説明

接地ホースを用いる粉体流監視

【課題】本発明の目的は、静電噴霧技術を用いて粉体塗装材料を被加工物に塗布する改良された方法及び装置を提供することである。
【解決手段】非導電性の粉体ホース内の粉体塗装材料の流れを検出する装置及び方法は、粉体塗装材料とホースの内面との摩擦接触によって生成される摩擦帯電電荷移動を集めるようにホースの長さの少なくとも一部に沿って延在する導電性材料が設けられている。集められた摩擦帯電電荷移動は、導電性材料中で電流を生成するために用いられる。回路が、導電性材料中の電流を検出し、粉体塗装材料がホースを通って流れているか否かを示す出力を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、静電噴霧技術を用いて被加工物に粉体塗装材料を塗布する技術分野に関する。より詳細には、本明細書における本開示及び本発明は、粉体塗装作業中に粉体塗装材料の流れを監視又は検出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業において、塗料及び他の塗装材料を乾燥粒子粉末の形態で製品に塗布することが一般的になっている。粉体塗装は、従来の液体塗装材料及び液体塗料に勝る複数の利点、特に、コストが低いこと、汚染が少ないこと、硬化時間が短いこと、及び物理的特性が改善されることを提供する。
【0003】
粉体塗装材料は、噴霧によって被加工物に塗布される。粉体は、ポンプによって容器すなわちホッパーから引き出され、ポンプは、ホースを通して1つ又は複数のスプレーガンへ粉体を給送し、このスプレーガンから、粉体が被加工物へ向かって、ポンプによって供給される空気圧力によって噴霧される。粉体塗装材料の塗布は、また、被加工物が接地に保持されて粉体が静電帯電される静電スプレーガンを用いて一般的には行われるが、静電スプレーガンを用いて排他的に行われるものではない。静電荷は、スプレーガンによって支持されている電極によって粉体塗装材料の粒子に印加される。代替的には、静電荷は、スプレーガン内の摩擦帯電を用いて粉体塗装材料の粒子に印加することができる。
【0004】
1つのスプレーガン及び1つの粉体供給源のみを用いることができる最も単純な粉体塗装システムから、複数のポンプ及び供給ホッパー(例えば、1時間あたりに約2.27キログラム〜約27.2キログラム以上の粉体塗装材料を搬送するホース)から供給される40個以上のスプレーガンを用いることができるより複雑な粉体塗装システムまで、粉体塗装材料が実際にホースを通ってスプレーガンまで流れていることを確認すなわち点検することが可能であることが有利であるとすることができる。粉体流を検出する自動的な方法を提供することによって、操作者は、すべてのスプレーガン、ポンプ及びホースを手動で確認することに時間を割く必要がない。特許文献1(該特許の開示全体は参照により本明細書に完全に援用される)は、流量計及びホッパー重量変化特徴を用いる流れ監視装置を開示している。
【0005】
特許文献2(該特許の開示全体は参照により本明細書に完全に援用される)は、粉体ポンプの上流若しくは下流に位置付けられるか、又は粉体ポンプ内に位置付けられる静電摩擦帯電材料が設けられる部分を含む粉体搬送ラインを用いて粉体粒子の流れを検出することを開示している。搬送ラインのその部分を通って流れる粉体粒子は、粉体と摩擦帯電材料との間の摩擦の結果として電荷を生成する。生成される電荷は、感知ユニットによって電流の形態で検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,739,429号明細書
【特許文献2】米国特許第6,734,679号明細書
【発明の概要】
【0007】
本開示において提示される1つ又は複数の本発明の一実施の形態によると、空気流中に取り込まれる粉体塗装材料の流れを監視すなわち検出する装置が、粉体塗装材料の供給源をスプレーガンに接続する非導電性の粉体ホースすなわち粉体管の一部若しくは長さに沿って延在する導電性材料を用いる。ホースは、ホースを通って流れる粉体塗装材料とホースの内壁との間の摩擦によって生じる摩擦帯電電荷移動を呈する。導電性材料は、摩擦帯電電荷移動によって導電性材料中で生成される電流を検出する回路に接続すなわち結合されることができる。特定の実施の形態では、導電性材料は、ワイヤーのような導体を含む。
【0008】
種々の代替的な例示的である実施の形態では、ワイヤーは、数例を挙げると、ホース内に埋め込まれ、ホースの周りに巻き付けられ、ホースと隣接して配置され、ホースの外側にある部材上で支持され、また、ホースの少なくとも一部を囲む第2の管すなわちホースの一部として配置されることができる。
【0009】
