説明

排泄物粉砕接続管

【課題】確実にサイホン作用を生じ悪臭を遮断し、節水ができる排泄物粉砕排水接続管を提供する。
【解決手段】排水接続管は、本体上部1aと本体下部1bが接続されており、本体上部1aは、上部排水流路2が貯留部最低位部3a及び折返し点18に向って下降し、貯留部最低位部3a及び折返し点18より転換点16a及び転換点18aまで上昇流路となり転換点16a及び転換点18aから再び下降する上部再下降流路5となり下降している。折返し点18は転換点16aより低い位置で折返しており、上部排水流路2から上部再下降流路5に至るまでにサイホン作用を発生させるとともに、下流側の臭いが上がらない構造となっている。上部再下降流路5の真下にある下部本体1bの粉砕槽10において、複数枚の回転刃11が複数枚の固定刃12の間を回転しながら排泄物を粉砕する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排泄物粉砕接続管に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のトイレは、排泄物を4リットルから10リットル以上の水道水によって排水しているが、限りある水資源の中、飲料水を排水のために使用している現状では、断水もしくは水不足の時には水が足らず排泄物が排泄された状態の形、大きさであると配管の中に詰まることが予想されます。また洋式トイレの節水にも限界がありこれ以上の節水にも多額の開発費が予想されます。さらに配水管からの臭いはトイレのサイホン作用部分で水を溜め臭いを閉じ込めているのが現状です。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の事情を鑑みてなされたものであり、配水管からの異臭においては、配管の接続管自体に容易かつ確実にサイホン作用を生じ排水し、排泄物の詰りには、排泄物を粉砕することで、排泄物を必要最低限の水量で排水管に詰まることなく排泄することで大切な水を節水し、用途に応じてサイホン部分と排泄物を粉砕する部分を分けることでトイレ以外の洗面所、お風呂、流し台などにも使用でき、各メーカーのサイホン作用部分を削減することで製造コストを抑えることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題点を解決するために請求項1に記載の発明は、楕円筒状の接続管内を縦断面図の図2で説明すると、下降する排水流路が形成されており、上部排水流路2の下降面2a、下降面2bにおいて、上部側の下降面2aは一部変形したすり鉢状に湾曲した滞留部3を形成し、その中心点より少し下降面2aの上部側へ戻った部分が下降面2bの折返し点18とし上昇流路となる、上昇する下降面2a、下降面2bは、下降面2bの折返し点18の平行線上より少し上部まで下降面2aが上昇し転換点16aとなり排水流路が下降するとともに、下降面2bは下降面2aと排水口として一定の口径を維持したまま上昇から下降しサイホン作用を有し、下降した排水流路の口径は接続される配水管の口径と同形状とし、真下には排水流路の口径より大きく深い粉砕槽が形成されており、粉砕槽内部には回転する湾曲した複数の回転刃と、粉砕槽内部に湾曲固定された固定刃が複数枚配置され、固定刃は排泄物を受止めるよう湾曲し、回転刃は回転しながら固定刃に対して排泄物を包み込む状態に湾曲しており、真上から下降する排水流路からの排泄物を受止め、包み込むように潰す構造であり、粉砕槽には回転刃の回転軸より上部まで排水が溜まる構造で常に排泄物が水に浸っている状態で粉砕、回転軸はモーターで回転しているが、回転制御盤により制御されていることを要旨としている。
【0005】
請求項2に記載の発明は、排水接続管本体内部にある滞留部分は一部変形したすり鉢状で、上部より下降する下降面2a部分は傾斜角が緩やかに伸び、中心点が奥にずれ下降面が上昇部分側へ伸びているため、排泄物が奥の中心点へ誘導されることを要旨としている。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1、請求項2において、一部変形したすり鉢状の滞留部には水が溜まる構造であり、滞留部の下降面は上昇面側に中心点がずれ上昇するが、上昇面は下降面2bの鋭角に折れ、上昇流路となった折返し点18より平行線上より上部まで上昇し下降面と転じるが、上昇面が折返し点18より上部にあるため、水が溜まると排水口の悪臭を遮断し、サイホン作用を発生させることを要旨としている。
