説明

接客支援システムおよびそのプログラム、記録媒体

【課題】本発明の課題は、顧客特性に応じて簡単で容易に、適切な接客が行えるように支援するシステムを提供することである。
【解決手段】
共通領域編集データと、差替え領域編集データのセットと、対応データとを記録媒体に出力する可変印刷情報サーバ装置と、記録媒体の差替え領域編集データのセットと共通領域編集データと対応データをデータ保持部に登録するデータ登録手段と、入力された参照コードに対応付けられた印刷管理番号を、データ保持部の対応データから抽出して、抽出した印刷管理番号に対応する差替え領域編集データをデータ保持部の差替え領域編集データのセットから抽出する領域編集データ抽出手段と、抽出した差替え領域編集データとデータ保持部の共通領域編集データを用いて、可変印刷紙面を編集して表示する表示手段を備える顧客配布紙面表示装置とから構成される接客支援システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に配布した可変印刷物を見た顧客が来店したときに、その顧客と同じ可変印刷内容を表示することで、顧客に応じた適切な接客ができるように支援するシステムおよびそのプログラム、記録媒体に関するものである。
本発明は特に、One to One(=ワン・トゥー・ワン)マーケティングにおいて、顧客ごとに印刷内容を変えて作成したダイレクトメールを受け取った顧客が来店したときに、来店した顧客と同一の印刷紙面を目視確認することで、顧客に対して適切できめ細かな接客をしたいときに有用である。
なお、可変印刷とは、印刷紙面の一部を差替えた文書を連続して印刷するものである。

【背景技術】
【0002】
企業の広告宣伝活動や販売促進活動のために個人宛に配布される印刷物(ダイレクトメール、チラシ、カタログ、パンフレットなど)では、より効果的に広告宣伝や販売促進が行われるように、配布先の個人属性(年齢・性別や購買履歴など)に合わせて印刷物の文面の一部(たとえば、受領者氏名)を差替えた可変印刷が行なわれることが多くなっている。
このように、可変印刷による印刷物を用いて、個人ごとに異なる紙面が配布されるので、紙面の印刷内容を確認することは重要である。
以下に、既に運用されている可変印刷物の印刷内容を確認する方法とその問題点を以下に説明する。
【0003】
《1.配布印刷物の見本を保管する》
配布先に配布した印刷物の見本(=控え)をつくり保管する。
印刷部数が少数であればその維持管理及び参照時の検索処理が容易だが、印刷部数が膨大になると維持管理、及び検索処理の負荷が大きくなる。また印刷物見本の保管場所や印刷物見本の参照者が増えると同様に維持管理及び検索処理の負荷が大きくなる。
《2.印刷毎の差替えリストを保管する》
印刷毎の差替え内容をリスト形式で表記し、差替え見本(=テンプレート)とともに保管する。
差替え領域箇所が少数であればリスト維持管理は容易だが、差替え領域箇所が増えるとリストが膨大し、複雑化するので、リストを参照するときやリスト維持管理の負荷が大きくなる。
《3.各印刷紙面の画像データを保管する》
印刷毎の印刷紙面データを画像データとしてパソコン等に保管し、参照する。
パソコン等の記憶装置には限界があるため、印刷部数が一定以上の数になると、画像データが増大して複数の外部記憶媒体を増設しなければならず、印刷紙面データの保管管理が煩雑になってくる。また印刷物が逐次追加されていく場合はその都度画像データの補充が必要となり、管理負荷が増える。
【0004】
《4.印刷データを保持しているサーバにネットワーク接続された端末で参照する》
印刷データをサーバに保持しておき、サーバにネットワーク接続された端末で、印刷データを参照する。
たとえば、非特許文献1では、顧客からの電話問い合わせを受け付けるコールセンターにおいて、顧客に送付した可変印刷紙面データを高圧縮して保存しておき、顧客が電話問い合わせしてきたときに、送付した可変印刷紙面データを表示させて、顧客と同じ紙面を見ながら対応することで、電話処理が迅速で、効率的に行うことができる技術が開示されている。
あるいは、特許文献1では、差込印刷にて紙面を可変印刷したサーバが、この紙面をネットワーク接続した端末に送信して、端末にて差込印刷紙面を表示させる技術が開示されている。
