説明

接眼光学系と映像表示装置

【課題】 映像表示素子の小型化への対応と高精細な映像表示が可能な接眼光学系と映像表示装置を提供する。
【解決手段】 2次元映像(I)の拡大虚像を観察者の瞳(EP)に投影する接眼光学系であって、瞳(EP)側から、平面で構成された第1の反射透過面(R1)、観察者の瞳側に凹の第2の反射透過面(R2)を含み、第2の反射透過面(R2)から2次元映像(I)側に負パワーの第2光学素子(G2)を含み、条件式:-1.0<fs/f2<-0.1{f2:第2光学素子(G2)の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離}を満たす。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接眼光学系と映像表示装置に関するものであり、例えば、LCD(liquid crystal display)等の映像表示素子に表示される2次元映像を観察者の瞳に拡大投影して、その虚像を観察させる接眼光学系と、それを用いたHMD(headmounted display)等の映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平面状の2次元映像を反射透過面を用いて拡大観察させる、いわゆるパンケーキ構造の接眼光学系が従来よりいくつか提案されている。例えば、米国特許第3,443,858号明細書では平面状の反射透過面と瞳側に凹形状の反射透過面とを有する接眼光学系が開示されており、特開平7-120679号公報では瞳側にきつい凹形状の反射透過面を2つ有する接眼光学系が開示されている。また、特開平8-110492号公報においては、パンケーキ構造とレンズとを組み合わせた光学系が提案されている。その一方で、2次元映像を表示する映像表示素子の高密度化が、近年急激に進展してきている。例えば、1インチを大きく下回る小さなサイズでありながら、高精細なLCDが多数実用化されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特許第3,443,858号明細書に開示されているような反射透過面の単純な組み合わせでは、映像表示素子が小さいと、十分なアイレリーフを維持したまま広い視野角を確保するのが困難である。特開平7-120679号公報に開示されている反射透過面の組み合わせによれば、広い視野角を達成することは可能である。しかし、偏光を利用して直接光を除去するために波長板やコレステリック液晶面を反射透過面に形成しようとしても、2つの反射透過面が両方とも曲面で構成されているため、その形成は困難である。また、最も瞳側の面が瞳に向かって凹形状の面であるため、やはりアイレリーフを十分にとることが困難である。特開平8-110492号公報で提案されている光学系の場合、映像表示素子側に正又は弱い負レンズが配置されているため、映像表示素子に対してテレセントリックな光線を維持したまま、小さい映像表示素子に対応することが困難である。
【0004】本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、映像表示素子の小型化への対応及び高精細な映像表示が可能な接眼光学系と、それを用いた映像表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明の接眼光学系は、2次元映像の拡大虚像を観察者の瞳に投影する接眼光学系であって、観察者の瞳側から、平面で構成された第1の反射透過面と、観察者の瞳側に凹の第2の反射透過面とを含むとともに、前記第2の反射透過面から2次元映像側に負パワーの光学素子を含み、更に以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする。
-1.0<fs/f2<-0.1 …(1)ただし、f2:負パワーの光学素子の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離、である。
【0006】第2の発明の接眼光学系は、上記第1の発明の構成において、前記第2の反射透過面が以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする。
-4.0<CRs/fs<-0.8 …(2)ただし、CRs:第2の反射透過面の曲率半径、fs :接眼光学系の焦点距離、である。
【0007】第3の発明の接眼光学系は、上記第1の発明の構成において、さらに以下の条件式(3)を満たす正パワーの光学素子を最も瞳側に有することを特徴とする。
0≦fs/f1<1.0 …(3)ただし、f1:正パワーの光学素子の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離、である。
