接続管及び接続配管ユニット
【課題】 構成な簡単によって接続配管による接続作業の能率向上を図る。
【解決手段】 接続配管1は本体2と継手3とからなり、本体2は接続管体4と、この接続管体の外周を被覆する保護管5と、両保護管の両端末部の端末保護キャップ6とを備え、接続管体4の両端部は保護管5の端末部から突出された突出取付け端部4aであり、両突出取付け端部に継手3の継手本体7が挿入され、挿入状態は突出取付け端部に嵌め込まれている継手のスリーブ9によってかしめにより固定されており、継手の接続用結合部8が対向するヒートポンプユニット及び給湯ユニットの各接続管材に連結可能である。
【解決手段】 接続配管1は本体2と継手3とからなり、本体2は接続管体4と、この接続管体の外周を被覆する保護管5と、両保護管の両端末部の端末保護キャップ6とを備え、接続管体4の両端部は保護管5の端末部から突出された突出取付け端部4aであり、両突出取付け端部に継手3の継手本体7が挿入され、挿入状態は突出取付け端部に嵌め込まれている継手のスリーブ9によってかしめにより固定されており、継手の接続用結合部8が対向するヒートポンプユニット及び給湯ユニットの各接続管材に連結可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物内外における給水、給湯などのための接続配管及び接続配管ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2002−243275号公報及び特開2006−234248号公報に記載の各ヒートポンプ式給湯装置において、ヒートポンプユニットと給湯ユニット(後者のヒートポンプ式給湯装置ではタンクユニット)との間は接続配管(前者のヒートポンプ式給湯装置では水配管、後者のヒートポンプ式給湯装置では温水往き管及び温水戻り管)によって連結されている。接続配管の両端部とヒートポンプユニット及び給湯ユニットとを連結する手段としては管継手などの接続装置が使用されている。この接続装置として、例えば特開2003−301989号公報に記載の管継手を利用することができる。この管継手は、継手本体、ニップル、スイベルナット及び固定ナットによって構成されている。継手本体は貫通孔の内周面にねじ部を形成し、ニップルは内部に流路を形成してあると共に上記貫通孔内にてねじ止めされ、スイベルナットは内部の貫通孔内にニップルが挿入されており、固定ナットは円筒形状であって内周面に雌ねじ部が形成され、内部にスリーブが装着されている。管継手は、一端側のスイベルナット内に接続管の端部が嵌め込まれ、他端側の固定ナット内に接続配管である管体が挿入される。
接続配管などの配管の外周面は実開平5−79194号公報などに開示されているようにパイプ状の保護部材(断熱又は保温部材)によって被覆して保護されていることが知られている。
【特許文献1】特開2002−243275号公報
【特許文献2】特開2006−234248号公報
【特許文献3】特開2003−301989号公報
【特許文献4】実開平5−79194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヒートポンプユニットと給湯ユニットとの間を接続配管によって接続する場合、現場にて接続配管の端部に継手を連結して、当該継手と各ユニットの接続管又はこれに取り付けられている継手とをねじによって結合していた。接続配管による現場での接続作業の能率向上のための接続配管の改良が期待されていた。
この発明の目的は、簡単な構成によって接続配管による接続作業の能率向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の第1の特徴は、本体と、この本体に連結してある継手とからなることにある。上記本体は、第1及び第2の配管被接続装置の接続管材間を連結するための接続管体と、この接続管体の外周を被覆する保護管と、両保護管体の両端末部のそれぞれに被せてある端末保護キャップとを備えている。上記継手は、接続用結合部を有する継手本体とスリーブとを備えている。上記接続管体の両端部は上記保護管の端末部から突出されて突出取付け端部となっており、両突出取付け端部のうち、少なくとも一方の突出取付け端部に上記継手が取り付けられている。上記継手本体は軸心部に貫通孔を有し、上記一方の突出取付け端部と互いに嵌め込まれかつ連通状態に結合されている。上記スリーブは上記一方の突出取付け端部に嵌め込まれて、上記継手本体と上記一方の突出取付け端部との結合状態を補強している。上記継手の接続用結合部は、対向するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材と直接的に又は間接的に連結可能である。
この発明の第2の特徴は、第1の特徴を備えており、継手が接続管体の両突出取付け端部に又は両突出取付け端部のいずれか一方に取り付けられていることにある。
この発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴を備えており、継手本体が接続管体の突出取付け端部内に挿入されており、スリーブがその内部に突出取付け端部が挿入されていることにある。
この発明の第4の特徴は、第3の特徴を備えており、継手が環状のスリーブストッパを備えており、このスリーブストッパは一端側で継手本体が挿入されかつこの継手本体を係止し、他端側でスリーブの端部が挿入されかつ上記スリーブを係止すると共にこれを受けていることにある。
この発明の第5の特徴は、第1乃至第4のいずれかの特徴を備えており、保護管が対で構成されていると共に側腹部が互いに軸心方向に沿って隣接状態に接続されていることにある。
この発明の接続配管ユニットの第1の特徴は、上記接続配管、内側カバー及び外側カバーを備えていることにある。上記内側カバーは上記接続配管の継手をこれを囲むように被覆可能であり、上記外側カバーは端末保護キャップに跨ってこの端末保護キャップ及び上記内側カバーをこれらを囲むように被覆可能であることにある。
この発明の接続配管ユニットの第2の特徴は、上記内側カバーが割り溝を形成していると共に、上記継手と、これに接続するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材とを囲むように被覆可能であり、上記外側カバーがヒンジ部とその両側が半円筒状のカバー部とからなる筒状であって、かつ上記ヒンジ部を中心として開閉可能でると共に、上記継手及び端末保護キャップ並びに上記接続管材を被覆可能であることにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、接続配管の本体の突出取付け端部に継手を取り付けてあるので、現場での継手の連結を省略することができ、簡単な構成によってヒートポンプユニットなどの配管被接続装置との接続作業の能率が向上される。