【非特許文献1】グループワンソフトウエア株式会社、?e2″、[online]、[平成19年12月5日検索]、インターネット〈URL:http://www.group1.jp/solution/e2.html〉
【特許文献1】特開2003−337810号公報(段落0019−段落0031、段落0036−段落0038、図1−2、図9−10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1の技術は、大量の印刷部数を全て紙面データとして保存するので、大容量データを維持管理する仕組みが必要となる。
また、特許文献1の技術では、差し込み印刷した紙面データを大量に送受信するので、大規模なインフラシステムが必要となり、そのための通信環境を整えるための負荷が大きい。
さらには、非特許文献1や特許文献1の技術は、個人情報を用いて可変印刷紙面を編集しなければならないので、個人情報をセキュリティ管理することが必須である。
【0006】
本発明は以上のような点を解決するためになされたものであって、本発明の課題は、顧客特性に応じて簡単で容易に、適切な接客が行えるように支援するシステムおよびそのプログラム、記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の各態様に記載の手段により、前記課題を解決する。
すなわち、本願発明の第1の発明は、可変印刷情報サーバ装置と、顧客配布紙面の表示装置とから構成される接客支援システムにおいて、顧客配布紙面は、紙面を印刷するたびに印刷内容を差替える差替え領域と紙面を印刷しても印刷内容を変化させない共通領域から構成される割付領域に印刷内容を割り付ける可変印刷紙面であって、前記可変印刷情報サーバ装置は、可変印刷紙面の共通領域に印刷内容を割り付けた共通領域編集データ(391)と、差替え領域に印刷内容を割り付けて、印刷管理番号情報を付した差替え領域編集データ(392)のセットと、参照コードに印刷管理番号情報を対応付けた対応データ(393)と、を記憶するデータ保持部と、データ保持部が記憶する差替え領域編集データ(392)のセットと、共通領域編集データ(391)と、対応データ(393)とを取得して、これらを記録媒体に出力するデータ出力手段(330)と、を備えるサーバ装置であって、前記顧客配布紙面表示装置は、データ保持部と、可変印刷情報サーバ装置が記録媒体に出力した差替え領域編集データ(392)のセットと共通領域編集データ(391)と対応データ(393)を読み取って、データ保持部に登録するデータ登録手段(180)と、入力された参照コードを受け付ける参照コード受付手段と、参照コード受付手段が受け付けた参照コードを用いて、データ保持部に登録された対応データ(393)の参照コードを参照して、両者が一致する参照コードに対応付けられた印刷管理番号を抽出する管理情報抽出手段(120)と、管理情報抽出手段が抽出した印刷管理番号を用いて、データ保持部に登録された差替え領域編集データ(392)のセットを参照して、抽出した印刷管理番号に対応する差替え領域編集データ(392)を抽出する領域編集データ抽出手段(130)と、領域編集データ抽出手段が抽出した差替え領域編集データ(392)とデータ保持部に登録された共通領域編集データ(391)を用いて、可変印刷紙面を編集する可変印刷紙面作成手段(140)と、可変印刷紙面作成手段が編集した可変印刷紙面を表示する可変印刷紙面表示手段(150)と、を備える表示装置である、ことを特徴とした接客支援システムである。
【0008】
印刷管理番号は、差替え領域編集データのセットに含まれる差替え領域編集データを特定する情報である。従って、印刷管理番号を付する替え領域編集データと対応データを用いて、参照コードに対応する所定の領域編集データを、差替え領域編集データのセットの中から選択することができる。
配布された可変印刷紙面データを全て記憶すると、差替え領域編集データや共通領域編集データを配布部数分だけ複製することになるので、記憶するデータ量は膨大になる。他方、全ての可変印刷紙面データと比較すると、本発明による顧客配布紙面表示装置のデータ保持部が記憶するデータの容量(=差替え領域編集データのセットや共通領域編集データなどを有する領域編集データの容量)は、はるかに少容量である。このように、記憶する可変印刷紙面の部数が増えるほど、両者の記憶するデータ量の差は大きくなる。
【0009】
