説明

接触分解方法

【課題】既存の接触分解装置を用いて、ガソリン基材の得率を大幅に変化させることなく、原料油の多様化が可能で、更には、ガソリン基材のオクタン価を向上させることが可能な接触分解方法を提供する。
【解決手段】石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含み、ヨウ素価が15〜45gI2/100gで且つ酸素含有量が6質量%以下である原料油を、添加水素ガスの不存在下で、接触分解触媒と接触させて接触分解油を製造する。前記接触分解油は、不飽和脂肪族炭化水素を含有することが好ましく、前記原料油中の有機含酸素化合物の含有量は、1〜50質量%の範囲が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触分解方法、特に石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含む原料油を接触分解する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境対応型のガソリン基材として、高オクタン価のガソリン基材が求められている。従来のガソリン基材を製造する方法の中でも、流動接触分解装置を採用する方法は低コストで経済性に優れるという利点を有する。しかしながら、流動接触分解装置を用いた場合、生成するガソリン基材のオクタン価が91程度であり、ガソリン基材のオクタン価を更に向上させる必要がある。
【0003】
また、石油化学製品の原料となる液化石油ガス中の不飽和炭化水素化合物(プロピレン、ブテン等)の製造にも上記流動接触分解装置が採用されているが、生成する接触分解油中の不飽和炭化水素化合物の割合を高めることが求められている。
【0004】
従来法としては、減圧軽油留分、重質原油、常圧残渣油等の重質炭化水素油を、ホージャサイト構造のゼオライト含有触媒と接触させて分解し、ガソリン基材や分解ガス等を製造する方法が広く行われているが、上記の要求に対しては、特殊なゼオライトあるいはこれを含む接触分解用触媒を用いて、プロピレンやブテン等の軽質オレフィンの増産を図る方法が各種提案されている。例えば、接触分解触媒として、特定のゼオライトβ含有触媒とホージャサイト型ゼオライト含有触媒との混合物を用いて、ガソリン基材の得率を低下させることなく、軽質オレフィンの増産を可能とする方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−269464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、流動接触分解装置を用いて製造した従来のガソリン基材は、オクタン価が91程度であり、オクタン価を更に向上させる必要がある。また、従来の接触分解反応の原料油としては、上述のように、減圧軽油留分、重質原油、常圧残渣油等の石油由来の重質炭化水素油が主に用いられてきたが、昨今、二酸化炭素削減の必要性から、石油由来でない再生可能な油脂等を用いて原料油を多様化することが求められている。しかしながら、既存の接触分解装置を用いて、ガソリン基材の得率を大幅に変化させることなく、石油由来の炭化水素油以外の原料油を接触分解することは非常に難しかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、既存の接触分解装置を用いて、ガソリン基材の得率を大幅に変化させることなく、原料油の多様化が可能で、更にはガソリン基材のオクタン価を向上させ、また液化石油ガス(LPG)中の不飽和炭化水素を増産させることが可能な接触分解方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを混合してヨウ素価及び酸素含有量が特定の範囲にある原料油を調製し、該原料油を接触分解処理することで、ガソリン基材の得率を大幅に変化させることなく、原料油の多様化を達成することができ、更には、ガソリン基材のオクタン価を向上させることもできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明の接触分解方法は、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含み、ヨウ素価が15〜45gI/100gで且つ酸素含有量が6質量%以下である原料油を、添加水素ガスの不存在下で、接触分解触媒と接触させて接触分解油を製造することを特徴とする。
【0010】
本発明の接触分解方法の好適例においては、前記接触分解油が不飽和脂肪族炭化水素を含有する。
【0011】
本発明の接触分解方法の他の好適例においては、前記原料油中の有機含酸素化合物の含有量が1〜50質量%である。この場合、コークの生成を抑制しつつ、接触分解油中の不飽和炭化水素の割合を確実に増加させることができる。
【0012】
本発明の接触分解方法の他の好適例においては、前記有機含酸素化合物が動植物を起源とする天然油脂由来の化合物である。この場合、製品である燃料油を消費した場合の二酸化炭素の発生量を削減することができる。
【0013】
