説明

振動篩装置

【課題】コスト高を招くことなく、簡単な構造改良でもって、ベースとする振動篩装置のもつ選別物(土砂、その他)に対する選別性能をより一層向上させながらフロア−に対する振動伝達を抑制すること。
【解決手段】振動スクリーンの固定側部の重量を1としたときに、可動側部の側の重量を、0.4から1.5の範囲に設定してある振動篩装置において、架台に対する基体の支持が、基体の長手方向上方側端部と、長手方向略中間部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の6箇所で、夫々前記緩衝バネを介して成されており、且つ、支持体による前記振動スクリーンの固定側部の支持が、前記基体の長手方向上方側端部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の4箇所で成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、篩により廃材等の分別を行う振動篩装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
建設廃材ミンチ(混合廃棄物)、コンクリート・土砂廃材、資源ゴミの残渣等の分別には、精度のよい選別装置が求められる。このような選別には、基本的には振動篩が用いられると供に風選、サイクロン、集塵機等を組み合わせたシステムが既に提案されている。
最近に至っては、上述した残渣は、先ず、スクリーン選別によって、砂、小石と可燃物(木、紙、廃プラ)に分別され、しかる後に、風選を伴う振動篩装置で、異なる比重、サイズ等で高選別される。
【0003】
上述のようなスクリーン型の振動篩装置としては、種々提案されているが、次の技術を挙げることができる。
【特許文献1】特開2008−80239。
【特許文献2】特開2003−340375。
【特許文献3】特開2008−110287。
【0004】
上述したスクリーン型の振動篩装置としては、傾斜したコンベアタイプのものが提案されており、その構造は、フロア−に設置される架台に緩衝バネを介在させて基体を所定の傾斜角度でもって敷設し、該基体に振動スクリーンを、所定の傾斜角度でもって振動可能にリンク支持させ、そして、前記基体に載置した振動モーターによって、前記振動スクリーンに振動を付与させ、該振動スクリーンに投入された残渣を選別するようにしたものがある。
【0005】
そして、上述した振動モーターは、電動モーターによって偏心軸を駆動し、これに連動連結されたリンクアームを介して振動スクリーンに振動を付与するものが提案されているが、その振動発生には基体に対する反力が作用する。即ち、基体から架台に振動が伝達され、フロア−にその振動が伝わることになる。勿論、バネを介在させているので、幾らかは軽減されるが、フロア−には大きな振動が伝わることになり、問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するために、図6及び図7に示す振動篩装置を提案した。
【特許文献4】特開2009−291772。
【0007】
この特許文献4に記載の振動篩装置は、図6及び図7に示す通り、架台1に緩衝バネ2を介して基体3を載置し、該基体3の上にリンク機構4を用いて振動スクリーン5を連接し、前記基体3に振動モーター9を設置し、該振動モーター9によって前記リンク機構4を駆動して前記振動スクリーン5を振動させるように構成した振動篩装置において、前記基体3から上方に向けて支持体6を連設し、前記支持体6により前記振動スクリーン5の固定側部5Aを支持させ、前記リンク機構4により前記振動スクリーン5の可動側部5Bを支持させ、且つ、前記基体3と前記振動スクリーン5の可動側部5Bとをリアクタースプリング7で連結したものである。
【0008】
更に、前記振動スクリーン5の固定側部5Aの重量を1としたときに、前記可動側部5Bの側の重量を、0.4から1.5の範囲に設定してある。このように構成することで、前記振動スクリーン5の可動側部5Bと固定側部5Aとの運動エネルギーを、リアクタースプリンにより共振度合いを近似させることができて、フロア−に対する振動伝達を抑制できるようにしたのである。
尚、ここで、前記振動スクリーン5の固定側部5A(カウンターウエイト側)とは、基体3、振動モーター9、リンク機構4、支持体6を含む構造物を指す。また、前記振動スクリーン5の可動側部5B(トラフ側)とは、リンク機構4によって可動する部分を言う。
図6及び図7において、4A,4B,4Cは、リンクアームであり、9Aは、電動モーター、9bは偏心軸であり、9Cは連結部材である。10〜13は、スプリングブラケット、14から7は、リンクブラケットである。20、21は枢支部を示し、22は筒軸、23は孔、24は枢支ピンを示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記構成の振動篩装置により、選別物(土砂、その他)に対する選別性能を向上させながらフロア−に対する振動伝達を抑制することができる顕著な効果を奏するに至ったものであるが、新たに次の問題が生じていた。