この発明によれば、接続配管と配管被接続装置との接続部分が内外の両側カバーで被覆可能あるので、接続部分の断熱又は保温を効果的に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明に係る接続配管及び接続配管ユニットについて図面を参照して説明する。
図1に示す接続配管1は、本体2と継手3とからなり、図2及び図3に示す接続配管ユニットは、上記接続配管、内側カバー13及び外側カバー14によって構成されている。
【0007】
まず、接続配管1について説明する。
図1に示すように、接続配管1の本体2は接続管体4、保護管5及び端末保護キャップ6を備えている。
図4〜図6に示す接続管体4はプラスチック部材によって形成されている。接続管体4は図6に示す例では3層構造となっており、中間層にアルミ製パイプ4bが全長に渡って埋め込まれている。接続管体4は中間層に可塑性を備えているアルミ製パイプが介在されているために、適宜の形状に折り曲げ変形することができる。
接続管体4は、図2及び図3に示すようにその両端部側が第1及び第2の配管被接続装置M1,M2にそれぞれ通じる長さを備えており、管体内部を湯、水などの流体が流通することによって給湯管や給水管などとして機能する。
【0008】
保護管5は、図4、図5及び図7に示すように発泡ポリスチレンなどのプラスチック部材によって軸心に貫通孔5aを有する丸管状に成形されている。保護管5は、可撓性や断熱性(又は保温性)を有している。
図4及び図5に示すように、保護管5はその貫通孔5aを接続管体4が貫通しており、接続管体の外周をほぼ全長に亘って保護している。接続管体4の両端部は保護管5の両端面より突出され突出取付け端部4aを形成している。
保護管5の材質として、例えば耐候性断熱性プラスチックを用いれば、屋外使用であっても長期の耐久性を維持することができる。
【0009】
端末保護キャップ6は、図4、図5及び図7に示すように保護管5の端末部を保護するために、両端末部に嵌め込まれている。各端末保護キャップ6はプラスチックなどの部材によって碗状に成形されている。端末保護キャップ6の内径は保護管5の端末部の外径より幾分短く設定されており、上記各端末部が圧入状態に差し込まれている。このために、端末保護キャップ6は保護管5の端末部から離脱し難い。
また端末保護キャップ6は図5及び図8に示すようにその側壁に接続管体4を通すための挿入孔6aを開けてある。挿入孔6aは挿入される接続管体4の外周面に密着可能に設定されることが望ましい。これは、密着させることにより、雨水などが端末保護キャップ6の挿入孔6aの内面と接続管体4の外周面との間の隙間から浸み込んで、端末保護キャップ内へ浸入することを抑制することができるからである。
【0010】
継手3について、図1、図8〜図11を参照して説明する。
継手3は図1に示すように接続管体4の両側の突出取付け端部4aにそれぞれ取り付けられている。継手3は、図8及び図9に示すように継手本体7、接続用結合部8、スリーブ9及びスリーブストッパ10を備えている。
【0011】
継手本体7について説明すると、図8及び図9に示すように継手本体は筒状に形成され、軸心部の貫通孔7dが流体の流路となっている。継手本体7は一端(図8左端)に径方向にかつ外方に突出された環状のフランジ部7aを形成してある。継手本体7の軸部分の外周にはフランジ部に連続して他端に向けて係止溝7bを、そしてこの係止溝に連続して複数の円周溝7cを全周に設けてある。複数の円周溝7cのうち、一つの円周溝内にシール部材としてOリング12を装着してある。
【0012】
接続用結合部8は、図8〜図10に示すように袋ナット状に形成されている。接続用結合部8は、内周面入口側(図8左側)に雌ねじ部8aを設け、出口側に開口8bを設けてある。
接続用結合部8は、出口側の開口8bを通じて継手本体7の端部に接続されている。
接続状態について説明すると、継手本体7のフランジ部7a側に接続用結合部8が配置されている。継手本体7は、フランジ部7aが接続用結合部8内に配置され、軸部が開口8bを貫通している。継手本体7と接続用結合部8とは図9に示すようにボルト状に組み立てられている。継手本体7と接続用結合部8とは互いに軸心を中心として回転可能に接続されている。
接続用結合部8の内部には、フランジ部7aの入口側(図8左側)の側面に接触するようにリング状のパッキン11を設けてある。
【0013】
スリーブ9及びスリーブストッパ10について説明する。
スリーブ9は、図8及び図9に示すように一端(図9左端)の外周に凹溝状の係止溝9aを形成してある。スリーブ9は接続管体4の突出取付け端部4aに嵌め込まれており、嵌め込まれている状態でスリーブは接続管体の外周面にかしめられ、固定されている。図8において、9bはかしめ作業によってスリーブ9の外周面に生じた押圧凹部である。
スリーブストッパ10はプラスチック部材によって図11に示すように側面形状が環状に形成され、かつスリーブ9側の開口部が拡大されている。スリーブストッパ10は、スリーブ9側の開口部縁の内周に係合リブ10aを設けてあり、接続用結合部8側の開口部縁にも係合リブ10bを設けてある。スリーブストッパ10は弾性変形可能であって、弾性変形をし易くするために軸心を中心として円周方向に等間隔にスリット10cが開けられている。
スリーブストッパ10は、図8に示すように一端側の開口部を通じてスリーブ9の一端(左端)に嵌め込まれており、係合リブ10aがスリーブ9の係止溝9aに係止されている。またスリーブストッパ10は、他端側の開口部を通じて継手本体7の外周に嵌め込まれており、係合リブ10bが継手本体の係止溝7bに係止されている。
このように、継手本体7の外周に固定されているスリーブストッパ10は、一端側の開口部においてスリーブ9の一端を受け止め、スリーブ9の軸心方向の移動を防止している。
【0014】
継手3と接続管体4との結合関係について図8を参照して説明する。
継手本体7の軸部分は接続管体4の突出取付け端部4a内に圧入され、接続管体内と継手本体の貫通孔7dとが一本の流路を形成し、この流路が接続用結合部8内のパッキン11の孔11aを介して接続用結合部内に達している。継手本体7は、接続管体4の突出取付け端部4aから軸部分の複数の円周溝7cによって抜けにくく、そしてOリング12によって継手本体の軸部分の外周面と接続管体の内周面とが互いに密着されて、接続部分の水漏れを防止している。
