説明

排ガス処理設備

【課題】使用済みの洗浄液中の被毒物質を脱硝触媒に再度付着させることなく使用済みの洗浄液を低コストで簡単に廃棄処理することができる排ガス処理設備を提供する。
【解決手段】ケーシング111内に脱硝触媒112を装着した脱硝装置110と、脱硝装置110で窒素酸化物を分解除去された排ガス1中の煤塵を除去する電気集塵器131とを備えると共に、脱硝触媒112を洗浄するように脱硝触媒112に洗浄液2を噴き掛ける貯留タンク141、送給ポンプ142、シャワノズル143等と、脱硝触媒112を洗浄した洗浄液2を回収する回収タンク144と、脱硝触媒112を洗浄した使用済みの洗浄液2を電気集塵器131に送給するように、脱硝装置110で窒素酸化物を分解除去された排ガス1中に回収タンク144内の洗浄液2を噴霧する送給ポンプ145及び噴霧ノズル146等を備えて排ガス処理設備100を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス中の窒素酸化物を分解除去する排ガス処理設備に関し、特に、重油や石炭等を燃焼させて発生した排ガスを処理するような場合に適用すると有効である。
【背景技術】
【0002】
ボイラ等で重油や石炭等を燃焼させる燃焼器等から排出される排ガス中の窒素酸化物を分解除去する排ガス処理設備においては、当該排ガスを処理していくにしたがって、上記重油や上記石炭等に由来して当該排ガス中に含有されているフライアッシュや重金属やアルカリ金属やアルカリ土類金属やリン等の被毒物質が、窒素酸化物を分解除去する脱硝触媒の表面に付着して次第に堆積し、当該脱硝触媒の活性を徐々に低下させて窒素酸化物の分解除去性能を低下させてしまっている。
【0003】
このため、例えば、下記特許文献1〜3等においては、水や蓚酸溶液等の洗浄液を排ガス処理設備内の脱硝触媒又は排ガス処理設備から取り出した脱硝触媒に噴き掛けて、当該触媒を洗浄することにより、当該触媒の活性を復活させて、窒素酸化物の分解除去性能を回復させるようにしている。
【0004】
ところで、このようにして脱硝触媒を洗浄液で洗浄処理すると、前記被毒物質を含んだ使用済みの洗浄液が大量に生じてしまうことから、例えば、別途用意した加熱器等で当該使用済みの洗浄液を加熱処理して水分等を揮発させることにより、減容化して、乾固した前記被毒物質等の残渣を廃棄処理するようにしているため、処理コストが高くなってしまっている。
【0005】
このため、例えば、下記特許文献4等においては、触媒の洗浄後に生じた大量の使用済みの洗浄液をボイラの燃焼器の内部に供給することにより、使用済みの洗浄液の処理にかかるコストを低減するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭56−037053号公報
【特許文献2】特開昭57−180433号公報
【特許文献3】特開昭59−062350号公報
【特許文献4】特開平06−099164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献4等に記載されているように使用済みの洗浄液をボイラの燃焼器の内部に供給して処理すると、当該液中に含まれている前記被毒物質が重油や石炭等の燃焼に伴って新たに生じた被毒物質と共に脱硝触媒に再度付着してしまい、脱硝触媒の活性の低下速度がより速まってしまう。
【0008】
このようなことから、本発明は、使用済みの洗浄液中の被毒物質を脱硝触媒に再度付着させることなく使用済みの洗浄液を低コストで簡単に廃棄処理することができる排ガス処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するための、本発明に係る排ガス処理設備は、排ガス中の窒素酸化物を分解除去する排ガス処理設備であって、前記排ガスを内部に流通させるケーシング内に脱硝触媒を装着した脱硝装置と、前記脱硝装置で窒素酸化物を分解除去された前記排ガス中の煤塵を除去する電気集塵器とを備えると共に、前記脱硝装置の前記脱硝触媒を洗浄した洗浄液を前記電気集塵器に送給するように、当該脱硝装置で窒素酸化物を分解除去された前記排ガス中に当該洗浄液を噴霧する使用済み洗浄液噴霧手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る排ガス処理設備は、上述した排ガス処理設備において、前記脱硝装置の前記ケーシング内の前記脱硝触媒を洗浄するように当該脱硝触媒に前記洗浄液を噴き掛ける洗浄手段