説明

排出濃度プロファイル及び空気浄化呼吸用カートリッジの耐用期間の判定

排出濃度プロファイル、破過時間と、フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つを決定する方法及びシステムを開示する。その方法は、少なくとも一つの入力パラメータを受信し、その入力パラメータに基づいて、排出濃度プロファイルと、破過時間と、フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つを決定し、排出濃度プロファイルと、破過時間と、フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つをグラフ表示し、その排出濃度プロファイルは所定時間に亘る化学種の濃度のプロットからなり、破過時間は、化学種が所定の濃度でフィルタ・カートリッジ600を通過する時間からなることを含む

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、係属中の米国仮特許出願第61/057,522(「“522出願」)の優先権を主張している。”522出願は、2009年5月30日に出願され、その発明の名称は“Determining Effluent Concentration Profiles and Service Lives of Air Pulrifying Cartridges”(排出濃度プロファイル及び空気浄化呼吸用カートリッジの耐用期間の判定)である。”522出願の開示事項は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の背景】
【0002】
一般に本発明は、空気フィルタの耐用期間を判定するためのシステム及び方法に関し、更に詳しくは、空気浄化呼吸用カートリッジの耐用期間を計算するシステム及び方法に関する。
【0003】
空気浄化呼吸用のフィルタ・カートリッジ又はそのフィルタ・カートリッジの濾床の耐用期間の判定は、アメリカ合衆国における法的な規制要件である。更に、空気浄化呼吸器の多くのユーザーにとっては、交換データ及び/又は推定耐用期間を知ることが望まれる。交換データは、例えば、空気浄化呼吸器のカートリッジをいつ交換、即ち新しいカートリッジと交換せねばならないかの予定を含む。推定された耐用期間の計算は、空気浄化呼吸器のカートリッジをどれくらい維持せねばならないかという判定を含んでもよい。交換データと耐用期間計算との両方は、カートリッジ及び呼吸器が使用された条件の入力の全部又は一部に基づくであろう。
【0004】
空気浄化呼吸器のための交換データの判定及び耐用期間計算に用いられる公知の方法及びシステムは、幾つかの欠点を有している。例えば、公知のシステム及び方法は、フィルタ・カートリッジの廃出プロファイル、破過時間又は耐用期間のグラフ的出力を与えない。また、これらのシステム及び方法は、ユーザーからの動的変化入力に基づく廃出濃度プロファイル、破過時間又は耐用期間の動的計算を与えない。更に、破過時間又は耐用期間を判定するためのこれらのシステム及び方法の限界は、破過時間又は耐用期間が基礎を形成する数学的なモデルが、比較的に低い分子重量及び/又は低沸点を有する幾多の汚染物質を含む多くの汚染物質のために、破過時間又は耐用期間を正確に判定しないことである。
【0005】
従って、空気浄化呼吸用カートリッジの交換データ及び耐用期間計算を判定するシステム及び方法であって、排出濃度プロファイルのグラフィック出力を与え、耐用期間計算の動的計算を可能とし、より正確なモデルに基づくシステム及び方法に対する要請がある。
【発明の概要】
【0006】
一つの実施形態によれば、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを判定する方法は、少なくとも一つの入力パラメータを受信し、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを前記入力パラメータに基づいて判定し、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つをグラフ的に表示することを含む。排出濃度プロファイルは経過時間に亘る化学種の濃度のプロットを含む。破過時間はフィルタ・カートリッジを通過する化学種の所定の濃度における時間を含む。
【0007】
他の実施形態においては、コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを判定する一組又はそれ以上の組の指令を含み、この指令の組は、少なくとも一つの入力パラメータを受信する指令と、排出濃度プロファイル、破過時間及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを入力パラメータに基づいて判定する指令と、排出濃度プロファイル、破過時間及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つをグラフ的に表示する指令とを含む。排出濃度プロファイルは経過時間に亘る化学種の濃度のプロットを含む。破過時間はフィルタ・カートリッジを通過する化学種の所定の濃度の時間を含む。
【0008】
他の実施形態においては、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを判定するシステムは、ユーザー・インターフェースと、プロセッサ・モジュールと、及び出力デバイスとを含む。プロセッサ・モジュールは、ユーザー・インターフェースへ交信可能に、且つ少なくとも一つの入力パラメータを受信するように接続されている。プロセッサ・モジュールは、入力パラメータに基づいて、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを判定する。出力デバイスは、プロセッサ・モジュールへ交信可能に接続されており、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つをグラフ的に表示する。排出濃度プロファイルは、或る期間に亘る化学種の濃度のプロットを含む。破過時間は、フィルタ・カートリッジを通過する化学種の所定の濃度における時間を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は一つの実施形態に係る排出濃度計算システムのブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すシステムへ一つ以上のパラメータを入力して、ユーザーへ図1に示す出力を表示するのに用いられるグラフィカル・ユーザ・インタフェースの一つの実施形態である。
【図3】図3は、一つの実施形態により図1に示すシステムに一つ以上のパラメータを入力するのに用いられるグラフィカル・ユーザ・インタフェースの一つの実施形態である。
【図4】図4は、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジのうちの少なくとも一つを判定する方法のためのフローチャートである。
【図5】図5は、本明細書に説明される一つ以上の実施形態をコンピュータ読み取り可能媒体に記憶、配布、及びインストールし得る例示的な方法のブロック図である。
【図6】図6は例示的実施形態によりフィルタ・カートリッジの分解図である。
【本発明の詳細な説明】
【0010】
上述の概要は、以下の本発明の特定の実施形態の詳細な説明のみならず、添付図面を斟酌して読めば、よりよく理解されよう。図面が様々な実施形態の機能的なブロックのブロック図を示すには限界があるため、機能的なブロックが必ずしもハードウェア回路の間の境界を示すというわけではない。従って、例えば、一つ以上の機能的なブロック(例えば、プロセッサ又はメモリ)をハードウェアの単独の構成要素(例えば、汎用信号プロセッサ又はランダム・アクセス・メモリ、ハードディスク、或いはその類)に実装してもよい。同様に、プログラムは独立型プログラムとしてもよく、オペレーティングシステム内にサブルーチンとして組み込んでもよく、インストール済みのソフトウェア・パッケージにおける機能などとしてもよい。様々な実施形態は図面に示す配置構成及び機器に限定されるものではないことに留意されたい。
【0011】
本明細書で用いられるように用語「一つ(a又はan)」を伴って単数で開始されるように列挙された要素又はステップは、特に除外することを断らない限り、それらの要素又はステップが複数の場合を除外するものではないことを了承されたい。更に、本発明の「一つの実施形態」を参照することは、列挙された特徴をやはり組み込んだ付加的な実施形態の存在を除外して解釈するように意図したものではない。また、相容れないことが明確に述べられていない限り、実施形態が一つの要素又は一つの特定の特徴を有する複数の要素を「備える」若しくは「有する」場合には、そのような特徴を有さないような付加的な要素をも含み得る。
【0012】
一つ以上の実施形態は空気浄化呼吸器用のフィルタ・カートリッジに関連して説明されるが、本明細書に説明した実施形態は空気浄化呼吸器に限定されるものではないことに留意されたい。特に、一つ以上の実施形態は異なる形式の濾過システムに関連して実装してもよく、これは例えば建造物の空気濾過システムを含む。更に、一つ以上の実施形態はコンピュータデバイス又はシステムを用いて実施するように説明するが、本明細書に説明された実施形態はコンピュータに基づくシステム及び方法に限定されるものではない。特に、一つ以上の実施形態は非コンピュータに基づくデバイス及び方法に関連して実施される。例えば、一つの実施形態は、コンピュータに基づくシステムにユーザーにより入力された一つ以上のパラメータに基づいて、フィルタ・カートリッジの破過時間又は耐用期間を計算することを含むが、破過時間又は耐用期間は計算尺又は回転計算器を用いて計算してもよい。計算尺又は回転計算器は、様々な既知の入力に基づいて破過時間又は耐用期間を与えることができる。
【0013】
情報を計算及び表示するシステム及び方法の例示的実施例について以下に詳細に説明する。特に、排出濃度プロファイル、破過時間、及び推奨されるフィルタ・カートリッジを動的に判定して表示するためのシステム及び方法の例の詳細な説明を与える。本明細書に説明された一つ以上の実施形態の技術的効果は、以下のうちの少なくとも一つを含む。即ち、破過時間のグラフィック表示及び/又はユーザーによる一つ以上のパラメータ入力に基づく排出濃度プロファイル、破過時間の動的調整及び/又はユーザーからの変更入力に基づく排出濃度プロファイル、ユーザーからの入力に基づくユーザーに対するフィルタ・カートリッジの推奨、及びユーザーからの変更入力に基づく推奨カートリッジ・フィルタの動的な変更である。
【0014】
図6は、例示的実施形態によるフィルタ・カートリッジ600の分解図である。フィルタ・カートリッジ600は、濾床606を収容する上部及び下部ボディ602、604を含む。濾床606は、例えば、一つ以上の化学薬品を含浸させた活性炭を含んでもよい。複数の更なるフィルタ層608、610の各々は、活性炭の更なる層を含んでもよい。保持要素612、614は、フィルタ・カートリッジ600内にフィルタ層608、610を保持し得る。スクリーン616は、フィルタ・カートリッジ600を通過するエアゾール粒子を機械的に濾過する。密封要素618及び粘着剤620は、フィルタ・カートリッジ600を組み立て状態で封止するために設けられている。作動時には、空気は下部ボディ604における吸気ポート622を通過して、フィルタ層608、610及び濾床606を通過する。空気がフィルタ層608、610及び濾床606を通過すると、空気中の一つ以上の化学的汚染物質は濾過若しくはフィルタ層608、610内の物質及び/又は濾床606に吸着されるであろう。濾過された空気は、続いてフィルタ・カートリッジ600を通過して、上部ボディ602におけるポート624を通じてフィルタ・カートリッジ600から出る。濾過された空気は、次いで、例えば一つ以上のチューブ又はパイプを経てユーザーへ伝わってもよい。濾床606の効果は、継続的な使用により低減する。例えば、るる汚染されている空気が濾床606を通過するか、及び/又は、より高濃度の化学的汚染物質が濾床606を通過するにつれて、濾床606は化学的汚染物質を濾過する効果が弱まっていく。最終的には、濾床606を通過する化学的汚染物質の濃度は、最大許容濃度を越えるであろう。このことが起こる時間は、フィルタ・カートリッジ600の破過時間又は耐用期間と称される。このフィルタ・カートリッジ600の破過時間又は耐用期間を経過したとすれば、フィルタ・カートリッジ600は、ユーザーを化学的汚染物質から保護するためには、もはや用をなさないことがあり得る。
【0015】
図1は、一つの実施形態による排出濃度計算システム100のブロック図である。このシステム100は、プロセッサ・モジュール102を含んでおり、このモジュールは、とりわけ、ユーザー・インターフェース106でユーザーからの入力104を受け取って、排出濃度プロファイル204(図2に示す)、破過時間206(図2に示す)、及びフィルタ・カートリッジ推奨240(図2に示す)のうちの少なくとも一つを判定する。排出濃度プロファイル204は、時間とともにフィルタ・カートリッジの濾床を通過する一つ以上の化学種の濃度のグラフ表示を含む。一つの実施形態においては、排出濃度プロファイル204は、時間に関して濾床606(図6に示す)の一端における一つ以上の化学種の濃度を表す。例えば、排出濃度プロファイル204は、フィルタ・カートリッジ600(図6に示す)の上部ボディ602(図6に示す)におけるポート624(図6に示す)に最も近接する濾床606の端部における化学種の濃度を示す。このような例では、排出濃度プロファイル204は、フィルタ・カートリッジ600のユーザーへフィルタ・カートリッジ600を通過する化学種の近似的な濃度を表す。破過時間206は、所定の濃度の一つ以上の化学種が周囲環境からフィルタ・カートリッジを突破して、フィルタ・カートリッジのユーザーへ到達する時間を含む。フィルタ・カートリッジ推奨240は、ユーザーによって規定された基準に基づいて、このユーザーに対して推奨される一つ以上のフィルタ・カートリッジを含む。
【0016】
他の実施形態においては、プロセッサ・モジュール102はユーザー・インターフェース106にてユーザーからの入力104を受け取って、ベッド(bed)・プロファイルを決定する。ベッド・プロファイルは、濾床606(図6に示す)における所定位置についての濾床606(図6に示す)における一つ以上の化学種の濃度のグラフ表示である。例えば、ベッド・プロファイルは、所定の時刻に濾床606の厚さ方向における様々な位置についての濾床606における化学種の濃度をグラフで示してもよい。プロセッサ・モジュール102は、一つの実施形態における多様な時間についてのベッド・プロファイルを決定する。次いで、濾床606を通過する化学種の移動は、期間を増加するときにプロセッサ・モジュール102により発生する複数のベッド・プロファイルを比較することにより視覚化してもよい。
【0017】
プロセッサ・モジュール102とユーザー・インターフェース106とは、有線、無線又はネットワーク(例えば、LAN、WAN、インターネット又はイントラネット)接続のうちの一つ以上を通じて互いに直接に又は間接的に交信可能に接続されている。ユーザー・インターフェース106は、一つ以上の入力パラメータの交信、及びプロセッサ・モジュール102への入力104として入力パラメータの交信をなすことが可能なデバイス、システム又は装置を含む。例えば、ユーザー・インターフェース106としては、キーボード、マウス、スタイラス、タッチ感知スクリーン、マイクロフォンなどのうちの一つ以上を含むことができる。他の例では、ユーザー・インターフェース106は、独立型コンピュータ関連デバイス、例えばPC、ラップトップ・コンピュータ、スマートフォンなどを含む。一つの実施形態においては、プロセッサ・モジュール102とユーザー・インターフェース106とは、一つ以上のネットワーク接続(インターネットを含む)を通じて互いに交信する。例えば、システム100は、ユーザー・インターフェース106としてウェブ・ブラウザを採用するインターネットに基づくシステムとしてもよい。
【0018】
図示した実施形態において、プロセッサ・モジュール102はコンピュータ読取り可能な記憶媒体110に交信可能に接続される。コンピュータ読取り可能な記憶媒体110としては、データを記憶することができる一つ以上のコンピュータ読取り可能メモリ(例えばハード・ドライブ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、CDドライブ、DVDドライブなど)が挙げられる。コンピュータ読取り可能な記憶媒体110は、有線、無線又はネットワーク(例えば、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネット)接続のうちの一つ以上を経由して、プロセッサ・モジュール102と直接又は間接的に通信するようにしてもよい。他の実施形態においては、複数のコンピュータ読取り可能な記憶媒体がプロセッサ・モジュール102へ交信可能に接続される。例えば、更なるコンピュータ読取り可能な記憶媒体112をプロセッサ・モジュール102へ交信可能に接続してもよい。コンピュータ読取り可能な記憶媒体112は、一つ以上のパラメータを記憶するデータ・ベース114を包含してもよく、その一つ以上のパラメータは、排出濃度プロファイル204(図2に示す)、破過時間(図2に示す)、及びフィルタ・カートリッジ推奨240(図2に示す)のうちの少なくとも一つを決定するためにプロセッサ・モジュール102により利用可能である。
【0019】
プロセッサ・モジュール102は、出力デバイス108に交信可能に接続される。出力デバイス108は、デバイス、システム又は装置を含み、これらのデバイス、システム又は装置は、排出濃度プロファイル204、破過時間206、フィルタ推奨240、ベッド・プロファイル及び/又は排出濃度プロファイル204と、破過時間206と、フィルタ推奨240と、及び/又はベッド・プロファイルとを表すデータを受信すると共に、これらをユーザーへ提示することができる。例えば、出力デバイス108としては、CRTディスプレイ、プリンター、携帯型ディスプレイ・ユニット(例えばパームパイロット(Palm Pilot)、携帯電話、ブラックベリーなど)、コンピュータ・メモリ、液晶画面などが挙げられる。一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102と出力デバイス108とは、一つ以上のネットワーク接続(インターネットを含む)を通じて互いに交信する。例えば、システム100は、出力デバイス108としてウェブ・ブラウザを採用するインターネットに基づくシステムとしてもよい。プロセッサ・モジュール102は、排出濃度プロファイル204、破過時間206、フィルタ・カートリッジ推奨240、及び/又はそれらを表すデータを出力120として出力デバイス108へ伝える。一つの実施形態においては、複数のプロセッサ・モジュール102、ユーザー・インターフェース106及び出力デバイス104は、システム100の構成要素とは物理的に離間している。或いは、複数のプロセッサ・モジュール102、ユーザー・インターフェース106及び出力デバイス104は、単独の構成要素に一体化される。例えば、プロセッサ・モジュール102と出力デバイス104とは、空気呼吸器内に収納された一つ以上のマイクロプロセッサーとLCDスクリーンとして設けてもよい。
【0020】
一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は能動的センサ116に交信可能に接続される。能動的センサ116としては、一つ以上のパラメータに関連するデータを感知又は測定するように構成された電源付きデバイスが挙げられる。データ又はパラメータは、排出濃度プロファイル204、破過時間206,及びフィルタ・カートリッジ推奨240のうちの少なくとも一つを決定するために、プロセッサ・モジュール102によって利用可能である。ロセッサ・モジュール102と能動的センサ116とは、有線、無線又はネットワーク(例えばLAN、WAN、インターネット又はイントラネット)のうちの一つ以上を経由して、直接又は間接的に接続してもよい。能動的センサ116は、測定若しくは感知されたデータをプロセッサ・モジュール102へ入力122として積極的に報告し得る。例えば、能動的センサ116は、プロセッサ・モジュール102へ入力122としてパラメータを交信することができる電源付きセンサとしてもよい。
【0021】
一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は受動的センサ118へ交信可能に接続される。受動的センサ118としては、一つ以上のパラメータに関連するデータを感知するように構成された電源無しデバイスが挙げられる。データ又はパラメータは、排出濃度プロファイル204、破過時間206、及びフィルタ・カートリッジ推奨240のうちの少なくとも一つを決定するために、プロセッサ・モジュール102によって利用可能である。プロセッサ・モジュール102と受動的センサ118とは、有線、無線又はネットワーク(例えばLAN、WAN、インターネット又はイントラネット)接続のうちの一つ以上を経由して、直接又は間接的に接続してもよい。プロセッサ・モジュール102は、受動的センサ118からの入力124としてのデータ又はパラメータを測定してもよい。
【0022】
プロセッサ・モジュール102は、推奨フィルタ・カートリッジ補助モジュール126、排出濃度プロファイル補助モジュール128、破過時間補助モジュール130、及び出力補助モジュール132を含めて、複数の補助モジュールを包含する。プロセッサ・モジュール102は、補助モジュール126乃至132の一群として概念的に図示してあるが、専用のハードウェア・ボード、複数のDPS、複数のプロセッサなどの任意の組合せを利用して実装してもよい。或いは、プロセッサ・モジュール102及び/又は補助モジュール126乃至132は、単独のプロセッサ又は複数のプロセッサを有する市販のPCを利用して、プロセッサの間に機能的動作を分配するように実装してもよい。更なる選択肢として、補助モジュール126乃至132は、特定のモジュラー機能が専用のハードウェアを利用して実行され、残りのモジュラー機能は市販のPC等を利用して実行する混成構成を利用して実装してもよい。また、補助モジュール126乃至132は、処理装置内のソフトウェアとして実装してもよい。
【0023】
補助モジュール126乃至132の動作は、プロセッサ・モジュール102により制御し得る。例えば、補助モジュール126乃至132は、中央のプロセッサ動作を実行する。推奨フィルタ・カートリッジ補助モジュール126は、入力パラメータ(後述する)、利用可能なフィルタ/カートリッジの任意のリスト、テーブル、データ・ベース等のアクセスのうちの一つ以上を受け取って、入力パラメータに基づいてリスト内の利用可能なフィルタ・カートリッジを推奨する。例えば、ユーザーは、後述する一つ以上の入力パラメータとして、フィルタ・カートリッジについての幾つかの基準を入力してもよい。推奨フィルタ・カートリッジ補助モジュール126は、これらの基準を受け取って、全ての潜在的フィルタ・カートリッジのリストを絞り込む。これらの基準と残りのフィルタ・カートリッジとに基づいて、推奨フィルタ・カートリッジ補助モジュール126は、ユーザーに推奨する一つ以上のフィルタ・カートリッジを選択する。推奨する可能性があるフィルタ・カートリッジの初期リストは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112の一つ以上に記憶させてもよい。
【0024】
排出濃度プロファイル(「ECP」)補助モジュール128は一つ以上の入力パラメータ(後述する)を受け取って、排出濃度プロファイル若しくは曲線204(図2に示す)及び/又はベッド・プロファイルを計算する。例えば、ユーザーは一つ以上の濃度の一つ以上の化学的汚染物質を伴う環境におけるフィルタ・カートリッジについての排出濃度プロファイルを計算するための幾つかのパラメータを入力してもよい。ECP補助モジュール128は、これらのパラメータを受け取って、それらのパラメータと、該パラメータに基づき排出濃度プロファイル204を計算するための一つ以上の数学的モデルとに基づいて、排出濃度プロファイル204を計算する。一つの実施形態において、ECP補助モジュール128は、排出濃度204を計算するために用いられた数学的モデルにより要求される何らかのパラメータ又は変数のための一つ以上の初期設定値を得るが、これはユーザーによって入力されるものではない。例えばEPC補助モジュール128は、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体111、112から、ユーザーにより入力されない任意の変数についての初期設定値を得てもよい。破過時間補助モジュール130は、一つ以上の入力パラメータ(後述する)を受け取って、破過時間206(図2に示す)を計算する。例えば、ユーザーは一つ以上の濃度で一つ以上の化学的汚染物質を伴うで環境におけるフィルタ・カートリッジの耐用期間を計算するための幾つかのパラメータを入力し得る。破過時間補助モジュール130は、これらのパラメータを受け取って、これらのパラメータと、当該パラメータに基づき破過時間206を計算するための一つ以上の数学的モデルとに基づいて破過時間206を計算する。一つの実施形態において、破過時間補助モジュール130は破過時間206を計算するために用いられる数学的モデルで必要とされる何らかのパラメータ又は変数についての一つ以上の初期設定値を得るが、それはユーザーによって入力されるものではない。例えば、破過時間補助モジュール130は、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112から、ユーザーによって入力されない任意の変数についての初期設定値を得てもよい。
【0025】