【0008】第4の発明の接眼光学系は、上記第1の発明の構成において、前記負パワーの光学素子が以下の条件式(4)を満たすことを特徴とする。
νd<35 …(4)ただし、νd:負パワーの光学素子のアッベ数、である。
【0009】第5の発明の接眼光学系は、上記第1の発明の構成において、前記第2の反射透過面が前記負パワーの光学素子の一部であることを特徴とする。
【0010】第6の発明の接眼光学系は、上記第3の発明の構成において、前記第1の反射透過面が前記正パワーの光学素子の一部であることを特徴とする。
【0011】第7の発明の映像表示装置は、上記第1〜第6の発明のいずれか1つの接眼光学系と、前記2次元映像を表示する映像表示素子と、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した接眼光学系と映像表示装置を、図面を参照しつつ説明する。図1R>1,図3,図5,図7,図9は、第1〜第5の実施の形態にそれぞれ対応する光学構成図である。各光学構成図中のIは2次元映像であり、2次元映像(I)を表示する映像表示素子(例えばLCD)の表示面に相当する{つまり接眼光学系を結像系として見た場合の像面に相当する。}。また、面Si(i=1,2,3,...)は、瞳(EP)を含めた系において瞳(EP)側から数えてi番目の面、*印が付された面Siは非球面である。
【0013】各実施の形態の映像表示装置は、2次元映像(I)を表示する映像表示素子と、その2次元映像(I)の拡大虚像を観察者の瞳(EP)に投影する接眼光学系と、で構成されている。その接眼光学系は、観察者の瞳(EP)側から順に第1光学素子(G1)と第2光学素子(G2)とで構成されており、観察者の瞳(EP)側から、第1の反射透過面(R1)と、観察者の瞳(EP)側に凹の第2の反射透過面(R2)と、を含んでいる。また、上記第2光学素子(G2)は負のパワーを有し、第2の反射透過面(R2)から2次元映像(I)側に配置されている。
【0014】第1の実施の形態(図1)では、第1光学素子(G1)が瞳(EP)側に凸の平凸正レンズであり、第2光学素子(G2)が両凹負レンズ(両面が非球面)である。また、第1光学素子(G1)の2次元映像(I)側の面が第1の反射透過面(R1)になっており、第2光学素子(G2)の瞳(EP)側の面が第2の反射透過面(R2)になっている。
【0015】第2の実施の形態(図3)では、第1光学素子(G1)が2次元映像(I)側に凸の平凸正レンズ{2次元映像(I)側の面が非球面}であり、第2光学素子(G2)が両凹負レンズ(瞳(EP)側の面が非球面)である。また、第1光学素子(G1)の瞳(EP)側の面が第1の反射透過面(R1)になっており、第2光学素子(G2)の瞳(EP)側の面が第2の反射透過面(R2)になっている。
【0016】第3の実施の形態(図5)では、第1光学素子(G1)が2次元映像(I)側に凸の平凸正レンズ{2次元映像(I)側の面が非球面}であり、第2光学素子(G2)が2次元映像(I)側に凹の負メニスカスレンズである。また、第1光学素子(G1)の瞳(EP)側の面が第1の反射透過面(R1)になっており、第1光学素子(G1)の2次元映像(I)側の面が第2の反射透過面(R2)になっている。
【0017】第4の実施の形態(図7)では、第1光学素子(G1)が瞳(EP)側に凸の平凸正レンズ(瞳(EP)側の面が非球面)であり、第2光学素子(G2)が瞳(EP)側に凹の平凹負レンズ(瞳(EP)側の面が非球面)である。また、第1光学素子(G1)の2次元映像(I)側の面が第1の反射透過面(R1)になっており、第2光学素子(G2)の瞳(EP)側の面が第2の反射透過面(R2)になっている。
【0018】第5の実施の形態(図9)では、第1光学素子(G1)が平板であり、第2光学素子(G2)が両凹負レンズ(両面が非球面)である。また、第1光学素子(G1)の2次元映像(I)側の面が第1の反射透過面(R1)になっており、第2光学素子(G2)の瞳(EP)側の面が第2の反射透過面(R2)になっている。
【0019】上記各実施の形態のようにパンケーキ構造を有する接眼光学系において、2次元映像(I)側に強い負パワーの第2光学素子(G2)を配置すれば、映像表示素子が小さく高精細であっても十分な光学性能を得ることができる。したがって、映像表示素子の小型化に対応するとともに、高精細な映像表示を行うことが可能となる。しかも、十分なアイレリーフと広い視野角を維持しながら、映像表示素子に対してテレセントリックな構成を達成することができる。
【0020】上述した負パワーの観点から、更に以下の条件式(1)を満たすことが望ましい。
-1.0<fs/f2<-0.1 …(1)ただし、f2:負パワーの第2光学素子(G2)の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離、である。