本願発明の第2の発明は、コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1に記載の接客支援システムとして動作させるコンピュータプログラムである。
【0010】
本願発明の第3の発明は、請求項2に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、
(1)顧客配布紙面表示装置は、全ての顧客に配布した可変印刷紙面を保存する必要がなく、可変印刷紙面を作成するための少量の領域編集データと対応データだけを保持すればよいので、データの維持管理が容易である。
(2)顧客配布紙面表示装置は、領域編集データを保持しているので、表示装置単体で可変印刷紙面を作成して表示することが可能であり、通信環境が不要である。
(3)顧客配布紙面表示装置は、顧客の個人情報を用いずに、顧客の参照データを用いて対応データを参照することで、顧客に配布した可変印刷紙面を作成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、使用する主要な用語について説明をする。
【0013】
《本発明で対象にする印刷物》
本発明の対象となる印刷物は、掲載する情報の一部分が差替えられる可変印刷物である。印刷物の目的は、告知、広告、販売促進するために顧客(=印刷物の受領者)毎に配布することを想定する。
印刷物に掲載する情報としては、地域情報、イベント、バーゲンセール、キャンペーンなどの告知情報、商品やサービスの紹介など、特定の地域や対象者に向けて発信される情報が想定される。
また、印刷物の形態としては、ハガキや封書によるダイレクトメール、チラシ、パンフレット、カタログなどが可能である。
【0014】
《印刷の差替え》
印刷の差替えは、印刷物の受領者をグループ分け(セグメント化)して、各セグメントで異なる情報を印刷物に掲載するために行われる。
掲載する情報には、例えば、居住地域ごとに地域イベント情報を掲載する、
また、通信販売用のカタログにおいて性別や家族構成によって商品を変えて掲載する、などが有り得る。
セグメントの方法には、
・対象者の年齢、性別、居住地域、住居形態、家族構成などの情報に基づき年代別、性別等にセグメント化する、
・あるいは、対象者に関するこれまでの履歴情報(購買履歴、利用履歴、参加履歴など)に基づき、過去1年以内に取引があった者、一定金額以上の取引があった者などでセグメント化する、
・また、対象者に対するアンケート調査等により対象者の趣味や嗜好を調査し、その結果に基づいて分類する
などがある。
【0015】
《共通領域》
差替え印刷物は、印刷毎に内容を差替えた印刷物を意味するが、必ずしも全ての内容を差替える必要はなく、共通の印刷事項が存在することも少なくない。
共通の印刷事項は、共通領域に印刷される。共通の印刷事項としては、例えば、チラシやパンフレットのタイトルや主旨、発信者に関する情報(会社名や所在地、会社の商標など)である。共通の印刷事項は、全ての印刷物の紙面において、同じ位置、同じデザインで配置されるものである。共通の印刷事項のデータとしては、テキストデータ、画像データのいずれの場合も有り得る。
【0016】
《差替え領域》
他方、差替える印刷事項は、前述の受領者のセグメント化に基づき、そのメッセージ内容を変えることが求められる事項である。
印刷事項の差替えとは、例えば初めての顧客と継続客に対する挨拶文の差替え、居住地域による最寄店舗案内の差替え、購買履歴に基づく案内商品の差替えなどである。
差替え領域は、印刷物毎に自由に変えても良いが、通常は予め紙面の中で差替え領域を定義しておく。
印刷事項を差替えるには、予め用意された複数の差替え内容(=印刷事項)の中から選択した差替え内容を、定義された差替え領域に貼り込む方法が用いられる。この場合、差替え領域は全ての印刷物で同じ位置となり、差替え領域内の印刷内容のみが印刷物毎に異なることになる。
ただし、差替え領域内の印刷内容は必ずしも印刷物毎に異なる必要はなく、例えば全部数のうち1部だけ異なるが他は同じ印刷内容であっても良い。
差替え領域の印刷事項のデータとしては、共通領域と同様にテキストデータ、画像データのいずれも可能である。
なお、差替え領域は一箇所に限定されるもではなく、複数箇所に設けても構わない。
【0017】
