授乳用ケープ
【課題】従来の授乳ケープ、授乳エプロンでは前方からの視線をカバーできるが、その構造上のため容易に布が肩からずれ落ちて、母親が落ち着いて授乳できない。また、女性として見られたくない脇腹や背中は正常に装着していてもむき出しである。
【解決手段】従来の主な形状である横長の長方形の授乳用ケープをさらに横方向に長くし、ほぼ正方形の背中側の当て布をスナップ・ホックで連結させた。この着用者のぐるり周囲を巻くような形状になったことで、今まで無防備であった後方からの視線、むき出しになる脇腹をカバーでき、且つ、授乳用ケープの中で両手を自由に動かせる。首ひもが授乳用ケープを吊り支えているので、ずり落ちる心配もなく、直接乳児を抱き、安心安全に他者の目を気にすることなく授乳をすることが可能となる。
【解決手段】従来の主な形状である横長の長方形の授乳用ケープをさらに横方向に長くし、ほぼ正方形の背中側の当て布をスナップ・ホックで連結させた。この着用者のぐるり周囲を巻くような形状になったことで、今まで無防備であった後方からの視線、むき出しになる脇腹をカバーでき、且つ、授乳用ケープの中で両手を自由に動かせる。首ひもが授乳用ケープを吊り支えているので、ずり落ちる心配もなく、直接乳児を抱き、安心安全に他者の目を気にすることなく授乳をすることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児に授乳を行う際、母親の胸部のみならず、脇腹など母親が見られたくない露出する部分までカバーする授乳ケープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の授乳ケープ、授乳エプロンは特開2003−55816号公報記載の形が公知である。同公報記載の授乳用ケープは一枚の長方形の布に首にかかる首ひもをつけ、授乳状態を母親がのぞきやすくするための胸元に芯を入れて張りを持たせた胸部前面側のみを覆うエプロン状のものである。
【特許文献1】特開2003−55816号
【0003】
また、実用新案第3144307号公報には上記一枚物の形状では赤ちゃんの手足のバ
タつきにより布が肩から肌蹴ることを防ぐ目的で作られた授乳ケープもある。
【特許文献2】実用新案第3144307号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の授乳用ケープでは、母親が授乳中の様子を胸元から覗くことで乳児の様子を確認でき、他者の正面からの視線には耐え得ることが可能であった。しかし、一枚の長方形と首ひもで構成されている形状では肩に掛けた布の端が授乳時の子供の動きや、風などの外的要因で肩から前方にずれ落ちる。ずれ落ちてしまうと、隠したいはずの胸元がむき出しになり、母親はそれを気にして授乳に専念できない。そのため、乳児を直接抱かず、授乳用ケープの外から抱く形を取る場合もある。実際には直接乳児を抱かずに授乳する行為は危険である。それらの良くない点を改善した文献2記載の授乳用ケープが肩を覆う形状のものであるが、その授乳用ケープでは母親の背面や脇腹をカバーするものがなく、乳児の動きにより、肩からずれ落ちることはなくとも、母親が最も気にする出産直後のたるんだ脇腹や、授乳のために服をたくしあげて露出する背中の部分を隠すことはできないといった問題点がある。
【0005】
本発明は上述のような出産直後のデリケートな母親の心情をも考慮し、乳児に安全かつ落ち着いて授乳ができる授乳用ケープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、着用者のサイズに合わせて調整するバックルを備えた首ひもを着用者の首にかけることによって支持されるゆるやかな円弧の空間ができる胸元の覗き口を備えた授乳用ケープ本体と、着用者の後方に背中を覆う背中側の当て布を取り付けることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者のサイズや乳児の成長に対応可能な取り付け用スナップ・ホックを設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、上記1項または2項において、前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者の便宜を図るため、スナップ・ホックを上部のみに取り付けることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、上記1項において、前記胸元の覗き口は、該胸元のゆるやかな円弧の形態を保持する形態安定手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、請求項1記載の発明によれば、着用者のサイズに合わせて調整するバックルを備えた首ひもを着用者の首にかけることによって支持されるゆるやかな円弧の空間ができる胸元の覗き口を備えた授乳用ケープ本体と、着用者の後方に背中を覆う背中側の当て布を備えている。これにより、着用者のぐるり周囲を布でカバーした形での装着となり、授乳時に乳房、脇腹、背中の露出を防止することが可能であり、授乳用ケープがずり落ちてはだける心配もなく安心して授乳をすることが可能となる。
【0011】
特に、請求項2記載の発明によれば、授乳用ケープ本体と背中側の当て布に着用者のサイズや乳児の成長に対応可能な取り付け用スナップ・ホックを設けている。これにより、着用者や乳児のサイズに合わせて授乳用ケープの大きさを調節することができ、安心で快適な装着状況をどのような時も提供できることが可能となる。
【0012】
特に、請求項3記載の発明によれば、授乳用ケープ本体と背中側の当て布に着用者の便宜を図るために、スナップ・ホックを上部のみにしか取り付けないことを特徴とする。こうすることにより、授乳用ケープの下方はフレキシブルに動くことができ、巻き付いた形状の授乳用ケープ本体で着用者の手の動き、乳児の動きを拘束することがなく、安心安全便利に授乳し、着脱も容易にすることが可能となる。
【0013】