出力補助モジュール132は、一つ以上の補助モジュール126乃至130(後述)の出力を出力デバイス108へ出力120として伝える。出力補助モジュール132は、出力120にこの出力120をグラフ的に表示させ、出力120を印刷させ、若しくは別の方法で出力120をシステム100のユーザーへ伝えるようにしてもよい。
【0026】
動作において、プロセッサ・モジュール102は一つ以上のパラメータを受信し、これらのパラメータを用いて、排出濃度プロファイル204、破過時間206、一つ以上の時間におけるベッド・プロファイル、及び/又はフィルタ・カートリッジ推奨240を生成する。耐用期間計算モードと称する第1の動作モードでは、プロセッサ・モジュール102は、一つ以上のパラメータを獲得するか若しくは受け取って、排出濃度プロファイル204と破過時間206とのうちの一つ以上を決定する。カートリッジ選択モードと称される第2の動作モードでは、プロセッサ・モジュール102は、推奨フィルタ・カートリッジを決定するために、一つ以上のパラメータを獲得若しくは受信する。プロセッサ・モジュール102は、耐用期間計算モードとカートリッジ選択モードとの両方を並行して実行してもよく、又は個別に実行してもよい。
【0027】
耐用期間計算モードでは、排出濃度プロファイル204又は破過時間206は、パラメータに基づくフィルタ・カートリッジの耐用期間を表すために用いることができる。例えば、入力パラメータに基づいて、プロセッサ・モジュール102は、一つ以上の化学的汚染物質が非安全レベルでフィルタを突破してユーザーへ到達するに至る以前に、フィルタ・カートリッジを使用できる期間はどのくらいであるかを決定することができる。耐用期間計算モードにおいてプロセッサ・モジュール102により用いられる入力パラメータとしては、一つ以上の使用状態パラメータがあるが、これに限定されるものではない。使用状態パラメータは、フィルタ・カートリッジを既に使用した方式若しくはこれから使用する方式に関連するデータ又は情報を含む。例えば、使用状態パラメータとしては、カートリッジ型式、化学的汚染物質、化学的濃度、職業的な被爆限度、及び現場条件のうちの一つ以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
カートリッジ型式は、使用されるフィルタ・カートリッジの型式、又は使用することが望ましいフィルタ・カートリッジの型式である。例えば、空気呼吸器に包含させるようにユーザーが希望するカートリッジ型式は、ユーザー・インターフェース106にてユーザーが入力して、プロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えることができる。他の例では、能動的センサ116は、如何なるフィルタ・カートリッジがユーザーによって使用されるかを決定して、そのカートリッジ型式を入力122としてプロセッサ・モジュール102へ伝えることができる。他の例では、カートリッジ型式は、呼吸器の特定の型式及び/又は特定の粒子防護レベルについてのユーザーの選択に基づいてプロセッサ・モジュール102により決定することができる。呼吸器の型式としては、フィルタ・カートリッジが既に使用された若しくはこれから使用される空気呼吸器の製造型式及び/又はモデルが挙げられる。粒子防護レベルとしては、フィルタ・カートリッジをユーザーへ通過することが許容されるものとユーザーが判断する化学的微粒子の量が挙げられる。呼吸器の型式及び/又は粒子防護レベルは、ユーザー・インターフェース106にてユーザーによって入力して、入力104として伝えることができる。或いは、呼吸器の型式は、能動的及び受動的センサ116、118のうちの一つ以上で決定して、プロセッサ・モジュール102へ入力122、124として伝えることができる。呼吸器の型式及び/又は粒子防護レベルに基づいて、プロセッサ・モジュール102は、ユーザーに利用可能な全ての潜在的フィルタ・カートリッジのリストを絞り込むことができる。利用可能なフィルタ・カートリッジのリストは、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112に保存することができる。プロセッサ・モジュール102は、このリストにアクセスして、呼吸器の型式及び/又は粒子防護レベルによって規定された基準を満たさないフィルタ・カートリッジを除外することができる。例えば、リスト内の或るフィルタ・カートリッジは、プロセッサ・モジュール102へ入力された型式の呼吸器では作動しないこともあろう。潜在的フィルタ・カートリッジの絞り込まれたリストに基づいて、プロセッサ・モジュール102は、絞り込まれたリスト内の一つ以上についてのフィルタ・カートリッジについての排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を決定することができる。或いは、プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジの絞り込まれたリストを出力デバイス108にてユーザーへ提示することができる。次でユーザーは、ユーザー・インターフェース106を用いて、リストから一つ以上のフィルタ・カートリッジを選択することができる。
【0029】
化学的汚染物質は、フィルタ・カートリッジにより濾過すべき一つ以上の化学種である。このような化学的汚染物質としては、受動的及び/又は能動的センサ118、116で検知されて、入力124としてプロセッサ・モジュール102へ伝えられる化学種が挙げられる。或いは、化学的汚染物質は、ユーザー・インターフェース106にてユーザーによって入力されて、入力104として交信される化学種を含むことができる。
【0030】
化学的濃度は、フィルタ・カートリッジが既に使用されたか若しくはこれらから使用される環境における一つ以上の化学的汚染物質の濃度である。例えば、化学的濃度としては、蒸気、液体及び/又はエアゾール濃度を挙げることができよう。化学的濃度は、受動的及び/又能動的センサ118、116で検知されて、プロセッサ・モジュール102へ入力124、122として伝えられる化学的汚染物質を含むことができる。或いは、化学的濃度には、ユーザー・インターフェース106にてユーザーによって入力されて、入力104として伝えられる化学種の濃度を含めることもできる。他の実施形態においては、化学的濃度は、フィルタ・カートリッジを通過するか、或いは突破する一つ以上の化学的汚染物質の最大濃度である。この最大濃度は、破過濃度と称されることもある。プロセッサ・モジュール102は、化学的濃度パラメータのための初期設定値を得てもよい。例えば、プロセッサ・モジュール102は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112の一つ以上からユーザーによって入力される化学的汚染物質の化学的濃度についての初期設定値を得てもよい。化学的濃度パラメータについての初期設定値は、ユーザーによって入力される他のパラメータの一つ以上と関係していることがあり得る。例えば、化学的濃度のために使用される初期設定値は、ユーザーによって入力される様々な化学的汚染物質及び/又はカートリッジ型式について異なる場合があり得る。一つ以上の化学的濃度パラメータについての様々な初期設定値とユーザーからの入力パラメータとの間の関係は、少なくとも一つのコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112におけるテーブル、データ・ベース、又は他の記憶構造に記憶してもよい。
【0031】
職業的な被爆制限は、フィルタ・カートリッジが使用されるべき環境で、一つ以上の化学的汚染物質の量又は濃度に対する一つ以上の限定を含む。例えば、職業的な被爆制限は、人間が特定の期間中晒され得る化学的汚染物質の量又は濃度に対して法的に義務付けられた制限となることもあり得る。職業的な被爆制限はユーザー・インターフェース106にてユーザーによって入力されて、入力104として交信してもよい。或いは、職業的な被爆制限はコンピュータ読取り可能な記憶媒体110及び/又は112に記憶させて、ここからプロセッサ・モジュール102により得られるようにしてもよい。プロセッサ・モジュール102は、職業的な被爆制限パラメータについての初期設定値を得てもよい。例えば、プロセッサ・モジュール102は、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112から、職業的な被爆制限についての初期設定値を得てもよい。職業的な被爆制限パラメータについての初期設定値は、ユーザーによって入力される他のパラメータの一つ以上と関係していることがあり得る。例えば、職業的な被爆制限のために使用される初期設定値は、ユーザーによって入力される様々な化学的汚染物質及び/又はカートリッジ型式について異なることがあり得る。職業的な被爆制限パラメータのための様々な初期設定値とユーザーからの一つ以上の他の入力パラメータとの間の関係は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112のうちの少なくとも一方におけるテーブル、データ・ベース又は他の記憶構造に記憶させてもよい。
【0032】
現場状態パラメータは、フィルタ・カートリッジが既に使用された若しくはこれから使用される環境に関連する一つ以上のパラメータを含む。例えば、周囲の圧力、温度、及び/又は相対湿度を現場状態パラメータとしてプロセッサ・モジュール102へ伝えてもよい。一つの実施形態においては、呼気率が現場状態パラメータとしてプロセッサ・モジュール102へ伝えられる。呼気率はユーザーによって望まれる呼気率であるか、特定のフィルタ・カートリッジを現在使用中のユーザーの測定された呼吸率である。一つ以上の現場状態をユーザー・インターフェース106にてユーザーによって入力して、入力104としてプロセッサ・モジュール102へ伝えるようにしてもよい。一つの実施形態においては、能動的及び/又は受動的センサ116、118が一つ以上の現場状態を測定若しくは検知して、その現場状態がプロセッサ・モジュール102により入力122及び/又は124として受信される。プロセッサ・モジュール102は、一つ以上の現場状態パラメータについての初期設定値を得てもよい。例えば、プロセッサ・モジュール102は、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112から、周囲圧力、温度、相対湿度、及び/又は呼気率についての初期設定値を得てもよい。現場状態パラメータのための初期設定値は、ユーザーによって入力される一つ以上のパラメータに関係していることがあり得る。一つ以上の現場状態パラメータについての異なる初期設定値は、様々な化学的汚染物質及び/又はユーザーによって入力されたカートリッジ型式に関係することがあり得る。例えば、呼気率について使用される初期設定値は、様々な化学的汚染物質及び/又はカートリッジ型式について異なる場合があり得る。一つ以上の現場状態パラメータについての様々な初期設定値とユーザーからの入力パラメータとの関係は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112のうちの少なくとも一方におけるテーブル、データベース又は他の記憶構造体に記憶させてもよい。
【0033】
一つの実施形態において、ユーザーは、一つ以上のパラメータにと関係している信頼レベルを入力する。例えば、ユーザーは、周囲圧力、呼気率、温度、相対湿度、化学的濃度などのうちの一つ以上についての5%の信頼レベルを入力し得る。他の信頼レベルは、ユーザーによって入力してもよい。一般に、より大きな信頼レベルは、ユーザーが入力パラメータの数値によせる信頼が低いことを示す。例えば、華氏80度(約27℃)の入力温度パラメータについての5%の信頼レベルは、ユーザーが温度パラメータは華氏76乃至84度であると考えていることを示す。比較として、華氏80度の温度パラメータについての10%の信頼レベルは、ユーザーが温度パラメータは華氏72〜88度(約22℃〜約31℃)であると考えていることを示す。
【0034】
耐用期間計算モードで、プロセッサ・モジュール102は使用状態パラメータの一つ以上を受け取って、パラメータと、このパラメータに適用される一つ以上の数学的モデルとに基づいて、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を生成する。排出濃度プロファイル204と破過時間206との何れか又は両方は、使用状態パラメータにより示された使用方式によって環境におけるユーザーが特定のカートリッジを使用できる期間はどのくらいであるかを決定するために用いることができる。例えば、所定の濃度における特定の化学的汚染物質を伴う環境で使用すべきフィルタ・カートリッジの所定の型式によれば、濃度プロファイル204及び/又は破過時間206は、一つの化学的汚染物質がフィルタ・カートリッジを突破してユーザーへ到達する前に、その環境において、そのカートリッジを使用できる期間はどのくらいであるかを決定するために用いることができる。
【0035】
一つの実施形態においては、プロセッサ・モジュール102は、使用状態パラメータの最小数又は最小量がプロセッサ・モジュール102により受け取られるまで、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を決定しない。例えば、プロセッサ・モジュール102は、カートリッジ型式、一つ又は複数の化学的汚染物質と一つ又は複数の化学的濃度がプロセッサ・モジュール102によりで受け取られるまで、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を決定しないようにしてもよい。一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を生成するために要求される任意の他のパラメータ又は変数についての初期設定値を得る。これらの初期設定値は、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112から得るようにしてもよい。
【0036】
プロセッサ・モジュール102は、ベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206(又はそれらの何れかを表すデータ)を出力120として出力デバイス108へ伝える。或いは、出力デバイス108は、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206をユーザーへ提示された表状報告として表示してもよい。一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を決定して、出力デバイス108それらをユーザーに提示する。ユーザーは次いで、プロセッサ・モジュール102に入力されるパラメータを交換、変化又は追加してもよい。プロセッサ・モジュール102は次で排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206の更新されたバージョンを決定し、それを出力デバイス108がユーザーへ提示する。例えば、ユーザーがプロセッサ・モジュール102へ入力されるパラメータを変えて、それに応じてプロセッサ・モジュール102が、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を動的に変化又は更新するようにしてもよい。排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206の更新により、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206における一つ以上のパラメータを変化させることの影響をユーザーが視覚的に見ることができるようにしてもよい。
【0037】
一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は、複数の化学種若しくは化学的汚染物質の各々についてのベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間のうちの少なくとも一つ(或いはベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206の何れかを表すデータ)を決定して、これを出力120として出力デバイス108へ伝える。出力デバイス108は、複数のベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を表示する。例えば、複数の排出濃度プロファイル204を一つのグラフに表示して、その各々の排出濃度プロファイル204が異なる化学種又は汚染物質の濃度を表すようにしてよい。或いは、複数の異なるパラメータ・シナリオの各々についてのベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206の少なくとも一つをプロセッサ・モジュール102が決定して、出力デバイス108が表示する。パラメータ・シナリオは、ユーザーによって入力される一組のパラメータを含む。異なるパラメータ・シナリオは、ユーザーによって入力される潜在的入力パラメータの異なる順列を含んでもよい。例えば、異なるパラメータ・シナリオは、一つ以上の異なる化学的汚染物質、化学的汚染物質の異なるセット、異なるフィルタ・カートリッジなどを含んでもよい。その結果、ユーザーは、異なる化学的汚染物質及び/又はパラメータ・シナリオについてのベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過場合206を同時に容易に視覚的に比較しる。
【0038】
一つの実施形態においては、複数のパラメータ・シナリオを一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体に記録して保存し、プロセッサ・モジュール102によりアクセス可能とする。例えば、幾つかのパラメータ・シナリオは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110に保存してもよい。ユーザーは、プロセッサ・モジュール102へ伝えるべき一つ以上のパラメータ・シナリオを選択してもよい。パラメータ・シナリオのパラメータは、出力デバイス108へ伝えて、ユーザーに提示するようにしてもよい。次いでプロセッサ・モジュール102が、ユーザーにより選択されたパラメータ・シナリオにおける一つ以上のパラメータを用いて、ベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を決定するようにしてもよい。一つの実施形態において、ユーザーは、既に他のユーザーによって入力されて記録されているパラメータ・シナリオを選択して、そのパラメータ・シナリオにける一つ以上のパラメータを修正して、更なるパラメータをパラメータ・シナリオに入力するか、及び/又は、パラメータ・シナリオから一つ以上のパラメータを削除する。次いでプロセッサ・モジュール102は、この修正されたパラメータ・シナリオに基づいて、排出濃度プロファイル204を決定し得る。
【0039】
一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は、入力パラメータの一つ以上の値についてのベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間のうちの少なくとも一つ(或いはベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206の何れかを表すデータ)を、その入力パラメータについての信頼レベル内にある値により決定する。例えば、ユーザーが華氏80度(約27℃)で5%の信頼レベルを入力すると、プロセッサ・モジュール102は、華氏80度(約27℃)の5%内にある複数の値についての複数のベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間破過時間206を決定し得る。これらの複数のベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206は、出力デバイス108に同時に表示してもよい。或いは、プロセッサ・モジュール102は、信頼レベル内にあるパラメータ値についてのベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を決定し、これは信頼レベル内にあるパラメータ値の範囲を用いて決定された最も安全な若しくは最も保安的な様々なベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206を与える。例えばプロセッサ・モジュール102は、5%の信頼レベルを有する華氏80度(約27℃)即ち華氏76度乃至84度(約24℃乃至約29℃)の温度パラメータについて、華氏76度(約24℃)と華氏84度(約29℃)との間の複数の温度パラメータについては華氏84度(約29℃)の温度パラメータにおいて生じる最短の破過時間206を決定し得る。このような例では、プロセッサ・モジュール102は最短の破過時間206を出力デバイス108へ伝えて、ユーザーへ提示する。次で、保安的なベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び/又は破過時間206をユーザーの入力信頼レベルに基づく安全限界として、プロセッサ・モジュール102が決定して出力デバイス108が表示する。
【0040】
排出濃度プロファイル204、破過時間206及び/又は複数の時間における一つ以上のベッド・プロファイルは、上述の入力パラメータの一つ以上を用いる幾つかの数学的モデルの何れかを用いて計算して、排出濃度プロファイル204、破過時間206及び/又はベッド・プロファイルを決定するようにしてもよい。例えば、一つの実施形態において、排出濃度プロファイル204を決定するための新たなモデルが採用される。このモデルは、ディング(Ding)モデルと称され、吸着プロセスまで二つの仮定を含む。即ち、(a)充実して一定供給される吸着プロセスについて、大きさのない化学的ポテンシャルは濾床位置で指数的に変動し得る及び(b)濃度波の速度は、濃度波が濾床から生じるときには、時間と共に加速する。ディング・モデルは、桁違いに広範囲の濃度に亘って実験データに整合する能力を持ち得る。ディング・モデルは、特定の動作状況に対する吸着平衡及び二つのパラメータの感度を与える予測ツールとして用いることができる。ディング・モデルは、空気浄化工程のための吸着工程と反応工程との両方に適用してもよい。ディング・モデルは、既存のモデルの幾つかの欠点を克服するために用いてもよい。例えば、ディング・モデルは、異なる毒性レベル、異なる供給濃度、及び異なる残り耐用期間を計算するために用いてもよい。ディング・モデルは、フィルタを設計を支援するために、異なる時間における吸着ベッド・プロファイルを逆評価するために用いてもよい。ディング・モデルは、比較的に低に分子重量及び/又は沸点を有する化学的汚染物質の排出濃度プロファイル及び/又は破過時間をより正確に計算し得る。
【0041】
一つの実施形態において、排出濃度プロファイル及び/又は破過時間を計算するために使用される数学的なモデルは、(上述のように)ユーザーによって入力されるパラメータと、濾過されるべき化学的汚染物質の物理的特性との組み合わせに基づいている。上述のように、化学的汚染物質は、ユーザーが入力してもよい。化学的汚染物質の物理的特性は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112の一つ以上などのコンピュータ読取り可能な記憶媒体から得るようにしてもよい。例えば、コンピュータ読取り可能な記憶媒体112は、ユーザーによって入力される化学的汚染物質に関連した物理的特性を保存するデータ・ベースを包含してもよい。そのデータ・ベースも、他の関連した化学製品及び合成物に関する物理的特性データを含むことができる。例えば、データ・ベースは、水及び大気中の空気に関する物理的特性データを記憶することができる。物理的特性データのデータ・ベースは、公共データ・ベース、プライベート・データ・ベース、及びカスタム・データ・ベースの一つとしてもよい。公共データ・ベースに関して、このデータ・ベースは、インターネット上で公共的にアクセス可能で利用可能なデータ・ベースとしてもよい。プライベート・データ・ベースは、限られた人数のユーザーによりアクセス可能なデータ・ベースとしてもよい。例えば、プライベート・データ・ベースは、ログイン及びパスワード手順によって認証されるユーザーのみによってアクセス可能なイントラネット上で利用可能なデータ・ベースとしてもよい。カスタム・データ・ベースは、公共及び/又はカスタム・データ・ベースから物理的特性データを得るが、例えば、カスタマイズされた方式でデータを組織化し、及び/又はフィルタに通すデータ・ベースとしてもよい。
【0042】
例えば、データ・ベースはユーザーによって選択することができた化学的汚染物質の各々のについて、一つ以上の特性を含んでもよい。これらの特性としては、以下に列挙するもののうち一つ以上が挙げられるが、これらに限定されるものでない。即ち、化学要約サービス(CAS:Chemical Abstracts Service)登録番号、化学式、分子量、液体の密度(例えば、立方センチメートルについてのグラムによる)、モル両極性(例えばPe)、水溶性、蒸気モデル(例えばモデル0又はモデル)、一つ以上の蒸気モデルA,B,及び、C、化学名名称、化学的呼称又は別名、生命及び健康上に直ちに危険(IDLH)な限界(例えば百万当たりの数個)、推奨される被爆限界((REL)(例えば百万当たり数個)、許容暴露限界(PEL)(例えば、100万当たり数個)、閾値限界値(TLV)(例えば、100万当たり数個)、及びコメントである。そのコメントには、任意の付加的な関係情報を含むことができる。一つの実施形態において、蒸気モデルのモデル0は、アントワーヌ(Antoine)形式の蒸気モデルとしてもよく、次式により表現される。
【数1】