【0021】条件式(1)は、2次元映像(I)側に配置される第2光学素子(G2)の望ましい負パワーを規定している。条件式(1)の上限を上回ると、第2光学素子(G2)の負パワーが弱くなりすぎて、小さい映像表示素子に対してテレセントリックにすることが困難になる。条件式(1)の下限を下回ると、第2光学素子(G2)の負パワーが強くなりすぎて、第2光学素子(G2)により生じる像面湾曲の補正が困難になる。
【0022】上記第2光学素子(G2)の負パワーに関しては、以下の条件式(1')を満たすことが更に望ましい。
-0.8<fs/f2<-0.2 …(1')
【0023】条件式(1')の上限を上回ると、2次元映像(I)から第2の反射透過面(R2)までの距離を長くとる必要が生じる。2次元映像(I)から第2の反射透過面(R2)までの距離を長くとると、接眼光学系は厚くなってコンパクトでなくなる。条件式(1')の下限を下回ると、負パワーの第2光学素子(G2)で生じる色収差の補正が困難になる。
【0024】また、第2の反射透過面(R2)が以下の条件式(2)を満たすことが望ましい。
-4.0<CRs/fs<-0.8 …(2)ただし、CRs:第2の反射透過面(R2)の曲率半径、fs :接眼光学系の焦点距離、である。
【0025】条件式(2)は、第2の反射透過面(R2)の望ましい曲率半径を規定している。条件式(2)の下限を下回ると、凹面反射のパワーが弱くなりすぎるため、接眼光学系全体に必要なパワーを与えることが困難になったり、2次元映像(I)側の第2光学素子(G2)の負パワーを弱くする必要が生じるため、小さい映像表示素子に対応することが困難になったりする。条件式(2)の上限を上回ると、凹面反射のパワーが過大に強くなり、凹面反射で発生する像面湾曲を補正することが困難になる。
【0026】第1〜第4の実施の形態のように正パワーの第1光学素子(G1)を最も瞳(EP)側に配置することが望ましく、また、以下の条件式(3)を満たす正パワーの光学素子(G1)を最も瞳(EP)側に配置することが更に望ましい。
0≦fs/f1<1.0 …(3)ただし、f1:正パワーの第1光学素子(G1)の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離、である。
【0027】条件式(3)は、最も瞳(EP)側に配置される第1光学素子(G1)の望ましい正パワーを規定している。条件式(3)の下限を下回ると、凹面反射で発生する像面湾曲を打ち消すことが困難になる。条件式(3)の上限を上回ると、第1光学素子(G1)に正パワーが集中しすぎてしまい、正パワーの第1光学素子(G1)で発生する色収差の補正が困難になる。
【0028】上記第1光学素子(G1)の正パワーに関しては、以下の条件式(3')を満たすことが更に望ましい。
0.2≦fs/f1<0.7 …(3')
【0029】条件式(3')の下限を下回ると、接眼光学系の主点位置が瞳(EP)から遠ざかるため、十分なアイレリーフをとることが困難になる。条件式(3')の上限を上回ると、第1光学素子(G1)に正パワーが集中し過ぎてしまい、2次元映像(I)までのバックフォーカスを十分にとることが困難になる。
【0030】第2の反射透過面(R2)から2次元映像(I)側に配置される、前述した負パワーの第2光学素子(G2)は、以下の条件式(4)を満たすことが望ましい。
νd<35 …(4)ただし、νd:負パワーの第2光学素子(G2)のアッベ数、である。
【0031】条件式(4)は、負パワーの第2光学素子(G2)の望ましい分散の大きさを規定している。条件式(4)の上限を上回ると、瞳(EP)側の正パワーの第1光学素子(G1)で発生する色収差を、負パワーの第2光学素子(G2)で十分に打ち消すことが困難になる。
【0032】第1〜第5の実施の形態のように、第1の反射透過面(R1)が平面で構成されていることが望ましい。このように構成すれば、その平面上にコレステリック液晶等の特殊な偏光選択特性を持つフィルムを貼り付けるだけで、第1の反射透過面(R1)に選択反射特性を与えることができるため、量産性とコスト面で有利になる。
【0033】第1,第2,第4,第5の実施の形態のように、第2の反射透過面(R2)が負パワーの第2光学素子(G2)の一部であることが望ましい。第2の反射透過面(R2)から2次元映像(I)側に配置される、前述した負パワーの第2光学素子(G2)の一部で第2の反射透過面(R2)を構成すれば、光学部品を少なくすることができるため、接眼光学系のコンパクト化及び低コストを達成することができる。
【0034】第1〜第5の実施の形態のように、第1の反射透過面(R1)が正パワーの第1光学素子(G1)の一部であることが望ましい。最も瞳(EP)側に配置される、前述した正パワーの第1光学素子(G1)の一部で第1の反射透過面(R1)を構成すれば、やはり光学部品を少なくすることができるため、接眼光学系のコンパクト化及び低コスト化を達成することができる。
