説明

排藁切断装置

【課題】掻込み刃軸から外れ難く、掻込み刃軸との接触による摩耗も少ないスクレーパを備える排藁切断装置を提供する。
【解決手段】掻込み刃軸33上にて軸方向に複数の掻込み回転刃44および複数のスターホイル45と、前記切断刃軸34上にて軸方向に前記掻込み回転刃に対応する位置に設けられる複数の切断回転刃とを備える排藁切断装置において、前記掻込み刃軸に回転自在に支持される基端部と、該基端部から延出され、前記掻込み刃軸と軸方向が平行なスクレーパ軸50に回転自在に支持される延出部とを有するスクレーパ60を設け、前記基端部が前記掻込み刃軸に支持されるための開口部および前記延出部が前記スクレーパ軸に支持されるための開口部を長孔により構成し、前記延出部は前側延出部と後側延出部とに分割され、該前側延出部と後側延出部の基端部をスクレーパ軸により枢結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等に装着される排藁切断装置に関し、特に掻込み刃軸への排藁の巻き付きを防止するスクレーパの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインやハーベスタ等に具備される排藁切断装置には、左右方向に掻込み刃軸と切断刃軸とが段違いになるように平行に備えられ、該掻込み刃軸と切断刃軸上にそれぞれ円板状の回転刃が一定間隔毎に配置され、前記掻込み刃軸の回転刃と切断刃軸の回転刃が側面視で重複するように配置される。そして、回転駆動させた前記掻込み刃軸と切断刃軸の間に排藁を投入することで、前記回転刃により排藁が切断されるようにしている。そして、このような排藁切断装置の前記掻込み刃軸には、排藁の巻き付きを防止するスクレーパが備えられている。例えば、特許文献1に開示されるスクレーパでは、一端部に円弧状の切欠凹部が形成されており、該切欠凹部にて前記スクレーパが掻込み刃軸に着脱可能に嵌着される構成となっている。このため、このままでは前記スクレーパが掻込み刃軸から外れ易く、別に前記スクレーパが前記掻込み刃軸から外れるのを防止する規制手段を設ける必要があり、部品点数が多く、組み立て工程も複雑となっていた。また、前記スクレーパの切欠凹部は、前記掻込み刃軸と接触して摩耗し易く、頻繁に新しいスクレーパに取り替える必要が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−16965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、叙上の事情を鑑みてなされたものであり、複雑な規制手段を設けなくとも掻込み刃軸から外れ難いスクレーパであって、掻込み刃軸との接触による摩耗も少ないスクレーパを備える排藁切断装置の技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
請求項1においては、軸方向が互いに前後平行であり、かつ互いに反対方向へ回転する掻込み刃軸および切断刃軸と、前記掻込み刃軸上にて軸方向に、適宜間隔毎に設けられる複数の掻込み回転刃および複数のスターホイルと、前記切断刃軸上にて軸方向に、前記掻込み回転刃に対応する位置に設けられる複数の切断回転刃とを備える排藁切断装置において、前記掻込み刃軸に回転自在に支持される基端部と、該基端部から延出され、前記掻込み刃軸と軸方向が平行なスクレーパ軸に回転自在に支持される延出部とを有するスクレーパを設け、前記基端部が前記掻込み刃軸に支持されるための開口部、および前記延出部が前記スクレーパ軸に支持されるための開口部を、長孔により構成し、前記延出部は、前側延出部と後側延出部とに分割され、該前側延出部と後側延出部の基端部をスクレーパ軸により枢結したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0008】
請求項1においては、軸方向が互いに前後平行であり、かつ互いに反対方向へ回転する掻込み刃軸および切断刃軸と、前記掻込み刃軸上にて、軸方向に適宜間隔毎に設けられる複数の掻込み回転刃および複数のスターホイルと、前記切断刃軸上にて軸方向に、前記掻込み回転刃に対応する位置に設けられる複数の切断回転刃とを備える排藁切断装置において、前記掻込み刃軸に回転自在に支持される基端部と、該基端部から延出され前記掻込み刃軸と軸方向が平行なスクレーパ軸に回転自在に支持される延出部とを有するスクレーパを設け、前記基端部が前記掻込み刃軸に支持されるための開口部、および前記延出部が前記スクレーパ軸に支持されるための開口部を、長孔により構成したので、スクレーパの基端部は、長孔状の開口部の内周が掻込み刃軸の外周と当接する範囲内において移動することが可能となる。このため、掻込み刃軸が撓んだり振れたりした場合にも、スクレーパが引っ張られたり収縮されたりし難く、スクレーパの変形による劣化を防止することができる。また、掻込み刃軸を回転させた際に開口部の内周と掻込み刃軸との間に生じる摩擦を小さくすることができる。このため、スクレーパの開口部が摩耗し難く、摩耗による劣化を軽減することができる。
