説明

排気系のスポット溶接構造

【課題】従来では互いに相反していた複数の要請の両立を図ることができるような排気系のスポット溶接構造を提供する。
【解決手段】排気消音器10の溶接部位41では、内プレート31と仕切り板26の取付片26aと内側ケース22と外側ケース21とがスポット溶接によって接合される。排気消音器10の溶接部位42では、内プレート32と仕切り板25の取付片25aと内側ケース22と外側ケース21とがスポット溶接によって接合される。排気消音器10の溶接部位43では、内プレート33と内側ケース22と外側ケース21とがスポット溶接によって接合される。排気消音器10の構成部材である外側ケース21と内側ケース22と仕切り板25,26とは、ステンレス鋼板からなる。内プレート31,32,33は、排気消音器10の構成部材よりもクロム含有量の多いステンレス製である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気系の排気系構成部材のスポット溶接構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気系に設けられる排気系構成部品の排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたっては、各種の要請を満足できるようなスポット溶接構造とすることが好ましい。具体的には、スポット溶接を行う排気系構成部材が、例えば、排気消音器の構成部材である場合、スポット溶接が行われる溶接部位の防錆性能や、排気系構成部材の重量やコスト等に対して各種の要請がある。また、スポット溶接を行う排気系構成部材が、例えば、排気浄化装置の上流側に接続される排気管の構成部材である場合、スポット溶接が行われる溶接部位の強度や、排気管の断熱性能、重量やコスト等に対して各種の要請がある。
【0003】
しかし、各種の要請を全て満たすようなスポット溶接構造とすることは実際には困難であった。一例を挙げれば、従来の排気系のスポット溶接構造では、排気系構成部材にステンレス鋼板が用いられる場合、スポット溶接時の加工熱により溶融部分のステンレス鋼板のクロム成分が減少するため、溶接部位における防錆性能がその周辺部位に比べて低下していた。従来では、溶接部位の防錆性能を確保するために、排気系構成部材の板厚を厚くしたりしていたが、これにともなって、排気系構成部材の重量の増加や、コストの増加を招いていた。したがって、従来では、スポット溶接が行われる溶接部位の防錆性能の確保と、排気系構成部材の重量、コストの増加の防止との両立を図ることは困難であった。このように、従来の排気系のスポット溶接構造では、溶接部位の防錆性能に対する要請と、排気系構成部材の重量やコストに対する要請とは互いに相反する要請となっていた。
【0004】
特許文献1には、アルミメッキ鋼板またはステンレス鋼板で構成された排気消音器が公開されている。また、特許文献2には、アルミメッキ鋼板で構成された排気消音器が公開されている。
【特許文献1】特開平10−24381号公報
【特許文献2】特開昭63−227917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気系の排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、従来では互いに相反していた複数の要請の両立を図ることができるような排気系のスポット溶接構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、内燃機関の排気系の排気系構成部材のスポット溶接構造であって、ステンレス鋼板からなる排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、スポット溶接が行われる溶接部位には、排気系構成部材よりもクロム含有量の多いステンレス製のプレート部材が、前記複数重ね合わせた排気系構成部材の両表面のうち、少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されることを特徴としている。ここで、排気系の排気系構成部材は、例えば、排気管の構成部材、排気消音器の構成部材、排気浄化装置の構成部材等のような排気系構成部品の構成部材のことである。
【0007】
上記構成によれば、スポット溶接が行われる溶接部位に高クロム含有のステンレス製のプレート部材が低クロム含有のステンレス鋼板からなる排気系構成部材に重ね合わせられている。このため、スポット溶接時の加工熱により溶融部分のステンレスのクロム成分が減少したとしても、溶接部位の表面付近に残存するクロム成分は、プレート部材が設けられていない場合に比べて多くなる。これにより、溶接部位における防錆性能を確保することができる。一方、溶接部位の防錆性能を確保するために、排気系構成部材の板厚を厚くしたり、クロム含有量を多くしたりする必要がなくなり、これにより、排気系構成部材の重量の増加やコストの増加を防止することができる。したがって、スポット溶接が行われる溶接部位の防錆性能の確保と、排気系構成部材の重量、コストの増加の防止との両立を図ることができる。
【0008】
また、本発明は、内燃機関の排気系の排気系構成部材のスポット溶接構造であって、メッキ鋼板からなる排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、スポット溶接が行われる溶接部位には、ステンレス製のプレート部材が、前記複数重ね合わせた排気系構成部材の両表面のうち、少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されることを特徴としている。ここで、メッキ鋼板としては、例えば、アルミメッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられる。