【0035】第1〜第5の実施の形態では、第2の反射透過面(R2)が非球面から成る凹面反射面で構成されている。このように、凹面反射面は非球面であることが望ましい。凹面反射面を非球面にすれば、接眼光学系の像面湾曲が良好になるため、より広い視野角を得ることが可能となる。
【0036】また第1〜第5の実施の形態のように、接眼光学系が2つの光学ブロックから成ることが望ましい。2つの光学ブロックで構成すれば、コンパクトな接眼光学系を得ることができる。そして、接眼光学系のすべての光学ブロックをプラスチックレンズで構成することが更に望ましい。プラスチックレンズで構成すれば、軽量で低コストな接眼光学系を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施した接眼光学系の光学構成を、コンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜5は、前述した第1〜第5の実施の形態にそれぞれ対応しており、各実施の形態を表す光学構成図(図1,図3,図5,図7,図9R>9)は、対応する実施例の光学構成をそれぞれ示している。各実施例のコンストラクションデータにおいて、Si(i=1,2,3,...)は、瞳(EP)を含めた系において、瞳(EP)側から光路順に数えてi番目の面であり、ri(i=1,2,3,...)は面Siの曲率半径(mm)である。また、di(i=1,2,3,...)は、瞳(EP)を含めた系において、瞳(EP)側から光路順に数えてi番目の軸上面間隔(mm)を示しており、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は瞳(EP)側から光路順に数えてi番目の光学素子のd線に対する屈折率,アッベ数をそれぞれ示している。瞳(EP)の直径(瞳径)及び視野角を他のデータと併せて示し、表1に各実施例の条件式対応値及びその関連データを示す。
【0038】*印が付された面Siは、非球面で構成された面であることを示し、非球面の面形状を表わす以下の式(AS)で定義されるものとする。各非球面データを他のデータと併せて示す。
Z(H)=(C0H2)/{1+√(1-εC02H2)}+(A4H4+A6H6+A8H8+A10H10) …(AS)ただし、式(AS)中、Z(H):高さHの位置での光軸方向の変位量(面頂点基準)、H :光軸からの高さ(光軸垂直方向高さ)、C0 :近軸曲率、ε :2次曲面パラメータ、Ai :i次の非球面係数(i=4,6,8,10)、である。
【0039】図2,図4,図6,図8,図10は実施例1〜実施例5にそれぞれ対応する収差図であり、各々左から順に、球面収差,非点収差(像面湾曲),歪曲収差を示している。球面収差図において、縦軸は瞳(EP)への入射高さ{最大高さが瞳(EP)の半径}であり、横軸は近軸結像位置からの光軸方向のズレ量(mm)である。また、実線(d)はd線に対する球面収差、一点鎖線(g)はg線に対する球面収差、二点鎖線(c)はc線に対する球面収差、破線(SC)は正弦条件を表している。非点収差図において、縦軸は半視野角(°)であり、横軸は近軸結像位置からの光軸方向のズレ量(mm)である。また、破線(DM)はメリディオナル面でのd線に対する非点収差を表しており、実線(DS)はサジタル面でのd線に対する非点収差を表わしている。歪曲収差図において、縦軸は半視野角(°)であり、横軸はd線に対する歪曲収差量(%)である。なお、本来は2次元映像(I)が物体面であるが、ここでは接眼光学系の光学設計上、2次元映像(I)側で光学性能を評価している。
【0040】
《実施例1》
瞳径=φ7(mm),視野角=32(°)[面] [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数]S1(EP) r1= ∞ d1= 25.000S2 r2= 27.802 d2= 4.000 N1=1.49140 ν1=57.82S3(R1) r3= ∞ …(透過) d3= 4.000S4(R2)*r4= -41.760 …(反射) d4= -4.000S5(R1) r5= ∞ …(反射) d5= 4.000S6(R2)*r6= -41.760 …(透過) d6= 5.000 N2=1.58340 ν2=30.23S7* r7= 81.246
【0041】
[第4面(S4),第6面(S6)の非球面データ] ε= 1.00000 A4= 0.59866×10-6 A6=-0.73699×10-7 A8= 0.47107×10-9A10=-0.13054×10-11
【0042】