ホースの長さの少なくとも一部に沿って延在する導電性材料の使用は、摩擦帯電電荷移動によって生成される電流の信号強度を著しく高め、したがって、粉体塗装材料がホースを通って流れているか否かを示す優れた信号を提供する。本明細書における本発明は、また、そのような装置の使用において具現される粉体流を監視すなわち検出する方法を含む。
【0010】
本明細書において開示される種々の発明のこれらの実施の形態及び他の実施の形態は、添付の図面に照らして例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことに基づいて当業者に理解され、容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】1つ又は複数の本発明の例示的な実施形態を用いる粉体塗装システムの例示的な実施形態の機能概略図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態を示す実施形態をホースの斜視図で示す図である。
【図3】ホースの別の実施形態及び本発明の例示的な実施形態を示す図である。
【図4】本発明のさらなる代替的な実施形態を示す図である。
【図5A】本発明のさらなる代替的な実施形態の斜視図である。
【図5B】本発明のさらなる代替的な実施形態の、図5Aの線5B−5Bに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書における例示的な実施形態は、粉体塗装材料を被加工物に塗布する粉体塗装材料塗布システムの文脈において提示されるが、本発明は、粉体塗装材料に限定されず、むしろ、材料の流れ経路、例えばホースの一部との摩擦帯電効果を呈することができる任意の乾燥粒子材料の移送すなわち搬送に適用される。本発明は、米国特許出願公開第2005/0158187号明細書に示されているポンプのような、粒子材料を移送する濃厚相ポンプを用いる濃厚相システムと共に用いることができ、米国特許第7,325,750号明細書に示されているポンプ308のようなベンチュリポンプを用いる希薄相システムとも共に用いることができる(これらの特許の開示全体は共に参照により本明細書に完全に援用される)。
【0013】
本発明は、加工媒体としての粉体塗装材料に特に適しているけれども、本発明は、いかなる特定のタイプの加工媒体すなわち乾燥粒子材料に限定されるものではない。またさらに、本明細書における例示的な実施形態は、ポンプ、ホース及びスプレーガンの例を含む粉体塗装材料塗布システムの特定の設計及び構成の特徴を図示し、言及するものであるが、当業者は、本明細書における本発明が例示的な実施形態を超えて適用され、種々の変更並びに多くの異なる設計のポンプ及びスプレーガン等の構成要素を有する塗布システムと共に用いることができることを容易に理解するであろう。例示的な実施形態は、コロナ式の静電帯電システムにおける本発明の使用を示すが、本発明は、例えば摩擦帯電システム等の他の静電技術と共に用いることができる。
【0014】
本発明の種々の発明の態様、概念及び特徴を、例示的な実施形態の組み合わせにおいて具現されるものとして本明細書において説明及び図示することができるが、これらの種々の態様、概念及び特徴は、独立して、又は種々の組み合わせで、及びそれらの組み合わせの部分的組み合わせで多くの代替的な実施形態において用いることができる。本明細書において明示的に除外されない限り、すべてのそのような組み合わせ及び部分的組み合わせは、本発明の範囲内にあることが意図される。またさらに、本発明の種々の態様、概念及び特徴に関する種々の代替的な実施形態、例えば代替的な材料、構造、構成、方法、回路、機器及び構成要素、ソフトウエア、ハードウエア、制御論理、形成、取り付け及び機能に関する代替形態等を本明細書において記載する場合があるが、そのような記載は、現在既知であるか又はこれから開発されるかにかかわらず、利用可能な代替的な実施形態の完全又は網羅的なリストであることは意図されない。当業者は、そのような実施形態が本明細書において明示的に開示されていない場合であっても、本発明の範囲内で、本発明の態様、概念、又は特徴のうちの1つ又は複数を付加的な実施形態及び使用に容易に採用することができる。さらに、本発明のいくつかの特徴、概念又は態様を好ましい構成又は方法であるものとして本明細書中に記載することができるとしても、そのような記載は、その旨が明記されていない限り、そのような特徴が要求されるか又は必要であることを示唆することは意図されない。
【0015】
