説明

振動波モータ

【課題】出力性能や軸受寿命の向上を図るため、定格荷重の大きい軸受を用いても、大型化することを抑制することが可能となる振動波モータを提供する。
【解決手段】電気−機械エネルギー変換素子と、
電気−機械エネルギー変換素子に固定され、電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、
振動体と加圧接触し、振動により摩擦駆動する移動体と、
振動体と移動体とを加圧接触させると共に、移動体の駆動力を出力軸に伝達させるために設けられた加圧部材と、
を有し、これらが円環状に形成された振動波モータであって、
出力軸は、出力軸を回転自在に支持する転がり軸受部材を備え、
転がり軸受部材の一方の軌道輪は、
円環状に形成された振動体に、振動減衰部を介して設けられ、
振動減衰部および軌道輪は、振動体の移動体が設けられている側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体に移動体を加圧接触させ摩擦駆動するいわゆる振動波モータに関し、特に振動波モータの軸受構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、振動波モータは、進行性振動波が形成される振動体と、振動体に加圧接触する移動体とを有し、振動体と移動体とを進行性振動波により摩擦駆動させることにより駆動力を得るように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような振動波モータの従来例における軸受構造について、図9を用いて説明する。
図9において、ハウジング61に固定された振動体62は円環状をしており、弾性体62bの上部には複数の突起62cが全周にわたって設けられている。
圧電セラミックス62aは、弾性体62bの底面に接着剤にて接着され、モータ駆動時に不図示の駆動回路により位相差を有する交流電圧が印加され、進行性振動波を発生させる。
移動体63の上面にはばね受け部材64、ゴム板65を介して加圧ばね66の外周部が取付けられており、加圧ばね66の内周部は出力軸68に焼嵌めされたディスク67に取付けられている。
出力軸68は、ハウジング61に固定された外輪と、出力軸68の外周に嵌合した内輪とを有する一対の転がり軸受69a、69bによって回転自在に支持される。
転がり軸受69aの内輪は、移動体63を振動体62に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね66の変位量分だけ予圧がかけられている。
これにより、転がり軸受69aの径方向のがたが排除され、出力軸68の径方向の振れを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−253272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記図9に示す従来例のような軸受構造を有する振動波モータにおいては、つぎのような課題を有している。
すなわち、ハウジング61の振動体62が固定されている面とは反対側に予圧を受ける転がり軸受69aが配置されている。
したがって、転がり軸受69aは、加圧力を負担することになり、定格荷重の大きい軸受を使用することが必要となることから、転がり軸受69aの大きさの分だけ振動波モータが大型化するという課題が生じる。
これらに対処するため、振動体62側に設けられた転がり軸受69bに加圧力を負担させるようにしても、転がり軸受69bの大きさは振動体62の内径により制限されているから、負担させる加圧力に限界がある。
このようなことから、振動波モータの小型化のため、振動波モータの加圧力を下げ、転がり軸受69aに定格荷重の小さい軸受を使用した場合、加圧力に対して出力トルクはほぼ比例すると考えられることから、振動波モータの出力トルクが小さくなる(制限される)ことになる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、出力性能や軸受寿命の向上を図るため、定格荷重の大きい軸受を用いても、大型化することを抑制することが可能となる振動波モータを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、つぎのように構成した振動波モータを提供するものである。
本発明の振動波モータは、電気−機械エネルギー変換素子と、
前記電気−機械エネルギー変換素子に固定され、前記電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、
