接点装置
【課題】小型化及び組み付け性の向上を図った接点装置を提供する。
【解決手段】可動接点2が、基部21及び基部21の一端から立ち上げられた接点部22を有する。ホルダ3が、可動接点2の基部21の立ち上げ方向逆側の面に接して基部21を保持する第1保持部31aと、基部21の接点部22から離れた側の端部において立ち上げ方向側の面に接して基部21を保持する第2保持部33aと、基部21の接点部22側の端部の立ち上げ方向側に基部21とは離間して設けられ、可動接点2のホルダ3からの抜け落ちを防止するための抜け落ち防止部34aと、を有する。
【解決手段】可動接点2が、基部21及び基部21の一端から立ち上げられた接点部22を有する。ホルダ3が、可動接点2の基部21の立ち上げ方向逆側の面に接して基部21を保持する第1保持部31aと、基部21の接点部22から離れた側の端部において立ち上げ方向側の面に接して基部21を保持する第2保持部33aと、基部21の接点部22側の端部の立ち上げ方向側に基部21とは離間して設けられ、可動接点2のホルダ3からの抜け落ちを防止するための抜け落ち防止部34aと、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点装置に係り、特に、板状の基部及び前記基部の一端から立ち上げられた接点部を有する可動接点と、前記可動接点の基部を保持するホルダと、を備えた接点装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記接点装置は、例えば回転体の回転位置を検出する回転センサに組み込まれている。この回転センサは、上記接点装置の可動接点を回転体の回転に応じて抵抗体に摺動させ、抵抗体の一端と可動接点との間の抵抗値を測定することで回転体の回転位置を検出する。このような接点装置1として例えば図4及び図5に示すようなものが従来知られている。同図に示すように接点装置1は、金属板をプレス加工して設けた導電性の可動接点2と、この可動接点2を保持する樹脂などの絶縁部材から構成されたホルダ3と、を備えている。上記可動接点2は、板状の基部21と、この基部21の一端から斜め上に立ち上げられた接点部22と、を有する。
【0003】
上記基部21は、接点部22から離れた側の端部が立ち上げ方向逆側に90度に折り曲げられている。この90度折り曲げて設けた固定部23には、プレス加工により設けられた一対の凸部23aと、この一対の凸部23a間を切り起こして設けた弾性片23bと、が設けられている。上記接点部22は、その先端にプレス加工により凸状に形成した接触部22aが設けられている。この接触部22aが上記抵抗体に摺接する。
【0004】
上記ホルダ3には、図5に示すように、可動接点2の固定部23が挿入される縦穴36が設けられている。この縦穴36に可動接点2の固定部23が挿入されると、固定部23に設けた一対の凸部23aが縦穴36に圧入されると共に固定部23に設けた弾性片23bが縦穴36の内壁を付勢する。これにより、可動接点2がホルダ3から抜け落ちないように固定されている。しかしながら、上述した従来の接点装置1では、可動接点2をホルダ3に固定するために基部21の接点部22から離れた側の端部を90度に折り曲げる必要があった。このため、ホルダ3に縦穴36を設ける必要があり、ホルダ3が厚くなり大型化してしまう、という問題があった。
【0005】
そこで、上記問題を解決するために例えば図6及び図7に示すようなものが考えられる。同図において、図4及び図5について上述した接点装置1と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、基部21は、その接点部22から離れた側の端部が折り曲げられておらず、上記固定部23が削除された構成になっている。そして、ホルダ3には、基部21の接点部22から離れた側の端部を嵌め込んで保持する保持溝37が設けられている。
【0006】
しかしながら、図6及び図7に示す接点装置1では、基部21の接点部22側の端部が固定されていない。このため、接点装置1を例えば回転センサに組み付ける際に可動接点2側が鉛直下方向に向けられてしまうと、基部21の接点部22から離れた側の端部が保持溝37から抜けて、可動接点2がホルダ3から抜け落ちてしまう恐れがあり、組み付け性が良くない、という問題があった。