特に、請求項4記載の発明によれば、胸元の覗き口は該胸元のゆるやかな円弧の形態を保持する形状安定手段が設けられており、これにより、着用者は乳児の授乳を確認でき、目と目を合わせることができるので、閉鎖された空間の中で乳児へ安心感を与えながら授乳を行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る授乳用ケープ00について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の展開図(ケープ表側を表示)、図2は同じく展開図(ケープ裏側を表示)、図3は正面図(SMLサイズ共通)、図4は背面図(Mサイズ・乳児中期頃)、図5は背面図(Lサイズ・乳児後期頃)、図6は背面図(Sサイズ・新生児頃)、図7は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Mサイズ左右方向から)、図8は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Lサイズ左右方向から)、図9は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Sサイズ左右方向から)、図10は装着状態での正面図(SMLサイズ共通)、図11は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Mサイズ)、図12は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Lサイズ)、図13は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Sサイズ)、 図14は本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(表)、図15は本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(裏)である。
【0015】
図1〜図9に示されるように、本実施形態の授乳用ケープ00は、授乳用ケープ本体01と、首ひも02と、バックル03と、胸元の覗き口04と背中側の当て布05と、スナップ・ホック06、07とを主要な構成要素としている。また、授乳用ケープ本体01と、首ひも02と、背中側の当て布05の素材は赤ちゃんの肌に安全な国内産綿100%の布を採用し、デザイン的に見栄えのするように同じ柄の共布を使用している。
【0016】
授乳用ケープ本体01は横長の長方形であり、図1〜図9に示されるように、本実施形態の授乳用ケープ00を成す基本の部分品である。その主な目的は、着用者の授乳中に前方からの視線をカバーすることである。
【0017】
図1、図2に示されるように、E1〜E4は授乳用ケープ本体01の横長長方形の各4辺を記しており、その役割は、授乳用ケープ本体01に取り付ける部材などの配置基準である。E1は授乳用ケープ本体01の上辺、E2は装着時左側縦一辺、E3は同じく右側縦一辺でE2とE3はE1と垂直な関係である。E4は授乳用ケープ本体01の下辺であり、E2とE3と垂直な関係である。
【0018】
前述に続き、E5〜E8は背中側当て布05の各4辺を記している。その役割は、主に、E5、E6、E7において、スナップ・ホックの配置基準である。E5は背中側当て布05の上辺、E6は装着時右側縦一辺、E7は同じく左側縦一辺でE6とE7はE5と垂直な関係である。E8は背中側当て布05の下辺であり、E6とE7と垂直な関係である。
【0019】
バックル03は市販品のプラスチック製であり、突起形状のはめるとストッパー役になるオス(凸)部分と、その突起部分を受け入れる形状のメス(凹)部分の2つのパーツで構成されており、幅広のひもを2本、それぞれのパーツの先端のひもの通し口に通して取り付ける一般製品である。バックル03のオス部分はひもの長さ調節ができるので、首ひも02の長い方を取り付け、その反対側の先端を授乳用ケープ本体01に縫いつける。そして、短い首ひも02はバックル03のメス部分のひも通し口に通して、同じく授乳用ケープ本体01に縫いつける。
【0020】
図1、図2に示されるように、上述のバックル03は着用者のサイズに合わせて首ひもの適切な長さL1を決めることができ、オス部分にあるつまみをつまむことで、オス部分、メス部分が瞬時に外れ、授乳用ケープ00の着脱が簡単に素早く行うことが可能となる。
【0021】
図1、図2に示されるように、上述のバックル03を取り付けた首ひも02の授乳用ケープ本体01に縫いつける位置は、授乳用ケープ本体01の上辺E1中央から左右振り分けた幅W2の端に縫いつける。この幅W2は着用時にゆるやかな円弧の張りを着用者の胸元に形成させるために、プラスチックなどの程良くしなる固い芯を授乳用ケープ本体01の中に施した胸元の覗き口04の適切な幅の長さを示している。
【0022】
図7〜図9に示されるように、首ひも02を着用者の首にかけることにより、ゆるやかな円弧に張りを出す胸元の覗き口04を形成し、かつ、授乳用ケープ00全体がずり落ちないように支持が可能となる。
【0023】
胸元の覗き口04はプラスチックなどの程良くしなる固い芯を授乳用ケープ本体01の中に施し、上述のように首ひも02を着用者の首にかけることにより、ゆるやかな円弧の空間を着用者の胸元に形成させることが可能である。その目的は、図11〜図13に示されるように、胸元のゆるやかな円弧の空間を着用者である母親が覗き、授乳中の乳児の様子を確認できることである。このように、授乳用ケープ00で閉鎖的な状況においても乳児は母親と目を合わせることができるので安心して授乳を受けることが可能となる。
【0024】
また、図1、図2に示される胸元の覗き口04の幅であるW2の長さは、着用者が授乳の様子をうつむき加減に覗きこむと、そのゆるやかな円弧を形成する胸元の覗き口04の空間を着用者の頭によって、上方からの視線を遮ることのできる最適な長さを示している。
【0025】
図1、図2に示されるように、授乳用ケープ本体01に胸元の覗き口04が施され、バックル03が取り付けられた首ひも02が授乳用ケープ本体01に縫いつけられることにより、授乳用ケープ00の大部分の形が形成される。この形は従来の授乳ケープ、授乳エプロンと形が似ている。(特開2003−55816号公報)しかし、従来品では布の両端を着用者の肩にひっかける使用方法であるため、着用者の動きや、乳児の手足のばたつき、風などの外的要因によって容易に前方へずれ落ちてくると言う問題点がある。そのずれ落ちを簡単に起こさないために授乳用ケープ本体01の横方向の適切な長さW1を割り出し、従来品より横方向に長くしている。
【0026】
上述のように、授乳用ケープ本体01の横方向の布幅W1を長くすることで、多少の乳児の足の動きにも母親の肩に掛けた布の両端が前方にずり落ちてくこと少なくなったが、母親が気にする出産後のたるんだ脇腹や、背中の露出した部分は隠しきれていない。
【0027】