【0015】
次に、接続配管ユニットの構成について図2、図3及び図12〜図15に基づいて説明する。
接続配管ユニットは、主要部となる上記接続配管1と、内側カバー13及び外側カバー14とによって構成されている。
接続配管1については既に説明しているので、その説明を省略する。
内側カバー13は、保護管5と同様のプラスチック部材を用い、図12に示すように内部に孔13aを有する筒状に成形されている。内側カバー13は長さ方向に割り溝13bを設けて、この割り溝を中心として外側に開くことができる。
内側カバー13は、図2及び図3に示すように継手3の外側をこの継手を囲むように覆うことができる内部空間と長さを備えており、接続配管1の接続管体4が給湯管であれば保温カバーとして、給水管であれば断熱カバーとして機能する。
【0016】
外側カバー14について説明する。
図13〜図15に示す外側カバー14はプラスチック部材によって筒状に成形されている。外側カバー14は長さ方向にヒンジ部14aを設けてあり、このヒンジ部の両側が半円筒状のカバー部14b,14cとなっている。外側カバー14は使用時(図2及び図3)にヒンジ部14aを中心としてカバー部14b,14cを閉じることによって筒状になり(図14)、また不使用時にヒンジ部14aを中心としてカバー部14b,14cを開放することによってほぼM形になるように成形されている(図15)。外側カバー14において、カバー部14b,14cの互いに接合する自由端側には、両カバー部を結合するための係止部14dと被係止部14eを設けてある。係止部14dは一方のカバー部14b側に設けてあって、内部に係止孔14d1を形成している。被係止部14eは他方のカバー部14c側に設けてあって、先端に係止爪14e1を有する突片状に形成されている。被係止部14eは係止部14dの係止孔14d1内に差し込み可能である。図14に示すように、被係止部14eは係止孔14d1に差し込まれている状態では係止爪14e1が係止孔14d1の縁に係止されるために、カバー部14b,14cは互いに結合され、筒状になって外側カバー14が使用状態になる。
外側カバー14は、図2及び図3に示すように継手3の外側を覆っている内側カバー13の全体を囲むように被覆すると共に、端末保護キャップ6全体を囲むように覆うことができる。
【0017】
接続配管及び接続配管ユニットの使用方法について説明する。
まず、図2に示すように、例えばヒートポンプユニットなどの第1の配管被接続装置M1と、例えば給湯ユニットなどの第2の配管被接続装置M2との間に接続配管1を配置する。
必要があれば、接続配管1の両端側を折り曲げて、その両端側部の向きを接続管材P1,P2(図2)の取り付け位置に合わせる予備作業をする。
ついで、まず接続配管1の例えば図2左側の継手3の接続用結合部8を第1の配管被接続装置M1の接続管材P1の先端部に突き合わせてから、工具によって接続用結合部を回しながら接続管材P1の雄ねじ部P1aを接続用結合部内の雌ねじ部8aにねじ込ませる。図2鎖線に示すように、接続管材P1の端面が接続用結合部8内のパッキン11に接触された時点で、接続用結合部の締め付け操作を停止し、接続配管1の片側(図左側)における継手3と第1の配管被接続装置M1の接続管材P1との接続作業を終える。接続後、図2鎖線に示すように、割り溝13bを中心として内側カバー13を外側に開きながら、継手3と第1の配管被接続装置M1の接続管材P1との外側を囲むようにして覆い、そして内側カバー13の外側及び接続管材P1並びに端末保護キャップ6を抱き込むようにして外側カバー14で覆って、係止部14dと被係止部14eとを用いてカバー部14b,14c間を結合する(図3)。この結果、接続配管1の図2左側の第1の配管被接続装置M1との接続部分は内側カバー13によって被覆されて保温又は断熱され、この内側カバーの上側の外側カバー14によって内側カバーが保護されるから保温又は断熱の効果が向上されると共に、内側カバーの位置が安定しかつ雨水防止に伴う耐久性が増し、また端末保護キャップ6も保護されるからその耐久性が高められ、さらに上記接続部分の外観はすっきりして見栄えが良くなる。
同様にして、接続配管1の図2右側の継手3の接続用結合部8と、第2の配管被接続装置M2の接続管材P2との接続作業をして、接続部分を内側カバー13と外側カバー14で覆う。
接続時には、接続管材P2の雄ねじ部P2aを継手3の接続用結合部8の雌ねじ部8aに噛み合わせる(図2)。
【0018】
図16に示す接続配管ユニットの使用例において、ヒートポンプユニットM11は第1の配管被接続装置M1に相当し、給湯ユニットM21は第2の配管被接続装置M2に相当している。ヒートポンプユニットM11と給湯ユニットM21との間を2本の接続配管1で連結している。両接続配管1の図16の上下の一方が水又は低温水の戻り配管であり、他方がヒートポンプユニットM11によって加熱された温水の往き配管である。
【0019】
図17に示す接続配管の本体2Aは側腹部側で互いに一体的に成形されている2本の保護管5A1,5A2からなるツインパイプである。保護管5A1,5A2の構成は前記保護管5のそれと同一である。各保護管5A1,5A2の貫通孔5A1a,5A2a内は接続管体4が貫通されている。
接続配管の本体2Aはツインパイプであるために、図16に示す使用例のように、作業現場で接続配管として、戻り配管と往き配管とを別々に敷設する必要がある場合に、同時の作業ができ、またその扱いがし易い利点がある。
接続配管の本体2Aをツインパイプとするために、図示の例では一体成形としているが、側腹部側を接着剤などによって、側腹部が互いに軸心方向に沿って隣接状態に接続されていれば良い。
【0020】
接続配管の他の形態について図18を参照して説明する。
図18に示す接続配管1Aは片側のみ継手を取り付けている点を除いて図1に示す接続配管1と同一構成である。このため、図1に用いた符号を接続配管1Aの説明上そのまま使用して相互の構成部分の対応関係を示している。
接続配管1Aは本体2の両側の突出取付け端部のうち、図18左側の突出取付け端部4aにのみ継手3を固着し、現場にて右側の突出取付け端部4a1に公知のメカニカル継手を圧入によるワンタッチ又はねじ回し操作などによって連結可能にしている。
この例では、接続配管1Aにあっては突出取付け端部4a1側を継手3が装着されていないフリーの状態にすることにより、現場での接続作業の適用範囲を広げる。