[第7面(S7)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.65493×10-4 A6= 0.58179×10-5 A8= 0.63809×10-7A10=-0.14449×10−8
【0043】
《実施例2》
瞳径=φ7(mm),視野角=32(°)[面] [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数]S1(EP) r1= ∞ d1= 25.000S2(R1) r2= ∞ …(透過) d2= 2.500 N1=1.51680 ν1=64.20S3* r3= -108.995 d3= 4.000S4(R2)*r4= -40.689 …(反射) d4= -4.000S5* r5= -108.995 d5= -2.500 N2=1.51680 ν2=64.20S6(R1) r6= ∞ …(反射) d6= 2.500 N3=1.51680 ν3=64.20S7* r7= -108.995 d7= 4.000S8(R2)*r8= -40.689 …(透過) d8= 6.000 N4=1.49140 ν4=57.82S9 r9= 23.396
【0044】
[第3面(S3)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.74599×10-4 A6= 0.20662×10-5 A8=-0.16844×10-7A10= 0.50982×10−10
【0045】
[第4面(S4),第8面(S8)の非球面データ] ε= 1.00000 A4= 0.32069×10-4 A6=-0.72275×10-6 A8= 0.47597×10-8A10=-0.12507×10-10
【0046】
[第5面(S5),第7面(S7)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.74599×10-4 A6= 0.20662×10-5 A8=-0.16844×10-7A10= 0.50982×10-10
【0047】
《実施例3》
瞳径=φ7(mm),視野角=32(°)[面] [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数]S1(EP) r1= ∞ d1= 25.000S2(R1) r2= ∞ …(透過) d2= 5.000 N1=1.49140 ν1=57.82S3(R2)*r3= -50.973 …(反射) d3= -5.000 N2=1.49140 ν2=57.82S4(R1) r4= ∞ …(反射) d4= 5.000 N3=1.49140 ν3=57.82S5(R2)*r5= -50.973 …(透過) d5= 2.000S6 r6= 21.791 d6= 1.123 N4=1.75000 ν4=25.14S7 r7= 11.339
【0048】
[第3面(S3),第5面(S5)の非球面データ] ε= 1.00000 A4= 0.45016×10-5 A6=-0.35523×10-7 A8= 0.37691×10-9A10=-0.12877×10-11
【0049】
《実施例4》
瞳径=φ6(mm),視野角=24(°)[面] [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数]S1(EP) r1= ∞ d1= 12.000S2* r2= 59.384 d2= 3.000 N1=1.49140 ν1=57.82S3(R1) r3= ∞ …(透過) d3= 4.000S4(R2)*r4= -24.373 …(反射) d4= -4.000S5(R1) r5= ∞ …(反射) d5= 4.000S6(R2)*r6= -24.373 …(透過) d6= 5.000 N2=1.58340 ν2=30.23S7 r7= ∞
【0050】
[第2面(S2)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.41243×10-4 A6=-0.29315×10-5 A8= 0.15673×10-6A10=-0.27763×10-8
【0051】
[第4面(S4),第6面(S6)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.11396×10-4 A6=-0.71647×10-6 A8= 0.22931×10-7A10=-0.27297×10-9
【0052】
《実施例5》
