説明

排出物質低減装置及び方法

エンジン排気システムに取り外し可能に固定される排出物質低減機器。本機器は、その末端部分において、対角線上に斜め開口を備えた円柱状カーカスを含む。ボビンはカーカスの先端部に固定される。円柱形状繊維ブランケットがカーカスに挿入されてよく、また繊維ブランケットはワイヤメッシュ内で巻かれて良い。円錐状に形成された第2繊維メッシュは、円錐形のより大きい直径が末端部に位置決めされた状態で、円柱形状繊維ブランケットに取り外し可能に挿入されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
排気ガスからの汚染物質を効率よく且つ有効に取り除くことができる方法及びシステムが必要とされている。燃焼ガス又は化学反応を取り除き且つ触媒作用を及ぼすのに有用な多くの機器が利用可能であり、これらの機器は各々、ここに説明される理由により、汚染物質を費用効果的に低減させる有効な方法を提供することができない。一般的に認識されていることであるが、燃焼機関の機能効率は、燃焼工程の間に作られるガスを排出させるエンジンの能力に直接関連付けられる。効率の良いガス排出の鍵となる要素の一つは、燃焼工程の間における精密な時間での適当な量の対抗圧力の存在である。これは、これらの機器の製造に際して主として無視されてきた問題である。
【背景技術】
【0002】
一般的に、内燃機関は、シリンダのピストンを移動させるガスの膨張を生じさせる空気/燃料混合物の爆発により作動する。このサイクルの終わりに、逃し弁が開放すると共に、燃焼ガスが並外れた速度及び音で噴出させられる。燃焼機関の性能は、燃料品質、燃料着火時圧力等を含む様々な要因によって影響を受ける。
【0003】
燃焼混合物における燃料及び空気の間の関係の重要性に起因して、殆どの車両又は機器のエンジンは、電子噴射システムによって制御される。燃料及び空気が混合させられる時に、スパークプラグが点火すると共に、エンジンの幾つかの部品を作動させる爆発を生じさせて、車両又は機器の作動が可能にされる。このエンジン内部での「爆発」の結果、排気システムを介して除去される様々な汚染ガスも作り出す。これらのガスの幾つかは:水蒸気(HO);二酸化炭素(CO);窒素(N);一酸化炭素(CO);炭化水素(HxCy);酸化窒素(NO);水素(H);メタン(CH4);及び酸素(O)である。人体に最も有毒なガスは、血液の酸素化を低下させ、神経システムに影響を及ぼし、心臓及び呼吸器疾患を悪化させ、且つ低濃度で疲労及び偏頭痛を、また高濃度で死を生じさせかねない一酸化炭素(CO);炭化水素(HxCy);肺及び心臓に影響を及ぼし、気管支炎、酸性雨を生じさせかねず、また大気の可視性を減少させる酸化窒素(NO)である。
【0004】
燃焼機関の最適性能が達成されると、最適なシステムのシステム基準値は、コレクタ、触媒コンバータ、管の直径、及び騒音除去システム等、排気システムへの様々な変化の影響を測定するための基準として使用され得る。システムの特性を変えることにより、爆発によるガス排出の間における低圧期間を増加させることにより、燃焼の間に生じさせられる有害ガスの排出を最小化することができる。
【0005】
ガスの生成に加えて、燃焼燃料は、とりわけ燃料の種類、エンジンの整備品質に関して、またエンジンの作動温度に関して組成を変化させる物質粒子(MP)を生じさせる。物質粒子は、燃焼させられない炭化水素及び水、並びに化学炭素元素核に対する燃料不純物の集積から形成される。物質粒子は、例えば人間の肺の深い部分に吸い込まれると共に留められ、また呼吸器気管に炎症を起こさせる因子であると広く考えられている。これらの粒子は、物質粒子の濃度を増加させるという事実から、特に一年で寒い時期の間、温度が極度に低い時に、主に老人及び子供を苦しめる肺疾患を生じさせる。この汚染過程は、物質粒子に存在する可能性がある癌因子を増加させる。可視性の低下、及び「温室効果」の悪化のような大気への他の好ましくない影響について考慮することも重要である。
【0006】
物質粒子は概ね大きな形状寸法のばらつきを示す。このばらつきは、あらゆる種類の多孔質フィルタに早発飽和を生じさせ、更にはエンジン構成部品へ機能的過負荷を引き起こ
し、結果的に燃料消費量の増大、エンジン出力の減少、燃焼工程の間に放出されるガス量の増加、温度上昇、及びエンジン破壊の可能性に至る。