【0009】
また、前記延出部は、前側延出部と後側延出部とに分割され、該前側延出部と後側延出部の基端部をスクレーパ軸により枢結したので、掻込み刃軸上の掻込み回転刃やスターホイール等を外して分解しなくても、スクレーパを掻込み刃軸の所望の位置に取り付けることが可能となり、スクレーパを掻込み刃軸に、容易に着脱することか可能となる。
また、スクレーパは、基端部が掻込み刃軸に遊嵌されて取り付けられるので、スクレーパが掻込み刃軸から外れ難い。
即ち、スクレーパを外れ難くする為の複雑な規制手段(リンク機構や付勢機構等)が不要となり、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】排藁切断装置を備えたコンバインの全体的な構成を示す左側面図である。
【図2】排藁切断装置の構成を示す後面図である。
【図3】同じく右側面図である。
【図4】同じく左側面図である。
【図5】第一構成形態に係るスクレーパの構成を示す左側面図である。
【図6】第二構成形態に係るスクレーパおよび位置決め軸の構成を示す左側面図である。
【図7】第一実施形態に係るスクレーパの構成を示す左側面図であり、(a)は閉状態、(b)は開状態を示す図である。
【図8】第二実施形態に係るスクレーパの構成を示す左側面図であり、(a)は閉状態、(b)は開状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
以下では、図1を参照して、排藁切断装置10を備えたコンバイン1の全体的な構成について説明する。なお、以下の説明においては、排藁切断装置10はコンバイン1に備えられるものとして説明するが、本発明はこれに特に限らず、例えばハーベスタ等の収穫機に備えられるものであっても構わない。以下の説明においては、図1に示した矢印Aの方向をコンバイン1の進行方向、つまり前方向として、前後左右方向を規定するものとする。
【0013】
図1に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置を備えた走行部2上に機体フレーム3が配置され、機体フレーム3の前端部に刈取部4が刈取フレーム5を介して昇降可能に配置される。刈取部4における穀稈搬送機構6の直後方にフィードチェーン7を備えた脱穀部8が配置され、脱穀部8の直下方に揺動選別部9が配置され、脱穀部8の後部に排藁切断装置10が配置される。
【0014】
機体フレーム3の前部であって進行方向右側には、操向用のステアリングホイールや変速レバーや作業レバー等を具備した運転キャビン11が配置される。運転キャビン11の直後方には、脱穀および選別された後の穀粒を貯溜するグレンタンク12が配置される。グレンタンク12の後部には、貯溜された穀粒を機体外部に搬出するための排出オーガ13が配置される。また、運転キャビン11の下部には、動力源となるエンジン等を収納したエンジンルーム14が配置される。
【0015】
刈取部4は、刈取フレーム5前端に配置した分草体15、該分草体15の後方に具備される刈刃装置16、分草体15の後上方に具備される穀稈引起装置17等によって構成される。そして刈取部4は、圃場に植立した穀稈を分草体15によって分草して取り込み、穀稈引起装置17で引き起こして、穀稈の株元を刈刃装置16で刈り取る。その後、穀稈搬送機構6へ受け渡し、穀稈搬送機構6で後方へ搬送し、株元を脱穀部8のフィードチェーン7に受け継ぐ。
【0016】
脱穀部8には、扱室18および処理室19が具備される。扱室18には前後方向に軸支された扱胴20が内装される。扱胴20の下方には受網21が張架される。扱室18は、後側部に配置した排塵口を介して処理室19の前部と連通して、処理室19には処理胴22が前後方向に内装され、扱胴20で処理できなかった穀粒等を再処理するようにしている。処理胴22の下方には処理網23が張架される。
【0017】
扱室18を形成する脱穀上面カバーの側面部には、フィードチェーン7との間に穀稈の株元側を挟持する挟扼杆(不図示)が設けられる。そして、刈取部4の穀稈搬送機構6から受け継いだ穀稈の穂先側を扱室18内に通過させ、扱胴20外周部に設けた複数の扱歯(不図示)で脱穀を行う。
【0018】
脱穀処理および再処理された穀粒は受網21又は処理網23を通過して下方の揺動選別部9へと至る一方、排藁は後方の排藁切断装置10に搬送される。
【0019】
揺動選別部9は、受網21の下方に前端部を臨ませて前後方向に揺動可能に支持された揺動選別装置24を具備する。揺動選別装置24は、フィードパンや選別篩線やチャシーブやグレンシーブ等により構成される。前記フィードパン下方には、選別風を送るための唐箕が配置され、揺動選別装置24の下方前部には一番コンベアを配置して、該一番コンベアを介してグレンタンク12に精粒を貯溜する。一番コンベアの後部には二番コンベアを配置して、該二番コンベアを介して揺動選別装置24前部へ二番物を戻すようにしている。
【0020】
