説明

排水ますおよび排水ますの埋設位置の調整方法

【課題】 排水ますの施工現場において、排水管との心合せや地表面(GL)との面合わせを行なう作業を、より簡便に行なえる排水ますと、その排水ますの埋設位置の調整方法を提供する。
【解決手段】 排水ます1の埋設位置の調整方法を、底部にインバート部材3、上部に蓋部6を有する排水ます1のインバート部材3の立上り部4、排水枝管15が取付けられる立上り管からなる点検筒5の上下端のいずれか一方、もしくは両方の外側面に設けられた螺子と噛み合う螺子を有し、インバート部材3、点検筒5の外周部に設けられた螺子を回転させて、排水本管2と前記排水枝管15の間の高さを調整するとともに、排水ます1の蓋部6上面を地表面に合わせる方法とし、またそのための排水ます1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、下水道などの配管に設けられる排水ますおよびその埋設位置の調整方法に関するもので、下水配管敷設技術に属するものである。
【背景技術】
【0002】
戸建住宅の下水道などの排水配管には、配管内の点検と、排水の枝管から本管への合流のために、図8に示されるような排水ます20が広く用いられている。この排水ます20は、基本的に、排水本管21と連通し、上部に立上がり部22を有するインバート部材23と、このインバート部材23の上部に連設される点検筒としての円筒状の立上がり管24と、この立上がり管24の上部開口に装着される、蓋26およびこの蓋26を立上がり管24に取付けるための蓋受枠部27とからなる蓋部25とから形成されているものである。なお、図5に示される排水ます20の立上がり管24は、前記蓋受枠部27とインバート部材23の立上がり部22の、それぞれに内嵌しているものであるが、それぞれ逆に嵌合させることも可能なものである。
【0003】
かかる排水ます20への枝管の取付けは、あらかじめ枝管取付け部の設けられた立上がり管や、インバート部材を使用するか、特開2003−105851号公報(特許文献1)に示されているように、立上がり管などを穿孔し、開口部分に接続部を設けて取付けるか、さらには、図9に示されているように、特開2004−278095号公報(特許文献2)に示されるアジャスタと称される、排水枝管の取付け用の接続部が、あらかじめ形成されている部材(アジャスタ)を用いて行なわれている。
【0004】
すなわち、図6に示されている排水ます30は、前記点検筒としての円筒状の立上がり管24を、インバート部材23の立上り部22に接続する立上り管主体31と、排水枝管32を接続するための連結部33を有するアジャスタ34とで構成されたたものである。なお、図中、図5と同じ部位は同一符号で表示している。
【特許文献1】特開2003−105851号公報(図2)
【特許文献2】特開2004−278095号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの排水ますの敷設においては、排水管と同様に地中に埋設されるが、その埋設に際しては、排水ますの埋設位置の特定、特に、深さの調整が施工の上でのキーポイントとなる。すなわち、排水ますの埋設に際しては、インバート部材の排水管接続部と、それに接続する排水管との心合わせや、蓋部表面を地表面(GL)に面合わせをすることが重要で、さらには、枝管接続部の排水枝管との心合わせも重要なことである。
【0006】
そのためには、埋設箇所の掘削深さを調整するとともに、インバート部材と立上がり管を別部材とし、埋設箇所において、排水管の埋設深さなどの状況に応じて、立上がり管を切断して埋設位置の調整、すなわち、排水管との心合わせや地表面(GL)との面合わせを行っている。
【0007】
しかしながら、施工現場(埋設箇所)において、排水管の埋設深さや、排水ますの形態に合わせて、立上がり管を切断して、排水管との心合わせや、地表面(GL)との面合わせを行なう作業は、必ずしも容易なことでない。特に、微調整ともなれば、かなりの熟練を要するものであるため、より簡便に、埋設位置の調整が行なえる方法が求められる。
【0008】
この発明はかかる現状に鑑み、排水ますの現場における敷設に際し、排水ますの組み立て作業を効率的に行なうことができるとともに、埋設現場における排水ますの埋設位置の調整作業を、熟練を要することなく、きわめて容易に行なうことのできる排水ますと、当該排水ますの埋設位置の調整方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
排水本管と連通する底部のインバート部材と、このインバート部材の上部に連設される排水枝管が取付けられる点検筒と、この点検筒の上部開口に装着される蓋部とからなる排水ますにおいて、
前記排水本管と排水枝管との間の高さを、前記インバート部材及び/又は点検筒に設けた螺子を用いて調節することによって行なうよう構成したこと
を特徴とする排水ますである。
【0010】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の排水ますにおいて、
前記インバート部材は、
汚水を流入させるための排水本管と、汚水を送り出するための排水本管を有するとともに、その上部に前記点検筒を連設させるための立上がり部を有し、この立上がり部の内周もしくは外周に前記点検筒を連設するための螺子が形成されていること
を特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の排水ますにおいて、
前記点検筒は、
