説明

振動履物装置及び振動履物装置と共に使用するエンタテインメントシステム

【解決手段】本願の実施形態によるエンタテインメント体験を強化する履物装置は、履物装置内に装着され、エンタテインメント体験に含まれる再生音声の指示に基づいて履物装置に振動を与えるように動作可能な第一のアクチュエータを含む。振動信号は、履物装置の振動を駆動するために提供され、再生可聴情報及び/又は振動を最大化するように最適化された強化情報に基づき得る。本願は、更に、振動履物装置と共に使用するエンタテインメントシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、出典を明記することによりその全体を本願明細書の一部とする2007年6月18日提出の米国仮特許出願第60/936,115号「音声作動式振動履物装置」の利益及び優先権を主張する。
【0002】
本開示は、振動履物装置と、エンタテインメント体験の知覚を強化するために振動履物装置と共に使用するエンタテインメントシステムに関する。具体的には、振動履物装置は、エンタテインメント体験を強化するために地面振動の感覚を再現する振動を提供するように動作可能な少なくとも一つのアクチュエータを含む。振動は、実際の事象において存在するであろうものに類似した、地面から響く疑似フォースフィードバックを提供し、例えば、音楽を聴く、映画を見る、テレビゲームをするといった体験を飛躍的に向上させる。この装置は、音声イベントを頭部領域外へ広げ、没入体感式の携帯型の体験を身体に引き起こす。
【背景技術】
【0003】
現在、MP3再生機、携帯DVD再生機、更には、記録された音楽又は映画を格納及び/又は再生可能な携帯電話を含め、消費者が利用できる広範な携帯エンタテインメント機器が存在する。こうした機器の大部分は、従来のイヤフォンを介して使用者にステレオ音声を提供する。イヤフォンは適切な音声を提供するが、音声を耳という一種類の感覚チャネルのみに狭小に集中させる限定された機能性を考えると、通常は、完全に満足のいく知覚体験を提供できていない
【0004】
人間は耳を介して相当量のピッチ及び定位情報を集めるが、自分が聴いている音声を増強するために他の感覚に依存している。数千年にわたって、地面の震動は、聴覚を増強してきた。即ち、多くの状況では、音を聞く際にも、それに付随すると共に、多くの場合には必須である付加情報をもたらす不可聴の振動を同時に感知している。実際、人間の皮膚及び筋肉組織も、音響エネルギの波に敏感であり、聞いている音声に関する付加情報を提供する。例えば、平原の上の古代人が、殺到する動物の通り道にいるとする。こうした殺到の音声は聞こえるが、個人に自分の危険状態を認識させるものは、殺到に付随して付加情報を提供する触覚的な振動である。即ち、個人の脚部の神経受容体を介して感知された地面振動の力が、近づく危険に関する付加情報を提供している。
【0005】
別の例では、例えば、図1に示したように、観察者5が、噴火する火山8の近くにいるとする。噴火による音波は、自然に観察者の耳に届く。しかしながら、噴火の力は、参照符号9により示したように、観察者の下の地面の振動を引き起こし、観察者の左右の脚部6、7を介して同様に感じることが可能となる。こうした振動は、観察者の脚部10を上方へ伝わると共に、更に胴体から脳12へ伝わる神経インパルスも引き起こす。次に、脳は、可聴音声を、感じられた振動と一致させ、観察者自身が置かれた状況の明確なイメージを提供する。耳に対する再生音声では、上述した没入的体験を再現することは不可能である。
【0006】
特に、人体は、こうした振動を主に脚部を介して感知するように発達している。当然ながら、体の他の部分も振動に対して敏感であるが、人間は、脚部がこうした振動に関する情報を収集する主要なソースとなるように進化してきた。脚部は一般に地面と最も緊密に接触し、こうした振動の伝達にとって良好な媒体でもあるため、こうした発達は、当然のものである。実際に、殆どの人が靴を履く現代社会においても、意識することなく、人間は膨大な量の上方を脚部により感知した振動から収集している。観察者の近くに物体が落下する単純なケースを考えてみる。観察者は、可聴音声に基づいて、物体がどこに落下したかについて何らかの考えを得られる一方、床の振動は、観察者による物体の正確な特定を支援可能なフォースフィードバック情報を提供する。したがって、立体場を耳で聞くことにより音源の位置を特定し得るだけでなく、脚部の神経受容体も、補助知覚により落下した物体の方向、大きさ、及び重量を判断することを助ける。我々人間は、同時的に協調された複数の感覚「チャネル」(音声、視覚、触覚)を介して生の音楽その他のイベントを知覚しており、現実の事象(ライブイベント)の体験は、単なる音声録音よりも説得力が高く、言い換えるなら、刺激的なイベントと知覚との間の回路が完成する。
【0007】
現代のロックコンサートは、聴取者の脚部がもたらす独特の感覚入力を利用する場合が多い。図2から分かるように、例えば、こうしたコンサートの音響エンジニアは、聴取者に達する振動の立体場を操作するために、特定の楽器を左から右へパンさせる場合があり、こうした振動は、床を介して、左右の脚部の神経受容体に伝わる。左右のスピーカ16、17は、バンド15及びライブエンジニアが演奏する音楽に基づいて音波を提供する。矢印18、19は、バンド及びスピーカが発生させ、聴取者の脚部13、14へ伝わる振動を表す。こうした振動は、聴取者の脚部に感知され、その脚部20、21を上方へ運ばれ、神経インパルスを経由して脳に至る。そこで、振動に関する情報は、脳の感覚皮質において聴覚情報(使用者の耳22、23を介して獲得)と合成され、聴取者が音楽の立体場の別々の振動を聞くと共に感じる、強化された音楽体験が提供される。バンド15とスピーカとの両方が、参照符号24、25が示す矢印により表されたエネルギを出力しており、使用者が感じる振動に寄与していることに留意されたい。加えて、使用者の目からの視覚情報も、同じく全体的な体験に寄与しており、感覚皮質において可聴及び振動情報と同期される。