即ち、従来の接点装置1では、小型化と組み付け性の向上とを両立することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、小型化及び組み付け性の向上を図った接点装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、板状の基部及び前記基部の一端から立ち上げられた接点部を有する可動接点と、前記可動接点の基部を保持するホルダと、を備えた接点装置において、前記ホルダが、前記基部の前記接点部の立ち上げ方向逆側の面に接して前記基部を保持する第1保持部と、前記基部の前記接点部から離れた側の端部において前記立ち上げ方向側の面に接して前記基部を保持する第2保持部と、前記基部の前記接点部側の端部に対して前記立ち上げ方向側に前記基部とは離間して設けられ、前記可動接点の前記ホルダからの抜け落ちを防止するための抜け落ち防止部と、を有することを特徴とする接点装置に存する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記基部の前記接点部側の端部に突出部が設けられ、前記抜け落ち防止部が、前記突出部の前記立ち上げ方向側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の接点装置に存する。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記接点部が並べて一対設けられ、前記突出部が、前記一対の接点部間に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の接点装置に存する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、接点部が摺接されると接点部の弾性力により基部を第1保持部及び第2保持部に付勢する力が発生して基部がホルダに保持されるので、可動接点に凸部や弾性片を設けなくてもホルダに可動接点を保持することができる。しかも、回転センサなどへの組み付け時に基部の接点部側の端部が立ち上げ方向側に傾いても抜け落ち防止部と当接するため可動接点がホルダから抜け落ちることがないので、小型化及び組み付け性の向上を図ることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、基部の端部に突出部を設けることにより、突出部を持って可動接点をホルダに組み付けることができるため、接点部を持って可動接点をホルダに組み付けることがなくなり、接点部の機能への影響がなくなる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、一対の接点部間に突出部を設けることにより、より一層小型化を図ると共に確実に抜け落ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の接点装置の一実施形態を示す上面図である。
【図2】図1に示す接点装置のA−A線断面図である。
【図3】(A)は正常時の図1に示す接点装置のB−B線断面図であり、(B)は基部が傾いたときの図1に示す接点装置のB−B線断面図である。
【図4】従来の接点装置の一例を示す上面図である。
【図5】図4に示す接点装置のC−C線断面図である。
【図6】従来の接点装置の一例を示す上面図である。
【図7】図6に示す接点装置のD−D船断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。同図に示すように、接点装置1は、金属板をプレス加工して設けた導電性の可動接点2と、この可動接点2を保持する樹脂などの絶縁部材から構成されたホルダ3と、を備えている。上記可動接点2は、板状の基部21と、この基部21の一端から立ち上げられた一対の接点部22と、を有している。
【0016】
上記可動接点2の基部21は、接点部22側(図中左側)の端部から突出する突出部としての第1突出部21aと、接点部22から離れた側(図中右側)の端部から突出する一対の第2突出部21bと、を有している。上記第1突出部21aは、一対の接点部22間に設けられていて、上記一対の第2突出部21bは、基部21の一対の接点部22の並び方向Y1(図1)に沿って並べて設けられている。
【0017】
上記一対の接点部22はそれぞれ、先端に向かうに従って幅が狭くなるように設けられている。また、一対の接点部22には、その先端にプレス加工により凸状に形成した接触部22aが設けられていて、この接触部22aが従来で説明した抵抗体に摺接する。
【0018】
上記ホルダ3は、底壁部31と、この底壁部31の並び方向Y1両端から立設する立壁部32と、この底壁部31の接点部22から離れた側の端部から立設する立壁部33と、底壁部31の略中央から立設する立壁部34と、底壁部31から立設するL字状の一対の位置決めリブ35と、から構成されている。上記ホルダ3の底壁部31には、図2に示すように、基部21の接点部22の立ち上げ方向とは逆側(図2中下側)の面に接して基部21を保持する第1保持部31aが設けられている。また、ホルダ3の底壁部31には、上記第1突出部21aの先端に対向する部分に貫通孔31bが設けられていて、これにより第1突出部21aの先端部は底壁部31に保持されていない。
【0019】
また、ホルダ3の底壁部31には、基部21の接点部22先端から離れた側の端部に対向する部分に凹部31cが設けられていて、これにより基部21の接点部22から離れた側の端部も底壁部31に保持されていない。さらに、ホルダ3の底壁部31には、第2突出部21bと対向する部分に貫通孔31d(図3)が設けられていて、これにより基部21の第2突出部21bも底壁部31には保持されていない。