所要長さを有する円筒状の立上がり管主体で構成され、少なくとも下端の内周または外周面に、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子が形成されていること
を特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の排水ますにおいて、
前記点検筒は、
前記排水枝管を有する円筒状のアジャスタと、このアジャスタを前記インバート部材の立上がり部に連設するための短い円筒状の立上がり管主体で構成され、前記立上がり管主体の下端の内周または外周面、および前記アジャスタの下端の内周または外周面に、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子が形成されていること
を特徴とするものである。
【0013】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の排水ますにおいて、
前記点検筒は、
前記排水枝管を有する円筒状のアジャスタと、このアジャスタの下部に固着される短い円筒状の高さ調節管と、この高さ調節管と前記インバート部材とを連設する短い円筒状の立上がり管主体で構成され、前記立上がり管主体の下端の内周または外周面に、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子が形成されていること
を特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の排水ますにおいて、
前記蓋部材は、
前記点検筒の上部開口に装着される蓋受枠部と、この蓋受枠部に開閉自在に設けられる蓋とから構成されたもので、前記蓋受枠部の上下端の、いずれかの内周面または外周面に、前記点検筒との間で埋設位置を調節するための螺子が設けられていること
を特徴とするものである。
【0015】
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の排水ますにおいて、
前記インバート部材、点検筒、蓋受枠部は、
そのいずれか一つが、もしくは複数が、その外周部に前記螺子と噛み合う螺子が設けられているリング体を有すること
を特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の排水ますにおいて、
前記インバート部材、点検筒、蓋受枠部は、
そのいずれかが、もしくは複数が、その内周面に前記螺子に噛み合う螺子が設けられていること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の排水ますにおいて、
前記インバート部材、点検筒、蓋受枠部は、
そのいずれかが、もしくは複数が、その外周面に前記螺子に噛み合う螺子が設けられていること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項1〜9のいずれかに記載の排水ますにおいて、
前記インバート部材、点検筒あるいは蓋受枠部に設けられた螺子の末端部にシールリングが設けられていること
を特徴とするものである。
【0019】
さらに、この発明の請求項11に記載の発明は、
下部にインバート部材が、上部に蓋部を有する排水ますの、インバート部材の立上がり部、この立上り部に連設される排水枝管を有する点検筒の上下端の、いずれか一方もしくは両方の外周面に設けられた前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子を有し、
前記インバート部材、点検筒のいずれか一方、もしくは両方の外周部に設けられたリング体を回転させて、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するとともに、排水ますの蓋部上面を地表面に合わせること
を特徴とする排水ますの埋設位置の調整方法である。
【0020】
さらにまた、この発明の請求項12に記載の発明は、
請求項11に記載の排水ますの埋設位置の調整方法において、
前記点検筒は、
前記インバート部材の立上がり部に連結される立上がり管主体と、この立上がり管主体に連結される排水枝管を有するアジャスタとで構成されたもので、このアジャスタの上下端、あるいは前記蓋部を構成する蓋受枠部の下端部のいずれかの外周面に設けられた螺子と噛み合う螺子を有し、アジャスタあるいは蓋受枠部の外周部に設けられたリング体を回転させて、立上がり管主体及び/又はアジャスタのそれぞれの嵌合位置を調節することによって、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するとともに、排水ますの蓋部上面を地表面に合わせること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明の排水ますは、排水本管と連通する底部のインバート部材と、このインバート部材の上部に連設される排水枝管が取付けられる点検筒と、この点検筒の上部開口に装着される蓋部とからなる排水ますにおいて、前記インバート部材及び/又は点検筒に螺子を形成し、この螺子の係合度合いを適宜調節することによって、前記排水本管と排水枝管との間の高さを、きわめて簡単かつ容易に実施することができる。
【0022】
特に、この発明においては、点検筒を、所要長さを有する1本の円筒状の立上がり主体で、あるいはアジャスタと短い立上がり主体で、さらにはアジャスタと短い立上がり主体および前記両者を連結するための高さ調節管で構成することによって、排水本管と排水枝管との間の高さを自在に調節することができる。
