説明

排水中のフッ素イオンの除去剤とそれを使用したフッ素イオンの除去方法

【課題】
排水中のフッ素イオンを除去して排水基準値(8mg/L)を満たすものとする上で、確実な効果が得られるようなフッ素イオン除去剤を提供し、効果的な排水処理の方法を実現すること。より高度な課題は、環境基準値(0.8mg/L)を満たすことができるフッ素イオン除去剤を提供すること。
【解決手段】
ドロマイトを焼成して得られ、遊離の酸化カルシウムの含有量が1.5重量%以下、好ましくは1.2重量%以下であって、遊離の酸化マグネシウムの含有量が7重量%以上、好ましくは19重量%以上である半焼成ドロマイトを有効成分とする除去剤。排水中のフッ素イオンを、まず消石灰で一部除去し、ついで本発明の除去剤で除去する二段の排水処理も可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半焼成ドロマイトを有効成分とし、フッ素イオンを含有する排水中のフッ素イオンを除去するための除去剤と、それを使用したフッ素イオンの除去方法に関する。本発明において「半焼成ドロマイト」とは、ドロマイト鉱石を600〜900℃の温度で焼成することにより、ドロマイト成分中の炭酸マグネシウムの大部分を脱炭酸させて酸化マグネシウムとする一方、炭酸カルシウムはほとんど脱炭酸させず、そのまま残すようにして得た焼成品を指す。
【背景技術】
【0002】
たとえば半導体の製造工場においては、その製造工程においてフッ酸を使用するため、どうしてもフッ素イオンを含有する排水が多量に排出される。この排水からフッ素イオンを除去し、無害化するためにとられている基本的な対策は、排水に水溶性のカルシウム塩を添加してフッ化カルシウムを生成させることによりフッ素イオンを不溶化し、分離することである。このとき生成するフッ化カルシウムの沈殿は、微細な粒子であるから、その分離を容易にするため、塩化第二鉄やポリ塩化アルミニウム(PAC)のような無機凝集剤を添加するか、高分子凝集剤を添加してフッ化カルシウム凝集フロックを生成させ、生成したフロックを沈殿槽で沈殿させることが行なわれている。
【0003】
しかし、フッ化カルシウムの溶解度は比較的高く、単にカルシウム塩で処理しただけでは、排水中のフッ素イオンの濃度を、排水基準値である8mg/L以下にすることは困難である。そこで酸化マグネシウム系の化合物を使用するフッ素含有排水の処理方法が提案された(特許文献1)。その処理方法は、BET比表面積が10m2/g以上で粒度が10μm〜10mmに調製した酸化マグネシウムをフッ素吸着剤として使用し、主としてこれをカラムに充填して通水するものである。
【0004】
酸化マグネシウムを利用して排水中のフッ素イオンを吸着除去する別の方法は、水酸化マグネシウムを700〜1000℃で焼成してBET表面積40〜200m2/gとした酸化マグネシウムを、フッ素イオンを含有するpH4.0以下の排水に添加し、10〜25℃の温度で処理したのち、凝集剤を加えて固液分離することからなる(特許文献2)。
【0005】
フッ素イオン除去の性能を有する生石灰と酸化マグネシウムとを有利に併用することを意図して、焼成ドロマイトを使用する「フッ化物イオン捕捉材」が提案された(特許文献3)。この捕捉材は、「中程度の分解率のドロマイト」であって、温度600〜880℃で焼成した、MgO、CaOおよびCaCOを主要構成物とし、未分解二酸化炭素が1.5〜47重量%であるものと規定され、排水に残留するフッ素イオン濃度を低減するためにも、またフッ素で汚染された土壌からの溶出量を低減するにも用いることができる。
【特許文献1】特開2005−342578
【特許文献2】特開2007−136424
【特許文献3】特開2008−80223
【0006】