【0043】
蒸気モデルのモデル1は、アントワーヌ(Antoine)形式の蒸気モデルとしてもよく、次式により表現される。
【数2】

【0044】
化学種の特性はシステム100の管理者により入力される。一つ実施形態においては、一つ以上の化学種は、http://webbook.nist.gov/において利用可能なNIST Webブックから得られる。一つ以上の化学的特性は、http://www.cdc.gov/niosh/idlh/intridl4.htmlにおいて利用可能なNIOH IDLHガイドブックから得られであろう。特定の化学種がデータ・ベース内では利用できず、ユーザーによって提供されない場合には、システムは可聴式及び/又は視覚的な警告をユーザーへ発することができる。
【0045】
ディング・モデルは、フィルタ・カートリッジで濾過しようとする化学的汚染物質の化学的電位差を次式のように定義する。
【数3】

【0046】
ここでΦは、フィルタ・カートリッジの濾床における化学的汚染物質の局所的な化学的電位と、供給される濃度(若しくはフィルタ・カートリッジが使用される環境の濃度)の化学的汚染物質の化学的電位との間の差異である。ψは濾床の所定位置における化学的汚染物質の化学的電位である。ψfは濾床における化学的汚染物質の化学的電位である。ψ0は濾床を通過する化学的汚染物質としての化学的汚染物質の波頭(即ち、破過曲線頭)の化学的汚染物質の化学的電位である。Cは破過曲線頭における化学的汚染物質の濃度として定義される。C*及びC*は、実質的に一定又は供給濃度(C)を参照する次元のない変数として定義される。化学的電位(ψ)は次式のように定義してもよい。
【数4】

【0047】
一つの実施形態において、破過曲線頭は、濾床の任意の清浄領域、又は化学的汚染物質の濃度が実質的に無い領域の影響を効果的に取り除くために、任意に規定してもよい。そのような実施形態において、化学的汚染物質の次元の無い位置(ζ)と濾床における化学的汚染物質の特定の位置に関連する次元の無い時間時(τ)とは、次式により定義してもよい。
【数5】

【0048】
ここでzはメートルで表される濾床の位置又は場所である。zはメートルで表される濾床における破過曲線頭の位置であり、zはメートルで表される濾床の破過曲線頭の位置である。zref0は、メートルで表される濾床の参照位置である。tは秒で表される時間である。tは濾床曲線頭が濾床における位置zに位置する数秒の時間である。trefは数秒で表される参照時間である。一つの実施形態において、破過波頭において、コブラ値ζと時間τとはゼロであり、先述のように破過波頭における化学的汚染物質の濃度(C)はCである。この実施形態においては、位置(ζ)と時間(τ)との両方における参照点は1であり、濃度(C)は参照度(Cref)である。時間(τ)が増加して無限大(∞)に近づくと、濃度(C)は参照濃度(Cref)に等しい。
【0049】
フィルタ・カートリッジが化学的汚染物質を含む環境に留まるか、又は化学的汚染物質の一定の供給がΦとして続くか、或いはフィルタ・カートリッジの濾床における化学的汚染物質の局所的化学的電位と供給濃度における化学的汚染物質の化学的電位との間の差異が、濾床における位置により変化するもとのとする。Φにおけるこの変化は次式により表わし得る。
【数6】

【0050】
ここでΦrefは、参照位置における濾床における化学的汚染物質の化学的電位と供給濃度における化学的汚染物質の化学的電位との間の差異である。
【0051】
化学的汚染物質の波がフィルタ・カートリッジにおける濾床から生じるとき、波の位置は時間に関して加速するであろう。波が濾床から生じる速度は、時間に関して次式のように変化し得る。
【数7】

【0052】
ここでVは速度であり、ゼータ(ζ)は「コブラ値」に関する加速因子である。ゼータ(ζ)は、多くの化学的汚染物質の排出濃度プロファイル204(図2に示す)のコブラ状形状に起因するコブラ値として参照される。一つの実施形態において、実質的に一定又は減速速度(V)で濾床から生じる化学的汚染物質の波は1未満のコブラ値(ζ)を有し、加速された速度(V)で濾床から生じる化学的汚染物質の波は、1より大きいコブラ値(ζ)を有する。一つ以上のコブラ値(ζ)は、データ又はユーザーによる入力から実験的に決定してもよい。例えば、少なくともコブラ値(ζ)のリストは、実験的データから決定されてプロセッサ・モジュール102によりアクセスされる一つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶媒体110,112に記憶される。
【0053】
従って、化学的汚染物質の位置(ζ)は次式により表される。

【数8】

【0054】
式6(Eqn.6)を式4に代入すると、以下の関係を得る。
【数9】

【0055】
式7は、ディング・モデルと共にベッド・プロファイルの一般的形式を表すために用いられ、また単独で、或いは本明細書に説明された他の式の一つ以上と併用して、排出濃度プロファイルを生成するために用いてもよい。例えば、フィルタ・カートリッジ600(図6に示す)のポート624(図6に示す)に最も近い濾床606(図6に示す)の端部における化学的汚染物質の濃度は、複数の時間についてディング・モデルを用いて計算してもよい。濾床606の端部の化学的汚染物質の濃度は、次いで、時間に関してグラフ化して、濾床606を突破する化学的汚染物質の濃度を図示してもよい。
【0056】
ディング・モデルの化学量論時間(t)は、以下から決定することができる。
【数10】

【0057】
一つの実施形態において、式7のために使用される参照点は、任意に定義される。例えば、排出濃度プロファイル204に類似した排出濃度プロファイルの任意の点1のためには、式8が相応しい。
【数11】

【0058】
式8を適用すると、参照点は、次式により表される。
【数12】

【0059】
ここで上付き文字はディング・モデルについての新たな参照点を表す。従って、異なる参照点は、ディング・モデルにおける一つ以上のパラメータの値を変えることなく、異なる用途のために選択してもよい。
【0060】
一つの実施形態において、ディング・モデルは、排出濃度プロファイル204を決定して、この排出濃度プロファイル204をユーザーによって入力される破過濃度と比較することにより、破過時間206を決定するために用いてもよい。例えば、排出濃度プロファイル204がプロセッサ・モジュール102により一旦形成されたならば、破過濃度が排出濃度プロファイル204に生じる時間が破過時間206となる。或いは、ディング・モデルを破過時間206を直接に計算するために用いてもよい。例えば、上述の参照点が式9に定義された化学量論中心と等しくなるように設定してもよく、この場合、破過時間206は次式のように定義されるであろう。
【数13】

