排泥再生処理装置および処理方法
【課題】より簡明な機構によって、排泥を槽内に入れた状態で水分分離を行うとともに、目標強度・適用条件に応じた流動性改良土を確実に製造できるようにする。
【解決手段】上部開口した混合槽6およびバックホウ15を備え、混合槽内に投入した排泥を、該排泥から泥水を分離して泥水を除去可能にしたり、バックホウ15を介した操作により混合槽外から槽内の排泥および添加材を混合する排泥再生処理装置において、前記混合槽6は、槽内を第1槽6aおよび第2槽6bに仕切部13を介して区画しているとともに、前記仕切部13を各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成していることを特徴とする。
【解決手段】上部開口した混合槽6およびバックホウ15を備え、混合槽内に投入した排泥を、該排泥から泥水を分離して泥水を除去可能にしたり、バックホウ15を介した操作により混合槽外から槽内の排泥および添加材を混合する排泥再生処理装置において、前記混合槽6は、槽内を第1槽6aおよび第2槽6bに仕切部13を介して区画しているとともに、前記仕切部13を各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場などで発生する排泥を、該排泥から目標強度や適用条件に応じた流動性改良土に製造する上で好適な排泥再生処理装置および処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤改良や建設現場などで発生する排泥は、そのまま廃棄するか、或いは水分を脱水除去した上で建設残土として産廃処理する場合と、特許文献1や2に例示される処理方法などにより対象の排泥に固化材などを添加して強度を増した流動性改良土として利用する場合もある。
【0003】
例えば、特許文献1の処理方法では、粘土系残土又は解泥された泥土を対象として、縦型の混練槽を用いて、残土などを上側シュートから投入し、セメントなどの固化材を混練槽内の攪拌軸を通じて供給し、槽下部に達する迄に混合してプレミックス材に処理する。
【0004】
特許文献2の処理方法では、泥水製造部と運搬車(打設部)との間に供給配管を配置し、該供給配管の吐出側に混練器(スタテックミキサ)および該混練器の手前側の配管内に接続された導入部を有しており、泥水製造部の泥水をポンプを介し供給配管を通じて圧送し、同時に、セメントなどの固化材を導入部から配管内に圧送して、泥水と共に混練器を介して連続的に混合しながら、運搬車(打設部)へ吐出する。
【0005】
【特許文献1】特許第3150453号公報
【特許文献2】特許第3605709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近は、建設汚泥(排泥を含む)を積極的に改良土として利用するため、その品質区分を厳正な値に規定した建設汚泥処理土利用技術基準が国土交通省から提示されていることも加わり、該基準をより効率よく満足できる再生処理構成が望まれている。これは、例えば、特許文献1や2のような従来構成だと、以上の基準を満たす上で次のようなことが問題となるためである。
【0007】
すなわち、特許文献1や2の構成では、縦型混練槽が回転駆動される攪拌翼で混合したり、供給配管に接続された混練器で連続して混合するため安定した稼働を維持しにくく、しかも処理量が多くなると製造される改良土の性状がばらつきやすくなる。この原因は、処理対象の排泥として、杭造成を伴う地盤改良で発生するものを想定すると、貫入時に発生する排泥は水分量が多く 、杭造成時に発生する排泥はセメントなどの添加材を含むため粘性が高くなる、つまり排泥の性状が大きく異なることが多く、しかも排泥中には石やガラなどが点在する場合も多く、攪拌翼やスタテックミキサなどの混合機構だと故障しやくメンテナンスに苦労し稼動率も悪くなるからである。
【0008】
本発明の目的は、以上のような課題を解決して、より簡明な機構によって、排泥を槽内に入れた状態で水分分離を行うとともに、目標強度・適用条件に応じた流動性改良土を確実に製造でき、また、機構を簡明化することで故障の虞を解消した排泥再生処理装置および処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1の本発明は、上部開口した混合槽およびバックホウを備え、前記混合槽内に投入した排泥を、該排泥から泥水を分離して泥水を除去可能にしたり、前記バックホウを介した操作により前記混合槽外から槽内の排泥および添加材を混合する排泥再生処理装置において、前記混合槽は、槽内を第1槽および第2槽に仕切部を介して区画しているとともに、前記仕切部を前記各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成していることを特徴としている。
【0010】
なお、以上の本発明において、「排泥」とは、自然沈降により比重の小さな泥水側および比重の大きな泥土側に分離可能な泥状物で、建設汚泥処理土利用技術基準(国土交通省)で規定している「建設汚泥」を含む。また、泥土や泥水には、土および水以外に砂、小石、ガラなどが常識的な範囲で含まれていることは勿論である。
【0011】
上記した本発明の排泥再生処理装置は次のように具体化されることがより好ましい。
(ア)、前記混合槽の対向した両内側に取り付けられて、前記仕切部の頂部上に沿ってそれぞれ突出し、かつ、対向する突出端同士の隙間を介して前記第1槽と第2槽とを連通している左右の弾性板を有していることである(請求項2)。
(イ)、前記混合槽の上部開口縁に突設されて槽内に張り出しているフランジ部と、前記槽内の底面側から立ち上がった板部とをオーバハング状に接合している飛散防止板を有していることである(請求項3)。
(ウ)、前記混合槽の一側部に配設されて、前記混合槽から取り出した排泥のうち、比重の大きな泥土の一部と添加材とを連続的に予備混合するとともに、予備混合物として前記混合槽内へ環流する補助ミキサーを備えていることである(請求項4)。
【0012】
これに対し、請求項5の本発明方法は、地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、請求項1から3の何れかに記載の排泥再生処理装置を使用して、前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、(予め得られている添加材の混合量と土強度との関係に基づき)前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、前記混合槽内で前記泥土の総量と前記添加材の総量とを前記バックホウにより所定の混合度まで混ぜる混合工程とを経ることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6の本発明方法は、地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、請求項4に記載の排泥再生処理装置を使用して、前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、(予め得られている添加材の混合量と土強度との関係に基づき)前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、前記補助ミキサーの駆動により前記混合槽から移した泥土の一部と前記添加材とを連続的に予備混合しつつ、前記混合槽内に戻す動作を、前記算出された添加材の総量になるまで繰り返す予備混合工程と、前記混合槽内で前記予備混合物を前記バックホウにより所定の混合度まで増し練りする本混合工程とを経ることを特徴としている。
