説明

挿入量表示装置及びその使用方法

【課題】簡単な構造でありながら挿入部材の挿入量を明確に推測する。
【解決手段】挿入部材1の先端側が被挿入部材2の空間部2aに挿入されることで、第二表示部3bを屈曲変形させて第一表示部3aと第三表示部3cが隣接する配置にすることにより、被挿入部材2の空間部2aに対して、挿入部材1の先端側を予め設定された長さ分だけ挿入したことが目視で確認可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばホース、チューブ、パイプなどの管体やその他の棒状体などからなる挿入部材を、管継手や軸継手などからなる被挿入部材に接続するために、被挿入部材の内部に形成される空間部に挿入部材を挿入する際、この挿入部材の挿入量が被挿入部材の外からでも確認できるようにする挿入量表示装置、及び、この挿入量表示装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の挿入量表示装置として、カシメ筒の一端部にストッパを有する取付孔が開口され、この取付孔をニップルの竹の子状接続端に嵌合して外装するとともに、周面の取付孔側には透孔を開孔し、カシメ筒の他端部に開口される挿通孔からホースをニップルの竹の子状接続端との間に挟入して、透孔からホースが視認されるまで押込むことにより、ホースがストッパに到達するまで確実に挟入されたことを作業者が視認でき、これによってカシメを正確な位置で行なうことができるため、接続不良とならないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平04−049437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし乍ら、このような従来の挿入量表示装置では、カシメ筒などからなる被挿入部材の周面に開いた透孔からホースなどの挿入部材を視認するため、透孔の開いていない方向からはホースなどの挿入部材を視認できなかった。
特に、例えば天井裏や床下などに、ホース又はチューブ若しくはパイプなどの挿入部材が配備される場合には、周面に透孔が開いた被挿入部材を容易に回転できないことがあり、このような場合には、被挿入部材に対して挿入部材の先端が予め設定された位置まで確実に挿入されたか否かを確認することができないという問題があった。
そこで、透孔の他に、被挿入部材に対して挿入部材の先端が予め設定された位置まで挿入された時のみ、確認用の音や振動などが発生するように構成したり、挿入した挿入部材の先端が透視できるように被挿入部材を透明部材で構成することが考えられる。
しかし、このような確認用の音や振動などが発生する機構を被挿入部材に組み込むと、被挿入部材の全体構造が複雑化してコスト高になり、被挿入部材を透明部材で構成すると強度が低下しコスト高になるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、簡単な構造でありながら挿入部材の挿入量を明確に推測すること、挿入部材の挿入量を正確に計測すること、挿入部材の先端が被挿入部材の凹部の底面まで挿入されたことを明確に推測すること、作業者が表示部材で確認作業を実施する確率を向上させること、などを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために本発明による挿入量表示装置は、挿入部材と、この挿入部材が入り込む空間部が内部に形成される被挿入部材と、これら挿入部材及び被挿入部材に亘って着脱自在に接着される表示部材とを備え、
前記表示部材は、前記挿入部材と前記被挿入部材とに亘って張架され、前記挿入部材の先端側に接着される第一表示部と、この第一表示部に連続して形成される弾性変形可能な第二表示部と、この第二表示部に連続して形成され前記被挿入部材の前記空間部側に接着される第三表示部とを有し、
前記第二表示部は、その長さを、前記挿入部材の先端側が前記被挿入部材の前記空間部に挿入される長さと同じに設定し、前記挿入部材の先端側が前記被挿入部材の前記空間部に挿入されることで、該第二表示部を屈曲変形させて前記第一表示部と前記第三表示部が隣接する配置にしたことを特徴とする。
【0007】
さらに前述した特徴に加えて、前記第二表示部の前記挿入部材と対向する表面を接着不能に形成したことを特徴とする。
【0008】
さらに前述した特徴に加えて、前記被挿入部材の前記空間部が凹部であり、前記第二表示部を該凹部の深さに相当する長さに設定したことを特徴とする。
【0009】
また本発明による挿入量表示装置の使用方法は、挿入部材と、この挿入部材が入り込む空間部が内部に形成される被挿入部材とを、これら挿入部材及び空間部の軸線が一直線上で、且つ該挿入部材の先端が該空間部側の端面と同一平面上になるように配置し、