即ち、図示から解るように、基体3(振動スクリーン5を支持)は、架台1に対して傾斜して載置されているが、その支持は、基体3の一端部と、他端側に近い中間部とで、緩衝バネ2を介して行われている。つまり、都合4箇所での支持となっている。
更に、振動スクリーン5の傾斜角度を随時変更調節できるように、傾斜調節機構8を備えていた。即ち、傾斜支持が可能なように、基体3と架台1とはピン連結(枢支)されていた。
【0010】
このような構成の場合、振動モーター9が、基体3の搬送方向の中間位置に設けられ、偏心軸9Bにより連結部材9Cを介して振動スクリーン5の可動側部5B(トラフ側)を波動させると、この可動側部5Bを駆動する反力が振動モーター9を介して基体3に伝わり、緩衝バネ2を介して架台1に伝わるが、振動スクリーン5の固定側部5Aが、基体3の両端部(上下端)で支持体6により支持されているため、同時に、前記固定側部5Aから基体3の下端部に反力が伝わることになる。
【0011】
その結果、二つの問題が生じるのである。先ず、基体3にかかる振動反力の支持は、所定の傾斜角度を選定するとしても、その傾斜角度変更を可能にする構成故に緩衝バネ2の圧縮伸張変位方向が垂直方向ではなく、結果としてピン連結支持構造(枢支)としなければならない。従って、この構造においては、強固なピン連結構造を採用しなければならず、コスト高を招くし、緩衝バネ2のコイルの中心に対して角度をもって力が作用することになって、十分に安定した弾性を発揮できない虞が生じるのである。
【0012】
第2に、振動スクリーン5の固定側部5Aが、一方において基体3の上端部で支持体6により支持され、その下方で緩衝バネ2を介して支持されているので、前記基体3の上端部に伝わる固定側部5Aの振動波動は、直接下方の緩衝バネ2を介して架台1に支持されることになって問題はないのであるが、他方において振動スクリーン5の固定側部5Aの下端側が基体3の下端部に支持されるも、前記緩衝バネ2は、その下端部から上方に離れた位置に設けられていて、距離をもって支持されている。
【0013】
その結果、振動モーター9の偏心軸で駆動して振動スクリーン5を波動振動させる際、基体3の下端部で支持体6により支持されるも、その振動は、前記基体3が剛体で構成されているものの、該基体3の下端部から前記緩衝バネ2(略中間位置)に対して距離を持つ故に僅かに時間的ズレを生じた状態で伝達されることになる。この場合、前記振動モーター9がその偏心軸で振動スクリーン5を暫時、前後上下方向に波動させるので、その波動が前記基体3の下端部から前記振動バネ2に伝わる時間的ズレを生じ、また、基体3の下端部を力点とし、前記緩衝バネ2の位置を支点とした作用も生じ、折角、前記振動スクリーン5の固定側部5Aの重量を1とし、前記可動側部5Bの側の重量を、0.4から1.5の範囲に設定して、前記振動スクリーン5の可動側部5Bと固定側部5Aとの運動エネルギーを、リアクタースプリングにより共振度合いを近似させ、以って、フロア−に対する振動伝達を抑制できるようにしたのに、この作用効果が減じられる事態を生じることになり、結果として、選別性能が少し低下してしまうという問題がある。
【0014】
本発明は、コスト高を招くことなく、簡単な構造改良でもって、ベースとする振動篩装置(特許文献4)のもつ選別性能をより一層向上させながらフロア−に対する振動伝達を抑制することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる振動篩装置は、上記目的を達成するために、架台(1)に緩衝バネ(2)を介して基体(3)を傾斜状態で載置し、該基体(3)の上にリンク機構(4)を用いて振動スクリーン(5)を連接し、前記基体(3)から上方に向けて支持体(6)を連設し、前記支持体(6)により前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)を支持させ、前記リンク機構(4)により前記振動スクリーン(5)の可動側部(5B)を支持させ、且つ、前記基体(3)と前記振動スクリーン(5)の可動側部(5B)とをリアクタースプリング(7)で連結し、前記基体(3)に振動モーター(9)を設置し、該振動モーター(9)によって前記リンク機構(4)を駆動して前記振動スクリーン(5)を振動させるように構成し、且つ、前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)の重量を1としたときに、前記可動側部(5B)の側の重量を、0.4から1.5の範囲に設定してある振動篩装置において、前記架台(1)に対する基体(3)の支持が、該基体(3)の長手方向上方側端部と、長手方向略中間部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の6箇所で、夫々前記緩衝バネ(2)を介して成されており、且つ、前記支持体(6)による前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)の支持が、前記基体(3)の長手方向上方側端部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の4箇所で成されている、という手段を講じたのである。