【0014】
なお、請求項5と6の算出工程において、泥土の総量は、例えば、第1槽内や第2槽内に底面から上に向かって、容量目盛を付しておき、該目盛を計測して各槽内に溜まっている泥土量を合算して求める方法、重量計を使用して混合槽と各槽内に溜まっている泥土量との総重量から混合槽分の重量を減じて求める方法の何れでもよい。また、前者では、泥土の総容量と当該泥土の平均的な密度から槽内泥土の総重量に換算することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、混合槽が第1槽および第2槽を有し、かつ両槽の仕切部の形状を工夫することにより、槽内の排泥について、槽外のバックホウの操作により第1槽内から第2槽内へすくって移しやすく、しかもその第1槽内から第2槽内へすくって移す動きに伴って、第2槽内に排泥から泥土だけを溜め、第1槽内に泥水を主として溜めるようにして泥土と泥水とに分離し、該泥水を第1槽内に集めて槽外へ除去しやすくする。これにより、本発明装置は、投入した排泥から泥土だけを槽内に残し、該泥土に応じた添加材を加えて、バックホウの操作により効率よく混合し、かつ故障の虞もなく設計通りの流動性改良土を確実に製造可能にする。
【0016】
請求項2の発明では、バックホウの操作により、排泥を第1槽から第2槽にすくって移したり、各槽内の泥土と添加材とをすくって再び落下して戻す動きを伴って混合するときに、バックホウ(のバケット)の最も当たりやすい箇所を弾性板で構成することにより装置の破損を未然に防止できる。加えて、この構成では、例えば、バックホウ(のバケット)を、両槽の間で移動操作するときに弾性板同士の間の隙間を目安にして動かしたり、排泥又は泥土および添加材をすくったり−落下する混合操作を繰り返すときに弾性板同士の間の隙間を目安にして最適な位置に落下可能にする。
【0017】
請求項3の発明では、例えば、バックホウの操作により第1槽の排泥をすくって第2槽に移すときに、排泥などが落下衝撃などに伴うリバウンドや飛沫によって槽縁側からはみ出ようとしても、ハーバハング状の飛散防止板により槽外への飛散を阻止し、それによって再利用率を上げたり混合槽付近の環境を維持できるようにする。
【0018】
請求項4の発明では、補助ミキサーを備えることで、請求項6の処理方法を可能にし、それによって泥土と添加材とをより効率よく、かつ均一に混合できる。
【0019】
請求項5の発明では、請求項1〜3の排泥再生処理装置を使用して、既存のバックホウによる操作により、第1槽に投入された排泥について、泥水を分離可能にし、泥水と分離された泥土の総量の把握それに基づいて算出された添加材の総量とを混合するため、機械的な故障が生じにくく、安定した性状で均一な品質を具備した流動性改良土を製造できる。換言すると、本発明方法は、混合槽およびバックホウを使用して、排泥中、泥土だけを効率よく分離使用すること、添加材の総量(総添加量)を該泥土の総量に応じて算出すること、バックホウが排泥の移送手段と混合手段とを兼ねていること(更に第1槽に溜まる泥水を槽外へ除去する泥水の移送手段としても兼用可能である)により、特許文献1や2のような混合機構部に生じやすい故障をなくし、性状のばらつきをより抑えて高品質の流動性改良土を製造できる。
【0020】
請求項6の発明では、請求項5の作用効果に加え、補助ミキサーによって泥土と添加材とをより効率よく、かつ均一に混合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な形態例について添付図面を参照して説明する。この説明では、全体の概要、排泥再生処理装置およびそれを用いた処理方法の順に詳述する。
【0022】
(概要)図1は本発明装置および処理方法の適用例として、地盤改良工法で発生した排泥を処理対象とし該地盤改良の関連設備を含めた全体のプラント構成を模式的に示したものである。同図において、符号1は地盤改良対象域の地表部に設置された杭造成用地盤貫入装置、符号2はセメントミルクなどを製造するスラリープラントである。
【0023】
地盤貫入装置1は、細部を省略しているが、従来と同様にベースマシンと、ベースマシンの先端側に立設された鉛直ガイドと、鉛直ガイドに沿って昇降可能な駆動ヘッドおよびスイベルジョイントと、該駆動ヘッドに回転可能に連結されて下部に攪拌翼を付設している回転軸などを備えている。これに対し、スラリープラント2では、例えば、サイロから供給されるセメントおよび水道から供給される水(清水)などからセメントミルクを製造し、該セメントミルクがポンプなどを介してスイベルジョイントから回転軸内に配管されている供給管へ圧送され、回転軸の下端側や攪拌翼側に設けられた吐出口を通じて地中に噴出される。噴射後は、攪拌翼で原位置土と混合されることにより改良杭として造成される。なお、スラリープラント2には、後述する処理対象の排泥から回収された水が掘削水として貯槽8に貯留されており、該掘削水が回転軸を地中に貫入する過程でポンプなどを介してスイベルジョイントから回転軸内の供給管へ圧送されて地中に噴出されるようになっている。
【0024】
以上の地盤改良対象域において、地表側には、杭造成部の近傍にいわゆる釜揚と称される排泥貯留ピット3が造成されており、杭造成に伴って湧出する排泥がその貯留ピット3に一時貯留される。この排泥は、回転軸の貫入中は含水比が高く流動性もよいが、杭造成中はセメントが混ざって粘性が上がる。このため、貯留ピット3の排泥は、バックホウ4によりダンプトラック5などに受渡されて、施工現場敷地内に設置された本発明装置の主要部であるミキシング槽6まで運搬され、該ミキシング槽6内で排泥中の水分量を低下させた上で、添加材の所定量と混合・攪拌することで、改良土として製造される。
【0025】
なお、添加材としては、改良土の用途や要求される強度に応じ選定され、通常、次に挙げるようなものが用いられる。(a)セメントや石灰である。これらは地盤改良用のスラリー材料、盛土材、橋脚基礎の裏込め材、路床材料などのように高強度を要求される材料である。(b)PH調整剤、古紙、植物種子、無機・有機肥料である。これらは緑地に撒き出される表土などのように、特に強度を要求されない緑化などの土壌改良用材料である。
【0026】
ミキシング槽6では、後述するように投入された排泥を泥土と泥水とに分離可能にし、槽内に溜まった泥土に添加材を混合して目標の改良土として製造する。ミキシング槽6で分離された泥水は、バックホウや後述する回収装置31などによって脱水装置7に移され、凝集剤液を使用してさらに水分と泥土に分離される。脱水装置7で生成された泥土はミキシング槽6に戻され、改良土の製造に用いられる。脱水装置7で分離された水分の一部は、水中ポンプなどによってスラリープラント2内の貯槽8に供給され、前述した掘削水として使用される。余分な水は、排水分級されるとともに、必要に応じてPH処理により完全無害化した上で、河川などに放流される。
【0027】
(排泥再生処理装置)図2は本発明装置の主要部を模式的に示している。この排泥再生処理装置は、改良土製造用のミキシング槽6が主体となり、移送および混合手段用のバックホウ15と、予備混合用の補助ミキサー18と、ミキシング槽6内で分離した泥水を回収する回収装置31を吊り下げる第2のバックホウ30などを備えている。