次に、図2から図4を参照して排藁切断装置10の全体的な構成について説明する。排藁切断装置10は、脱穀後の排藁を細かく切断し、圃場面上に放出するための装置である。図2および図3に示すように、排藁切断装置10の左右の側板30・30間の上部には切換カバー31が配置される。切換カバー31の下部両側端に固設した枢支軸32は側板30・30に枢支され、枢支軸32の一端には操作アーム(不図示)が設けられる。こうして、運転キャビン11における操作レバーの操作により切換カバー31を回動して、排藁の切断と非切断を切り換えらえるようにしている。切換カバー31が開放されて排藁切断装置10の入り口が開いた状態においては排藁を排藁切断装置10の内部に導いて切断を行う。一方、切換カバー31が閉鎖されて排藁切断装置10の入り口が閉じた状態においては、排藁をコンバイン1の機体後方へ送り圃場面上に放出する。
【0021】
図3に示すように、左右の側板30・30の間には、掻込み刃軸33と切断刃軸34が軸受けを介して回転可能に水平方向に横架される。掻込み刃軸33は、切断刃軸34の上方であって該切断刃軸34の前方に配置され、掻込み刃軸33と切断刃軸34とは段違いに平行に配置される。掻込み刃軸33と切断刃軸34の下方には、スクリュー軸35がこれらと平行に設けられる。スクリュー軸35は側板30・30の間に軸受けを介して回転可能に横架される。
【0022】
図4に示すように、スクリュー軸35の左端部にはスプロケット42が固設される。切断刃軸34の左端部には駆動スプロケット36と入力プーリ37が固設される。掻込み刃軸33の左端部には大径歯車38が固設される。掻込み刃軸33の下方にはこれと平行なカウンター軸39が設けられ、該カウンター軸39の左端部にはスプロケット40と小径歯車41が固設される。該小径歯車41は大径歯車38と噛合している。そして、駆動スプロケット36とスプロケット40とスプロケット42との間にはチェーン43が巻回され、入力プーリ37から動力を伝達することによって、切断刃軸34とスクリュー軸35とを駆動できるようになっている。また、小径歯車41と大径歯車38によって回転方向が逆転して、掻込み刃軸33は切断刃軸34と逆方向に低速駆動される。
【0023】
図2に示すように、掻込み刃軸33および切断刃軸34にはそれぞれ排藁切断用の回転刃が固設される。掻込み刃軸33上には、円板状の掻込み回転刃44とスターホイル45が一定間隔毎に交互にそれぞれ複数枚固設される。切断刃軸34上には、大径切断回転刃46と小径切断回転刃47とスターホイル48とがそれぞれ複数枚固設され、スターホイル48が大径切断回転刃46と小径切断回転刃47の間もしくは小径切断回転刃47同士の間にそれぞれ一枚ずつ固設される。
【0024】
掻込み刃軸33上の所定位置の掻込み回転刃44とスターホイル45との間にはスクレーパ60が具備されており、掻込み刃軸33への排藁の巻き付きや付着を防止している。なお、スクレーパ60の構成については後に詳述する。なお、本構成形態においては、排藁が詰まりやすい株元側の、掻込み回転刃44とスターホイル45との間に複数のスクレーパ60が配置されるが、穂先側にも配置することが可能である。
【0025】
スクリュー軸35には、左右方向略中央位置を境にして、株元側には小径スクリュー28が固設され、穂先側には大径スクリュー29が固設される。小径スクリュー28と大径スクリュー29とは互いに逆方向に巻かれる。そして、スクリュー軸35を回転駆動させることによって、小径スクリュー28は株元側の切断藁を左側へ、大径スクリュー29は穂先側の切断藁を右側へ、それぞれ搬送しながら拡散し、切断藁を広範囲にかつ均一に拡散できるように構成される。
【0026】
このように、掻込み回転刃44と大径切断回転刃46と小径切断回転刃47とにより切断されて下方に落下した切断藁は、スクリュー軸35の回転によって左右に拡散されて圃場面上に放出されるのである。
【0027】
また、排藁切断装置10には排藁切断長の長短切換機構が備えられる。図4に示すように、マルチアーム49・49は掻込み刃軸33の両端側を回転可能に支持する部材であり、左右の側板30・30の内側に設けられる。左側のマルチアーム49の下部は、カウンター軸39に回転可能に支持されて、右側のマルチアーム49の下部は、カウンター軸39と同心軸上に位置する支持軸(不図示)に回転可能に支持される。左右のマルチアーム49・49の上部間には、掻込み刃軸33が回転可能に支持される。
【0028】
マルチアーム49・49の上部は掻込み刃軸33を介して回動アーム51・51の下部に連結される。つまり、マルチアーム49・49の上部および回動アーム51・51の下部は掻込み刃軸33に枢支され、左右の側板30・30に形成された開口部52・52から掻込み刃軸33の両端部が突出している。こうして、マルチアーム49・49に両端部を支持される掻込み刃軸33は、回動アーム51・51と連動して移動される。左右の回動アーム51・51の上部間には連結パイプ53が横架されており、連結パイプ53の内部にはアーム軸54が摺動可能に嵌挿される。
【0029】