瞳径=φ7(mm),視野角=32(°)[面] [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数]S1(EP) r1= ∞ d1= 25.000S2 r2= ∞ d2= 3.000 N1=1.51680 ν1=64.20S3(R1) r3= ∞ …(透過) d3= 4.000S4(R2)*r4= -30.768 …(反射) d4= -4.000S5(R1) r5= ∞ …(反射) d5= 4.000S6(R2)*r6= -30.768 …(透過) d6= 5.000 N2=1.49140 ν2=57.82S7* r7= 30.353
【0053】
[第4面(S4),第6面(S6)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.30269×10-5 A6=-0.70506×10-7 A8= 0.25012×10-9A10=-0.96437×10-12
【0054】
[第7面(S7)の非球面データ] ε= 1.00000 A4=-0.19741×10-3 A6= 0.46635×10-5 A8= 0.17636×10-6A10=-0.28127×10-8
【0055】
【表1】


【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、適正な負パワーの光学素子が第2の反射透過面から2次元映像側に配置されているため、映像表示素子の小型化への対応及び高精細な映像表示が可能である。また、接眼光学系のコンパクトさと適正なアイレリーフとを確保しつつ、広い視野角を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態(実施例1)の光学構成図。
【図2】実施例1の収差図。
【図3】第2の実施の形態(実施例2)の光学構成図。
【図4】実施例2の収差図。
【図5】第3の実施の形態(実施例3)の光学構成図。
【図6】実施例3の収差図。
【図7】第4の実施の形態(実施例4)の光学構成図。
【図8】実施例4の収差図。
【図9】第5の実施の形態(実施例5)の光学構成図。
【図10】実施例5の収差図。
【符号の説明】
G1 …第1光学素子(正パワーの光学素子又は平板から成る光学素子)
G2 …第2光学素子(負パワーの光学素子)
R1 …第1の反射透過面
R2 …第2の反射透過面
EP …瞳
I …2次元映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】 2次元映像の拡大虚像を観察者の瞳に投影する接眼光学系であって、観察者の瞳側から、平面で構成された第1の反射透過面と、観察者の瞳側に凹の第2の反射透過面とを含むとともに、前記第2の反射透過面から2次元映像側に負パワーの光学素子を含み、更に以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする接眼光学系;
-1.0<fs/f2<-0.1 …(1)ただし、f2:負パワーの光学素子の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離、である。
【請求項2】 前記第2の反射透過面が以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1記載の接眼光学系;
-4.0<CRs/fs<-0.8 …(2)ただし、CRs:第2の反射透過面の曲率半径、fs :接眼光学系の焦点距離、である。
【請求項3】 さらに以下の条件式(3)を満たす正パワーの光学素子を最も瞳側に有することを特徴とする請求項1記載の接眼光学系;
0≦fs/f1<1.0 …(3)ただし、f1:正パワーの光学素子の焦点距離、fs:接眼光学系の焦点距離、である。
【請求項4】 前記負パワーの光学素子が以下の条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1記載の接眼光学系;
νd<35 …(4)ただし、νd:負パワーの光学素子のアッベ数、である。
【請求項5】 前記第2の反射透過面が前記負パワーの光学素子の一部であることを特徴とする請求項1記載の接眼光学系。
【請求項6】 前記第1の反射透過面が前記正パワーの光学素子の一部であることを特徴とする請求項3記載の接眼光学系。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の接眼光学系と、前記2次元映像を表示する映像表示素子と、を有することを特徴とする映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2001−142006(P2001−142006A)
【公開日】平成13年5月25日(2001.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−325662
【出願日】平成11年11月16日(1999.11.16)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】