【0009】
上記構成によれば、スポット溶接が行われる溶接部位にステンレス製のプレート部材がメッキ鋼板からなる排気系構成部材に重ね合わせられている。このため、スポット溶接時の加工熱により溶融部分の表面部にクロム成分を含有した金属層(ステンレス層)が形成される。これにより、溶接部位における防錆性能を確保することができる。一方、溶接部位の防錆性能を確保するために、排気系構成部材の板厚を厚くしたり、ステンレス製の板材を使用したりする必要がなくなり、これにより、排気系構成部材の重量の増加やコストの増加を防止することができる。したがって、スポット溶接が行われる溶接部位の防錆性能の確保と、排気系構成部材の重量、コストの増加の防止との両立を図ることができる。
【0010】
また、本発明は、内燃機関の排気系の排気浄化装置の上流側に接続され、外管および内管からなる排気管のスポット溶接構造であって、金属製の外管および内管を重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、スポット溶接が行われる溶接部位には、金属製のプレート部材が、前記重ね合わせた外管および内管の両表面のうち、少なくとも内管の表面に重ね合わせて配設されることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、スポット溶接が行われる溶接部位にプレート部材が内管に重ね合わせられている。このため、スポット溶接時、溶接チップの打痕によって溶接部位における板厚が減少したとしても、内管の板厚は、プレート部材が設けられていない場合に比べて大きくなる。これにより、溶接部位における内管の強度の低下を防止することができる。一方、溶接部位における内管の強度を確保するために、内管そのものの板厚を厚くする必要がなくなり、これにより、内管の熱容量が大きくなることがなくなり、排気管の断熱性能を確保することができる。その結果、排気管を経て排気浄化装置に送られる排気ガス温度の低下を抑制することができ、排気浄化装置による排気ガスの浄化性能が損なわれることを抑制することができる。また、排気管の重量およびコストの増加の防止することができる。したがって、スポット溶接が行われる溶接部位における内管の強度の低下の防止と、排気管の断熱性能の確保および排気管の重量、コストの増加の防止との両立を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内燃機関の排気系の排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、従来では互いに相反していた複数の要請の両立を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
[第1実施形態]
まず、本発明のスポット溶接構造の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。スポット溶接構造の第1実施形態では、スポット溶接が行われる溶接部位に排気系構成部材よりもクロム含有量の多いステンレス製のプレート部材が排気系構成部材の少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されている。以下では、そのようなスポット溶接構造を排気消音器に適用した例について説明する。
【0015】
図1は、スポット溶接構造の第1実施形態に係る排気消音器を概略的に示す断面図である。排気消音器10は、内燃機関から排出される排気ガスの排気音を減衰するもので、内燃機関の排気系に設けられる。この排気消音器10には、排気系の上流側から延びる上流側排気管11と排気系の下流側へ延びる下流側排気管12とが接続されている。
【0016】
排気消音器10は、断面がだ円形の筒状の外側ケース21と、この外側ケース21の内側に支持される断面がだ円形の筒状の内側ケース22とが内外に重ね合わせられた2重構造になっている。内側ケース22は、スポット溶接によって外側ケース21に固定されている。外側ケース21の前後両端部には、端板23,24がそれぞれ設けられており、排気消音器10内の空間が排気管11,12に連通する場合を除いて閉塞されるようになっている。
【0017】
排気消音器10内(内側ケース22内)には、上流側排気管11の下流側部分と下流側排気管12の上流側部分とが挿入されている。内側ケース22内は、ガス排出方向に直交する方向に沿って互いに平行に設けられた2つの仕切り板25,26によって、3つの空間C1,C2,C3に仕切られている。上流側排気管11は、空間C1に連通している。空間C1,C2は、連通管27を介して互いに連通している。空間C2,C3は、連通管28を介して互いに連通している。空間C3は、下流側排気管12に連通している。仕切り板25は、空間C1,C2を仕切るとともに、上流側排気管11、連通管27、下流側排気管12を支持している。仕切り板26は、空間C2,C3を仕切るとともに、上流側排気管11、連通管28、下流側排気管12を支持している。仕切り板25,26には、内側ケース22の内周に沿うように折り曲げられた取付片25a,26aが形成されている。仕切り板25,26の取付片25a,26aがスポット溶接によって内側ケース22に接合されることで仕切り板25,26が内側ケース22に固定されている。そして、排気系の上流側から流れてきた排気ガスは、排気消音器10内で、上流側排気管11→空間C1→連通管27→空間C2→連通管28→空間C3→下流側排気管12、という経路を通って排気系の下流側へ排出される。
【0018】
次に、上述のような構成の排気消音器10に適用されるスポット溶接構造について説明する。
【0019】