【0020】
上記立壁部33は、図2に示すように、一対の第2突出部21bの端面にそれぞれ当接するように設けられ、接点部22の長手方向Y2における基部21の位置決めを行う。この立壁部33には、接点部22側に向かって突出する一対の第2保持部33aが設けられている。この一対の第2保持部33aは各々、第2突出部21bの立ち上がり方向側(図2中上側)の面に接して基部21を保持する。
【0021】
上記立壁部34は、上記貫通孔31bの縁部に突設されていて、第1突出部21aよりも接点部22側に配置されている。この立壁部34と第1突出部21aの端面とは離間して設けられている。また、この立壁部34には、接点部22から離れた側に向かって突出する抜け落ち防止部34aが設けられている。この抜け落ち防止部34aは、第1突出部21aの立ち上がり方向側(図2中上側)に設けられていて、抜け落ち防止部34aと第1突出部21aとは、上記立ち上がり方向に互いに離間して対向する。上記一対の位置決めリブ35はそれぞれ、図1に示すように、基部21の接点部22側の端面と基部21の並び方向Y1両端側の端面とに当接するように設けられ、基部21の並び方向Y1及び長手方向Y2の位置決めを行う。
【0022】
以上の構成の接点装置1によれば、回転センサなどに組み付けられ、接点部22の接触部22aが図示しない抵抗体に摺接されると、接点部22の弾性力により基部21の接点部22側の端部が第1保持部31aに向かって付勢される。このように基部21の接点部22側の端部が第1保持部31aに付勢されると、基部21の第2突出部21bが立ち上がり方向に向かって(図2中上側に)持ち上がり、第2突出部21bが第2保持部33aに付勢される。このため、従来のように基部21に弾性片や凸部などを設けなくてもホルダ3にしっかりと保持される力が可動接点2に加えられる。
【0023】
また、上述した接点装置1が回転センサに組み付けられる前は、可動接点2が付勢されていないので、回転センサへの組み付けの際に、図3(B)に示すように、基部21の接点部22側の端部が立ち上がり方向側に傾いて抜け落ちる恐れがあるが、本実施形態では基部21が傾いても抜け落ち防止部34aと当接するため、可動接点2がホルダ3から抜け落ちることがない。よって、小型化及び組み付け性の向上を図ることができる。
【0024】
また、上述した接点装置1によれば、基部21の接点部22側の端部に第1突出部21aを設けることにより、この第1突出部21aを持って可動接点2をホルダ3に組み付けることができるため、接点部22を持って可動接点2をホルダ3に組み付けることがなくなり、接点部22の機能低下などの影響がなくなる。
【0025】
さらに、上述した接点装置1によれば、一対の接点部22間に第1突出部21aを設けることにより、より一層小型化を図ると共に確実に抜け落ちを防止することができる。
【0026】
なお、上述した実施形態では、基部21の接点部22側の端部に第1突出部21aを設け、この第1突出部21aと抜け落ち防止部34aとが当接して可動接点2がホルダ3から抜け落ちることを防止していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、第1突出部21aを設けずに単に抜け落ち防止部34aが基部21の接点部22側の端部と当接して抜け落ち防止を図るようにしてもよい。
【0027】
また、上述した実施形態では、一対の接点部22間に第1突出部21aを設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、大型化しても問題なければ、一対の接点部22の並び方向Y1両側に第1突出部21aを一対設けるようにしてもよい。
【0028】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 接点装置
2 可動接点
3 ホルダ
21 基部
21a 第1突出部(突出部)
22 接点部
31a 第1保持部
33a 第2保持部
34a 抜け落ち防止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点装置に係り、特に、板状の基部及び前記基部の一端から立ち上げられた接点部を有する可動接点と、前記可動接点の基部を保持するホルダと、を備えた接点装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記接点装置は、例えば回転体の回転位置を検出する回転センサに組み込まれている。この回転センサは、上記接点装置の可動接点を回転体の回転に応じて抵抗体に摺動させ、抵抗体の一端と可動接点との間の抵抗値を測定することで回転体の回転位置を検出する。このような接点装置1として例えば図4及び図5に示すようなものが従来知られている。同図に示すように接点装置1は、金属板をプレス加工して設けた導電性の可動接点2と、この可動接点2を保持する樹脂などの絶縁部材から構成されたホルダ3と、を備えている。上記可動接点2は、板状の基部21と、この基部21の一端から斜め上に立ち上げられた接点部22と、を有する。