このように、全ての印刷物において全く変わらない印刷事項が印刷される領域を共通領域として取り扱い、それ以外の場合は差替え領域として取り扱うことができる。
【0018】
《参照コード》
参照コードは差替え領域に印刷事項を指定するためのコードである。
複数の差替え領域が存在する場合には、参照コードは各領域に指定された印刷事項の組合せに割り振られたコードとなる。
従って、参照コードは、各差替え領域に指定される印刷事項が一意的に定まるように体系化されている。
例えば二箇所の差替え領域と、各差替え領域に指定される印刷事項が各々10種類存在する場合には、参照コードの設定は、10進数で2桁のコードとして、参照コードの1桁目を一箇所目の差替え領域の印刷事項の指定に使い、2桁目を二箇所目の差替え領域の印刷事項の指定に使うように定義すればよい。
このように参照コードを定義することで、一つの参照コードで2箇所の差替え領域の印刷事項を指定することができる。
なお、参照コードは、印刷物の受領者をグループ分けしたセグメントに付されるコードと対応する。受領者の参照コードを知るためには、印刷物に参照コードを印刷する方法や、受領者情報(顧客番号など)を用いて参照コードを検索できる表を用いる方法などがある。(詳細は後述する)
【0019】
《領域編集データの形式》
共通領域の印刷事項や差替え領域の印刷事項は、テキストデータと画像データ(=素材データ)が混在して構成されたデータになっている。このような各領域の印刷事項が複数個のデータから構成されると、その取扱が煩雑になるため領域の印刷事項ごとに一個のデータになっていることが好ましい。すなわちデータの個数としては、共通領域のデータとしては、一個のデータが存在して、差替え領域のデータとしては、各領域に設定された印刷事項の個数のデータが存在することが好ましい。
【0020】
そこで、テキストデータと画像データを一個のデータにまとめるためには、DTP用の編集ソフトウエア等を用いて、テキストデータと画像データを印刷紙面上のある領域(共通領域または差替え領域のひとつ)に配置した領域編集データを生成することにより実現することができる。
このようにして得られた領域編集データには、素材となっている画像データとテキストデータが必要な装飾や加工が施されて所定のレイアウト位置に配置された状態となって保持されている。
従って、この領域編集データを用いることで、画像データとテキストデータが割り付けられた印刷紙面を表現することができる。
なお、この領域編集データは、印刷紙面の共通領域にその素材を配置したデータ(以下、共通領域編集データ)や、差替え領域にその素材を配置したデータ(以下、差替え領域編集データ)から構成される。
【0021】
ここで、領域編集データの形式は、印刷紙面のある領域にその素材を配置した状態をそのまま保持した割付画像データであってもよいし、あるいは、印刷紙面のある領域のレイアウトデータとその領域の素材データとを組み合わたせた割付用データであってもよい。たとえば、この領域編集データの形式には、割付用データとしてはPDF形式やEPS形式などがある。また、割付画像データとしては、PICT形式やBMP形式、GIF形式、JPEG形式、TIFF形式などがある。このように、領域編集データの形式は、一意的に取扱可能なデータであればその形式は問わない。
【0022】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明による接客支援システムの全体構成を説明する図である。
本発明による接客支援システム1は、顧客ごとに印刷内容を変えて作成したダイレクトメールを受け取った顧客が来店したときに、来店した顧客に、適切できめ細かな接客ができるようにするために、顧客と同一の印刷紙面を表示するシステムである。
【0024】
接客支援システム1は、顧客配布紙面表示装置100と、可変印刷情報サーバ装置300と、から構成される。
顧客配布紙面表示装置100は、パーソナルコンピュータに、後述する専用プログラムを搭載したものである。
【0025】
可変印刷情報サーバ装置300は、サーバコンピュータに、市販のDTP用編集ソフトウエアを搭載したものである。
なお、可変印刷情報サーバ装置300は、可変印刷物700(たとえば、ダイレクトメール)を印刷する可変印刷機500と通信接続する。
【0026】
図2は、接客支援システムの大まかな処理の流れを説明する図である。