そこで、本発明は、図4〜図6に示されるように、背中側の当て布05を授乳用ケープ本体01にスナップ・ホック06、07で取り外し可能な状態で追加する。こうすることにより、図7〜図9に示されるように、本発明の授乳用ケープ00の形状が成り立つ。
【0028】
図1、図2に示されるように、背中側の当て布05はほぼ正方形の形状で授乳用ケープ本体01と、首ひも02と同じ乳児の肌に安全な国内産綿100%の共布で作られている。背中側の当て布05の横幅W5は、平均的な女性の背中側のウエストラインをほぼ隠せる横の長さである。そして、縦長さH2は、着用者である母親が授乳時に、服をたくしあげてむき出しになる背中の部分を覆い隠し、且つ、椅子などに座るときにスムーズにアプローチできる、その動作の妨げにならない程度の縦の高さである。
【0029】
上述の背中側の当て布05は、授乳用ケープ本体01とスナップ・ホック06、07でつなぎとめて、図4〜図6のように円筒状になるものである。このスナップ・ホックは、着脱しやすいオスメス(凸凹)の合体で留まるひと組のボタンで構成されている一般市販品である。
【0030】
図1、図2に示されるように、横方向では授乳用ケープ本体01の上辺E1と背中側の当て布05の上辺E5からスナップ・ホックオスメスの着脱に扱いやすい適当な距離に4組のスナップ・ホックを取り付ける。それぞれの横方向の取り付け位置W3、W4、W6、W7、W8は服飾市場代表的なSMLサイズの女性に新生児を抱かせてモデルにし、W3、W4は授乳用ケープ本体01の縦一辺E2、E3から割り出した位置間隔(距離)であり、W7、W8は背中側の当て布05の縦一辺E6、E7から割り出した位置間隔(距離)である。
【0031】
本発明の授乳用ケープ00は図11〜図13に示されるように、SMLサイズのどの着用者も授乳用ケープ00がずり落ちず、締めつけられず、見られたくない体の部分をカバーする、その同じ装着感を得なければならない。よって、図1、図2に示されるように、授乳用ケープ本体01の上辺E1と背中側の当て布05の上辺E5方向に取り付けるスナップ・ホックの横方向取り付け間隔W4とW7は同じ距離であり、≪Mサイズ≫の装着状態を≪Lサイズ≫で再現した時に必要な距離を示している。また、授乳用ケープ本体01の両端E2、E3を基準に決めたW3と、背中側の当て布05の両端E6、E7を基準に決めたW6は≪Lサイズ≫の装着時に授乳用ケープ本体01と背中側当て布05が開き過ぎないために必要な重なり部分であり、その距離を示している。W8については、背中側の当て布05が「0028」で述べているように、必要な横幅W5からW6の2ヶ所とW7の2ヶ所を差し引いた距離である。
【0032】
なお、便宜上、図4に示されるように≪Mサイズ≫を基準にして、装着時前方側のスナップ・ホックのオスを06とし、装着右側のスナップ・ホックを06−Rと示し、左側を06−Lと示した。06−Rまたは06−LからW4(W7)分外側にスナップ・ホックを取り付け、同じく右側を07−R、左側を07−Lと示した。スナップ・ホックのメス側には06’−Rのように「’」マークを付けて区別して示している。よって、この4つのスナップ・ホックの取り付け間隔が着用者のSMLのサイズ展開を可能としている。
【0033】
着用者は本発明の授乳用ケープ00を図11〜図13に示されるように、スナップ・ホックで適切なサイズ調整してから、かぶって装着する。着用者の首に掛けた首ひも02が授乳用ケープ本体01を吊り支えることにより、授乳用ケープ本体01の横長さW1の上端が着用者の両肩山より下を後方へ沿い、前述の背中側の当て布05へつながる。また、背中側の当て布05が着用者の背中にぴったりと沿い、それがアンカーになって、着用者の周囲をぐるりと包み込む形での安定した装着状態となる。
【0034】
このような装着状態は従来品の授乳ケープ、授乳エプロンの両端を着用者の肩にひっかける装着方法ではないので、布がずり落ちることもなく、着用者が見られたくなかった胸元、たるんだ脇腹、服をたくしあげてむき出しになった背中も他者の視線からカバー可能となっている。
【0035】
また、本発明の装着形態であれば、肩にかけての装着ではないので、授乳用ケープ本体01の縦長さH1は従来品より短くすることが可能である。短くした効果として、着用者が乳児を抱き、椅子などに座ろうとする時に、縦に長い布ではもたついたりするが、本発明では、図11〜図13に示されるように、他者からの視線をカバーする箇所のみしっかり隠していれば、首ひも02と、背中側の当て布05とで授乳用ケープ本体01は吊り支えられているので、着用者の動きを邪魔したりせずに、椅子へのアプローチもスムーズになり、乳児を抱いているときの危険なもたつきを感じることもなく安心安全に授乳に専念することが可能となる。
【0036】
本発明の授乳用ケープ00は上述のスナップ・ホック06、07の組み合わせと、W4、W7の距離約10cmの間隔が母親のSMLサイズ、または乳児の成長過程に合わせてのサイズ展開が可能となっている。
【0037】
図4は背面図(Mサイズ・乳児中期頃)、図7は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Mサイズ左右方向から)、図11は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Mサイズ)であり、3図面とも基本のMサイズのスナップ・ホックの付け方を示している。≪Mサイズ≫は授乳用ケープ01の装着右側スナップ・ホック06−Rオスと背中側当て布05のスナップ・ホック06’−Rメスを留め、同様に07−Rオスと07’−Rメスを留める。装着左側のスナップボタン06−Lオスと06’−Lメスを留め、07−Lオスと07’−Lメスを留める。この状態で女性Mサイズとなり、また、中期頃の乳児を抱いて授乳させるときに装着可能なサイズである。
【0038】
図5は背面図(Lサイズ・乳児後期頃)、図8は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Lサイズ左右方向から)、図12は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Lサイズ)であり、3図面ともLサイズのスナップ・ホックの付け方を示している。≪Lサイズ≫は授乳用ケープ01の装着右側スナップ・ホック07−Rオスと背中側当て布05のスナップ・ホック06’−Rメスを留め、装着左側のスナップ・ホック07−Lオスと06’−Lメスを留める。この状態で先述のMサイズより約20cmの余裕ができ、女性Lサイズとなる。また、後期頃の乳児を抱いて授乳させるときに装着可能なサイズである。
