説明

接着部材の接着方法

【課題】接着部材同士の間からの接着剤のはみ出しを低減することにより、該はみ出した接着剤を仕上げ加工により除去する工程を省くことができる接着部材の接着方法を提供する。
【解決手段】接着部材11,12同士の少なくとも一方の表面の接着領域に接着剤Bを塗布する工程と、接着剤Bを介して接着領域11a,12a同士を当接させる工程と、接着領域の間の接着剤Bを硬化させて接着部材11,12同士を接合する工程と、を少なくとも含む接着部材11,12の接着方法であって、少なくとも前記接合工程前に、前記接着領域11aから、前記接着領域11aに隣接した隣接領域11bに流出する接着剤Bを堰き止める堰40を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着部材の接着方法に係り、特に、硬化性の接着剤を用いて接着部材を好適に接着することができる接着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の部品等の接着部材同士のうち少なくとも一方の表面の接着領域に接着剤を塗布し、この接着剤を介して接着領域同士を当接させ、この接着領域間の接着剤を加熱又は自然乾燥等により硬化させて接着部材同士を接合し、接着部材同士を接着することは良く行なわれている。
【0003】
このような接着方法では、前記当接及び接合の際に、接着領域に隣接した隣接領域(非接着面)に、塗布した接着剤が流れ出す(はみ出す)ことがよくある。この流出した接着剤は、前記隣接領域にある止水シール面やボルトの座面等の一部に付着することがあり、部材の機能を阻害したり、美観性を損なうことがあるため、このはみ出した接着剤を部材から除去すべく仕上げ加工が必要となる場合が多い。
【0004】
このような点を鑑みて、例えば、図3,4に示すような、マスキング方法が実施されている。具体的には、接着部材11、12を接着するにあたって、接着領域11a,12a同士を接合する前に、接着領域11aに隣接した隣接領域11b(非接着面)に、これら領域の境界線Hに沿って、マスキングテープ20を貼り付ける。そして、前記と同様に、接着剤Bの塗布から接着部材11、12の接合までの一連の工程を行なうことによって、接着部材11、12同士の接着を行なう(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この方法によれば、マスキングテープ20を用いることにより、止水シール面やボルト(締結部材)60の座面を含む隣接領域11bに接着剤Bが流れ出したとしても、マスキングテープ20がこれらの面を覆っているので、接着剤Bがこれらの面に直接付着することを回避することができる。
【0006】
また、別の態様では、接着部材の接着領域に一部を折曲させて、接着剤の流出防止用のダム部を設けた接着構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平9−11228号公報
【特許文献2】特開2000−313229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図4(図3のb−b断面)に示すように、接着剤を介して接着部材11,12同士を当接するときや、当接後の接着剤Bを硬化させて接合するときに、接着領域11a,12aに配置された接着剤Bの一部が、接着部材11の隣接領域11bに、多量に流れ出ることがある。この流出した接着剤Bは、接着部材11の表面において団子状の接着剤Bの塊Mとなって硬化することがある。
【0009】
この結果として、マスキングテープ20を接着部材11から剥がそうとしても、接着剤Bの塊Mが障害となって、マスキングテープ20を剥がすことができないことがあった。これにより、締結部材60の表面に直接的に接着剤Bが付着しないものの、その表面のマスキングテープ20を介して接着剤Bが残存することになり、結局のところ、団子状の接着剤Bの塊Mを除去すべく、仕上げ加工が必要となってしまう。
【0010】