可変印刷情報サーバ装置は、領域編集データのセットや対応データなどから構成される可変紙面印刷データを記録媒体(たとえば、DVD)に出力する(図2(1))。
【0027】
顧客配布紙面表示装置は、可変印刷情報サーバ装置がDVDに記録した可変印刷紙面データを読み取って、データ保持部に登録する(同(2))。
【0028】
顧客配布紙面表示装置は、来店した顧客の参照コードを受け付けて、データ保持部に登録された対応データを参照して、参照コードに対応する領域編集データを調べて、領域編集データのセットの中から、この顧客の可変印刷紙面(たとえば招待状)を作成するための領域編集データを抽出する(同(3))。
ここで、顧客の参照コードの調べ方は、たとえば、招待状に参照コードを印刷しておき顧客が持参した招待状の参照コードを見て、これを入力する。
あるいは、顧客の参照コードの別の調べ方は、顧客番号などを用いて、参照コードを検索できリストを用意しておき、このリストを見ながら顧客の参照コードを調べて、キーボードによりこの参照コードを入力する。
なお、参照コードは、バーコードや二次元コードなどの機械読み取り可能なコードとして準備しておけば、本装置の入力部にバーコードリーダを用いることで自動的に参照コードを入力することも可能である。
【0029】
顧客配布紙面表示装置は、抽出した領域編集データを用いて、可変印刷紙面を編集して表示する(同(4))。
【0030】
図3は、本発明による可変印刷情報サーバ装置の詳細な構成図である。
可変印刷情報サーバ装置300は、演算処理部301と、出力部303と、データ保持部309と、既存のDTP用編集ソフトウエアを備える。
【0031】
演算処理部301は、中央演算処理装置(=CPU)である。
【0032】
出力部303は、DVD、CD、MOなどのディスクメディアや、USBメモリなどの不揮発メモリ等の外部記憶媒体などの記録媒体800にデータを記録する記録装置である。
なお、出力部303として、ネットワーク通信回路を用いてもよい。
【0033】
データ保持部309は、半導体メモリや磁気メモリである。
データ保持部309は、領域編集データのセットと、対応データ393と、素材データ394のセットと、レイアウトデータ396とを記憶する。
【0034】
すでに説明した領域編集データのセットは、差替え領域編集データ392のセットと、共通領域編集データ391と、から構成される。
差替え領域編集データ392は、印刷管理番号を有するデータである。
なお、領域編集データは、市販のDTP用編集ソフトウエアで作成が可能である。
【0035】
対応データ393は、参照コードと印刷管理番号とを対応付けたデータである。
なお、参照コードとは、可変印刷紙面から構成される印刷物を受領する受領者の属性(年齢や嗜好や家族構成など)をもとにグループ分けしたセグメントに付される数字列である。
【0036】
素材データ394は、テキストデータや画像データである。
レイアウトデータ396は、共通領域や差替え領域の印刷紙面上の配置位置を設定するデータである。
【0037】
このほかに、データ出力手段330を備える。この手段は、DTP用編集ソフトウエアを構成するプログラムモジュールであって、このプログラムモジュールがCPU301に解釈・実行されることによって機能する。
【0038】
データ出力手段330は、データ保持部309が記憶する差替え領域編集データ392のセットと共通領域編集データ391と対応データ393とを記録媒体800に出力(たとえば、DVD800に記録)する。
【0039】
図4は、紙面レイアウトの例である。
紙面レイアウト396は、可変印刷紙面に設定された共通領域396aと、2つの差替え領域396b/cとから構成されている。
【0040】
図4に例示されたはがきのレイアウト396では、2つの差替え領域は、日時印刷領域396bと、演目印刷領域396cから構成される。
はがきの共通領域は、案内文印刷領域396aである。
【0041】
図5は、差替え領域編集データ392の説明図である。
図5の(a)は、差替え領域編集データの形式を説明する図である。差替え領域編集データは、印刷管理番号392aと差替え領域に素材データを割付けたデータ392bから構成される。
【0042】
図5の(b)には、差替え領域編集データ392が例示されている。