【0007】
請求項4に記載の発明は、粉砕槽内は回転軸より深い粉砕槽となっており、排泄物を受止めるよう上部側へ湾曲した複数枚の固定刃と、固定刃に対して排泄物を包み込むよう湾曲した複数枚の回転刃が収納配置されており、排泄物は粉砕槽内の排水に浸かり軟らかくなりさらに粉砕しやすくなることを要旨としている。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1、請求項4において、粉砕槽内に収納配置される互いに湾曲した複数枚の刃は、互いに排泄物を包み込み粉砕するが、排泄物以外に粉砕できないような硬い異物が流れてきた場合、回転軸に負荷が掛ると回転制御盤が回転を停止し、逆回転することで異物をかきだし詰まることなく排水することを要旨としている。
【0009】
請求項6に記載の発明は、排水接続管本体のサイホン作用を有する本体上部1a部分と、粉砕槽を有する本体下部1b部分の排水路部分で本体を分離でき、使用用途によって上下を分離して使えることを要旨としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、粉砕排水接続管本体内部にサイホン作用を発生させる構造及び、排泄物を粉砕する粉砕槽を有し、用途によって別々に使えることによってトイレ本体、各流し台本体、お風呂本体内部にあるサイホン作用部分を簡素化することが可能となり製造コスト及び部品点数を削減し、トイレに使用する場合にあっては本体のサイホン作用部分と粉砕槽を使用することで、現在主流の排水4リットル台を大きく下回り、詰まることなく排水でき、床下に設置することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】粉砕排水接続管本体図
【図2】粉砕排水接続管本体A−A´縦断面図
【図3】粉砕排水接続管本体B−B´横断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に沿って説明する。
【実施例】
【0013】
図1、図2に示すように楕円筒状の本体1は、外部排水管4の管径よりも大きく、本体上部1a、本体下部1bが密着部8の部分で結合されており、上部内部の上部再下降流路5と下部排水流路9の取付け方向が上下の排水流路が同じ位置でずれないために本体上部凸部6は、本体下部凹部7によって互いがはまるように凹凸ができている。また凸部6と凸部6の間隔が狭い状態の不定間隔でできているため楕円であっても上下の排水流路が同じ位置に来るようになっている。
【0014】
本体下部1bは内部に回転刃11が回転軸11aに配置されており、回転刃11を回転させるための動力としてモーター14が配置されている。モーター14は壊れても取替えが出来るよう本体下部1bの外側に配置されている。
【0015】
図2に示すように本体1内部には上部排水流路2が形成されており、さらに縦断面図で説明すると、上部排水流路2は下降するにあたり左右の下降面で形成されており、右側の面を下降面2aとし、左側の面を下降面2bとする。下降面2aは一部すり鉢状に変形した貯留部3を形成しており、貯留部分の形状は、上部から穏やかな傾斜角度で下降する第1下降面17で、上部流路転換点16まで下降する。上部流路転換点16は貯留部3の貯留部最低位部3aでもあり、転換点16まで下降していた第1下降面17は転換点16で、第1下降面17よりも傾斜角度が強い第1上昇面17aとなり上昇流路に転換し上昇する。上昇した下降面2aは第1下降面17の約5分の1程度と距離が短く、転換点16aで第2下降面17bとなり再下降する。貯留部3には水が貯留するようになっているが、水位13は貯留水の最高水位が転換点16a部分となる。
【0016】