また、特許文献2に示すように、接着剤の流出防止用のダム部を設けたとしても、多量の接着剤が流出しようとした場合には、該ダム部にすべての接着剤を収容することはできない。この場合、ダム部の接着剤を収容できる容量を増量することも考えられるが、ダム部は接着領域の一部を構成しており、該増量により前記接着部材の形状を変えてしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接着部材同士の間からの接着剤のはみ出しを低減することにより、該はみ出した接着剤を仕上げ加工により除去する工程を省くことができる接着部材の接着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決すべく、本発明に係る接着部材の接着方法は、接着部材同士のうち少なくとも一方の表面の接着領域に接着剤を塗布する工程と、該接着剤を介して前記接着領域同士を当接させる工程と、該接着領域の間の前記接着剤を硬化させて前記接着部材同士を接合する工程と、を少なくとも含む接着部材の接着方法であって、少なくとも前記接合工程前に、前記接着領域に隣接した隣接領域に、前記接着領域から流出する前記接着剤を堰き止める堰を前記隣接領域に設けることを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、接着剤を少なくとも加熱などにより硬化させる前に、前記接着領域から、非接着面である前記隣接領域に流れ出す接着剤を堰き止める堰を前記隣接領域に設けたので、流出する接着剤が、非接着面に付着することを抑制することができる。この結果、接着剤の除去を目的とした仕上げ加工を排除することも可能である。
【0014】
このような堰としては、流出する接着剤を堰き止めることができるものであれば、特に、その形状は限定さえるものではないが、より好ましくは、本発明に係る接着部材の接着方法において、前記堰は、前記接着剤が流出する方向に対して垂直方向に沿って形成された壁面を有することがより好ましい。
【0015】
このような壁面を有した堰を用いることにより、非接着面である隣接領域に接着剤が流出したとしても、接着剤は非接着面に沿って広がることなく、前記接着剤が流出する方向に対して垂直方向に形成された壁面に沿って広がる。この結果、接着剤の付着が望ましくない部位に接着剤が流れ、その部位に接着剤が付着して硬化することを確実に低減することができる。さらに、前記壁面は、結果として、接着部材の表面に対して垂直方向に形成されることになるので、接着(接合)後に接着部材から前記堰を容易に取り除くことができる。
【0016】
本発明でいう「接着剤が流出する方向」とは、接着領域から隣接領域に流れる接着剤の流れ方向をいい、具体的には、堰を設けないときに接着剤が流れる隣接領域の表面に沿った方向をいう。
【0017】
本発明に係る接着部材の接着方法は、前記堰を設ける工程において、突出部が形成された押さえプレートを用いて、該押さえプレートが前記接着部材の前記隣接領域のうち所定部位を覆うように前記接着部材を押さえると共に、前記突出部を前記隣接領域に接触させることにより、前記押さえプレートで前記堰が形成されることがより好ましい。
【0018】
本発明によれば、押さえプレートにより接着部材を押さえ、突出部が隣接領域を押圧して接触することにより、突出部が、流出する接着剤を堰き止める堰となる。これにより、押さえプレートが覆われた所定の部位、すなわち、本来マスキングテープを貼り付けるべき接着剤を付着させたくない所望の部位に、接着剤が流れ込むことを抑制することができる。さらに、押さえプレートはプレート状の部材であることから、接着(接合)後に接着部材から押さえプレートを容易に取り除くことができる。
【0019】
また、押さえプレートで押える対象である接着部材の表面に接触させる際には、突出部とこの接着部材との間に隙間が形成されないことが好ましい。しかし、押さえプレートの配置によっては、突出部を含む押さえプレートの一部表面が、接着部材の凹凸のある表面に接触して、前記隙間が形成されることがある。このため、押さえプレートの突出部の見切りと接着部材の合わせが容易になるように、接着部材に対する突出部の接触幅がより狭いことが好ましい。
【0020】
より好ましくは、本発明に係る接着部材の接着方法は、前記押さえプレートとして、前記突出部が、前記接着部材に対して線接触するように形成された押さえプレートを用いる。本発明によれば、前記押さえプレートを用いることにより、押さえプレートと接着部材との位置合わせが容易となり、突出部と接着部材との間の隙間の形成を回避するばかりでなく、突出部が接着部材に対して線接触するので、押さえプレート押圧時の突出部と接着部材との接触圧力を高められ、これらの間に接着剤が入り込むことを確実に防止することができる。
【0021】
本発明に係る接着部材の接着方法は、前記隣接領域にマスキングテープを貼り付ける工程をさらに含み、前記マスキングテープが貼り付けられた前記隣接領域に、前記堰を設けることがより好ましい。
【0022】
