説明

排水栓装置

【課題】栓本体が排水口周縁に密着せず洗面台のボウル内の湯が抜けてしまうことのない排水栓装置を提供せんとするもので、栓本体を機械的に上下動作させることなく栓本体により排水口の開閉を行う排水栓装置を提供することをその課題とするものである。
【解決手段】支持軸4頭部に栓本体6を設けてなる排水栓装置において、栓本体6を膨縮自在体で構成すると共に、支持軸4に連結された空気管5の空気の圧送、排気により該栓本体6を膨大、収縮することにより、排水口2を閉鎖、開放せしめるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栓本体を機械的手段による上下動作をさせることなく排水口を開閉することができる排水栓装置に関するものである。さらに詳しくは、支持軸頭部に栓本体を設けてなる排水栓装置において、栓本体を膨縮自在体で構成すると共に、支持軸に連結された空気管の空気の圧送、排気により該栓本体を膨大、収縮することにより、排水口を閉鎖、開放せしめる排水栓装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から排水栓装置として、特許文献1に示す如く、機械的手段により栓本体を上下動作させ、洗面台、流し等の排水口を開閉する排水栓装置は知られている。この従来の排水栓装置は栓本体をレリースワイヤを介して上下動作させるものである。
【特許文献1】特開2005−133473号公報 (図1、要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の排水栓装置は栓本体を上下動作させるために特に下方動作による栓本体の排水口の閉鎖が充分でない場合があった。即ち、栓本体を下方動作させる場合、栓本体が傾く場合があり、栓本体が排水口周縁に密着せず洗面台のボウル内の湯が抜けてしまうことがあった。本発明は栓本体を上下動作させることなく栓本体により排水口の開閉を行う排水栓装置を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明に係る排水栓装置は、請求項1に記載した如く、支持軸頭部に栓本体を設けてなる排水栓装置において、栓本体を膨縮自在体で構成すると共に、支持軸に連結された空気管の空気の圧送、排気により該栓本体を膨大、収縮することにより、排水口を閉鎖、開放せしめるものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の排水栓装置は、排水口を閉鎖する場合は空気管を通じて空気を膨縮自在体である栓本体に圧送する。空気を圧送すると膨縮自在体である栓本体は膨大し排水口を閉鎖する。この場合、膨縮自在体がゴム弾性を有する材質で構成されていると弾性により排水口内面に膨縮自在体が密着し、排水口の閉鎖が確実に行われる。排水口を開放する場合は膨縮自在体である栓本体に圧送された空気を排気すると膨縮自在体は収縮し排水口より小さくなって排水口を開放することになる。
【0006】
このように、該排水栓装置では栓本体を膨縮自在体で構成すると共に支持軸に連結された空気管の空気の圧送、排気により該膨縮自在体を膨大、収縮せしめ、排水口を閉鎖、開放するために、栓本体を機械的に上下動作させる必要がなく排水口の閉鎖、開放を確実に行うことができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して、詳細に説明する。図1は本発明の排水栓装置の実施例を示す要部断面説明図、図2はヘアーキャッチャーの斜視図、図3は図1に示す実施例の要部拡大図、図4は図1に示す実施例の異なった状態を示す要部断面図である。図において、1は洗面台のボウル、2は排水口、3は排水口部材、4は支持軸、5は空気管、6は栓本体、7はヘアーキャッチャーである。
【0008】
図1に示すごとく、洗面台のボウル1は湯又は水を溜めて洗顔や手洗いを行いその後、排水口2より排水するものである。排水口部材3は排水口2を形成するもので、この排水口部材3内には頭部に膨縮自在体でなる栓本体6を設けた支持軸4が保持されている。支持軸4は下端に空気管5を接続している。7はヘアーキャッチャーで、髪の毛やゴミを捕捉するものであり、図2、図3に示すごとく中央に支持軸4を挿通保持する保持孔8を形成している。
【0009】
空気管5は一端を支持軸4に接続し、他端をポンプ9に接続している。この場合、空気管5が支持軸4を兼ねてもよい。栓本体6を形成する膨縮自在体は弾性を有し、空気の圧送により膨大し、空気の排気により収縮するもので、具体的にはゴム、プラスチック等で形成されるものである。栓本体6を構成する膨縮自在体が排気された状態では、図1に示すごとく、折りたたまれ収縮した状態になり排水口2の径より小さなものとなって排水がおこなわれる。
【0010】
ポンプ9より空気が圧送されると膨縮自在体は折りたたまれた状態から広がると共に弾性により膨大し、図4に示すごとく、排水口2を閉鎖する。ポンプ9からの空気の圧送は手動でもよく、動力を使用しても良い。図1の点線は膨大した膨大栓本体10を示したものである。この排水栓装置は栓本体6を機械的に上下動させて排水口2を開閉するのではないため、排水口2を確実に開閉できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる排水栓装置の要部断面説明図。
【図2】図1に示す実施例に用いたヘアーキャッチャーの斜視図。
【図3】図1に示す実施例の要部拡大図。
【図4】図1に示す実施例の異なった状態の要部断面説明図。
【符号の説明】
【0012】
1 ボウル
2 排水口
3 排水口部材
4 支持軸
5 空気管
6 栓本体
7 ヘアーキャッチャー
8 保持孔
9 ポンプ
10 膨大栓本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持軸頭部に栓本体を設けてなる排水栓装置において、栓本体を膨縮自在体で構成すると共に、支持軸に連結された空気管の空気の圧送、排気により該栓本体を膨大、収縮することにより、排水口を閉鎖、開放せしめる排水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−255127(P2007−255127A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83134(P2006−83134)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】