【0007】
これらのガスによって生じさせられる問題についての知識を伴い、排出物質制御を助けるように構成された幾つかの構成部品が開発されている。この中で、最も重要なのは電子制御装置(「E.C,U」)、ラムダセンサ、排気ガス再循環バルブ、及び触媒コンバータである。E.C.Uによってなされる空気/燃料制御は、単純にマイクロコントローラ(組み込み型RAM及びROMメモリを備えたマイクロプロセッサ、ROMは既に特定のプログラムが記録された状態で工場から届く)であり、アナログ入力及びデジタル出力を使用して、センサから得られる温度及び速度等の信号を集める。E.C.Uは、その入力からセンサ状態を調査する。ROMに記録されたソフトウェアプログラムはこのデータを分析し、且つプログラム化された情報に従って、ショックバルブ及びインペラのアクチュエータの作用点を決定及び実行するために、出力、経済性、及び汚染因子を考慮する。
【0008】
ラムダセンサは一般的に排気システムに配置される。ラムダセンサは、燃焼工程で燃焼されず、従って燃焼ガスと共に、排気管を通り放出される酸素分子量を測定する。このようにして、コンピュータは、過剰な酸素分子が存在する時には、より多くの燃料噴射を指令し、或いは酸素分子がより少ない時には、より少ない燃料噴射を指令する。空気/燃料混合物を濃厚或いは希薄にすることにより、エンジンはより効率よく作用し、汚染をかなり減らし、より少ない燃料を消費し、また維持管理が少なくなる。ラムダは、燃焼が理論的となるために必要とされる空気量に対して燃焼に利用する空気量の比率である。ラムダの目標値は、燃焼が完全であることを示す1である。
【0009】
センサ出力には、燃焼ガスにおける酸素量と比例する電圧の電気信号があり、この電圧は更に、空気/燃料比と比例する。ECUは、インペラのアクチュエータにおける位置、及びショックバルブの位置調整を制御し、結果的により濃厚な空気/燃料混合物(より多く燃焼する)又はより希薄な空気/燃料混合物(より少なく燃焼する)が得られる。エンジンが始動している時に、ショックバルブは部分的に閉鎖させられており、より濃厚な空気/燃料混合物(即ちより多くの燃料)が与えられる。ニュートラルギアにおいて、ショックバルブはラムダ値1に調整される一方、低速の間には、インペラが部分的に閉鎖させられたままにされて、燃料が節約される。他のギアでは、ECUショックバルブは、出力及び経済性を最適化し、且つ汚染を最小化するために採用される設定値に従って調整される。電子管理では、このバルブは、作動しなければならない瞬間及び時間を決定し、また固有バルブの目下のポテンショメータについて監視される実際の性能を決定するために、アクチュエータを使用する電子制御モジュールによって制御される。これは実質的に、ここに説明される対象の一部である。
【0010】
EGR弁は、これらのガスが燃焼室で吸収されなければならない還流及びモーメントを制御する。弁は、以下の各状況下では開放していなければならない:温暖なエンジン、上位エンジンのアイドリングへの回転;エンジン加速及び減速の多様な状況。室に存在する排気ガス量、及び弁が開放している時は、エンジン作用パターンに応じて、真空の変化、及び排気管ガスの圧力変化に左右される。排気ガスは燃焼燃料の混合物であり、その結果、この混合物はもはや燃焼しない。更に、排気ガスが室のかなり多くの空間を占めるならば、空気/燃料混合物の燃焼を制限して、結果的にその温度を低下させる。温度を低下させることにより、エンジンによって生じさせられる窒素酸化物の形成程度も低下させられる。
【0011】
排気システムにおいてラムダセンサの後方に配置される触媒コンバータは、化学的に反応するフィルタとして機能して、排気流に残る有害なガスを変える。触媒コンバータの後方には、(バルクヘッドを介して、また一連の穿孔管及び室を通過する還流を伴い)一連
のガスのうなりからの音を弱めると共に振動を減衰させて、音波を吸収すると共に対抗圧力を制御しなければならないマフラ又は消音器がある。
【0012】
触媒コンバータ及びマフラのいずれも、排気システムにおいて一定の対抗圧力を生じさせるように構成される。対抗圧力の正確な制御がなければ、排気システムは、エンジン性能に極度に損害を与えることになる。当該技術分野に属する者には当然のことながら、最適な性能でのエンジンは、ピストンの変位から最高出力を得ると共に、流出ガスの適当な排出は、最高出力を、ひいては最高の性能を生じさせる。二重バルブ/流出システムは、制限的な状況をもたらし、対抗圧力を生じさせる。