差替え領域編集データ392の例として、印刷管理番号392aが「1-1」で、差替え領域に素材データを割付けたデータ392bが「テキストの素材データ(日時 11月16日 午後2時30分)が差替え領域bに割り付けたられた状態のもの」が示されている。
あるいは、差替え領域編集データ392の例として、印刷管理番号392aが「1-2」で、差替え領域に素材データを割付けたデータ392bが「テキストの素材データ(日時 11月17日 午前10時00分)が差替え領域bに割り付けたられた状態のもの」が示されている。
あるいは、差替え領域編集データ392の例として、印刷管理番号392aが「2-1」で、差替え領域に素材データを割付けたデータ392bが「テキストの素材データ(演目 ・ぬいぐるみショー ・演奏会)が差替え領域cに割り付けたられた状態のもの」が示されている。
あるいは、差替え領域編集データ392の例として、印刷管理番号392aが「2-2」で、差替え領域に素材データを割付けたデータ392bが「テキストの素材データ(演目 ・コント ・マジックショー)が差替え領域cに割り付けたられた状態のもの」が示されている。
このように、印刷管理番号が異なる差替え領域編集データは、差替え領域に素材データを割付けたデータ392bの内容がすべて相違している。
【0043】
図6は、対応データ393の形式と例である。
参照コード393aと印刷管理番号393b/c・・と、を対応付けたデータである。
【0044】
図6の(a)は、対応データ393の形式を説明する図である。
対応データ393は、表形式のデータである。
対応データ393の1カラム目は、参照コード393aを記述する。
対応データ393の2カラム目以降は、印刷管理番号393b/c・・を記述する。
ちなみに、2カラム目以降の各カラムは、差替え領域を特定する情報393f/g・・(=差替え領域名称)と関連付けられている。
従って、各カラムに記述された印刷管理番号393b/c・・は、それぞれ差替え領域名称393f/g・・と関連付けることが可能となる。
【0045】
図6の(b)は、対応データ393が例示されている。
対応データ393の例として、
参照コード393aが「11」であって、2カラム目の印刷管理番号393bが「1-2」で2カラム目に関連付けられている差替え領域名称393fが「日時領域」であって、3カラム目の印刷管理番号393bが「2-3」で、3カラム目に関連付けられている差替え領域名称393gが「演目領域」であるものが示されている。
この例が意味することは、参照コード393aが「11」に対応付けられる領域編集データは、印刷管理番号「1-2」と「2-3」の2件の差替え領域編集データであるということである。
ちなみに、印刷管理番号「1-2」の差替え領域編集データは、日時領域393fの差替え領域編集データである。また、印刷管理番号「2-3」の差替え領域編集データは、演目領域393gの差替え領域編集データである。
【0046】
図7は、本発明による顧客配布紙面表示装置100の詳細な構成図である。
顧客配布紙面表示装置100は、演算処理部101と、入力部103と、表示部102と、読取部105と、データ保持部109と、専用プログラムを備える。
【0047】
演算処理部101は、中央演算処理装置(=CPU)である。
演算処理部101は、データ保持部に保持されているデータを組合せ、印刷紙面データを再現し表示部に送るためのデバイスである。
一般的なパーソナルコンピュータをはじめ、PDA、携帯電話など表示部を制御するデバイスであれば本発明に用いることが可能である。
【0048】
入力部103は、参照コードを入力するためのデバイスである。
入力部103は、一般的に計算機に用いられているキーボード、マウスなど、参照コードを入力できるデバイスであればその形態を問わない。
タッチパネル(=表示部102)を用いたソフトキーボードでも良い。
その他バーコードリーダやOCRなど機械的にコードを認識するデバイスを用いても良い。
【0049】
表示部102は、印刷紙面データを表示するためのデバイスである。表示部102は、CRT、液晶ディスプレイやEL(=エレクトロルミネッセンス)表示装置などの表示デバイスが適用可能である。
読取部105は、記録媒体に記録されたデータを読み取るデバイスである。たとえば、CDドライブやDVDドライブである。
【0050】