本発明によれば、前記堰を設ける前にマスキングテープを貼り付けることにより、たとえ隣接領域に接着剤が流れ込んだとしても、堰を越えて流れ込む接着剤の量はわずかであるので、マスキングテープに付着する接着剤は団子状の塊にならない。これにより、マスキングテープと共に該マスキングテープに付着した接着剤を容易に取り除くことができる。
【0023】
また、本発明にいう「マスキングテープ」とは、マスキング粘着テープのことをいい、接着部材の非接着面に貼り付けることができ、接着後に剥がすことができる粘着面を有したテープであれば特に限定されるものではなく、粘着面と反対面は、接着剤に対して離型性を有するものがより好ましい。
【0024】
本発明に係る接着部材の接着方法は、前記堰の表面のうち少なくとも前記接着剤と接触する面に、前記接着剤に対して離型性を有する材料を用いることがより好ましい。
【0025】
本発明によれば、接着剤に対して離型性を有する材料を用いることにより、接着部材同士の接合(接着)後、堰(押さえプレートを用いた場合にはそのプレートの突出部)を、接着部材から容易に取り除くことができる。
【0026】
このような、離型性を有する材料としては、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができ、たとば、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの合成樹脂を挙げることができ、付着した接着剤を容易に剥がすことができるものであれば、特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、接着部材同士の間からの接着剤のはみ出しを低減することにより、該はみ出した接着剤を仕上げ加工により除去する工程を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、図面を参照して、本発明に係る接着部材の接着方法の実施形態に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る接着部材の接着方法を説明するための図であり、(a)は、マスキングテープを貼り付ける工程を説明するための図であり、(b)は、堰を設ける工程を説明するための図であり、(c)は、接着剤を塗布する工程を説明するための図であり、(d)は、接着部材同士を接合する工程を説明するための図である。さらに、図2は、図1の工程(d)を説明するための斜視図である。なお、図2のa−a断面図が、図1(d)に相当する。
【0030】
本実施形態に係る接着方法は、図2に示すように、一対の接着部材11,12同士を、接着剤Bを用いて接着する方法である。図1(a)に示すように、接着部材11の表面は、接着部材12と接着するための接着領域11aを有しており、この接着領域11aと隣接する隣接領域(非接着面)11bには、締結部材60が存在する。まず、図1(a)に示すように、締結部材60を含む隣接領域11bにマスキングテープ20を貼り付ける。マスキングテープ20の張り付け位置は、隣接領域11bのうち、接着剤Bが接着領域11aからはみ出すおそれのある位置である。なお、マスキングテープ20は、接着作業時に用いられる一般的に知られたテープでよい。
【0031】
次に、図1(b)に示すように、押さえプレート30を用いて、接着部材11の接着領域11aから、接着領域11aに隣接した隣接領域11bに流出する接着剤Bを堰き止めるための堰40を設ける。
【0032】
押さえプレート30は、プレート部31と、接着剤Bの流出防止用の壁面32aが形成された突出部32と、を有している。この押さえプレート30を用いて、押さえプレート30のプレート部31が接着部材11のマスキングした所定部位(締結部材60の表面等の接着剤Bの付着が望ましくない位置)を覆い、マスキングテープ20が貼り付けられた隣接領域11bに、突出部32が接触して堰40を形成するように、押さえプレート30を接着部材11に配置する。そして、この姿勢を維持して、押さえプレート30により接着部材11を押さえる。また、この押さえプレート30は、図2に示すように、接着領域11aに沿った形状となっている。
【0033】
このとき、突出部32を接着部材11に接触させる際には、突出部32と接着部材11との間に隙間が形成されないことが好ましい。しかし、押さえプレート30の配置によっては、突出部32を含む押さえプレート30の一部表面が、接着部材11の凹凸のある表面に接触して、隙間が形成されることがある。このため、押さえプレート30の突出部32の見切りと接着部材11の合わせが容易になるように、接着部材11に対する突出部32の接触幅(当り幅)Dは、より狭いことが好ましく、突出部32を、接着部材11に対して線接触させることがより好ましい。