【0013】
現在の技術を備えた燃料エンジンでさえも、大気への余剰なガス及び物質粒子の放出をもたらす。最大の出力及び性能を得る能力は、排気管からのガスの排出に直接的に結び付けられる。排気過程は、エンジンが最大出力で作動する時に、ガス放出の原因である。エンジンがこのパラメータから外れて作動し、結果的に超規模排気となる時には、最良の出力及び性能をエンジンから得るために、適当なガス制限を有していない。これは低圧領域を生じさせ、エンジンにおけるガス爆発波を結果的にもたらして、ガス放出の不要な増加及び燃料消費の増大をもたらす。
【0014】
ブラジルのメルセデスベンツ(Mercedes−Benz)は、前述の情報の多くを立証する「商業用車両及び環境」と題する物質粒子用フィルタ等の機器の開発及び製造に関する報告を発行している。この報告の他に、一般的に知られているが、都市環境で流通する全車両に物質粒子フィルタを使用するテストが、ドイツのメルセデスベンツGAC.によって行われた。この研究では、フィルタはロール状セラミックワイヤネットによって管に作られ、これは更にカーカス内部に装着されて、自動車の排気管に装着されるマフラに置き換わる。この形態では、触媒再生システムは、フィルタに堆積させられる物質粒子の燃焼に使用され、自動車の作動の間に、機器が自動的に運転中に設定されると、ガスの制限を現在の環境法において受け入れられるレベルに保つ。
【0015】
従来の方法及びシステムにおける有効性の増進にも拘わらず、多くは高い製造コストによって妨げられ、従って、商業的観点から、特に既存の自動車との使用は実行不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ここに説明されるシステム及び方法は、改良された燃料の使用、及び燃焼機関から放出されたガス、特に自動車及び産業機器等の排気管から放出されたガスの処理のための新規な解決法に関する。本発明の目的は、環境汚染を低減させ、その結果、惑星地球の植物相及び動物相の質及び量を含む生命状況を改善することにある。大気への汚染ガスの放出は、環境汚染の大きな一因となっている。世界規模的な環境破壊によって生じさせられる驚くべき影響を抑制できる解決策が大きく要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、多様な環境保護的且つ経済的効果をもたらす。例えば、本発明は粒子をろ過し、また燃料の燃焼によって生じさせられる一酸化炭素、炭化水素及び他のガスの量を大きく低減させるので、本発明は環境の改善に直接的な効果を有する。これにより、「温室効果」として知られる環境現象の破壊的な影響を最小減にし、且つ都心における空気の質を改善する。
【0018】
一実施形態において、本発明は、末端部分において、対角線上に斜め開口を備えた円柱状カーカスを含む。カーカスは、エンジンの排気システムに取り外し可能に取り付けられ
てよい。ボビンは、カーカスの先端部の中又は上に取り付けられる。円柱形状繊維ブランケットがカーカスに挿入されてよく、また繊維ブランケットはワイヤメッシュ内で巻かれてよい。円錐形に形成され、円錐形のより大きな直径が末端に位置決めされる第2繊維ブランケットが、円柱形状繊維ブランケットに取り外し可能に挿入されてよい。
【0019】
本発明の一実施形態の初期試験からの結果によれば、一酸化炭素の放出の約33パーセント、及び炭化水素及び粒子の放出の約43パーセントが減少しており、結果的に、燃料がより効率良く使用されている。加えて、作用的効果を特定することも可能であり、本発明の適用は、燃焼機関の燃料爆発に由来するガス排出の低圧期間を減少させるシステムの限定的構成概念に起因して、燃焼機関の性能について妥協することがない。これらの明確な特性の直接的な含意は、燃料消費及びガス放出の減少である。これにより、エンジンは燃焼ガスの燃焼の顕著な改善を有するので、エンジンを作動中にピーク性能点により接近させて、エンジン構成部品の過負荷を回避する。これはまた、システムにおける不純物の形成を減少させて、ひいては耐用寿命を増加させると共に、修正的維持管理の必要性を最小減にする。