前記挿入部材と前記被挿入部材とに亘って表示部材を、該表示部材の一端に形成される第一表示部が前記挿入部材の先端側に接着されるとともに、前記第一表示部と第二表示部を介して形成した第三表示部が前記被挿入部材の前記空間部側に接着されるように張架し、
前記挿入部材の先端側が前記被挿入部材の前記空間部に挿入されることで、前記第二表示部を屈曲変形させて、前記第一表示部と前記第三表示部が隣接するように配置させたことを特徴とする。
【0010】
前述した特徴に加えて、前記表示部材の前記第二表示部が前記被挿入部材の前記空間部を覆うように、前記表示部材の前記第一表示部を、前記被挿入部材の前記空間部側に仮止めし、その後、前記挿入部材の挿入前に前記被挿入部材から前記表示部材の前記第一表示部を剥離し、その後、この剥離した前記第一表示部が前記挿入部材の先端側に接着されることで、前記表示部材の前記第二表示部を前記挿入部材と前記被挿入部材とに亘って張架したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前述した特徴を有する本発明による挿入量表示装置は、挿入部材の先端側が被挿入部材の空間部に挿入されることで、第二表示部を屈曲変形させて第一表示部と第三表示部が隣接する配置にすることにより、被挿入部材の空間部に対して、挿入部材の先端側を予め設定された長さ分だけ挿入したことが目視で確認可能となるので、簡単な構造でありながら挿入部材の挿入量を明確に推測することができる。
その結果、被挿入部材となるカシメ筒の周面に開いた透孔から挿入部材となるホースを視認する従来のものに比べ、被挿入部材の配備位置に関係なく、被挿入部材に対して挿入部材の先端が予め設定された位置まで確実に挿入されたか否かを確認することができる。
さらに、被挿入部材に対して挿入部材の先端が予め設定された位置まで挿入された時のみ、確認用の音や振動などが発生する機構を被挿入部材に組み込むものや被挿入部材を透明部材で構成するものに比べ、表示部材の追加のみで、被挿入部材に特別な機構を組み込む必要がないから、コストの大幅な軽減化を図ることができる。
【0012】
さらに、前記第二表示部の前記挿入部材と対向する表面を接着不能に形成した場合には、挿入部材の先端側を被挿入部材の空間部に挿入することに伴って第二表示部が屈曲変形した時に、第二表示部の挿入部材と対向する表面が接着しないため、表面同士が摺動してスムーズに屈曲変形するので、挿入部材の挿入量を正確に計測することができる。
【0013】
さらに、前記被挿入部材の前記空間部が凹部であり、前記第二表示部を該凹部の深さに相当する長さに設定した場合には、挿入部材の先端側を被挿入部材の空間部となる凹部に挿入することに伴って、挿入部材の先端側を該凹部の深さ分だけ挿入したことが目視で確認可能となるので、挿入部材の先端が被挿入部材の凹部の底面まで挿入されたことを明確に推測することができる。
【0014】
また、本発明による挿入量表示装置の使用方法は、挿入部材の先端側が被挿入部材の空間部に挿入されることで、第二表示部を屈曲変形させて、第一表示部と第三表示部が隣接するように配置されることにより、被挿入部材の空間部に対して、挿入部材の先端側を予め設定された長さ分だけ挿入したことが目視で確認可能となるので、簡単な構造でありながら挿入部材の挿入量を明確に推測することができる。
その結果、被挿入部材となるカシメ筒の周面に開いた透孔から挿入部材となるホースを視認する従来の方法に比べ、被挿入部材の配備位置に関係なく、被挿入部材に対して挿入部材の先端が予め設定された位置まで確実に挿入されたか否かを確認することができる。
【0015】
さらに、前記表示部材の前記第二表示部が前記被挿入部材の前記空間部を覆うように、前記表示部材の前記第一表示部を、前記被挿入部材の前記空間部側に仮止めし、その後、前記挿入部材の挿入前に前記被挿入部材から前記表示部材の前記第一表示部を剥離し、その後、この剥離した前記第一表示部が前記挿入部材の先端側に接着されることで、前記表示部材の前記第二表示部を前記挿入部材と前記被挿入部材とに亘って張架した場合には、被挿入部材の空間部に挿入部材を挿入するために表示部材の剥離作業が必要になるから、作業者に注意が喚起されて、第一表示部を挿入部材の先端側に貼着する作業が行われる確率が高くなるので、作業者が表示部材で確認作業を実施する確率を向上させることができる。
さらに、表示部材の第二表示部が被挿入部材の空間部を完全に覆うように仮止めされた場合には、ゴミなどの異物が被挿入部材の空間部内に入ることを防止でき、また被挿入部材が未使用であるか否かを一目で識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る挿入量表示装置を示す斜視図であり、(a)が挿入部材と被挿入部材を並べて配置した時を示し、(b)が表示部材の接着時を示し、(c)が挿入部材の挿入時を示している。