発明者らは、このドロマイトを焼成してMgO、CaOおよびCaCOを主要構成成分としたものを排水中のフッ素イオンを除去するために使用する技術を深く研究し、排水基準値である8.0mg/Lを満たすとともに、水質汚濁に係る環境基準値である0.8mg/Lを確実に達成することを可能にする除去剤の限定としては、未分解二酸化炭素が1.5〜47重量%の焼成ドロマイトというような、おおざっぱな限定では不完全であって、よりきめ細かく性状を限定する必要があることを経験した。限定すべき事項として発明者が見出したのは、半焼成ドロマイト中の遊離酸化カルシウムの量と遊離酸化マグネシウムの量とである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記した発明者らが得た知見を活用し、排水中のフッ素イオンを除去して環境基準値を満たすものとする上で確実な効果が得られるような半焼成ドロマイトからなるフッ素イオン除去剤を提供し、それによって効果的な排水処理の方法を実現することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従う排水中のフッ素イオンの除去剤は、ドロマイトを焼成して得られ、遊離の酸化カルシウムの含有量が1.5重量%以下、好ましくは1.2重量%以下であって、遊離の酸化マグネシウムの含有量が7重量%、好ましくは19重量%以上である半焼成ドロマイトを有効成分とする除去剤である。
【0009】
本発明に従う排水中のフッ素イオンを除去する方法の基本的態様は、上記した半焼成ドロマイトを有効成分とするフッ素イオンの除去剤を、フッ素を含有する酸性の排水に接触させ、排水中のフッ素を除去することからなる。
【0010】
本発明に従う排水中のフッ素イオンを除去する方法の変更態様は、フッ素を含有する酸性の排水に、まず消石灰を接触させてフッ素イオンの一部を除去し、フッ素イオンの濃度が低下したがなお環境基準値を満たすに至っていない排水に、本発明の半焼成ドロマイトを有効成分とする除去剤を接触させ、排水中のフッ素をさらに除去することからなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のフッ素イオンの除去剤は、ドロマイトの半焼成により得られ、高いフッ素イオン吸着除去性能を示し、しかも排水と接触している間に崩壊し難いから、この除去材を固定床に充填し、それに排水を接触させることにより排水の処理をすることが可能である。
【0012】
本発明の方法により半焼成ドロマイトを有効成分とするフッ素イオン除去剤を使用して排水処理を行なえば、上記した基本的態様であれ、変更態様であれ、排水中のフッ素イオンを効果的に除去することができるから、その濃度を排水基準値である8.0mg/L以下に低減することが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の半焼成ドロマイト中に含まれる「遊離酸化カルシウム」の含有量は、日本石灰協会の「日本石灰協会標準試験方法(2006)」に規定の「11.有効石灰の定量方法」に従って分析される、CaOおよびCa(OH)を合計した量(重量%)である。一方、「遊離酸化マグネシウム」の含有量とは、ドロマイト中のMgCOが脱炭酸して生成したMgOの量として算出される量をいう。その算出は、つぎの手順に従って行なう。
・まず、JIS R9011の「石灰の分析方法」に規定された方法により、CaO,MgOおよびIg.loss(灼熱減量)を分析する。つぎに、分析によって得た遊離酸化カルシウムの量が1.5%に達しているか否かによって、下記のいずれかを選ぶ。
・遊離酸化カルシウムの量が1.5%以上のとき:分析で得たMgOの値を、そのまま遊離酸化マグネシウムの量として採用する。
・遊離酸化カルシウムの量が1.5%未満のとき:遊離酸化マグネシウムの量は、分析で得たMgO%−MgCOとして存在するMgO%により算出する。MgCOとして存在するMgO%は、
{Ig.loss%−(CaO%÷56×44)}÷44×40
により求める。
【0014】
排水中のフッ素イオンを高度に除去するためには、遊離酸化カルシウムの含有量が低いことが望ましい。したがって、ドロマイトの半焼成に当たり、CaCOの脱炭酸はできるだけ抑制することが望ましい。その理由は、つぎのように説明される。すなわち、MgOによるフッ素イオン除去の反応機構は、
Mg2++F+OH=[Mg(OH)]F