【0039】
図6は背面図(Sサイズ・新生児頃)、図9は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Sサイズ左右方向から)、図13は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Sサイズ)であり、3図面ともSサイズのスナップ・ホックの付け方を示している。≪Sサイズ≫はMサイズと同様にスナップ・ホックを留めておき、ボタン08をボタン紐09で留める。Mサイズより約15cmサイズダウンし、且つ、授乳用ケープ01の背中側裾が広がっても、背中の当て布05が母親の背中をカバーしている。
【0040】
次にもう一つのスナップ・ホック06、07の組み合わせを変えての配置取付け方法は図14、図15に示されている。図14、図15のように授乳用ケープ01装着右側のスナップ・ホックのオス06−Rと07−Rをメスの06‘−Rと07’−Rに変更する。同様に背中の当て布05装着右側のスナップ・ホックのメス06‘−Rと07’−Rをオスの06−Rと07−Rに入れ替えて取り付ける。そうすることにより、SMLのサイズ調整が可能でありながら、上述のSサイズの調節方法でボタン08とボタン紐09を必要とせずに装着可能となる。
【0041】
なお、このスナップ・ホックに換えて、マジックテープ(登録商標)、ボタンとボタン穴を用いることも可能である。
【0042】
以上のように本実施形態の授乳用ケープ00によれば、背中側の当て布05がアンカーになり、授乳時にケープが前方にずり落ちることもなく、また、母親と抱いている乳児の周りを覆う形で授乳用ケープが装着できるので、母親が見られたくない露出する部分をすべて覆い隠し、かつ、乳児を直接抱くことができるのでより安全に安心して授乳が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように本発明によれば、授乳時における露出する母親の肌全てを覆い隠し、かつ、乳児の様子を確認しながら安心して円滑な授乳を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態を示す展開図(表)である。
【図2】本発明の実施形態を示す展開図(裏)である。
【図3】本発明の実施形態を示す正面図≪SMLサイズ共通≫である。
【図4】本発明の実施形態を示す背面図≪Mサイズ≫である。
【図5】本発明の実施形態を示す背面図≪Lサイズ≫である。
【図6】本発明の実施形態を示す背面図≪Sサイズ≫である。
【図7】本発明の実施形態を示す概略斜視図≪Mサイズ≫である
【図8】本発明の実施形態を示す概略斜視図≪Lサイズ≫である
【図9】本発明の実施形態を示す概略斜視図≪Sサイズ≫である
【図10】本発明の実施形態の使用例示す正面図≪SMLサイズ共通≫である。
【図11】本発明の実施形態の使用例示す三面図≪Mサイズ≫である。
【図12】本発明の実施形態の使用例示す三面図≪Lサイズ≫である。
【図13】本発明の実施形態の使用例示す三面図≪Sサイズ≫である。
【図14】本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(表)である。
【図15】本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(裏)である。
【符号の説明】
【0045】
00 授乳用ケープ
01 授乳用ケープ本体(長方形)
02 首ひも
03 バックル
04 胸元の覗き口
05 背中側の当て布(正方形)
06−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体右側)
06’−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05右側)
06−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体左側)
06’−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05左側)
07−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体右側)
07’−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05右側)
07−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体左側)
07’−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05左側)
08 本体01の右側09ボタン紐で留めるSサイズ用ボタン(本体左側)
09 本体01の左側08ボタン紐で留めるSサイズ用ボタン(本体右側)
A 母親
B 乳児
E1 本体01の上辺
E2 本体01の装着時左側縦一辺
E3 本体01の装着時右側縦一辺
E4 本体01の下辺
E5 当て布05の上辺
E6 当て布05の装着時右側縦一辺
E7 当て布05の装着時左側縦一辺
E8 当て布05の下辺
W1 本体01横の長さ
W2 胸元の覗き口04の横の長さ
W3 スナップ・ホック07−R(L)の本体01に取り付ける位置(距離)
W4 スナップ・ホック06−R(L)のスナップ・ホック07−R(L)からの位置(距離)
W5 背中の当て布05横の長さ
W6 スナップ・ホック06’−R(L)の当て布05に取り付ける位置(距離)
W7 スナップ・ホック07’−R(L)のスナップ・ホック06’−R(L)からの位置(距離)
W8 スナップ・ホック07’−Rとスナップ・ホック07’−Lの距離
H1 本体01縦の長さ
H2 背中の当て布05縦の長さ
L1 首ひも長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児に授乳を行う際、母親の胸部のみならず、脇腹など母親が見られたくない露出する部分までカバーする授乳ケープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の授乳ケープ、授乳エプロンは特開2003−55816号公報記載の形が公知である。同公報記載の授乳用ケープは一枚の長方形の布に首にかかる首ひもをつけ、授乳状態を母親がのぞきやすくするための胸元に芯を入れて張りを持たせた胸部前面側のみを覆うエプロン状のものである。
