034】
図1(a)、(b)および図2に示す撮影用光学装置200(振れ補正機能付き光学ユニット)は、カメラ付き携帯電話機に用いられる薄型カメラであって、全体として略直方体形状を有している。本形態において、撮影用光学装置200は、矩形板状のベース220と、このベース220の上方に被せられる箱状の固定カバー230とを備えており、ベース220と固定カバー230とによって固定体210が構成されている。本形態では、固定カバー230として天板部234を備えたものが用いられている。
【0035】
後述するように、本形態では、固定カバー230の内側には、撮影ユニット1(可動モジュール)と、この撮影ユニット1を揺動させて手振れなどの振れの補正を行なうための振れ補正機構とが構成されている。
【0036】
(撮影ユニット1の構成)
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置200に用いた撮影ユニット1を斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図4は、図3に示す撮影ユニット1の動作を模式的に示す説明図である。なお、図4の左半分は、移動体3が無限遠の位置(通常撮影位置)にあるときの図を示しており、図4の右半分は、移動体3がマクロ位置(接写撮影位置)にあるときの図を示している。
【0037】
図3(a)、(b)、および図4に示すように、撮影ユニット1は、例えば3枚のレンズ121を光軸Lの方向に沿って被写体(物体側)に近づくA方向(前側)、および被写体とは反対側(撮像素子側/像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるためのものであり、略直方体形状を有している。撮影ユニット1は、概ね、3枚のレンズ121および固定絞りを内側に保持した移動体3と、この移動体3を光軸方向に沿って移動させるレンズ駆動機構5と、レンズ駆動機構5および移動体3等が搭載された支持体2とを有している。移動体3は、レンズ121および固定絞りを保持する円筒状のレンズホルダ12と、後述するレンズ駆動用コイル30s、30tを外周側面で保持するコイルホルダ13とを備えている。
【0038】
支持体2は、被写体側と反対側で撮像素子155を位置決めする矩形板状の撮像素子ホルダ19と、撮像素子ホルダ19に対して被写体側で被さる箱状のケース18と、ケース18の内側に配置される矩形板状のスペーサ11とを備えており、ケース18およびスペーサ11の中央には、被写体からの光をレンズ121に取り込むための円形の入射窓110、180が各々形成されている。また、撮像素子ホルダ19の中央には、入射光を撮像素子155に導く穴190が形成されている。
【0039】
さらに、撮影ユニット1において、支持体2は、撮像素子155が実装された基板154を備えており、基板154は撮像素子ホルダ19の下面に固定されている。また、基板154の下面にはプレート151が固定されている。
【0040】
本形態において、ケース18は、鋼板等の強磁性板からなり、ヨークとしても機能する。このため、ケース18は、後述するレンズ駆動用マグネット17とともに、コイルホルダ13に保持されたレンズ駆動用コイル30s、30tに鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4を構成しており。かかる鎖交磁界発生体4は、コイルホルダ13の外周面に巻回されたレンズ駆動用コイル30s、30tとともにレンズ駆動機構5を構成している。
【0041】
支持体2と移動体3とは、金属製のバネ部材14s、14tを介して接続されている。バネ部材14s、14tは基本的な構成が同様であり、支持体2側に保持される外周側連結部14aと、移動体3の側に保持される円環状の内周側連結部14bと、外周側連結部14aと内周側連結部14bとを接続するアーム状の板バネ部14cとを備えている。バネ部材14s、14tのうち、撮像素子側のバネ部材14sは、撮像素子ホルダ19に外周側連結部14aが保持され、内周側連結部14bが移動体3のコイルホルダ13の撮像素子側端面に連結されている。被写体側のバネ部材14tは、スペーサ11に外周側連結部14aが保持され、内周側連結部14bが移動体3のコイルホルダ13の被写体側端面に連結されている。このようにして、移動体3は、バネ部材14s、14t介して支持体2に光軸Lの方向に移動可能に支持されている。かかるバネ部材14s、14tはいずれも、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。なお、バネ部材14s、14tのうち、バネ部材14sは、バネ片14e、14fに2分割されており、レンズ駆動用コイル30s、30tの各端末は各々、バネ片14e、14fに接続される。また、バネ部材14sにおいて、バネ片14e、14fには各々、端子14dが形成されており、バネ部材14s(バネ片14e、14f)はレンズ駆動用コイル30s、30tに対する給電部材としても機能する。
【0042】
本形態においては、コイルホルダ13の被写体側端面にリング状の磁性片61が保持されており、かかる磁性片61の位置は、レンズ駆動用マグネット17に対して被写体側よりの位置である。磁性片61は、レンズ駆動用マグネット17との間に作用する吸引力により移動体3に対して光軸Lの方向の付勢力を印加する。このため、移動体3が無通電時に自重で変位することを防止することができるので、移動体3に所望の姿勢を維持させ、さらに耐衝撃性を向上させることが可能である。また、磁性片61は、一種のヨークとして作用し、レンズ駆動用マグネット17とレンズ駆動用コイル30s、30tとの間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。なお、磁性片61としては、棒状あるいは球状の磁性体が用いられることもある。ここで、磁性片61をリング形状にすれば、レンズホルダ12が光軸方向に移動する際にレンズ駆動用マグネット17と引き合う磁気吸引力が等方的になるという効果がある。
【0043】
また、磁性片61はレンズホルダ12の被写体側端面に配置されており、磁性片61は非通電時(原点位置)においてはレンズ駆動用マグネット17と吸引することによりレンズホルダ12を撮像素子側に静置できる。また、通電時にはレンズホルダ12の被写体側の端面に保持された磁性片61はレンズ駆動用マグネット17からよりよく離間した位置に移動することにより、撮像素子側にレンズホルダ12を押し付けるような余計な力は働かない、そのため、少ない電力でレンズホルダ12を光軸方向に移動させることができる。
【0044】
本形態の撮影ユニット1において、光軸Lの方向からみたとき、レンズ121は円形であるが、支持体2に用いたケース18は矩形箱状である。従って、ケース18は、角筒状胴部184を備えており、角筒状胴部184の上面側には、入射窓120が形成された上板部185を備えている。本形態において、角筒状胴部184は四角筒状であり、光軸Lの方向からみたときに四角形の辺に相当する各位置に4つの側板部181を備えている。
【0045】
4つの側板部181の各々の内面にはレンズ駆動用マグネット17が固着されており、かかるレンズ駆動用マグネット17は各々、矩形の平板状永久磁石からなる。4つのレンズ駆動用マグネット17はいずれも光軸Lの方向において2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。例えば、4つのレンズ駆動用マグネット17では、例えば、上半分では内面がN極に着磁され、外面がS極に着磁され、下半分では、内面がS極に着磁され、外面がN極に着磁されている。このため、4つのレンズ駆動用マグネット17では、隣接する永久磁石同士において、磁極の配置が同一であり、コイルに対する鎖交磁束線を効率よく発生させることができる。
【0046】
移動体3は、レンズ121等を保持する円筒状のレンズホルダ12と、コイル(レンズ駆動用コイル30s、30t)が外周側面に巻回されたコイルホルダ13とを備えており、レンズホルダ12およびコイルホルダ13によって移動体3の側壁部分が構成されている。レンズホルダ12は、上半部が大径の大径円筒部12bになっており、下半部が大径円筒部12bより小径の小径円筒部12aになっている。コイルホルダ13は、レンズホルダ12を内側に保持するための円形のレンズホルダ収納穴130を備えている。
【0047】