と、前記脱硝装置の前記ケーシング内の前記脱硝触媒を洗浄した前記洗浄液を回収する使用済み洗浄液回収手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る排ガス処理設備は、上述した排ガス処理設備において、前記脱硝設備の前記ケーシング内で前記脱硝触媒よりも前記排ガスの流通方向下流側に配設されて当該排ガスの熱によって空気を加熱するエアヒータを備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る排ガス処理設備は、上述した排ガス処理設備において、前記使用済み洗浄液噴霧手段が、前記エアヒータと前記電気集塵器との間で前記排ガス中に前記洗浄液を噴霧するものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る排ガス処理設備は、上述した排ガス処理設備において、重油又は石炭を燃焼させて発生した排ガス中の窒素酸化物を分解除去するものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る排ガス処理設備は、上述した排ガス処理設備において、前記エアヒータが、前記重油又は前記石炭の燃焼に使用する空気を加熱するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る排ガス処理設備によれば、使用済み洗浄液噴霧手段で排ガス中に噴霧された使用済みの洗浄液が排ガスの熱によって加熱されて、被毒物質が乾固して微粒子となって電気集塵器に送給されて捕集されることから、使用済みの洗浄液を加熱する熱エネルギを別途に用意する必要がまったくないだけでなく、排ガス中の煤塵を除去する電気集塵器を利用して、使用済みの洗浄液中に存在していた被毒物質を分離回収することができるので、使用済みの洗浄液中の被毒物質を脱硝触媒に再度付着させることなく使用済みの洗浄液を低コストで簡単に廃棄処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る排ガス処理設備の主な実施形態の要部の概略構成図である。
【図2】本発明に係る排ガス処理設備の他の実施形態の要部の概略構成図である。
【図3】本発明に係る排ガス処理設備のさらに他の実施形態の要部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る排ガス処理設備の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する実施形態のみに限定されるものではない。
【0018】
[主な実施形態]
本発明に係る排ガス処理設備の主な実施形態を図1に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように、ボイラ等で重油や石炭等を燃焼させる燃焼器から排出された排ガス1を流通させるダクト101は、当該排ガス1を内部に流通させる脱硝装置110のケーシング111の側面上方に連結している。このケーシング111の側面下方には、上記脱硝触媒112で窒素酸化物を分解除去された上記排ガス1を送出するダクト102の一端側が連結されている。このケーシング111の内部には、上記排ガス1中の窒素酸化物を分解除去する脱硝触媒112が上下方向、すなわち、上記排ガス1の流通方向に沿って複数装着されている。
【0020】
前記ダクト102の他端側には、上記ボイラの上記燃焼器に使用する燃焼用の空気を熱交換によって加熱するエアヒータ121の排ガス受入側が連結されている。このエアヒータ121の排ガス送出側には、ダクト103の一端側が連結されている。このダクト103の他端側には、電気集塵器131の排ガス受入側が連結されている。この電気集塵器131の排ガス送出側には、脱硫装置等の各種の後処理装置に連結するダクト104の一端側が連結している。
【0021】
前記脱硝装置110の前記ケーシング111の内部の天井付近には、先端側を下方へ向けたシャワノズル143が複数配設されている。上記シャワノズル143は、洗浄液(水)2を貯留する貯留タンク141に送給ポンプ142を介して連結している。
【0022】
前記脱硝装置110の前記ケーシング111の下部には、前記シャワノズル143から散布された上記洗浄液2を回収する回収タンク144が連結されている。また、前記ダクト103内には、先端側を前記電気集塵器131の排ガス受入側へ向けた噴霧ノズル146が配設されている。上記噴霧ノズル146は、上記回収タンク144に送給ポンプ145を介して連結している。