【0003】
上記基部21は、接点部22から離れた側の端部が立ち上げ方向逆側に90度に折り曲げられている。この90度折り曲げて設けた固定部23には、プレス加工により設けられた一対の凸部23aと、この一対の凸部23a間を切り起こして設けた弾性片23bと、が設けられている。上記接点部22は、その先端にプレス加工により凸状に形成した接触部22aが設けられている。この接触部22aが上記抵抗体に摺接する。
【0004】
上記ホルダ3には、図5に示すように、可動接点2の固定部23が挿入される縦穴36が設けられている。この縦穴36に可動接点2の固定部23が挿入されると、固定部23に設けた一対の凸部23aが縦穴36に圧入されると共に固定部23に設けた弾性片23bが縦穴36の内壁を付勢する。これにより、可動接点2がホルダ3から抜け落ちないように固定されている。しかしながら、上述した従来の接点装置1では、可動接点2をホルダ3に固定するために基部21の接点部22から離れた側の端部を90度に折り曲げる必要があった。このため、ホルダ3に縦穴36を設ける必要があり、ホルダ3が厚くなり大型化してしまう、という問題があった。
【0005】
そこで、上記問題を解決するために例えば図6及び図7に示すようなものが考えられる。同図において、図4及び図5について上述した接点装置1と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、基部21は、その接点部22から離れた側の端部が折り曲げられておらず、上記固定部23が削除された構成になっている。そして、ホルダ3には、基部21の接点部22から離れた側の端部を嵌め込んで保持する保持溝37が設けられている。
【0006】
しかしながら、図6及び図7に示す接点装置1では、基部21の接点部22側の端部が固定されていない。このため、接点装置1を例えば回転センサに組み付ける際に可動接点2側が鉛直下方向に向けられてしまうと、基部21の接点部22から離れた側の端部が保持溝37から抜けて、可動接点2がホルダ3から抜け落ちてしまう恐れがあり、組み付け性が良くない、という問題があった。即ち、従来の接点装置1では、小型化と組み付け性の向上とを両立することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、小型化及び組み付け性の向上を図った接点装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、板状の基部及び前記基部の一端から立ち上げられた接点部を有する可動接点と、前記可動接点の基部を保持するホルダと、を備えた接点装置において、前記ホルダが、前記基部の前記接点部の立ち上げ方向逆側の面に接して前記基部を保持する第1保持部と、前記基部の前記接点部から離れた側の端部において前記立ち上げ方向側の面に接して前記基部を保持する第2保持部と、前記基部の前記接点部側の端部に対して前記立ち上げ方向側に前記基部とは離間して設けられ、前記可動接点の前記ホルダからの抜け落ちを防止するための抜け落ち防止部と、を有することを特徴とする接点装置に存する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記基部の前記接点部側の端部に突出部が設けられ、前記抜け落ち防止部が、前記突出部の前記立ち上げ方向側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の接点装置に存する。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記接点部が並べて一対設けられ、前記突出部が、前記一対の接点部間に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の接点装置に存する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、接点部が摺接されると接点部の弾性力により基部を第1保持部及び第2保持部に付勢する力が発生して基部がホルダに保持されるので、可動接点に凸部や弾性片を設けなくてもホルダに可動接点を保持することができる。しかも、回転センサなどへの組み付け時に基部の接点部側の端部が立ち上げ方向側に傾いても抜け落ち防止部と当接するため可動接点がホルダから抜け落ちることがないので、小型化及び組み付け性の向上を図ることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、基部の端部に突出部を設けることにより、突出部を持って可動接点をホルダに組み付けることができるため、接点部を持って可動接点をホルダに組み付けることがなくなり、接点部の機能への影響がなくなる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、一対の接点部間に突出部を設けることにより、より一層小型化を図ると共に確実に抜け落ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の接点装置の一実施形態を示す上面図である。