【0061】
ここでqは濾床における一つ又は複数の化学的汚染物資の負荷、或いは着平衡を表し、キログラム毎モル数で表される。ρbは濾床におけるフィルタ粒子の密度を表し、立方メートル毎キログラムで表される。Vは濾床の体積量を表し、立方メートルで表される。Fは濾床を通過する一つ又は複数の化学的汚染物質の流量率を表し、立方メートル毎秒で表される。trは、破過時間206又は滞留時間を表す。Λは、供給濃度Cで計算された分離比を表す。吸着平衡(q)の値は、実験データ、シミュレートされた等温線モデル、或いはユーザーによる入力により計算してもよい。式12から、分離比(Λ)と破過時間206(tr)は、次式を用いて決定してもよい:
【数14】

【0062】
代替的に、上述のディング・モデル以外の一つ以上の他の数学的なモデルを、ベッド・プロファイル、排出濃度プロファイル204及び破過時間206のうちの一つ以上を決定するために用いてもよい。例えば以下の文献に記載される一つ以上のモデルを用いてもよい。即ち、Wood,Garry O.,Estimating Service Lives of Organic Vapor Cartridges,American Indudrial Hyginne AsssociationalJoural(1994年1月),PP11−15;Wood,Garry O.,Estimating Service Lives of Organic Vapor Cartridges,American Indudrial Hyginne AsssociationalJoural(1994年1月),PP11−15;Myor,Ernet S,:A Review of the Wheel Equaion and Copmparison of Its Application to Onganic Vapor Respirtor Cartridge Brakthrough Data,Am,Ind.Hyg.Assoc.J.50(8):400−407(1989);Wood,Garry O.,Estimating Service Lives of Air−Purifying Respirator Cartridges for Reactive Gas Removal,J.of Ocuupational and Environmental Hygiene,2:414−423(2005);Wood,Garry Organic Vapor Respirator Cartridge Breakthrough Curve Analaysis,J,of the International Society for Respiratorory Protection Winter 1992−1993である(これらを纏めてウッド(Wood)モデルと称する)。
【0063】
一つの実施形態によれば、式1乃至14に関連して上述した一つ以上の変数は、ユーザー・インターフェース106でユーザーによりプロセッサ・モジュール102に入力してもよい。或いは、これらの変数の一つ以上は、プロセッサ・モジュール102がコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112の一方又は両方から得てもよい。例えば、上述のように、変数について初期設定値は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110から得てもよい。
【0064】
一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は、化学的汚染物質に関するデータについて、上述のようにこれらのデータをユーザーに入力させることをユーザーに要求する代わりに、公共、個人的及び/又はカスタムのデータ・ベースから得てもよい。
【0065】
カートリッジ選択モードでは、プロセッサ・モジュール102は一つ以上のパラメータを得るか又は受け取って、推奨されるフィルタ・カートリッジを決定する。一つの実施形態においては、上述のように、プロセッサ・モジュール102は排出濃度プロファイル204及び破過時間206の一つ以上を決定してもよい。推奨されるフィルタ・カートリッジは、入力パラメータに基づいてユーザーに推奨されるフィルタ・カートリッジである。カートリッジ選択モードにおいてプロセッサ・モジュール102により用いられる入力パラメータとしては、一つ以上のカートリッジ選択パラメータが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0066】
一つ以上の使用状態パラメータは、入力パラメータとして用いてもよい。カートリッジ選択パラメータは、ユーザーに対するフィルタ・カートリッジの有効性又は有用性に関連するデータ又は情報を含む。例えば、カートリッジ選択パラメータは、次のうちの何れか一つ以上を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。即ち、最小耐用期間、快適性指標、価格、実験結果、在庫、地域的必要条件、廃止兆候、廃止兆候、及び使用パラメータの柔軟性である。
【0067】
最小耐用期間パラメータは、使用が望まれるフィルタ・カートリッジの最小耐用期間を含む。例えば、プロセッサ・モジュール102により推奨される何れのフィルタ・カートリッジについても、ユーザーが必要とする最小耐用期間をユーザーが入力してもよい。プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジの全ての候補リストから一つ以上のフィルタ・カートリッジを除外するために、この最小耐用期間を用いてもよい。例えば、最小耐用期間と一つ以上の使用状態パラメータとに基づいて、プロセッサ・モジュール102は、幾つかのフィルタ・カートリッジについての破過時間206を、ユーザーによって入力された最小耐用期間に達したりそれを越えたりしないように定めてもよい。それらのフィルタ・カートリッジは、ユーザーへ推奨するカートリッジ候補のリストから除外される。最小耐用期間は、時間の量として、又は、許容可能な耐用期間の範囲として入力してもよい。最小耐用期間は、ユーザー・インターフェース106を用いて入力して、プロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えてもよい。
【0068】
快適性指標は、フィルタ・カートリッジの使いやすさに関連した情報を含む。例えば、快適性指標は、フィルタ・カートリッジの重さ及び/又はフィルタ・カートリッジの吸入抵抗として表してもよい。ユーザーは、プロセッサ・モジュール102により推奨されるフィルタ・カートリッジの最大重量及び/又は最大吸入抵抗として快適性指標を入力してもよい。プロセッサ・モジュール102は、この快適性指標を用いて、全てのフィルタ・カートリッジ候補のリストから一つ以上のフィルタ・カートリッジを除外してもよい。例えば、最大重量及び/又は最大吸入抵抗に基づいて、プロセッサ・モジュール102は、ユーザーへ推奨するカートリッジ候補のリストから幾つかのフィルタ・カートリッジを除外してもよい。除外されたフィルタ・カートリッジは、最大フィルタ重量を越える重量及び/又は最大吸入抵抗を越える吸入抵抗を持つであろう。快適性指標は、ユーザー・インターフェース106を用いて入力して、プロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えてもよい。
【0069】
価格パラメータは、フィルタ・カートリッジのユーザーに対するコストを含む。例えば、価格はフィルタ・カートリッジを購入するための現在の市場価格としてもよい。ユーザーは、プロセッサ・モジュール102により推奨されるフィルタ・カートリッジの最大コストとして、価格を入力してもよい。プロセッサ・モジュール102は、この価格を用いて全てのフィルタ・カートリッジ候補のリストから一つ以上のフィルタ・カートリッジを除外してもよい。例えば、ユーザーによって入力される最大コストに基づいて、プロセッサ・モジュール102は、ユーザーへ推奨する全てのカートリッジ候補のリストから幾つかのフィルタ・カートリッジを除外してもよい。除外されたフィルタ・カートリッジは、ユーザーによって入力された最大コストを越えるコストを持つであろう。価格は、ユーザー・インターフェース106を用いて入力して、プロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えてもよい。
【0070】
経験的な結果は、一つ以上の共通入力パラメータに基づいて、フィルタ・カートリッジの以前の推奨に基づくユーザーへのフィルタ・カートリッジの推奨を含む。例えば、対応する入力パラメータに基づく以前のフィルタ・カートリッジ推奨からの複数の経験的な結果は、例えばデータ・ベース又はテーブルとして、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110及び/又は112に記憶させてもよい。プロセッサ・モジュール102は、データ・ベース又はテーブルに問い合わせて、ユーザーによる一つ以上のカートリッジ選択パラメータ入力が、以前に他のユーザーによって入力されたカートリッジ選択パラメータに対応するか否かを判定してもよい。以前のフィルタ・カートリッジ推奨からの充分な数のカートリッジ選択パラメータが、ユーザーによって現在入力されるカートリッジ選択パラメータと実質的に同様であるならば、プロセッサ・モジュール102は、以前に推奨されたものと同一のフィルタ・カートリッジを推奨してもよい。一つの実施形態においては、フィルタ・カートリッジが経験的な結果に基づいて推奨される以前に、必要とされる共通カートリッジ選択パラメータの数は、ユーザーによって修正することができる。
【0071】
在庫パラメータは、入手可能なフィルタ・カートリッジの量を含む。例えば、プロセッサ・モジュール102によりユーザーへ推奨することができる一つ以上のフィルタ・カートリッジは、品切れか、さもなければ入手不可能なこともあり得る。プロセッサ・モジュール102は入手可能なフィルタ・カートリッジの在庫を考慮して、ユーザーへ推奨する全てのフィルタ・カートリッジのリストから品切れであるフィルタ・カートリッジを削除してもよい。このようにすることにより、プロセッサ・モジュール102は入手不可能なフィルタ・カートリッジをユーザーに推奨することを避ける。プロセッサ・モジュール102は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112の一つ以上に記憶されている入手可能なフィルタ・カートリッジのデータ・ベース又はリストから、入手可能なフィルタ・カートリッジの在庫にアクセスしてもよい。
【0072】
地域必要条件パラメータは、地域的なフィルタ・カートリッジ条件を含む。例えば、様々な政府及び/又は管轄によって、フィルタ・カートリッジについての最低条件が変動するであろう。これらの最低条件はコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112の一つ以上に記憶させて、プロセッサ・モジュール102によりアクセス可能にしてもよい。プロセッサ・モジュール102は、関連した地域的条件にアクセスして、入手可能なフィルタ・カートリッジのセットから一つ以上のフィルタ・カートリッジを除外してもよい。例えば、一つ以上のフィルタ・カートリッジは、特定の管轄の必要条件を満たさないか、或いは越えることがあり得る。プロセッサ・モジュール102は、ユーザーへ推奨するフフィルタ・カートリッジ候補のリストから、それらのフィルタ・カートリッジを除外してもよい。一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102はユーザーのインターネット・プロトコル(IP)アドレスを得ることにより、そのユーザーの地域の必要条件を判定し得る。例えば、プロセッサ・モジュール102は、カートリッジ選択パラメータを入力するためにユーザーによって使用されているユーザー・インターフェース106のIPアドレスを得てもよい。このIPアドレスに基づいて、プロセッサ・モジュール102は如何なる地域的必要条件がユーザーへ適用されるかを判断して、これらの地域の必要条件を満たさない又は越えるフィルタ・カートリッジを除外することができる。
【0073】
廃止兆候は、一つ以上のフィルタが市場から消える過程にあるという徴候を含む。例えば、フィルタ・カートリッジは、そのフィルタ・カートリッジがもはや製造されておらず、そのフィルタ・カートリッジの残りの在庫が該フィルタ・カートリッジの既存の在庫であることを示すデータに関連していることがある。このフィルタ・カートリッジについての廃止兆候は、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112に記憶されたリスト、テーブル又はデータ・ベースに記憶させてもよい。プロセッサ・モジュール102は入手可能なフィルタ・カートリッジの廃止兆候を考慮して、廃止されるフィルタ・カートリッジをユーザーへ推奨される全てのフィルタ・カートリッジのリストから削除してもよい。このようにすることにより、プロセッサ・モジュール102は、廃止されるフィルタ・カートリッジをユーザーへ推奨することを避ける。
【0074】
導入兆候は、一つ以上のフィルタが市場へ導入される過程にあるという兆候を含む。例えば、フィルタ・カートリッジは、該フィルタ・カートリッジが比較的に新しくて、特定の市場又は産業で使用するために段階的に導入されていることを示すデータと関連していることがある。このフィルタ・カートリッジについての導入兆候は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体110,112の一つ以上に記憶されているリスト、テーブル又はデータ・ベースに記憶させてもよい。プロセッサ・モジュール102はフィルタ・カートリッジの導入兆候を考慮して、導入されつつあるフィルタ・カートリッジのみを推奨してもよい。
【0075】
使用パラメータの柔軟性は、特定のフィルタ・カートリッジと共に使用可能な空気呼吸器の数の指標を含む。例えば、使用パラメータの柔軟性は、任意の一つのフィルタ・カートリッジと互換性がある幾つかの空気呼吸器を含んでもよい。或いは、ユーザー・パラメータの柔軟性は、どのくらい多くの空気呼吸器が特定のフィルタ・カートリッジを使用し得るかという相対的な指標としてもよい。例えば、第1のフィルタ・カートリッジは、第2のフィルタ・カートリッジについてよりも多くの空気の呼吸器と共に使用し得るのであれば、第1のフィルタ・カートリッジは、第2のフィルタ・カートリッジより大きな使用パラメータの柔軟性に関係していることになる。使用パラメータの柔軟性は、例えば、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110,112におけるリスト、テーブル、データ・ベースなどにおける複数のフィルタ・カートリッジの各々に関連していることがあり得る。
【0076】
カートリッジ選択モードにおいて、プロセッサ・モジュール102は一つ以上のカートリッジ選択パラメータを受け取って、パラメータに基づいて、一つ以上のフィルタ・カートリッジをユーザーへ推奨する。例えば、プロセッサ・モジュール102はコンピュータ読取り可能な記憶媒体110及び/又は112からフィルタ・カートリッジのリストにアクセスし得る。ユーザーによって入力された及び/又はプロセッサ・モジュール102によりアクセスされたカートリッジ選択パラメータに基づいて、プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジのリストから一つ以上のフィルタ・カートリッジを除外する。プロセッサ・モジュール102は、ユーザーによって入力されたパラメータを満足しないそれらのフィルタ・カートリッジを除外した後に、リスト内に残る一つ以上のフィルタ・カートリッジを推奨し得る。一つの実施形態においては、プロセッサ・モジュール102は一つ以上の使用状態パラメータも受信する。プロセッサ・モジュール102は、使用状態パラメータを使用して、リスト内の一つ以上のフィルタの破過時間206を決定してもよい。プロセッサ・モジュール102は、カートリッジ選択パラメータで規定された基準を満たしており、且つ充分に大きい破過時間206を有するそれらのフィルタのみを推奨してもよい。充分に大きな破過時間206は、例えば、最小の破過時間であってもよい