またさらに、例示的又は代表的な値及び範囲を、本開示を理解する際に役立つように含めることができるが、このような値及び範囲は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、そのように明記される場合にのみ、重要な値又は範囲であることが意図される。さらに、種々の態様、特徴及び概念は、本明細書において発明的であるとして又は発明の一部を形成するものとして明記される場合があるが、このような明記は、排他的であることを意図せず、むしろ、そのようなものとして又は特定の発明の一部として明記されることなく本明細書中に十分に記載される発明の態様、概念及び特徴がある場合があり、その代わりに、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載される。例示的な方法又はプロセスの記載は、すべての場合において要求されるものとしてすべてのステップを含むことに限定されず、また、それらのステップが提示される順序は、その旨が明記されない限り、要求されるものとして又は必要であるものとして解釈されるべきではない。
【0016】
本明細書において用いる場合、ホースの「外面」を、ホースの一部に少なくとも沿うホースの外径を画定する半径方向最外面を意味するものと規定し、これは、ホースは通常は直径が均一であるが、2つ以上の外径を有してもよいことを意味する。本発明では、外面に埋め込まれる以外の任意の位置又は場所を意味するために外面の「外側」及び/又は「外方」という用語を用いる。例えば、外面の外側又は外方は、外面と隣接しているか、又は接触しているか、又は取り付けられているか、又は離間していることを意味することができる。本発明では、部材又は構成要素を表面下に配置すること、例えば、表面よりも少なくとも部分的に下に、又は完全に材料の本体内にあること等を指すために、表面に「埋め込まれる」という用語を用いる。本発明では、「非導電性材料」という用語は、ホースに言及する場合に、通常の使用時にホース材料が電気的に絶縁されており、電流を伝導しないことを意味するために用いる。本発明では、「導電性」という用語は、通常の使用時に電流に対する抵抗が低い材料、例えば金属ワイヤー又は複合材料を意味するために用いる。
【0017】
次に図1を参照すると、粉体塗装材料塗布システム10が、供給源12を含む粉体塗装材料の供給源と、粉体ポンプ14とを含むことができる。供給源12は、例えば、箱、ホッパー、給送センター等とすることができる。ポンプ14は、例えば、ベンチュリタイプのポンプ又は濃厚相粉体ポンプとすることができ、供給源12から粉体塗装材料16を引き出してこの粉体塗装材料を1つ又は複数のホース18を通して1つ又は複数のスプレーガン20へ搬送するために用いられる。粉体塗装材料は、以前に噴霧されていないことを意味する未使用の粉体塗装材料、又は、粉体の過剰噴霧を集めて使用のために再利用された再生粉体塗装材料、又は、未使用の粉体塗装材料と再生粉体塗装材料との組み合わせとすることができる。図1の実施形態は、単一のスプレーガン及びホースのみを示すが、多くの粉体塗装材料塗布システムは、多くのポンプ14及び場合によっては2つ以上の供給源12によって給送される多くのスプレーガン20及びホース18を用いる。
【0018】
本明細書における本発明は、以前から既知であるシステムから、主にポンプ又はスプレーガンを通る流れを点検しようとする点で区別されるように、粉体塗装材料が実際に1つ又は複数のホース又は管18(本明細書では管及びホースという用語を区別することなく用いる)を通って流れていることを点検する方法を提供する。ホース18が使用中に捩れるか又は詰まることは珍しくなく、また多くのホースがある場合に、どのホース(単数又は複数)が詰まっているかを確認するために長い時間がかかる可能性がある。粉体塗装作業中に詰まったホースは、最終製品若しくは最終被加工物に対して満足な仕上がりをもたらさないか、又は塗装を全くもたらさない可能性がある。
【0019】
スプレーガン20は、粉体塗装材料の粒子に静電荷を印加する電極22において電離を発生させるために高電圧源(不図示)を用いる任意の好適なコロナ式のスプレーガンとすることができる。スプレーガンの一例が国際公開第2005/018823号パンフレット(その開示全体は参照により本明細書に完全に援用される)において示されている。被加工物(不図示)は、通常、帯電した粒子が被加工物に引き付けられて付着するように、接地電位に維持される。多くの異なる種類のコロナスプレーガンが既知であり、現在一般的に使用されているが、本発明は、これから開発されるコロナ式のスプレーガンと共に用いることもできる。本発明は、例えば、摩擦帯電スプレーガンのような他の静電スプレー技術と共に用いることもでき、さらに、静電式ではないシステムにおいても適用することができる。本明細書における本発明は、流れている粉体塗装材料がホースの内面と接触するとホース18との電荷を移動させる摩擦帯電効果を示す粉体塗装材料を用いる。ホース及び粉体の組み合わせがより強い摩擦帯電効果を示すか又はより弱い摩擦帯電効果を示すかは本発明にとって重要ではないが、より強い摩擦帯電効果は、ホース18内の粉体塗装材料16の流れに関するより良好な信号を生成することができる。