と考えられるところ、Fとの反応はMgOよりもCaOの方が速いため、遊離酸化カルシウムの量が多いと、FがCaOと反応して安定なCaFを形成し、それが除去剤の表面を覆ってしまい、MgOとの反応が妨げられる。その一方で、CaFの溶解度は比較的高いから、溶液中のフッ素イオン濃度は、排水基準値以下にすることに困難がある。液性に関して見れば、フッ素イオンの除去にはpHが低い方が有利であるところ、CaOが多量に存在するとpHが高くなって、不利に作用する。このようなわけで、遊離酸化カルシウム量は1.5重量%以下であることが必要であり、1.2重量%以下であることが好ましい。
【0015】
遊離酸化マグネシウムは、フッ素イオン除去のための有効成分であるから、多量に含まれていることが必要であって、この含有量が低いと、同じ量のフッ素イオンを除去するのに、多量の半焼成ドロマイトを消費しなければならない。不相当に多量の半焼成ドロマイトを消費しないでフッ素イオンの除去を行なうには、半焼成ドロマイトが、少なくとも7重量%の遊離酸化マグネシウムを含有することが必要である。後記する実施例にみるとおり、遊離酸化マグネシウムの含有量は19重量%以上あることが好ましい。原理的にいえば、遊離酸化マグネシウムの含有量は高いほど有利なわけであるが、その値を高めようとしてドロマイトの焼成を過度に進めると、製品の半焼成ドロマイト中の遊離酸化カルシウムの量が増大してしまい、フッ素イオン除去剤としての性能が、かえって低下する。実用上の遊離酸化マグネシウム量は、20重量%を若干上回る程度、多くとも25重量%が上限となる。
【0016】
上述のような、排水中のフッ素イオン除去剤として有用な半焼成ドロマイト、すなわち、MgCOの脱炭酸は十分に行なうが、その一方でCaCOの脱炭酸はなるべく抑制した半焼成ドロマイトを得るには、ドロマイトの焼成条件の選択が肝要になる。周知のとおり、ドロマイト鉱石の性状は産地によって変動するので、それぞれの場合に最適な焼成条件は実験的に決定するほかないが、通常は、焼成温度は600〜900℃、時間は1〜48時間の範囲内に見出されるであろう。栃木県葛生産のドロマイトを例にとれば、温度700〜800℃、時間2〜24時間の焼成が適切である。
【0017】
ドロマイトの焼成温度および時間は、焼成の条件によって異なる。たとえば、CaCOの脱炭酸を防ぐ目的で、ドロマイトをCO雰囲気下で焼成する試みが報告されており(Journal of Solid Chemistry 33, 181, 1980)、CO雰囲気下や加圧下の焼成であれば、焼成温度は当然に高くなる。熱力学的にいっても、このような条件下では炭酸塩の分解温度が、大気雰囲気の場合よりも高くなるからである。それと反対に、アルカリ土類金属の水酸化物、代表的にはCa(OH)の焼成を減圧下に行なうことによって、その分解温度を低くする技術がある(特開2004−354414、特開2006−21945)。炭酸塩に関しても同様で、減圧下に焼成すれば、分解温度を低下させることができる。このように、ドロマイトの焼成の結果は、焼成条件によって異なるが、要は、遊離酸化カルシウムおよび遊離酸化マグネシウムの量が、前記した範囲に入るような焼成を行なうことである。
【0018】
本発明の排水中のフッ素イオンを除去する方法は、本発明のフッ素イオンの除去剤をフッ素を含有する酸性の排水に接触させることからなるが、具体的にはさまざまな方法で実施することができる。そのひとつは、粉末状の除去剤を排水に投入して撹拌することにより、効率的にフッ素イオン除去剤の性能を発揮させることである。この目的には、フッ素イオン吸着後の排水からの除去剤粉末の固液分離に好都合なように、除去剤の粒度を適切に選ぶ必要がある。固液分離には適宜の凝集剤を使用するなど、排水処理の分野で確立された技術を利用することができる。
【0019】