スポット溶接が行われる排気消音器10の構成部材、ここでは、排気消音器10の外側ケース21と内側ケース22と仕切り板25,26とは、防錆性能を有するステンレス鋼板からなる。スポット溶接が行われる溶接部位41,42,43には、上述の排気消音器10の構成部材よりもクロム含有量の多いステンレス製の内プレート31,32,33が配設されている。このように、排気消音器10の構成部材には低クロム含有のステンレス鋼板が用いられているのに対し、内プレート31,32,33には高クロム含有のステンレス製の板材が用いられている。
【0020】
内プレート31,32,33は、図2に示すように、だ円形に形成されている。図2には、内プレート31のみを代表して示している。内プレート31,32は、仕切り板25,26の内周面に沿う形状になっている。内プレート33は、内側ケース22の内周面に沿う形状になっている。内プレート31,32は、溶接部位41,42に仕切り板25,26が介在される分だけ、内プレート33よりも若干小さく形成されている。内プレート31,32,33として、例えば、適宜長さの帯状部材をだ円形に丸めたものを用いることができる。
【0021】
排気消音器10の溶接部位41において、図3に示すように、内プレート31と仕切り板26の取付片26aと内側ケース22と外側ケース21とがスポット溶接によって接合される。溶接部位41におけるスポット溶接は、図3(a)に示すように、仕切り板26の取付片26aと内側ケース22と外側ケース21とを内外に重ね合わせ、さらに、仕切り板26の取付片26aの内側表面に内プレート31を重ね合わせた状態で行われる。そして、スポット溶接により、図3(b)に示すように、重ね合わせられた各部材31,26,22,21が溶融して互いに接合される。このようなスポット溶接が複数箇所(例えば、8箇所)において行われ、溶接部位41が内プレート31の内周に沿って複数箇所に形成される。この例では、内プレート31は、全ての溶接部位41に共通した部材となっている。
【0022】
排気消音器10の溶接部位42において、内プレート32と仕切り板25の取付片25aと内側ケース22と外側ケース21とがスポット溶接によって接合される。溶接部位42におけるスポット溶接は、上述した溶接部位41におけるスポット溶接の場合と同様にして行われる(図3参照)。内プレート32は、全ての溶接部位42に共通した部材となっている。
【0023】
また、排気消音器10の溶接部位43において、図4に示すように、内プレート33と内側ケース22と外側ケース21とがスポット溶接によって接合される。溶接部位43におけるスポット溶接は、図4(a)に示すように、内側ケース22と外側ケース21とを内外に重ね合わせ、さらに、内側ケース22の内側表面に内プレート33を重ね合わせた状態で行われる。そして、スポット溶接により、図4(b)に示すように、重ね合わせられた各部材33,22,21が溶融して互いに接合される。このようなスポット溶接が複数箇所(例えば、8箇所)において行われ、溶接部位43が内プレート33の内周に沿って複数箇所に形成される。この例では、内プレート33は、全ての溶接部位43に共通した部材となっている。
【0024】
上述した排気消音器10におけるスポット溶接構造によれば、次のような作用効果が得られる。
【0025】
ここで、従来のスポット溶接構造では、排気消音器に内プレート31,32,33が設けられていなかったため、次のような問題が発生していた。排気消音器の構成部材に防錆性能を有するステンレス鋼板が用いられる場合、スポット溶接時の加工熱により溶融部分のステンレス鋼板のクロム成分の一部が酸化クロムに変化することで、その分、溶接部位のクロム成分がその周辺部位に比べて減少する。このため、排気ガスより生成される凝縮水に対する溶接部位における防錆性能がその周辺部位に比べて低下していた。従来では、凝縮水に対する溶接部位の防錆性能を確保するために、排気消音器の構成部材の板厚を厚くしたり、クロム含有量を多くしたりしていたが、これにともなって、排気消音器の構成部材さらには排気消音器自体の重量の増加や、コストの増加を招いていた。したがって、従来では、凝縮水に対する溶接部位の防錆性能の確保と、排気消音器の重量、コストの増加の防止との両立を図ることは困難であった。
【0026】
この例では、排気消音器10の溶接部位41,42,43に高クロム含有のステンレス製の内プレート31,32,33が低クロム含有のステンレス鋼板からなる排気消音器10の構成部材に重ね合わせられている。このため、スポット溶接時の加工熱により溶融部分のステンレスのクロム成分が減少したとしても、溶接部位41,42,43の表面付近に残存するクロム成分は、内プレート31,32,33が設けられていない場合に比べて多くなる。つまり、内プレート31,32,33のクロム含有量が排気消音器10の構成部材に比べて多い分、溶接部位41,42,43の内側表面付近に残存するクロム成分が多くなる。これにより、排気ガスより生成される凝縮水44に対する溶接部位41,42,43における防錆性能を確保することができる。そして、溶接部位41,42,43における強度の向上も図れる。
【0027】
一方、凝縮水44に対する溶接部位41,42,43の防錆性能を確保するために、排気消音器10の構成部材の板厚を厚くしたり、クロム含有量を多くしたりする必要がなくなり、これにより、排気消音器10の構成部材さらには排気消音器10自体の重量の増加やコストの増加を防止することができる。そして、内プレート31,32,33は、スポット溶接を行う溶接部位41,42,43を含む一方で、スポット溶接を行わない部位はできるだけ含まない構成となっている。このように、高クロム含有の内プレート31,32,33が排気消音器10の全域にわたってではなく、溶接部位41,42,43を含む一部の領域だけに設けられているため、排気消音器10の重量およびコストの増加の防止することができる。
【0028】
以上より、排気消音器10における凝縮水44に対する溶接部位41,42,43の防錆性能の確保と、排気消音器10の重量、コストの増加の防止との両立を図ることができる。