【0020】
本機器はまた、製品自体の観点からの効果を呈するものであり、構成概念は極度の単純化及び実用性を示しており、製品の製造に含まれる固定費用の削減に貢献する要因であり、従って、最終価格は消費者市場が入手し易いものになる。
【0021】
本機器は非グリース製品で洗浄され、それ故、蓄積させられた粒子を除去するが、環境規制に従って洗浄されるので、本機器がいつまでも使用され得ると考えた時に、経済的な面はずっと明白である。
【0022】
また本発明は、サウンドバッフルとして作用することにより、排気システムから発せられる騒音のレベルも低下させて、騒音公害を低減させる。
これらの理由全て、また多くの他の理由により、本発明の機器及び方法は、排出物質制御の分野において、技術革新を呈する。
【0023】
本発明システム及び方法のより深い理解は、図面を参照することにより得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下は、図面を参照した本発明の詳細な説明であり、同じ又は同様な要素の符号は、前方に携えられる。
本発明は、環境への有害なガスの放出を減少させ、騒音を低下させ、燃料消費を低減させ、且つエンジン性能を改善させて、これら全てを費用効果的に行う効率の良い機器及び方法を提供する。エンジンは、例えば乗用車、トラック、芝刈り機、又は他の車両又は機器等、いかなる燃焼機関形態であってよい。
【0025】
次に図面を参照すると、図1は機器101の一実施形態を示しており、機器101はその末端部分において、対角線上に斜め開口2を備えた円柱状カーカス1を含み、このカーカス1は、機器101をエンジンの排気システムに取り付けるクランプ3によって固定されると共に、その前方部分は、カプセル4を受け入れ且つ固定させるように適応させられる。カーカス1及びカプセル4は、例えばアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、又はアルミナイズド鋼を含む、適用の熱及び圧力に耐え得るいかなる材料から作られてよい。カプセル4は概して円柱状であり、スクリーン5を圧力下で受け入れ且つ固定するために、前側部分に内部還流4aを備える。カプセルはまた、ボビン6及び/又は繊維ブランケット円筒体7の組み合わせを受け入れ且つ固定するために、円柱状側方還流5aを有してよい。スクリーン5は例えば、穿孔金属ウェブ又はワイヤメッシュ等の金属製であってよく、或いはカプセルを構成するために使用される材料に孔をあけることにより構成されてよい。
ボビン6は1個以上の金属、又は排気システムの熱及び圧力に耐え得る他の材料から作られてよく、また2個の金属布を中心部の周囲に巻きつけることにより構成されてよい。
【0026】
別の形態において、カーカス1及びカプセル4は、1個の円筒体となるように一体化されてよい。この場合、スクリーンは固定されてよく、或いは穿孔が円筒体の先端に作られて良く、またボビンは円筒体の先端内部に載置されてよい。円筒体をこのように構成することにより、継ぎ目がなく、カーカス1及びカプセル4は合わさる。
【0027】
一形態において、繊維ブランケット7円筒体は、繊維ブランケットを穿孔導電性ウェブ6a及び/又は6b内で巻くと共に、螺旋ばねを形成するために端部を重ね合わせることにより作られる。繊維ブランケット7は、適用の熱及び圧力に耐え得るいかなる材料から作られてもよい。例には、アラミド、メタ‐アラミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、p−フェニレン‐1,3,4−オキサディアゾール、ポリテトラフルオロエチレン、及び玄武岩等の中の1個又は複数の組み合わせを含む。また、ここで繊維ブランケット7について言及されている各々の場合において、当然のことながら、部品交換及び/又は洗浄のためにいつでも、材料がカーカスから取り外されてよい。
【0028】