いまひとつの、実施がより容易な態様は、除去剤を充填したカラムに排水を通す操作である。このためには、除去剤を、適宜の粒度であって、排水と除去剤との接触が十分である一方、フッ素イオンの吸着によっても崩壊することが少ないものにして使用することが必要である。具体的には、粒度を3〜7mmに調整したフッ素イオンの除去剤が好適である。この崩壊性を調べるには、前掲の特許文献3に記載された「注水顆粒維持率」試験法が有用である。その方法は、2〜5mmサイズの試料を25個選び、500mLの常温の水中に投入して24時間後に顆粒の形状を維持している粒子の数を数えることからなる。崩壊の割合は、5%以下であることが望ましい。
【0020】
上述の使用の態様から理解されるように、本発明のフッ素イオン除去剤は、適切な粒度の粒子として使用すべきである。除去性能の観点からは、できるだけ微細な粉末、具体的には1mm通過が好ましく、一方で、排水処理に使用したときに固体状態を維持することを期待される場合、たとえば通水カラムに充填したり、河床に敷き詰めたりするものは、より大径の、具体的には3〜7mm程度の破砕片が適切である。
【実施例】
【0021】
表1に示す組成をもつドロマイトを原料として使用し、これを700℃、750℃または800℃において種々の時間焼成して、有効石灰量および遊離酸化マグネシウムの値が異なる半焼成ドロマイトを得た。得られた半焼成ドロマイトのMgO含有量および遊離酸化マグネシウム量を、焼成条件とともに表2に示す。この除去剤について、前掲の特許文献3に記載の「注水顆粒維持率」測定法に従って排水と接触させたときに崩壊する可能性を調べたところ、いずれの試料にも崩壊が認められず、形状を維持する特性が高いことがわかった。
(表2において、原石の遊離酸化カルシウム量が0.1重量%となっているのは、分析誤差である。)
【0022】
表1 重量%

【0023】
表2

【0024】
フッ素イオン含有排水のシミュレート溶液として、フッ化ナトリウムNaFを水に溶解した、フッ素イオン濃度が20mg/Lの水溶液を用意した。この溶液500mLに対して上記の半焼成ドロマイト各2gを投入し、マグネチックスターラーで撹拌してフッ素イオンの除去を行なった。24時間後の液のフッ素イオン濃度を測定して、表3に示す結果を得た。表3には、フッ素イオンの除去率を併せて示し、遊離MgOの値を再度掲げる。
【0025】
表3

表3にみるように、遊離MgO量が適切な(同時に遊離CaO量も抑制されている)試料番号4および5の半焼成ドロマイトを使用すれば、処理24時間後の廃水中のフッ素イオン濃度を、環境基準値である0.8mg/L以下に減少させることができる。)
【0026】
フッ素イオン除去剤中に含まれる遊離酸化カルシウムの量と、24時間後の液のフッ素イオン濃度との関係をプロットして、図1に示すグラフを得た。同様に、フッ素イオン除去剤中に含まれる遊離酸化マグネシウムの量と、24時間後の液のフッ素イオン濃度との関係をプロットして、図2に示すグラフを得た。
【0027】
上記したところと同様にして、フッ素イオン濃度が20mg/Lのフッ化ナトリウム水溶液を用意した。この溶液500mLに消石灰2gを投入し、撹拌下に24時間保ってCa(OH)によるフッ素イオンの除去を行なった。その結果、液中のF濃度は9.9mg/Lに減少した。この、消石灰によるフッ素イオンの一部除去を行なった溶液に、上のフッ素イオン除去試験で最もよい成績を収めた試料No.5の粉末を2g投入し、撹拌状態に保って、2時間、4時間、8時間および24時間後の液のフッ素イオン濃度を測定した。比較のため、同量の消石灰を使用して、同様にフッ素イオンの除去を行なった。結果は表4および図3に示すとおりで、消石灰で処理した場合、フッ素イオン濃度に変化がなく、それ以上のフッ素イオン除去はできなかった。これに対して、半焼成ドロマイトで処理したものは、濃度が、5.3mg/Lに減少して、排水基準を容易に満たすところになった。
【0028】
表4 フッ素イオン濃度(mg/L)の経時変化

【0029】