また、図4に示すように、排藁切断長切換レバー55が設けられる左側の側板30には、長短の位置を決める孔と、該孔を連結した長孔とにより形成される略瓢箪型の係止部56が形成される。さらに、図3に示すように、右側の側板30には長短の切換位置に合わせてアーム軸54の右端部の係止部となる挿通孔57・57が形成される。
【0030】
図4に示すように、左側の側板30の係止部56から外部に突出したアーム軸54の左端部には、排藁切断長切換レバー55の中途部が枢支される。図3に示すように、右側の側板30の挿通孔57にはアーム軸54の右端部が係合されて固定できるようになっている。
【0031】
このような構成において、排藁切断長切換レバー55を回動操作することによってアーム軸54が移動し、アーム軸54に固設された回動アーム51がこれと連動して変位し(図2参照)、回動アーム51に連結されたマルチアーム49がカウンター軸39を支点として回動し(図4参照)、マルチアーム49に支持される掻込み刃軸33が長短何れかの位置に変更できるのである。長短の位置が決定すると、排藁切断長切換レバー55の操作によってアーム軸54の右端部を挿通孔57に係合して係止して(図3参照)、切断長の切り換えが完了する。
【0032】
排藁を短尺に切断する場合には、掻込み刃軸33と切断刃軸34との距離を近づける。これによって、排藁切断装置10の側面視で掻込み回転刃44と、大径切断回転刃46および小径切断回転刃47とが重なり合う状態となり、大径切断回転刃46および小径切断回転刃47の間隔で排藁が切断される。排藁を長尺に切断する場合には、掻込み刃軸33と切断刃軸34との距離を離間させる。これによって、排藁切断装置10の側面視で掻込み回転刃44と大径切断回転刃46とが重なり合い、かつ、掻込み回転刃44と小径切断回転刃47とは重なり合わない状態となり、大径切断回転刃46の間隔で排藁が切断される。
【0033】
次に、掻込み刃軸33への排藁の巻き付きや付着を防止する働きをする部材であるスクレーパ60の構成について、図2および図5を参照して詳細に説明する。
【0034】
図5に示すように、スクレーパ60は、6−ナイロン等の樹脂によって構成されるプレート状の部材である。スクレーパ60の左右幅(厚さ)は、掻込み刃軸33上で隣り合う掻込み回転刃44の周縁部とスターホイル45の周縁部との間の距離よりも僅かに小さくなるように構成される。スクレーパ60は、掻込み刃軸33にスターホイル45の円筒部を介して遊嵌される基端部61と、該基端部61から掻込み回転刃44の外方側に充分に延出される延出部62とを有する形状となっている。本構成形態におけるスクレーパ60では、基端部61と延出部62とは一体的に構成される。
【0035】
基端部61の中央部には、長孔状に開口された開口部63が形成されており、該開口部63に掻込み刃軸33が遊嵌されるようになっている。
【0036】
図2に示すように、複数のスクレーパ60・60・・・は、掻込み刃軸33上の掻込み回転刃44とスターホイル45との隙間にそれぞれ備えられ、掻込み回転刃44とスターホイル45とに対して摺動可能に接触させている。スクレーパ60の後側(切断刃軸34側)の半径方向の長さは、掻込み回転刃44の半径よりも短くなるように構成される。
【0037】
このような構成においては、掻込み回転刃44とスターホイル45との間の隙間はスクレーパ60によって埋められる。したがって、排藁が掻込み回転刃44とスターホイル45との隙間に入り込んで掻込み刃軸33に排藁が巻き付く事態は生じ難くなり、排藁が次々と当該部分に巻き付いて取れなくなるのを防止できる。また、スクレーパ60の前側(反切断刃軸34側)の半径方向の長さは、掻込み回転刃44の半径よりも長くなるように構成されるので、比較的長い排藁であってもスクレーパ60の外周に巻き付き難い。さらにこのような構成においては、排藁切断装置10の前側のカバーを外してメンテナンスを行う場合等に、操縦者が掻込み回転刃44に触れ難くなり、安全に操作を行うことができる。
【0038】
さらに、スクレーパ60は6−ナイロン等の樹脂により構成されるので滑動性を有しており、排藁はスクレーパ60に付着し難い。また、6−ナイロン等の樹脂は撥水性を有するため、排藁に泥や水等が付着していたとしてもスクレーパ60の滑動性は損なわれない。
【0039】
なお、スクレーパ60は6−ナイロン等の樹脂により構成されるものとしたが、これに特に限るものではない。つまり、排藁が巻き付き難い素材から構成されるものであればよく、例えばポリエチレン製やポリプロピレン製等であっても構わない。
【0040】
図2に示すように、スクレーパ60の一端は、水平方向に設けられたスクレーパ軸50上に一定間隔(掻込み回転刃44とスターホイル45との隙間に配置できる間隔)を置いて連結される。より詳細には、図5に示すように、延出部62の一端に設けられた長孔状の開口部である挿通孔62hをスクレーパ軸50に遊嵌することにより、スクレーパ60はスクレーパ軸50に対して回転自在に支持される。そして、図2に示すように、スクレーパ軸50の両端はスクレーパ座58に支持され、該スクレーパ座58は連結パイプ53に固設された取付座59に固定される。こうしてスクレーパ60は、スクレーパ軸50とスクレーパ座58と取付座59とを介して連結パイプ53に取り付けられる。