【0020】
図1の実施形態では、ホース18は、該ホース18の長さの少なくとも一部に沿って延在する導電性材料24を含む。図示のように、導電性材料24は、ホース18の実質的に全長に沿って延在することができるが、本発明者らは、特に粉体塗装材料16とのより強い摩擦帯電効果を示すホースの場合には、より短い長さを用いることができることを見出した。
【0021】
信号線26を用いて、導電性材料24を含む電気回路を形成することができる。本明細書における例示的な実施形態では、信号線26は、一端部が導電性材料24に電気的に結合すなわち接続されており、別の端部が制御回路27に電気的に結合すなわち接続されている。信号線26は、いずれの場所でも導電性材料24に接続することができるが、本発明では、信号線26をポンプ14の出口付近で接続した場合に特に良好な成功を収めたが、それは必須ではない。
【0022】
制御回路27は、電流検出回路28を含むことができる。制御回路27は、粉体塗装材料塗布システム10用の全体制御回路又は全体制御システム、例えば、ノードソン・コーポレーション(オハイオ州ウエストレイク)から入手可能なモデルiControl(登録商標)システムとすることができる。しかし、本発明は任意の制御システムと共に用いることができ、又は独立型回路若しくは制御システムとインターフェースで接続する独立型回路として用いることができる。粉体塗装材料16とホース18の内面との間の摩擦帯電電荷移動によって生成される導電性材料24中の電流を、例えば、信号線26を介して検出することができる電流検出回路28又は他の電流検出技法(例えば、導電性材料24中の電流によって誘導される電磁結合)であればよい。摩擦帯電電荷移動は、導電性材料24によって集められる電荷を生成する。回路28は、粉体塗装材料がホース18を通って流れているか否かを示す信号30を生成する独立型回路とすることができる。この信号30は、塗装作業を中断するか又は少なくとも関連するスプレーガンの作業を中断するか否かを決定するために制御回路27によって用いることができる。代替的には、単純に信号30を用いて、関連するホース18内の粉体流に問題があるという視覚的若しくは可聴式の警告又は警報を生成することができる。
【0023】
電流検出回路28は、電流を検出することができる任意の回路とすることができる。例えば、回路28は、電流計、マルチメーター、電流を電圧に変換して電圧レベルを検出する回路、電圧計等とすることができる。通常、粉体塗装材料がホース18を通って流れているか否かを示すために閾値電流レベルが選択されるか又は予め定められる。電流レベルは、回路28によって、例えば単純な比較器を用いることによって自動的に求めることができる。又は、操作者が電流計若しくは他の機器を用いて電流レベルを視覚的に確認することができる。例えば、継続信号/中止信号のような出力信号30を用いて、粉体塗装材料がホース18を通って流れているか否かを示すことができる。導電性材料中で生成される電流はナノアンペアからミリアンペアの大きさとすることができるが、より高いか又はより低い他の信号レベルを必要に応じて用いることができる。
【0024】
図2は、管すなわちホース18の一実施形態を示す。この例では、導電性材料24は、ホース18の内面32に少なくとも部分的に埋め込まれている。ホース18は、通常、内面32及び外面36を有する環状壁34を含むことができる。環状壁34は、例えば、ポリオレフィンエラストマー等の非導電性材料を含むことができるが、多くの他の好適な材料を代替的に用いることもできる。導電性材料24は、例えば、内面32に埋め込まれる導電性コード40の一部としてのワイヤー38等の導体を含むことができる。ホース18の内面32に衝突すなわち接触する粉体塗装材料粒子(図2の複数の矢印によって示される)によって生成される摩擦帯電電荷42は、ワイヤー38へ通過し、信号線26を介して電流検出回路28によって検出される電流を生成する。
【0025】
本明細書におけるすべての実施形態において、好ましくは、導電性材料24は、どこに配置されようとも、電気的な接地との接触から隔離されることに留意されたい。例えば、導電性材料24は、好ましくは、人との接触又は接地表面若しくは接地物体との接触に曝されない。
【0026】
ホース18の図3の実施形態では、導電性材料24は、ホース18の外面36の周りに巻き付けることができる。この例では、導電性材料24は単にワイヤー38等の導体を含むことができる。ワイヤー38は、例えば、好適な接着剤若しくはテープを用いて外面36に取り付けることができる。又は、ワイヤー38は、図2の内面32の例において行われた埋め込みと同様に外面36に埋め込まれてもよい。
【0027】