【0023】
なお、本実施形態においては、前記貯留タンク141、前記送給ポンプ142、前記シャワノズル143等により洗浄手段を構成し、前記回収タンク144等により使用済み洗浄液回収手段を構成し、前記送給ポンプ145、前記噴霧ノズル146等により使用済み洗浄液噴霧手段を構成している。
【0024】
このような本実施形態に係る排ガス処理設備100を利用した排ガス処理方法を次に説明する。
【0025】
ボイラ等の燃焼器で重油や石炭等を燃焼させて発生した排ガス1(温度:約350〜400℃)は、前記ダクト101を介して前記脱硝装置110の前記ケーシング111内に流入し、前記脱硝触媒112内を流通することにより、窒素酸化物を分解除去された後、当該ケーシング111から前記ダクト102を介して前記エアヒータ121で熱交換して、上記燃焼器での燃焼に使用する空気を加熱することにより、冷却された後(温度:約100〜150℃)、前記ダクト103を介して前記電気集塵器131で煤塵を除去され、前記ダクト104を介して脱硫装置等の各種の後処理装置に送給されて無害化処理される。
【0026】
このようにして上記排ガス1を処理していくと、重油や石炭等に由来して当該排ガス1中に含有されているフライアッシュや重金属やアルカリ金属やアルカリ土類金属やリン等の被毒物質が、前記脱硝触媒112の表面に付着して次第に堆積し、当該脱硝触媒112の活性を徐々に低下させて窒素酸化物の分解除去性能を低下させてしまうことから、ボイラの燃焼器等の運転停止時(停缶期間であればいつでも可)に、前記送給ポンプ142を作動して前記貯留タンク141内の前記洗浄液2を前記シャワノズル143から散布すると、当該洗浄液2は、前記脱硝触媒112に噴き掛けられて、当該脱硝触媒112に付着している前記被毒物質を当該脱硝触媒112から除去するように当該脱硝触媒112を洗浄した後、前記回収タンク144内に回収される(洗浄液散布量:脱硝触媒の体積量に対して20倍以下(好ましくは2〜10倍、さらに好ましくは2〜3倍)、洗浄液散布時間:10時間以下(好ましくは0.5〜2時間))。これにより、上記脱硝触媒112は、活性が復活し、窒素酸化物の分解除去性能が回復するようになる。
【0027】
そして、ボイラの燃焼器等の運転再開に併せた前記排ガス1の処理の再開に伴って、前記送給ポンプ145を作動させて、前記回収タンク144内に回収された使用済みの洗浄液2を前記噴霧ノズル146に送給すると(洗浄液送給量:10〜100L/h(好ましくは20〜50L/h))、当該洗浄液2は、前記エアヒータ121からの前記排ガス1(温度:200℃以下(好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは130〜150℃))中に噴霧され(液滴径:10〜100μm(好ましくは20〜50μm))、当該排ガス1の熱によって気化して、含有している前記被毒物質が微粒子となって当該排ガス1と共に前記電気集塵器131に送給され、当該電気集塵器131で除去される。
【0028】
つまり、従来は、別途用意した加熱器等で使用済みの洗浄液2を加熱して、前記被毒物質を乾固させた残渣を廃棄処理するようにしていたが、本実施形態では、脱硝触媒112の前記排ガス1の流通方向下流側に配設されたエアヒータ121によって熱を回収された後の排ガス1中に使用済みの洗浄液2を送給することにより、当該排ガス1の余熱を利用して使用済みの洗浄液2を加熱して前記被毒物質を乾固させ、生じた微粒子を電気集塵器131で捕集してしまうようにしたのである。
【0029】
このため、本実施形態においては、使用済みの洗浄液2を加熱する熱エネルギを別途に用意する必要がまったくないだけでなく、排ガス1中の煤塵を除去する電気集塵器131をそのまま利用して、使用済みの洗浄液2中に存在していた前記被毒物質を分離回収することができる。
【0030】
したがって、本実施形態に係る排ガス処理設備100によれば、脱硝装置110の脱硝触媒112を洗浄した使用済みの洗浄液2中の前記被毒物質を当該脱硝触媒112に再度付着させることなく使用済みの洗浄液2を低コストで簡単に廃棄処理することができる。
【0031】
[他の実施形態]