【0041】
なお、前記延出部62の開口部である挿通孔62hは長孔状に形成されるものとしたが、これに特に限らず、例えば丸孔状であっても構わない。即ち、遊びを有する状態でスクレーパ60がスクレーパ軸50に嵌められる構成であればよい。
【0042】
ここで、排藁切断長の切り換えを行う際には、連結パイプ53はアーム軸54と一体となって移動されるので、連結パイプ53と掻込み刃軸33との間の距離は変動しない。すなわち、このような構成においては、排藁切断長の切り換え作業を行う際にも、スクレーパ60が前後方向に引っ張られたり収縮されたりする恐れがなく、スクレーパ60の変形による劣化を防止することができる。
【0043】
なお、延出部62の挿通孔62hに遊嵌されるスクレーパ軸50は、スクレーパ座58と取付座59とを介して連結パイプ53に連結されるものとしたが、これに特に限らず、他の箇所に取り付けられる構成であっても構わない。つまり、スクレーパ軸50は、掻込み刃軸33の軸方向と平行に備えられ、スクレーパ60の延出部62の挿通孔62hに遊嵌することが可能な箇所に備えられるものであればよい。
【0044】
図5に示すように、基端部61の開口部63は長孔状に形成される。このため、スクレーパ60は開口部63にて、遊びを有する状態で掻込み刃軸33に取り付けられる。このような構成により、スクレーパ60の基端部61は、スクレーパ軸50との連結部分(挿通孔62h)を支点として、長孔状の前記開口部63の内周が掻込み刃軸33の外周と当接する範囲内において移動することが可能となっている。このため、掻込み刃軸33と切断刃軸34との間に大量の排藁が送られてきて掻込み刃軸33に撓みが生じた場合にも、スクレーパ60は掻込み刃軸33(より厳密にはスターホイル45の円筒部)と接触する側と逆方向に逃げるように移動することが可能となる。つまり、掻込み刃軸33が撓んだり振れたりした場合にも、スクレーパ60が引っ張られたり収縮されたりし難く、スクレーパ60の変形による劣化を防止することができる。なお、掻込み刃軸33が撓んだ場合におけるスクレーパ60の変形を効果的に防止するという観点からは、開口部63は、掻込み刃軸33と切断刃軸34との間に大量の排藁が送られてきたときに掻込み刃軸33が撓む方向を長手とする長孔状に形成することが望ましい。
【0045】
また、このような構成においては、開口部63の内周と掻込み刃軸33の外周とが密接する部分の面積が小さいので、掻込み刃軸33を回転させた際に開口部63の内周と掻込み刃軸33の外周との間に生じる摩擦を小さくすることができる。このため、スクレーパ60の開口部63が摩耗し難く、摩耗による劣化を軽減することができる。その結果、劣化したスクレーパ60の新しいスクレーパ60への交換頻度を少なくすることが可能となる。
【0046】
なお、前記基端部61の開口部63は長孔状に形成されるものとしたが、これに特に限らず、例えば丸穴状であっても構わない。即ち、遊びを有する状態でスクレーパ60が掻込み刃軸33に嵌められる構成であればよい。
【0047】
また、第一構成形態に係る排藁切断装置10においては、掻込み刃軸33の全長のうち、排藁の株元側に相当する範囲にスクレーパ60が備えられるものとした。これは、排藁の株元側は、穂先側と比べて茎が太く水分含量も多いため、掻込み刃軸33に巻き付き易いからである。しかし、これに特に限らず、掻込み刃軸の全長にわたってスクレーパを備える構成としても構わない。
【0048】
以下では、第二構成形態に係る排藁切断装置10の構成について、図6を参照して説明する。第二構成形態に係る排藁切断装置10は、位置決め軸64を有する点で、第一構成形態に係る排藁切断装置10と相違する。以下では、排藁切断装置10と略同様の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0049】
位置決め軸64は、スクレーパ60の移動範囲を制限するものである。位置決め軸64は、スクレーパ60の延出部62と当接可能な位置に、水平方向(軸方向と平行)に設けられる。位置決め軸64の両端は、左右の側板30に固設される。
【0050】
また、延出部62の外周の位置決め軸64と当接する部分には、係合凹部65が形成される。本実施形態におけるスクレーパ60では、延出部62の後側上部に係合凹部65が形成される。
【0051】
こうして、スクレーパ60の延出部62は、挿通孔62h内周のスクレーパ軸50外周への当接と、係合凹部65の位置決め軸64への当接とによって、移動し得る範囲が制限される。この場合には、第一実施形態に係るスクレーパ60の場合と比べて、基端部61の開口部63の面積をより大きく設計することが可能となる。開口部63内周の掻込み刃軸33外周(スターホイル45の円筒部の外周)への当接に依らずとも、スクレーパ60の位置が所望の範囲内に制限されるからである。
【0052】