【特許文献1】特開2003−55816号
【0003】
また、実用新案第3144307号公報には上記一枚物の形状では赤ちゃんの手足のバ
タつきにより布が肩から肌蹴ることを防ぐ目的で作られた授乳ケープもある。
【特許文献2】実用新案第3144307号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の授乳用ケープでは、母親が授乳中の様子を胸元から覗くことで乳児の様子を確認でき、他者の正面からの視線には耐え得ることが可能であった。しかし、一枚の長方形と首ひもで構成されている形状では肩に掛けた布の端が授乳時の子供の動きや、風などの外的要因で肩から前方にずれ落ちる。ずれ落ちてしまうと、隠したいはずの胸元がむき出しになり、母親はそれを気にして授乳に専念できない。そのため、乳児を直接抱かず、授乳用ケープの外から抱く形を取る場合もある。実際には直接乳児を抱かずに授乳する行為は危険である。それらの良くない点を改善した文献2記載の授乳用ケープが肩を覆う形状のものであるが、その授乳用ケープでは母親の背面や脇腹をカバーするものがなく、乳児の動きにより、肩からずれ落ちることはなくとも、母親が最も気にする出産直後のたるんだ脇腹や、授乳のために服をたくしあげて露出する背中の部分を隠すことはできないといった問題点がある。
【0005】
本発明は上述のような出産直後のデリケートな母親の心情をも考慮し、乳児に安全かつ落ち着いて授乳ができる授乳用ケープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、着用者のサイズに合わせて調整するバックルを備えた首ひもを着用者の首にかけることによって支持されるゆるやかな円弧の空間ができる胸元の覗き口を備えた授乳用ケープ本体と、着用者の後方に背中を覆う背中側の当て布を取り付けることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者のサイズや乳児の成長に対応可能な取り付け用スナップ・ホックを設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、上記1項または2項において、前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者の便宜を図るため、スナップ・ホックを上部のみに取り付けることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、上記1項において、前記胸元の覗き口は、該胸元のゆるやかな円弧の形態を保持する形態安定手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、請求項1記載の発明によれば、着用者のサイズに合わせて調整するバックルを備えた首ひもを着用者の首にかけることによって支持されるゆるやかな円弧の空間ができる胸元の覗き口を備えた授乳用ケープ本体と、着用者の後方に背中を覆う背中側の当て布を備えている。これにより、着用者のぐるり周囲を布でカバーした形での装着となり、授乳時に乳房、脇腹、背中の露出を防止することが可能であり、授乳用ケープがずり落ちてはだける心配もなく安心して授乳をすることが可能となる。
【0011】
特に、請求項2記載の発明によれば、授乳用ケープ本体と背中側の当て布に着用者のサイズや乳児の成長に対応可能な取り付け用スナップ・ホックを設けている。これにより、着用者や乳児のサイズに合わせて授乳用ケープの大きさを調節することができ、安心で快適な装着状況をどのような時も提供できることが可能となる。
【0012】
特に、請求項3記載の発明によれば、授乳用ケープ本体と背中側の当て布に着用者の便宜を図るために、スナップ・ホックを上部のみにしか取り付けないことを特徴とする。こうすることにより、授乳用ケープの下方はフレキシブルに動くことができ、巻き付いた形状の授乳用ケープ本体で着用者の手の動き、乳児の動きを拘束することがなく、安心安全便利に授乳し、着脱も容易にすることが可能となる。
【0013】
特に、請求項4記載の発明によれば、胸元の覗き口は該胸元のゆるやかな円弧の形態を保持する形状安定手段が設けられており、これにより、着用者は乳児の授乳を確認でき、目と目を合わせることができるので、閉鎖された空間の中で乳児へ安心感を与えながら授乳を行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る授乳用ケープ00について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の展開図(ケープ表側を表示)、図2は同じく展開図(ケープ裏側を表示)、図3は正面図(SMLサイズ共通)、図4は背面図(Mサイズ・乳児中期頃)、図5は背面図(Lサイズ・乳児後期頃)、図6は背面図(Sサイズ・新生児頃)、図7は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Mサイズ左右方向から)、図8は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Lサイズ左右方向から)、図9は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Sサイズ左右方向から)、図10は装着状態での正面図(SMLサイズ共通)、図11は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Mサイズ)、図12は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Lサイズ)、図13は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Sサイズ)、 図14は本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(表)、図15は本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(裏)である。
【0015】
図1〜図9に示されるように、本実施形態の授乳用ケープ00は、授乳用ケープ本体01と、首ひも02と、バックル03と、胸元の覗き口04と背中側の当て布05と、スナップ・ホック06、07とを主要な構成要素としている。また、授乳用ケープ本体01と、首ひも02と、背中側の当て布05の素材は赤ちゃんの肌に安全な国内産綿100%の布を採用し、デザイン的に見栄えのするように同じ柄の共布を使用している。