【0034】
押さえプレート30を用いて、この接触状態を確保することにより、押さえプレート30と接着部材11との位置合わせが容易となり、突出部32と接着部材11との間の隙間の形成を回避するばかりでなく、押さえプレート30の押圧時の突出部32と接着部材11との接触圧力を高め、これらの間に接着剤Bが入り込むことを確実に防止することができる。
【0035】
さらに、堰40の壁面32aは、図1(d)において後述する接着剤Bが流出する流出方向Fに対して、垂直方向Vに沿って形成されており、この流出方向Fは、接着領域11aの表面に沿った方向であり、これに対する垂直方向Vは、接着領域11aの表面の法線方向と一致している。
【0036】
また、堰40を形成する突出部32の表面のうち、堰40を形成する壁面32aなど、接着剤Bを接触する面には、接着剤Bに対して離型性を有する材料が用いられている。例えば、このような離型性を有する材料としては、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの高分子樹脂などを挙げることができ、これらの樹脂が表面にライニング又はコーティングされていてもよく、押さえプレートそのものがこれらの樹脂からなってもよい。
【0037】
次に、図1(c)に示すように、接着部材11に接着される接着部材12の接着領域12aに接着剤Bを塗布する。本実施形態では、接着領域12aに接着剤Bを塗布したが、図1(b)に示す状態で、接着部材11の接着領域11aに接着剤Bを塗布しても良く、接着領域11a,12aの双方に、接着剤Bを塗布してもよい。また、接着剤Bは、加熱や乾燥をさせることにより接着領域11a,12aの接着性を確保することができるものであれば、特にその種類は限定されるものではないが、より好ましい接着剤としては、熱硬化性樹脂からなる接着剤である。熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いることにより、後述するオーブンなどで接着剤の加熱を行なえば、短時間で接着部材同士を接着することができるからである。
【0038】
そして、図1(d)に示すように、接着剤Bを介して接着領域11aと接着領域12aとを当接させる。この際、押えプレート30の壁面32aと接着部材12の端面12cは、全面で当接していることが望ましいが、図1(d)に示すように、一部において隙間Lが形成されていてもよい。
【0039】
そして、接着領域11a、12a同士の当接した姿勢を維持し、接着領域11a,12aの間の接着剤Bをオーブンなどにより加熱して、接着部材11、接着部材12を接合する。最後に、押さえプレート30を接着部材11から取り除き接着部材11、12の接着を行なうことができる。
【0040】
このようにして、接着部材11,12の接着を行なうことにより、接着部材11、12同士の間からの接着剤のはみ出しを低減することにより、はみ出した接着剤を仕上げ加工等で除去する工程を省くことができる。
【0041】
具体的には、接着領域11aから、締結部材60の表面を含む非接着面である隣接領域11bに流れ出す接着剤Bを堰き止める堰40を設けたので、流出する接着剤Bがマスキングテープ20を貼り付けた非接着面に付着することを抑制することができる。この結果、接着後の接着剤の除去を目的とした仕上げ加工を排除することも可能である。
【0042】
さらに、押さえプレート30の突出部32により、堰40の壁面32aを流出方向Fに対して垂直方向Vに沿って形成されるようにしたので、非接着面である隣接領域に接着剤が流出したとしても、接着剤Bは非接着面に沿って広がることなく、図1(d)に示すように、接着剤Bが流出する流出方向Fに対して垂直方向に形成された壁面32aに沿って広がった、はみ出し部分B1が形成されるので、このはみ出し部分B1は除去する必要はない。
【0043】
この結果、接着剤Bがマスキングテープ20を貼り付けた部位に流れ難くなる。さらに、壁面32aは、接着部材11の隣接領域11bの表面に対して垂直方向に形成されることになるので、接着(接合)後に接着部材11から堰40(押さえプレート30)を容易に取り除くことができる。また、押さえプレート30のプレート部31を設けたことにより、接着部材11から押さえプレート30をさらに容易に取り除くことができる。
【0044】