一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は、カートリッジ選択パラメータ及び/又は使用状態パラメータの最小限の数又は量がプロセッサ・モジュール102により受け取られるまで、フィルタ・カートリッジを推奨しない。例えば、カートリッジ選択パラメータ、カートリッジ型式、一つ又は複数の化学的汚染物質及びその化学的濃度のうちの少なくとも一つがプロセッサ・モジュール102によりアクセス可能及び/又は受け取られるまでは、プロセッサ・モジュール102は推奨されたフィルタ・カートリッジを決定しなくてもよい。
【0077】
プロセッサ・モジュール102は、推奨された一つ又は複数のフィルタ・カートリッジ(又は推奨された一つ又は複数のフィルタ・カートリッジを表すデ−タ)を出力デバイス108へ出力120として伝える。出力デバイス108は、推奨された一つ又は複数のフィルタ・カートリッジをユーザーへ提示する。例えば、出力デバイス108は推奨されたフィルタ・カートリッジの画像をユーザーへ表示してもよい。一つの実施形態において、プロセッサ・モジュール102は推奨されたフィルタ・カートリッジを決定して、それを出力デバイス108がユーザーへ提示する。次いでユーザーは、プロセッサ・モジュール102へ入力されるパラメータを交換、変化又は増加させてもよい。次いでプロセッサ・モジュール102は、推奨されたフィルタ・カートリッジを更新する必要があるか否かを決定する。更新する必要があるならば、プロセッサ・モジュール102は更新されたフィルタ・カートリッジ推奨を与えて、これを出力デバイス108がユーザーへ提示する。例えば、ユーザーはプロセッサ・モジュール102へ入力されるパラメータを変えて、それに応答してプロセッサ・モジュール102は推奨されるフィルタ・カートリッジを動的に切り換えるか或いは更新する。
【0078】
図2は、一つの実施形態によって、図1に示すシステム100に一つ以上のパラメータを入力して、出力120(図1に示す)をユーザーへ表示するのに用いられるグラフィカル・ユーザ・インタフェース200の例示である。グラフィカル・ユーザ・インタフェース200は、出力デバイス108(図1に示す)にてユーザーへ表示してもよい。ユーザーは、ユーザー・インターフェース106(図1に示す)にて入力デバイスを用いて、グラフィカル・ユーザ・インタフェース200における一つ以上のボタン、スライド、メニュー、リストなどを操作する。図2は入力104(図1に示す)をプロセッサ・モジュール102へ提示するためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースの一つの実施形態を例示するが、異なる配置構成及びグラフ的表示を有するグラフィカル・ユーザ・インタフェースの他の実施形態も可能である。
【0079】
グラフィカル・ユーザ・インタフェース200は、グラフ・ウィンドウ202を含む。図示した実施形態においては、グラフ・ウィンドウ202は、排出濃度プロファイル204及び破過時間206を表示する。排出濃度プロファイル204は、時間軸208と濃度軸210とにより規定されるグラフ中のデータのプロットとして表してもよい。この同じグラフには破過時間206を表してもよい。排出濃度プロファイル204を生成するために用いられるデータは、上述のように、一つの数学的モデルと、ユーザーによって入力される一つ以上のパラメータとに基づいて、プロセッサ・モジュール102(図1に示す)により形成してもよい。破過時間206はプロセッサ・モジュール102により決定してもよく、この決定は、破過濃度212を計算して、排出濃度プロファイル204が破過濃度212を越える時間を決定することによる。破過濃度212はユーザーによって入力してもよく、或いは、一つ以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体110、112(図1に示す))から得てもよい。例えば、破過濃度212は、上述のように、ユーザーにより入力された職業的な被爆制限及び/又は粒子防護レベルに基づくか、若しくはそれらと実質的に同様としてもよい。
【0080】
概要ウィンドウ214は、一つの実施形態において、ユーザーによって入力されるパラメータ及び/又はプロセッサ・モジュール102により計算された破過時間206の概要を与える。例えば、概要ウィンドウ214は、破過時間206、ユーザーによって入力された化学的汚染物質、ユーザーによって入力された化学的濃度入力を列挙してもよい。
【0081】
ユーザーは、上述の一つ以上のパラメータを複数のパラメータ・ウィンドウ216、218、220,222に入力することができる。図示した実施形態においては、ユーザーは、周囲圧力をパラメータ・ウィンドウ216へ、呼吸率をパラメータ・ウィンドウ218へ、周囲温度をパラメータ・ウィンドウ220へ、及び相対湿度をパラメータ・ウィンドウ222へ入力することができる。ユーザーは、キーボード、スタイラスなどを用いて、パラメータ・ウィンドウ216、218、220、222にテキスト入力してもよく、及び/又はドロップ・ダウン・メニューからパラメータについての値を選択してもよい。例えば、パラメータ・ウィンドウ218は、ユーザーに呼気率を選択させるために、ドロップ・ダウン・メニューをユーザーへ与えることができる。ユーザーは、パラメータ・ウィンドウ216へ入力される一つ以上のパラメータを変動させて選択して、変動ウィンドウ224、226、228、230の一つ以上におけるパラメータ・ウィンドウ216、218、220,222へ入力することができる。例えば、ユーザーは異なるウィンドウ224、226、228、230のうちの一つへパーセンテージを入力して、一つの対応するパラメータ・ウィンドウ216、218、220,222に、一つのパラメータについて許容可能な変動を示すことができる。
【0082】
一つの実施形態においては、対応する入力パラメータに関連した信頼値は、変動ウィンドウ224、226、228、230を用いてユーザーによって入力される。例えば、ユーザーは、図示の実施形態に示すように、パラメータ・ウィンドウ216に入力される周囲圧力パラメータについて5%の信頼値を変動ウィンドウ224へ、パラメータ・ウィンドウ218に入力される呼気率パラメータについて10%の信頼値を変動ウィンドウ226へ、パラメータ・ウィンドウ220に入力される温度パラメータについて10%の信頼値を変動ウィンドウ228へ、及びパラメータ・ウィンドウ222に入力される湿気パラメータについて5%の信頼値を変動ウィンドウ230へ入力することができる。一つ以上のスライダー・バー232、234、236、238をユーザーにより移動若しくは操作して、パラメータ・ウィンドウ216、218、220、222へ入力される対応するパラメータ値を変えるようにしてもよい。
【0083】
フィルタ・カートリッジ推奨240は、一つの実施形態においては、グラフィカル・ユーザ・インタフェース200上でユーザーに提示される。上述のように、フィルタ・カートリッジ推奨240は、ユーザーから一つ以上の入力パラメータに基づいてプロセッサ・モジュール102(図1に示す)により選択されて推奨されたフィルタ・カートリッジを含む。一つの実施形態においては、フィルタ・カートリッジ推奨240は、図示の実施形態のように、推奨されたフィルタ・カートリッジの画像として提示することができる。或いは、フィルタ・カートリッジ推奨240は、ユーザーによって選択される一つ以上のフィルタ・カートリッジの一つ以上の画像を含んでもよい。フィルタ・カートリッジ・ラベル242は、一つの実施形態においては、グラフィカル・ユーザ・インタフェース200に表示してもよい。例えば、フィルタ・カートリッジ推奨240に対応するフィルタ・カートリッジ・ラベル242の画像は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース200に表示してもよい。或いは、フィルタ・カートリッジ・ラベル242は、ユーザーによって選択されたフィルタ・カートリッジについて、一つ以上のラベルの一つ以上の画像を含んでもよい。
【0084】
カートリッジ・リスト・ウィンドウ244は、一つの実施形態においては、ユーザーにより選択可能なフィルタ・カートリッジのリストを与える。ユーザーは、カートリッジ・リスト・ウィンドウ244から、一つ以上のフィルタ・カートリッジを選択し得る。例えば、ユーザーがカートリッジ・リスト・ウィンドウ244に与えられた一つ以上のカートリッジを選択することにより、上述のカートリッジ型式パラメータが入力されるようにしてもよい。カートリッジ・リスト・ウィンドウ244に列挙されるフィルタ・カートリッジは、上述のように、ユーザーによって入力される一つ以上のカートリッジ選択パラメータに基づいて制限し得る。
【0085】
汚染物質リスト・ウィンドウ246は、一つの実施形態においては、ユーザーにより選択可能な化学的汚染物質のリストを与える。ユーザーは、汚染物質リスト・ウィンドウ246から、一つ以上の化学的汚染物質を選択してもよい。例えば、ユーザーが汚染物質リスト・ウィンドウ246に与えられる一つ以上の化学的汚染物質を選択することにより、上述の化学的汚染物質パラメータが入力されるようにしてもよい。
【0086】
一つの実施形態において、汚染物質検索ウィンドウ248は、ユーザーが一つ以上の化学的汚染物質をタイプ入力することを可能として、プロセッサ・モジュール102が対応する化学的汚染物質を検索する。例えば、化学的汚染物質リスト・ウィンドウ246に与えられた化学的汚染物質のリストを閲覧する代わりに、ユーザーが化学的汚染物質の名称を化学的汚染物質検索ウィンドウ248にタイプすると、化学的汚染物質パラメータがプロセッサ・モジュール102に入力されるようにしてもよい。
【0087】
化学的濃度ウィンドウ250は、ユーザーが上述の化学的濃度パラメータを入力することを可能にする。ユーザーは、変動ウィンドウ254を用いて化学的濃度パラメータについて許容可能な変動を入力し得る。一つの実施形態では、ユーザーが変動ウィンドウ254に信頼値を入力することは、変動ウィンドウ224、226、228、230に関して上述したのと同様である。例えば、ユーザーは、化学的濃度ウィンドウ250に入力される化学的濃度パラメータに対応する変動ウィンドウ254に0%の信頼値を入力し得る。破過濃度ウィンドウ252は、ユーザーが上述の破過濃度212を入力することを可能にする。化学的濃度パラメータと破過濃度212との一方又は両方は、スライダー・バー256、258の一方又は両方を摺動させることにより、ユーザーが調節してもよい。
【0088】
上述のように、一旦プロセッサ・モジュール102(図1に示す)が、ユーザーからの入力パラメータに基づいて、排出濃度プロファイル204、破過時間206及び/又は推奨されたフィルタ・カートリッジ240を決定すると、ユーザーが一つ以上の入力パラメータを変化又は更新する際に、プロセッサ・モジュール102は排出濃度プロファイル204、破過時間206及びフィルタ・カートリッジ推奨240の一つ以上を動的に変化又は更新し得る。例えば、ユーザーが汚染物質リスト・ウィンドウ246中で異なる化学的汚染物質を選択することによって化学的汚染物質パラメータを変えるならば、プロセッサ・モジュール102は更新された化学的汚染物質パラメータを受け取って、必要に応じて、この更新された化学的汚染物質パラメータに基づいて、排出濃度プロファイル204、破過時間206及び/又は推奨されたフィルタ・カートリッジ240を更新する。
【0089】
図3は、一つの実施形態によって、図1に示すシステム100に一つ以上のパラメータを入力するのに用いられるグラフィカル・ユーザ・インタフェース300の例示である。グラフィカル・ユーザ・インタフェース200(図2に示す)と同様に、グラフィカル・ユーザ・インタフェース300は出力デバイス108(図1に示す)にてユーザーへ表示してもよい。ユーザーは、ユーザー・インターフェース106(図1に示す)にて入力デバイスを用いて、グラフィカル・ユーザ・インタフェース300における一つ以上のボタン、スライド、メニュー、リストなどを操作する。図3は入力104(図1に示す)をプロセッサ・モジュール102へ提示するためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースの一つの実施形態を例示するが、異なる配置構成及びグラフ的表示を有するグラフィカル・ユーザ・インタフェースの他の実施形態も可能である。
【0090】
グラフィカル・ユーザ・インタフェース300は、複数のスライダー・バー302、304、306、308を含み、これらは上述の一つ以上のパラメータを入力するようにユーザーにより操作される。例えば、ユーザーはユーザー・インターフェース106(図1に示す)にてマウスなどの入力デバイスを用いて、一つ以上のスライダー・バー302、304、306、308、310を、一つ以上の入力パラメータに対応する位置へ移動させる。図示の実施形態では、ユーザーは上述したスライダー・バー302を移動させて、上述した最小耐用期間を入力することができる。例えば、ユーザーはスライダー・バーを図示のグラフィカル・ユーザ・インタフェース300の右方向へ移動させて、プロセッサ・モジュール102により推奨されて、ユーザーにとっては比較的に重要なフィルタ・カートリッジの最大の耐用期間、又は破過時間を示す。逆に、ユーザーはスライダー・バー302を左方向に移動させて、プロセッサ・モジュール102により推奨されて、ユーザーにとっては比較的に重要ではないフィルタ・カートリッジの最小の耐用期間、又は破過時間を示す。このスライダー・バー302の動作はプロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えられる。プロセッサ・モジュール102は快適性指標入力をスライダー・バー304を用いて受信し、それに応じて、推奨フィルタ・カートリッジ240(図2に示す)としてユーザーに推奨されるフィルタ・カートリッジのリストを限定し得る。例えば、ユーザーがスライダー・バー304を用いてフィルタ・カートリッジの快適性指標が比較的に重要であることを示すならば、プロセッサ・モジュール102は、推奨し得るフィルタ・カートリッジ候補を比較的に低重量及び/又は低呼気抵抗を有するものに限定してもよい。一方、ユーザーがスライダー・バー304を用いてフィルタ・カートリッジの快適性指標が比較的に重要ではないことを示すならば、プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジの重量及び/又は呼気抵抗に基づいて推奨し得るフィルタ・カートリッジ候補を限定しなくともよい。或いは、スライダー・バー304を用いるフィルタ・カートリッジの快適性指標の相対的重要性の指示に代えて、このスライダー・バー304を快適性指標の入力に用いてもよい。例えば、スライダー・バー304をユーザーにより操作してフィルタ・カートリッジの最大重量及び/又は呼気抵抗を入力してもよい。選択的に、スライダー・バー304以外の他の入力機構を快適性指標の入力に用いる。例えば、ウィンドウ216乃至222と同様な一つのウィンドウを用いてもよい。
【0091】
スライダー・バー306は上述したコスト・パラメータの入力に用いることができる。例えば、ユーザーはスライダー・バー306をグラフィカル・ユーザー・インターフェース300内で右方向へ移動させて、プロセッサ・モジュール102により推奨されるべきフィルタ・カートリッジの一つが、ユーザーにとっては比較的に重要であることを示すことができる。逆に、ユーザーはスライダー・バー306をグラフィカル・ユーザー・インターフェース300内で左方向へ移動させて、プロセッサ・モジュール102により推奨されるべきフィルタ・カートリッジの一つが、ユーザーにとっては比較的に重要ではないことを示すことができる。このスライダー・バー306の動作はプロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えられる。プロセッサ・モジュール102はコスト・パラメータ入力をスライダー・バー306を用いて受信し、それに応じて、推奨フィルタ・カートリッジ240(図2に示す)としてユーザーに推奨されるべきフィルタ・カートリッジのリストを限定し得る。例えば、ユーザーがスライダー・バー306を用いてフィルタ・カートリッジの価格が比較的に重要であることを示すならば、プロセッサ・モジュール102は、推奨し得るフィルタ・カートリッジ候補を比較的に低価格のものに限定してもよい。一方、ユーザーがスライダー・バー306を用いてフィルタ・カートリッジの価格が比較的に重要ではないことを示すならば、プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジの価格に基づいて推奨し得るフィルタ・カートリッジ候補を限定しなくともよい。或いは、スライダー・バー306を用いるフィルタ・カートリッジの価格の相対的重要性の指示に代えて、このスライダー・バー306を通貨価格の入力に用いてもよい。例えば、スライダー・バー306をユーザーにより操作してフィルタ・カートリッジの最大価格を入力してもよい。選択的には、スライダー・バー306以外の他の入力機構をコスト・パラメータの入力に用いる。例えば、ウィンドウ216乃至222と同様な一つのウィンドウを用いてもよい。