【図2】図1に示す接点装置のA−A線断面図である。
【図3】(A)は正常時の図1に示す接点装置のB−B線断面図であり、(B)は基部が傾いたときの図1に示す接点装置のB−B線断面図である。
【図4】従来の接点装置の一例を示す上面図である。
【図5】図4に示す接点装置のC−C線断面図である。
【図6】従来の接点装置の一例を示す上面図である。
【図7】図6に示す接点装置のD−D船断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。同図に示すように、接点装置1は、金属板をプレス加工して設けた導電性の可動接点2と、この可動接点2を保持する樹脂などの絶縁部材から構成されたホルダ3と、を備えている。上記可動接点2は、板状の基部21と、この基部21の一端から立ち上げられた一対の接点部22と、を有している。
【0016】
上記可動接点2の基部21は、接点部22側(図中左側)の端部から突出する突出部としての第1突出部21aと、接点部22から離れた側(図中右側)の端部から突出する一対の第2突出部21bと、を有している。上記第1突出部21aは、一対の接点部22間に設けられていて、上記一対の第2突出部21bは、基部21の一対の接点部22の並び方向Y1(図1)に沿って並べて設けられている。
【0017】
上記一対の接点部22はそれぞれ、先端に向かうに従って幅が狭くなるように設けられている。また、一対の接点部22には、その先端にプレス加工により凸状に形成した接触部22aが設けられていて、この接触部22aが従来で説明した抵抗体に摺接する。
【0018】
上記ホルダ3は、底壁部31と、この底壁部31の並び方向Y1両端から立設する立壁部32と、この底壁部31の接点部22から離れた側の端部から立設する立壁部33と、底壁部31の略中央から立設する立壁部34と、底壁部31から立設するL字状の一対の位置決めリブ35と、から構成されている。上記ホルダ3の底壁部31には、図2に示すように、基部21の接点部22の立ち上げ方向とは逆側(図2中下側)の面に接して基部21を保持する第1保持部31aが設けられている。また、ホルダ3の底壁部31には、上記第1突出部21aの先端に対向する部分に貫通孔31bが設けられていて、これにより第1突出部21aの先端部は底壁部31に保持されていない。
【0019】
また、ホルダ3の底壁部31には、基部21の接点部22先端から離れた側の端部に対向する部分に凹部31cが設けられていて、これにより基部21の接点部22から離れた側の端部も底壁部31に保持されていない。さらに、ホルダ3の底壁部31には、第2突出部21bと対向する部分に貫通孔31d(図3)が設けられていて、これにより基部21の第2突出部21bも底壁部31には保持されていない。
【0020】
上記立壁部33は、図2に示すように、一対の第2突出部21bの端面にそれぞれ当接するように設けられ、接点部22の長手方向Y2における基部21の位置決めを行う。この立壁部33には、接点部22側に向かって突出する一対の第2保持部33aが設けられている。この一対の第2保持部33aは各々、第2突出部21bの立ち上がり方向側(図2中上側)の面に接して基部21を保持する。
【0021】
上記立壁部34は、上記貫通孔31bの縁部に突設されていて、第1突出部21aよりも接点部22側に配置されている。この立壁部34と第1突出部21aの端面とは離間して設けられている。また、この立壁部34には、接点部22から離れた側に向かって突出する抜け落ち防止部34aが設けられている。この抜け落ち防止部34aは、第1突出部21aの立ち上がり方向側(図2中上側)に設けられていて、抜け落ち防止部34aと第1突出部21aとは、上記立ち上がり方向に互いに離間して対向する。上記一対の位置決めリブ35はそれぞれ、図1に示すように、基部21の接点部22側の端面と基部21の並び方向Y1両端側の端面とに当接するように設けられ、基部21の並び方向Y1及び長手方向Y2の位置決めを行う。
【0022】
以上の構成の接点装置1によれば、回転センサなどに組み付けられ、接点部22の接触部22aが図示しない抵抗体に摺接されると、接点部22の弾性力により基部21の接点部22側の端部が第1保持部31aに向かって付勢される。このように基部21の接点部22側の端部が第1保持部31aに付勢されると、基部21の第2突出部21bが立ち上がり方向に向かって(図2中上側に)持ち上がり、第2突出部21bが第2保持部33aに付勢される。このため、従来のように基部21に弾性片や凸部などを設けなくてもホルダ3にしっかりと保持される力が可動接点2に加えられる。