ステレオ信号の存在は、制作される事実上全ての音楽に当てはまる。したがって、進化した感覚チャネルを利用して、脚部を介して感じられるライブイベントをシミュレートするフォースフィードバック振動により任意の音声エンタテインメントメディアの立体像を強化する装置を提供することには大きな利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、可聴情報(特に耳のみに提示された場合には、一般に20〜20,000Hzの範囲)は、音響エネルギが観察者へ伝達する情報の一部のみを表すものである。ホームシアタサラウンド音響型システムは、低周波音声成分を強化するためにサブウーハを使用して、こうした振動の一部を伝達することを試みているが、結果は不満足なものである。こうした装置は、そのサイズのため、持ち運びが不可能となるが、こうした装置の作用は、従来のイヤフォンを使用して再現することはできない。
【0009】
したがって、携帯装置において、音楽、映画、又は他のメディアのステレオ振動を使用者が感じると共に聞くことを可能にすることで、強化されたエンタテインメント体験を可能にする装置を提供することは利点を有する。
【0010】
本願の目的は、エンタテインメント体験のライブ感覚を形成するフォースフィードバックを与えるために疑似地面振動を提供する、振動履物装置及び振動履物装置と共に使用するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の実施形態によるエンタテインメント体験を強化する履物装置は、履物装置内に装着され、エンタテインメント体験に含まれる再生音声の指示に基づいて履物装置に振動を与えるように動作可能な第一のアクチュエータを含む。
【0012】
本願の実施形態によるエンタテインメントシステムは、エンタテインメント体験用に少なくとも可聴情報を再生するように動作可能な携帯プレーヤと、携帯プレーヤに接続され、可聴信号を、携帯プレーヤからの再生可聴情報及び可聴信号に関連する振動信号に基づいて提供するように動作可能なコントローラと、コントローラからの可聴信号を受信し、可聴情報を使用者に対して再生するように動作可能な可聴再生装置と、コントローラに接続され、エンタテインメント体験を強化するために振動信号に基づいて振動するように動作可能な第一の履物装置とを含む。
【0013】
本願の実施形態によるエンタテインメント体験を強化する方法は、エンタテインメント体験における音声情報を表す再生可聴情報信号を提供するステップと、可聴情報信号を補完して脚部領域の神経受容体を刺激する振動信号を、再生可聴情報信号に基づいて生成するステップと、履物装置に対して、履物装置が振動して、履物装置を身に着けた使用者に付加感覚刺激を提供し、エンタテインメント体験を強化するように、振動信号を提供するステップとを含む。
【0014】
本願の実施形態によるエンタテインメントシステムは、エンタテインメント体験における音声情報を表す可聴情報信号を提供するように動作可能な携帯プレーヤと、携帯プレーヤから可聴情報信号を受信し、使用者に対して音声情報を再生するように動作可能な可聴再生装置と、可聴情報信号に基づいた、可聴情報信号を補完する振動をシミュレートする振動信号を格納するように動作可能なマイクロデジタルプレーヤ装置と、振動して、身に着けた使用者のエンタテインメント体験を強化するように動作可能な振動履物装置と、を含み、マイクロデジタルプレーヤは、振動信号を伝達して履物装置の振動を制御するために履物装置に取り付けられる。
【0015】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照する以下の本発明の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】人間がどのように音声を聞いたり感じたりするかを表す図である。
【0017】
【図2】現代のロックコンサートにおいて人間がどのように音声を聞いたり感じたりするかを表す別の図である。
【0018】
【図3】本願の実施形態による履物装置を示す図である。
【0019】
【図3A】図3の履物装置内のハウジングを示す図である。
【0020】
【図4】振動を与える際のアクチュエータの作用を示す図3の履物装置を示す図である。
【0021】
【図5】図3の履物装置と共に使用するエンタテインメントシステムの実施形態を示す図である。
【0022】
【図6】無線送信を使用する履物装置と共に使用するエンタテインメントシステムの別の実施形態を示す図である。
【0023】
【図7】本願の履物装置と共に使用するエンタテインメントシステムの別の実施形態を示す図である。
【0024】
【図8】本願の別の実施形態による履物装置を利用するエンタテインメントシステムの他の実施形態を示す図である。
【0025】
【図9】本願の別の実施形態による履物装置を利用するエンタテインメントシステムの他の実施形態を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図3から4は、本願の実施形態による履物装置26の実施形態例を示す。履物装置26は、好ましくはメディア装置又は携帯プレーヤ装置(例えば、図5及び6参照)からの再生音声により、装置26を振動させるように動作可能な前部振動アクチュエータ28及び後部振動アクチュエータ27を含むことが好ましい。即ち、アクチュエータ27、28は、履物装置26を振動させて、音楽、映画、又は他の任意のエンタテインメントメディアを聴取する体験を強化する。図3に示した好適な実施形態において、履物装置26は、更に、好ましくは、マイクロプロセッサ又は他の制御部31aと、電源31bと、少なくとも一個のマイクロアンプ31c(図3A参照)とを収容するように構築されたハウジング31を含む。電源31bは、好ましくは、充電式電池又は電池群であるが、任意の適切な電源を使用し得る。電源31bは、マイクロプロセッサ及びアンプ又はアンプ群31cに対して、アクチュエータ27、28において振動を開始するために十分な電圧及び電流を提供するべきである。好適な実施形態では、アクチュエータ27、28のそれぞれに別々のアンプ31cが提供されるが、必要に応じて、単一のアンプを使用して両アクチュエータを駆動してもよい。好適な実施形態において、マイクロプロセッサ31a、電源31b、アンプ31c、及びアクチュエータ27、28は、履物装置26のソール内において全て統合される。あるいは、アクチュエータ27、28は、履物装置26に取り外し可能に取り付けられ、任意の所望の形でアンプ31cと接続されてもよい。他の電子機器は、装置26のソールに統合してよく、あるいは外付けにしてもよい。