【0016】
授乳用ケープ本体01は横長の長方形であり、図1〜図9に示されるように、本実施形態の授乳用ケープ00を成す基本の部分品である。その主な目的は、着用者の授乳中に前方からの視線をカバーすることである。
【0017】
図1、図2に示されるように、E1〜E4は授乳用ケープ本体01の横長長方形の各4辺を記しており、その役割は、授乳用ケープ本体01に取り付ける部材などの配置基準である。E1は授乳用ケープ本体01の上辺、E2は装着時左側縦一辺、E3は同じく右側縦一辺でE2とE3はE1と垂直な関係である。E4は授乳用ケープ本体01の下辺であり、E2とE3と垂直な関係である。
【0018】
前述に続き、E5〜E8は背中側当て布05の各4辺を記している。その役割は、主に、E5、E6、E7において、スナップ・ホックの配置基準である。E5は背中側当て布05の上辺、E6は装着時右側縦一辺、E7は同じく左側縦一辺でE6とE7はE5と垂直な関係である。E8は背中側当て布05の下辺であり、E6とE7と垂直な関係である。
【0019】
バックル03は市販品のプラスチック製であり、突起形状のはめるとストッパー役になるオス(凸)部分と、その突起部分を受け入れる形状のメス(凹)部分の2つのパーツで構成されており、幅広のひもを2本、それぞれのパーツの先端のひもの通し口に通して取り付ける一般製品である。バックル03のオス部分はひもの長さ調節ができるので、首ひも02の長い方を取り付け、その反対側の先端を授乳用ケープ本体01に縫いつける。そして、短い首ひも02はバックル03のメス部分のひも通し口に通して、同じく授乳用ケープ本体01に縫いつける。
【0020】
図1、図2に示されるように、上述のバックル03は着用者のサイズに合わせて首ひもの適切な長さL1を決めることができ、オス部分にあるつまみをつまむことで、オス部分、メス部分が瞬時に外れ、授乳用ケープ00の着脱が簡単に素早く行うことが可能となる。
【0021】
図1、図2に示されるように、上述のバックル03を取り付けた首ひも02の授乳用ケープ本体01に縫いつける位置は、授乳用ケープ本体01の上辺E1中央から左右振り分けた幅W2の端に縫いつける。この幅W2は着用時にゆるやかな円弧の張りを着用者の胸元に形成させるために、プラスチックなどの程良くしなる固い芯を授乳用ケープ本体01の中に施した胸元の覗き口04の適切な幅の長さを示している。
【0022】
図7〜図9に示されるように、首ひも02を着用者の首にかけることにより、ゆるやかな円弧に張りを出す胸元の覗き口04を形成し、かつ、授乳用ケープ00全体がずり落ちないように支持が可能となる。
【0023】
胸元の覗き口04はプラスチックなどの程良くしなる固い芯を授乳用ケープ本体01の中に施し、上述のように首ひも02を着用者の首にかけることにより、ゆるやかな円弧の空間を着用者の胸元に形成させることが可能である。その目的は、図11〜図13に示されるように、胸元のゆるやかな円弧の空間を着用者である母親が覗き、授乳中の乳児の様子を確認できることである。このように、授乳用ケープ00で閉鎖的な状況においても乳児は母親と目を合わせることができるので安心して授乳を受けることが可能となる。
【0024】
また、図1、図2に示される胸元の覗き口04の幅であるW2の長さは、着用者が授乳の様子をうつむき加減に覗きこむと、そのゆるやかな円弧を形成する胸元の覗き口04の空間を着用者の頭によって、上方からの視線を遮ることのできる最適な長さを示している。
【0025】
図1、図2に示されるように、授乳用ケープ本体01に胸元の覗き口04が施され、バックル03が取り付けられた首ひも02が授乳用ケープ本体01に縫いつけられることにより、授乳用ケープ00の大部分の形が形成される。この形は従来の授乳ケープ、授乳エプロンと形が似ている。(特開2003−55816号公報)しかし、従来品では布の両端を着用者の肩にひっかける使用方法であるため、着用者の動きや、乳児の手足のばたつき、風などの外的要因によって容易に前方へずれ落ちてくると言う問題点がある。そのずれ落ちを簡単に起こさないために授乳用ケープ本体01の横方向の適切な長さW1を割り出し、従来品より横方向に長くしている。
【0026】
上述のように、授乳用ケープ本体01の横方向の布幅W1を長くすることで、多少の乳児の足の動きにも母親の肩に掛けた布の両端が前方にずり落ちてくこと少なくなったが、母親が気にする出産後のたるんだ脇腹や、背中の露出した部分は隠しきれていない。
【0027】
そこで、本発明は、図4〜図6に示されるように、背中側の当て布05を授乳用ケープ本体01にスナップ・ホック06、07で取り外し可能な状態で追加する。こうすることにより、図7〜図9に示されるように、本発明の授乳用ケープ00の形状が成り立つ。
【0028】
図1、図2に示されるように、背中側の当て布05はほぼ正方形の形状で授乳用ケープ本体01と、首ひも02と同じ乳児の肌に安全な国内産綿100%の共布で作られている。背中側の当て布05の横幅W5は、平均的な女性の背中側のウエストラインをほぼ隠せる横の長さである。そして、縦長さH2は、着用者である母親が授乳時に、服をたくしあげてむき出しになる背中の部分を覆い隠し、且つ、椅子などに座るときにスムーズにアプローチできる、その動作の妨げにならない程度の縦の高さである。
【0029】
上述の背中側の当て布05は、授乳用ケープ本体01とスナップ・ホック06、07でつなぎとめて、図4〜図6のように円筒状になるものである。このスナップ・ホックは、着脱しやすいオスメス(凸凹)の合体で留まるひと組のボタンで構成されている一般市販品である。
【0030】
図1、図2に示されるように、横方向では授乳用ケープ本体01の上辺E1と背中側の当て布05の上辺E5からスナップ・ホックオスメスの着脱に扱いやすい適当な距離に4組のスナップ・ホックを取り付ける。それぞれの横方向の取り付け位置W3、W4、W6、W7、W8は服飾市場代表的なSMLサイズの女性に新生児を抱かせてモデルにし、W3、W4は授乳用ケープ本体01の縦一辺E2、E3から割り出した位置間隔(距離)であり、W7、W8は背中側の当て布05の縦一辺E6、E7から割り出した位置間隔(距離)である。
【0031】
