説明

排熱輸送システム用熱媒体油

【課題】潜熱蓄熱材との分離性に優れ、高温の熱を出し入れするシステムにおいて好適に用いられる熱媒体油及び熱媒体油組成物ならびにこれらを用いる排熱輸送方法を提供すること。
【解決手段】以下の(1)〜(3)を満たす鉱油からなる排熱輸送システム用熱媒体油である。
(1)40℃動粘度が、40〜200mm2/s
(2)引火点が250〜300℃
(3)環分析において、%CAが0.5%以下

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱媒体油及び熱媒体油組成物ならびにこれらを用いる排熱輸送方法に関し、さらに詳しくは、潜熱蓄熱材との分離性に優れる排熱輸送システム用熱媒体油及び熱媒体油組成物ならびにこれらを用いる排熱輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却施設や発電所、化学プラントなどで発生し、これまで利用されずに捨てられていた低温排熱を活用する方法として、近年、潜熱蓄熱搬送システム「トランスヒートコンテナ」が注目されている(特許文献1参照)。当該システムは、潜熱蓄熱材(PCM: Phase Change Material)を収容する蓄熱タンクを輸送することで熱源施設から熱利用施設にエネルギーを移すものであり、具体的には、熱源施設(例えば、発電、窯業、石油化学、金属精錬、廃棄物焼却等の施設)において発生する200℃以下の低温排熱を蓄熱タンク中の潜熱蓄熱材に蓄え、この蓄熱タンクをトラックなどで熱利用施設(病院、オフィス、公共施設、集合住宅、工場など)へ運搬し、蓄えられた熱エネルギーを利用するという例が挙げられる。この潜熱蓄熱搬送システムによれば、エネルギーを効率的に利用することが可能になり、燃料費の削減やCO2排出量の削減が期待される。
【0003】
上記潜熱蓄熱材は、物質が固相と液相の間で相変化する時に吸収・放出する熱(潜熱)を利用して蓄熱と放熱を行う蓄熱材であり、固相から液相に相変化する時に周りから熱を吸収し、液相から固相に相変化する時に放熱する。また、通常、蓄熱タンク中には潜熱蓄熱材の他に熱交換媒体が収容され、この熱交換媒体が蓄熱タンクと熱源施設または熱利用施設とを循環することで、潜熱蓄熱材と外部との間で熱を移動させる。
【0004】
潜熱蓄熱搬送システムに関するこれまでの技術開発としては、例えば、特許文献2や3には、熱交換媒体の供給管に特徴があり、熱交換の効率向上等を目指した蓄熱装置が記載されている。また、熱交換媒体に関してはこれまでその比重が小さいことが求められてきた。すなわち、熱交換媒体は比重が小さいために蓄熱タンク中で上層を形成し、潜熱蓄熱材は下層を形成することができる。そして、上層から抜き取られた熱交換媒体は熱源施設または熱利用施設との間で熱の受け渡しを終えた後、蓄熱タンクの下部から再び導入され、潜熱蓄熱材と接触しながら熱交換し、最終的に上層を形成する。
【0005】
このような熱交換機構を利用する場合は、熱交換媒体は潜熱蓄熱材との分離性に優れることが求められる。すなわち、熱交換媒体と液体状態の潜熱蓄熱材との分離性が悪いときは、上層の熱交換媒体を抜き取る際に潜熱蓄熱材も蓄熱タンクから流出しやすく、その結果、潜熱蓄熱材が配管内で固体となり、配管の内面に付着して配管を閉塞する恐れがある。いったん配管が閉塞すると配管内に熱交換媒体を流すことができないので配管内の潜熱蓄熱材を取り除くことは容易でない。
【0006】
上記問題を解消する方法として、特許文献4は熱媒油(熱交換媒体)の循環機構と外部との熱交換機構を分けることで、蓄熱タンクからの蓄熱潜熱材の流出を解消した蓄熱装置を開示する。しかしながら、この装置においても上層の熱交換媒体は循環ポンプで抜き取られて配管内を循環するため、用いられる熱交換媒体は潜熱蓄熱材との分離性に優れることが望まれる。
【0007】
ところで、熱源施設において発生する熱の温度は施設によってはかなり高温になる場合があり、近年この高温化が進む傾向にある。また、近年、潜熱蓄熱材について多くの技術開発が行われており、利用温度域が拡大している。高い融点を有する潜熱蓄熱材を使用し、熱利用施設において高温の熱を供給することができるようになれば、給湯や暖房のほかに冷房にも利用できると期待される。