このような構成により、掻込み刃軸33と切断刃軸34との間に大量の排藁が送られてきて掻込み刃軸33に比較的大きな撓みが生じた場合にも、開口部63の中心からスクレーパ軸50との連結部分(挿通孔62h)までの距離は一定に保たれる。つまり、掻込み刃軸33が比較的大きく撓んだり振れたりした場合であっても、開口部63の内周が掻込み刃軸33(スターホイル45の円筒部)によって押されて、スクレーパ60が引っ張られたり収縮されたりする事態は生じ難く、スクレーパ60の変形による劣化を防止することができる。
【0053】
また、このような構成においては、開口部63の内周と掻込み刃軸33の外周(スターホイル45の円筒部の外周)とが密接している部分の面積が小さいので、掻込み刃軸33を回転させた際に開口部63の内周と掻込み刃軸33の外周との間に生じる摩擦を小さくすることができる。このため、スクレーパ60の開口部63が摩耗し難く、摩耗による劣化を軽減することができる。その結果、劣化したスクレーパ60の新しいスクレーパ60への交換頻度を少なくすることが可能となる。さらに、開口部63の内周と掻込み刃軸33の外周(スターホイル45の外周)との間に生じる摩擦に起因して排藁切断装置10の動力が低減するのを防止することができる。
【0054】
以下では、本発明の第一実施形態に係る排藁切断装置10の構成について、図7を参照して説明する。本実施形態に係る排藁切断装置10に備えられるスクレーパ70は、延出部72が基端部71を挟んで前側延出部72Aと後側延出部72Bとに分割可能に構成される点で、第一構成形態に係る排藁切断装置10に備えられるスクレーパ60と主として相違する。以下では、排藁切断装置10と略同様の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0055】
スクレーパ70は、スクレーパ60と同様に、6−ナイロン等の樹脂によって構成されるプレート状の部材であり、中央部が開口されて空洞となっている。スクレーパ70の左右幅(厚さ)は、掻込み刃軸33上で隣り合う掻込み回転刃44の周縁部とスターホイル45の周縁部との間の距離よりも僅かに小さくなるように構成される。
【0056】
図7(a)に示すように、スクレーパ70は、排藁切断装置10に取り付けられている状態においては、掻込み刃軸33に遊嵌される基端部71と、該基端部71から掻込み回転刃44の外方側に充分に延出される延出部72とを有する形状となっている。本実施形態におけるスクレーパ70では、基端部71と延出部72とは一体的に構成される。
【0057】
延出部72の一端には、側面視で前側延出部72Aの一部と後側延出部72Bの一部とが二重に重ね合わされて重複する重複部分76が形成されている。そして、この状態においては、挿通孔72Ahと挿通孔72Bhとが側面視で一致するようになっている(以下、挿通孔72Ahと挿通孔72Bhとを一致させた状態を閉状態とする)。
【0058】
基端部71は弾性を有する部材で構成され、図7(b)に示すように、スクレーパ70は基端部71を中心に、前記重複部分76を開閉部として延出部72を前側延出部72Aと後側延出部72Bとに分割開放可能となっている(以下、前側延出部72Aと後側延出部72Bとに分割開放された状態を開状態とする)。閉状態における基端部71の中央部には長孔状に開口された開口部73が形成されており、ここに掻込み刃軸33が遊嵌されるようになっている。
【0059】
こうして、掻込み刃軸33を閉状態における開口部73に遊嵌した後、挿通孔72Bhと挿通孔72Ahとをスクレーパ軸50に遊嵌することにより、スクレーパ70を排藁切断装置10に取り付けることが可能である。
【0060】
このような構成においては、スクレーパ70を閉状態から開状態にして、両側に前側延出部72Aと後側延出部72Bを位置させた状態で中央部に掻込み刃軸33を差し込んで、基端部71の開口部73まで掻込み刃軸33を挿入させた後、スクレーパ70を開状態から再び閉状態に戻すことにより、スクレーパ70の基端部71を掻込み刃軸33に遊嵌することが可能である。即ち、掻込み刃軸33上の掻込み回転刃44やスターホイル45等を外して分解しなくとも、スクレーパ70を掻込み刃軸33の所望の位置に取り付けることが可能となっている。よってスクレーパ70を掻込み刃軸33に容易に着脱することができ、劣化したスクレーパ70を新しいスクレーパ70に取り替える際等の作業負担が軽減される。
【0061】
また、スクレーパ70の延出部72は、基端部71から掻込み回転刃44外方側に充分に延出されているので、スクレーパ70の取り付け・取り外しを行う際に重複部分76を開閉する場合にも、操縦者は掻き込み回転刃44に触れることがなく、安全に操作を行うことができる。
【0062】
さらに、このような構成においては、開口部73が掻込み刃軸33に遊嵌されて取り付けられるので、スクレーパ70が掻込み刃軸33から外れ難い。即ち、着脱可能なスクレーパ70でありながらも、スクレーパ70を掻込み刃軸33に押し当てて掻込み刃軸33から外れないようにするための従来の複雑な規制手段(リンク機構や付勢機構等)が不要となる。その結果、部品点数を削減してコスト削減を図ることができる他、排藁切断装置10の組立て工程も簡素化することが可能となる。