【0027】
この装置用のアクチュエータは、例えば、ピストン型音声コイル変換器から、プッシュ−プルソレノイドアクチュエータ及びカスタム二重音声コイルプッシュプルアクチュエータまで、触覚に適合させた様々な技術を使用して実現可能である。目的は、具体的にどのアクチュエータが使用されるかに関係なく、履物装置内への振動を開始することにある。
【0028】
好適な実施形態において、アクチュエータ27、28は、振動信号又は信号群に基づいて駆動され、振動信号又は信号群は、更に、例えば携帯プレーヤ60により再生中の可聴情報に基づく。しかしながら、振動信号は、再生可聴信号に一致する必要はないことに留意されたい。即ち、再生可聴情報を使用してアクチュエータ27、28の振動を開始するオプションが存在しており、或いは、例えば、異なる床面の組成(木材、コンクリート等)を模倣するために情報を増強又はフィルタリングしてもよく、或いは、高い周波数(例えば、中域の600Hzの周波数)のトーン又は振動のレベルを引き上げて、脚部により更に良好に知覚できるように、イコライゼーションを提供してもよい。信号は、より良好な振動応答を別の形で提供するため、或いはアクチュエータ27、28の電力消費を改善するために、最小化又は全て除去して、元の音声から変換された増強又は強化信号に置き換えることも可能である。これについては以下、更に詳細に述べる。
【0029】
履物装置26には、好ましくは更に、LED又はLED(群)29、30と、無線受信器とが、好ましくはハウジング31に組み込まれる形で含まれ、LED29、30は、アクチュエータの振動動作と同期された光の脈動に対応する無線動作を示す。入力USBポート又はジャック33を使用して、無線又は有線振動信号等の情報を入力して、装置26内のアクチュエータ27及び28の振動を起動し得る。ジャック33は、装置26に対する多目的付属品追加インタフェースとしても機能し、或いは、上述した無線受信器の機能を提供するために、又は、例えば、ブロードバンドインターネット又は衛星ラジオ若しくはライブ番組用の無線インタフェース周辺機器及び付属品を受領して様々なフォーマットからの信号を受信するために、特殊な無線通信回路を含んでもよい。ジャック33は、USBポートとして図示したが、しかしながら、任意の適切なジャックを使用し得る。図3に示した実施形態では、更にマイクロフォン32が設けられる。マイクロフォン32は、周囲の音声を拾い、こうした音声に基づいて振動を提供するために使用し得る。或いは、マイクロフォンは、ジャック33を介して、必要に応じて付属品として別途追加してもよい。
【0030】
図4から分かるように、アクチュエータ27、28は、装置26において振動33、34、35を引き起こす。アクチュエータ27、28は、好ましくは、コントローラ29から振動信号を受信する上述したマイクロプロセッサ又は制御部31aにより制御される。アンプ31cは、好ましくは、マイクロプロセッサ31aとアクチュエータ27、28との間に位置決めされ、マイクロプロセッサからアクチュエータ27、28へ提供された、振動信号に基づく制御信号を増幅する。履物装置26のソールは、所定の音声を発生させたものがライブベントである場合に発生したであろう地面振動を模倣する形で振動する。振動信号は、好ましくは、人間の脳の感覚皮質における地面振動の知覚を高めるように調整される。これは、コントローラ59(図5)又は制御部31a(図3A)により実行し得る。即ち、振動信号は、必要な時に装置26の振動を強化又は増加させるために使用される他の強化情報を含み得る。振動は、使用者の脚部の神経受容体により感じられる。これは、図4において、参照符号36により表している。実際には、振動36は、更に使用者の足全体を上方へ移動し、使用者の体験を一層強化する。
【0031】
図5及び6から分かるように、好適な実施形態において、履物装置26は、メディアプレーヤ60とコントローラ59とを含むエンタテインメントシステム100の一部である。装置26は、好ましくは、携帯エンタテインメントプレーヤ装置60に接続される(図5参照)。コントローラ59は、好ましくはコントローラの第二のマイクロプロセッサ及び統合された部品に電力を供給するために充電式電源を内蔵し、携帯エンタテインメントプレーヤ装置60と履物装置26との間に接続される。コントローラ59は、好ましくは、メディアプレーヤ装置60から、コントローラ59の入力ジャック63に挿入された1/8インチジャックを両端に備えた標準ステレオケーブル62を介して、再生音声情報を受領する。他の任意の適切な接続を使用してもよい。コントローラ59は、好ましくは従来のヘッドフォン一式72に接続された出力ヘッドフォンジャック64を含む。このヘッドフォン72には、プレーヤ装置60からの再生音声情報が提供され、ユーザに対して可聴信号が提供される。
【0032】
コントローラ59は、好ましくは、ユーザによる情報の入力及び選択を可能にする複数の入力装置65、66を内蔵する。好ましくは、二個の値ボタン65により、コントローラ筐体59の編集選択ボタン66と共に様々な機能を制御する。制御し得る特徴の一つは、履物装置26のアクチュエータ27及び28を駆動するために、どの振動情報を提供するかのモードである。値ボタン65は、ヘッドフォン72を介した可聴情報と履物装置26からの振動との最良の混合を得るために、ヘッドフォン72の音量を調整するためにも使用し得る。メディアプレーヤ60は、更に、ゲイン構造の増減を調節し得る音量コントロールを含んでもよい。即ち、コントローラ59は、再生可聴情報からの振動情報を提供する様々なモードにおいて動作し得る。