本形態では、コイルホルダ13を光軸Lの方向からみたとき、内周形状は円形であるが、コイルホルダ13の外周形状を規定する外周側面131は四角形であり、四角形の4つの辺に相当する各位置に4つの面132を備えている。かかるコイルホルダ13の外周側面131において、光軸Lの方向における両端部および中央位置には、その全周にわたってリブ状突起131a、131b、131cが形成されており、撮像素子側端部に形成されたリブ状突起131aと中央位置に形成されたリブ状突起131bとに挟まれた凹部は第1コイル巻回部132aになっており、被写体側端部に形成されたリブ状突起131cと中央位置に形成されたリブ状突起131bとに挟まれた凹部は第2コイル巻回部132bになっている。
【0048】
コイルホルダ13において、4つの面132の各々には、第1コイル巻回部132a、および第2コイル巻回部132bの各々に対して、四角形の角部分を避けるように除去してなる矩形の貫通穴(貫通穴133a、133b)が形成されており、かかる貫通穴133a、133bは、コイルホルダ13の側面壁を内外方向で貫通している。このようにして、本形態では、コイルホルダ13の貫通穴133a、133bによって、移動体3の外周側面131で内側に凹む肉抜き部が構成されている。貫通穴133a、133bは、周方向においては、コイルホルダ13の外周側面131において隣接する角部分で挟まれた中央部分に、各面132の周方向の長さ寸法(四角形の辺の寸法)の約1/3の寸法で形成されている。このため、コイルホルダ13の角部分には、光軸Lの方向に向けて延びる肉厚の支柱部分134が同等の太さで形成されている。貫通穴133a、133bは、第1コイル巻回部132a、および第2コイル巻回部132bの幅方向(光軸Lの方向)の全体にわたって形成されているが、リブ状突起131a、131b、131cにかかるようには形成されていない。従って、貫通穴133a、133b(肉抜き部)は、コイルホルダ13(移動体3)の光軸Lの方向における途中部分のみに形成され、両端部を避けた位置に形成されている。
【0049】
このように構成したコイルホルダ13において、第1コイル巻回部132aにはレンズ駆動用コイル30sが巻回されており、第2コイル巻回部132bにはレンズ駆動用コイル30tが巻回されている。ここで、第1コイル巻回部132aおよび第2コイル巻回部132bは、光軸Lの方向からみたとき四角形であるため、レンズ駆動用コイル30s、30tはいずれも四角筒状に巻回されている。なお、4つのレンズ駆動用マグネット17はいずれも光軸方向において2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されているため、2つのレンズ駆動用コイル30s、30tにおける巻回方向は反対である。
【0050】
また、貫通穴133a、133bは、光軸Lの方向における長さ寸法は、第1コイル巻回部132a、および第2コイル巻回部132bの光軸Lの方向における長さ寸法と等しく、光軸Lの方向において、第1コイル巻回部132aおよび第2コイル巻回部132bの全体にわたって形成されているが、レンズ駆動用コイル30s、30tは、第1コイル巻回部132aおよび第2コイル巻回部132bの全体にわたって巻回され、貫通穴133a、133bの形成領域の全体を通っている。このため、貫通穴133a、133bは、外側で開口する部分がレンズ駆動用コイル30s、30tで塞がれている。また、コイルホルダ13のレンズホルダ収納穴130にはレンズホルダ12が装着されているため、貫通穴133a、133bのうち、光軸Lの方向の被写体側に位置する貫通穴133bは、内側で開口する部分がレンズホルダ12の上半部に形成された大径円筒部12bで塞がれている一方、光軸方向の撮像素子側に位置する貫通穴133aは、レンズホルダ12の下半部に形成された小径円筒部12aが対向している。
【0051】
このように構成したコイルホルダ13は、ケース18の内側に配置される。その結果、レンズ駆動用コイル30s、30tの4つの辺部は各々、ケース18の角筒状胴部184の内面に固着されたレンズ駆動用マグネット17に対向することになる。
【0052】
このように本形態では、コイルホルダ13に貫通穴133a、133b(肉抜き部)を設けることにより、移動体3の軽量化を図り、移動体3の推力を高めてある。また、貫通穴133a、133bは、コイルホルダ13の外周側面131の角部を避けた面132に形成されているため、コイルホルダ13の角部分には、光軸Lの方向に延びた肉厚部分が支柱部分134として形成される。このため、貫通穴133a、133bの形成によって、移動体3の軽量化を図った場合でも、移動体3は十分な強度を有することになる。また、コイルホルダ13の角部に貫通穴133a、133bに形成すると、レンズ駆動用コイル30s、30tを巻回した際、角部分でレンズ駆動用コイル30s、30tの形状が崩れ、レンズ駆動用コイル30s、30tを四角形に巻回できないが、本形態では、角部を避けた面132に貫通穴133a、133bが形成されているため、貫通穴133a、133bを通るようにレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回した場合でも、レンズ駆動用コイル30s、30tを四角形に巻回することができる。
【0053】
また、貫通穴133a、133bは、多角形の辺の中央部分に形成されているため、多角形の複数の角部分の各々に、光軸Lの方向に延びた肉厚の支柱部分134を同等の太さで形成できるので、移動体の周方向における重量バランスや強度バランスを好適に確保することができる。しかも、貫通穴133a、133bは、コイルホルダ13の光軸Lの方向における両端部を避けた途中部分に形成されているため、コイルホルダ13の両端が強度低下することを防止することができる。それ故、コイルホルダ13の周りにレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回する際、線材に十分な荷重をかけることができるので、レンズ駆動用コイル30s、30tを密に整列した状態に巻回できる分、十分な推力を得ることができる。
【0054】
(レンズ駆動機構の動作)
本形態の撮影ユニット1において、移動体3は、通常は撮像素子側(撮像素子側)に位置しており、このような状態において、レンズ駆動用コイル30s、30tに所定方向の電流を流すと、レンズ駆動用コイル30s、30tは、それぞれ上向き(前側)の電磁力を受けることになる。これにより、レンズ駆動用コイル30s、30tが固着された移動体3は、被写体側(前側)に移動し始めることになる。このとき、バネ部材14tと移動体3の前端との間、およびバネ部材14sと移動体3の後端との間には、移動体3の移動を規制する弾性力が発生する。このため、移動体3を前側に移動させようとする電磁力と、移動体3の移動を規制する弾性力とが釣り合ったとき、移動体3は停止する。その際、バネ部材14s、14tによって移動体3に働く弾性力に応じて、レンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流量を調整することで、移動体3を所望の位置に停止させることができる。
【0055】
このように本形態では、弾性力(応力)と変位量(歪み量)との間に線形関係が成立するバネ部材14s、14tを用いていることから、移動体3の移動量とレンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流との間のリニアリティを向上させることができる。また、2つのバネ部材14s、14tを用いていることから、移動体3が停止したときに光軸Lの方向に大きな釣り合いの力が加わることになり、光軸Lの方向に遠心力や衝撃力等の他の力が働いたとしても、より安定に移動体3を停止させることができる。さらに、撮影ユニット1では、移動体3を停止させるのに、衝突材(緩衝材)等に衝突させて停止させるのではなく、電磁力と弾性力との釣り合いを利用して停止させることとしているので、衝突音の発生を防ぐことも可能である。
【0056】
また、ケース18は、角筒状胴部184の上面に上板部185を備えた箱形状を有しているため、レンズ駆動用マグネット17とレンズ駆動用コイル30s、30tとの間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。従って、コイルホルダ13の移動量と、レンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流との間の推力を向上させることができる。また、撮影ユニット1を携帯電話に組み付けた場合、周囲の電子部品への漏れ磁束を低減できる。