図4は、種々の組み合わせで又は単独で用いることができるいくつかの代替的な概念を示す。一例では、ホース18は、ホースすなわち管44の第2の片、すなわち外側片によって囲まれている。粉体塗装材料16は依然として環状壁34の内側空間を通って流れる。外側ホース44は、内側ホース18の実質的に全長に沿って延在してもよいし、又は、ホース18の一部若しくは複数の部分にのみ沿って延在してもよい(後者は図4において破線45によって示されている)。1つのバージョンでは、外側ホース44は、図2の実施形態においてホース18が有するのと同様に、埋め込まれた導電性材料46を含むことができる。代替的には、別個の緩いワイヤー48を、第2のホース44の内面50と第1のホース18の外面36との間に捕捉するか又は他の方法で保持することができる。またさらなる代替形態として、導電性材料46又はワイヤー48は、本明細書の図3の実施形態と同様に第2のホース44の外面52の周りに巻き付けることができる。内側ホース18の外径と外側ホース44の内径との間の寸法差に応じて、重なり合うホース44、18の一部又は全体に沿って隙間又は空間54が存在する場合がある。本発明者らは、内側ホース18の外壁と外側ホース44の内壁との間のいくつかの点に接点があることが好ましいけれども、この隙間54は、第1のホース18内で生成される摩擦帯電電流の検出を妨げることはないことを見出した。しかし、この隙間54の寸法を低減すること、又は隙間54をなくすことは、場合によっては導電性材料46においてより強い電流を生成することができると予期することができる。
【0028】
図5A及び図5Bは、ホース18のさらなる代替的な実施形態を示す。ホース18は、部材58、例えば、接着テープ又は他の取り付け部材を用いてホース18の外面36に対して定位置に保持される、例えば、ワイヤーの形態の導体56を含むことができる。破線59によって示されるように、ワイヤー56及び支持部材58は、ホース18の長さの一部又は実質的に全体に沿って延在することができる。ワイヤー58も、ホース18の外面36の周りに巻き付けることができる。
【0029】
代替的には、ホース18は、導体56のように機能する、埋め込まれた金網すなわち編組線ジャケット60を含むことができる。信号線26(図1)は、粉体塗装材料16とホース18の内面32との間の摩擦帯電電荷移動に起因する電流を生成するために金網60に接続することができる。金網60は、ホース18に完全に埋め込まれてもよいし、又は部分的に埋め込まれてもよい。また、金網は、ホース18の材料の嵩の全体にわたって延在していてもよいし、又は部分的にのみ延在していてもよい。
【0030】
本発明において注目すべき改善のうちの1つは、導電性材料24がホース18の長さに沿って延在する長さが長いほど、すなわち言い換えると、ホース18の長さに沿って設けられる導電性材料24の量が多くなるほど、導電性材料24においてより多くの摩擦帯電電荷移動が集められることである。導電性材料24に集められる摩擦帯電電荷移動が多くなることによって、導電性材料24が電流検出回路28に結合されているときに該導電性材料内で生成されることができる電流の信号レベルが高くなる。しかし、任意の特定の用途のために導電性材料24がホース18の長さに沿って延在するべき長さを決める上で、また、粉体塗装材料がホース18を通って流れているか否かを示すために用いられる閾値電流レベルを選択するために、他の要因を考慮することができる。これらの要因としては、ホース18の長さ、ホース18に対する導電性材料の場所、粉体塗装材料の種類、ホース18の環状壁を構成する材料、ホースを通る粉体流の速度、ホースを通る粉体塗装材料の流量、及びホース18の内径が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではなく、またすべての場合に必要とされるわけではない。
【0031】
例示的な実施形態を参照して本発明の態様を説明した。本明細書を読んで理解すれば、当業者には変更形態及び変形形態が想起されるであろう。そのようなすべての変更形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲又はそれらの均等物の範囲内に入る限りは包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流に取り込まれた粉体塗装材料の流れを監視する装置であって、
粉体塗装材料スプレーガンと、
第1の端部が粉体塗装材料の供給源に流体連通して接続され、第2の端部が前記スプレーガンに接続可能であるホースと、
前記ホースは、環状壁を含み、該環状壁は、該ホースを通って流れる粉体塗装材料と接触すると摩擦帯電電荷移動を呈する非導電性材料から構成されており、
導電性ワイヤーと、
粉体塗装材料が前記ホースを通って流れているときに摩擦帯電電荷によって生成される前記導電性ワイヤー中の電流を検出する回路と、
を備え、