【0033】
値変更ボタン65の別の機能は、ヘッドフォン72に提供される可聴情報において、遅延の挿入又は調整を行うことである。脚部の神経受容体が装置26の振動を検出して脳の感覚皮質へ信号を送給するには、5フィート7.5インチ(171.5cm)の人間では約23.7ミリ秒を要する一方、耳に送られた音声が脳の感覚皮質に到達するには僅か6ミリ秒しか要しないため、ヘッドフォンへ送られる可聴信号は、好ましくは、遅延される。したがって、振動が知覚されるのとほぼ同時に脳の感覚皮質に到達するように、可聴信号に約16.66ミリ秒の遅延を導入し得る。この遅延は、身体の感覚を整合し、知覚が強化/増大化された状態とする。遅延の目的は、二つの知覚データチャネル、即ち、聴覚及び触覚(振動)を感覚皮質に同時に到達させ、神経科学と優れた触覚の能力とを使用して、作品の芸術的迫真性を正確に捉え強化することである。
【0034】
値変更ボタン65の更に別の機能は、再生可聴情報を、メディアプレーヤの再生可聴情報に基づく一連の増強信号又はパルスに置き換えるパルスモードを選択することである。この場合、メディアプレーヤ60からの元の音声は、増強信号に置き換えられる。コントローラ59は、好ましくは、着信した再生音声情報のエンベロープを分析して、対応するパルスに置き換える。パルスの使用は、電力消費を減少させ、アクチュエータ27、28の性能を向上させる。元の音声の代わりにパルスを使用することで、無線送信を使用する場合にも、より低い帯域要件が可能となる。更に、パルスは、好ましくは、重要信号帯域内に含まれる。
【0035】
重要信号帯域は、使用者の好みに基づいて選択し得る。増強信号の周波数は、履物装置26内のアクチュエータ27及び28がもたらす振動33及び34を始動し、これを使用者が感知する。特定の使用者は、より軽い振動応答を好む場合があり、したがって、適切な周波数帯域を重要信号帯域として選択する可能性がある。装置26へ送られている増強信号又はメディアプレーヤ信号は、リアルなライブ体験を伝達するために、その装置に対応する使用者のヘッドフォンに提供される元の音声と調和的に一致する必要はないことに留意されたい。したがって、コントローラ59は、アクチュエータ27、28の振動を始動する振動信号を様々なモードで提供する。一モードにおいて、振動信号は、再生音声情報に厳密に従う。しかしながら、振動を最大化するために、必要に応じて、追加の強化データが含まれてもよい。
【0036】
例えばコンサートにおいて、人の脚部に感じられた振動の多くは、非可聴周波数であるため、通常は再生音声信号には含まれないことに留意されたい。こうした低周波振動は、一般に20Hz程度を下回る。こうした信号は、超低周波と呼ばれる場合もある。したがって、好適な実施形態において、制御部59は、こうした超低周波振動に対応する情報を振動信号において再現及び挿入する。したがって、使用者は、こうした振動が再生音声信号に全く存在していなくとも、振動を感じることができる。更に、上述したように、制御部59は、使用者のリアルなライブ感覚体験を強化する目的で、必要に応じて他の周波数を強化又は低減するために使用し得る。
【0037】
コントローラ59は、更に、好ましくは使用者がどのモードにあるかを使用者に対して表示するために利用される二色LED67を内蔵する。或いは、又は追加として、不可聴パルス振動を履物装置26へ送信して、システムが動作中のモードを使用者に触覚を介して伝えてもよい。コントローラ59は、更に、好ましくは、振動信号を装置26へ伝達してアクチュエータ27及び28を駆動するケーブル(又はケーブル群)又は配線(群)C用の二個の有線出力ジャックを内蔵する。USB入力ソケット33は、履物装置26のアクチュエータ27及び28の振動を始動する振動信号を受信するために使用してもよい。コントローラ59は、コントローラ59から履物装置26へのデータの無線送信76を示す、図5に70として図示し、図6に74、75として図示した二個の追加のLEDを含み得る。履物装置26のレシーバインジケータ29及び30は、コントローラ59からの無線送信76を受信する無線通信用に、左右の履物装置26に一体化される。
【0038】
コントローラ59は、更に、多数の周辺機器を単一の標準インタフェースソケットを使用してコントローラ59に接続可能にする多目的のUSBポート71(図5)を含み得る。選択肢の一つは、生の音声を取り込んで変換し、アクチュエータ27及び28を介して振動33及び34を提供する振動信号を始動するUSBマイクロフォンである。USBポート71は、メディアプレーヤのユニバーサルポートに対するコントローラ59のインタフェースを行い、例えば、メディアプレーヤ60のオペレーティングスステム又はコントローラ59とのインタフェースが可能な周辺機器用の機能を更新してシステムの能力を強化する際、及びコントローラ59及び履物装置26においてデジタルのみではなくアナログデータを使用する際にも役割を果たす。
【0039】
アクチュエータ27、28は、任意の適切な形式により実現し得る。一個以上のアクチュエータは、振動を始動して、二種類の感覚チャネルデータとして、聴覚及び触覚、即ち、振動を提供する完全且つリアルな体験をもたらす。しかしながら、アクチュエータ27、28は、履物装置26を介して使用者に振動を与えるように動作可能であることに留意されたい。したがって、アクチュエータ27、28は、脚部の神経受容体に音声は伝達しないが、使用者の脚部の神経受容体に振動を伝達している。一般的に言えば、最大の恩恵を受けるためには、使用者が両方の履物装置26を身に着けることが望ましいが(例えば、図6参照)、しかしながら、必要に応じて片方の履物装置を身に着けてもよい。更に、アクチュエータを履物装置26内に装着することは利点を有するが、必要に応じて、アクチュエータを取り外し、任意の履物に装着してもよい。この場合、アクチュエータ27、28をハウジング31の電源と振動を始動するために必要な電子機器とに接続するために、適切なコネクタが設けられる。電源及び電子機器には、必要に応じてコントローラ装置59を提供し得る。したがって、アクチュエータ27、28は、十分な振動を提供して良好な触覚フィードバックを与える上で十分に強力である一方、エネルギ効率に優れていることが好ましい。