【0016】
本発明における前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)(カウンターウエイト側)とは、基体(3)、振動モーター(9)、リンク機構(4)、支持体(6)を含む構造物を指す。また、前記振動スクリーン(5)の可動側部(5B)(トラフ側)とは、リンク機構(4)によって可動する部分をいう。
【発明の効果】
【0017】
本発明の振動篩装置によれば、コスト高を招くことなく、簡単な構造改良でもって、ベースとする振動篩装置(特許文献4)のもつ選別物(土砂、その他)に対する選別性能をより一層向上させながらフロア−に対する振動伝達を抑制することができる顕著な効果を奏するに至った。
本発明のその他の具体的な効果は、以下の記載から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施に際しては、前記振動スクリーン(5)に設けられたスクリーン本体(5C)は、その搬送方向において、所定の間隔を隔てて、前記可動側部(5B)と固定側部(5A)とに止め付けられているのが好ましい。
このように、前記振動スクリーン(5)を、固定側部(5A)と前記可動側部(5B)とに分離した構造としながら、選別物に十分な波動運動を付与し、30乃至50Gの加速度で跳ね上げることができるようにできたものであり、これによって、フロア−への振動伝達抑制と、選別性能の向上の両立ができたものである。
【0019】
また、前記架台(1)が、傾斜された前記基体(3)の上方側端部と略中間位置部とを支持するように一体構造物に構成された第1の架台(1A)と、前記基体(3)の下方側端部が独立して構成された第2の架台(1B)とから成るのが好ましい。
このように、基体(3)の上方側端部と略中間位置部とを支持するように一体構造物に構成したことで、分解搬送、組み立てが容易となり、作業性が向上する。
【0020】
更に、前記架台(1)が、傾斜された前記基体(3)の上方側端部、略中間位置部及び下方側端部とを支持するように一体構造物に構成されているのが好ましい。
このように、架台(1)と基体(3)との6箇所の支持が一体構造物とされることは、全体の剛性を高めて安定支持が行い得るだけでなく、その分解、組み付けをより一層容易に行うことができる利点がある。
【実施例】
【0021】
以下、本発明にかかる振動篩装置の好適実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1(正面図)及び図2(側面図)に示すように、本発明にかかる振動篩装置の基本構成は、工場等の現場のフロア−に固定される架台1(鋼材で構成)に、緩衝バネ2を介して基体3を載置し、該基体3の上にリンク機構4を用いて振動スクリーン5を連接し、前記基体3に振動モーター9を設置し、該振動モーター9によって前記リンク機構4を駆動して前記振動スクリーン5を振動させるように構成されている。そして、前記基体3の傾斜は、初期設計の固定角度とされ、ここでは、15度に設定されているが、後述するように、選別対象に鑑みて適宜設計で角度選定できる。
【0022】
ここで、前記基体3は、2本の鋼材を併置して、相互に連結する構成とされている。また、前記架台1は、図1に示すように、一方が他方より長い4本の支柱1a,1a,1b,1bを有する正面視略H型で、図2に示すように、側面視が井桁型の構造とされ、以って、基体3の上端部及び略中間部を支持する第1の架台1Aと、独立して基体3の下端部を支持する2本の支柱からなる第2の架台1Bとから構成されているものである。
尚、図1において、第1の架台1Aと第2の架台1Bとを、仮想線で示す連結部材1Cにより一体的に連結して実施するようにしてもよい。
【0023】
従って、前記緩衝バネ2は、前記架台1の第1の架台1Aの4本の支柱1a,1a,1b,1b及び第2の架台1Bの2本の支柱に夫々対応位置されて設けられているのであり、その圧縮伸張方向がコイルバネの中心方向を向くように架台1と基体3とを連設している。
【0024】
そして、前記基体3の搬送方向上手と下手、即ち、上端部及び上端部から夫々一対、上方に向けて一対の支持体6を枢支、連設し、前記支持体6により前記振動スクリーン5の固定側部5A(カウンターウエイト側)を支持させ、前記リンク機構4により前記振動スクリーン5の可動側部5B(トラフ側、トラフ形状を呈する)を支持させ、且つ、前記基体3と前記振動スクリーン5の可動側部5Bとを、搬送方向上手と下手において夫々一対のリアクタースプリング7で連結してある。