フッ素イオン除去剤の試料No.5を破砕ないし粉砕して、粒度がそれぞれ、(A)2〜1mm、(B)2〜0.5mm、(C)1〜0.5mm、(D)0.5〜0.212mmまたは(E)0.212mm以下の5種類の除去剤とした。フッ素イオン濃度が20mg/Lのフッ化ナトリウム水溶液の各500mLに、これら粒度の異なる除去剤を投入して撹拌し、2時間、4時間、8時間および24時間経過したときの液のフッ素イオン濃度を測定した。結果は図4のグラフに示すとおりであって、粗粒の試料(A)および(B)を用いた場合は、24時間経過後の液のフッ素イオン濃度は3〜4mg/Lであって、排水基準値8.0mg/Lを満たすことはできたが、環境基準値である0.8mg/Lを達成することはできなかった。それに対し、細粒の試料(C)〜(E)を用いた場合は、24時間経過後の液のフッ素イオン濃度は0.5〜0.7mg/Lであって、上記の環境基準値をも満たす結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例のデータであって、フッ素イオン除去剤中に含まれる遊離酸化カルシウムの量と、その除去剤を用いて排水中のフッ素イオンを除去したときの、24時間後の液中のフッ素イオン濃度との関係を示すグラフ。
【図2】本発明の実施例のデータであって、フッ素イオン除去剤中に含まれる遊離酸化マグネシウムの量と、その除去剤を用いて排水中のフッ素イオンを除去したときの、24時間後の液中のフッ素イオン濃度との関係を示すグラフ。
【図3】本発明の実施例のデータであって、時間の経過に伴うフッ素イオン濃度の変化を、本発明のフッ素イオン除去剤と消石灰とを比較して示すグラフ。
【図4】発明の実施例のデータであって、フッ素イオン除去剤の粒度と、達成し得たフッ素イオン除去効果との関係を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロマイトを焼成して得られ、遊離酸化カルシウムの含有量が1.5重量%以下で、遊離酸化マグネシウの含有量が7重量%以上である半焼成ドロマイトを有効成分とする排水中のフッ素イオンの除去剤。
【請求項2】
遊離酸化カルシウムの含有量が1.2重量%以下であり、遊離酸化マグネシウの含有量が19重量%以上である半焼成ドロマイトを有効成分とする請求項1の排水中のフッ素イオンの除去剤。
【請求項3】
ドロマイトを、温度600〜900℃に0.5〜48時間焼成し、破砕または粉砕してなる請求項1または2の排水中のフッ素イオンの除去剤。
【請求項4】
葛生産のドロマイトを温度700〜800℃に2〜24時間焼成し、破砕または粉砕してなる請求項3の排水中のフッ素イオンの除去剤。
【請求項5】
破砕して粒度3〜7mmに調整してなり、注水顆粒維持率(フッ素イオンの除去剤の粒子25個を常温の水中に24時間浸漬したのちに、形状を維持した粒子のパーセンテージ)が95%以上である請求項1ないし4のいずれかの排水中のフッ素イオンの除去剤。
【請求項6】
粉砕して粒径1mm以下に調整してなる、請求項1ないし4のいずれかの排水中のフッ素イオンの除去剤。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載したフッ素イオンの除去剤を、フッ素を含有する酸性の排水に接触させ、排水中のフッ素を除去することからなる排水中のフッ素イオンの除去方法。
【請求項8】
フッ素を含有する酸性の排水に、まず消石灰を接触させてフッ素イオンの一部を除去し、このフッ素イオンの濃度が減少した排水に、請求項1ないし5のいずれかに記載したフッ素イオンの除去剤を接触させることからなる排水中のフッ素イオンの除去方法。
【請求項9】
請求項6に記載した粒径1mm以下のフッ素イオンの除去剤を使用して、排水中のフッ素イオンの濃度を0.8mg/L以下に低減することからなる排水中のフッ素イオンの除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−16120(P2011−16120A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164291(P2009−164291)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000160407)吉澤石灰工業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】