【図2】事前の準備段階を示す斜視図であり、(a)が被挿入部材に表示部材を仮止めした時を示し、(b)が被挿入部材から表示部材を剥離した時を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る挿入量表示装置Aは、図1〜図2に示すように、挿入部材1と、この挿入部材1が入り込む空間部2aが内部に形成される被挿入部材2と、これら挿入部材1及び被挿入部材2に亘って着脱自在に接着される表示部材3とを備えている。
【0018】
挿入部材1は、例えば可撓性を有するホースやチューブ、又は剛性のあるパイプなどの管体、若しくはその他の棒状体などであり、その軸線方向の先端1aが後述する被挿入部材2の空間部2aに挿入される。
【0019】
被挿入部材2は、これらの挿入部材1を接続するために用いられる例えば管継手又は軸継手、若しくはその他の接続具などであり、その軸線方向の一端面には空間部2aが開設され、この空間部2aに対し、挿入部材1の先端側を予め設定された長さ寸法分だけ挿入することで、挿入部材1と被挿入部材2が接続不良を引起すことなく確実に接続されるように構成されている。
この空間部2aの一例としては、挿入部材1の先端1aと突き当たるストッパー2Sを底面に有する凹部とすることが好ましい。
【0020】
表示部材3は、その表裏いずれか一方に例えば粘着部材からなる接着面を有する弾性変形可能な帯状体であり、その具体例としては、例えば粘着テープなどが用いられる。
さらに、表示部材3は、挿入部材1の先端側の表面に対して着脱自在に接着される第一表示部3aと、この第一表示部3aに連続して形成される弾性変形可能な第二表示部3bと、この第二表示部3bに連続して形成され被挿入部材2の空間部2a側の表面に対して着脱自在に接着される第三表示部3cとを有し、挿入部材1の先端側の表面と被挿入部材2の空間部2a側の表面とに亘って張架される。
【0021】
第二表示部3bの長手方法における長さ寸法は、挿入部材1の先端側が被挿入部材2の空間部2aに挿入される長さ寸法と同じに予め設定され、空間部2aが凹部である場合には、被挿入部材2の端面2bから該凹部のストッパー2Sまでの深さ寸法と一致する長さ寸法に予め設定することが好ましい。
さらに、第二表示部3bは、挿入部材1の先端側が被挿入部材2の空間部2aに挿入されることに伴って屈曲変形し、第一表示部3aと第三表示部3cとを接近させて互いに隣接するようにしている。
また、第二表示部3bの挿入部材1と対向する側の表面3dは、粘着部材を取り除くなどの処理が行われることで、接着不能に形成することが好ましい。
【0022】
そして、本発明の実施形態に係る挿入量表示装置Aの使用方法としては、先ず、図1(a)に示すように、挿入部材1と被挿入部材2とを、これら挿入部材1の軸線(中心線)及び被挿入部材2の空間部2aの軸線(中心線)が一直線上で、且つ挿入部材1の先端1aの位置と、空間部2a側の端面2bの位置とが、それらの軸線と直交する方向へ同一平面上になるように配置する。
その後、図1(b)に示すように、挿入部材1の表面と被挿入部材2の表面に亘って表示部材3を、その一端に形成される第一表示部3aが挿入部材1の先端側の表面に接着されるとともに、第三表示部3cが被挿入部材2の空間部2a側の表面に接着するように張架する。
その後、図1(c)に示すように、挿入部材1の先端側を被挿入部材2の空間部2aに挿入することにより、第二表示部3bが略U字形に屈曲変形して、第二表示部3bにおける第一表示部3a側の境界部分3eと、第三表示部3c側の境界部分3fとが徐々に接近する。
最終的には、これら両境界部分3e,3fが、挿入部材1及び空間部2aの軸線(中心線)と直交する方向へ同一平面上に並んで、第一表示部3aと第三表示部3cが隣接するように配置される。
【0023】
このような挿入量表示装置Aによると、第一表示部3aと第三表示部3cが隣接する配置になるまで、挿入部材1の先端側を被挿入部材2の空間部2a内に押し込むことにより、挿入部材1の先端側が第二表示部3bの長さ寸法分だけ被挿入部材2の空間部2a内に挿入されたことになるから、被挿入部材2の空間部2aに対して挿入部材1の先端側を予め設定された長さ寸法分だけ挿入したことが目視で確認可能となる。
それにより、表示部材3を付加しただけの簡単な構造でありながら挿入部材1の挿入量を明確に推測することができる。
【0024】
さらに、第二表示部3bの挿入部材1と対向する表面を接着不能に形成すると、挿入部材1の先端側を被挿入部材2の空間部2aに挿入することに伴って、第二表示部3bが屈曲変形した際に、第二表示部3bの挿入部材1と対向する表面が接着しないため、表面同士が摺動してスムーズに屈曲変形する。