繊維ブランケット8aを円錐形に包むことにより形成されるダイアフラム8は、より大きい半径が末端に配置され、またより小さい半径が先端に配置される。本発明の一実施形態において、繊維ブランケット8aは、円錐形の狭い端部における重なり端が合わせて固定されるように巻かれるが、別の形態において、円錐形の狭い端部における重なり端は重なるようにされるが互いに固定されない。ダイアフラム8はカーカスに取り外し可能に取り付けられてよい。ダイアフラム8は、適用の熱及び圧力に耐え得るいかなる材料から作られて良い。例には、アラミド、メタ−アラミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、p−フェニレン‐1,3,4−オキサディアゾール、ポリテトラフルオロエチレン、及び玄武岩の中の1個又は複数の組み合わせを含む。また、ここでダイアフラム8について言及されている各々の場合において、当然のことながら、部品交換及び/又は洗浄のためにいつでも、材料がカーカスから取り外されてよい。
【0029】
組み立てられると、カーカス1の末端はエンジンの排気システムに取り付けられる。本発明の一実施形態が排気システムに取り付けられる一方法が、図2及び図3に示されている。機器は、当該技術分野において周知の様々な取付機器を用いて、様々な方法で取り付けられてよい。機器は排気システムに、恒久的に或いは取り外し可能に取り付けられてよい。図2及び図3に示す形態において、機器は、エンジンの排気管の周りにカーカスを介して巻き付くU字ボルトを用いて取り付けられ、その後に、マシンボルトを用いて固定される。
【0030】
燃焼機関において、各燃料爆発によって生じる作用は、コレクタへ迅速に送られる高圧ガス波を引き起こす(図4、図5、図6、図8及び図9に図示)。この波は、排気管を通り大気へ放出されるまで、排気システムを流通する。化学的エネルギを機械的エネルギに変換する一連の爆発の間には、低圧の期間が存在する。これらの低圧期間は、爆発のリズムに関連して変化する。エンジンが高速で作用するほど、低圧域は少なくなる。本機器使用の結果の一つには、これら可変低圧期間の小さな一定の期間への変換がある。その結果、排気システムは、バルブ、ガス流出、及び燃料噴射を含むシステムのより良い使用のために必要な対抗圧力を生じさせることが可能となる。結果的に、ガス排出の低減及び燃料消費の低減となる。
【0031】
図4に示すように、ガス402は排気管401を出ると共に、機器101の末端に入る。例証実施形態において、上述したように、ダイアフラム8の側方は合わせて固定されておらず、ダイアフラムは、ガス402の一部がダイアフラム8の側方を通り放出させられ
るように円錐形状に形成されているので、ガスは先ず、ダイアフラムを通り流れる。ガス402の幾らかはまた、ダイアフラムを通過し、その結果、ガス402中の粒子は取り除かれ、且つ浄化されたガスは大気中へ出る。最後に、ガスの一部はダイアフラム8の先端を通過し進み、ボビン6の末端に入る。
【0032】
図5は、機器の一実施形態の側面切断図を示しており、エンジンの排気システムに由来するガス波の流れを示している。化学的エネルギを機械的エネルギに変換する一連の爆発には、低圧の期間が存在する。これら低圧期間は、爆発のリズムに関連して変化する。
【0033】
図6及び図7に示すように、機器101は作動中に様々な機能を達成し、コレクタ601の後部即ち触媒コンバータ602の前部、又は触媒コンバータ602の前部即ちマフラ603の後部、又はマフラ603の間のように、排気システムの一部に装着され得る。要するに、本発明の機器の効果は、排気システムの内部位置に左右されない。
【0034】
上記パラグラフに記載され且つ図6及び図7に図示されるように、機器101は排気システムの様々な部分に装着され得る結果、代替実施形態において、機器101は積載カーカス9の内部に装着され、ガス402の入口9a及び出口9bが備えられる。その機能は、作用する燃焼機関及び爆発を生じさせるための排出ガス402に左右される。低圧期間(LP)は、エンジンの低回転の間に生じさせられる。ガス402が機器101に流入した時に、ダイアフラム8の円錐形状により、振幅が小さくされ、この作用はガス402の潜在的エネルギを低減させ、ガス402の速度を低下させ、ガス402によって衝突させられるボビン6の領域全体でガス402を分散させ、且つ波402の衝撃エネルギをボビン6の全域に広げる。
【0035】