【0025】
この実施例では、前記基体3の搬送方向上手に設けたスプリングブラケット10に、リアクタースプリング7の一端を連結し、その他端は、可動側部5B(トラフ側)のスプリングブラケット11に連結している。同様に、前記基体3の搬送方向下手に設けたスプリングブラケット12に、リアクタースプリング7の一端を連結し、その他端は、可動側部5B(トラフ側)のスプリングブラケット13に連結している。
【0026】
前記リンク機構4は、この実施例では、前記基体3の搬送方向上手に設けたリンクブラケット14に、第1のリンクアーム4Aの一端を枢支連結し、その他端は、可動側部5B(トラフ側)のリンクブラケット15に枢支連結し、略中央位置において、第2のリンクアーム4Bの一端を、基体3のリンクブラケット16に枢支連結し、その他端は、可動側部5B(トラフ側)のリンクブラケット17に枢支連結し、搬送方向上下手において、第3のリンクアーム4Cの一端を、基体3のリンクブラケット18に枢支連結し、その他端を、可動側部5B(トラフ側)のリンクブラケット19に枢支連結してある。
【0027】
そして、前記リンクアーム4A,4B,4Cの傾斜は、その上端が搬送方向上手に位置し、下端が下手に位置するとともに、前記リアクタースプリング7は、これとは逆に、その上端が搬送方向下手に位置し、下端が上手に位置するように取り付けられている。
【0028】
前記振動モーター9は、電動モーター9Aと、これにより駆動する偏心軸9Bとからなり、この偏心軸の変位を連結部材9Cにより前記可動側部5B(トラフ側)に伝達し、これを波動させるように構成されているのである。
上記の連結部材9Cには、リアクションを発生させるリアクタースプリング7が介装されている。
上記電動モーター9Aは,ここでは、出力5.5KWのものが使用されている。
【0029】
この実施例では、前記振動スクリーン5の固定側部5Aの重量(ここでは、約4250Kg)1としたときに、前記可動側部5Bの重量(ここでは、約2500Kg)を、0.59に設定してある。
前記の固定側部5Aの重量には、基体3、振動モーター9、リンク機構4、支持体6が含まれ、前記可動側部5Bの側の重量とは、振動スクリーン5の前記リンク機構4により可動される部位の重量をいう。
これら固定側部5Aの重量と可動側部5Bの重量とは1対1が理想であるが、実施例のように、0.5であってもよく、また、0.4乃至1.5の範囲であれば、本発明の目的を有効に達成できる。
【0030】
更に、前記振動スクリーン5に設けられたスクリーン本体5Cは、その搬送方向において、所定の間隔を隔てて、前記可動側部5Bと固定側部5Aとに止め付けられている。このスクリーン本体5Cは、ウレタン網で構成されている。
図3及び図4に示すように、スクリーン本体5Cの前記可動側部5Bと固定側部5Aへの止め付けのピッチは、ここでは、310mmである。
【0031】
図4に示すように、前記可動側部5Bが作動することによって、丈夫の選別物は、例えば30乃至50Gの加速度で跳ね上げられる。
図3に示すように、スクリーン本体5Cを通過した土砂は、排出口5Dから、その他のものは、排出口5Eから排出される。その排出口5Eからの選別物は、そのまま処理されるか、他の、例えば、風船を伴う振動篩装置により、更に分別されることになる。
【0032】
尚、基体3の傾斜については、選別物の性質によって、15度、12度等、好適な角度に設定して実施できるものであり、また、スクリーン本体5Cについても、そのメッシュの孔は、選別物の性質によって、3mm乃至10mm角の大きさのものを適宜選択して使用できる。
【0033】
上記の如き構成であるので、振動モーター9による振動は、前記振動スクリーン5の可動側部5Bに伝達されると、その反力が、リアクタースプリング7を介して、固定側部5A、即ち、基体3の側に伝達され、共振状態となる。
即ち、前記振動スクリーン5の可動側部5Bは、その下部側においてリンク機構4と、リアクタースプリング7とによって支持され、上部側において、基体3から伸びる支持体6により吊り下げられた、謂わば宙吊り状態となっているのであるが、これを波動させた反力を基体3で受け止めることで両者を共振させる状態とすることで、フロア−への振動伝達を抑制することができるのである。
【0034】
そして、固定側部5Aと可動側部5Bとに跨って止め付けられたスクリーン本体5Cは、その波動を十分に現出できることで、選別物に対する大きな加速度を付与し得て、大きな跳ね上げを行い、効率のよい選別を行うことができるのである。
【0035】