【0092】
スライダー・バー308は上述した使用柔軟性パラメータの入力に用いることができる。例えば、ユーザーはスライダー・バー308をグラフィカル・ユーザー・インターフェース300内で右方向へ移動させて、プロセッサ・モジュール102により推奨されるべきフィルタ・カートリッジの使用柔軟性が、ユーザーにとっては比較的に重要であることを示すことができる。逆に、ユーザーはスライダー・バー308をグラフィカル・ユーザー・インターフェース300内で左方向へ移動させて、プロセッサ・モジュール102により推奨されるべきフィルタ・カートリッジの使用柔軟性パラメータが、ユーザーにとっては比較的に重要ではないことを示すことができる。このスライダー・バー308の動作はプロセッサ・モジュール102へ入力104として伝えられる。プロセッサ・モジュール102は使用柔軟性パラメータ入力をスライダー・バー308を用いて受信し、それに応じて、推奨フィルタ・カートリッジ240(図2に示す)としてユーザーに推奨されるべきフィルタ・カートリッジのリストを限定し得る。例えば、ユーザーがスライダー・バー308を用いてフィルタ・カートリッジの使用柔軟性パラメータが比較的に重要であることを示すならば、プロセッサ・モジュール102は、推奨し得るフィルタ・カートリッジ候補を使用柔軟性が比較的に高いものに限定してもよい。例えば、プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジ候補を、殆ど異なる空気呼吸器と共に使用し得るフィルタ・カートリッジに限定してもよい。一方、ユーザーがスライダー・バー308を用いてフィルタ・カートリッジの使用柔軟性パラメータが比較的に重要ではないことを示すならば、プロセッサ・モジュール102は、フィルタ・カートリッジの使用柔軟性に基づいて推奨し得るフィルタ・カートリッジ候補を限定しなくともよい。或いは、スライダー・バー308を用いるフィルタ・カートリッジの使用柔軟性の相対的重要性の指示に代えて、このスライダー・バー308を、推奨フィルタ・カートリッジ240(図2に示す)に互換性を有する空気呼吸器の最小数の観点からの使用柔軟性パラメータを入力するために用いてもよい。選択的には、スライダー・バー308以外の他の入力機構を使用柔軟性パラメータの入力に用いる。例えば、ウィンドウ216乃至222と同様な一つのウィンドウを用いてもよい。
【0093】
図4は、排出濃度プロファイル、破過時間及びフィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを決定する方法400についてのフローチャートである。ブロック402において、一つ以上の入力パラメータが受け取られる。例えば、使用状態パラメータ、現場状態パラメータ、及びカートリッジ選択パラメータのうちの一つ以上が、ユーザーによりユーザー・インターフェース106へ入力されて、入力104としてプロセッサ・モジュール102へ伝えられる。ブロック404において、一つ以上の入力パラメータは、排出濃度プロファイル、破過時間及びフィルタ・カートリッジ推奨のうちの一つ以上を決定するために用いられる。例えば、上述のディング・モデルを用いて、排出濃度プロファイル204(図2に示す)及び破過時間206(図2に示す)を上述のように計算してもよい。ブロック406において、排出濃度プロファイル、破過時間及びフィルタ・カートリッジ推奨のうちの一つ以上がユーザーへ表示される。例えば、フィルタ・カートリッジ推奨240(図2に示す)の画像を出力デバイス108でユーザーへ表示してもよい。ブロック408においては、ブロック402で受け取られたパラメータの何れかが更新されたか否か、及び/又は更なるパラメータが受け取られたか否かに関しての判定がなされる。一つ以上のパラメータが更新されたか或いは一つ以上の更なるパラメータが受け取られているならば、方法400はブロック408とブロック410との間で進行する。更新されたパラメータが無いか或いは更なるパラメータが受け取られなかったのであれば、方法400は終了する。ブロック410においては、更新された排出濃度プロファイル、破過時間及び/又はフィルタ・カートリッジ推奨が決定される。例えば、一つ以上のパラメータに対する変化又は更新、或いは更なるパラメータの追加は、ブロック404で決定される排出濃度プロファイル、破過時間及び/又はフィルタ・カートリッジ推奨に影響を及ぼすこともあろう。更新された及び/又は更なる一つ以上のパラメータは、ブロック410において、更新された排出濃度プロファイル、破過時間及び/又はフィルタ・カートリッジ推奨を決定するために、計算に入れて用いられる。ブロック412においては、更新された排出濃度プロファイル、破過時間及び/又はフィルタ・カートリッジ推奨が表示される。例えば、排出濃度プロファイル及び/又は破過時間の更新されたプロットを出力デバイス108に表示してもよい。方法400は、ブロック412とブロック408との間で進行する。
【0094】
図5は、本明細書に記載された一つ以上の実施形態をコンピュータ読取り可能媒体に記憶、配布及びインストールし得る例示的な方式のブロック図を示す。図5において、「アプリケーション」とは、上述の方法及び処理操作の一つ以上を表す。例えば、アプリケーションは、図4に関連して上述したように実行される処理を表してもよい。
【0095】
図5に示すように、アプリケーションは、先ずソース・コード502として生成されて、ソース・コンピュータ読取り可能媒体504に記憶される。次いでソース・コード502は、経路506を経てから、オブジェクト・コード510を生成するためにコンパイラ508によって処理される。オブジェクト・コード510は経路512上で移送されて、一つ以上のアプリケーション・マスターとして、マスター・コンピュータ読取り可能媒体514に保存される。次いで、経路516によって示すように、オブジェクト・コード510は何度もコピーされて、製品アプリケーションー・コピー518を生産し、これらは別々の製品コンピュータ読取り可能媒体520に保存される。この製品コンピュータ読取り可能媒体520は、経路522で示されるように、様々なシステム、デバイス、端末などへ伝達される。図5の例において、ユーザー端末524、デバイス526及びシステム528は、ハードウェア構成要素の例として示されており、これらには製品コンピュータ読取り可能媒体520が(530、532,534で示すように)アプリケーションとしてインストールされている。
【0096】
ソース・コードは、スクリプトとして書かれていてもよく、或いは任意の高水準若しくは低水準言語で書かれていてもよい。ソース、マスター、及び製品コンピュータ読取り可能媒体502、514及び520の例としては、CROM、RAM、ROM、フラッシュメモリ、RAIDドライブ、コンピュータ・システム上のメモリなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。経路506、512、516、及び522の例としては、ネットワーク経路、インターネット、ブルートゥース、GSM、赤外線、無線LAN、HIPERLAN、3G、衛星中継などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの経路506、512.516及び522は、公的又は私的なキャリヤー・サービスに相当するものとしてもよく、これは即ち地理的な二つの位置の間で、ソース、マスター、又は製品コンピュータ読取り可能な媒体502、514又は520の一つ以上の物理的コピーを移送する。これらの経路506、512、516及び522は、一つ以上のプロセッサにより並行に実行されるスレッドとしてもよい。例えば、一台のコンピュータは、ソース・コード502、コンパイラ508及びオブジェクト・コード510を保持するであろう。複数台のコンピュータを並行に作動させて、製品アプリケーション・コピー518を生産してもよい。これらの経路506、512、516、及び522は、自治区内、自治区外、国内、国外、大陸内、大陸外などとしてもよい。
【0097】
図5に示された操作は、世界的に広く配信された方式で実行して、その一部のみをアメリカ合衆国内で実行するようにしてもよい。例えば、アプリケーション・ソース・コード502は、アメリカ合衆国内で書いて、且つアメリカ合衆国内でソース・コンピュータ読取り可能な媒体504に保存してもよいが、コンパイル、コピー、及びインストールの前に他の国へ移送してもよい(経路506に相当)。或いは、アプリケーション・ソース・コード502をアメリカ合衆国の国内又は国外で書いて、これをアメリカ合衆国内に位置するコンプライア508にてコンパイルして、且つアメリカ合衆国内でマスター・コンピュータ読取り可能媒体514に保存してもよいが、オブジェクト・コード510は、コピー、及びインストールの前に他の国へ移送してもよい(経路516に相当)。或いは、アプリケーション・ソース・コード502とオブジェクト・コード510とをアメリカ合衆国の国内又は国外で生産して、製品アプリケーション・コピー518をアメリカ合衆国の国内又は国外に位置するユーザー端末524、デバイス526、及び/又はシステム528にアプリケーション530,532、534としてインストールする前に、製品アプリケーション・コピー518をアメリカ合衆の国内で生産するか又はアメリカ合衆国へ(例えば、段階的操作の一部として)移送してもよい。
【0098】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、語句「コンピュータ読取り可能な媒体」及び「構成させる指令」とは、以下のうちの何れか一つ又は全てを意味する。即ち、i)ソース・コンピュータ読取り可能な媒体504及びソース・コード502、ii)マスター・コンピュータ読取り可能な媒体及びオブジェクト・コード510、iii)製品コンピュータ読取り可能な媒体520及び製品アプリケーション・コピー518、及び/又はiv)端末524,デバイス526及びシステム528内のメモリーに保存されたアプリケーション530,532,534である。
【0099】
上述の説明は例示を意図したものであって、限定目的ではないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又はその態様)は互いに組み合わせて用いてもよい。更に、幾多の変更例が、本発明の要旨を逸脱することなく、特定の状態又は材料を本発明の教示に適合させてなし得るであろう。本明細書に記載された材料の寸法及び型式は発明のパラメータを規定することを意図しているが、これらは決して限定的なものではなく、例示的な実施形態である。多くの他の実施形態は当業者が上述の説明を検討することにより明白になろう。従って、本発明の要旨は、添付の特許請求の範囲をそれに付与される均等物の全範囲に沿って参照することにより決定されねばならない。添付の請求項において、用語「含む(including)」及び「において(in which)は、それぞれ用語「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」と均等なプレイン・イングリッシュとして用いられている。更に、以下の請求項では、用語「第1」、「第2」、「第3」等は、単に区別として用いられているのであって、それらの対象に数値的限定を与えることを意図したものではない。また、以下の請求項の限定は、手段及び機能形式で記載されたものではなく、その請求項が語句「ための手段」の前の更なる構造を伴わない機能の表明として明示的に限定されたものでなければ、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図したものではない。
【0100】
この説明文は、最良の態様を含めて本発明を開示し、またデバイス又はシステムの製作及び使用並びにそれに組み込まれた方法の実行を含めて当業者に本発明を実行可能にするための例として用いられている。本発明の特許性を有する要旨は請求項によって規定されており、当業者に想到し得る他の例も包含し得る。そのような例は、それらの他の例は、それらが請求項の文言とは違わない構造的要素を有していても、或いは、それらが請求項の文言とは僅かに異なる均等的要素を有していても、請求項の範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出濃度プロファイル、破過時間と、フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つを決定する方法であり
少なくとも一つの入力パラメータを受信し、
入力パラメータに基づいて、前記排出濃度プロファイルと、前記破過時間と、前記フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つを決定し、
前記排出濃度プロファイルと、前記破過時間と、前記フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つをグラフ表示し、その排出濃度プロファイルは所定時間に亘る化学種の濃度のプロットからなり、前記破過時間は、化学種が所定の濃度でフィルタ・カートリッジを通過する時間からなる方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記受信する段階が、周囲圧力、周囲温度、相対湿度、呼気率、化学的汚染物質、化学的濃度、職業的被爆制限、ユーザーにより選択されたカートリッジと、カートリッジ選択パラメータのうちの一つ以上を受信する方法。
【請求項3】
請求項2の方法において、前記受信する段階が、呼吸器型式と粒子防護レベルとのうちの少なくとも一方を受信すると共に、
前記呼吸器型式及び粒子防護レベルのうちの少なくとも一つに基づいてユーザー選択カートリッジを決定することを含む方法。
【請求項4】
請求項2の方法において、前記カートリッジ選択パラメータが、最小耐用期間、快適性指標、価格、少なくとも一つの共通入力パラメータに基づくフィルタ・カートリッジ推奨の少なくとも一つの先行する決定による経験的な結果、フィルタ・カートリッジの現在の在庫、地域的フィルタ・カートリッジ条件、フィルタ・カートリッジの段階的減少の指標、及びフィルタ・カートリッジの段階的導入の指標を含む方法。
【請求項5】
請求項4の方法において、快適性指標は、フィルタ重量と吸気抵抗とのうちの少なくとも一方を含む方法。
【請求項6】
請求項1の方法において、前記決定段階が、前記入力パラメータの最小レベルが前記決定段階で受け取られたときのみに、前記排出濃度プロファイル、前記破過時間、前記フィルタ・カートリッジ推奨の少なくとも一つを決定する方法。
【請求項7】
請求項1の方法において、前記決定段階が、一つ以上の更なる入力パラメータを得ることを含み、その更なるパラメータは、前記受信段階で受け取られていないが、前記排出濃度プロファイル、前記破過時間、前記フィルタ・カートリッジ推奨の少なくとも一つを決定するために必要な少なくとも一つのパラメータを含む方法。
【請求項8】
請求項1の方法において、
前記入力パラメータに対する更新と新規に入力されたパラメータとのうちの少なくとも一方を受信し、
前記排出濃度プロファイル、前記破過時間、及び前記フィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを更新して、更新された排出濃度プロファイル、更新された破過時間、及び更新されたフィルタ・カートリッジ推奨のちの少なくとも一つを前記更新と前記新規に入力されたパラメータとのうちの少なくとも一方に基づいて決定し、
前記、更新された排出濃度プロファイル、更新された破過時間、及び更新されたフィルタ・カートリッジ推奨のちの少なくとも一つを表示し、その排出濃度プロファイルは所定時間に亘る化学種の濃度のプロットからなり、前記破過時間は、化学種が所定の濃度でフィルタ・カートリッジを通過する時間からなる方法。
【請求項9】
請求項1の方法において、前記排出濃度プロファイルの決定は、前記濾床を通る前記化学種の破過波頭の位置の計算を含み、その位置は、前記破過波頭が前記濾床から旋回する旋回速度と、加速因子の指数を上げる時間とのうちの少なくとも一方の関数であり、その加速因子は、減速する旋回速度を有する破過波頭についてのものよりも小さく,且つ加速された旋回速度を有する破過波頭についてのものよりも大きい方法。
【請求項10】