【0023】
また、上述した接点装置1が回転センサに組み付けられる前は、可動接点2が付勢されていないので、回転センサへの組み付けの際に、図3(B)に示すように、基部21の接点部22側の端部が立ち上がり方向側に傾いて抜け落ちる恐れがあるが、本実施形態では基部21が傾いても抜け落ち防止部34aと当接するため、可動接点2がホルダ3から抜け落ちることがない。よって、小型化及び組み付け性の向上を図ることができる。
【0024】
また、上述した接点装置1によれば、基部21の接点部22側の端部に第1突出部21aを設けることにより、この第1突出部21aを持って可動接点2をホルダ3に組み付けることができるため、接点部22を持って可動接点2をホルダ3に組み付けることがなくなり、接点部22の機能低下などの影響がなくなる。
【0025】
さらに、上述した接点装置1によれば、一対の接点部22間に第1突出部21aを設けることにより、より一層小型化を図ると共に確実に抜け落ちを防止することができる。
【0026】
なお、上述した実施形態では、基部21の接点部22側の端部に第1突出部21aを設け、この第1突出部21aと抜け落ち防止部34aとが当接して可動接点2がホルダ3から抜け落ちることを防止していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、第1突出部21aを設けずに単に抜け落ち防止部34aが基部21の接点部22側の端部と当接して抜け落ち防止を図るようにしてもよい。
【0027】
また、上述した実施形態では、一対の接点部22間に第1突出部21aを設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、大型化しても問題なければ、一対の接点部22の並び方向Y1両側に第1突出部21aを一対設けるようにしてもよい。
【0028】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 接点装置
2 可動接点
3 ホルダ
21 基部
21a 第1突出部(突出部)
22 接点部
31a 第1保持部
33a 第2保持部
34a 抜け落ち防止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基部及び前記基部の一端から立ち上げられた接点部を有する可動接点と、前記可動接点の基部を保持するホルダと、を備えた接点装置において、
前記ホルダが、前記基部の前記接点部の立ち上げ方向とは逆側の面に接して前記基部を保持する第1保持部と、前記基部の前記接点部から離れた側の端部において前記立ち上げ方向側の面に接して前記基部を保持する第2保持部と、前記基部の前記接点部側の端部に対して前記立ち上げ方向側に設けられ、前記可動接点の前記ホルダからの抜け落ちを防止するための抜け落ち防止部と、を有する
ことを特徴とする接点装置。
【請求項2】
前記基部の前記接点部側の端部に突出部が設けられ、
前記抜け落ち防止部が、前記突出部の前記立ち上げ方向側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
【請求項3】
前記接点部が並べて一対設けられ、
前記突出部が、前記一対の接点部間に設けられた
ことを特徴とする請求項2に記載の接点装置。
【請求項1】
板状の基部及び前記基部の一端から立ち上げられた接点部を有する可動接点と、前記可動接点の基部を保持するホルダと、を備えた接点装置において、
前記ホルダが、前記基部の前記接点部の立ち上げ方向とは逆側の面に接して前記基部を保持する第1保持部と、前記基部の前記接点部から離れた側の端部において前記立ち上げ方向側の面に接して前記基部を保持する第2保持部と、前記基部の前記接点部側の端部に対して前記立ち上げ方向側に設けられ、前記可動接点の前記ホルダからの抜け落ちを防止するための抜け落ち防止部と、を有する
ことを特徴とする接点装置。
【請求項2】
前記基部の前記接点部側の端部に突出部が設けられ、
前記抜け落ち防止部が、前記突出部の前記立ち上げ方向側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
【請求項3】
前記接点部が並べて一対設けられ、
前記突出部が、前記一対の接点部間に設けられた
ことを特徴とする請求項2に記載の接点装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−40208(P2011−40208A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184733(P2009−184733)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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