【0057】
また、撮影ユニット1では、レンズ121は円形であるが、かかるレンズ形状に関係なく、レンズ駆動用コイル30s、30tは四角形であり、レンズ駆動用マグネット17は、支持体2において内周面が四角形に形成されたケース18の角筒状胴部184の辺に相当する複数の内面の各々に固着された平板状永久磁石である。このため、移動体3と支持体2との間において、移動体3の外周側に十分なスペースがない場合でも、レンズ駆動用コイル30s、30tとレンズ駆動用マグネット17との対向面積が広いので、十分な推力を発揮することができる。また、移動体3を光軸Lの方向からみたときに、移動体3の外周側面(コイルホルダ13の外周側面131)は、レンズ駆動用コイル30s、30tと同じ四角形であるため、移動体3の外周面(コイルホルダ13の外周側面131)にレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回するだけで、レンズ駆動用コイル30s、30tを四角形に巻回することができる。しかも、移動体3をレンズホルダ12とコイルホルダ13とに分割したので、コイルホルダ13にレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回した後、レンズホルダ12をレンズホルダ収納穴130に収納、装着した構成を採用することができ、レンズ駆動用コイル30s、30tを巻回する際、レンズ121を損傷する等の事態を回避することができる。
【0058】
また、撮影ユニット1の移動体3には、レンズ駆動用マグネット17より光軸方向における被写体側位置にレンズ駆動用マグネット17との間に磁気吸引力を発生させる磁性片61が保持されているため、移動体3の光軸方向の位置を高い精度で制御できる。それ故、撮影ユニット1では、レンズ121の光軸方向の位置をセンサなどで監視してフィードバックする制御を行なう必要がない。なお、移動体3に磁性片61を設けた場合、あるいは移動体3に磁性片61を設けない場合のいずれにおいても、レンズ121の光軸方向の位置をセンサなどで監視してフィードバックする制御を行なってもよい。
【0059】
なお、上記形態において、光軸Lの方向からみたとき、角筒状胴部184およびレンズ駆動用コイル30s、30tが四角形であったが、略四角形であってもよい。すなわち、角筒状胴部184およびレンズ駆動用コイル30s、30tについては、四角形の角が丸まっている形状であってもよく、さらには、四角形の角が直線的に削られて例えば八角形になっているが、角部分で削れた部分が短くて四角形と同様な形状になっている構成でもよい。また、上記形態では、角筒状胴部184およびレンズ駆動用コイル30s、30tが四角形であったが、角筒状胴部およびコイルの形状については、多角形であれば、四角形に限らず、六角形や八角形等であってもよく、また、レンズ駆動用マグネット17については、ヨークの角筒状胴部の全ての面に固定されている構成の他、周方向において1つおきに位置する面に固定されている構成を採用してもよい。さらに、上記形態では、コイルホルダ13の外周形状も多角形であったが、コイルホルダ13が円筒形であって、その外周側面に形成した突起等を利用して、多角形に巻回したレンズ駆動用コイル30s、30tをコイルホルダ13の外周側面に固定した構造を採用してもよい。
【0060】
上記形態では、移動体3をレンズホルダ12とコイルホルダ13とに分割し、レンズホルダ12の胴部に対して、移動体3の側壁部分の一部を除去してなる凹部あるいは穴からなる肉抜き部を構成する貫通穴133a、133bを形成したが、レンズホルダ12の胴部に対して、その一部を除去してなる凹部あるいは穴を形成し、かかる凹部あるいは穴を肉抜き部として利用してもよい。
【0061】
上記形態では、移動体3をレンズホルダ12とコイルホルダ13とに分割したが、一部品として移動体を構成してもよく、この場合でも、移動体3の外周側面あるいは内周側面に対して、その一部を除去してなる凹部あるいは穴を肉抜き部として形成すれば、移動体3の軽量化を図ることができる。この場合の肉抜き部の形成位置等についても、上記形態において、レンズホルダ12に貫通穴133a、133bを形成した際に角部を避ける等の構成を採用することが好ましい。
【0062】
(振れ補正機構の構成)
再び図1(a)、(b)および図2において、本形態の撮影用光学装置200では、振れ補正機構を構成するにあたって、まず、ベース220の上面中央には、半球状に突出したピボット部225が形成されている。ピボット部225の上端部は、撮影ユニット1のプレート151の中心に当接しており、光軸L上に位置している。このため、撮影ユニット1は、ピボット部225によって、X軸方向、Y軸方向、およびX軸方向とY軸方向とに挟まれた方向のいずれにも揺動可能である。また、ピボット部225は軸状に形成してもよいが、半球状の突起であれば、撮影用光学装置200の光軸Lの方向における寸法を短くすることができる。また、プレート151においてピボット部225が当接する部部は円錐状に凹んだ凹部としてもよい。さらに、ピボット部については撮影ユニット1の側に形成してもよい。
【0063】
また、本形態では、ベース220と撮影ユニット1のプレート151との間には、撮影ユニット1をピボット部225に向けて付勢する付勢手段として、平面形状が矩形のジンバルバネ280が配置されている。かかるジンバルバネ280は、リン青銅、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。
【0064】
ジンバルバネ280は、撮影ユニット1のプレート151の下面に連結される矩形枠状の内周側連結部281と、固定体210のうち、ベース220の各角部分で上方に突出する受け部226に連結される矩形枠状の外周側連結部285と、内周側連結部281から互いに周方向の同一方向に延在して外周側連結部285に繋がる4本のアーム部287とを備えており、内周側連結部281と外周側連結部285とは辺同士が平行となるように構成されている。本形態において、4本のアーム部287はいずれも、内周側連結部281の辺部のうち、一方側端部付近で内周側連結部281に繋がっているとともに、内周側連結部281の辺部との連結部分から、内周側連結部281の他方側端部に向けて辺部に平行に延在して外周側連結部285に繋がっている。また、本形態のジンバルバネ280において、内周側連結部281および外周側連結部285は平面形状が正方形であるため、4本のアーム部287は互いに同一の形状およびサイズをもって光軸周りに等角度間隔に配置された構造になっている。このため、4本のアーム部287はいずれも90度、180度、270度で回転対称を有している。
【0065】
かかるジンバルバネ280においては、撮影ユニット1のプレート151にピボット部225の上端部が当接しているので、内周側連結部281は、ピボット部225の突出寸法分だけ、外周側連結部285よりも被写体側に位置する。このため、アーム部287は、内周側端部が外周側端部よりも被写体側に位置するように変形している。従って、アーム部287の形状復帰力によって、撮影ユニット1は、ピボット部225に向けて付勢されている。
【0066】
さらに、本形態では、ピボット部225を支点にして撮影ユニット1を揺動させる磁気力を発生させる振れ補正用の撮影ユニット駆動機構として、撮影ユニット1と固定体210との間には、ピボット部225を支点にして撮影ユニット1をX軸周りに揺動させる第1撮影ユニット駆動機構250xと、ピボット部225を支点にして撮影ユニット1をY軸周りに揺動させる第2撮影ユニット駆動機構250yとが構成されており、かかる第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの構成を以下に説明する。
【0067】
まず、撮影ユニット1において支持体2の外周面には、ヨーク16の角筒状の胴部164が固定されている。ヨーク16において胴部164の被写体側端部には外周側に広がるフランジ部166が形成されている。また、ヨーク16において胴部164の撮像素子155の側に位置する端部は内側に小さく折れ曲がっており、かかる折れ曲がり部分167の下面には、ヨーク16の一部を構成する矩形枠状の磁性板168が固定されている。
【0068】