【0021】
図1に示す接続配管1によれば、両側の突出取付け端部4aに継手3を取り付けているので、現場での継手の取付けを省略することができるから接続作業が迅速かつ容易となる。
接続配管1の保護管5の端末部に端末保護キャップ6を嵌め込んであるから、保護管の端末部の損傷を防止でき、そして雨水などが端末保護キャップ内へ浸入しにくくし、カビなどの発生を抑え、保護管の耐久性の向上を図ることができ、また上記端末部の納まりが良くなると共に接続配管と配管被接続装置との接続部分の仕上げ状態の見栄えをきれいに納めることができる。
【0022】
継手の構成は図示の例に限られない。継手を継手本体7、接続用結合部8及びスリーブ9で構成しても良いが、スリーブストッパを設けることによってスリーブの保持状態が安定する。また継手本体7と接続用結合部8とは図9に示すようにボルト状の組合せに限られない。また例えば接続用結合部8の雌ねじ部8aに代えて雄ねじ部を設けて、この雄ねじ部に第1及び第2の配管被接続装置M1,M2の接続管材P1,P2の雄ねじ部P1a,
P2aに代わる雌ねじ部を噛み合わせるようにしても良い。
また図3の例では、第1の配管被接続装置M1の接続管材P1と継手3の接続用結合部8とが直接結合されているが、両者の間に別構造の継手又はバルブなどの部材を介在させる間接的な結合であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る接続配管を示す正面図であって、中間部分を省略している図である。
【図2】この発明に接続配管ユニットを縮小しかつ分解して示す一部切欠正面図である。
【図3】この発明に接続配管における継手、内側カバー及び外側カバーの取り付け状態を拡大して示す一部切欠正面図である。
【図4】この発明に係る接続配管における本体を示す正面図である。
【図5】この発明に係る接続配管における本体を示す縦断面図である。
【図6】図4のVI−VI線拡大断面図である。
【図7】図4のVII−VII線断面図である。
【図8】この発明に係る接続配管における継手の取付け状態を拡大して示す断面図である。
【図9】この発明に係る接続配管における継手を拡大して示す分解図である。
【図10】図9に示す継手の接続用結合部の左側面図である。
【図11】図9に示す継手のスリーブストッパの左側面図である。
【図12】この発明に係る接続配管ユニットにおける内側カバーを示す斜視図である。
【図13】この発明に係る接続配管ユニットにおける外側カバーを示す底面図である。
【図14】この発明に係る接続配管ユニットにおける外側カバーを示す側面図である。
【図15】この発明に係る接続配管ユニットにおける外側カバーを開いた状態を示す側面図である。
【図16】この発明に係る接続配管ユニットの使用例を示す斜視図である。
【図17】この発明に係る接続配管の本体の他の形態を示す断面図である。
【図18】この発明に係る接続配管の他の形態を縮小して示す正面図である。
【符号の説明】
【0024】
1,1A 接続配管
2,2A 本体
3 継手
4 接続管体
4a,4a1 突出取付け端部
5,5A1,5A2 保護管
6 端末保護キャップ
7 継手本体
7b 係止溝
7d 貫通孔
8 接続用結合部
9 スリーブ
9a 係止溝
10 スリーブストッパ
10a,10b 係合リブ
13 内側カバー
13b 割り溝
14 外側カバー
M1 第1の配管被接続装置
M11 ヒートポンプユニット(第1の配管被接続装置)
M2 第2の配管被接続装置
M21 給湯ユニット(第2の配管被接続装置)
P1,P2 接続管材
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物内外における給水、給湯などのための接続配管及び接続配管ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2002−243275号公報及び特開2006−234248号公報に記載の各ヒートポンプ式給湯装置において、ヒートポンプユニットと給湯ユニット(後者のヒートポンプ式給湯装置ではタンクユニット)との間は接続配管(前者のヒートポンプ式給湯装置では水配管、後者のヒートポンプ式給湯装置では温水往き管及び温水戻り管)によって連結されている。接続配管の両端部とヒートポンプユニット及び給湯ユニットとを連結する手段としては管継手などの接続装置が使用されている。この接続装置として、例えば特開2003−301989号公報に記載の管継手を利用することができる。この管継手は、継手本体、ニップル、スイベルナット及び固定ナットによって構成されている。継手本体は貫通孔の内周面にねじ部を形成し、ニップルは内部に流路を形成してあると共に上記貫通孔内にてねじ止めされ、スイベルナットは内部の貫通孔内にニップルが挿入されており、固定ナットは円筒形状であって内周面に雌ねじ部が形成され、内部にスリーブが装着されている。管継手は、一端側のスイベルナット内に接続管の端部が嵌め込まれ、他端側の固定ナット内に接続配管である管体が挿入される。
接続配管などの配管の外周面は実開平5−79194号公報などに開示されているようにパイプ状の保護部材(断熱又は保温部材)によって被覆して保護されていることが知られている。
【特許文献1】特開2002−243275号公報
【特許文献2】特開2006−234248号公報
【特許文献3】特開2003−301989号公報
【特許文献4】実開平5−79194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヒートポンプユニットと給湯ユニットとの間を接続配管によって接続する場合、現場にて接続配管の端部に継手を連結して、当該継手と各ユニットの接続管又はこれに取り付けられている継手とをねじによって結合していた。接続配管による現場での接続作業の能率向上のための接続配管の改良が期待されていた。
この発明の目的は、簡単な構成によって接続配管による接続作業の能率向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の第1の特徴は、本体と、この本体に連結してある継手とからなることにある。上記本体は、第1及び第2の配管被接続装置の接続管材間を連結するための接続管体と、この接続管体の外周を被覆する保護管と、両保護管体の両端末部のそれぞれに被せてある端末保護キャップとを備えている。上記継手は、接続用結合部を有する継手本体とスリーブとを備えている。上記接続管体の両端部は上記保護管の端末部から突出されて突出取付け端部となっており、両突出取付け端部のうち、少なくとも一方の突出取付け端部に上記継手が取り付けられている。上記継手本体は軸心部に貫通孔を有し、上記一方の突出取付け端部と互いに嵌め込まれかつ連通状態に結合されている。上記スリーブは上記一方の突出取付け端部に嵌め込まれて、上記継手本体と上記一方の突出取付け端部との結合状態を補強している。上記継手の接続用結合部は、対向するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材と直接的に又は間接的に連結可能である。