一部変形したすり鉢状の貯留部3は上記により、第1下降面17が第1上昇面17aより長く形成しているため、貯留部3の中心点にあたる貯留部最低位部3aが第1上昇面17a側にずれ、排泄物がより奥へ流れつき、少量の排水圧力で第1上昇面17aより排泄物は押流されるように形成されている。
【0017】
上部排水流路2には一部変形したすり鉢状の下降面2aと下降面2bで排水流路が形成されており、上記記載の下降面2aとは異なる下降面2bがある。下降面2bはサイホン作用を発生させるため、貯留部3へ向い下降する第1下降面19が、下降面2aの転換点16aの高さよりも下降面2a側に下降したところで鋭角に折返す、折返し点18となり第1上昇面19aとなり第1上昇面17aと排水流路を形成し転換点18aまで上昇し第2下降面19bとなり下降する第2下降面19bと第2下降面17bにより上部再下降流路5が形成されている。
【0018】
折返し点18は水位13より水の中に入っているため、水が排水されることでサイホン作用が発生する構造であるとともに、貯留部3に溜まっている水によって排水口からの悪臭を遮断している。
【0019】
下降面2aの転換点16aと下降面2bの転換点18aより共に下降する上部再下降流路5となり、下部排水流路9へと繋がり、下降面2aは下降途中より配水流路を広げるために大きく湾曲し、垂直に下降する構造となり、本体下部1bの下部出口21まで下部排水流路9となる。
【0020】
本体下部1bより上部から流れてくる排泄物は本体下部1bで粉砕するため、前記に記載されている共に下降する上部再下降流路5の真下に流路5よりおおよそ2倍程度大きい粉砕槽10が下降面2b側に設置されている。
【0021】
粉砕槽10内には排泄物を粉砕するための回転刃11と固定刃12が配置され、さらに粉砕槽10内に固定されている固定刃は、上部から流れ落ちてくる排泄物を受止める形に湾曲しており、回転する回転刃11には複数枚の湾曲した回転刃11が回転軸11aに設置されている。回転刃11における刃形状は固定刃12が排泄物を受止める形に湾曲し形成されているのに対し、回転刃11は固定刃12に覆いかぶさるように排泄物を包み込む形状に湾曲し排泄物をより確実に捕捉し粉砕する。
【0022】
さらに粉砕槽10内には水が回転軸11aの上部の水位13aまで溜まることで、排泄物が水に浸かりさらに軟らかくなり粉砕しやすい状態となる。
【0023】
粉砕槽10内の形状は回転刃11が収納配置できる大きさであり、第2下降面19bが粉砕槽10の底部10aまで下降し底部10aより第2上昇面19cとなり回転軸11aより上部まで上昇し折返し点20で第3下降面19dとなり下部出口21までの下部排水流路9となる。
【0024】
下部出口21はオス型形状となっておりの床下に収納配置されている排水管径と同径であり配管に差し込み装着でき、床下に収納配置ができる。
【0025】
図3に示すように本体下部1b内部にある下部排水流路9は本体上部1aに接続される外部配管の配管径と同等の口径となっている。
【0026】
粉砕槽10は下部排水流路9の口径より大きく形成されており、下部排水流路9の口径部分が回転刃11と固定刃12の真上に位置することで排泄物が真下に落ち、回転刃11と固定刃12が確実に排泄物を包み込んで粉砕する。さらに異物が上部より粉砕槽内に到着しても固定刃12部分で止まり、回転刃11が回転し異物を粉砕しようとした場合、モーター14に一定の負荷が掛ると回転軸11aに連動しているモーター14と動力制御装置15が回転を止め、回転刃11の正規回転方向とは逆に回転し異物を掻き出す。
【0027】
本体をトイレの配水管の一部として使用した場合、本体下部1bには動力制御装置15に人感センサー22が連動しておりトイレ使用した場合、便座に着座したところで人感センサー22が感知し、動力制御装置15により回転刃11をゆっくり回転させ、使用後は徐々に速度が上がり数分間回転し排泄物を細かく粉砕する。
【0028】
図2に示すように本体1をトイレ以外に使用する場合は、本体下部1bを外して本体上部1aのみ使用することができ、その場合、上部再下降流路5が排水管23に接続できる。
【0029】
