説明

排水溝及びその施工方法

【課題】 従来と比べ型枠工程を省くことができトータルコストを軽減できると共に、作業性が極めて良く、U字形排水溝ブロック周辺の雑草の繁茂を防止して雑草の下払い作業を軽減できる排水溝及びその施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して防草用プレートを一体的に接合するようにした排水溝であり、床掘を形成する工程と、床掘内にU字形排水溝ブロック本体を設置する工程と、前記床掘とU字形排水溝ブロック本体側面との隙間に土砂を埋め戻して転圧する工程と、U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して一定幅の防草用プレートを一体的に接合する工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば法面の上方斜面と下方斜面との間の水平面に設置する排水溝及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば図5に示すように、U字形排水溝ブロック本体21の上方長手方向内面に木材等の板22、22を梁23を介して固定し、その両側外方の一定幅にコンクリートやアスファルト24、25を打設するようにしている。
【0003】
しかしながら、この施工方法によると木材等の板22、22と梁23などの型枠を必要とするためトータルコストが高くなり、また板22、22と梁23の型枠の設置や取り外し等手間を要するため作業性が悪い。
【0004】
また、特開2004−339720号公報には、高速道路などの道路側部の法面に設けたU字状の排水溝ブロックを据えつけて排水路とし、排水溝ブロック両側の周辺部地面の一定幅を不陸調整し、排水溝ブロックの側壁の上面の内側端から排水溝ブロックの周辺部の不陸調整した一定幅の地面を防水シートとして塩化ビニールで被覆した防草及び洗掘防止用のシール方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、この発明においては、塩化ビニールシートであるため風でとばされたり、破れたりする欠点がある。また、いちいち塩化ビニールシートをアンカーピンでとめるため作業性が悪い。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記欠点を解消するものであり、従来と比べ型枠設置作業等を省くことができ、トータルコストを軽減できると共に作業性が極めて良く、U字形排水溝ブロック周辺の雑草の繁茂を防止して雑草の下払い作業を軽減できる排水溝及びその施工方法を提供するものである。
【課題を解決する手段】
【0007】
請求項1の発明は、U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して防草用プレートを一体的に接合したことを特徴とする排水溝を提供するものである。
【0008】
また、請求項2の発明は、床掘を形成する工程と、床掘内にU字形排水溝ブロック本体を設置する工程と、前記床掘とU字形排水溝ブロック本体側面との隙間に土砂を埋め戻して転圧する工程と、U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して一定幅の防草用プレートを一体的に接合する工程とからなる排水溝の施工方法を提供するものである。
【0009】
これらの発明においては、U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に防草用プレートを単に接合するだけの作業で済み、また上記従来例と比べ型枠設置作業を省くことができ、トータルコストを軽減できると共に作業性が極めて良く、さらにU字形排水溝ブロック周辺の雑草の繁茂を防止して雑草の下払い作業を軽減できる排水溝及びその施工方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1に示す如く、U字形排水溝ブロック本体1を法面の上方斜面2と下方斜面3との間の水平面に設置し、U字形排水溝ブロック本体1の上端部側壁に一定幅の防草用プレート4、5を一体的に打設するようにしている。
【0011】
即ち、図2及び図3に示す如く、前記U字形排水溝ブロック本体1の上端部側壁に勘合部6,6を介して防草用プレート4、5を一体的に打設する。
【0012】
図3に示す如く、これら勘合部6,6はL字型蹴込部7,7と防草用プレート4、5側に設けた凸部8をU字形排水溝ブロック本体1に設けた凹部9,9に勘合するように一体的に打設する。尚、防草用プレート4、5側に凹部を、U字形排水溝ブロック本体1側に凸部を設けても良い。
【0013】
前記U字形排水溝ブロック本体1の上方両端部に勘合部6,6を介して防草用プレート4、5を一体的に打設すると、上記勘合部6、6により排水溝ブロック本体1側面と防草用プレート4、5との間のずれにより隙間を生じさせることなく、したがってその隙間に土砂が侵入して草の根が張るのを防止できる。また、勘合部6,6は蹴込部7,7と凹凸部8,9で噛合っているので、打設する接合面積を広くすることにより接合強度を向上させることができる。
【0014】
次に、排水溝の施工方法について図4の作業図1〜5に基づき説明する。先ず、作業図1、2において、法面の上方斜面2と下方斜面3との間の水平面に床掘10を形成した後、床掘10内にU字形排水溝ブロック本体1を設置する。次に、作業図3において、前記床掘10とU字形排水溝ブロック本体1側面との隙間に土砂11を埋め戻して転圧する。そして、作業図4において、U字形排水溝ブロック本体1の上方両端部に勘合部6,6を介して接合するように一定幅の防草用プレート4,5を一体的に打設する。さらに、作業図5において、防草用プレート5の外方端と法面の上方斜面2との間に土砂12を転圧する。
【0015】
尚、上記実施形態では、防草用プレート4,5をU字形排水溝ブロック本体1の上端部側壁に勘合部6,6を介して打設するようにしているが、防草用プレート4,5を予め作成しておいて、それをU字形排水溝ブロック本体1の上端部側壁の勘合部6,6にモルタル充填等により接合してもよい。上記実施形態では、法面の上方斜面2と下方斜面3との間の水平面に設置した例を示したが、これに限らず、例えば田んぼの畔や通常の道路脇の溝等広い用途に応用できる。
【発明の効果】
【0016】
上記の如く本発明においては、従来と比べ型枠工程等が省けるので、トータルコストが軽減できると共に作業性が極めて良い。また、前記U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して防草用プレートを一体的に接合しているので、U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁と防草用プレートとの間に隙間を生じさせることなく、U字形排水溝ブロック周辺の雑草の繁茂を防止できて雑草の下払い作業を軽減できる効果がある。さらに、切欠部と勘合部は凹凸で噛合っているので、接合面積が広く接合強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を法面の上方斜面2と下方斜面3との間の水平面に設置した例を示す斜視図。
【図2】排水溝の側面図。
【図3】勘合部の拡大図。
【図4】施工方法を示す作業図。
【図5】従来の施工方法を示す説明図。
【符号の説明】
1 U字形排水溝ブロック本体
2 法面の上方斜面
3 法面の下方斜面
4、5 防草用プレート
6、6 勘合部
7,7 蹴込部
8,8 凸部
9,9 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して防草用プレートを一体的に接合したことを特徴とする排水溝。
【請求項2】
床掘を形成する工程と、床掘内にU字形排水溝ブロック本体を設置する工程と、前記床掘とU字形排水溝ブロック本体側面との隙間に土砂を埋め戻して転圧する工程と、U字形排水溝ブロック本体の上端部側壁に勘合部を介して一定幅の防草用プレートを一体的に接合する工程とからなる排水溝の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−77782(P2007−77782A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299380(P2005−299380)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(504384653)鹿児島共和コンクリート工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】