前記振動体と加圧接触し、前記振動により摩擦駆動する移動体と、
前記振動体と前記移動体とを前記加圧接触させると共に、前記移動体の駆動力を出力軸に伝達させるために設けられた加圧部材と、
を有し、これらが円環状に形成された振動波モータであって、
前記出力軸は、該出力軸を回転自在に支持する転がり軸受部材を備え、
前記転がり軸受部材の一方の軌道輪は、
前記円環状に形成された前記振動体に、振動減衰部を介して設けられ、
前記振動減衰部および前記軌道輪は、前記振動体の前記移動体が設けられている側に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、定格荷重の大きい軸受を用いて出力性能や軸受寿命の向上を図る際に、大型化の抑制が可能となる振動波モータを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る振動波モータの構成を説明する断面図。
【図2】本発明の実施例1の図1に示す弾性体の一部を拡大した斜視図。
【図3】本発明の実施例1に係る振動波モータの第1の変形例における弾性体の一部を拡大した斜視図。
【図4】本発明の実施例2に係る振動波モータの構成を説明する断面図。
【図5】本発明の実施例2の図4に示す軸受ホルダの一部を拡大した斜視図。
【図6】本発明の実施例2に係る振動波モータの第1の変形例における軸受ホルダの一部を拡大した斜視図。
【図7】本発明の実施例2に係る振動波モータの第2の変形例における軸受ホルダの一部を拡大した斜視図。
【図8】本発明の実施例3に係る振動波モータの構成を説明する断面図。
【図9】従来例における振動波モータの構成を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
【実施例】
【0011】
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した振動波モータの構成例について、図1を用いて説明する。
本実施例の振動波モータは、電気−機械エネルギー変換素子と、電気−機械エネルギー変換素子に固定され、電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により形成される進行性振動波によって振動可能とされた振動体を備える。
また、振動体と加圧接触し、進行性振動波による振動により摩擦駆動する移動体と、振動体と前記移動体とを前記加圧接触させると共に、前記移動体の駆動力を出力軸に伝達するため、振動体の上側に設けられた加圧部材とを備える。
具体的には、図1に示すように、円環状に形成された、振動体2と移動体3を備えている。
振動体2は、電気量を機械量に変換する電気−機械エネルギー変換素子によって形成された圧電素子2aと、圧電素子2aと結合された弾性体2bとで構成されている。
圧電素子2aに駆動電圧を印加し、公知の技術により、振動体2に進行性の振動波を生じさせる。
弾性体2bは、金属製の弾性部材で形成され、基部2c、突起部2d、及び基部2cから延出し、弾性体2bをハウジング1に固定するためのフランジ部2e、軸受部材における軸受外輪部2fにより構成されている。
突起部2dは、基部2cの外径側に沿って、弾性体2bの中心軸に対して同心円状に配置されている。突起部2dの移動体3側の面が移動体との接触面となっている。
【0012】
移動体3は、弾性部材で形成された円環状の本体部3a、支持部3b、及び振動体2の突起2dに摩擦接触する摩擦面を有する接触部3cから構成されている。
支持部3b及び接触部3cは、ばね性を有する厚みで形成されており、振動体2に対して安定した接触が可能となっている。
移動体3の上面には、ばね受け部材4、ゴム板5を介して加圧ばね6の外周部が取付けられている。
加圧ばね6の内周部は出力軸8に焼嵌めされたディスク7に取付けられており、移動体3の駆動力を出力軸8に伝達している。
ばね受け部材4は、防振ゴム4aと円環状の錘部材4bからなり、移動体3の不要な振動の発生を抑え、振動波モータの騒音や出力の低下を防止している。
【0013】
出力軸8は、軸受部材を構成する一対の転がり軸受9a、9bによって回転自在に支持される。
軸受9bはハウジング1に外輪が固定され、出力軸8の外周に内輪が嵌合している。
一方、転がり軸受9aは、振動体2の弾性体2bに一体的に形成された軸受外輪部2fと、転動体9cと、出力軸8に設けられた軸受内輪部8aによって構成されている。