ボビン6はガス402の流れを制限して、ガス402波の間の低圧期間(LP)を減少させるために必要な圧縮を制限する。この作用は、排気の間におけるガス402波の一連の事象を生じさせて、波の間の低圧期間(LP)を減少させる。爆発サイクル速度を増加させることにより、ダイアフラム8及びボビン6への波402の圧力は増加する。ダイアフラム8の壁部への圧力の増加は、繊維間のより大きなガス流出を許容し、繊維材料の弾性エネルギと釣り合うことにより、システムに戻される対抗圧力の余剰を調整する。爆発サイクルの増加はまた、そのばね作用から蓄えられたエネルギによって、ボビン6への衝撃波を増加させる。ボビンが2個の金属を重ね合わせることにより構成される時には、ガス402の衝撃波エネルギは、ボビン6を機械的記憶と反対方向に移動させることにより、その平行部分の間により大きな間隙を生じさせると共に、ガス波402の流れの許容増加を伴い、対抗圧力を調整する。波衝撃エネルギを伴い、ボビン6の弾性エネルギは増加し、またボビンは円形移動において、被覆板間により大きなガス流を許容する。ボビン6のバランスが再構築されると、ボビン6はその初期形態に戻る。
【0036】
爆発速度が低圧期間(LP)が減少する時点に達すると、材料の円錐形状での重なり部分において、ダイアフラム8によってもたらされる対抗圧力が移動させられ、余剰のガス流を許容して、排気システムの対抗圧力が正常化させられる。ダイアフラム8の材料の重なり部分への移動時に、ダイアフラム8は円錐形の末端側の半径方向への増加をもたらし、その最大開口は繊維ブランケット7によって制限される。これにより、ガス402波が繊維ブランケット7の壁に半径方向に衝突させられて、その壁に入るガスに対して、またガスの出口までの強制的な通過に対して、調整可能な対抗圧力が許容される。金属製カーカス1は、地面へ向けられた斜め方向切れ目2の出口を通るようにガスの出口を集中させ且つ向ける。この作用は、排気システムにおいて制御可能な対抗圧力を生じさせて、バルブに対して排気システムを利用し、結果的にエンジンの性能を改善すると共に、燃料消費を減少させる。
【0037】
機器101の一部であるボビン及び繊維ブランケット6及び7の両方が、物質粒子フィルタとして作用する。ボビン6では、物質粒子の採集は、繊維ブランケット7a及びボビン6bのメッシュ壁における粒子の激突収集によって達成される。粒子は、速度損失の結果として、またそれら自体の物質的特性に起因して凝集する。繊維ブランケット7及び8aは、材料を通過しない物質粒子を収集する。これら2つの物質粒子収集システムは、有効であると共に、洗浄され且つ再利用され得る。
【0038】
ボビン6は、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄等の様々な金属を用いて構成され得、イオンのシステムへの利用を可能にする電気又は電圧差を生じさせる。ボビン6で集められたこれらイオンは、低温において、或いは、燃料エンジンの触媒システムにおいて開始されるガスの触媒工程の終わりまで、或いは非起動時でさえも、触媒コンバータにおける様々な理由(温度、エンジンオイルの汚染、二酸化硫黄の余剰)により、排気システムでの波402の速度に起因して、必要な触媒反応を終えるために十分な時間を提供しなかった燃料エンジンで放出されるガスの触媒キャパシティに影響を及ぼす。
【0039】
別の重要な作用としては、ボビン6並びに繊維ブランケット7a及び8aへのガス衝撃波の減衰により、機器から発せられる音の減少である。
本システム及び方法は、本発明の好適な実施形態に係り説明されたが、当該技術分野に属する通常の知識を有する者であれば、他の実施形態も可能であることは理解できる。前記の説明は特定の実施形態に焦点を当てたが、当然のことながら、他の形態が企図される。特に、「一実施形態において」又は「他の実施形態において」という表現がここで使用されていたとしても、これらのフレーズは一般的な関連実施形態の可能性を意味するものであり、本発明をこれら特定の実施形態に制限するように意図するものではない。これらの用語は、同じ又は異なる実施形態について言及しており、また他が示唆されていなければ、集合実施形態に組み合わせることもできる。
【0040】
ここで単一の実施形態が説明された時には、当然のことながら、1以上の実施形態が単一の実施形態に代わり用いられてもよい。同様に、1以上の実施形態がここで説明された場合には、当然のことながら、単一の実施形態がその1機器に代用されてもよい。
【0041】