外部排水管4より、本体上部1aに接続するときは、市販されているゴムパッキン25を本体上部入口26に差込、外部排水管4と接続する。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は排水接続管に利用可能
【符号の説明】
【0031】
1…本体、1a…本体上部、1b…本体下部、2…上部排水流路、3…貯留部、9…下部排水流路、10…粉砕槽、11…回転刃、12…固定刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕排水接続管本体において、楕円筒状の本体内部は、排水流路として下降面2aと下降面2bが形成され、上部から下部へ排水方向が決まっており、
上部から下部へ向い一部変形したすり鉢状に湾曲し、水を溜める滞留部を形成する排水流路下降面側2aと、
排水流路の上部より下降する下降面2bは下降面2aの滞留部の中心点より下降面2a側へ下降流路を延長し、下降面側2aと一定の距離を保ったまま鋭角に折れ上昇流路となり、下降面2aとの距離を保ったまま下降面2bは上昇し、
すり鉢状滞留部の下降面2aの上昇部分は、前記鋭角に折れ上昇流路となった下降面2bの鋭角部分より上部へ上昇しサイホン作用を有し、下降面2a、下降面2bは一定の距離を保ち排水路となり垂直に下降し、下降した真下に下降面2bは排水路の口径より広い粉砕槽を形成し、槽内に回転する複数枚の湾曲した回転刃が配置され、回転軸より上部まで水が溜まる構造で、前記垂直に下降してきた下降面2bには粉砕槽内に湾曲した固定刃が複数枚配置され、粉砕槽からの下降する下降面2bは粉砕槽に沿って下降し排水接続口となり、
下降面2aは前記垂直に降下する排水流路途中より排水流路を拡大するため大きく曲がり下降面2bから離れ、粉砕槽と大きく曲がった部分で排水流路を確保するため内径いっぱいに広がり下降するとし、排水接続口となり、他の接続口と接続でき、
本体外部には回転刃を回転させるため粉砕排水接続管本体外部にモーターと回転制御盤を備えることにより構成されていることを特徴とする粉砕排水接続管本体である。
【請求項2】
請求項1において、粉砕排水接続管本体内部にある滞留部は一部変形したすり鉢状で、下降部分が緩やかに中心点より上昇部分側へ入り込む構造であり、排泄物がより中心点より奥へ誘導されることを特徴とする粉砕排水接続管本体である。
【請求項3】
請求項1、請求項2において、滞留部分には水が溜まる構造であり、滞留部の上部には鋭角に折れ上昇流路となった下降面2bが滞留部分の水の中まで入る構造であるためサイホン作用を発生し、滞留部分に溜まる水で悪臭を遮断することを特徴とする粉砕排水接続管本体である。
【請求項4】
請求項1において、粉砕槽内には湾曲した複数枚固定された固定刃と、湾曲した複数枚の回転刃が収納配置されており、粉砕槽は回転刃の回転軸より深く、排泄物が溜まった水に浸かる状態になることを特徴とする粉砕排水接続管本体である。
【請求項5】
請求項1、請求項4において、粉砕槽内の固定刃と回転刃は回転する両刃の間に排泄物を包み込む形状に湾曲し排泄物を粉砕するが、排泄物以外の硬い異物が流れてきた場合でも回転軸に負荷が掛った場合、回転制御盤が回転を停止し、逆回転で異物をかきだし、詰まらず排水することを特徴とする粉砕排水接続管本体である。
【請求項6】
請求項1乃至5において、サイホン作用を有する部分と粉砕槽を有する部分で本体を分離できることを特徴とする粉砕排水接続管本体である。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の粉砕排水接続管本体である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−24023(P2013−24023A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172354(P2011−172354)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(510272377)
【Fターム(参考)】