【0063】
なお、本実施形態の排藁切断装置10においても、第一構成形態に係る排藁切断装置10と同様の位置決め軸64を設け、スクレーパ70の延出部72に前記位置決め軸64と当接可能な係合凹部を形成する構成とすることも可能である。
【0064】
以下では、本発明の第二実施形態に係る排藁切断装置10の構成について、図8を参照して説明する。本実施形態に係る排藁切断装置10に備えられるスクレーパ80は、前側延出部82Aと基端部81の前部81Aとを一部材として一体的に構成し、後側延出部82Bと基端部81の後部81Bとを他の一部材として一体的に構成し、双方を相互に回動可能に連結している点で、第二構成形態に係る排藁切断装置10のスクレーパ70と相違する。以下では、第二構成形態に係る排藁切断装置10と略同様の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
図8(a)に示すように、スクレーパ80は、排藁切断装置10に取り付けられる状態においては、掻込み刃軸33に遊嵌される基端部81と、この基端部81から掻込み回転刃44の外方位置に充分に延出される延出部82とを有する形状となっている。
【0066】
基端部81は、前部81Aと後部81Bとに分割して構成される。前側延出部82Aと基端部81の前部81Aとは、一部材として一体的に構成される。一方、後側延出部82Bと基端部81の後部81Bとは、他の一部材として一体的に構成される。これらは共に、6−ナイロン等の樹脂によって構成される。
【0067】
延出部82の一端には、平面視で前側延出部82Aの一部と後側延出部82Bの一部とが二重に重ね合わされて重複する重複部分86が形成されている。そして、この状態においては、挿通孔82Ahと挿通孔82Bhとが側面視で一致するようになっている(以下、挿通孔82Ahと挿通孔82Bhとを一致させた状態を閉状態とする)。
【0068】
基端部81の一端には、側面視で基端部81の前部81Aの一部と後部81Bの一部とが二重に重ね合わされて重複する重複部分87が形成されている。そして、前部81Aと後部81Bは、支点軸としての支点ピン88により回動可能に枢支されている。図8(b)に示すように、スクレーパ80は支点軸としての支点ピン88を中心に、前記重複部分86を開閉部として延出部82を、基端部81を挟んで前側延出部82Aと後側延出部82Bとに分割開放可能となっている(以下、前側延出部82Aと後側延出部82Bとに分割開放された状態を開状態とする)。閉状態における基端部81の中央部、つまり前部81Aと後部81Bとに囲まれた部分には、長孔状に開口された開口部83が形成されており、ここに掻込み刃軸33が遊嵌されるようになっている。
【0069】
こうして、掻込み刃軸33を開口部83に遊嵌した後、閉状態における挿通孔82Ahと挿通孔82Bhとをスクレーパ軸50に遊嵌することにより、スクレーパ80を排藁切断装置10に取り付けることが可能である。
【0070】
このような構成においては、スクレーパ80を閉状態から開状態にして、両側に前側延出部82Aと後側延出部82Bを位置させた状態で中央部に掻込み刃軸33を差し込んで、基端部81の開口部83まで掻込み刃軸33を挿入させた後、スクレーパ80を開状態から再び閉状態に戻すことにより、スクレーパ80の基端部81を掻込み刃軸33に遊嵌することが可能である。即ち、掻込み刃軸33上の掻込み回転刃44やスターホイル45等を外して分解しなくとも、スクレーパ80を掻込み刃軸33の所望の位置に取り付けることが可能となる。よってスクレーパ80を掻込み刃軸33に容易に着脱することができ、劣化したスクレーパ80を新しいスクレーパ80に取り替える際等の作業負担が軽減される。
【0071】
また、スクレーパ80の延出部82は、基端部81から掻込み回転刃44の外方側に充分に延出されているので、スクレーパ80の取り付け・取り外しを行う際に重複部分86を開閉する場合にも、操縦者は掻き込み回転刃44に触れることがなく、安全に操作を行うことができる。
【0072】
さらに、このような構成においては、開口部83が掻込み刃軸33に遊嵌されて取り付けられるので、スクレーパ80が掻込み刃軸33から外れ難い。即ち、着脱可能なスクレーパ80でありながらも、スクレーパ80を掻込み刃軸33に押し当てて掻込み刃軸33から外れないようにするための従来の複雑な規制手段(リンク機構や付勢機構等)が不要となる。その結果、部品点数を削減してコスト削減を図ることができる他、排藁切断装置10の組立て工程も簡素化することが可能となる。
【0073】
なお、本実施形態の排藁切断装置10においても、第一構成形態に係る排藁切断装置10と同様の位置決め軸を設け、スクレーパ80の延出部82に前記位置決め軸と当接可能な係合凹部を形成する構成とすることも可能である。
【0074】