本発明の授乳用ケープ00は図11〜図13に示されるように、SMLサイズのどの着用者も授乳用ケープ00がずり落ちず、締めつけられず、見られたくない体の部分をカバーする、その同じ装着感を得なければならない。よって、図1、図2に示されるように、授乳用ケープ本体01の上辺E1と背中側の当て布05の上辺E5方向に取り付けるスナップ・ホックの横方向取り付け間隔W4とW7は同じ距離であり、≪Mサイズ≫の装着状態を≪Lサイズ≫で再現した時に必要な距離を示している。また、授乳用ケープ本体01の両端E2、E3を基準に決めたW3と、背中側の当て布05の両端E6、E7を基準に決めたW6は≪Lサイズ≫の装着時に授乳用ケープ本体01と背中側当て布05が開き過ぎないために必要な重なり部分であり、その距離を示している。W8については、背中側の当て布05が「0028」で述べているように、必要な横幅W5からW6の2ヶ所とW7の2ヶ所を差し引いた距離である。
【0032】
なお、便宜上、図4に示されるように≪Mサイズ≫を基準にして、装着時前方側のスナップ・ホックのオスを06とし、装着右側のスナップ・ホックを06−Rと示し、左側を06−Lと示した。06−Rまたは06−LからW4(W7)分外側にスナップ・ホックを取り付け、同じく右側を07−R、左側を07−Lと示した。スナップ・ホックのメス側には06’−Rのように「’」マークを付けて区別して示している。よって、この4つのスナップ・ホックの取り付け間隔が着用者のSMLのサイズ展開を可能としている。
【0033】
着用者は本発明の授乳用ケープ00を図11〜図13に示されるように、スナップ・ホックで適切なサイズ調整してから、かぶって装着する。着用者の首に掛けた首ひも02が授乳用ケープ本体01を吊り支えることにより、授乳用ケープ本体01の横長さW1の上端が着用者の両肩山より下を後方へ沿い、前述の背中側の当て布05へつながる。また、背中側の当て布05が着用者の背中にぴったりと沿い、それがアンカーになって、着用者の周囲をぐるりと包み込む形での安定した装着状態となる。
【0034】
このような装着状態は従来品の授乳ケープ、授乳エプロンの両端を着用者の肩にひっかける装着方法ではないので、布がずり落ちることもなく、着用者が見られたくなかった胸元、たるんだ脇腹、服をたくしあげてむき出しになった背中も他者の視線からカバー可能となっている。
【0035】
また、本発明の装着形態であれば、肩にかけての装着ではないので、授乳用ケープ本体01の縦長さH1は従来品より短くすることが可能である。短くした効果として、着用者が乳児を抱き、椅子などに座ろうとする時に、縦に長い布ではもたついたりするが、本発明では、図11〜図13に示されるように、他者からの視線をカバーする箇所のみしっかり隠していれば、首ひも02と、背中側の当て布05とで授乳用ケープ本体01は吊り支えられているので、着用者の動きを邪魔したりせずに、椅子へのアプローチもスムーズになり、乳児を抱いているときの危険なもたつきを感じることもなく安心安全に授乳に専念することが可能となる。
【0036】
本発明の授乳用ケープ00は上述のスナップ・ホック06、07の組み合わせと、W4、W7の距離約10cmの間隔が母親のSMLサイズ、または乳児の成長過程に合わせてのサイズ展開が可能となっている。
【0037】
図4は背面図(Mサイズ・乳児中期頃)、図7は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Mサイズ左右方向から)、図11は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Mサイズ)であり、3図面とも基本のMサイズのスナップ・ホックの付け方を示している。≪Mサイズ≫は授乳用ケープ01の装着右側スナップ・ホック06−Rオスと背中側当て布05のスナップ・ホック06’−Rメスを留め、同様に07−Rオスと07’−Rメスを留める。装着左側のスナップボタン06−Lオスと06’−Lメスを留め、07−Lオスと07’−Lメスを留める。この状態で女性Mサイズとなり、また、中期頃の乳児を抱いて授乳させるときに装着可能なサイズである。
【0038】
図5は背面図(Lサイズ・乳児後期頃)、図8は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Lサイズ左右方向から)、図12は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Lサイズ)であり、3図面ともLサイズのスナップ・ホックの付け方を示している。≪Lサイズ≫は授乳用ケープ01の装着右側スナップ・ホック07−Rオスと背中側当て布05のスナップ・ホック06’−Rメスを留め、装着左側のスナップ・ホック07−Lオスと06’−Lメスを留める。この状態で先述のMサイズより約20cmの余裕ができ、女性Lサイズとなる。また、後期頃の乳児を抱いて授乳させるときに装着可能なサイズである。
【0039】
図6は背面図(Sサイズ・新生児頃)、図9は実施形態の授乳用ケープの概略斜視図(Sサイズ左右方向から)、図13は装着状態の上部からの図及び左右両側の三面図(Sサイズ)であり、3図面ともSサイズのスナップ・ホックの付け方を示している。≪Sサイズ≫はMサイズと同様にスナップ・ホックを留めておき、ボタン08をボタン紐09で留める。Mサイズより約15cmサイズダウンし、且つ、授乳用ケープ01の背中側裾が広がっても、背中の当て布05が母親の背中をカバーしている。
【0040】
次にもう一つのスナップ・ホック06、07の組み合わせを変えての配置取付け方法は図14、図15に示されている。図14、図15のように授乳用ケープ01装着右側のスナップ・ホックのオス06−Rと07−Rをメスの06‘−Rと07’−Rに変更する。同様に背中の当て布05装着右側のスナップ・ホックのメス06‘−Rと07’−Rをオスの06−Rと07−Rに入れ替えて取り付ける。そうすることにより、SMLのサイズ調整が可能でありながら、上述のSサイズの調節方法でボタン08とボタン紐09を必要とせずに装着可能となる。
【0041】
なお、このスナップ・ホックに換えて、マジックテープ(登録商標)、ボタンとボタン穴を用いることも可能である。
【0042】
以上のように本実施形態の授乳用ケープ00によれば、背中側の当て布05がアンカーになり、授乳時にケープが前方にずり落ちることもなく、また、母親と抱いている乳児の周りを覆う形で授乳用ケープが装着できるので、母親が見られたくない露出する部分をすべて覆い隠し、かつ、乳児を直接抱くことができるのでより安全に安心して授乳が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように本発明によれば、授乳時における露出する母親の肌全てを覆い隠し、かつ、乳児の様子を確認しながら安心して円滑な授乳を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態を示す展開図(表)である。