この発明の第2の特徴は、第1の特徴を備えており、継手が接続管体の両突出取付け端部に又は両突出取付け端部のいずれか一方に取り付けられていることにある。
この発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴を備えており、継手本体が接続管体の突出取付け端部内に挿入されており、スリーブがその内部に突出取付け端部が挿入されていることにある。
この発明の第4の特徴は、第3の特徴を備えており、継手が環状のスリーブストッパを備えており、このスリーブストッパは一端側で継手本体が挿入されかつこの継手本体を係止し、他端側でスリーブの端部が挿入されかつ上記スリーブを係止すると共にこれを受けていることにある。
この発明の第5の特徴は、第1乃至第4のいずれかの特徴を備えており、保護管が対で構成されていると共に側腹部が互いに軸心方向に沿って隣接状態に接続されていることにある。
この発明の接続配管ユニットの第1の特徴は、上記接続配管、内側カバー及び外側カバーを備えていることにある。上記内側カバーは上記接続配管の継手をこれを囲むように被覆可能であり、上記外側カバーは端末保護キャップに跨ってこの端末保護キャップ及び上記内側カバーをこれらを囲むように被覆可能であることにある。
この発明の接続配管ユニットの第2の特徴は、上記内側カバーが割り溝を形成していると共に、上記継手と、これに接続するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材とを囲むように被覆可能であり、上記外側カバーがヒンジ部とその両側が半円筒状のカバー部とからなる筒状であって、かつ上記ヒンジ部を中心として開閉可能でると共に、上記継手及び端末保護キャップ並びに上記接続管材を被覆可能であることにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、接続配管の本体の突出取付け端部に継手を取り付けてあるので、現場での継手の連結を省略することができ、簡単な構成によってヒートポンプユニットなどの配管被接続装置との接続作業の能率が向上される。
この発明によれば、接続配管と配管被接続装置との接続部分が内外の両側カバーで被覆可能あるので、接続部分の断熱又は保温を効果的に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明に係る接続配管及び接続配管ユニットについて図面を参照して説明する。
図1に示す接続配管1は、本体2と継手3とからなり、図2及び図3に示す接続配管ユニットは、上記接続配管、内側カバー13及び外側カバー14によって構成されている。
【0007】
まず、接続配管1について説明する。
図1に示すように、接続配管1の本体2は接続管体4、保護管5及び端末保護キャップ6を備えている。
図4〜図6に示す接続管体4はプラスチック部材によって形成されている。接続管体4は図6に示す例では3層構造となっており、中間層にアルミ製パイプ4bが全長に渡って埋め込まれている。接続管体4は中間層に可塑性を備えているアルミ製パイプが介在されているために、適宜の形状に折り曲げ変形することができる。
接続管体4は、図2及び図3に示すようにその両端部側が第1及び第2の配管被接続装置M1,M2にそれぞれ通じる長さを備えており、管体内部を湯、水などの流体が流通することによって給湯管や給水管などとして機能する。
【0008】
保護管5は、図4、図5及び図7に示すように発泡ポリスチレンなどのプラスチック部材によって軸心に貫通孔5aを有する丸管状に成形されている。保護管5は、可撓性や断熱性(又は保温性)を有している。
図4及び図5に示すように、保護管5はその貫通孔5aを接続管体4が貫通しており、接続管体の外周をほぼ全長に亘って保護している。接続管体4の両端部は保護管5の両端面より突出され突出取付け端部4aを形成している。
保護管5の材質として、例えば耐候性断熱性プラスチックを用いれば、屋外使用であっても長期の耐久性を維持することができる。
【0009】
端末保護キャップ6は、図4、図5及び図7に示すように保護管5の端末部を保護するために、両端末部に嵌め込まれている。各端末保護キャップ6はプラスチックなどの部材によって碗状に成形されている。端末保護キャップ6の内径は保護管5の端末部の外径より幾分短く設定されており、上記各端末部が圧入状態に差し込まれている。このために、端末保護キャップ6は保護管5の端末部から離脱し難い。
また端末保護キャップ6は図5及び図8に示すようにその側壁に接続管体4を通すための挿入孔6aを開けてある。挿入孔6aは挿入される接続管体4の外周面に密着可能に設定されることが望ましい。これは、密着させることにより、雨水などが端末保護キャップ6の挿入孔6aの内面と接続管体4の外周面との間の隙間から浸み込んで、端末保護キャップ内へ浸入することを抑制することができるからである。
【0010】
継手3について、図1、図8〜図11を参照して説明する。
継手3は図1に示すように接続管体4の両側の突出取付け端部4aにそれぞれ取り付けられている。継手3は、図8及び図9に示すように継手本体7、接続用結合部8、スリーブ9及びスリーブストッパ10を備えている。
【0011】
継手本体7について説明すると、図8及び図9に示すように継手本体は筒状に形成され、軸心部の貫通孔7dが流体の流路となっている。継手本体7は一端(図8左端)に径方向にかつ外方に突出された環状のフランジ部7aを形成してある。継手本体7の軸部分の外周にはフランジ部に連続して他端に向けて係止溝7bを、そしてこの係止溝に連続して複数の円周溝7cを全周に設けてある。複数の円周溝7cのうち、一つの円周溝内にシール部材としてOリング12を装着してある。
【0012】
接続用結合部8は、図8〜図10に示すように袋ナット状に形成されている。接続用結合部8は、内周面入口側(図8左側)に雌ねじ部8aを設け、出口側に開口8bを設けてある。