【0023】
さらに、この発明においては、インバート部材の排水本管接続部と、それに接続する排水管との心合わせや、蓋部表面を地表面(GL)に面合わせ、特にアジャスタに設けられた排水枝管の連結部と排水枝管との心合わせも、きわめて簡単に行なえるので、埋設現場における排水ますの埋設位置の調整作業を、熟練を要しない、きわめて容易なものにするのである。

【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明にかかる排水ますの実施の形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明するに、図1は、この発明の排水ますの実施の一例を示す縦断面図、図2はその要部の拡大断面図、図3は、この発明の配水ますの他の実施例を示す縦断面図、図4はその要部の拡大断面図である。なお、図中、同一部位は、基本的に同一符号で表示する。
【0025】
図1において、排水ます1は、相対する側壁にそれぞれ排水本管2,2を連結したインバート部材3と、このインバート部材3の上部に形成された立上がり部4に接続される、円筒状の立上がり管主体からなる点検部材5と、この点検筒5の上部開口に装着される蓋部6とから構成されるものである。なお、前記点検筒5は、家庭などからの汚水を排水本管2に流すための排水枝管15が取付けられるもので、その取付け手段にはなんら制限はないものである。また、前記蓋部6は、より具体的には、前記点検筒5の上部に外嵌される蓋受枠部7と、この蓋受枠部7に開閉自在に装着される蓋8とからなるものである。
【0026】
かかる構成の排水ます1は、通常、埋設設置箇所の現場において、排水管の埋設深さ、排水枝管の位置等を考慮して設置されるもので、排水枝管との心合わせや地表面(GL)との面合わせのため、主として点検筒5を所要長さに切断し、さらには他の部材、たとえば、図1には示されていない前記のアジャスタや、前記蓋部受枠7を切断して長さ調節をして、埋設位置を調整することにより行なっている。
【0027】
しかしながら、この調整作業は先に述べたように煩雑な作業で、熟練を要するものであるため、この発明においては、図1および図2で示されるように、インバート部材3の立上がり部4と、点検筒5にそれぞれ螺子を形成し、それらを螺合させる構造を取らせるもので、しかも、螺子を十分な長さで設けることによって、螺子の噛み合わせで点検筒5を上下方向に余裕をもって、移動させることができるよう構成されている。
【0028】
したがって、この発明の排水ます1においては、点検筒5の高さを任意に決定することによって、排水本管2と排水枝管15との高さを調節することができるとともに、地表面(GL)との面合わせ、さらには排水枝管15との心合わせなどが、煩雑な作業を伴わずに、簡単に行なうことができ、かつ微調整も容易にできるのである。
【0029】
その際、排水ます1の概略の位置調整は、使用する立上がり管からなる点検筒5の切断により行ない、微調整は前記螺子を用いることにすると、部材の種類を少なくすることができ、より効率的な作業が可能となる。
【0030】
前記インバート部材3の立上がり部4や、点検筒5などの各部材に設けられる螺子については、大きさや形状に格別の制限はなく、多条螺子や角螺子などの螺子も用いることができるものである。また、図1においては、前記点検筒5はインバート部材3の立上がり部4に内嵌させ、点検筒5の外周面と立上がり部4の内周面にそれぞれ螺子を設けてあるが、その嵌合状態を逆にして、点検筒5の内周面と立上がり部4の外周面に螺子を設ける形態とすることもできる。
【0031】
さらに、前記蓋受枠部7と点検筒5との嵌合面にも螺子を設けることにより、蓋8と地表面(GL)との面合わせを容易に行なうことができる。
【0032】
図3に示す排水ます11は、図3で明らかなように、相対する壁面にそれぞれ排水本管2,2を連結したインバート部材3の上部に設けた立上がり部4に、長さの短い立上がり管主体12を連結するとともに、排水枝管15を接続するための接続部14を有するアジャスタ13とで点検筒5を構成したものであって、蓋受枠部7とアジャスタ13、アジャスタ13と立上がり管主体12などの嵌合面についても、前記と同様に螺子を設けることができ、それらにより、地表面(GL)との面合わせ、更には排水枝管との心合わせなどを、容易にすることができる。
【0033】
この排水ます11は、排水枝管15を取付け接続するための接続部14が設けられたアジャスタ13を、立上がり管主体12と蓋受枠部7との間に有するもので、この排水ます11には、排水枝管15から流入する排水の流路を制限し、また、流れ方向を変えるための内副管16が設けられている。
【0034】
さらに、この排水ます11は、アジャスタ13を立上がり管主体12に内嵌する形態を有し、図4で明らかなように、アジャスタ13の下端部外周面に螺子が形成され、この螺子に螺合するリング体17がアジャスタ13の外周部に設けられているものである。したがって、前記の螺子同士を噛合させながら、リング体17を回転させると、リング体17が上下方向に移動し、アジャスタ13と立上がり管主体12の嵌合部の増減、すなわち、アジャスタ13の位置(高さ)を任意に決定することができ、地表面(GL)との面合わせ、さらには排水枝管15との心合わせなどが、煩雑な作業を伴わずに、簡単に行なうことができ、かつ微調整も容易にできるのである。
【0035】