【図2】本発明の実施形態を示す展開図(裏)である。
【図3】本発明の実施形態を示す正面図≪SMLサイズ共通≫である。
【図4】本発明の実施形態を示す背面図≪Mサイズ≫である。
【図5】本発明の実施形態を示す背面図≪Lサイズ≫である。
【図6】本発明の実施形態を示す背面図≪Sサイズ≫である。
【図7】本発明の実施形態を示す概略斜視図≪Mサイズ≫である
【図8】本発明の実施形態を示す概略斜視図≪Lサイズ≫である
【図9】本発明の実施形態を示す概略斜視図≪Sサイズ≫である
【図10】本発明の実施形態の使用例示す正面図≪SMLサイズ共通≫である。
【図11】本発明の実施形態の使用例示す三面図≪Mサイズ≫である。
【図12】本発明の実施形態の使用例示す三面図≪Lサイズ≫である。
【図13】本発明の実施形態の使用例示す三面図≪Sサイズ≫である。
【図14】本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(表)である。
【図15】本発明の実施形態のスナップ・ホック別案を示す展開図(裏)である。
【符号の説明】
【0045】
00 授乳用ケープ
01 授乳用ケープ本体(長方形)
02 首ひも
03 バックル
04 胸元の覗き口
05 背中側の当て布(正方形)
06−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体右側)
06’−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05右側)
06−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体左側)
06’−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05左側)
07−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体右側)
07’−R 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05右側)
07−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(本体左側)
07’−L 本体01と当て布05を結合するためのスナップ・ホック(05左側)
08 本体01の右側09ボタン紐で留めるSサイズ用ボタン(本体左側)
09 本体01の左側08ボタン紐で留めるSサイズ用ボタン(本体右側)
A 母親
B 乳児
E1 本体01の上辺
E2 本体01の装着時左側縦一辺
E3 本体01の装着時右側縦一辺
E4 本体01の下辺
E5 当て布05の上辺
E6 当て布05の装着時右側縦一辺
E7 当て布05の装着時左側縦一辺
E8 当て布05の下辺
W1 本体01横の長さ
W2 胸元の覗き口04の横の長さ
W3 スナップ・ホック07−R(L)の本体01に取り付ける位置(距離)
W4 スナップ・ホック06−R(L)のスナップ・ホック07−R(L)からの位置(距離)
W5 背中の当て布05横の長さ
W6 スナップ・ホック06’−R(L)の当て布05に取り付ける位置(距離)
W7 スナップ・ホック07’−R(L)のスナップ・ホック06’−R(L)からの位置(距離)
W8 スナップ・ホック07’−Rとスナップ・ホック07’−Lの距離
H1 本体01縦の長さ
H2 背中の当て布05縦の長さ
L1 首ひも長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者のサイズに合わせて調整するバックルを備えた首ひもを着用者の首にかけることによって支持されるゆるやかな円弧の空間ができる胸元の覗き口を備えた授乳用ケープ本体と、着用者の後方に背中を覆う背中側の当て布を備えたことを特徴とした授乳用ケープ。
【請求項2】
前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者のサイズや乳児の成長に対応可能な取り付け用スナップ・ホックを設けたことを特徴とする請求項1記載の授乳用ケープ。
【請求項3】
前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者の便宜を図るため、スナップ・ホックを上部のみに取り付けることを特徴とする請求項1または2に記載の授乳用ケープ。
【請求項4】
前記胸元の覗き口は、該胸元のゆるやかな円弧の形態を保持する形態安定手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の授乳用ケープ。
【請求項1】
着用者のサイズに合わせて調整するバックルを備えた首ひもを着用者の首にかけることによって支持されるゆるやかな円弧の空間ができる胸元の覗き口を備えた授乳用ケープ本体と、着用者の後方に背中を覆う背中側の当て布を備えたことを特徴とした授乳用ケープ。
【請求項2】
前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者のサイズや乳児の成長に対応可能な取り付け用スナップ・ホックを設けたことを特徴とする請求項1記載の授乳用ケープ。
【請求項3】
前記授乳用ケープ本体と背中側の当て布に、着用者の便宜を図るため、スナップ・ホックを上部のみに取り付けることを特徴とする請求項1または2に記載の授乳用ケープ。
【請求項4】
前記胸元の覗き口は、該胸元のゆるやかな円弧の形態を保持する形態安定手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の授乳用ケープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−69003(P2011−69003A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218935(P2009−218935)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(309011631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(309011631)
【Fターム(参考)】
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