高温の排熱を利用するときには、熱の出し入れを安全に行うことが重要であり、熱交換媒体については引火点が高いことが望まれる。また、消防法の観点からは引火点250℃以上の油は「指定可燃物」に該当し、引火点250℃未満の油は「第4石油類」に該当する。このため、引火点が250℃以上であることで、貯蔵や取り扱いの面で大幅に有利になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−106954号公報
【特許文献2】特開2005−188916号公報
【特許文献3】特開2008−190747号公報
【特許文献4】特開2008−309344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、潜熱蓄熱材との分離性に優れ、高温の熱を出し入れするシステムにおいて好適に用いられる排熱輸送システム用熱媒体油及び熱媒体油組成物ならびにこれらを用いる排熱輸送方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、鉱油の精製処理の程度によって潜熱蓄熱材との分離性を調整することができることを見出した。また、特定の性状を満たす熱媒体油は、高い温度の排熱を潜熱蓄熱搬送システムにおいて容易に利用できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
1. 以下の(1)〜(3)を満たす鉱油からなる排熱輸送システム用熱媒体油、
(1)40℃動粘度が、40〜200mm2/s
(2)引火点が250〜300℃
(3)環分析において、%CAが0.5%以下
2. 上記1に記載の排熱輸送システム用熱媒体油に添加剤を配合してなる排熱輸送システム用熱媒体油組成物、
3. 添加剤が酸化防止剤である上記2に記載の排熱輸送システム用熱媒体油組成物、
4. 排熱輸送システム用熱媒体油または排熱輸送システム用熱媒体油組成物および潜熱蓄熱材を収容する蓄熱タンクを輸送することで、熱源施設から熱利用施設に熱を移動させる排熱輸送方法であって、上記1に記載の排熱輸送システム用熱媒体油または上記2若しくは3に記載の排熱輸送システム用熱媒体油組成物を使用することを特徴とする排熱輸送方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来の鉱油系熱媒体油より潜熱蓄熱材との分離性に優れ、高温の熱を出し入れするシステムにおいて好適に用いられる排熱輸送システム用熱媒体油及び熱媒体油組成物ならびにこれらを用いる排熱輸送方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の排熱輸送システム用熱媒体油は、以下の(1)〜(3)を満たす鉱油からなる。
(1)40℃における動粘度が、40〜200mm2/s
(2)引火点が250〜300℃
(3)環分析において%CAが0.5%以下
鉱油の40℃における動粘度が上記範囲であると、循環用ポンプ等に対する潤滑作用や省エネルギー性の面で好ましい。当該観点から、より好ましくは40℃における動粘度が40〜150mm2/sである。引火点に関する上記の数値範囲は、安全面および上記40℃における動粘度の規定との関係で定まるものである。当該観点から、好ましくは引火点が255〜270℃である。環分析において%CAが0.5%を超えると、潜熱蓄熱材との分離性が悪くなる。当該観点から好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.1%以下である。なお、この%CAはn−d−M環分析法により測定した値である。
【0013】
本発明の排熱輸送システム用熱媒体油(以下、本発明の熱媒体油と省略することがある。)を使用する際は、通常は潜熱蓄熱材より密度が小さいものが選ばれる。したがって上記鉱油の密度は0.840〜0.875g/cm3の範囲内が好ましい。鉱油の流動点は、通常−10〜−30℃であり、好ましくは−15〜−20℃である。上記範囲内であることで国内寒冷地での使用が可能である。
【0014】
本発明の熱媒体油は、原料となる原油を精製することで製造することができ、この精製度の調整により前記性状を満たす鉱油を得る。当該原油としては、パラフィン基系原油,ナフテン基系原油,および混合基系原油いずれも使用できるが、パラフィン基系原油が好ましい。本発明の熱媒体油は、例えば上記の原油を蒸留して得られた留出油及び/又はワックスを含む留出油(常圧換算で250〜500℃)を水素化改質、水素化精製、溶剤精製、水素化脱蝋、溶剤脱蝋等の各公知の精製プロセスを適宜組み合わせて製造したものを適宜混合することにより得ることができる。また、所望によりさらに白土処理を行ってもよい。ここで、留出油とは原油を常圧蒸留するか、あるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られたものを意味する。