データ保持部109は、共通領域編集データ391と、差替え領域編集データ392のセットと、対応データ393と、紙面表示用データ396とを保持する媒体である。
この媒体としては、半導体メモリや不揮発性メモリ、磁気ディスク装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、光磁気ディスク(MO)、CD、DVDなど一般的に計算機の記録媒体として用いられているものであればその形態を問わない。
【0051】
以上説明した、データ保持部109、入力部103、CPU101、表示部102は、各々独立したデバイスである必要はなく、前述の機能を有する装置(たとえば、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話など)であれば、その形態は問わない。
【0052】
このほかに、データ登録手段180と、参照コード受付手段110と、管理情報抽出手段120と、領域編集データ抽出手段130と、可変印刷紙面作成手段140と、可変印刷紙面表示手段150とを備える。これらの各手段は、それぞれの専用プログラムとして実現され、専用プログラムがCPU101に解釈・実行されることによって機能する。
【0053】
データ登録手段180は、可変印刷情報サーバ装置300が記録媒体800に出力した共通領域編集データ391と差替え領域編集データ392のセットと対応データ393を読み取って、データ保持部109に登録する。
【0054】
参照コード受付手段110は、入力部103から入力された参照コードを受け付ける。
先に説明した方法で参照コードを調べて、調べた参照コードの入力は、入力部を介して行われる。
【0055】
管理情報抽出手段120は、参照コード受付手段110が受け付けた参照コードを用いて、データ保持部109に登録された対応データ393を参照して、参照コードに対応付けられた印刷管理番号を抽出する。
【0056】
領域編集データ抽出手段130は、管理情報抽出手段120が抽出した印刷管理番号を用いて、データ保持部109に登録された差替え領域編集データ392のセットの印刷管理番号を参照して、両者が一致する差替え領域編集データ392を抽出する。
【0057】
可変印刷紙面作成手段140は、領域編集データ抽出手段150が抽出した差替え領域編集データ392と、データ保持部109に登録された共通領域の領域編集データ391を用いて、可変印刷紙面を作成する。
【0058】
可変印刷紙面表示手段150は、可変印刷紙面作成手段130が作成した可変印刷紙面を表示する。
【0059】
図8は、表示の例である。
図8には、図5の紙面レイアウトにより編集された可変印刷紙面の表示画面102が例示されている。
共通領域の案内文印刷領域193aには、案内文「ご案内 ・・ このたび、お客様感謝のイベントを下記の要領で、開催する運びとなりましたので、ご案内申しあげます。・・」が表示されて、差替え領域の日時印刷領域193bには、印刷データ「日時 11月17日 午後4時00分」が割り付けられた状態で表示されて、差替え領域の演目印刷領域193cには、印刷データ「演目 ・コント ・マジックショー」が割り付けられた状態で表示されている。
【0060】
図9は、可変印刷紙面作成処理の手順を説明する図である。
【0061】
まず、参照コード受付手段110は入力部(たとえば、キーボード)から入力された参照コード393a「11」を受け付ける(図9(1))。次に、管理情報抽出手段120は、参照コード受付手段110が受け付けた参照コード「11」を用いて、データ保持部109に登録された対応データ393の参照コード393aを参照して、参照コード393aが「11」である対応データ393を選択して、この対応データ393から、2カラム目の印刷管理番号393b「1-2」と、3カラム目の印刷管理番号393c「2-3」とを抽出する(同(2))。
【0062】
領域編集データ抽出手段150は、管理情報抽出手段120が抽出した2個の印刷管理番号393b「1-2」と印刷管理番号393c「2-3」を用いて、データ保持部109に登録された差替え領域編集データのセットの印刷管理番号392aを参照して、それぞれの印刷管理番号と一致する番号を有する差替え領域編集データ392を抽出する(同(3))。