接続用結合部8は、出口側の開口8bを通じて継手本体7の端部に接続されている。
接続状態について説明すると、継手本体7のフランジ部7a側に接続用結合部8が配置されている。継手本体7は、フランジ部7aが接続用結合部8内に配置され、軸部が開口8bを貫通している。継手本体7と接続用結合部8とは図9に示すようにボルト状に組み立てられている。継手本体7と接続用結合部8とは互いに軸心を中心として回転可能に接続されている。
接続用結合部8の内部には、フランジ部7aの入口側(図8左側)の側面に接触するようにリング状のパッキン11を設けてある。
【0013】
スリーブ9及びスリーブストッパ10について説明する。
スリーブ9は、図8及び図9に示すように一端(図9左端)の外周に凹溝状の係止溝9aを形成してある。スリーブ9は接続管体4の突出取付け端部4aに嵌め込まれており、嵌め込まれている状態でスリーブは接続管体の外周面にかしめられ、固定されている。図8において、9bはかしめ作業によってスリーブ9の外周面に生じた押圧凹部である。
スリーブストッパ10はプラスチック部材によって図11に示すように側面形状が環状に形成され、かつスリーブ9側の開口部が拡大されている。スリーブストッパ10は、スリーブ9側の開口部縁の内周に係合リブ10aを設けてあり、接続用結合部8側の開口部縁にも係合リブ10bを設けてある。スリーブストッパ10は弾性変形可能であって、弾性変形をし易くするために軸心を中心として円周方向に等間隔にスリット10cが開けられている。
スリーブストッパ10は、図8に示すように一端側の開口部を通じてスリーブ9の一端(左端)に嵌め込まれており、係合リブ10aがスリーブ9の係止溝9aに係止されている。またスリーブストッパ10は、他端側の開口部を通じて継手本体7の外周に嵌め込まれており、係合リブ10bが継手本体の係止溝7bに係止されている。
このように、継手本体7の外周に固定されているスリーブストッパ10は、一端側の開口部においてスリーブ9の一端を受け止め、スリーブ9の軸心方向の移動を防止している。
【0014】
継手3と接続管体4との結合関係について図8を参照して説明する。
継手本体7の軸部分は接続管体4の突出取付け端部4a内に圧入され、接続管体内と継手本体の貫通孔7dとが一本の流路を形成し、この流路が接続用結合部8内のパッキン11の孔11aを介して接続用結合部内に達している。継手本体7は、接続管体4の突出取付け端部4aから軸部分の複数の円周溝7cによって抜けにくく、そしてOリング12によって継手本体の軸部分の外周面と接続管体の内周面とが互いに密着されて、接続部分の水漏れを防止している。
【0015】
次に、接続配管ユニットの構成について図2、図3及び図12〜図15に基づいて説明する。
接続配管ユニットは、主要部となる上記接続配管1と、内側カバー13及び外側カバー14とによって構成されている。
接続配管1については既に説明しているので、その説明を省略する。
内側カバー13は、保護管5と同様のプラスチック部材を用い、図12に示すように内部に孔13aを有する筒状に成形されている。内側カバー13は長さ方向に割り溝13bを設けて、この割り溝を中心として外側に開くことができる。
内側カバー13は、図2及び図3に示すように継手3の外側をこの継手を囲むように覆うことができる内部空間と長さを備えており、接続配管1の接続管体4が給湯管であれば保温カバーとして、給水管であれば断熱カバーとして機能する。
【0016】
外側カバー14について説明する。
図13〜図15に示す外側カバー14はプラスチック部材によって筒状に成形されている。外側カバー14は長さ方向にヒンジ部14aを設けてあり、このヒンジ部の両側が半円筒状のカバー部14b,14cとなっている。外側カバー14は使用時(図2及び図3)にヒンジ部14aを中心としてカバー部14b,14cを閉じることによって筒状になり(図14)、また不使用時にヒンジ部14aを中心としてカバー部14b,14cを開放することによってほぼM形になるように成形されている(図15)。外側カバー14において、カバー部14b,14cの互いに接合する自由端側には、両カバー部を結合するための係止部14dと被係止部14eを設けてある。係止部14dは一方のカバー部14b側に設けてあって、内部に係止孔14d1を形成している。被係止部14eは他方のカバー部14c側に設けてあって、先端に係止爪14e1を有する突片状に形成されている。被係止部14eは係止部14dの係止孔14d1内に差し込み可能である。図14に示すように、被係止部14eは係止孔14d1に差し込まれている状態では係止爪14e1が係止孔14d1の縁に係止されるために、カバー部14b,14cは互いに結合され、筒状になって外側カバー14が使用状態になる。
外側カバー14は、図2及び図3に示すように継手3の外側を覆っている内側カバー13の全体を囲むように被覆すると共に、端末保護キャップ6全体を囲むように覆うことができる。
【0017】
接続配管及び接続配管ユニットの使用方法について説明する。
まず、図2に示すように、例えばヒートポンプユニットなどの第1の配管被接続装置M1と、例えば給湯ユニットなどの第2の配管被接続装置M2との間に接続配管1を配置する。
必要があれば、接続配管1の両端側を折り曲げて、その両端側部の向きを接続管材P1,P2(図2)の取り付け位置に合わせる予備作業をする。
ついで、まず接続配管1の例えば図2左側の継手3の接続用結合部8を第1の配管被接続装置M1の接続管材P1の先端部に突き合わせてから、工具によって接続用結合部を回しながら接続管材P1の雄ねじ部P1aを接続用結合部内の雌ねじ部8aにねじ込ませる。図2鎖線に示すように、接続管材P1の端面が接続用結合部8内のパッキン11に接触された時点で、接続用結合部の締め付け操作を停止し、接続配管1の片側(図左側)における継手3と第1の配管被接続装置M1の接続管材P1との接続作業を終える。接続後、図2鎖線に示すように、割り溝13bを中心として内側カバー13を外側に開きながら、継手3と第1の配管被接続装置M1の接続管材P1との外側を囲むようにして覆い、そして内側カバー13の外側及び接続管材P1並びに端末保護キャップ6を抱き込むようにして外側カバー14で覆って、係止部14dと被係止部14eとを用いてカバー部14b,14c間を結合する(図3)。この結果、接続配管1の図2左側の第1の配管被接続装置M1との接続部分は内側カバー13によって被覆されて保温又は断熱され、この内側カバーの上側の外側カバー14によって内側カバーが保護されるから保温又は断熱の効果が向上されると共に、内側カバーの位置が安定しかつ雨水防止に伴う耐久性が増し、また端末保護キャップ6も保護されるからその耐久性が高められ、さらに上記接続部分の外観はすっきりして見栄えが良くなる。