【0015】
本発明の熱媒体油を使用する際は、各種合成油と混合して使用してもよい。合成油としては、ポリブテン、ポリオレフィン〔α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)など〕等が挙げられる。この場合、本発明の熱媒体油の割合は、合成油との合計量を基準として通常20質量%以上であり、好ましくは50質量%以上である。この範囲で使用すると経済性の点で好ましい。
【0016】
本発明の熱媒体油は必要に応じて各種添加剤を配合して使用することができる。特に、精製度を上げた結果として酸化安定性が低下するおそれがあるため、酸化防止剤を配合することが好ましい。酸化防止剤を配合することで、油の劣化が抑えられ、スラッジが生成しにくくなり配管を円滑に流すことができる。またフィルターを使用する設備においてはフィルター詰りを避けることができる。
【0017】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール;2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール;2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェノール;n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネートなどの単環フェノール類、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などの多環フェノール類などが挙げられる。
【0018】
アミン系酸化防止剤としては、例えばジフェニルアミン系のもの、具体的にはジフェニルアミンや、モノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミン;4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミン;テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどの炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミンなど、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン、さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどの炭素数3〜20のアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。
【0019】
上記酸化防止剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせてもよい。その配合量は、本発明の熱媒体油と前記合成油との合計量を基準として、通常、0.05〜3.0質量%であり、好ましくは0.1〜1.0質量%である。
【0020】
また、循環用ポンプ等に対する潤滑作用の向上や各種装置の保全を目的として、従来公知の潤滑油用添加剤を配合してもよい。当該添加剤としては、例えば清浄分散剤、極圧剤、油性剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、防錆剤、銅不活性化剤、消泡剤などが挙げられる。
【0021】
本発明の熱媒体油は、排熱輸送システムにおいて用いられる熱媒体油である。この排熱輸送システムとは、発電所や廃棄物焼却場などの熱源施設で発生する廃熱を、熱利用施設(病院、オフィス、公共施設、集合住宅、工場など)に、トレーラー等の車両によりオフライン輸送するシステムのことであり、例えば、潜熱蓄熱搬送システムが挙げられる。潜熱蓄熱搬送システムにおいては、本発明の熱媒体油および潜熱蓄熱剤を収容する蓄熱タンクを輸送することで、熱源施設から熱利用施設に熱を移動させることができ、排熱を活用することができる。蓄熱タンク中においては、本発明の熱媒体油は上層を形成し、潜熱蓄熱材は下層を形成する。本発明の熱媒体油は潜熱蓄熱材との分離性に優れるために、上層の熱媒体油を抜き取る際に潜熱蓄熱材が蓄熱タンクから流出することが抑制され、配管閉塞の問題が解消される。
【0022】