【請求項11】
請求項1の方法において、前記受信はセンサからの少なくとも一つの入力パラメータを受信することを含む方法。
【請求項12】
排出濃度プロファイル、破過時間及びフィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを決定するための指令の一つ以上のセットを包含するコンピュータ読取り可能な記憶媒体であって、
少なくとも一つの入力パラメータを受信するための指令と、
入力パラメータに基づいて前記排出濃度プロファイル、前記破過時間及び前記フィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを決定する指令と、
前記排出濃度プロファイルと、前記破過時間と、前記フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つをグラフ表示する指令とを含み、その排出濃度プロファイルは所定時間に亘る化学種の濃度のプロットからなり、前記破過時間は、化学種が所定の濃度でフィルタ・カートリッジを通過する時間からなるコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
請求項12のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記受信する指令が、周囲圧力、周囲温度、相対湿度、呼気率、化学的汚染物質、化学的濃度、職業的被爆制限、ユーザーにより選択されたカートリッジと、カートリッジ選択パラメータのうちの一つ以上を受信するコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
請求項13のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記受信する指令が、呼吸器型式と粒子防護レベルとのうちの少なくとも一方を受信すると共に、
前記呼吸器型式及び粒子防護レベルのうちの少なくとも一つに基づいてユーザー選択カートリッジを決定することを含むコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
請求項13のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記カートリッジ選択パラメータが、最小耐用期間、快適性指標、価格、少なくとも一つの共通入力パラメータに基づくフィルタ・カートリッジ推奨の少なくとも一つの先行する決定による経験的な結果、フィルタ・カートリッジの現在の在庫、地域的フィルタ・カートリッジ条件、フィルタ・カートリッジの段階的減少の指標、及びフィルタ・カートリッジの段階的導入の指標を含むコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
請求項12のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記決定する指令が、前記入力パラメータの最小レベルが前記決定する段階で受信されたときのみに、前記排出濃度プロファイル、前記破過時間、前記フィルタ・カートリッジ推奨の少なくとも一つを決定するコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
請求項12のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、少なくとも一つの入力パラメータに基づいて、前記排出濃度プロファイル、前記破過時間、及び前記フィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを更新する指令と、少なくとも前記更新された排出濃度プロファイル、更新された破過時間、及び更新されたフィルタ・カートリッジ推奨のちの少なくとも一つを表示する段階とを更に含むコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
請求項12のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記決定する指令は、前記濾床を通る前記化学種の破過波頭の位置を計算する指令を含み、その位置は、前記破過波頭が前記濾床から旋回する旋回速度と、加速因子の指数を上げる時間とのうちの少なくとも一方の関数であり、その加速因子は、減速する旋回速度を有する破過波頭についてのものよりも小さく,且つ加速された旋回速度を有する破過波頭についてのものよりも大きいコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
請求項12のコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記受信はセンサからの少なくとも一つの入力パラメータを受信することを含むコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項20】