このようにして、ケース18の角筒状胴部184とヨーク16の胴部164とによって移動体3を外周側で囲むカバー部150が形成され、かかるカバー部150の4つの内周側面(ケース18の角筒状胴部184の内周側面)の各々にレンズ駆動用マグネット17が保持されている。また、カバー部150の4つの外周側面(ヨーク16の胴部164の外周側面)のうち、Y軸方向で相対向する2つの外周側面の各々には、第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する矩形板状の撮影ユニット駆動用マグネット240xが保持され、X軸方向で相対向する他の2つの外周側面の各々には、第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する矩形板状の撮影ユニット駆動用マグネット240yが保持されている。
【0069】
撮影ユニット駆動用マグネット240xと撮影ユニット駆動用マグネット240yとしては同一構成のマグネットを用いることができ、本形態では、いずれも矩形の平板状永久磁石がからなる。また、撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yのいずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。例えば、撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yのいずれにおいても、外面側がN極に着磁され、内面側がS極に着磁されている。
【0070】
なお、撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yの着磁方向は上記のパターンだけでなく、本実施例において、対向する一方のマグネットの内面側がN極同士(外面側がS極同士)、また他方のマグネットの内面側がS極同士(内面側がN極同士)であってもよい。
【0071】
次に、撮影ユニット1の外周側では、4枚の板状のコイル保持部材260が撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yに対向するように配置されており、本形態において、4枚のコイル保持部材260は、下端側の突出部262がベース220の辺部に形成された切り欠き223に嵌った状態で固定カバー230の角筒状の胴部235の4つの内周側面に固定されている。コイル保持部材260としては、非磁性材料からなるものが用いられている。
【0072】
4枚のコイル保持部材260のうち、Y軸方向で相対向する2枚のコイル保持部材260の各々の内面には、角筒状に巻回された撮影ユニット駆動用コイル230xが保持されており、撮影ユニット駆動用コイル230xは、撮影ユニット駆動用マグネット240xに対して内外方向で対向している。また、撮影ユニット駆動用マグネット240xの外側端部は、撮影ユニット駆動用コイル230xの内側に入り込んだ状態にあり、撮影ユニット駆動用マグネット240xは、撮影ユニット駆動用コイル230xの各辺に対して、撮影ユニット駆動用コイル230xの内側から外側に鎖交する磁界を形成している。
【0073】
このようにして本形態では、撮影ユニット駆動用コイル230xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240xによって、Y軸方向においてピボット部225を間に挟んで対向する2箇所で対になって撮影ユニット1をX軸周りに揺動させる第1撮影ユニット駆動機構250xが構成されており、第1撮影ユニット駆動機構250xにおいて、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xは、通電されたときに撮影ユニット1をX軸周りの同一方向に磁気駆動力を発生するように配線接続されている。従って、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xに通電されたときにピボット部225を通るX軸周りにおいて同一方向のモーメントを撮影ユニット1に印加するプッシュ・プル構成を有している。例えば、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xの一方が、図2に矢印A1で示すモーメントを撮影ユニット1に印加するとき、他方は、図2に矢印A2で示すモーメントを撮影ユニット1に印加する。なお、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xにおいて、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xの接続方法によっては、2つの撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向を相違させて、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xをプッシュ・プル構成としてもよい。
【0074】
また、4枚のコイル保持部材260のうち、X軸方向で相対向する2枚のコイル保持部材260の各々の内面には、角筒状に巻回された撮影ユニット駆動用コイル230yが保持されており、撮影ユニット駆動用コイル230yは、撮影ユニット駆動用マグネット240yに対して内外方向で対向している。また、撮影ユニット駆動用マグネット240yの外側端部は、撮影ユニット駆動用コイル230yの内側に入り込んだ状態にあり、撮影ユニット駆動用マグネット240yは、撮影ユニット駆動用コイル230yの各辺に対して、撮影ユニット駆動用コイル230yの内側から外側に鎖交する磁界を形成している。
【0075】
このようにして、本形態では、撮影ユニット駆動用コイル230yおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yによって、X軸方向においてピボット部225を間に挟んで対向する2箇所で対になって撮影ユニット1をY軸周りに揺動させる第2撮影ユニット駆動機構250yが構成されており、第2撮影ユニット駆動機構250yにおいて、2つの撮影ユニット駆動用コイル230yは、通電されたときに撮影ユニット1をY軸周りの同一方向に磁気駆動力を発生するように配線接続されている。従って、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yは、2つの撮影ユニット駆動用コイル230yに通電されたときにピボット部225を通るY軸周りにおいて同一方向のモーメントを撮影ユニット1に印加するプッシュ・プル構成を有している。なお、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yにおいて、2つの撮影ユニット駆動用コイル230yの接続方法によっては、2つの撮影ユニット駆動用マグネット240yの着磁方向を相違させて、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yをプッシュ・プル構成としてもよい。
【0076】
さらに、本形態では、コイル保持部材260の内面には、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの内側に、ゴムなどの弾性体からなる平板状の緩衝部材268が固定されており、かかる緩衝部材268は、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとの間に所定の隙間を介して、内外方向で対向している。かかる緩衝部材268は、撮影用光学装置200に衝撃が加わって撮影ユニット1がZ軸方向と交差する方向に変位した際、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが当たって衝撃を吸収する機能を担っている。
【0077】
(振れ補正動作)
このように構成した撮影用光学装置200を搭載したカメラ付き携帯電話機では、撮影の際の手振れを検出するためのジャイロセンサなどの手振れ検出センサ(図示せず)が搭載されており、かかる手振れ検出センサでの検出結果に基づいて、カメラ付き携帯電話機に搭載された制御部は、撮影ユニット駆動用コイル230x、および撮影ユニット駆動用コイル230yの一方あるいは双方に通電を行い、撮影ユニット1をX軸周りおよびY軸周りの一方および双方において揺動させる。かかる揺動を合成すれば、XY面全体に対して撮影ユニット1を揺動させたことになる。それ故、カメラ付き携帯電話などで想定される全ての手振れを確実に補正することができる。