また、前記と同様に、概略調整は、立上がり管主体12、アジャスタ13、さらには蓋受枠部7などの切断により行ない、微調整は上記リング体17を利用することにすると、部材の種類を少なくすることができ、より効率的な作業が可能となるのである。
【0036】
さらに、アジャスタ13とリング体17に設けられる螺子については、大きさや形状に格別の制限はなく、多条螺子や角螺子などの螺子も用いられる。また、図3においては、アジャスタ13を立上がり管主体12に内嵌させ、アジャスタ13の下端部の外周面に螺子を設けてあるが、その嵌合状態を逆にして、立上がり管主体12の上端部の外周面に螺子を設け、それに螺合するリング体17を設ける形態とすることもできる。
【0037】
さらに、蓋受枠部8の下端部とアジャスタ13の上端部、立上がり管主体12の下端部とインバート部材3の立上がり部4の嵌合面にも、同様な措置を取ることができ、蓋部7と地表面(GL)との面合わせを容易に行なうことができる。
【0038】
なお、螺子を用いて、前記部材同士を嵌合させる際には、図4に示すように、嵌合面にシール性を付与するためにシールリング18を用いることが望ましく、シールリング18により嵌合部の液密性が維持され、排水の漏洩が防止される。さらに、それら部材同士を螺子を用いて嵌合させた際も、従来の嵌合でも採用されている、接着剤を併用し、液密をより完全なものにすることもできる。
【0039】
図5に示す排水ます40は、点検筒5の構成が前記図1および図3の排水ますと異なるもので、点検筒5は、上部が段部を介して拡径した拡径部31を有する長さの短い円筒状の立上がり管主体32と、前記拡径部31内に挿入され、下端部が前記段部に係合載置されるアジャスタ33とから構成されたもので、前記アジャスタ33は所要部位に排水枝管を連結するための接続部14を有するものである。
なお、前記アジャスタ43と立上がり管主体32とは、接着剤によって固定されているが、前記立上がり管主体32とインバート部材3の立上がり部4とは螺子係合しているので、螺子を回動させることによって排水本管2と排水枝管との間の高さを自在に調節することができるものである。
【0040】
図6に示す排水ます50は、点検筒5を、所要部位に排水枝管を連結するための接続部14を有するアジャスタ51と、このアジャスタ51をインバート部材3に連結するための連結管52とで構成したものである。前記連結管52は、短い円筒体の内周部のほぼ中央に幅の狭いフランジ53をリング状に形成するとともに、このフランジ53の下方の内周部に、インバート部材3の立上がり部4の外周部に形成した螺子と係合する螺子を形成したものである。したがって、この連結管52の上部に前記アジャスタ51の下部を差込み接着剤で両者を固着したのち、連結管52の下部を前記立上がり管4に外嵌し、螺子を利用して排水本管と排水枝管との高さを調節するものである。
【0041】
図7に示す排水ます60は、点検筒5を、所要部位に排水枝管を連結するための接続部14を有するアジャスタ61と、このアジャスタ51の下部に連結される短い円筒体からなる連結管62と、この連結管62の下方に連結される、上部が段部を介して拡径した拡径部64を有する長さの短い円筒状の立上がり管主体63とから構成されたものである。
したがって、たとえば、前記連結管62の上部外周にアジャスタ61の下部内周部を接着固定したのち、連結管62の下部を前記立上がり管主体63に挿入し、その下端部を前記段部に当接させた状態で両者を接着固定し、しかるのち、前記立上がり管主体63をインバート部材3の立上がり部4に外嵌し、螺子を利用して排水本管と排水枝管との高さを調節するものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明の排水ますおよび排水ますの埋設位置の調整方法を用いることにより、排水ますのインバート部材に接続される排水本管と、点検筒に接続される排水枝管との管の高さを簡単かつ容易に調節することができ、蓋部表面を地表面(GL)への面合わせ、特に、アジャスタに設けられた枝管の接続部と排水枝管との心合わせもきわめて簡単に行なえ、下水道敷設現場における排水ますの埋設位置の調整作業を、熟練を要しない、極めて容易なものにすることのできるものであるから、土木建築関係の業界で広く利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明にかかる排水ますの一例を示す縦断面図である。
【図2】図1の排水ますの要部の拡大断面図である。
【図3】この発明にかかる排水ますの他の例を示す縦断面図である。
【図4】図3の排水ますの要部の拡大断面図である。
【図5】この発明にかかる排水ますのさらに他の例を示す縦断面図である。
【図6】この発明にかかる排水ますのさらに他の例を示す縦断面図である。
【図7】この発明にかかる排水ますのさらに他の例を示す縦断面図である。
【図8】従来の排水ますの一例を示す縦断面図である。
【図9】従来の排水ますの他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1,11 排水ます
2 排水本管
3 インバート部材
4 立上がり部
5 立上がり管
6 蓋部
7 蓋受枠部
8 蓋
12 立上り管主体
13 アジャスタ
14 連結部
15 排水枝管
17 リング体
18 シールリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水本管と連通する底部のインバート部材と、このインバート部材の上部に連設される排水枝管が取付けられる点検筒と、この点検筒の上部開口に装着される蓋部とからなる排水ますにおいて、