【請求項21】
排出濃度プロファイル、破過時間及びフィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを決定するためのシステムであって、
少なくとも一つの入力パラメータを入力するように構成されたユーザー・インターフェースと、
前記ユーザー・インターフェースに交信可能に接続され、入力パラメータを受信し、その入力パラメータに基づいて、排出濃度プロファイル、破過時間及びフィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを決定するプロセッサ・モジュールと、
前記プロセッサ・モジュールと交信可能に接続され、前記排出濃度プロファイルと、前記破過時間と、前記フィルタ・カートリッジ推奨とのうちの少なくとも一つをグラフ表示する出力デバイスとを備え、その排出濃度プロファイルは所定時間に亘る化学種の濃度のプロットからなり、前記破過時間は、化学種が所定の濃度でフィルタ・カートリッジを通過する時間からなるシステム。
【請求項22】
請求項21のシステムにおいて、周囲圧力、周囲温度、相対湿度、呼気率、化学的汚染物質、化学的濃度、職業的被爆制限、ユーザーにより選択されたカートリッジと、最小耐用期間、快適性指標、価格、少なくとも一つの共通入力パラメータに基づくフィルタ・カートリッジ推奨の少なくとも一つの先行する決定による経験的な結果、フィルタ・カートリッジの現在の在庫、地域的フィルタ・カートリッジ条件、フィルタ・カートリッジの段階的減少の指標、及びフィルタ・カートリッジの段階的導入の指標を含むシステム。
【請求項23】
請求項21のシステムにおいて、前記プロセッサ・モジュールは、前記入力パラメータに対する更新と新規に入力されたパラメータとのうちの少なくとも一方を受信し、前記排出濃度プロファイル、前記破過時間、及び前記フィルタ・カートリッジ推奨のうちの少なくとも一つを更新して、更新された排出濃度プロファイル、更新された破過時間、及び更新されたフィルタ・カートリッジ推奨のちの少なくとも一つを前記更新と前記新規に入力されたパラメータとのうちの少なくとも一方に基づいて決定するように構成されており、前記出力デバイスは、
前記更新された排出濃度プロファイル、前記更新された破過時間、及び前記更新されたフィルタ・カートリッジ推奨、排出濃度プロファイルのうちの少なくとも一つを表示するように構成されているシステム。
【請求項24】
請求項21のシステムにおいて、前記プロセッサ・モジュールは、前記濾床を通る前記化学種の破過波頭の位置の計算により前記排出濃度プロファイルを決定し、その位置は、前記破過波頭が前記濾床から旋回する旋回速度と、加速因子の指数を上げる時間とのうちの少なくとも一方の関数であり、その加速因子は、減速する旋回速度を有する破過波頭についてのものよりも小さく,且つ加速された旋回速度を有する破過波頭についてのものよりも大きいシステム。
【請求項25】
請求項21のシステムにおいて、前記プロセッサ・モジュールに交信可能に接続されており、そのセンサは少なくとも一つの入力パラメータをプロセッサ・モジュールへ交信するように構成されているシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−523572(P2011−523572A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511765(P2011−511765)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/045222
【国際公開番号】WO2010/002521
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510242200)スコット・テクノロジーズ・インク (3)
【Fターム(参考)】