【0040】
図8において、履物装置26は、携帯装置又はコントローラ59と物理的に接続せずに使用される状態が図示されている。装置26は、代わりに、振動信号の無線送信を受信する。図8は、図2に類似しており、共通の参照符号を使用して共通の要素を示している。しかしながら、図8に図示したシステムは、振動信号39を使用者が身に着けた履物装置26へ無線送信するコントローラ/無線送信機38を含む。この場合、図2のコンサートは、例えば、フラットパネルTVモニタディスプレイ装置上に表示される。再生を観ている、或いはコンサートを遠隔地で観ている使用者には、再生データには存在しない演奏の低周波部分を表す振動の生成を含め、履物26が上述したように使用者の体験を強化する振動を提供するため、コンサートを現場において生で観ながら立っている状態に類似した体験がもたらされる。図9は、図1に実際の事象として図示されたものに類似する火山の噴火を、同様のディスプレイ48上において、この観察を強化する無線接続を備えた本願の履物及びシステムを利用しながら見ている使用者を同様に示している。
【0041】
図7に示した別の実施形態において、システム200は、無線又は他の方法により装置26内の履物アクチュエータ27、28へ振動信号を送信する必要性を全て排除する。複数の、即ち三個の個別の携帯メディアプレーヤ60、81、82は、単一のリモートコントロール79を介して互いに一致して通信を行う。好適な実施形態において、USBインタフェースオスコネクタ83、84を備えた二個のマイクロ携帯メディアプレーヤ81、82は、左右両方の履物装置(群)26のUSBジャック33に挿入される。好ましくは単一のハンドヘルド携帯メディア装置60を使用して、可聴信号を使用者のヘッドフォン72へ送信するために使用される可聴情報を提供する。デバイス60は、例えば、ヘッドフォン72の音量制御等、上述したコントローラ59の機能の一部を利用し得る。加えて、履物装置から伝達された振動情報との同期のためにヘッドフォンに送信された可聴情報に提供される遅延を使用してもよい。好ましくは、矢印89により強調した制御信号87をリモートコントロール79から受信する無線受信器80が、装置60に設けられる。受信器80は、好ましくは、ユニバーサルポートを介してプレーヤ60とのインタフェースを行う。
【0042】
したがって本実施形態では、三個のメディアプレーヤ60、81、82が提供され、同じオペレーティングシステム及びプログラミングを装備する。プレーヤ間の唯一の相違は、履物装置26のUSBジャック33とインタフェースするマイクロ携帯メディアプレーヤ装置81、82が表示画面を装備する必要がないことであり、但し、一部の使用者は、表示画面を好む場合もある。こうした装置は、矢印87及び88により強調した、リモートコントロール79からの基本主要制御部85の制御振動86を受信して、全てのデジタル装置60、81、82の動作制御を同期させるために、内蔵又はアタッチメントとして統合された無線受信器のみを必要とする。
【0043】
リモートコントロール79は、赤外線又は無線周波数帯域、或いは他の任意の適切な信号を送信し得る。三個全てのデジタルプレーヤ装置60、81、82を制御するためにリモートコントロール79を使用することで、これらは同時に動作するように操作可能となる。即ち、全てのプレーヤ装置受信器は、リモートコントロール79から同じコマンド又は命令信号86、87を受信するように調整される。リモートコントロール部79は、コントローラ59の何らかの特徴を利用することが望ましい場合には、コントローラ59のUSB入力ソケット90に挿入してもよい。或いは、リモートコントロール部79は、全てのデジタルメディア装置を制御するために、携帯メディア装置60のユニバーサルポートに挿入可能である。二個のマイクロメディアプレーヤ81、82は、好ましくは、履物装置(群)26のUSBジャック33を介して接続されると共に、USBインタフェース入力ジャック33を介して振動を始動する振動情報をアクチュエータ27及び28へ送信する。右側の履物装置は、そのマイクロUSBメディアデバイス82からの右ステレオ信号のみを、左側の履物装置は、そのマイクロUSBメディアデバイス81からの左ステレオ信号を、左右の耳が受け取る立体像に一致して受信し、装置26を装着した左右の脚部の神経受容体が感じた立体振動を一致させる。振動情報は、好ましくは、プレーヤ81、82に事前にロード及び格納される。
【0044】
使用者は、主要制御コマンド又は命令を三個全てのプレーヤに提供するためにリモートコントロール79を使用できるように、音声情報を含むエンタテインメントデータと、エンタテインメントデータに関連する最適化された振動情報とを、それぞれのデバイス60、81、82へアップロードする能力を有する。しかしながら、ミニプレーヤ81、82に記録された振動情報は、既に最適化されており、何らかの処理により履物装置26に取り付けたアクチュエータ27、28の強制振動を強化する必要はない。ヘッドフォンに対する遅延も、メディアプレーヤ60にダウンロードされる前に最適化可能である。上述したように、これは音声信号に対するものであり、音声信号が脳の感覚皮質に到達するのを、強制振動が脚部から感覚皮質において知覚されるのとほぼ同時にするものである。
【0045】
履物装置26内のアクチュエータの振動を始動するために、単一のリモートコントロールによりデジタル携帯メディア装置を同期させるこの方法は、簡略化可能であると理解されたい。例えば、携帯ハンドヘルドメディア装置のヘッドフォン出力の音量制御は、履物装置26のUSB入力ソケット33に挿入されたマイクロUSB携帯メディア装置81、82の音量制御に影響を与えることなく、ハンドヘルドメディア装置60自体の音量制御により独立して制御し得る。好ましくは、ヘッドフォン72は、別個の音量制御に接続し得る。