【0029】
次に、上述した第1実施形態の変形例について説明する。
【0030】
図5、図6、図7に示すように、排気消音器10’の外側ケース21の外側に、内プレート31,32,33と同様の排気消音器10’の構成部材よりもクロム含有量の多いステンレス製の外プレート34,35,36を配設する構成としてもよい。図5、図6、図7は、排気消音器10’の内外両側にプレート部材を設けた例を示しており、排気消音器10’の溶接部位41’,42’,43’において、低クロム含有のステンレス鋼板からなる排気消音器10’の構成部材の内側に高クロム含有のステンレス製の内プレート31,32,33、その外側に高クロム含有のステンレス製の外プレート34,35,36がそれぞれ重ね合わせられている。
【0031】
そして、この場合、次のような作用効果も得られる。排気系の排気消音器10’等は、路面に剥き出しの状態で車両の床下に取り付けられる。このため、路面から跳ね上げられた水による排気消音器10’の溶接部位41’,42’,43’の防錆性能の低下が懸念される。また、寒冷地等では、路面に散布される凍結防止剤等による塩害によって排気消音器10’の溶接部位41’,42’,43’の防錆性能の低下が懸念される。この例では、排気消音器10’の外側ケース21の外側にクロム含有量の多いステンレス製の外プレート34,35,36が重ね合わせられているので、スポット溶接時の加工熱により溶融部分のステンレスのクロム成分が減少したとしても、溶接部位41’,42’,43’の外側表面付近に残存するクロム成分は、外プレート34,35,36が設けられていない場合に比べて多くなる。これにより、溶接部位41’,42’,43’の防錆性能の低下を抑制することができる。
【0032】
排気消音器の構成は、上述した例とは異なっていてもよい。例えば、図8に示すような排気消音器50としてもよい。図8に示す排気消音器50では、2重構造ではない1重のマフラーシェル51に上流側排気管52と下流側排気管53とが挿入されている。そして、上述した例と同様のスポット溶接構造によって、マフラーシェル51とインナープレート54,55とが接合されている。具体的には、マフラーシェル51とインナープレート54とが、内プレート56と外プレート58とで挟まれたスポット溶接構造になっている。マフラーシェル51とインナープレート55とが、内プレート57と外プレート59とで挟まれたスポット溶接構造になっている。
【0033】
スポット溶接が行われる溶接部位に配設されるプレート部材のクロム含有量は、特に限定されず、排気消音器の構成部材に比べて多ければよい。なお、クロム含有量が多いほど、コストが多くかかるが、その分、防錆性能を向上させることができる。
【0034】
スポット溶接が行われる溶接部位に配設されるプレート部材の形状は、図2に示す形状に限定されず、溶接部位に配設可能な形状であればよい。一例として、図9(a)に示すように、スポット溶接が行われる溶接部位とその周辺部分だけを含むような円形のプレート部材37とすることができる。また、図9(b)に示すように、図9(a)に示すプレート部材37を複数(図9(b)では3つ)つないだ形状のプレート部材38とすることができる。
【0035】
また、排気消音器60に、図10に示すようなカバー61を取り付ける場合にも、上述した例と同様のスポット溶接構造を適用することができる。この場合、排気消音器60を覆うカバー61の取付片61a同士が上下2つのプレート部材62で挟まれたスポット溶接構造になっている。上下のプレート部材62には、図9(a)に示すプレート部材37と同様のものが用いられている。
【0036】
排気消音器70に、図11に示すようなヒートインシュレータ73を取り付ける場合にも、上述した例と同様のスポット溶接構造を適用することができる。この場合、排気消音器70のケース71の端部に設けられた端板72にヒートインシュレータ73が取り付けられている。そして、排気消音器70の端板72とヒートインシュレータ73とが内外2つのプレート部材74で挟まれたスポット溶接構造になっている。内外のプレート部材74には、図9(a)に示すプレート部材37と同様のものが用いられている。
【0037】
スポット溶接が行われる排気系構成部材は、ステンレス鋼板からなるものであれば、排気消音器以外の排気系構成部材にも、上述した例と同様のスポット溶接構造を適用することができる。つまり、スポット溶接構造の適用箇所は、上述したような排気消音器だけに限定されない。
【0038】
一例を挙げれば、図12に示す排気管80にヒートインシュレータ81を取り付ける場合にも、上述した例と同様のスポット溶接構造を適用することができる。この場合、排気管80が2つのヒートインシュレータ81によって覆われており、そのヒートインシュレータ81同士が上下2つのプレート部材82で挟まれたスポット溶接構造になっている。上下のプレート部材82には、図9(a)に示すプレート部材37と同様のものが用いられている。また、排気管の場合、第3実施形態で述べる2重管構造の排気管の外管と内管とのスポット溶接構造にも適用することが可能である。
【0039】
図13に示す車両のボディーシェル90に排気系構成部品を支持するステー91を取り付ける場合にも、上述した例と同様のスポット溶接構造を適用することができる。この場合、ボディーシェル90とステー91とが上下2つのプレート部材92で挟まれたスポット溶接構造になっている。上下のプレート部材92には、図9(a)に示すプレート部材37と同様のものが用いられている。
【0040】