【0028】
このうち、ミキシング槽6は、鋼板材の組み合わせによって作製され、上部開口した長方形の箱形容器となっているとともに、槽内が中間の仕切部13を介して第1槽6aおよび第2槽6bとに区画されている。また、第1槽6aと第2槽6bは、ほぼ同じ大きさであり、少なくとも、槽間の仕切部13が各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成されている。つまり、各槽6a,6bは、底面が概略円弧状に形成されているとともに、仕切部13が両側の円弧状の立ち上がり部によって断面山形ないしは断面略三角形となっている。この構成は、図8の模式図から推察されるように、バックホウ15のバケットを各槽の内面に沿って移動して排泥などをバケット内にすくいやすくなるよう工夫された形状である。
【0029】
換言すると、各槽6a,6bは、前後の内側面が湾曲状であり、両側の内側面が垂直面となっている。そして、各槽6a,6bのうち、図2の手前側の垂直面には底面から上に向かって、容量目盛(不図示)が付されている。このため、この槽構造では、各槽6a,6b内に溜まっている排泥量や泥土量が前記容量目盛を見ることで分かるようになっている。また、ミキシング槽6内の対向した側面には弾性板14がそれぞれ取り付けられている。両側の弾性板14は、槽間の仕切部13の頂部上に沿ってそれぞれ突出しているとともに、対向する突出端同士の隙間を介して第1槽6aと第2槽6bとを連通している。前記隙間は、バックホウ15のバケットが余裕を持って通過可能な大きさに設定され、仕切部13の頂部の対応部を露出している。該隙間は、例えば、バックホウ15がそのバケットを介し第1槽6aの排泥をすくい上げて第2槽6bに移したり、仕切部13の頂部に落とし込んで泥土と添加材を効率よく混ぜる上で有用となる箇所である。
【0030】
また、第1槽6aの前端部には、ヒンジを介して取付けられ、かつ油圧シリンダ10によって開閉される側板兼用の扉11が設けられている。そして、第1槽6aは、扉11が開にされた状態で、スロープ材12が扉11の端面側に接合され、それにより上記したダンプトラック5がバックでスロープ材12上を移動して、その積荷である排泥を第1槽6a内に投入可能となる。
【0031】
さらに、ミキシング槽6の上部開口縁には、図3に示したように、折返しにより内側に向くフランジ部16が形成されているとともに、各槽6a,6bを構成している湾曲状鋼板17の上部とフランジ部16との間に飛散防止板17aが設けられている。飛散防止板17aは、鋼板17とフランジ16とに溶接などにより接合され、斜め下方に向けてオーバハング状に湾曲されていて、例えば、バックホウ15の混合攪拌作業などに伴う排泥や泥土のリバウンドによる、槽外への材料拡散を未然に阻止可能にする。
【0032】
ミキシング槽6の長手方向に沿った一側部には補助ミキサー18が配設されている。この補助ミキサー18は、排泥から分離された泥土と添加材の予備混合を行うもので、図4および図5に示されるごとく、ハウジング22が上部に連結した泥土受入用ホッパー19と、上側面部に連結した添加材用供給部20と、下側面部に連結した出口部21と、下側で長手方向に配置されて、周囲に複数の攪拌翼23およびスクリュ24を装着した回転軸25と、回転軸25をチェーン26およびスプロケット27などを介して回転させるモータ28とを備え、出口部21が第2槽6b内に位置するよう設置されている。
【0033】
上記回収装置31は、図6と図7に示したように、環状フロート32と、該フロート32の外周を覆うフレーム33と、フレーム33から上へ突設された複数本の上支持フレーム34を介して連結保持されている設置プレート35と、フレーム33から下へ突設された複数本の下支持フレーム36と、各下支持フレーム36の下部同士の間とその底面に張設された所定メッシュの金網などからなるスクリーン37と、設置プレート35の上下を移動可能に貫通する吸引パイプ38の下端に接続され、スクリーン37内に配置された水中ポンプ39と、設置プレート35上に配置された1対のバイブレータ40などから概略構成されている。
【0034】
吸引パイプ38は、上部が上記した第2のバックホウ30にワイヤ41を介して吊り下げられているとともに、吸引パイプ38の上端に設けたエルボ42およびホース43を介して前述する脱水装置8に接続している。符号44は、バイブレータ30および水中ポンプ39の電源コードである。該コード44は、ワイヤ41に絡げて、バックホウ30の操縦席側まで延長されている。
【0035】
以上の回収装置31は、第1槽6aの泥水中に投入すれば、上側がフロート32を介して液面近くに浮んだ状態で、水中ポンプ39が泥水に浸漬されており、バイプレータ40を駆動することにより、図7の破線で示すように、回収装置31の周囲が容易に液状化し、スクリーン37を通過する泥水中の水分のみが水中ポンプ39に吸引され、ホース43を通じて吸引除去されることになる。
【0036】
(排泥再生処理方法)次に、以上の排泥再生処理装置を用いて、上記した排泥から所定品質の改良土を製造する手順について述べる。この排泥再生処理方法では、補助ミキサー18を使用する態様と使用しない態様とに大別される。すなわち、補助ミキサー18を使用しないときは、排泥を第1槽6a側に投入する排泥投入工程と、第1槽6a内の排泥をバックホウ15により第2槽6bに移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽6bに多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽6aに溜めるとともに、第1槽6aで上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を回収装置31などで槽外へ除去する泥水除去工程と、各槽6a,6bに残った泥土の総量を計測して泥土の総量に応じた添加材の総量を算出する算出工程と、前記泥土の総量と前記添加材の総量とをバックホウ15により目標の混合度まで混ぜる混合工程とを経る。
【0037】
これに対し、補助ミキサー18を使用するときは、前記した排泥投入工程と、泥水除去工程と、算出工程までが同じく、その次に補助ミキサー18の駆動により混合槽6から移した泥土の一部と前記添加材とを連続的に予備混合しつつ、混合槽6内に戻す動作を、前記算出された添加材の総量になるまで繰り返す予備混合工程と、混合槽6内で前記予備混合物をバックホウ15により目標の混合度まで増し練りする本混合工程とを経る。
【0038】
以下、以上の各工程を図8と図9を参照しながら操作要領について明らかにする。先ず、図8(a)は排泥投入工程を示している。この工程では、ミキシング槽6が空状態であることを確認し、扉11の手前にスロープ材12を敷設し、扉11をシリンダ10を介して開いてスロープ材12の上端に支持した後、排泥を積載したダンプトラック5をスロープ12上をバックさせ、その荷台を傾けて、排泥を第1槽6a内に投入する。この操作は、第1槽6a内の排泥が決められた容量になるまで繰返される。最後に、スロープ材12が撤去され、扉11がシリンダ10を介して閉じられる。
【0039】