前記導電性ワイヤーは、前記ホースの長さの少なくとも一部に延在しており、前記回路は、粉体塗装材料が前記ホースを通って流れているか否かを示す出力を生成することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記導電性ワイヤーは、前記ホースの実質的に全長に沿って延在している請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記環状壁は、外面と前記粉体塗装材料に接触する内面との間に延在しており、前記導電性ワイヤーの少なくとも一部が前記環状壁に埋め込まれている請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記環状壁は、外面と前記粉体塗装材料に接触する内面との間に延在しており、前記導電性ワイヤーは、前記ホースの外面と隣接している部材上に支持されている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記部材は、前記第1のホースの長さの少なくとも一部にわたって受け入れられる第2の環状壁を有する第2のホースを含み、前記導電性ワイヤーは、該第2のホース内又は該第2のホース上に配置されている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記環状壁は、外面と前記粉体塗装材料に接触する内面との間に延在しており、前記導電性ワイヤーの少なくとも一部が、前記ホースの前記外面に隣接している部材と前記外面との間に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
空気流に取り込まれた粉体塗装材料の流れを監視する装置であって、
粉体塗装材料スプレーガンと、
第1の端部が粉体塗装材料の供給源に流体連通して接続可能であり、第2の端部が前記スプレーガンに接続可能であるホースと、
前記ホースは、環状壁を含み、該環状壁は、該ホースを通って流れる粉体塗装材料と接触すると摩擦帯電電荷移動を呈する非導電性材料を含み、
前記環状壁に埋め込まれた導電性材料と、
粉体塗装材料が前記ホースを通って流れているときに摩擦帯電電荷によって生成される前記導電性材料中の電流を検出する回路と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記導電性材料は、前記ホースの実質的に全長に沿って延在している請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記回路は、前記スプレーガンの動作中に粉体が前記ホースを通って流れているか否かを示す出力を生成する請求項7に記載の装置。
【請求項10】
空気流に取り込まれた粉体塗装材料の流れを監視する装置であって、
粉体塗装材料スプレーガンと、
第1の端部が粉体塗装材料の供給源に流体連通して接続可能であり、第2の端部が前記スプレーガンに接続可能であるホースと、
前記ホースは、環状壁を含み、該環状壁は、該ホースを通って流れる粉体塗装材料と接触すると摩擦帯電電荷移動を呈する非導電性材料を含み、
前記環状壁は、外面と粉体塗装材料に接触する内面との間に延在しており、
前記外面から半径方向外方に配置される導電性材料と、
粉体塗装材料が前記ホースを通って流れているときに摩擦帯電電荷によって生成される前記導電性材料中の電流を検出する回路と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記導電性材料は、前記外面に隣接している部材によって支持されている請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記部材は、前記外面の少なくとも一部のまわりに配置されているスリーブを含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記導電性材料は、前記部材の内面と前記ホースの前記環状壁の前記外面との間に配置されている請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記部材は、前記第1のホースの少なくとも一部に近接して囲む第2のホースを含む請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記導電性材料は、前記第2のホースに埋め込まれている請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2012−40554(P2012−40554A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177841(P2011−177841)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】