そして、前記架台1に対する基体3の支持が、該基体3の長手方向上方側端部と、長手方向略中間部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の6箇所で、夫々前記緩衝バネ2を介して成されており、且つ、前記支持体6による前記振動スクリーン5の固定側部5Aの支持が、前記基体3の長手方向上方側端部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の4箇所で成されていることで、その振動スクリーン5の固定側部5Aの前記基体3の長手方向下手側端部、即ち、下端部に対する支持体6を介しての支持が、直ちに緩衝バネ2を介して直下の架台1(第2の架台1B)により支持されることになり、従来の下端部から略中央部にまで離れた位置で支持する場合に比べて、時間的ズレやモーメントの発生(下端部が力点、緩衝バネ2位置が支点)がなく、振動モーター9による振動スクリーン5の固定側部5A及び可動側部5Bの協働による波動振動の紛れを生じさせる事態を未然に回避し、以って、選別効率をより一層向上させながら、上述した共振による振動減衰によるフロアーへの振動伝達を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の振動篩装置は、建設廃材ミンチ(混合廃棄物)、コンクリート・土砂廃材、資源ゴミの残渣等の分別に適したもので、その応用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明にかかる振動篩装置の正面図。
【図2】本発明にかかる振動篩装置の側面図。
【図3】本発明にかかる振動篩装置の概略平面図。
【図4】本発明にかかる振動篩装置の要部の縦断側面図。
【図5】本発明にかかる振動篩装置の作用を示すスクリーン本体の概略正面図。
【図6】従来技術にかかる振動篩装置を示す正面図。
【図7】従来技術にかかる振動篩装置を示す側面図。
【符号の説明】
【0038】
1:架台
1A:第1の架台
1B:第2の架台
2:緩衝バネ
3:基体
4:リンク機構
5:振動スクリーン
5A:固定側部
5B:可動側部
6:支持体
7:リアクタースプリング
8:傾斜調節機構
9:振動モーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台(1)に緩衝バネ(2)を介して基体(3)を傾斜状態で載置し、該基体(3)の上にリンク機構(4)を用いて振動スクリーン(5)を連接し、前記基体(3)から上方に向けて支持体(6)を連設し、前記支持体(6)により前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)を支持させ、前記リンク機構(4)により前記振動スクリーン(5)の可動側部(5B)を支持させ、且つ、前記基体(3)と前記振動スクリーン(5)の可動側部(5B)とをリアクタースプリング(7)で連結し、前記基体(3)に振動モーター(9)を設置し、該振動モーター(9)によって前記リンク機構(4)を駆動して前記振動スクリーン(5)を振動させるように構成し、且つ、前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)の重量を1としたときに、前記可動側部(5B)の側の重量を、0.4から1.5の範囲に設定してある振動篩装置において、
前記架台(1)に対する基体(3)の支持が、該基体(3)の長手方向上方側端部と、長手方向略中間部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の6箇所で、夫々前記緩衝バネ(2)を介して成されており、
且つ、前記支持体(6)による前記振動スクリーン(5)の固定側部(5A)の支持が、前記基体(3)の長手方向上方側端部及び下方側端部とそれらの幅方向左右位置の4箇所で成されている、
ことを特徴とする振動篩装置。
【請求項2】
前記振動スクリーン(5)に設けられたスクリーン本体(5C)は、その搬送方向において、所定の間隔を隔てて、前記可動側部(5B)と固定側部(5A)とに止め付けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動篩装置。
【請求項3】
前記架台(1)が、傾斜された前記基体(3)の上方側端部と略中間位置部とを支持するように一体構造物に構成された第1の架台(1A)と、前記基体(3)の下方側端部が独立して構成された第2の架台(1B)とから成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の振動篩装置。
【請求項4】
前記架台(1)が、傾斜された前記基体(3)の上方側端部、略中間位置部及び下方側端部とを支持するように一体構造物に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の振動篩装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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