転がり軸受9aの軸受内輪部8aは、移動体3を振動体2に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね6の変位量分だけ予圧がかけられている。
これにより、転がり軸受9aの径方向のがたが排除され、出力軸8の径方向の振れを抑えることができる。
【0014】
図2に示す図1の弾性体の一部を拡大した斜視図を用いて、本実施例の弾性体の構成について説明する。
図2に示すように、弾性体2bに一体的に形成された軸受外輪部2fは、減衰部2gと軌道輪を構成する外輪2hにより形成されている。
減衰部2gは、弾性体2bのフランジ部2eの内径側端部から、移動体3の設けられている方向に鉛直に延出しており、フランジ部2eの内径側端部よりも薄肉に形成され、ばね性を有している。外輪2hは、減衰部2gによって支持されている。
そのため、軸受外輪部2f、軸受内輪部8a及び転動体9cから構成されている転がり軸受9aを、振動体2と加圧ばね6との間に設けることでき、従来構造よりも振動波モータの小型化が可能となる。
【0015】
また、振動波モータの出力トルクを大きくする場合には、加圧力を増大することが有効である。
しかし、加圧力は転がり軸受9aが負担するため、軸受寿命を短くせずに加圧力を増やすためには、定格荷重の大きな軸受を使用しなければならない。
また、出力トルクを維持して耐久性を向上させる場合も同様に、軸受寿命を長くするために定格荷重の大きな軸受を使用しなければならない。
そのため、従来構造では出力トルクの増大や耐久性の向上に伴って軸受が大きくなり、振動波モータが大型化していた。
これに対し、本実施例では、図1に示すように、転がり軸受9aは振動体2と加圧ばね6との間に設けられているため、転がり軸受9aが大きくなっても振動波モータの大きさは変化しない。
そのため、振動波モータの大きさを維持しつつ、出力トルクの増加や耐久性の向上が可能となる。
【0016】
ここで、本実施例において、外輪2hが減衰部2gを介して弾性体2bに設けらるようにしたことによる作用効果について説明する。
図1、図2に示すように、振動体2は、フランジ部2eを固定ねじ10によってハウジング1に締結している。
そのため、フランジ部2eの締結部付近は、ハウジングの剛性で支えられており、振動体2の振動時にも、フランジ部2eの変形は微小となっている。
しかしながら、振動体2のハウジング1への締結は、周方向に所定の間隔をもってねじにより締結されている。
そのため、隣り合うねじ間は、ねじ締結によるハウジング1への圧接力が弱く、容易に変位できる。
これにより、フランジ部2eの非締結部付近は、振動体2の振動に伴って振動が生じている。
フランジ部2eに直接軸受の外輪を形成した場合、振動体2の振動に伴って生じるフランジ部2eの振動が軸受に伝播する。これにより、軸受にフレッチング摩耗が発生し、軸受寿命が著しく低下してしまう。
【0017】
これに対し、本実施例では、減衰部2gは、フランジ部2eのハウジング1との固定部よりも薄肉に形成されており、ばね性を有している。
そのため、外輪2hは、減衰部2gによって柔支持される構成となっており、振動体2の振動に伴って生じるフランジ部2eの振動が減衰部2gで減衰され、該振動が外輪2hに伝播するのを抑制している。
これにより、振動体2の振動の伝播によって生じるフレッチング摩耗等の軸受寿命の低下を回避することができる。ここでフレッチングとは、二つの物体がある接触面圧で接触している状態で、外部荷重による繰り返し応力により接触部で生ずる繰り返しの摩擦力を伴った相対すべりのことをいう。また、フレッチング磨耗とはフレッチングによる繰り返し応力により、接触面には摩耗損傷が生ずることをいう。
さらに、減衰部2gは薄肉に形成されているため、振動体2の発熱が転がり軸受9aに伝わりにくい構成になっている。
そのため、転がり軸受9aの軸受グリースの熱によるグリース寿命の低下や潤滑機能の低下を抑制することができる。
【0018】
なお、本実施例において、減衰部2gは、弾性体2bのフランジ部2eの内径側端部から移動体3の設けられている方向に鉛直に延出しているが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
例えば、図3に示すように、減衰部12gは、弾性体12bのフランジ部12eの内径側端部から外径側に向かって延出し、さらに移動体の設けられている方向に鉛直に延出するように設けられてもよい。
これにより、減衰部12gは振動波モータの回転軸方向にもばね性を有する構造となり、振動の減衰性能が高まり、軸受寿命の向上が可能となる。