図14に示す車両のフロアパン100にフロアメンバ101を取り付ける場合にも、上述した例と同様のスポット溶接構造を適用することができる。この場合、フロアパン100とフロアメンバ101が上下2つのプレート部材102で挟まれたスポット溶接構造になっている。上下のプレート部材102には、図9(a)に示すプレート部材37と同様のものが用いられている。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本発明のスポット溶接構造の第2実施形態について、図15〜図18を用いて説明する。スポット溶接構造の第2実施形態では、スポット溶接が行われる溶接部位にステンレス製のプレート部材が排気系構成部材の少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されている。第2実施形態では、排気系構成部材がステンレス鋼板ではなくメッキ鋼板である点で上記第1実施形態とは異なる。以下では、そのようなスポット溶接構造を排気消音器に適用した例について説明する。
【0042】
図15は、スポット溶接構造の第2実施形態に係る排気消音器を概略的に示す断面図である。排気消音器110は、内燃機関から排出される排気ガスの排気音を減衰するもので、内燃機関の排気系に設けられる。この排気消音器110には、排気系の上流側から延びる上流側排気管111と排気系の下流側へ延びる下流側排気管112とが接続されている。
【0043】
排気消音器110は、断面がだ円形の筒状の外側ケース121と、この外側ケース121の内側に支持される断面がだ円形の筒状の内側ケース122とが内外に重ね合わせられた2重構造になっている。内側ケース122は、スポット溶接によって外側ケース121に固定されている。外側ケース121の前後両端部には、端板123,124がそれぞれ設けられており、排気消音器110内の空間が排気管111,112に連通する場合を除いて閉塞されるようになっている。
【0044】
排気消音器110内(内側ケース122内)には、上流側排気管111の下流側部分と下流側排気管112の上流側部分とが挿入されている。内側ケース122内は、ガス排出方向に直交する方向に沿って互いに平行に設けられた2つの仕切り板125,126によって、3つの空間C11,C12,C13に仕切られている。上流側排気管111は、空間C11に連通している。空間C11,C12は、連通管127を介して互いに連通している。空間C12,C13は、連通管128を介して互いに連通している。空間C13は、下流側排気管112に連通している。仕切り板125は、空間C11,C12を仕切るとともに、上流側排気管111、連通管127、下流側排気管112を支持している。仕切り板126は、空間C12,C13を仕切るとともに、上流側排気管111、連通管128、下流側排気管112を支持している。仕切り板125,126には、内側ケース122の内周に沿うように折り曲げられた取付片125a,126aが形成されている。仕切り板125,126の取付片125a,126aがスポット溶接によって内側ケース122に接合されることで仕切り板125,126が内側ケース122に固定されている。そして、排気系の上流側から流れてきた排気ガスは、排気消音器110内で、上流側排気管111→空間C11→連通管127→空間C12→連通管128→空間C13→下流側排気管112、という経路を通って排気系の下流側へ排出される。
【0045】
次に、上述のような構成の排気消音器110に適用されるスポット溶接構造について説明する。
【0046】
スポット溶接が行われる排気消音器110の構成部材、ここでは、排気消音器110の外側ケース121と内側ケース122と仕切り板125,126とは、防錆性能を有するアルミメッキ鋼板からなる。スポット溶接が行われる溶接部位141,142,143には、ステンレス製の内プレート131,132,133が配設されている。
【0047】
内プレート131,132,133は、図16に示すように、だ円形に形成されている。図16には、内プレート131のみを代表して示している。内プレート131,132は、仕切り板125,126の内周面に沿う形状になっている。内プレート133は、内側ケース122の内周面に沿う形状になっている。内プレート131,132は、溶接部位141,142に仕切り板125,126が介在される分だけ、内プレート133よりも若干小さく形成されている。内プレート131,132,133として、例えば、適宜長さの帯状部材をだ円形に丸めたものを用いることができる。
【0048】
排気消音器110の溶接部位141において、図17に示すように、内プレート131と仕切り板126の取付片126aと内側ケース122と外側ケース121とがスポット溶接によって接合される。溶接部位141におけるスポット溶接は、図17(a)に示すように、仕切り板126の取付片126aと内側ケース122と外側ケース121とを内外に重ね合わせ、さらに、仕切り板126の取付片126aの内側表面に内プレート131を重ね合わせた状態で行われる。そして、スポット溶接により、図17(b)に示すように、重ね合わせられた各部材131,126,122,121が溶融して互いに接合される。このようなスポット溶接が複数箇所(例えば、8箇所)において行われ、溶接部位141が内プレート131の内周に沿って複数箇所に形成される。この例では、内プレート131は、全ての溶接部位141に共通した部材となっている。
【0049】
排気消音器110の溶接部位142において、内プレート132と仕切り板125の取付片125aと内側ケース122と外側ケース121とがスポット溶接によって接合される。溶接部位142におけるスポット溶接は、上述した溶接部位141におけるスポット溶接の場合と同様にして行われる(図17参照)。内プレート132は、全ての溶接部位142に共通した部材となっている。
【0050】