それにより、挿入部材1の挿入量を正確に計測することができる。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0025】
この実施例は、図1(a)〜(c)及び図2(a)(b)に示すように、挿入部材1が可撓性ホースや可撓性チューブ又は剛性パイプなどの管体であるとともに被挿入部材2が管継手であり、この管継手には、空間部2aとして管体と嵌り合う円筒状の凹部が形成され、第二表示部3bの長さ寸法を該凹部の深さ寸法に相当する長さ寸法に予め設定したものである。
【0026】
このような本発明の実施例によると、第一表示部3aと第三表示部3cが隣接する配置になるまで、挿入部材1となる管体の先端側を被挿入部材2の空間部2aとなる管継手の凹部内に押し込むことにより、挿入部材1となる管体の先端側を該凹部の深さ寸法分だけ挿入したことが目視で確認可能となる。
それにより、挿入部材1となる管体の先端が被挿入部材2となる管継手の凹部の底面に配置されるストッパー2Sまで挿入されたことを明確に推測することができるという利点がある。
【0027】
さらに、図1(a)〜(c)及び図2(a)(b)に示される例では、被挿入部材2となる管継手が、ニップル2cとこれに対向する緊締リング2dとの間に形成された空間部2aとなる円筒状の凹部に対し、挿入部材1となる管体を挿入した後、この管体を挿入方向と逆方向へ抜いて、緊締リング2dがキャップ2eのテーパー状内面(図示しない)沿いに同方向へ移動させることにより、緊締リング2dの内周の掛止部(図示しない)が管体の外周面1bに縮径圧着して管体を抜け止めする、所謂ワンプッシュ継手である。
このようなワンプッシュ継手では、挿入部材1となる管体の先端1aを凹部のストッパー2S近くまで挿入することが接続不良を引起さないようにする最も重要な解決策である。
本発明の実施例によると、挿入部材1となる管体の先端が被挿入部材2となる管継手の凹部の底面に配置されるストッパー2Sまで挿入されたことを明確に推測することができるため、接続不良の発生を確実に防止できる。
【0028】
また、この実施例は、事前の準備段階において図2(a)に示すように、表示部材3の第二表示部3bが被挿入部材2の空間部2aを覆うように、表示部材3の第一表示部3aを、被挿入部材2の空間部2a側の表面に仮止めする。
図2(a)に示される例では、被挿入部材2となる管継手のニップル2cを覆うように表示部材3の第二表示部3bが仮止めされている。
その他の例として図示しないが、表示部材3の第二表示部3bの幅寸法又は表示部材3全体の幅寸法を、被挿入部材2の空間部2aの径寸法よりも長く設定して、被挿入部材2の空間部2aが完全に覆われるように仮止めすることも可能である。
その後、挿入部材1の挿入前において図2(b)に示すように、被挿入部材2の表面から表示部材3の第一表示部3aを剥離する。
その後、図1(b)に示すように、この剥離した第一表示部3aが挿入部材1の先端側に接着されることで、表示部材3の第二表示部3bを挿入部材1と被挿入部材2とに亘って張架している。
【0029】
図1(b)(c)及び図2(a)(b)に示される例では、表示部材3の第一表示部3aに矢印などのマーク3gを設けることで、被挿入部材2の表面からの剥離方向及び挿入部材1の挿入方向が一目で理解し易くなるようにしている。
また、その他の例として図示しないが、矢印とは異なるマーク3gを設けたり、表示部材3の第二表示部3bを第一表示部3aや第三表示部3cと異なる色としたり、表示部材3に作業手順などを表示することで、作業者に注意を喚起することも可能である。
【0030】
このような本発明の実施例によると、作業者は被挿入部材2の空間部2aに挿入部材1を挿入するために表示部材3の一部を剥離するための作業が必要になるから、作業者に注意が喚起されて、第一表示部3aを挿入部材1の先端側に貼着する作業が行われる確率が高くなる。
それにより、作業者が表示部材3で確認作業を実施する確率を向上させることができるという利点がある。
さらに、図示例のように表示部材3の第二表示部3bで被挿入部材2となる管継手のニップル2cの内部を完全に覆っている場合には、管継手のニップル2c内に例えばゴミなどの異物が入ることを防止でき、表示部材3の第二表示部3bで被挿入部材2の空間部2aを完全に覆っている場合には、被挿入部材2の空間部2a内に例えばゴミなどの異物が入ることを防止できるという利点がある。
また、作業者が表示部材3の第二表示部3bで空間部2aやニップル2cが覆われた被挿入部材2を見ることで、被挿入部材2が未使用であるか否かを一目で識別することができるという利点もある。
【0031】