上記潜熱蓄熱剤としては特に制限なく使用することができ、例えば、水和塩系潜熱蓄熱剤や糖アルコール系潜熱蓄熱材を使用することができる。水和塩系潜熱蓄熱剤としては、塩化マグネシウム6水和物、硫酸ナトリウム10水和物、チオ硫酸ナトリウム5水和物、酢酸ナトリウム3水和物、硝酸マンガン6水和物等が挙げられ、糖アルコール系潜熱蓄熱材としては、マンニトール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、スレイトール、ズルシトール、イノシトール等が挙げられる。
【0023】
本発明の排熱輸送システム用熱媒体油は40℃における動粘度や引火点に関して上記の特性を有するものであり、高温の排熱を受け入れるシステムや比較的高温の熱を供給するシステムにおいて好ましく用いられる。具体的には、受け入れる排熱の温度が70〜200℃程度のシステムや供給温度の上限が120℃程度のシステムであって、給湯、暖房、冷房を用途とするシステムにおいて特に好ましく用いられる。このような用途で使用する場合は、潜熱蓄熱剤としては、比較的高温の熱を供給する場合はエリスリトール、塩化マグネシウム6水和物等が好ましく、比較的低温の熱を供給する場合は酢酸ナトリウム3水和物、硫酸ナトリウム10水和物等が好ましい。
【実施例】
【0024】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0025】
実施例1〜4および比較例1〜5
分離試験に用いた油の性状を第1表に示す。なお、油A〜Iは以下に示す市販品およびその混合油を使用した。
油A:出光興産(株)製ダイアナフレシアC−44
油B:出光興産(株)製ダフニーオイルKP−100
油C:油Bと油Hの混合油(質量比:B/H=85/15)
油D:油Bと油Iの混合油(質量比:B/I=50/50)
油E:油Bと油Hの混合油(質量比:B/H=75/25)
油F:油Bと油Hの混合油(質量比:B/H=50/50)
油G:油Bと油Iの混合油(質量比:B/I=40/60)
油H:出光興産(株)製ダイアナフレシアP−90
油I:出光興産(株)製ダイアナプロセスPW−380
【0026】
【表1】

【0027】
〔分離試験1〕
200mlのガラス瓶中に、酢酸ナトリウム3水和物と上記油を1:1(質量比)で混合し、90℃の恒温槽にて8時間放置後、手振り攪拌した後、酢酸ナトリウム3水和物と油の分離状況を目視観察し以下の基準で評価した。この試験を3回繰り返した。
◎:1分以内に完全分離する。
○:3分以内に完全分離する。
×:3分経っても完全分離せず、乳化層が見られる。
〔分離試験2〕
酢酸ナトリウム3水和物に代えてエリスリトールを使用し、90℃の恒温槽に代えて130℃の恒温槽を使用した他は、上記分離試験1と同様にして試験を行った。
分離試験1および分離試験2の結果を第2表に示す。
【0028】
【表2】

【0029】
実施例1〜4の油は、酢酸ナトリウム3水和物、エリスリトールとの分離性に優れる。一方、比較例1〜5の油は分離性に劣る結果になっている。比較例1、2、4の油が分離性に劣る理由は環分析(%CA)が高いことに起因すると考えられ、比較例3、5の油が分離性に劣る理由は動粘度が高いことに起因すると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、従来の鉱油系熱媒体油より潜熱蓄熱材との分離性に優れ、高温の熱を出し入れするシステムにおいて好適に用いられる排熱輸送システム用熱媒体油が提供される。本発明の排熱輸送システム用熱媒体油を使用することでエネルギーの効率的な利用が可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(3)を満たす鉱油からなる排熱輸送システム用熱媒体油。
(1)40℃動粘度が、40〜200mm2/s
(2)引火点が250〜300℃
(3)環分析において、%CAが0.5%以下
【請求項2】
請求項1に記載の排熱輸送システム用熱媒体油に添加剤を配合してなる排熱輸送システム用熱媒体油組成物。
【請求項3】
添加剤が酸化防止剤である請求項2に記載の排熱輸送システム用熱媒体油組成物。
【請求項4】
排熱輸送システム用熱媒体油または排熱輸送システム用熱媒体油組成物および潜熱蓄熱材を収容する蓄熱タンクを輸送することで、熱源施設から熱利用施設に熱を移動させる排熱輸送方法であって、請求項1に記載の排熱輸送システム用熱媒体油または請求項2若しくは3に記載の排熱輸送システム用熱媒体油組成物を使用することを特徴とする排熱輸送方法。