上記の図3において、符号12b乃至12hは、図2の符号2b乃至2hに対応している。
【0019】
[実施例2]
実施例2として、弾性体や軸受の構成が実施例1と異なる形態とした振動波モータの構成例について、図4を用いて説明する。
弾性体や軸受の構成以外のその他の要素(圧電素子、移動体等)は、実施例1の対応するものと同一なので、説明を省略する。
本実施例では、図4に示すように、出力軸28は、一対の転がり軸受29a、29bによって回転自在に支持される。
転がり軸受29aは、転がり軸受の保持部材を構成する振動体22に設けられた軸受ホルダ29c及び軸受カバー29dに外輪が固定され、出力軸28の外周に内輪が嵌合している。
転がり軸受29bはハウジング21に外輪が固定され、出力軸28の外周に内輪が嵌合している。
転がり軸受29aの内輪は、移動体23を振動体22に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね26の変位量分だけ、出力軸28に形成された溝に装着された止め輪28bによって予圧がかけられている。
これにより、転がり軸受29aの径方向のがたが排除され、出力軸28の径方向の振れを抑えることができる。
【0020】
図5に示す図4の軸受ホルダの一部を拡大した斜視図を用いて、本実施例の弾性体の構成について説明する。
図5に示すように、軸受ホルダ29cは、固定部29e、取付け基準部29f、減衰部29g及び軸受嵌合部29hから構成されている。
固定部29eは、固定ねじ20によって、ハウジング21に振動体22のフランジ部22eと一体的に締結される。
その際、ハウジング21に設けられている振動体22との嵌合部と、軸受ホルダ29cの取付け基準部29fが嵌合するため、転がり軸受29a、29b及び振動体22の同軸度が良好に保たれ、振動波モータの安定した駆動が可能となっている。
減衰部29gは、固定部29eの端部から外径側に向かって延出しており、ばね性を有する厚みで形成されている。
転がり軸受29aの外輪が嵌合する軸受嵌合部29hは、減衰部29gの端部から、移動体23の設けられている方向に鉛直に延出して形成されている。
【0021】
これにより、転がり軸受29aを、振動体22と加圧ばね26との間に設けることができ、従来構造よりも振動波モータの小型化が可能となる。
また、転がり軸受29aは減衰部29gによって柔支持される構成となっている。
そのため、振動体22の振動に伴って生じるフランジ部22eの振動が減衰部29gで減衰され、該振動の転がり軸受29aへの伝播が抑制されている。これにより、振動体22の振動の伝播によって生じるフレッチング摩耗等の軸受寿命の低下を回避することができる。
【0022】
本実施例においても、減衰部29gは薄肉に形成されているため、振動体22の発熱が転がり軸受29aに伝わりにくい構成になっている。
これにより、転がり軸受29aの軸受グリースの熱によるグリース寿命の低下や潤滑機能の低下を防ぐことができる。
さらに、弾性体22bと転がり軸受29a、軸受ホルダ29cはそれぞれ別部材となっており、弾性体と転がり軸受の外輪が一体的に形成されている場合に比べ、弾性体22bの加工が容易になる。
また、軸受ホルダ29cを振動減衰性能の高い金属や樹脂材料で作製することで、転がり軸受29aに伝播する振動をさらに抑制することができる。
また、転がり軸受29aの交換が必要になった際には、弾性体と転がり軸受の外輪が一体的に形成されている場合は弾性体の交換が必要になっていたが、本実施例では転がり軸受29aのみの交換ができ、コストが削減できる。
【0023】
なお、本実施例において、固定部29eは振動体22に一体的に締結され、減衰部29gは、固定部29eの端部から外径側に向かって延出しているが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、減衰部39gに中心軸に対して同心円状に穴部39iを設けてもよい。これにより、減衰部39gの振動の減衰性能を向上することができる。
また、図7に示すように、固定部49eの振動体と締結される側の面に、ブチルゴムやクロロプレンゴム等の減衰材49jを設けてもよい。
これにより、振動体の振動に伴って生じるフランジ部の振動を遮断し、転がり軸受に該振動が伝播するのをさらに抑制できる。
上記の図6、図7において、符号39c乃至39h、及び符号49c乃至49hは、図5の符号29c乃至29hに対応している。
【0024】
[実施例3]