【0046】
コントローラの値変更オプション及びコントローラ59自体に関連する上述した他の全ての特徴は、実現する必要はない。体験を更に強化するために振動を始動する全ての処理オプションは、個別のメディア装置60、81、82向けのダウンロードソフトウェアの一部として、音楽エンジニア及びプロデューサが音声データコンテンツにおいて事前に制作可能である。個別のメディア装置は、好ましくは、単一のリモートコントロール79により一致して動作する。アクチュエータの振動用の低周波信号及び強化信号は、元の音声情報を増強することにより生成できる。これは全て、プロデューサ及びエンジニアが装置を身に着け、音響工学ツールを利用して芸術的目標を達成することにより実現される。この新たなデータは、購入して、履物26に取り付けたミニプレーヤにダウンロードできる。低周波データは、左右の履物装置に取り付けられた個別の各ミニメディアプレーヤ81、82の右又は左のステレオトラックに格納される。履物装置は、低周波信号及び強化信号に出力を与えてアクチュエータ27、28の振動を開始するために、一個のアンプを内蔵可能である。単一の履物装置が、二個のアンプを内蔵することも可能である。一つのアンプは、履物装置26の後部アクチュエータ27に対する低周波信号に出力を提供し、同じ履物装置の第二のアンプは、強化信号により、前部アクチュエータ28に出力を提供する。強化信号及び低周波信号は、両方とも元の音声の立体像とリズミカルに一致するようにプログラムされる。したがって、コントローラ59は、必要に応じて完全に排除し得る。
【0047】
本願では、二個のアクチュエータ27、28の使用を説明したが、必要に応じて、より多数又は少数のアクチュエータを使用し得る。加えて、アクチュエータは、必要に応じて履物上又は内部の任意の場所に位置決めし得る。更に、履物装置26は、全般にスニーカとして図示しているが、装置26は、任意の履物として実施し得る。
【0048】
履物装置26のUSB入力ソケット33には、マイクロラジオ受信装置も取り付け可能となる。これにより、使用者は、左右の履物装置26の両方において、ラジオ番組に関連する振動を感じることができる。この場合、携帯プレーヤ60は、振動に付随する可聴情報を受信してヘッドフォン72へ提供するために、ラジオ受信器を更に含む。これは、可聴音声と履物装置26の振動との間の同期に、ソース信号の無線送信を統合する必要のない更に別の独特な用途となる。上述したように、プロデューサ及びエンジニアは、音楽又は音楽に付随する振動の特定の特徴を強化し得る。これは、装置26内のアクチュエータから所望の強制振動を生成するために達成される。こうした増強信号は、制作時に強化されるものであり、新たなデジタル音声形式にすることができる。履物装置内のアクチュエータの振動を始動することを意図した新たなデジタル音声形式は、使用者の耳に可聴信号を提供するためではなく、アクチュエータの強制振動を強化するためのものである。この新たな音声形式を利用するためには、使用者のホームコンピュータシステム又はラップトップを介して、デジタルメディアプレーヤのアプリケーションにアクセスし、例えば、新たな形式を含むデジタル音楽及びビデオファイルの計画及び準備を行う。顧客は、例えば、インターネットを介して、ダウンロード可能なコンテンツを購入し、ミニプレーヤ81、82にアップロードすることが可能である。この機能は、ハンドヘルドメディア装置60へダウンロードするべきコンテンツ用の管理システムも提供できる。
【0049】
本願の履物装置26は、広範な用途において使用し得る。例えば、音楽通は、脚部により感じられる、ステレオ音声データの疑似地面フォースフィードバック振動を通じて、あらゆる音楽又は音声コンテンツの強制振動の感覚を楽しむことができる。この技術は、使用者の好きな音楽、テレビゲームの音楽及び音響効果、或いは映画のサウンドトラック及び音響効果からであっても、ライブ体験を形成する。別の用途は、一般的な音楽、映画、及びテレビゲームである。即ち、このコンテンツは、履物装置及びシステムを補完して、エンタテインメントコンテンツからの様々な音声信号に対して順次フォースフィードバック振動を形成し、エンタテインメントに熱中する人を知覚のオーバドライブ状態に没入させるために制作される。
【0050】
装置26の他の用途は、音楽家及びダンサ等のエンタテイナを対象とするものである。例えば、エンタテイナは、耳の中へ挿入したヘッドフォンを使用することで演奏中に自分が聞いているものと緊密且つ個別に向き合うため、インイヤヘッドフォンモニタを一般に使用する。しかしながら、インイヤモニタを使用すると、演奏者は、生の振動から切り離されたと感じ、残りのバンドメンバから孤立していると感じる場合が多い。インイヤモニタのみを使用することで、聴覚は、ヘッドフォンを介した立体像のみに限定され、生の音楽の自然振動が遮断される。履物装置26は、生の振動を取り戻し、ライブエンタテイナが音楽をモニタする方法を大きく向上させる。この音楽を聴くだけでなく感じるためのシステムにより、使用者は、自分の振動の混合をカスタマイズして、所望の演奏パートナの振動に同調し、音楽材料と結び付くエンタテイナの能力を高めることができる。装置は、使用者が音楽の具象化を感知可能にすることで、エンタテイナに優れたタイミングのスキルを与えることは明らかである。同様に、ダンサは、同じく装置を身に着けた振付師と結び付く優れた能力を有する。全てのスポーツファンは、装置を使用して、自分が聞いているものの知覚の増大と、スポーツ用履物装置内のアクチュエータによる振動を介した感覚とを通じて意欲を高め、自分の目標を更に深く目指すことができる。
【0051】