図8(b)と(c)は泥水除去工程を示している。この工程では、バックホウ15を駆動操作して、第1槽6aの排泥をバックホウのバケットですくって第2槽6bに移しながら、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽6bに多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽6a側に溜めるようにする。その後、第1槽6a内において、沈降現象により上層の泥水と下層の泥土とに分離するのを待ってから、図8(c)のごとく第2のバックホウ30を駆動して回収装置31を第1槽6a内の泥水の中に投入し、そのバイブレータ40を駆動するとともに、水中ポンプ39を駆動することによって上層の泥水を図1の脱水装置7側へ排出除去する。これにより、各槽6a,6bには泥土だけが残る。
【0040】
次の算出工程では、各槽6a,6bに残った泥土の総量が計測され、添加材の必要量がそれに応じて算出される。まず、泥土の総量は、各槽6a,6bの内側面に付された容量目盛で読みとり、それを合算することで算出される。この場合、各槽6a,6bの泥土が少ないときは、測定誤差を抑えるため、図8(d)に示したように第1槽6aの泥土を第2槽6bに移し、第2槽6b側の容量目盛りで読みとることが好ましい。そして、添加材の投入総量(添加量)は、例えば、添加材がセメントの場合だと、予め当該排泥から分離される泥土を模擬した泥土を用いた事前配合試験により図10に示すようなグラフを作成しておき、セメント添加量と固化強度との関係から、目標強度や適用条件に合わせた単位当りのセメント配合量を得てから、泥土の総量分に換算して求めることになる。
【0041】
補助ミキサー18を使用しないときは混合工程として、泥土の総量に応じた添加材の総量を各槽6a,6bの泥土又は槽6bの泥土に投入し、バックホウ15の操作により目標の混合度になるまで混ぜることになる。この操作では、例えば、バックホウ15を操作して第1槽6aや第2槽6b内から泥土および添加材をバックホウのバケットですくい上げて、上記した仕切部13の頂部に落し込むようにすることが好ましい。
【0042】
補助ミキサー18を使用するときは予後混合工程として、図9(a)に示したようにバックホウ15により各槽6a,6bの泥土又は槽6bの泥土を補助ミキサー18のホッパ19に投入しつつ、添加材を上記したハウジング22内に供給することにより、予備混合されて第2槽6b内に吐出される。添加材を全て投入した後は本混合工程として、前記の混合工程と同様にバックホウ15の操作により目標の混合度になるまで混ぜることになる。
【0043】
次いで、図9(b)に示すように、製造された各槽6a,6b内の改良土は、バックホウ15によりダンプトラック5に移し替えられる。そして、図9(c)に示すようにダンプトラック5により目的の施工場所まで搬送されることになる。なお、製造された改良土の用途としては、添加材の種類に応じて、種々の用途に用いられるが、形態例のように地盤改良工法を行っている同一敷地内で再度スラリー材料として用いる場合は、添加材としてセメントなどを選択し、スラリーの原料の一部として図1のスラリープラント2で使用できる。それ以外にも、盛土材料、橋脚近傍の裏込め材や、路床材料など、近隣の工事区域の必要とされる材料として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】地盤改良工法で発生する排泥から改良土を製造するプラント例を示す図である。
【図2】排泥再生処理装置を示す要部の概略斜視図である。
【図3】図2のIII−III線における部分を拡大した断面斜視図である。
【図4】図2のA矢視における補助ミキサーの模式正面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う模式断面図である。
【図6】図2のB部を拡大して示す泥水用回収装置の概略斜視図である。
【図7】同回収装置の使用状態を示す模式断面図である。
【図8】(a)〜(d)は排泥再生処理方法の主な工程または手順を示す説明図である。
【図9】(a)〜(c)は図8に引続く主な工程または手順を示す説明図である。
【図10】セメントの添加量と固化強度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
1…地盤貫入装置
2…スラリープラント
4,15…バックホウ
6…ミキシング槽(混合槽に相当し、6aは第1槽、6bは第2槽)
13…仕切部
14…弾性板
17a…飛散防止板
18…補助ミキサー
31…泥水用回収装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場などで発生する排泥を、該排泥から目標強度や適用条件に応じた流動性改良土に製造する上で好適な排泥再生処理装置および処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤改良や建設現場などで発生する排泥は、そのまま廃棄するか、或いは水分を脱水除去した上で建設残土として産廃処理する場合と、特許文献1や2に例示される処理方法などにより対象の排泥に固化材などを添加して強度を増した流動性改良土として利用する場合もある。
【0003】
例えば、特許文献1の処理方法では、粘土系残土又は解泥された泥土を対象として、縦型の混練槽を用いて、残土などを上側シュートから投入し、セメントなどの固化材を混練槽内の攪拌軸を通じて供給し、槽下部に達する迄に混合してプレミックス材に処理する。
【0004】
特許文献2の処理方法では、泥水製造部と運搬車(打設部)との間に供給配管を配置し、該供給配管の吐出側に混練器(スタテックミキサ)および該混練器の手前側の配管内に接続された導入部を有しており、泥水製造部の泥水をポンプを介し供給配管を通じて圧送し、同時に、セメントなどの固化材を導入部から配管内に圧送して、泥水と共に混練器を介して連続的に混合しながら、運搬車(打設部)へ吐出する。
【0005】
【特許文献1】特許第3150453号公報
【特許文献2】特許第3605709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近は、建設汚泥(排泥を含む)を積極的に改良土として利用するため、その品質区分を厳正な値に規定した建設汚泥処理土利用技術基準が国土交通省から提示されていることも加わり、該基準をより効率よく満足できる再生処理構成が望まれている。これは、例えば、特許文献1や2のような従来構成だと、以上の基準を満たす上で次のようなことが問題となるためである。
【0007】
すなわち、特許文献1や2の構成では、縦型混練槽が回転駆動される攪拌翼で混合したり、供給配管に接続された混練器で連続して混合するため安定した稼働を維持しにくく、しかも処理量が多くなると製造される改良土の性状がばらつきやすくなる。この原因は、処理対象の排泥として、杭造成を伴う地盤改良で発生するものを想定すると、貫入時に発生する排泥は水分量が多く 、杭造成時に発生する排泥はセメントなどの添加材を含むため粘性が高くなる、つまり排泥の性状が大きく異なることが多く、しかも排泥中には石やガラなどが点在する場合も多く、攪拌翼やスタテックミキサなどの混合機構だと故障しやくメンテナンスに苦労し稼動率も悪くなるからである。
【0008】