【0078】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の撮影用光学装置200では、ピボット部225を介して撮影ユニット1が固定体210に対して揺動可能に支持された構造とするとともに、撮影ユニット1と固定体との間に、撮影ユニット1を揺動させる撮影ユニット駆動機構(第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250y)を設けてあるため、撮影用光学装置200を搭載したカメラ付き携帯電話などで撮影を行なう際、手振れが発生したときでも、かかる手振れを撮影ユニット1の揺動によって補正することができる。従って、撮影ユニット1に振れ補正機構を内蔵させる必要がないので、撮影ユニット1が小型ゆえに撮影ユニット1内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。
【0079】
また、本形態では、Y軸方向においてピボット部225を間に挟む両側2箇所に2つが対になった第1撮影ユニット駆動機構250xを配置するとともに、X軸方向においてピボット部225を間に挟む両側2箇所に2つが対になった第2撮影ユニット駆動機構250yを配置してある。また、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは各々、撮影ユニット1を同一方向に揺動させる磁気力を発生させ、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yは各々、撮影ユニット1を同一方向に揺動させる磁気力を発生させる。このため、ピボット部225に対して片側のみに第1撮影ユニット駆動機構250xを配置した構成や、ピボット部225に対して片側のみに第2撮影ユニット駆動機構250yを配置した構成と違って、駆動能力が安定しているので、手振れを精度よく補正することができる。
【0080】
すなわち、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xのうち、一方の第1撮影ユニット駆動機構250xのピボット軸225からの距離が、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第1撮影ユニット駆動機構250xのピボット軸225からの距離が、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるので、第1撮影ユニット駆動機構250xは駆動能力が安定している。同様に、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yのうち、一方の第2撮影ユニット駆動機構250yのピボット軸225からの距離が、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第2撮影ユニット駆動機構250yのピボット軸225からの距離が、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるので、第2撮影ユニット駆動機構250yは駆動能力が安定している。
【0081】
また、第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240xと撮影ユニット駆動用コイル230xとの位置関係が2つの第1撮影ユニット駆動機構250xの一方で、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第1撮影ユニット駆動機構250xでは、一方の第2撮影ユニット駆動機構250xでの撮影ユニット駆動用マグネット240xと撮影ユニット駆動用コイル230xとの位置ずれを補正する方向、すなわち、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるため、第1撮影ユニット駆動機構250xは駆動能力が安定している。同様に、第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240yと撮影ユニット駆動用コイル230yとの位置関係が2つの第2撮影ユニット駆動機構250yの一方で、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第2撮影ユニット駆動機構250yでは、一方の撮影ユニット駆動機構250yでの撮影ユニット駆動用マグネット240yと撮影ユニット駆動用コイル230yとの位置ずれを補正する方向、すなわち、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるため、第2撮影ユニット駆動機構250yは駆動能力が安定している。
【0082】
本形態において、撮影ユニット1をピボット部225に向けて押圧するジンバルバネ280は、内周側連結部281から互いに周方向の同一方向に延在して外周側連結部285に繋がる複数本のアーム部287を備えているため、点対称である。このため、ジンバルバネ280は、全ての方位において向けて略均一な付勢力を発揮するので、撮影ユニット1の姿勢が安定しているとともに、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yに対する制御が極めて容易である。また、アーム部287が周方向の同一方向に延在しているので、アーム部287を長く延在させることができるので、ジンバルバネ280は、撮影ユニット1の可動範囲の全域にわたってリニアリティの高い付勢力を発揮するので、その点からしても、第1撮影ユニット駆動機構250x、および第2撮影ユニット駆動機構250yに対する制御を複雑にしなくても手振れを確実に補正することができる。
【0083】
本形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yのいずれにおいても、可動体側である撮影ユニット1側にマグネット(撮影ユニット駆動用マグネット240x、240y)が保持され、固定体210側にコイル(撮影ユニット駆動用コイル230x、230y)が保持されているので、可動体側である撮影ユニット1に対する配線数が少なくてよいので、配線構造を簡素化することができる。また、固定体210側であれば、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの巻回数を多くすることができるので、大きな駆動力を発揮することができる。さらに、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yおよび撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yのうち、質量の小さな撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yの方を、可動体側である撮影ユニット1の方に設けたため、撮影ユニット1の軽量化を図ることができる。それ故、小さな力で撮影ユニット1を揺動させることができるので、振れ補正に要する消費電力を削減することができる。また、本形態によれば、手振れに対する応答性に優れているという利点もある。
【0084】
本形態において、撮影ユニット1の支持体2、移動体3を外周側で囲むカバー部150を備え、このカバー部150の内周面にレンズ駆動用マグネット17が保持され、カバー部150の外周面に撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが保持されている構造になっているため、レンズ駆動機構5と撮影ユニット駆動機構(第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250y)との間の磁気的な干渉を防止することができる。
【0085】
[実施の形態2]
図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る撮影用光学装置に用いたコイル保持部材の構成を示す説明図、およびこの撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。なお、実施の形態2に係る撮影用光学装置は、実施の形態1に係る撮影用光学装置撮影と共通する部分を備えているので、共通する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0086】