音楽エンジニア及びプロデューサも、この装置を使用することで恩恵を受ける。装置は、工学的制作オプションを高め、上述したように新たな芸術形態を形成する。この技術がエンジニア、プロデューサ、又はライタがどのように音楽の具象化を構築するかの新たな次元を開き、音が聞こえるだけでなく、音楽の振動が活発に使用者の身体を通り抜けるようになったという事実の結果として、エンジニア、プロデューサ、又はライタは、無限の探求の可能性を有する。
【0052】
装置26を使用する他の方法の一つは、生徒が音楽の具象化により発生した様々なフォースフィードバック振動を感じられるように、教師が音楽のアレンジを分解可能にすることで、音楽の具象化の力学及びリズムを生徒に教えることである。これは、生徒が装置26を身に着けることで達成される。
【0053】
本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、他の多くの変更及び変形と他の使用法とは、当業者には明らかとなろう。したがって、本発明は、本明細書の具体的な説明ではなく、添付特許請求の範囲のみにより限定されることが望ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンタテインメント体験を強化する履物装置であって、
前記履物装置に装着され、前記エンタテインメント体験に含まれる再生音声の指示に基づいて前記履物装置に振動を与えるように動作可能な第一のアクチュエータを備える履物装置。
【請求項2】
更に、
前記再生音声に関連する振動信号を受信すると共に、前記振動信号に基づいて前記第一のアクチュエータを駆動するために制御信号を提供するように動作可能な制御部と、
前記第一のアクチュエータに提供された前記制御信号を増幅するように動作可能なアンプと、
前記制御部、前記第一のアクチュエータ、及び前記アンプに、電力を供給するために接続された電源と、を備える、請求項1記載の履物装置。
【請求項3】
前記第一のアクチュエータは、第一の位置において前記履物装置に取り付けられる、請求項2記載の履物装置。
【請求項4】
更に、
前記第一の位置とは異なる第二の位置において前記履物装置に取り付けられた第二のアクチュエータと
前記制御部と前記第二のアンプとの間に接続され、前記第二のアクチュエータに提供された制御信号を増幅するように動作可能な第二のアンプと、を備える、請求項3記載の履物装置。
【請求項5】
更に、前記アクチュエータに対する情報を伝達するために前記制御部に接続された入力部を備える、請求項3記載の履物装置。
【請求項6】
前記振動信号は、前記入力部を介して受信される、請求項5記載の履物装置。
【請求項7】
更に、前記振動信号を受信すると共に前記制御部へ提供するように動作可能な無線受信装置を備える、請求項3記載の履物装置。
【請求項8】
更に、前記履物装置に接続され、前記振動信号を格納するように動作可能なマイクロデジタル再生装置を備える、請求項1記載の履物装置。
【請求項9】
前記マイクロデジタル再生装置は、更に、前記振動信号を前記履物装置へ提供するために前記マイクロデジタル再生装置の動作を指示するリモートコントロール部からの命令信号を受信するように動作可能な無線受信装置を備える、請求項8記載の履物装置。
【請求項10】
エンタテインメントシステムであって、
エンタテインメント体験用に少なくとも可聴情報を再生するように動作可能な携帯プレーヤと、
前記携帯プレーヤに接続され、可聴信号を、前記携帯プレーヤからの前記再生可聴情報及び前記可聴信号に関連する振動信号に基づいて提供するように動作可能なコントローラと、
前記コントローラからの前記可聴信号を受信し、前記可聴情報を使用者に対して再生するように動作可能な可聴再生装置と、
前記コントローラに接続され、前記エンタテインメント体験を強化するために前記振動信号に基づいて振動するように動作可能な第一の履物装置と、を備える、エンタテインメントシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記携帯プレーヤにより再生された前記可聴情報に基づいて、前記振動信号が前記再生音声情報に概ね対応するように前記振動信号を生成する、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項12】
前記振動信号は、前記第一の履物装置の振動を最大化するために、前記携帯プレーヤにより再生された前記可聴情報内のものとは異なる強化情報を含む、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項13】
前記強化情報は、前記再生可聴情報を補完する不可聴成分を表現するために生成された低周波振動情報を含む、請求項12記載のエンタテイメントシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記可聴信号と前記第一の履物装置の振動との知覚を前記使用者の脳において同期させるために、所定の期間だけ前記可聴信号を遅延させる、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第一の履物装置に有線接続される、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記第一の履物装置に無線接続される、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項17】
前記履物装置は、更に、前記第一の履物装置に装着され、前記振動信号に基づいて前記履物装置に振動を与えるように動作可能な第一のアクチュエータを備える、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項18】
前記第一の履物装置は、更に、
前記振動信号を受信すると共に、前記振動信号に基づいて前記第一のアクチュエータを駆動するために制御信号を提供するように動作可能な制御部と、
前記第一のアクチュエータに提供された前記制御信号を増幅するように動作可能なアンプと、
前記制御部、前記第一のアクチュエータ、及び前記アンプに、電力を供給するために接続された電源と、を備える、請求項17記載のエンタテイメントシステム。