本発明の目的は、以上のような課題を解決して、より簡明な機構によって、排泥を槽内に入れた状態で水分分離を行うとともに、目標強度・適用条件に応じた流動性改良土を確実に製造でき、また、機構を簡明化することで故障の虞を解消した排泥再生処理装置および処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1の本発明は、上部開口した混合槽およびバックホウを備え、前記混合槽内に投入した排泥を、該排泥から泥水を分離して泥水を除去可能にしたり、前記バックホウを介した操作により前記混合槽外から槽内の排泥および添加材を混合する排泥再生処理装置において、前記混合槽は、槽内を第1槽および第2槽に仕切部を介して区画しているとともに、前記仕切部を前記各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成していることを特徴としている。
【0010】
なお、以上の本発明において、「排泥」とは、自然沈降により比重の小さな泥水側および比重の大きな泥土側に分離可能な泥状物で、建設汚泥処理土利用技術基準(国土交通省)で規定している「建設汚泥」を含む。また、泥土や泥水には、土および水以外に砂、小石、ガラなどが常識的な範囲で含まれていることは勿論である。
【0011】
上記した本発明の排泥再生処理装置は次のように具体化されることがより好ましい。
(ア)、前記混合槽の対向した両内側に取り付けられて、前記仕切部の頂部上に沿ってそれぞれ突出し、かつ、対向する突出端同士の隙間を介して前記第1槽と第2槽とを連通している左右の弾性板を有していることである(請求項2)。
(イ)、前記混合槽の上部開口縁に突設されて槽内に張り出しているフランジ部と、前記槽内の底面側から立ち上がった板部とをオーバハング状に接合している飛散防止板を有していることである(請求項3)。
(ウ)、前記混合槽の一側部に配設されて、前記混合槽から取り出した排泥のうち、比重の大きな泥土の一部と添加材とを連続的に予備混合するとともに、予備混合物として前記混合槽内へ環流する補助ミキサーを備えていることである(請求項4)。
【0012】
これに対し、請求項5の本発明方法は、地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、請求項1から3の何れかに記載の排泥再生処理装置を使用して、前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、(予め得られている添加材の混合量と土強度との関係に基づき)前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、前記混合槽内で前記泥土の総量と前記添加材の総量とを前記バックホウにより所定の混合度まで混ぜる混合工程とを経ることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6の本発明方法は、地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、請求項4に記載の排泥再生処理装置を使用して、前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、(予め得られている添加材の混合量と土強度との関係に基づき)前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、前記補助ミキサーの駆動により前記混合槽から移した泥土の一部と前記添加材とを連続的に予備混合しつつ、前記混合槽内に戻す動作を、前記算出された添加材の総量になるまで繰り返す予備混合工程と、前記混合槽内で前記予備混合物を前記バックホウにより所定の混合度まで増し練りする本混合工程とを経ることを特徴としている。
【0014】
なお、請求項5と6の算出工程において、泥土の総量は、例えば、第1槽内や第2槽内に底面から上に向かって、容量目盛を付しておき、該目盛を計測して各槽内に溜まっている泥土量を合算して求める方法、重量計を使用して混合槽と各槽内に溜まっている泥土量との総重量から混合槽分の重量を減じて求める方法の何れでもよい。また、前者では、泥土の総容量と当該泥土の平均的な密度から槽内泥土の総重量に換算することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、混合槽が第1槽および第2槽を有し、かつ両槽の仕切部の形状を工夫することにより、槽内の排泥について、槽外のバックホウの操作により第1槽内から第2槽内へすくって移しやすく、しかもその第1槽内から第2槽内へすくって移す動きに伴って、第2槽内に排泥から泥土だけを溜め、第1槽内に泥水を主として溜めるようにして泥土と泥水とに分離し、該泥水を第1槽内に集めて槽外へ除去しやすくする。これにより、本発明装置は、投入した排泥から泥土だけを槽内に残し、該泥土に応じた添加材を加えて、バックホウの操作により効率よく混合し、かつ故障の虞もなく設計通りの流動性改良土を確実に製造可能にする。
【0016】
請求項2の発明では、バックホウの操作により、排泥を第1槽から第2槽にすくって移したり、各槽内の泥土と添加材とをすくって再び落下して戻す動きを伴って混合するときに、バックホウ(のバケット)の最も当たりやすい箇所を弾性板で構成することにより装置の破損を未然に防止できる。加えて、この構成では、例えば、バックホウ(のバケット)を、両槽の間で移動操作するときに弾性板同士の間の隙間を目安にして動かしたり、排泥又は泥土および添加材をすくったり−落下する混合操作を繰り返すときに弾性板同士の間の隙間を目安にして最適な位置に落下可能にする。
【0017】
請求項3の発明では、例えば、バックホウの操作により第1槽の排泥をすくって第2槽に移すときに、排泥などが落下衝撃などに伴うリバウンドや飛沫によって槽縁側からはみ出ようとしても、ハーバハング状の飛散防止板により槽外への飛散を阻止し、それによって再利用率を上げたり混合槽付近の環境を維持できるようにする。
【0018】
請求項4の発明では、補助ミキサーを備えることで、請求項6の処理方法を可能にし、それによって泥土と添加材とをより効率よく、かつ均一に混合できる。
【0019】
請求項5の発明では、請求項1〜3の排泥再生処理装置を使用して、既存のバックホウによる操作により、第1槽に投入された排泥について、泥水を分離可能にし、泥水と分離された泥土の総量の把握それに基づいて算出された添加材の総量とを混合するため、機械的な故障が生じにくく、安定した性状で均一な品質を具備した流動性改良土を製造できる。換言すると、本発明方法は、混合槽およびバックホウを使用して、排泥中、泥土だけを効率よく分離使用すること、添加材の総量(総添加量)を該泥土の総量に応じて算出すること、バックホウが排泥の移送手段と混合手段とを兼ねていること(更に第1槽に溜まる泥水を槽外へ除去する泥水の移送手段としても兼用可能である)により、特許文献1や2のような混合機構部に生じやすい故障をなくし、性状のばらつきをより抑えて高品質の流動性改良土を製造できる。
【0020】
請求項6の発明では、請求項5の作用効果に加え、補助ミキサーによって泥土と添加材とをより効率よく、かつ均一に混合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な形態例について添付図面を参照して説明する。この説明では、全体の概要、排泥再生処理装置およびそれを用いた処理方法の順に詳述する。
【0022】