また、排気消音器110の溶接部位143において、図18に示すように、内プレート133と内側ケース122と外側ケース121とがスポット溶接によって接合される。溶接部位143におけるスポット溶接は、図18(a)に示すように、内側ケース122と外側ケース121とを内外に重ね合わせ、さらに、内側ケース122の内側表面に内プレート133を重ね合わせた状態で行われる。そして、スポット溶接により、図18(b)に示すように、重ね合わせられた各部材133,122,121が溶融して互いに接合される。このようなスポット溶接が複数箇所(例えば、8箇所)において行われ、溶接部位143が内プレート133の内周に沿って複数箇所に形成される。この例では、内プレート133は、全ての溶接部位143に共通した部材となっている。
【0051】
上述した排気消音器110におけるスポット溶接構造によれば、次のような作用効果が得られる。
【0052】
ここで、従来のスポット溶接構造では、排気消音器に内プレート131,132,133が設けられていなかったため、次のような問題が発生していた。排気消音器の構成部材に防錆性能を有するアルミメッキ鋼板が用いられる場合、スポット溶接時の加工熱により排気消音器の構成部材のアルミメッキ表面が消失することによって、排気ガスより生成される凝縮水に対する溶接部位における防錆性能がその周辺部位に比べて低下していた。従来では、凝縮水に対する溶接部位の防錆性能を確保するために、排気消音器の構成部材の板厚を厚くしたり、ステンレス製の板材を使用したりしていたが、これにともなって、排気消音器の構成部材さらには排気消音器自体の重量の増加や、コストの増加を招いていた。したがって、従来では、凝縮水に対する溶接部位の防錆性能の確保と、排気消音器の重量、コストの増加の防止との両立を図ることは困難であった。
【0053】
この例では、排気消音器110の溶接部位141,142,143にステンレス製の内プレート131,132,133がアルミメッキ鋼板からなる排気消音器110の構成部材に重ね合わせられている。このため、スポット溶接時の加工熱により溶融部分の表面部にクロム成分を含有した金属層(ステンレス層)145が形成される。これにより、排気ガスより生成される凝縮水144に対する溶接部位141,142,143における防錆性能を確保することができる。そして、溶接部位141,142,143における強度の向上も図れる。なお、内プレート131,132,133のクロム含有量は、特に限定されず、クロム含有量が多いほど、コストが多くかかるが、その分、防錆性能を向上させることができる。また、スポット溶接時の加工熱により溶融部分の内プレート131,132,133のクロム成分の一部が酸化クロムに変化することで、その分、溶接部位141,142,143のクロム成分が減少するが、溶接部位141,142,143にクロム成分が残存していれば、ステンレス層145が形成される。したがって、溶接部位141,142,143にクロム成分が残存するだけのクロム含有量の内プレート131,132,133を用いることが好ましい。
【0054】
一方、凝縮水144に対する溶接部位141,142,143の防錆性能を確保するために、排気消音器110の構成部材の板厚を厚くしたり、ステンレス製の板材を使用したりする必要がなくなり、これにより、排気消音器110の構成部材さらには排気消音器110自体の重量の増加やコストの増加を防止することができる。そして、内プレート131,132,133は、スポット溶接を行う溶接部位141,142,143を含む一方で、スポット溶接を行わない部位はできるだけ含まない構成となっている。このように、ステンレス製の内プレート131,132,133が排気消音器110の全域にわたってではなく、溶接部位141,142,143を含む一部の領域だけに設けられているため、排気消音器110の重量およびコストの増加の防止することができる。
【0055】
以上より、排気消音器110における凝縮水144に対する溶接部位141,142,143の防錆性能の確保と、排気消音器110の重量、コストの増加の防止との両立を図ることができる。
【0056】
上述した第2実施形態の変形例としては、上記第1実施形態の変形例と同様のものが挙げられる。排気消音器の内外両側にプレート部材を設けた場合(図5〜図7参照)や、排気消音器の構成(図8参照)、プレート部材の形状(図9参照)、排気消音器に、カバーややヒートインシュレータを取り付けた場合(図10、図11参照)、スポット溶接構造の適用箇所(図12〜図14参照)について変形例が挙げられるが、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0057】
[第3実施形態]
次に、本発明のスポット溶接構造の第3実施形態について、図19〜図21を用いて説明する。スポット溶接構造の第3実施形態では、スポット溶接が行われる溶接部位にプレート部材が排気系構成部材の少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されている。第3実施形態では、排気系構成部材がステンレス鋼板およびメッキ鋼板に限定されない点、および、プレート部材がステンレス製に限定されない点で上記第1,第2実施形態とは異なる。以下では、そのようなスポット溶接構造を排気浄化装置の上流側に接続される排気管に適用した例について説明する。
【0058】
図19は、スポット溶接構造の第3実施形態に係る排気浄化装置の上流側に接続される排気管を概略的に示す断面図である。排気浄化装置210内には、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒211が配置されている。この排気浄化装置210には、排気系の上流側から延びる上流側排気管220と排気系の下流側へ延びる下流側排気管(図示略)とが接続されている。
【0059】
上流側排気管220は、断面が円形の筒状の外管221と、この外管221の内側に支持される断面が円形の筒状の内管222とが内外に重ね合わせられた2重管構造になっている。内管222の上流側の端部には、外管221の内周に沿うように折り曲げられた取付片222aが形成されている。内管222の取付片222aがスポット溶接によって外管221に接合されることで、内管222がその上流側の端部でスポット溶接によって外管221に固定されている。上流側排気管220は、フランジ223,224を介して排気マニホールド側から延びる排気管(図示略)と、排気浄化装置210とに接続されている。