【請求項19】
前記第一のアクチュエータは、第一の位置において前記第一の履物装置に取り付けられる、請求項18記載のエンタテイメントシステム。
【請求項20】
更に、
第二の位置において前記履物装置に取り付けられた第二のアクチュエータと
前記制御部と前記第二のアンプとの間に接続され、前記第二のアクチュエータに提供された第二の制御信号を増幅するように動作可能な第二のアンプと、を備える、請求項19記載のエンタテイメントシステム。
【請求項21】
前記第一の履物装置は、更に、前記アクチュエータに対する情報を伝達するために前記制御部に接続された入力部を備える、請求項20記載のエンタテイメントシステム。
【請求項22】
前記振動信号は、前記第一の履物装置の前記入力部を介して受信される、請求項21記載のエンタテイメントシステム。
【請求項23】
更に、前記振動信号を受信すると共に前記アクチュエータのために前記制御部へ提供するように動作可能な無線受信装置を備える、請求項20記載のエンタテイメントシステム。
【請求項24】
前記第一の履物装置は、更に、前記第一の履物装置に接続されたマイクロデジタルプレーヤ装置を備え、前記マイクロデジタル再生装置は、前記振動信号を格納する、請求項17記載のエンタテイメントシステム。
【請求項25】
前記マイクロデジタル再生装置は、更に、前記振動信号を前記第一の履物装置へ提供するために前記マイクロデジタルプレーヤ装置の動作を指示するリモートコントロール部からの命令信号を受信するように動作可能な無線受信装置を備える、請求項24記載のエンタテイメントシステム。
【請求項26】
更に、第二の履物装置を備え、前記再生可聴情報は、左トラック及び右トラックを含むステレオ情報である、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項27】
前記振動信号は、前記可聴情報の前記左トラックに基づく左振動信号と、前記可聴情報の前記右トラックに基づく右振動信号とを含み、前記左振動信号は、前記第一の履物装置に提供され、前記右振動信号は、前記第二の履物装置に提供される、請求項26記載のエンタテイメントシステム。
【請求項28】
前記携帯プレーヤ装置は、更に、第一のラジオチューナを備え、前記可聴情報は、前記ラジオを介して提供されたラジオ情報であり、前記システムは、更に、
前記履物装置に接続されたマクロデジタル装置を備え、前記マイクロデジタル装置は、第二のラジオチューナを含み、前記第一及び第二のラジオチューナは、共通のラジオ周波数に合わせられ、前記第二のラジオチューナからの音声情報は、前記第一のアクチュエータを駆動するために使用される、請求項17記載のエンタテイメントシステム。
【請求項29】
前記第一のアクチュエータは、任意の履物に対して取り外し可能なであるように構築され、前記コントローラは、更に、
前記第一のアクチュエータに接続され、前記第一のアクチュエータに提供された制御信号を増幅するように動作可能なアンプと、
前記第一のアクチュエータ及び前記アンプに、電力を供給するために接続された電源と、を備える、請求項10記載のエンタテイメントシステム。
【請求項30】
更に、使用者の隣接環境からの生の可聴情報を集め、前記第一のアクチュエータに対して生の振動情報を提供するように動作可能なマイクロフォンを備える、請求項17記載のエンタテイメントシステム。
【請求項31】
前記マイクロフォンは、前記コントローラに接続される、請求項30記載のエンタテイメントシステム。
【請求項32】
前記マイクロフォンは、前記第一の履物装置の前記制御部に接続される、請求項30記載のエンタテイメントシステム。
【請求項33】
エンタテインメント体験を強化する方法であって、
前記エンタテインメント体験における音声情報を表す再生可聴情報信号を提供するステップと、
前記可聴情報信号を補完して脚部領域の神経受容体を刺激する振動信号を、前記再生可聴情報信号に基づいて生成するステップと、
振動する履物装置に対して、前記振動する履物装置が振動して、前記履物装置を身に着けた使用者に付加感覚刺激を提供し、前記エンタテインメント体験を強化するように、前記振動信号を提供するステップと、を備える方法。
【請求項34】
エンタテインメントシステムであって、
前記エンタテインメント体験における音声情報を表す可聴情報信号を提供するように動作可能な携帯再生装置と、
前記携帯再生装置の制御部から可聴情報信号を受信し、使用者に対して前記音声情報を再生するように動作可能な可聴再生装置と、
前記可聴情報信号に基づいた、前記可聴情報信号を補完する振動をシミュレートする振動信号を格納するように動作可能なマイクロデジタル再生装置と、
振動して、身に着けた使用者の前記エンタテインメント体験を強化するように動作可能な振動履物装置と、を備え、前記マイクロデジタル再生装置は、前記振動信号を伝達して前記履物装置の振動を制御するために履物装置に取り付けられる、エンタテインメントシステム。
【請求項35】
更に、前記可聴情報信号の再生の開始及び前記履物装置への前記振動信号の通信をそれぞれ行うために、前記携帯再生装置及び前記マイクロデジタル再生装置に同期された命令信号を提供するように動作可能なリモートコントロール装置を備える、請求項34記載のエンタテインメントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−532181(P2010−532181A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513233(P2010−513233)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/007563
【国際公開番号】WO2008/156770
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509347387)
【氏名又は名称原語表記】SEILER BROCK
【Fターム(参考)】