上記実施の形態1では、コイル保持部材260として開口部が形成されていない板材からなるものを用いたが、本形態では、図5(a)、(b)に示すように、コイル保持部材260が磁性材料で形成され、かつ、コイル保持部材260において撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの内側に位置する部分には貫通穴からなる開口部265が形成されている。かかる開口部265は、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yに対して外側で対向している。このような構成を採用すると、コイル保持部材260がコイル230x、230yのバックヨーク(固定体側ヨーク)として機能する。従って、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが発生させる磁界が撮影ユニット駆動用コイル230x、230yと交鎖する度合いを高めることができるので、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの駆動効率を高めることができる。
【0087】
なお、図5(a)、(b)に示す例では、図1および図2に示す緩衝部材268が省略されている例を示したが、図5(a)、(b)に示す例でも、図1および図2に示す緩衝部材268を設けてもよい。
【0088】
[別の実施の形態]
図6(a)、(b)は各々、本発明の別の実施の形態に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。なお、本形態に係る撮影用光学装置は、実施の形態1に係る撮影用光学装置撮影と共通する部分を備えているので、共通する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0089】
まず、実施の形態1では、図1(a)、(b)に示すように、固定カバー230として、天板部234を備えたものを用いたが、図6(a)、(b)に示すように、天板部234を有しない固定カバー230を用いてもよい。
【0090】
また、実施の形態1では、図1(a)、(b)に示すように、外周側に張り出したフランジ部166を備えたヨーク16を用いたが、図6(a)、(b)に示すように、フランジ部166を備えていないヨーク16を用いてもよく、また、上板部167を備えたヨーク16を用いてもよい。
【0091】
また、実施の形態1では、図1(a)、(b)に示すように、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yをコイル保持部材260によって支持したが、図6(a)、(b)に示すように、コイル保持部材260を用いずに、固定カバー230の側板部235の内面に固着した構成を採用してもよい。
【0092】
[磁束漏れ対策1]
上記の実施の形態1、2などでは、固定カバー230およびベース220について、それを形成する材料は特に規定されていないが、固定カバー230全体およびベース220全体を磁性材料から形成すれば、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yを磁性体で覆った状態になるため、外部への磁束漏れを防止することができる。また、外部の磁束が第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yに侵入して、撮影ユニット1の姿勢に影響を与えることを低減できる。
【0093】
ここで、固定カバー230を磁性材料から形成すると、撮影ユニット1に取り付けられている撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと固定カバー230との間に磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力が、振れ補正機構による撮影ユニット1の変位に影響を及ぼすことがある。
【0094】
このような磁気吸引力を緩和するための構成としては、図1を参照して説明した固定カバー230に代えて、図6に示すように、天板部234を備えていない固定カバー230を用いればよい。このように構成すると、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと固定カバー230の天板部234との間に発生する磁気吸引力を解消することができる。それ故、撮影ユニット1にZ軸方向に向かう余計な付勢力が発生しない。また、天板部234を備えていない固定カバー230であれば、撮影用光学装置200の組み立ての際、被写体側から固定カバー230と撮影ユニット1の間の隙間を画像センサなどでモニタリングし、双方の位置関係を確認しながら作業することができ、位置精度の高い組み立てが可能になる。
【0095】
また、図1を参照して説明した固定カバー230のように、天板部234を備えている場合であっても、周方向で隣接する撮影ユニット駆動用マグネット240xと撮影ユニット駆動用マグネット240yにおいて、周方向で隣接する部分の磁極を相違させてもよい。このように構成した場合、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと固定カバー230の天板部234との間に発生する磁気吸引力を低減することができる。それ故、撮影ユニット1にZ軸方向に向かう余計な付勢力を低減することができる。
【0096】
[磁束漏れ対策2]
図7は、本発明を適用した撮影用光学装置に対する磁束漏れ対策を示す説明図である。
【0097】
上記の磁束漏れ対策1では、固定カバー230全体を磁性材料によって構成したが、図7に示すように、固定カバー230の一部分を磁性材料とし、他の部分を非磁性材料としてもよい。すなわち、図7に示す固定カバー230においては、光軸Lと直交する方向から見たときに、少なくとも撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが移動する範囲全体の外側の部分230a(図中の斜線部分)を磁性材料とし、他の部分230bを非磁性材料としてある。このため、固定カバー230は、非磁性材料からなる第1カバー部分(部分230b)と、磁性材料からなる第2カバー部分(部分230a)とを備えており、固定カバー230において可動モジュール駆動用マグネット240x、240yの磁束領域内に位置する部分は磁性体からなる。
【0098】
このように構成しても、固定カバー230の磁性材料からなる部分230aが撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yおよび撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの外側を覆っているため、外部への磁束漏れを防止することができる。また、外部の磁束が第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yに影響を及ぼすことを防止することができる。また、固定カバー230において磁性体からなる部分230bが集磁ヨークとして働くので、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yに鎖交する鎖交磁束が増える。このため、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yが撮影ユニット1の姿勢を補正する際に大きな推力を得ることができるので、振れに対する補正の応答性を向上することができる。
【0099】
なお、磁性材料から形成されている部分と非磁性材料から形成されている部分は別部品として形成し、組み合わせて固定カバー230を構成するようにすることもできるし、一体成形品とすることもできる。
【0100】
また、固定カバー230の本体部分全体を非磁性材料とし、かかる本体部分に対して、磁性板を貼り付けて、磁性材料からなる部分230aを構成してもよい。かかる磁性板としては、鉄などの周知の材質からなるものを用いることができる。このように構成すると、撮影用光学装置200を組み立てた後、磁性板と撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとの間に発生する磁気吸引力を利用して、撮影ユニット1の姿勢を調整することができる。
【0101】
[磁束漏れ対策3]
図8は、本発明を適用した撮影用光学装置に対する別の磁束漏れ対策を示す説明図である。上記の磁束漏れ対策1では、固定カバー230を利用した例であったが、ヨーク16(可動モジュール側ヨーク)を利用して、磁束漏れ対策を行なってもよい。本形態では、図8に示すように、ヨーク16の形状を変更することにより、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yから外部への磁束漏れを防止するとともに、外部から侵入する磁束の影響を阻止する。