なお、前述した実施形態においては、脱硝装置110のケーシング111の外部にエアヒータ121を備える排ガス処理設備100の場合について説明したが、他の実施形態として、例えば、前記エアヒータ121を省略し、図2に示すように、ケーシング111の内部において、脱硝触媒112の下方、すなわち、脱硝触媒112よりも排ガス1の流通方向下流側にエアヒータ213を配設した脱硝装置210を備えた排ガス処理設備200であると、前記脱硝触媒112を洗浄液2で洗浄する際に、当該脱硝触媒112での上記排ガス1の窒素酸化物の分解処理の際に生じて当該エアヒータ213に付着した酸性硫安(NH4HSO4)等の副生物も併せて洗浄除去することができると共に、回収した使用済みの洗浄液2を前記噴霧ノズル146から噴霧して前記排ガス1の余熱で気化させたときに、前記被毒物質だけでなく酸性硫安も微粒子にして、前記電気集塵器131で捕集することができるので、上記排ガス1の処理にあたって生じる廃棄物をさらに低コストで簡単に処理することができる。なお、図2中、203は、前記脱硝装置210と前記電気集塵器131とを連結して前記噴霧ノズル146を設けられるダクトである。
【0032】
また、前述した実施形態においては、前記ケーシング111の内部の脱硝触媒112を洗浄して回収タンク144に回収された使用済みの洗浄液2をそのまま前記噴霧ノズル146から噴霧して前記エアヒータ121からの排ガス1中に供給するようにしたが、他の実施形態として、例えば、図3に示すように、前記回収タンク144と前記送給ポンプ145の受入口との間に三方バルブ348を介して循環ポンプ347の受入側を連結すると共に前記送給ポンプ142の送出側と前記シャワノズルとの間に三方バルブ349を介して前記循環ポンプ347の送出側を連結した排ガス処理設備300として、洗浄開始時には、前記送給ポンプ142と前記シャワノズル143との間のみを連絡させるように前記三方バルブ349を調整すると共に、前記回収タンク144と前記ポンプ145,347との間を遮断するように前記三方バルブ348を調整して、前記送給ポンプ142を作動させることにより、貯留タンク141内の洗浄液2で前記脱硝触媒112を洗浄し、使用済みの洗浄液2をある程度前記回収タンク144内に回収したら、上記送給ポンプ142の作動を停止し、前記回収タンク144と前記循環ポンプ347との間のみを連絡させるように前記三方バルブ348を調整すると共に当該循環ポンプ347と前記シャワノズル143との間のみを連絡させるように前記三方バルブ349を調整して、当該循環ポンプ347を作動させることにより、前記回収タンク144内の使用済みの洗浄液2を繰り返し利用して前記脱硝触媒112を洗浄した後、当該循環ポンプ347の作動を停止し、前記回収タンク144と前記送給ポンプ145との間のみを連絡させるように前記三方バルブ348を調整して、当該送給ポンプ145を作動させることにより、前記回収タンク144内の循環利用された使用済みの洗浄液2を噴霧ノズル146から噴霧して前記エアヒータ121からの排ガス1中に供給するようにすれば、使用済みの洗浄液2中の前記被毒物質の濃度を高めて当該被毒物質を分離回収することができると共に、脱硝触媒112の洗浄に使用する新規の洗浄液2の量を大幅に削減することができるので、処理にかかるコストをさらに低減させることができて非常に好ましい。
【0033】
また、前述した実施形態においては、前記ケーシング111内に配設された前記シャワノズル143から前記貯留タンク141内の前記洗浄液2を散布することにより、前記ケーシング111の内部の脱硝触媒112を洗浄するようにしたが、他の実施形態として、例えば、ケーシングの側面にフランジを設置すると共に移動式のシャワノズルとし、ボイラ停缶時にそこからシャワノズルを挿入して洗浄液を散布することにより、脱硝触媒を洗浄するようにすることも可能である。
【0034】
また、前述した実施形態においては、前記送給ポンプ142を作動して前記貯留タンク141内の前記洗浄液2を前記シャワノズル143から散布することにより、前記ケーシング111の内部の脱硝触媒112を装着したままの状態で洗浄して、落下する使用済みの洗浄液2を前記回収タンク144内に回収し、当該回収タンク144内の当該洗浄液2を前記噴霧ノズル146から噴霧するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記貯留タンク141、前記送給ポンプ142、前記シャワノズル143、前記回収タンク144を省略、すなわち、洗浄手段及び使用済み洗浄液回収手段を省略して、ボイラの燃焼器等の運転停止時に、前記脱硝触媒112を前記ケーシング111の内部から取り出し、当該ケーシング111の外部で前記洗浄液2を使用して当該脱硝触媒112を洗浄した後、当該ケーシング111の内部に再び装着すると共に、回収した使用済みの洗浄液2を前記送給ポンプ145により前記噴霧ノズル146から噴霧する場合であっても、前述した実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