前記排水本管と排水枝管との間の高さを、前記インバート部材及び/又は点検筒に設けた螺子を用いて調節することによって行なうよう構成したこと
を特徴とする排水ます。
【請求項2】
前記インバート部材は、
汚水を流入させるための排水本管と、汚水を送り出するための排水本管を有するとともに、その上部に前記点検筒を連設させるための立上がり部を有し、この立上がり部の内周もしくは外周に前記点検筒を連設するための螺子が形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の排水ます。
【請求項3】
前記点検筒は、
所要長さを有する円筒状の立上がり管主体で構成され、少なくとも下端の内周または外周面に、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子が形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の排水ます。
【請求項4】
前記点検筒は、
前記排水枝管を有する円筒状のアジャスタと、このアジャスタを前記インバート部材の立上がり部に連設するための短い円筒状の立上がり管主体で構成され、前記立上がり管主体の下端の内周または外周面、および前記アジャスタの下端の内周または外周面に、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子が形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の排水ます。
【請求項5】
前記点検筒は、
前記排水枝管を有する円筒状のアジャスタと、このアジャスタの下部に固着される短い円筒状の高さ調節管と、この高さ調節管と前記インバート部材とを連設する短い円筒状の立上がり管主体で構成され、前記立上がり管主体の下端の内周または外周面に、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子が形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の排水ます。
【請求項6】
前記蓋部材は、
前記点検筒の上部開口に装着される蓋受枠部と、この蓋受枠部に開閉自在に設けられる蓋とから構成されたもので、前記蓋受枠部の上下端の、いずれかの内周面または外周面に、前記点検筒との間で埋設位置を調節するための螺子が設けられていること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排水ます。
【請求項7】
前記インバート部材、点検筒、蓋受枠部は、
そのいずれか一つが、もしくは複数が、その外周部に前記螺子と噛み合う螺子が設けられているリング体を有すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の排水ます。
【請求項8】
前記インバート部材、点検筒、蓋受枠部は、
そのいずれかが、もしくは複数が、その内周面に前記螺子に噛み合う螺子が設けられていること
を特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の排水ます。
【請求項9】
前記インバート部材、点検筒、蓋受枠部は、
そのいずれかが、もしくは複数が、その外周面に前記螺子に噛み合う螺子が設けられていること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の排水ます。
【請求項10】
前記インバート部材、点検筒あるいは蓋受枠部に設けられた螺子の末端部にシールリングが設けられていること
を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の排水ます。
【請求項11】
下部にインバート部材が、上部に蓋部を有する排水ますの、インバート部材の立上がり部、この立上り部に連設される排水枝管を有する点検筒の上下端の、いずれか一方もしくは両方の外周面に設けられた前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するための螺子を有し、
前記インバート部材、点検筒のいずれか一方、もしくは両方の外周部に設けられたリング体を回転させて、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するとともに、排水ますの蓋部上面を地表面に合わせること
を特徴とする排水ますの埋設位置の調整方法。
【請求項12】
前記点検筒は、
前記インバート部材の立上がり部に連結される立上り管主体と、この立上り管主体に連結される排水枝管を有するアジャスタとで構成されたもので、このアジャスタの上下端、あるいは前記蓋部を構成する蓋受枠部の下端部のいずれかの外周面に設けられた螺子と噛み合う螺子を有し、アジャスタあるいは蓋受枠部の外周部に設けられたリング体を回転させて、立上がり管主体及び/又はアジャスタのそれぞれの嵌合位置を調節することによって、前記排水本管と排水枝管との間の高さを調節するとともに、排水ますの蓋部上面を地表面に合わせること
を特徴とする請求項11に記載の排水ますの埋設位置の調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−274652(P2006−274652A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94648(P2005−94648)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】