【0102】
すなわち、本形態では、図8に示すように、ヨーク16は、被写体側の矩形の天板部161と、天板部161の外周縁から後側に延びる4つの側板部162と、側板部162の下端縁で外周側に屈曲した中継板部分197と、中継板部分197の外周縁から前側に屈曲したコイル側集磁ヨーク部分198とを備えている。
【0103】
ここで、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yは、側板部162の外面に固定されている。また、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yは光軸Lと直交する方向において、コイル側集磁ヨーク部分198と撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとの間に配置されており、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yとコイル側集磁ヨーク部分198との間、および撮影ユニット駆動用コイル230x、230yと撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとの間には隙間が空いている。
【0104】
このように構成した場合も、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yおよび撮影ユニット駆動用コイル230x、230yは、ヨーク16によって囲まれている。このため、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yから外部への磁束漏れを防止するとともに、外部から侵入する磁束の影響を阻止することができる。また、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yに鎖交する鎖交磁束が増える。従って、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yが撮影ユニット1の姿勢を補正する際に、大きな推力を得ることができるので、応答性が向上する。
【0105】
ここで、撮影ユニット1が揺動する中心がZ軸方向において撮影ユニット1よりも下側にある場合には、各撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの縦断面形状を下側の長い台形形状としておき、可動ユニットが揺動する中心がZ軸方向において可動ユニットと重なる範囲にある場合には、各撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの縦断面形状を長方形にしておく。
【0106】
上記構成は、固定カバー230の側板部235が磁性体からなる場合、および非磁性体からなる場合の双方に適用することができる。なお、図8に示す状態に撮影ユニット駆動用コイル230x、230yを保持するにあたっては、固定カバー230の側からコイル保持部を延在させればよい。
【0107】
[他の実施の形態]
上記形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yのいずれにおいても、可動体側である撮影ユニット1側にマグネット(撮影ユニット駆動用マグネット240x、240y)が保持され、固定体210側にコイル(撮影ユニット駆動用コイル230x、230y)が保持されている構成を採用したが、可動体側である撮影ユニット1側に撮影ユニット駆動用コイルが保持され、固定体210側に撮影ユニット駆動用マグネットが保持されている構成を採用してもよい。
【0108】
上記形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xによって撮影ユニット1をX軸周りに揺動させ、第2撮影ユニット駆動機構250yによって撮影ユニット1をY軸周りに揺動させたが、第1撮影ユニット駆動機構250xによって撮影ユニット1をY軸周りに揺動させ、第2撮影ユニット駆動機構250yによって撮影ユニット1をX軸周りに揺動させてもよい。
【0109】
また、上記形態では、撮影ユニット1に対して第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの双方を設けたが、ユーザーが使用する際、手振れが発生しやすい方向の振れのみを補正するように、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの一方のみを設けた場合に本発明を適用し、ピボット部225を挟む両側に2つで対をなすように、第1撮影ユニット駆動機構250x、あるいは第2撮影ユニット駆動機構250yの一方のみを設けてもよい。
【0110】
上記形態では、レンズ駆動用コイル30s、30tが四角筒状で、レンズ駆動用マグネット17が平板状である撮影ユニット1を用いた撮影用光学装置200に本発明を適用したが、レンズ駆動用コイル30s、30tが円筒状で、ケース18が四角筒状で、ケース18の角部分にレンズ駆動用マグネット17を配置した構成の撮影ユニットを用いた撮影用光学装置に本発明を適用してもよい。
【0111】
また、上記形態では、付勢手段として、互いに周方向の同一方向に直線的に延在する複数本のアーム部287を備えたジンバルバネ280を用いたが、複数本のアーム部287が同一方向に延在する構成であれば、アーム部287が湾曲しながら延在している構成を採用してもよい。
【0112】
上記形態では、カメラ付き携帯電話機に用いる撮影用光学装置200に本発明を適用した例を説明したが、薄型のデジタルカメラなどに用いる撮影用光学装置200に本発明を適用した例を説明してもよい。また、上記形態では、撮影ユニット1にレンズ121や撮像素子155に加えて、レンズ121を含む移動体3を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構5が支持体2上に支持されている例を説明したが、撮影ユニット1にレンズ駆動機構5が搭載されていない固定焦点タイプの撮影用光学装置に本発明を適用してもよい。また、上記形態では、可動モジュールとして、レンズおよび撮像素子を備えている撮影ユニット1を説明したが、本発明は可動モジュールとして少なくともレンズを備えている光学ユニットに適用することができ、このような光学ユニットには、例えば、レーザポインタや、携帯用や車載用の投射表示装置などがある。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。
【図3】(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置に用いた撮影ユニットを斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。
【図4】図3に示す撮影ユニットの動作を模式的に示す説明図である。
【図5】(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る撮影用光学装置に用いたコイル保持部材の構成を示す説明図、およびこの撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。
【図6】(a)、(b)は各々、本発明の別の実施の形態に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。
【図7】本発明を適用した撮影用光学装置に対する磁束漏れ対策を示す説明図である。
【図8】本発明を適用した撮影用光学装置に対する別の磁束漏れ対策を示す説明図である。
【符号の説明】
【0114】
1 撮影ユニット(可動モジュール)
2 支持体
3 移動体
5 レンズ駆動機構
12 レンズホルダ
13 コイルホルダ
14s、14t バネ部材
17 レンズ駆動用マグネット
16 ヨーク
19 撮像素子ホルダ
30s、30t レンズ駆動用コイル
61 磁性片
150 カバー部
155 撮像素子
200 撮影用光学装置(振れ補正機能付き光学ユニット)
210 固定体
225 ピボット部
230x、230y 撮影ユニット駆動用コイル
240x、240y 撮影ユニット駆動用マグネット
250x 第1撮影ユニット駆動機構
250y 第2撮影ユニット駆動機構
260 コイル保持部材
265 コイル保持部材の開口部
280 ジンバルバネ(付勢手段)