【0060】
次に、上述のような構成の上流側排気管220に適用されるスポット溶接構造について説明する。
【0061】
スポット溶接が行われる上流側排気管220の構成部材、ここでは、上流側排気管220の外管221と内管222とは、例えば、ステンレス鋼板等の金属製の板材からなる。スポット溶接が行われる溶接部位241には、金属製の内プレート231が配設されている。内プレート231には、上流側排気管220の構成部材と同じ材料の金属製の板材、例えば、ステンレス製の板材等を用いることができる。内プレート231は、図20に示すように、円形に形成されており、内管222の内周面に沿う形状になっている。内プレート231として、例えば、適宜長さの帯状部材を円形に丸めたものを用いることができる。
【0062】
上流側排気管220の溶接部位241において、図21に示すように、内プレート231と内管222の取付片222aと外管221とがスポット溶接によって接合される。溶接部位241におけるスポット溶接は、内管222の取付片222aと外管221とを内外に重ね合わせ、さらに、内管222の取付片222aの内側表面に内プレート231を重ね合わせた状態で行われる。そして、スポット溶接により、図21(b)に示すように、重ね合わせられた各部材231,222,221が溶融して互いに接合される。このようなスポット溶接が複数箇所(例えば、4箇所)において行われ、溶接部位241が内プレート231の内周に沿って複数箇所に形成される。この例では、内プレート231は、全ての溶接部位241に共通した部材となっている。
【0063】
上述した上流側排気管220におけるスポット溶接構造によれば、次のような作用効果が得られる。
【0064】
ここで、従来のスポット溶接構造では、図22に示すように、上流側排気管に内プレート231が設けられていなかったため、次のような問題が発生していた。排気浄化装置の上流側に配設される排気管には、排気浄化装置による排気ガスの浄化性能を向上させるために断熱性能が要求される。このため、排気管を外管221’と内管222’との2重管構造としたり、さらに内管222’を薄肉に形成してその熱容量を小さくしたりすることによって、排気管の断熱性能を確保するようにしていた。そして、外管221’と内管222’とをスポット溶接により接合する場合、スポット溶接時、図22(a)に示すように、溶接チップ(電極)Cによる加圧力が溶融部分に加わると、溶接チップCの打痕が生じ、内管222’が窪む。その結果、溶接部位241’における内管222’の板厚T1’がその周辺部位の板厚T2’に比べて減少し、溶接部位241’における内管222’の強度が低下ていた。従来では、溶接部位241’における内管222’の強度を確保するために、内管222’の板厚を大きくしていたが、これにともなって、内管222’の熱容量が大きくなり、排気管の断熱性能の低下を招いていた。その結果、排気管を経て排気浄化装置に送られる排気ガス温度が低下して、排気浄化装置による排気ガスの浄化性能(特に、低温始動時の浄化性能)が損なわれることになっていた。また、排気管の重量の増加や、コストの増加を招いていた。したがって、従来では、溶接部位241’における内管222’の強度の低下の防止と、排気管の断熱性能の確保および排気管の重量、コストの増加の防止との両立を図ることは困難であった。
【0065】
この例では、上流側排気管220の溶接部位241に内プレートが上流側排気管220の構成部材に重ね合わせられている。このため、スポット溶接時、図21(a)に示すように、溶接チップCの打痕によって溶接部位241における板厚が減少したとしても、内管222の板厚T1は、内プレート231が設けられていない場合に比べて大きくなる。つまり、内プレート231が設けられている分、内管222の板厚T1の減少が抑制される。これにより、溶接部位241における内管222の強度の低下を防止することができる。
【0066】
一方、溶接部位241における内管222の強度を確保するために、内管222そのものの板厚を厚くする必要がなくなり、これにより、内管222の熱容量が大きくなることがなくなり、上流側排気管220の断熱性能を確保することができる。その結果、上流側排気管220を経て排気浄化装置210に送られる排気ガス温度の低下を抑制することができ、排気浄化装置210による排気ガスの浄化性能が損なわれることを抑制することができる。そして、内プレート231は、スポット溶接を行う溶接部位241を含む一方で、スポット溶接を行わない部位はできるだけ含まない構成となっている。このように、内プレート231が上流側排気管220の全域にわたってではなく、溶接部位241を含む一部の領域だけに設けられているため、上流側排気管220の重量およびコストの増加の防止することができる。
【0067】
以上より、上流側排気管220の溶接部位241における内管222の強度の低下の防止と、上流側排気管220の断熱性能の確保および上流側排気管220の重量、コストの増加の防止との両立を図ることができる。
【0068】
上述した第3実施形態の変形例として、内管222の内側表面だけではなく、外管221の外側表面にも、内プレート231と同様のプレート部材を配置する構成としてもよい。また、図23に示すように、内管222の取付片222aの端部を折り曲げて形成された折曲片222bを、上述したような内プレート231の代わりに用いてもよい。つまり、内プレート231を別途設ける代わりに、内プレートと同様に機能する折曲片222bを設ける構成とすることができる。
【0069】