実施例3として、振動体及び移動体を2つ以上備えた上記各実施例と異なる形態の振動波モータの構成例について、図8を用いて説明する。
本実施例は、上記各実施例と振動体及び移動体を複数備えた構造とした点において相違する。
本実施例において、振動体及び移動体を複数備えた構造以外の各要素(圧電素子、移動体等)は、上記各実施例の対応するものと同一なので、説明を省略する。本実施例の振動波モータは、図8に示すように、振動体52、移動体54を夫々2つ備えており、一方の振動体52に発生させる進行性の振動波の進行方向と逆方向の振動波を、他方の振動体52に発生させることで駆動力を取り出している。
出力軸58は一対の転がり軸受59a、59bによって回転自在に支持される。転がり軸受59a、59bは、夫々の振動体52に設けられた軸受ホルダ59cに外輪が固定され、出力軸58の外周に内輪が嵌合している。
転がり軸受59a、59bの内輪は、出力軸58に焼嵌された軸受ディスク58cに取付けられているウェーブワッシャ58dによる変位量分だけ、出力軸58に形成された溝に装着された止め輪58bによって予圧がかけられている。これにより、転がり軸受59a、59bの径方向のがたが排除され、出力軸58の径方向の振れを抑えることができる。
また、外部装置の組付け時や駆動時に発生する出力軸方向の力に対して、十分な予圧を転がり軸受59a、59bに付与しているため、安定した駆動が可能となっている。
【0025】
本実施例においても、2つの軸受ホルダ59cは、それぞれ振動減衰部を備えており、振動体52に固定しても転がり軸受59a、59bには振動が伝わりにくい構成となっている。
これにより、転がり軸受59a、59bを、振動体52と加圧ばね56との間に夫々設けることができ、従来構造よりも振動波モータの小型化が可能となる。
以上に説明したように、本発明の上記各実施例の構成によれば、出力性能や軸受寿命を維持したまま、振動波モータの小型化(薄型化)が可能となる。
【符号の説明】
【0026】
2:振動体
2a:圧電素子
3:移動体
2g、12g、29g、39g、49g:減衰部
29c、39c、49c、59c:軸受ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気−機械エネルギー変換素子と、
前記電気−機械エネルギー変換素子に固定され、前記電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、
前記振動体と加圧接触し、前記振動により摩擦駆動する移動体と、
前記振動体と前記移動体とを前記加圧接触させると共に、前記移動体の駆動力を出力軸に伝達させるために設けられた加圧部材と、
を有し、これらが円環状に形成された振動波モータであって、
前記出力軸は、該出力軸を回転自在に支持する転がり軸受部材を備え、
前記転がり軸受部材の一方の軌道輪は、
前記円環状に形成された前記振動体に、振動減衰部を介して設けられ、
前記振動減衰部および前記軌道輪は、前記振動体の前記移動体が設けられている側に設けられていることを特徴とする振動波モータ。
【請求項2】
前記軌道輪と前記振動減衰部は、前記振動体と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
【請求項3】
前記振動減衰部は、前記軌道輪を保持する前記振動体とは別部材で構成された保持部材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
【請求項4】
前記軌道輪は、外輪であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動波モータ。
【請求項5】
前記振動減衰部および前記軌道輪は、前記振動体と前記加圧部材との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動波モータ。
【請求項6】
前記振動減衰部は、ばね性を有する厚みで形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動波モータ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動波モータにおける前記移動体および前記振動体を、2つ以上備えていることを特徴とする振動波モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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