281 内周側連結部
285 外周側連結部
287 アーム部
L 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともレンズが支持体上に支持された可動モジュールと、
該可動モジュールを支持する固定体と、
を有し、
前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記固定体において前記可動モジュールを揺動可能に支持するピボット部と、該ピボット部を支点にして前記可動モジュールを同一方向に揺動させる磁気力を、前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させる振れ補正用の可動モジュール駆動機構と、を有していることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記可動モジュールは付勢手段によって前記ピボット部に押圧されており、
当該付勢手段は、前記可動モジュールに連結される内周側連結部と、前記固定体に連結される外周側連結部と、前記内周側連結部から互いに周方向の同一方向に延在して前記外周側連結部に繋がる複数本のアーム部とを備えたジンバルバネであることを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
少なくともレンズが支持体上に支持された可動モジュールと、
該可動モジュールを支持する固定体と、
を有し、
前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記固定体において前記可動モジュールを揺動可能に支持するピボット部と、前記可動モジュールを前記ピボット部に向けて押圧する付勢手段と、前記ピボット部を支点にして前記可動モジュールを揺動させる磁気力を発生させる振れ補正用の可動モジュール駆動機構と、を有し、
前記付勢手段は、前記可動モジュールに連結される内周側連結部と、前記固定体に連結される外周側連結部と、前記内周側連結部から互いに周方向の同一方向に延在して前記外周側連結部に繋がる複数本のアーム部とを備えたジンバルバネであることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記可動モジュール駆動機構は、前記ピボット部を支点にして前記可動モジュールを同一方向に揺動させる磁気力を、前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させることを特徴とする請求項3に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、前記光軸に沿う方向をZ軸としたとき、
前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記可動モジュール駆動機構として、X軸、Y軸およびZ軸のうちの2つの軸線周りに揺動させる磁気駆動力を発生させる2組の可動モジュール駆動機構が構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記2組の可動モジュール駆動機構は、Y軸方向において前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸およびY軸のうちの一方の軸線周りに揺動させる磁気駆動力を発生させる第1可動モジュール駆動機構と、X軸方向において前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸およびY軸のうちの他方の軸線周りに揺動させる磁気駆動力を発生させる第2可動モジュール駆動機構と、からなることを特徴とする請求項5に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
前記可動モジュールは、前記支持体上に撮像素子を備えた撮影ユニットであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項8】
前記レンズは、光軸方向に移動可能に前記支持体上に支持された移動体に含まれ、
前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持されていることを特徴とする請求項7に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項9】
前記可動モジュール駆動機構は、前記ピボット部を間に挟んで対向する2箇所の各々に、前記可動モジュールおよび前記固定体のうちの一方側に保持された可動モジュール駆動用マグネットと、他方側に保持された可動モジュール駆動用コイルと、を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項10】
前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記可動モジュール側に保持され、
前記可動モジュール駆動用コイルは、前記固定体側に保持されていることを特徴とする請求項9に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項11】
前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持されており、
前記可動モジュール駆動機構は、前記可動モジュール側に保持された可動モジュール駆動用マグネットと、前記固定体側に保持された可動モジュール駆動用コイルとを備え、
前記可動モジュールは、前記移動体を外周側で囲むカバー部を備え、
前記レンズ駆動機構は、前記移動体の外周面に保持されたレンズ駆動用コイルと、前記カバー部の内周面に保持されたレンズ駆動用マグネットとを備え、
前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記カバー部の外周面に保持されていることを特徴とする請求項7に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項12】
前記移動体には、前記レンズ駆動用マグネットより光軸方向における被写体側位置に当該レンズ駆動用マグネットとの間に磁気吸引力を発生させる磁性片が保持されていることを特徴とする請求項8または11に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項13】
前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構を外周側で覆う固定カバーを有し、
当該固定カバーにおいて前記光軸と直交する方向から見たときに、前記可動モジュール駆動用マグネットの外側で少なくとも当該可動モジュール駆動用マグネットの磁束領域内に位置する部分は、磁性体からなることを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項14】
前記固定カバーは、非磁性材料からなる第1カバー部分と、前記磁性体からなる第2カバー部分とを備えていることを特徴とする請求項13に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項15】
前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構の外周側を磁性体部分で覆う固定カバーを有し、
前記可動モジュール駆動用マグネットにおいて前記光軸周りに隣接している可動モジュール駆動用マグネット同士は、前記光軸周りに隣接する位置の磁極が相違していることを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項16】
前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動用マグネットを保持している可動モジュール側ヨークを備え、
前記可動モジュール側ヨークは、前記可動モジュール駆動用マグネットの外面に対向する位置まで屈曲して延在したコイル側集磁ヨーク部分を備えていることを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−288769(P2009−288769A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334723(P2008−334723)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】