また、押さえプレート30により堰40を設ける前に、マスキングテープ20を貼り付けることにより、たとえ隣接領域11bに接着剤Bが流れ込んだとしても、堰40を越えて流れ込む接着剤Bの量はわずかであるので、マスキングテープ20に付着する接着剤Bは団子状の塊にならない。これにより、マスキングテープ20と共に該マスキングテープ20に付着した接着剤Bを容易に取り除くことができる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【0046】
本実施形態では、マスキングテープを貼り付ける工程、堰を設ける工程、接着剤を塗布する工程の順に行ったが、堰を設ける工程が接合工程の前にあれば、これらの工程の順序が入れ替ってもよい。また、隣接領域への接着剤の流入を、堰を設けることにより防止することができるのであれば、マスキングテープを貼り付ける工程を省略してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、押さえプレート30と、接着部材12とを当接させるように、両者を配置したが、押さえプレート30と接着部材12との間に、流出した(はみ出した)接着剤を収容するために、所定の隙間を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る接着部材の接着方法は、たとえば、接着剤の替わりに、コーキング剤、シール剤を用いて、部材間の隙間を埋める場合に利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係る接着部材の接着方法を説明するための図であり、(a)は、マスキングテープを貼り付ける工程を説明するための図であり、(b)は、堰を設ける工程を説明するための図であり、(c)は、接着剤を塗布する工程を説明するための図であり、(d)は、接着部材同士を接合する工程を説明するための図。
【図2】図1の工程(d)を説明するための斜視図。
【図3】従来の接着方法を説明するための斜視図。
【図4】図3のb−b断面図。
【符号の説明】
【0050】
11:接着部材、11a:接着領域、11b:隣接領域、12:接着部材、20:マスキングテープ、30:押さえプレート、40:堰、60:締結部材、B:接着剤、D:接触幅(当たり幅)、F:流出方向、V:垂直方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着部材同士のうち少なくとも一方の表面の接着領域に接着剤を塗布する工程と、該接着剤を介して前記接着領域同士を当接させる工程と、該接着領域の間の前記接着剤を硬化させて前記接着部材同士を接合する工程と、を少なくとも含む接着部材の接着方法であって、
少なくとも前記接合工程前に、前記接着領域に隣接した隣接領域に、前記接着領域から流出する前記接着剤を堰き止める堰を設ける工程を含むことを特徴とする接着部材の接着方法。
【請求項2】
前記堰は、前記接着剤が流出する方向に対して垂直方向に沿って形成された壁面を有することを特徴とする請求項1に記載の接着部材の接着方法。
【請求項3】
前記堰を設ける工程において、突出部が形成された押さえプレートを用いて、該押さえプレートが前記接着部材の所定部位を覆うように前記接着部材を押さえると共に、前記突出部を前記隣接領域に接触させることにより、前記押さえプレートで前記堰が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着部材の接着方法。
【請求項4】
前記接着方法は、前記隣接領域にマスキングテープを貼り付ける工程をさらに含み、前記マスキングテープが貼り付けられた前記隣接領域に、前記堰を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着部材の接着方法。
【請求項5】
前記堰の表面のうち少なくとも前記接着剤と接触する面に、前記接着剤に対して離型性を有する材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着部材の接着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−221399(P2009−221399A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69205(P2008−69205)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】