同様にして、接続配管1の図2右側の継手3の接続用結合部8と、第2の配管被接続装置M2の接続管材P2との接続作業をして、接続部分を内側カバー13と外側カバー14で覆う。
接続時には、接続管材P2の雄ねじ部P2aを継手3の接続用結合部8の雌ねじ部8aに噛み合わせる(図2)。
【0018】
図16に示す接続配管ユニットの使用例において、ヒートポンプユニットM11は第1の配管被接続装置M1に相当し、給湯ユニットM21は第2の配管被接続装置M2に相当している。ヒートポンプユニットM11と給湯ユニットM21との間を2本の接続配管1で連結している。両接続配管1の図16の上下の一方が水又は低温水の戻り配管であり、他方がヒートポンプユニットM11によって加熱された温水の往き配管である。
【0019】
図17に示す接続配管の本体2Aは側腹部側で互いに一体的に成形されている2本の保護管5A1,5A2からなるツインパイプである。保護管5A1,5A2の構成は前記保護管5のそれと同一である。各保護管5A1,5A2の貫通孔5A1a,5A2a内は接続管体4が貫通されている。
接続配管の本体2Aはツインパイプであるために、図16に示す使用例のように、作業現場で接続配管として、戻り配管と往き配管とを別々に敷設する必要がある場合に、同時の作業ができ、またその扱いがし易い利点がある。
接続配管の本体2Aをツインパイプとするために、図示の例では一体成形としているが、側腹部側を接着剤などによって、側腹部が互いに軸心方向に沿って隣接状態に接続されていれば良い。
【0020】
接続配管の他の形態について図18を参照して説明する。
図18に示す接続配管1Aは片側のみ継手を取り付けている点を除いて図1に示す接続配管1と同一構成である。このため、図1に用いた符号を接続配管1Aの説明上そのまま使用して相互の構成部分の対応関係を示している。
接続配管1Aは本体2の両側の突出取付け端部のうち、図18左側の突出取付け端部4aにのみ継手3を固着し、現場にて右側の突出取付け端部4a1に公知のメカニカル継手を圧入によるワンタッチ又はねじ回し操作などによって連結可能にしている。
この例では、接続配管1Aにあっては突出取付け端部4a1側を継手3が装着されていないフリーの状態にすることにより、現場での接続作業の適用範囲を広げる。
【0021】
図1に示す接続配管1によれば、両側の突出取付け端部4aに継手3を取り付けているので、現場での継手の取付けを省略することができるから接続作業が迅速かつ容易となる。
接続配管1の保護管5の端末部に端末保護キャップ6を嵌め込んであるから、保護管の端末部の損傷を防止でき、そして雨水などが端末保護キャップ内へ浸入しにくくし、カビなどの発生を抑え、保護管の耐久性の向上を図ることができ、また上記端末部の納まりが良くなると共に接続配管と配管被接続装置との接続部分の仕上げ状態の見栄えをきれいに納めることができる。
【0022】
継手の構成は図示の例に限られない。継手を継手本体7、接続用結合部8及びスリーブ9で構成しても良いが、スリーブストッパを設けることによってスリーブの保持状態が安定する。また継手本体7と接続用結合部8とは図9に示すようにボルト状の組合せに限られない。また例えば接続用結合部8の雌ねじ部8aに代えて雄ねじ部を設けて、この雄ねじ部に第1及び第2の配管被接続装置M1,M2の接続管材P1,P2の雄ねじ部P1a,
P2aに代わる雌ねじ部を噛み合わせるようにしても良い。
また図3の例では、第1の配管被接続装置M1の接続管材P1と継手3の接続用結合部8とが直接結合されているが、両者の間に別構造の継手又はバルブなどの部材を介在させる間接的な結合であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る接続配管を示す正面図であって、中間部分を省略している図である。
【図2】この発明に接続配管ユニットを縮小しかつ分解して示す一部切欠正面図である。
【図3】この発明に接続配管における継手、内側カバー及び外側カバーの取り付け状態を拡大して示す一部切欠正面図である。
【図4】この発明に係る接続配管における本体を示す正面図である。
【図5】この発明に係る接続配管における本体を示す縦断面図である。
【図6】図4のVI−VI線拡大断面図である。
【図7】図4のVII−VII線断面図である。
【図8】この発明に係る接続配管における継手の取付け状態を拡大して示す断面図である。
【図9】この発明に係る接続配管における継手を拡大して示す分解図である。
【図10】図9に示す継手の接続用結合部の左側面図である。
【図11】図9に示す継手のスリーブストッパの左側面図である。
【図12】この発明に係る接続配管ユニットにおける内側カバーを示す斜視図である。
【図13】この発明に係る接続配管ユニットにおける外側カバーを示す底面図である。
【図14】この発明に係る接続配管ユニットにおける外側カバーを示す側面図である。
【図15】この発明に係る接続配管ユニットにおける外側カバーを開いた状態を示す側面図である。
【図16】この発明に係る接続配管ユニットの使用例を示す斜視図である。
【図17】この発明に係る接続配管の本体の他の形態を示す断面図である。
【図18】この発明に係る接続配管の他の形態を縮小して示す正面図である。
【符号の説明】
【0024】
1,1A 接続配管
2,2A 本体
3 継手
4 接続管体
4a,4a1 突出取付け端部
5,5A1,5A2 保護管
6 端末保護キャップ
7 継手本体
7b 係止溝
7d 貫通孔
8 接続用結合部
9 スリーブ
9a 係止溝
10 スリーブストッパ
10a,10b 係合リブ
13 内側カバー
13b 割り溝
14 外側カバー
M1 第1の配管被接続装置
M11 ヒートポンプユニット(第1の配管被接続装置)
M2 第2の配管被接続装置
M21 給湯ユニット(第2の配管被接続装置)
P1,P2 接続管材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体に連結してある継手とからなり、
上記本体は、第1及び第2の配管被接続装置の接続管材間を連結するための接続管体と、この接続管体の外周を被覆する保護管と、両保護管体の両端末部のそれぞれに被せてある端末保護キャップとを備えており、
上記継手は、接続用結合部を有する継手本体とスリーブとを備えており、