【実施例】
【0035】
図3に示したような排ガス処理設備を備えた重油焚きの実機プラントによる評価テストを行った。具体的には、まず、貯留タンク内の水(脱硝触媒の体積量の3倍相当量)をシャワノズルから噴霧(1時間)して脱硝触媒を洗浄し、使用済みの水を回収タンクに回収する。回収タンクに回収された使用済みの水中のフライアッシュ等を沈降させるように当該水を静置(1日)した後、当該水の上澄みをシャワノズルから再び噴霧(1時間)して脱硝触媒を再度洗浄し、再利用した水を回収タンクに再び回収する。この操作をさらに2回繰り返し、合計4回の洗浄を行った。その結果、当初の脱硝性能が88%であったものの、使用後の脱硝性能が78%にまで低下した脱硝触媒を再生処理によって脱硝性能を87%にまで回復することができた。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る排ガス処理設備は、使用済みの洗浄液中の被毒物質を脱硝触媒に再度付着させることなく使用済みの洗浄液を低コストで簡単に廃棄処理することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 排ガス
2 洗浄液
100 排ガス処理装置
101〜104 ダクト
110 脱硝装置
111 ケーシング
112 脱硝触媒
121 エアヒータ
131 電気集塵器
141 貯留タンク
142 送給ポンプ
143 シャワノズル
144 回収タンク
145 送給ポンプ
146 噴霧ノズル
200 排ガス処理装置
203 ダクト
210 脱硝装置
213 エアヒータ
300 排ガス処理装置
347 循環ポンプ
348,349 三方バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス中の窒素酸化物を分解除去する排ガス処理設備であって、
前記排ガスを内部に流通させるケーシング内に脱硝触媒を装着した脱硝装置と、
前記脱硝装置で窒素酸化物を分解除去された前記排ガス中の煤塵を除去する電気集塵器と
を備えると共に、
前記脱硝装置の前記脱硝触媒を洗浄した洗浄液を前記電気集塵器に送給するように、当該脱硝装置で窒素酸化物を分解除去された前記排ガス中に当該洗浄液を噴霧する使用済み洗浄液噴霧手段を備えている
ことを特徴とする排ガス処理設備。
【請求項2】
請求項1に記載の排ガス処理設備において、
前記脱硝装置の前記ケーシング内の前記脱硝触媒を洗浄するように当該脱硝触媒に前記洗浄液を噴き掛ける洗浄手段と、
前記脱硝装置の前記ケーシング内の前記脱硝触媒を洗浄した前記洗浄液を回収する使用済み洗浄液回収手段と
を備えていることを特徴とする排ガス処理設備。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の排ガス処理設備において、
前記脱硝装置の前記ケーシング内で前記脱硝触媒よりも前記排ガスの流通方向下流側に配設されて当該排ガスの熱によって空気を加熱するエアヒータを備えている
ことを特徴とする排ガス処理設備。
【請求項4】
請求項3に記載の排ガス処理設備において、
前記使用済み洗浄液噴霧手段が、前記エアヒータと前記電気集塵器との間で前記排ガス中に前記洗浄液を噴霧するものである
ことを特徴とする排ガス処理設備。
【請求項5】
請求項4に記載の排ガス処理設備において、
重油又は石炭を燃焼させて発生した排ガス中の窒素酸化物を分解除去するものである
ことを特徴とする排ガス処理設備。
【請求項6】
請求項5に記載の排ガス処理設備において、
前記エアヒータが、前記重油又は前記石炭の燃焼に使用する空気を加熱するものである
ことを特徴とする排ガス処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−50900(P2012−50900A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193191(P2010−193191)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】