多様な可能なフィルタに鑑みて、詳細な実施形態は例証のみを意図しており、また本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。むしろ、本発明として主張されるものは、以下の請求項及びそれらと同等なものの精神及び範囲内に入る全ての変形物である。
【0042】
本明細書のいかなる記載においても、特定の要素、工程又は機能が、請求項の範囲内に含まれる必須要素であることを意味すると読まれるできではない。特許対象範囲は、許容された請求項及びそれらの同等物によってのみ定義される。明確に言及されていなければ、本明細書に記載される本発明の他の態様は、請求項の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の機器の一実施形態を構成する構成部品組を示す引伸ばし斜視図。
【図2】機器の一実施形態の排気システムの端部への取付けを示す図。
【図3】排気システムの端部に装着される機器の一実施形態を示す図。
【図4】エンジン排気システムに由来するガス波の流れを示す機器の一実施形態の側面切断図。
【図5】エンジン排気システムに由来するガス波の挙動を示す機器の一実施形態の側面切断図。
【図6】ガス波の流れを示す排気システムのカーカス内部における機器の一実施形態の内部側面切断図。
【図7】エンジン排気システムへの機器の一実施形態の代替適用方法を示す図。
【図8】本発明の機器が無い状態で、排気システムから生じさせられるガス波を示す図。
【図9】本発明の機器を伴い排気システムから生じさせられるガス波を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出物質低減機器であって、
カーカスと、
ボビンとを含み、
前記ボビンは前記カーカスの先端に固定されると共に、該カーカスの末端は燃焼機関の排気口に固定される
ことを特徴とする機器。
【請求項2】
円筒体に形成される繊維ブランケットを更に含み、該繊維ブランケットは導電性メッシュに固定されると共に、前記カーカスの内部に位置決めされることを特徴とする請求項1の機器。
【請求項3】
ダイアフラムを更に含み、該ダイアフラムは円錐形に形成され、該円錐形のより大きな開口は末端に位置決めされると共に、該ダイアフラムは前記カーカスの内部に位置決めされることを特徴とする請求項1の機器。
【請求項4】
ダイアフラムを更に含み、該ダイアフラムは円錐形に形成され、該円錐形のより大きな開口は末端に位置決めされると共に、該ダイアフラムは前記円筒体の内部に位置決めされることを特徴とする請求項2の機器。
【請求項5】
前記カーカスはアルミニウム、鋼、アルミナイズド鋼、又はステンレス鋼から作られることを特徴とする請求項1の機器。
【請求項6】
前記ボビンは、2個の異なる金属布を中心点の周りに巻きつけることにより構成されることを特徴とする請求項1の機器。
【請求項7】
前記カーカスは前記排気口に取り外し可能に固定されることを特徴とする請求項1の機器。
【請求項8】
前記繊維ブランケットは、アラミド、メタ‐アラミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、p−フェニレン‐1,3,4−オキサディアゾール、ポリテトラフルオロエチレン、及び玄武岩の中の1個又は複数から作られることを特徴とする請求項2の機器。
【請求項9】
前記導電性メッシュは前記繊維ブランケットの周囲に位置決めされることを特徴とする請求項2の機器。
【請求項10】
前記ダイアフラムはアラミド、メタ‐アラミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、p−フェニレン‐1,3,4−オキサディアゾール、ポリテトラフルオロエチレン、及び玄武岩の中の1個又は複数から作られることを特徴とする請求項3の機器。
【請求項11】
前記ダイアフラムは前記カーカスに取り外し可能に固定されることを特徴とする請求項3の機器。
【請求項12】
前記ボビンは、前記カーカスの先端に固定されるカプセル内に位置決めされることを特徴とする請求項1の機器。
【請求項13】
前記カプセルは、該カプセルの先端に位置決めされるスクリーンを有することを特徴とする請求項12の機器。
【請求項14】
排出物質低減方法であって、