上記接続管体の両端部は上記保護管の端末部から突出されて突出取付け端部となっており、両突出取付け端部のうち、少なくとも一方の突出取付け端部に上記継手が取り付けられており、
上記継手本体は軸心部に貫通孔を有し、上記一方の突出取付け端部と互いに嵌め込まれかつ連通状態に結合されており、
上記スリーブは上記一方の突出取付け端部に嵌め込まれて、上記継手本体と上記一方の突出取付け端部との結合状態を補強しており、
上記継手の接続用結合部は、対向するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材と連結可能である
ことを特徴とする接続配管。
【請求項2】
継手は、接続管体の両突出取付け端部にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の接続配管。
【請求項3】
継手は、接続管体の両突出取付け端部のいずれか一方の突出取付け端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の接続配管。
【請求項4】
継手本体は接続管体の突出取付け端部内に挿入されており、スリーブはその内部に突出取付け端部が挿入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の接続配管。
【請求項5】
継手は環状のスリーブストッパを備えており、このスリーブストッパが一端側で継手本体が挿入されかつこの継手本体を係止し、他端側でスリーブの端部が挿入されかつ上記スリーブを係止すると共にこれを受けていることを特徴とする請求項4記載の接続配管。
【請求項6】
保護管が対で構成されていると共に側腹部が互いに軸心方向に沿って隣接状態に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の接続配管。
【請求項7】
請求項1記載の接続配管、内側カバー及び外側カバーを備えており、
上記内側カバーは上記接続配管の継手をこれを囲むように被覆可能であり、
上記外側カバーは、端末保護キャップに跨ってこの端末保護キャップ及び上記内側カバーをこれらを囲むように被覆可能であることを特徴とする接続配管ユニット。
【請求項8】
内側カバーは割り溝を形成していると共に、継手と、これに接続するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材とを囲むように被覆可能であり、外側カバーはヒンジ部とその両側が半円筒状のカバー部とからなる筒状であって、かつ上記ヒンジ部を中心として開閉可能であると共に、上記継手及び端末保護キャップ並びに上記接続管材を被覆可能であることを特徴とする請求項7記載の接続配管ユニット。
【請求項1】
本体と、この本体に連結してある継手とからなり、
上記本体は、第1及び第2の配管被接続装置の接続管材間を連結するための接続管体と、この接続管体の外周を被覆する保護管と、両保護管体の両端末部のそれぞれに被せてある端末保護キャップとを備えており、
上記継手は、接続用結合部を有する継手本体とスリーブとを備えており、
上記接続管体の両端部は上記保護管の端末部から突出されて突出取付け端部となっており、両突出取付け端部のうち、少なくとも一方の突出取付け端部に上記継手が取り付けられており、
上記継手本体は軸心部に貫通孔を有し、上記一方の突出取付け端部と互いに嵌め込まれかつ連通状態に結合されており、
上記スリーブは上記一方の突出取付け端部に嵌め込まれて、上記継手本体と上記一方の突出取付け端部との結合状態を補強しており、
上記継手の接続用結合部は、対向するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材と連結可能である
ことを特徴とする接続配管。
【請求項2】
継手は、接続管体の両突出取付け端部にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の接続配管。
【請求項3】
継手は、接続管体の両突出取付け端部のいずれか一方の突出取付け端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の接続配管。
【請求項4】
継手本体は接続管体の突出取付け端部内に挿入されており、スリーブはその内部に突出取付け端部が挿入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の接続配管。
【請求項5】
継手は環状のスリーブストッパを備えており、このスリーブストッパが一端側で継手本体が挿入されかつこの継手本体を係止し、他端側でスリーブの端部が挿入されかつ上記スリーブを係止すると共にこれを受けていることを特徴とする請求項4記載の接続配管。
【請求項6】
保護管が対で構成されていると共に側腹部が互いに軸心方向に沿って隣接状態に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の接続配管。
【請求項7】
請求項1記載の接続配管、内側カバー及び外側カバーを備えており、
上記内側カバーは上記接続配管の継手をこれを囲むように被覆可能であり、
上記外側カバーは、端末保護キャップに跨ってこの端末保護キャップ及び上記内側カバーをこれらを囲むように被覆可能であることを特徴とする接続配管ユニット。
【請求項8】
内側カバーは割り溝を形成していると共に、継手と、これに接続するいずれか一方の第1の配管被接続装置の接続管材又は第2の配管被接続装置の接続管材とを囲むように被覆可能であり、外側カバーはヒンジ部とその両側が半円筒状のカバー部とからなる筒状であって、かつ上記ヒンジ部を中心として開閉可能であると共に、上記継手及び端末保護キャップ並びに上記接続管材を被覆可能であることを特徴とする請求項7記載の接続配管ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−180336(P2008−180336A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15828(P2007−15828)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(505136402)株式会社三葉製作所 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(505136402)株式会社三葉製作所 (9)
【Fターム(参考)】
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