(概要)図1は本発明装置および処理方法の適用例として、地盤改良工法で発生した排泥を処理対象とし該地盤改良の関連設備を含めた全体のプラント構成を模式的に示したものである。同図において、符号1は地盤改良対象域の地表部に設置された杭造成用地盤貫入装置、符号2はセメントミルクなどを製造するスラリープラントである。
【0023】
地盤貫入装置1は、細部を省略しているが、従来と同様にベースマシンと、ベースマシンの先端側に立設された鉛直ガイドと、鉛直ガイドに沿って昇降可能な駆動ヘッドおよびスイベルジョイントと、該駆動ヘッドに回転可能に連結されて下部に攪拌翼を付設している回転軸などを備えている。これに対し、スラリープラント2では、例えば、サイロから供給されるセメントおよび水道から供給される水(清水)などからセメントミルクを製造し、該セメントミルクがポンプなどを介してスイベルジョイントから回転軸内に配管されている供給管へ圧送され、回転軸の下端側や攪拌翼側に設けられた吐出口を通じて地中に噴出される。噴射後は、攪拌翼で原位置土と混合されることにより改良杭として造成される。なお、スラリープラント2には、後述する処理対象の排泥から回収された水が掘削水として貯槽8に貯留されており、該掘削水が回転軸を地中に貫入する過程でポンプなどを介してスイベルジョイントから回転軸内の供給管へ圧送されて地中に噴出されるようになっている。
【0024】
以上の地盤改良対象域において、地表側には、杭造成部の近傍にいわゆる釜揚と称される排泥貯留ピット3が造成されており、杭造成に伴って湧出する排泥がその貯留ピット3に一時貯留される。この排泥は、回転軸の貫入中は含水比が高く流動性もよいが、杭造成中はセメントが混ざって粘性が上がる。このため、貯留ピット3の排泥は、バックホウ4によりダンプトラック5などに受渡されて、施工現場敷地内に設置された本発明装置の主要部であるミキシング槽6まで運搬され、該ミキシング槽6内で排泥中の水分量を低下させた上で、添加材の所定量と混合・攪拌することで、改良土として製造される。
【0025】
なお、添加材としては、改良土の用途や要求される強度に応じ選定され、通常、次に挙げるようなものが用いられる。(a)セメントや石灰である。これらは地盤改良用のスラリー材料、盛土材、橋脚基礎の裏込め材、路床材料などのように高強度を要求される材料である。(b)PH調整剤、古紙、植物種子、無機・有機肥料である。これらは緑地に撒き出される表土などのように、特に強度を要求されない緑化などの土壌改良用材料である。
【0026】
ミキシング槽6では、後述するように投入された排泥を泥土と泥水とに分離可能にし、槽内に溜まった泥土に添加材を混合して目標の改良土として製造する。ミキシング槽6で分離された泥水は、バックホウや後述する回収装置31などによって脱水装置7に移され、凝集剤液を使用してさらに水分と泥土に分離される。脱水装置7で生成された泥土はミキシング槽6に戻され、改良土の製造に用いられる。脱水装置7で分離された水分の一部は、水中ポンプなどによってスラリープラント2内の貯槽8に供給され、前述した掘削水として使用される。余分な水は、排水分級されるとともに、必要に応じてPH処理により完全無害化した上で、河川などに放流される。
【0027】
(排泥再生処理装置)図2は本発明装置の主要部を模式的に示している。この排泥再生処理装置は、改良土製造用のミキシング槽6が主体となり、移送および混合手段用のバックホウ15と、予備混合用の補助ミキサー18と、ミキシング槽6内で分離した泥水を回収する回収装置31を吊り下げる第2のバックホウ30などを備えている。
【0028】
このうち、ミキシング槽6は、鋼板材の組み合わせによって作製され、上部開口した長方形の箱形容器となっているとともに、槽内が中間の仕切部13を介して第1槽6aおよび第2槽6bとに区画されている。また、第1槽6aと第2槽6bは、ほぼ同じ大きさであり、少なくとも、槽間の仕切部13が各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成されている。つまり、各槽6a,6bは、底面が概略円弧状に形成されているとともに、仕切部13が両側の円弧状の立ち上がり部によって断面山形ないしは断面略三角形となっている。この構成は、図8の模式図から推察されるように、バックホウ15のバケットを各槽の内面に沿って移動して排泥などをバケット内にすくいやすくなるよう工夫された形状である。
【0029】
換言すると、各槽6a,6bは、前後の内側面が湾曲状であり、両側の内側面が垂直面となっている。そして、各槽6a,6bのうち、図2の手前側の垂直面には底面から上に向かって、容量目盛(不図示)が付されている。このため、この槽構造では、各槽6a,6b内に溜まっている排泥量や泥土量が前記容量目盛を見ることで分かるようになっている。また、ミキシング槽6内の対向した側面には弾性板14がそれぞれ取り付けられている。両側の弾性板14は、槽間の仕切部13の頂部上に沿ってそれぞれ突出しているとともに、対向する突出端同士の隙間を介して第1槽6aと第2槽6bとを連通している。前記隙間は、バックホウ15のバケットが余裕を持って通過可能な大きさに設定され、仕切部13の頂部の対応部を露出している。該隙間は、例えば、バックホウ15がそのバケットを介し第1槽6aの排泥をすくい上げて第2槽6bに移したり、仕切部13の頂部に落とし込んで泥土と添加材を効率よく混ぜる上で有用となる箇所である。
【0030】
また、第1槽6aの前端部には、ヒンジを介して取付けられ、かつ油圧シリンダ10によって開閉される側板兼用の扉11が設けられている。そして、第1槽6aは、扉11が開にされた状態で、スロープ材12が扉11の端面側に接合され、それにより上記したダンプトラック5がバックでスロープ材12上を移動して、その積荷である排泥を第1槽6a内に投入可能となる。
【0031】
さらに、ミキシング槽6の上部開口縁には、図3に示したように、折返しにより内側に向くフランジ部16が形成されているとともに、各槽6a,6bを構成している湾曲状鋼板17の上部とフランジ部16との間に飛散防止板17aが設けられている。飛散防止板17aは、鋼板17とフランジ16とに溶接などにより接合され、斜め下方に向けてオーバハング状に湾曲されていて、例えば、バックホウ15の混合攪拌作業などに伴う排泥や泥土のリバウンドによる、槽外への材料拡散を未然に阻止可能にする。
【0032】
ミキシング槽6の長手方向に沿った一側部には補助ミキサー18が配設されている。この補助ミキサー18は、排泥から分離された泥土と添加材の予備混合を行うもので、図4および図5に示されるごとく、ハウジング22が上部に連結した泥土受入用ホッパー19と、上側面部に連結した添加材用供給部20と、下側面部に連結した出口部21と、下側で長手方向に配置されて、周囲に複数の攪拌翼23およびスクリュ24を装着した回転軸25と、回転軸25をチェーン26およびスプロケット27などを介して回転させるモータ28とを備え、出口部21が第2槽6b内に位置するよう設置されている。
【0033】
上記回収装置31は、図6と図7に示したように、環状フロート32と、該フロート32の外周を覆うフレーム33と、フレーム33から上へ突設された複数本の上支持フレーム34を介して連結保持されている設置プレート35と、フレーム33から下へ突設された複数本の下支持フレーム36と、各下支持フレーム36の下部同士の間とその底面に張設された所定メッシュの金網などからなるスクリーン37と、設置プレート35の上下を移動可能に貫通する吸引パイプ38の下端に接続され、スクリーン37内に配置された水中ポンプ39と、設置プレート35上に配置された1対のバイブレータ40などから概略構成されている。