ちなみに、刷管理番号「1-2」と一致する番号を有する差替え領域編集データ392は、差替え領域「日時領域」393fに「日時 11月17日 午後4時00分」を割り付けたデータ392bである。また、刷管理番号「2-3」と一致する番号を有する差替え領域編集データ392は、差替え領域「演目領域」393gに「演目 ・コント ・マジックショー」を割り付けたデータ392bである。
【0063】
可変印刷紙面作成手段130は、領域編集データ抽出手段150が抽出した2個の差替え領域編集データ392と、データ保持部109に登録された共通領域編集データ391を用いて、可変印刷紙面102を作成する(同(4))。
【0064】
このように、差替え領域編集データ392や共通領域編集データ391を組み合わせることで、可変印刷紙面を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による接客支援システムの全体構成
【図2】接客支援システムの大まかな処理の流れ
【図3】本発明による可変印刷情報サーバ装置の詳細な構成図
【図4】紙面レイアウトの例
【図5】差替え領域編集データの例
【図6】対応データ393の形式と例
【図7】本発明による可変印刷ページ表示装置の詳細な構成図
【図8】表示の例
【図9】差替印刷割付処理の手順を説明する図
【符号の説明】
【0066】
1 接客支援システム
100 顧客配布紙面表示装置
109 データ保持部
110 参照コード受付手段
120 管理情報抽出手段
130 領域編集データ抽出手段
140 可変印刷紙面作成手段
150 可変印刷紙面表示手段
180 データ登録手段
300 可変印刷情報サーバ装置
309 データ保持部
330 データ出力手段
391 共通領域編集データ
392 差替え領域編集データ
393 対応データ
394 素材データ
396 レイアウトデータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変印刷情報サーバ装置と、顧客配布紙面の表示装置とから構成される接客支援システムにおいて、
顧客配布紙面は、差替え領域と共通領域から構成される割付領域に印刷内容を割り付ける可変印刷紙面であって、
前記可変印刷情報サーバ装置は、
可変印刷紙面の共通領域に印刷内容を割り付けた共通領域編集データと、差替え領域に印刷内容を割り付けて、印刷管理番号情報を付した差替え領域編集データのセットと、
参照コードに印刷管理番号情報を対応付けた対応データと、
を記憶するデータ保持部と、
データ保持部が記憶する差替え領域編集データのセットと、共通領域編集データと、対応データとを取得して、これらを記録媒体に出力するデータ出力手段と、
を備えるサーバ装置であって、
前記顧客配布紙面表示装置は、
データ保持部と、
可変印刷情報サーバ装置が記録体に出力した差替え領域編集データのセットと共通領域編集データと対応データを読み取って、データ保持部に登録するデータ登録手段と、
入力された参照コードを受け付ける参照コード受付手段と、
参照コード受付手段が受け付けた参照コードを用いて、データ保持部に登録された対応データから参照コードに対応付けられた印刷管理番号を抽出する管理情報抽出手段と、
管理情報抽出手段が抽出した印刷管理番号用いて、データ保持部に登録された差替え領域編集データのセットを参照して、抽出した印刷管理番号に対応する差替え領域編集データを抽出する領域編集データ抽出手段と、
領域編集データ抽出手段が抽出した差替え領域編集データとデータ保持部に登録された共通領域編集データを用いて、可変印刷紙面を編集する可変印刷紙面作成手段と、
可変印刷紙面作成手段が編集した可変印刷紙面を表示する可変印刷紙面表示手段と、
を備える表示装置である、
ことを特徴とした接客支援システム。
【請求項2】
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1に記載の接客支援システムとして動作させるコンピュータプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−157429(P2009−157429A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331781(P2007−331781)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】