プレート部材は、金属製であれば、ステンレス製以外であってもよい。また、スポット溶接構造の適用箇所は、排気浄化装置の上流側に接続される排気管以外であってもよい。このような変形例としては、上記第1実施形態の変形例と同様のものが挙げられる(図5〜図14参照)。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】スポット溶接構造の第1実施形態に係る排気消音器を概略的に示す断面図である。
【図2】内プレートを示す斜視図である。
【図3】内プレートと仕切り板と内側ケースと外側ケースとのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図4】内プレートと内側ケースと外側ケースとのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図5】排気消音器の外側にもプレート部材を設けた場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す断面図である。
【図6】内プレートと仕切り板と内側ケースと外側ケースと外プレートとのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図7】内プレートと内側ケースと外側ケースと外プレートとのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図8】内部構造の異なる排気消音器の場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す断面図である。
【図9】プレート部材の変形例を示す斜視図である。
【図10】排気消音器にカバーを取り付けた場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す斜視図である。
【図11】排気消音器にヒートインシュレータを取り付けた場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す断面図である。
【図12】排気管にヒートインシュレータを取り付けた場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す斜視図である。
【図13】ボディーシェルにステーを取り付けた場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す斜視図である。
【図14】フロアパンにフロアメンバを取り付けた場合のスポット溶接構造の変形例を概略的に示す斜視図である。
【図15】スポット溶接構造の第2実施形態に係る排気消音器を概略的に示す断面図である。
【図16】内プレートを示す斜視図である。
【図17】内プレートと仕切り板と内側ケースと外側ケースとのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図18】内プレートと内側ケースと外側ケースとのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図19】スポット溶接構造の第3実施形態に係る排気管を概略的に示す断面図である。
【図20】内プレートを示す斜視図である。
【図21】内プレートと内管と外管とのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図22】従来の内管と外管とのスポット溶接構造を示す断面図である。
【図23】内管を折り曲げて内プレートの代わりに利用した変形例を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0071】
10 排気消音器
21 外側ケース
22 内側ケース
25,26 仕切り板
31,32,33 内プレート
41,42,43 溶接部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気系の排気系構成部材のスポット溶接構造であって、
ステンレス鋼板からなる排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、
スポット溶接が行われる溶接部位には、排気系構成部材よりもクロム含有量の多いステンレス製のプレート部材が、前記複数重ね合わせた排気系構成部材の両表面のうち、少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されることを特徴とする排気系のスポット溶接構造。
【請求項2】
内燃機関の排気系の排気系構成部材のスポット溶接構造であって、
メッキ鋼板からなる排気系構成部材を複数重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、
スポット溶接が行われる溶接部位には、ステンレス製のプレート部材が、前記複数重ね合わせた排気系構成部材の両表面のうち、少なくとも一方の表面に重ね合わせて配設されることを特徴とする排気系のスポット溶接構造。
【請求項3】
内燃機関の排気系の排気浄化装置の上流側に接続され、外管および内管からなる排気管のスポット溶接構造であって、
金属製の外管および内管を重ね合わせてスポット溶接を行うにあたり、
スポット溶接が行われる溶接部位には、金属製のプレート部材が、前記重ね合わせた外管および内管の両表面のうち、少なくとも内管の表面に重ね合わせて配設されることを特徴とする排気系のスポット溶接構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−36669(P2008−36669A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213293(P2006−213293)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)