なお、前示実施例では、挿入部材1が可撓性ホースや可撓性チューブ又は剛性パイプなどの管体であるとともに被挿入部材2が管継手である場合を示したが、これに限定されず、管体に代えて棒状体などを用いたり、管継手に代えて軸継手やその他の接続具などを用いたり、図示例のようなワンプッシュ継手に代えて他の構造の管継手を用いたり、被挿入部材2として実公平04−049437号公報に記載されるようなカシメ筒を用いても良い。
この場合も上述した実施例と同様な作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0032】
1 挿入部材 1a 先端
2 被挿入部材 2a 空間部
2b 端面 3 表示部材
3a 第一表示部 3b 第二表示部
3c 第三表示部 3d 表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部材(1)と、この挿入部材(1)が入り込む空間部(2a)が内部に形成される被挿入部材(2)と、これら挿入部材(1)及び被挿入部材(2)に亘って着脱自在に接着される表示部材(3)とを備え、
前記表示部材(3)は、前記挿入部材(1)と前記被挿入部材(2)とに亘って張架され、前記挿入部材(1)の先端側に接着される第一表示部(3a)と、この第一表示部(3a)に連続して形成される弾性変形可能な第二表示部(3b)と、この第二表示部(3b)に連続して形成され前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)側に接着される第三表示部(3c)とを有し、
前記第二表示部(3b)は、その長さを、前記挿入部材(1)の先端側が前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)に挿入される長さと同じに設定し、前記挿入部材(1)の先端側が前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)に挿入されることで、該第二表示部(3b)を屈曲変形させて前記第一表示部(3a)と前記第三表示部(3c)が隣接する配置にしたことを特徴とする挿入量表示装置。
【請求項2】
前記第二表示部(3b)の前記挿入部材(1)と対向する表面(3d)を接着不能に形成したことを特徴とする請求項1記載の挿入量表示装置。
【請求項3】
前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)が凹部であり、前記第二表示部(3b)を該凹部の深さに相当する長さに設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の挿入量表示装置。
【請求項4】
挿入部材(1)と、この挿入部材(1)が入り込む空間部(2a)が内部に形成される被挿入部材(2)とを、これら挿入部材(1)及び空間部(2a)の軸線が一直線上で、且つ該挿入部材(1)の先端(1a)が該空間部(2a)側の端面(2b)と同一平面上になるように配置し、
前記挿入部材(1)と前記被挿入部材(2)とに亘って表示部材(3)を、該表示部材(3)の一端に形成される第一表示部(3a)が前記挿入部材(1)の先端側に接着されるとともに、前記第一表示部(3a)と第二表示部(3b)を介して形成した第三表示部(3c)が前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)側に接着されるように張架し、
前記挿入部材(1)の先端側が前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)に挿入されることで、前記第二表示部(3b)を屈曲変形させて、前記第一表示部(3a)と前記第三表示部(3c)が隣接するように配置させたことを特徴とする挿入量表示装置の使用方法。
【請求項5】
前記表示部材(3)の前記第二表示部(3b)が前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)を覆うように、前記表示部材(3)の前記第一表示部(3a)を、前記被挿入部材(2)の前記空間部(2a)側に仮止めし、その後、前記挿入部材(1)の挿入前に前記被挿入部材(2)から前記表示部材(3)の前記第一表示部(3a)を剥離し、その後、この剥離した前記第一表示部(3a)が前記挿入部材(1)の先端側に接着されることで、前記表示部材(3)の前記第二表示部(3b)を前記挿入部材(1)と前記被挿入部材(2)とに亘って張架したことを特徴とする請求項4記載の挿入量表示装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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