【0034】
吸引パイプ38は、上部が上記した第2のバックホウ30にワイヤ41を介して吊り下げられているとともに、吸引パイプ38の上端に設けたエルボ42およびホース43を介して前述する脱水装置8に接続している。符号44は、バイブレータ30および水中ポンプ39の電源コードである。該コード44は、ワイヤ41に絡げて、バックホウ30の操縦席側まで延長されている。
【0035】
以上の回収装置31は、第1槽6aの泥水中に投入すれば、上側がフロート32を介して液面近くに浮んだ状態で、水中ポンプ39が泥水に浸漬されており、バイプレータ40を駆動することにより、図7の破線で示すように、回収装置31の周囲が容易に液状化し、スクリーン37を通過する泥水中の水分のみが水中ポンプ39に吸引され、ホース43を通じて吸引除去されることになる。
【0036】
(排泥再生処理方法)次に、以上の排泥再生処理装置を用いて、上記した排泥から所定品質の改良土を製造する手順について述べる。この排泥再生処理方法では、補助ミキサー18を使用する態様と使用しない態様とに大別される。すなわち、補助ミキサー18を使用しないときは、排泥を第1槽6a側に投入する排泥投入工程と、第1槽6a内の排泥をバックホウ15により第2槽6bに移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽6bに多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽6aに溜めるとともに、第1槽6aで上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を回収装置31などで槽外へ除去する泥水除去工程と、各槽6a,6bに残った泥土の総量を計測して泥土の総量に応じた添加材の総量を算出する算出工程と、前記泥土の総量と前記添加材の総量とをバックホウ15により目標の混合度まで混ぜる混合工程とを経る。
【0037】
これに対し、補助ミキサー18を使用するときは、前記した排泥投入工程と、泥水除去工程と、算出工程までが同じく、その次に補助ミキサー18の駆動により混合槽6から移した泥土の一部と前記添加材とを連続的に予備混合しつつ、混合槽6内に戻す動作を、前記算出された添加材の総量になるまで繰り返す予備混合工程と、混合槽6内で前記予備混合物をバックホウ15により目標の混合度まで増し練りする本混合工程とを経る。
【0038】
以下、以上の各工程を図8と図9を参照しながら操作要領について明らかにする。先ず、図8(a)は排泥投入工程を示している。この工程では、ミキシング槽6が空状態であることを確認し、扉11の手前にスロープ材12を敷設し、扉11をシリンダ10を介して開いてスロープ材12の上端に支持した後、排泥を積載したダンプトラック5をスロープ12上をバックさせ、その荷台を傾けて、排泥を第1槽6a内に投入する。この操作は、第1槽6a内の排泥が決められた容量になるまで繰返される。最後に、スロープ材12が撤去され、扉11がシリンダ10を介して閉じられる。
【0039】
図8(b)と(c)は泥水除去工程を示している。この工程では、バックホウ15を駆動操作して、第1槽6aの排泥をバックホウのバケットですくって第2槽6bに移しながら、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽6bに多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽6a側に溜めるようにする。その後、第1槽6a内において、沈降現象により上層の泥水と下層の泥土とに分離するのを待ってから、図8(c)のごとく第2のバックホウ30を駆動して回収装置31を第1槽6a内の泥水の中に投入し、そのバイブレータ40を駆動するとともに、水中ポンプ39を駆動することによって上層の泥水を図1の脱水装置7側へ排出除去する。これにより、各槽6a,6bには泥土だけが残る。
【0040】
次の算出工程では、各槽6a,6bに残った泥土の総量が計測され、添加材の必要量がそれに応じて算出される。まず、泥土の総量は、各槽6a,6bの内側面に付された容量目盛で読みとり、それを合算することで算出される。この場合、各槽6a,6bの泥土が少ないときは、測定誤差を抑えるため、図8(d)に示したように第1槽6aの泥土を第2槽6bに移し、第2槽6b側の容量目盛りで読みとることが好ましい。そして、添加材の投入総量(添加量)は、例えば、添加材がセメントの場合だと、予め当該排泥から分離される泥土を模擬した泥土を用いた事前配合試験により図10に示すようなグラフを作成しておき、セメント添加量と固化強度との関係から、目標強度や適用条件に合わせた単位当りのセメント配合量を得てから、泥土の総量分に換算して求めることになる。
【0041】
補助ミキサー18を使用しないときは混合工程として、泥土の総量に応じた添加材の総量を各槽6a,6bの泥土又は槽6bの泥土に投入し、バックホウ15の操作により目標の混合度になるまで混ぜることになる。この操作では、例えば、バックホウ15を操作して第1槽6aや第2槽6b内から泥土および添加材をバックホウのバケットですくい上げて、上記した仕切部13の頂部に落し込むようにすることが好ましい。
【0042】
補助ミキサー18を使用するときは予後混合工程として、図9(a)に示したようにバックホウ15により各槽6a,6bの泥土又は槽6bの泥土を補助ミキサー18のホッパ19に投入しつつ、添加材を上記したハウジング22内に供給することにより、予備混合されて第2槽6b内に吐出される。添加材を全て投入した後は本混合工程として、前記の混合工程と同様にバックホウ15の操作により目標の混合度になるまで混ぜることになる。
【0043】
次いで、図9(b)に示すように、製造された各槽6a,6b内の改良土は、バックホウ15によりダンプトラック5に移し替えられる。そして、図9(c)に示すようにダンプトラック5により目的の施工場所まで搬送されることになる。なお、製造された改良土の用途としては、添加材の種類に応じて、種々の用途に用いられるが、形態例のように地盤改良工法を行っている同一敷地内で再度スラリー材料として用いる場合は、添加材としてセメントなどを選択し、スラリーの原料の一部として図1のスラリープラント2で使用できる。それ以外にも、盛土材料、橋脚近傍の裏込め材や、路床材料など、近隣の工事区域の必要とされる材料として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】地盤改良工法で発生する排泥から改良土を製造するプラント例を示す図である。
【図2】排泥再生処理装置を示す要部の概略斜視図である。
【図3】図2のIII−III線における部分を拡大した断面斜視図である。
【図4】図2のA矢視における補助ミキサーの模式正面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う模式断面図である。
【図6】図2のB部を拡大して示す泥水用回収装置の概略斜視図である。
【図7】同回収装置の使用状態を示す模式断面図である。
【図8】(a)〜(d)は排泥再生処理方法の主な工程または手順を示す説明図である。
【図9】(a)〜(c)は図8に引続く主な工程または手順を示す説明図である。