以上の如く、第一構成形態に係る排藁切断装置10は、軸方向が互いに前後平行であり、かつ互いに反対方向へ回転する掻込み刃軸33および切断刃軸34と、前記掻込み刃軸33上にて軸方向に適宜間隔毎に設けられる複数の掻込み回転刃44および複数のスターホイル45と、前記切断刃軸34上にて軸方向について前記掻込み回転刃44に対応する位置に設けられる複数の切断回転刃(大径切断回転刃46および小径切断回転刃47)とを備える排藁切断装置10において、前記掻込み刃軸33に回転自在に支持される基端部61と、該基端部61から延出され前記掻込み刃軸33と軸方向が平行なスクレーパ軸50に回転自在に支持される延出部62とを有するスクレーパ60を設け、前記基端部61が前記掻込み刃軸33に支持されるための開口部63、および前記延出部62が前記スクレーパ軸50に支持されるための開口部としての挿通孔62hを、長孔により構成したものである。したがって、スクレーパ60の基端部61は、長孔状の開口部63の内周が掻込み刃軸33の外周と当接する範囲内において移動することが可能となる。このため、掻込み刃軸33が撓んだり振れたりした場合にも、スクレーパ60が引っ張られたり収縮されたりし難く、スクレーパ60の変形による劣化を防止することができる。また、掻込み刃軸33を回転させた際に開口部63の内周と掻込み刃軸33との間に生じる摩擦を小さくすることができる。このため、スクレーパ60の開口部63が摩耗し難く、摩耗による劣化を軽減することができる。
【0075】
また、第二構成形態に係る排藁切断装置10は、前記延出部62の近傍に前記掻込み刃軸33の軸方向と平行な位置決め軸64を設け、前記延出部62に前記位置決め軸64と当接可能に係合凹部65を形成したものである。したがって、第一構成形態の場合と比べて、基端部61の開口部63の面積をより大きく設計することが可能となる。このため、掻込み刃軸33が比較的大きく撓んだり振れたりした場合であっても、スクレーパ60が引っ張られたり収縮されたりし難く、スクレーパ60の変形による劣化を防止することができる。
【0076】
また、本発明の第一実施形態に係る排藁切断装置10は、前記延出部82は、前側延出部82Aと後側延出部82Bとに分割され、該前側延出部82Aと後側延出部82Bの基端部83を支点軸88により枢結したものである。したがって、掻込み刃軸33上の掻込み回転刃44やスターホイル45等を外して分解しなくとも、スクレーパ80を掻込み刃軸33の所望の位置に取り付けることが可能となり、スクレーパ80を掻込み刃軸33に容易に着脱することが可能となる。また、スクレーパ80は基端部81が掻込み刃軸33に遊嵌されて取り付けられるので、スクレーパ80が掻込み刃軸33から外れ難い。即ち、スクレーパ80を外れ難くするための従来の複雑な規制手段(リンク機構や付勢機構等)が不要となり、部品点数を削減できる。
【0077】
なお、本発明の技術的範囲は叙上の実施形態に限定されるものではなく、本明細書および図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【符号の説明】
【0078】
1 コンバイン
10 排藁切断装置
33 掻込み刃軸
34 切断刃軸
35 スクリュー軸
44 掻込み回転刃
45 スターホイル
46 大径切断回転刃(切断回転刃)
47 小径切断回転刃(切断回転刃)
48 スターホイル
50 スクレーパ軸
60 スクレーパ
61 基端部
62 延出部
62h 挿通孔(開口部)
63 開口部
64 位置決め軸
65 係合凹部
82 延出部
82A 前側延出部
82B 後側延出部
88 支点ピン(支点軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向が互いに前後平行であり、かつ互いに反対方向へ回転する掻込み刃軸および切断刃軸と、前記掻込み刃軸上にて軸方向に、適宜間隔毎に設けられる複数の掻込み回転刃および複数のスターホイルと、前記切断刃軸上にて軸方向に、前記掻込み回転刃に対応する位置に設けられる複数の切断回転刃とを備える排藁切断装置において、前記掻込み刃軸に回転自在に支持される基端部と、該基端部から延出され、前記掻込み刃軸と軸方向が平行なスクレーパ軸に回転自在に支持される延出部とを有するスクレーパを設け、前記基端部が前記掻込み刃軸に支持されるための開口部、および前記延出部が前記スクレーパ軸に支持されるための開口部を、長孔により構成し、前記延出部は、前側延出部と後側延出部とに分割され、該前側延出部と後側延出部の基端部をスクレーパ軸により枢結したことを特徴とする排藁切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59341(P2013−59341A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260393(P2012−260393)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2009−44647(P2009−44647)の分割
【原出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【Fターム(参考)】