カーカスの末端に燃焼機関の排気口を固定させる工程を含み、ボビンが該カーカスの先端に位置決めされる
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記カーカスの内部に円筒体に形成される繊維ブランケットを位置決めさせる工程を更に含み、該繊維ブランケットは導電性メッシュに固定されることを特徴とする請求項14の方法。
【請求項16】
前記カーカスの内部にダイアフラムを位置決めさせる工程を更に含み、該ダイアフラムは円錐形に形成され、該円錐形のより大きな開口は末端に位置決めされることを特徴とする請求項14の方法。
【請求項17】
前記円筒体の内部にダイアフラムを位置決めさせる工程を更に含み、該ダイアフラムは円錐形に形成され、該円錐形のより大きな開口は末端に位置決めされることを特徴とする請求項15の方法。
【請求項18】
前記カーカスはアルミニウム、鋼、アルミナイズド鋼、又はステンレス鋼から作られることを特徴とする請求項14の方法。
【請求項19】
前記ボビンは、2個の異なる金属布を中心点の周りに巻きつけることにより構成されることを特徴とする請求項14の方法。
【請求項20】
前記カーカスは前記排気口に取り外し可能に固定されることを特徴とする請求項14の方法。
【請求項21】
前記繊維ブランケットは、アラミド、メタ‐アラミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、p−フェニレン‐1,3,4−オキサディアゾール、ポリテトラフルオロエチレン、及び玄武岩の中の1個又は複数から作られることを特徴とする請求項15の方法。
【請求項22】
前記導電性メッシュは、前記繊維ブランケットの周囲に位置決めされることを特徴とする請求項15の方法。
【請求項23】
前記ダイアフラムは、アラミド、メタ‐アラミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、p−フェニレン‐1,3,4−オキサディアゾール、ポリテトラフルオロエチレン、及び玄武岩の中の1個又は複数から作られることを特徴とする請求項16の方法。
【請求項24】
前記ダイアフラムは前記カーカスに取り外し可能に固定されることを特徴とする請求項16の方法。
【請求項25】
前記ボビンは、前記カーカスの先端に固定されるカプセル内に位置決めされることを特徴とする請求項16の方法。
【請求項26】
前記カプセルは、該カプセルの先端に位置決めされるスクリーンを有することを特徴とする請求項25の方法。
【請求項27】
排出物質低減方法であって、
カーカスの末端を燃焼機関の排気口に固定する手段を含み、ボビンは該カーカスの先端に位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項28】
前記カーカスの内部に円筒体に形成される繊維ブランケットを位置決めする手段と、導電性メッシュを該繊維ブランケットに固定する手段を更に含むことを特徴とする請求項27の方法。
【請求項29】
前記カーカスの内部にダイアフラムを位置決めする手段を更に含み、該ダイアフラムは円錐形に形成され、該円錐形のより大きな開口が末端に位置決めされることを特徴とする請求項27の方法。
【請求項30】
前記円筒体の内部にダイアフラムを位置決めする手段を更に含み、該ダイアフラムは円錐形に形成され、該円錐形のより大きな開口が末端に位置決めされることを特徴とする請求項28の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−536290(P2009−536290A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510066(P2009−510066)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/068097
【国際公開番号】WO2007/131083
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508326703)サバーテック リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【氏名又は名称原語表記】SABERTEC L.L.C.
【Fターム(参考)】