【図10】セメントの添加量と固化強度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
1…地盤貫入装置
2…スラリープラント
4,15…バックホウ
6…ミキシング槽(混合槽に相当し、6aは第1槽、6bは第2槽)
13…仕切部
14…弾性板
17a…飛散防止板
18…補助ミキサー
31…泥水用回収装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口した混合槽およびバックホウを備え、前記混合槽内に投入した排泥を、該排泥から泥水を分離して泥水を除去可能にしたり、前記バックホウを介した操作により前記混合槽外から槽内の排泥および添加材を混合する排泥再生処理装置において、
前記混合槽は、槽内を第1槽および第2槽に仕切部を介して区画しているとともに、前記仕切部を前記各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成していることを特徴とする排泥再生処理装置。
【請求項2】
前記混合槽の対向した両内側に取り付けられて、前記仕切部の頂部上に沿ってそれぞれ突出し、かつ、対向する突出端同士の隙間を介して前記第1槽と第2槽とを連通している左右の弾性板を有していることを特徴とする請求項1に記載の排泥再生処理装置。
【請求項3】
前記混合槽の上部開口縁に突設されて槽内に張り出しているフランジ部と、前記槽内の底面側から立ち上がった板部とをオーバハング状に接合している飛散防止板を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の排泥再生処理装置。
【請求項4】
前記混合槽の一側部に配設されて、前記混合槽から取り出した排泥のうち、比重の大きな泥土の一部と添加材とを連続的に予備混合するとともに、予備混合物として前記混合槽内へ環流する補助ミキサーを備えている請求項1に記載の排泥再生処理装置。
【請求項5】
地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、
請求項1から3の何れかに記載の排泥再生処理装置を使用して、
前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、
前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、
前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、
前記混合槽内で前記泥土の総量と前記添加材の総量とを前記バックホウにより目標の混合度まで混ぜる混合工程
とを経ることを特徴とする排泥再生処理方法。
【請求項6】
地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、
請求項4に記載の排泥再生処理装置を使用して、
前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、
前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、
前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、
前記補助ミキサーの駆動により前記混合槽から移した泥土の一部と前記添加材とを連続的に予備混合しつつ、前記混合槽内に戻す動作を、前記算出された添加材の総量になるまで繰り返す予備混合工程と、
前記混合槽内で前記予備混合物を前記バックホウにより目標の混合度まで増し練りする本混合工程
とを経ることを特徴とする排泥再生処理方法。
【請求項1】
上部開口した混合槽およびバックホウを備え、前記混合槽内に投入した排泥を、該排泥から泥水を分離して泥水を除去可能にしたり、前記バックホウを介した操作により前記混合槽外から槽内の排泥および添加材を混合する排泥再生処理装置において、
前記混合槽は、槽内を第1槽および第2槽に仕切部を介して区画しているとともに、前記仕切部を前記各槽内の底面から湾曲状に立ち上がり、かつ互いの湾曲状の頂部を接合した状態に形成していることを特徴とする排泥再生処理装置。
【請求項2】
前記混合槽の対向した両内側に取り付けられて、前記仕切部の頂部上に沿ってそれぞれ突出し、かつ、対向する突出端同士の隙間を介して前記第1槽と第2槽とを連通している左右の弾性板を有していることを特徴とする請求項1に記載の排泥再生処理装置。
【請求項3】
前記混合槽の上部開口縁に突設されて槽内に張り出しているフランジ部と、前記槽内の底面側から立ち上がった板部とをオーバハング状に接合している飛散防止板を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の排泥再生処理装置。
【請求項4】
前記混合槽の一側部に配設されて、前記混合槽から取り出した排泥のうち、比重の大きな泥土の一部と添加材とを連続的に予備混合するとともに、予備混合物として前記混合槽内へ環流する補助ミキサーを備えている請求項1に記載の排泥再生処理装置。
【請求項5】
地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、
請求項1から3の何れかに記載の排泥再生処理装置を使用して、
前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、
前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、
前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、
前記混合槽内で前記泥土の総量と前記添加材の総量とを前記バックホウにより目標の混合度まで混ぜる混合工程
とを経ることを特徴とする排泥再生処理方法。
【請求項6】
地盤改良や建設現場などで発生する排泥を集めて、該排泥を水分調節した後、添加材を混合して流動性改良土に製造する排泥再生処理方法において、
請求項4に記載の排泥再生処理装置を使用して、
前記排泥を前記混合槽の第1槽側に投入する排泥投入工程と、
前記第1槽の排泥を前記バックホウにより前記第2槽に移す操作に伴って、排泥成分のうち、比重の大きな泥土を第2槽側に多く溜め、比重の小さい泥水を第1槽側に溜めるとともに、第1槽側で上層の泥水と下層の沈降成分である泥土とに分離し、上層の泥水を槽外へ除去する泥水除去工程と、
前記第1槽および第2槽に残った泥土の総量を計測し、前記泥土の総量に応じて添加材の総量を算出する算出工程と、
前記補助ミキサーの駆動により前記混合槽から移した泥土の一部と前記添加材とを連続的に予備混合しつつ、前記混合槽内に戻す動作を、前記算出された添加材の総量になるまで繰り返す予備混合工程と、
前記混合槽内で前記予備混合物を前記バックホウにより目標の混合度まで増し練りする本混合工程
とを経ることを特徴とする排泥再生処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−202273(P2008−202273A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37845(P2007−37845)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]