また、上記の接触分解方法により得られる接触分解油を、例えば、蒸留分離することで、炭素数3〜4の炭化水素(好ましくは、プロピレン、ブテン等の液化石油ガス中の不飽和炭化水素化合物)及び/又は接触分解ガソリン基材を製造することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法によれば、既存の接触分解装置において触媒、運転条件を大幅に変更することなく、従来と同等の製品得率、特にはガソリン基材の得率を維持しながら、原料油の多様化が図れ、また、ガソリン基材のオクタン価を向上させることが可能で、更にプロピレンの得率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の接触分解方法は、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含み、ヨウ素価が15〜45gI/100gで且つ酸素含有量が6質量%以下である原料油を、添加水素ガスの不存在下で、接触分解触媒と接触させて接触分解油を製造することを特徴とする。本発明の接触分解方法では、原料油の一部として有機含酸素化合物を用いるため、原料油の多様化を達成することができる。また、生成する接触分解油中のガソリン留分における芳香族分及びオレフィン分の割合が向上するため、ガソリン基材のオクタン価を向上させることもできる。なお、本発明の接触分解方法では、水が副生する傾向があり、該水の生成のために原料油から水素が引き抜かれる結果として、生成する接触分解油中のオレフィン分及び芳香族分の割合が向上するものと思われる。
【0016】
更に、本発明においては、ヨウ素価が15〜45gI/100gで且つ酸素含有量が6質量%以下の原料油を処理することで、ガソリン基材の得率の低下を抑制しつつ、ガソリン基材のオクタン価を向上させる。ここで、使用する原料油のヨウ素価が15gI/100g未満では、ガソリン基材のオクタン価を向上させることができず、一方、ヨウ素価が45gI/100gを超えると、ライトサイクルオイル(LCO)の生成量が増加して、ガソリン基材の得率が大幅に低下してしまう。また、使用する原料油の酸素含有量が6質量%を超えると、水の副生量が増加して、ガソリン基材の得率が大幅に低下してしまう。
【0017】
また、ガソリン基材のオクタン価を更に向上させる観点から、原料油のヨウ素価は20gI/100g以上が好ましい。また、ガソリン基材の得率の低下をより確実に抑制する観点から、原料油のヨウ素価は40gI/100g以下が好ましく、酸素含有量は5質量%以下、特には4質量%以下が好ましい。なお、特に限定されるものではないが、プロピレン/LPG比を向上させる観点から、原料油の酸素含有量は、0.2質量%以上、特には0.4質量%以上であることが好ましい。
【0018】
〔接触分解工程〕
接触分解油を製造するプロセスにおいて、接触分解装置、運転条件および用いる触媒は特に限定されず、任意の製造工程を採用することができる。接触分解装置は、接触分解触媒を使用して、軽油から減圧軽油までの石油留分の他、重油間接脱硫装置から得られる間脱軽油、重油直接脱硫装置から得られる直脱重油、常圧残さ油などを接触分解して高オクタン価ガソリン基材等を得る装置である。例えば、流動接触分解法としては、石油学会編「石油精製プロセス」に記載のあるUOP接触分解法、フレキシクラッキング法、ウルトラ・オルソフロー法、テキサコ流動接触分解法などの流動接触分解法、RCC法、HOC法などの残油流動接触分解法などが挙げられる。
【0019】
〔接触分解触媒〕
接触分解触媒としては、一般式:Na2O・Al23・nSiO2で示されるホージャサイト型の結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)で、nが5のY型ゼオライトやnが9のUSY型ゼオライトを、非晶質シリカアルミナ、クレイ、フィラー、バインダー(シリカゾル、アルミナゾル、アルミナゲル)と混合して、平均粒子径60μm程度の球形に調製した公知の触媒が使用できる。また、ゼオライトとしては、イオン交換サイトをレアアースで置換したREY型、REUSY型も適用できる。さらに、ZSM−5等のMFI型ゼオライトを混合して使用してもよい。なお本発明に使用する接触分解触媒は、特に限定されるものではないが、USY型ゼオライトにアルミナゾルバインダー及びZSM−5を添加した触媒が好ましい。
【0020】
〔接触分解の反応条件〕
接触分解の反応条件としては、反応温度は430〜550℃の範囲が好ましく、490〜520℃の範囲が更に好ましく、重量空間速度は1〜5h-1の範囲が好ましく、再生温度は550〜760℃の範囲が好ましく、575〜720℃の範囲が更に好ましく、触媒/油比(質量比)は2〜10の範囲が好ましく、3〜8の範囲が更に好ましく、接触時間は1〜60秒の範囲が好ましく、1〜20秒の範囲が更に好ましい。
【0021】
なお、本発明の接触分解方法は、添加水素ガスの不存在下で行う。外部から添加された水素ガスの存在下で接触分解を行った場合、生成する接触分解油中の不飽和脂肪族炭化水素の含有率が低下してしまう。
【0022】
〔石油由来の炭化水素油〕
石油由来の炭化水素油としては、原油を常圧蒸留して得られる常圧蒸留残油、常圧蒸留残油を減圧蒸留して得られる留出油留分である減圧軽油、原油を常圧蒸留して得られる留出油留分のうちの直留軽油留分、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる減圧蒸留残渣油を熱分解して得られる熱分解重質軽油留分等を水素化精製処理したものが好ましく用いられる。また、接触分解プロセスで得られるガソリン留分より沸点の高いライトサイクルオイル(LCO)や水素化分解プロセスで得られる減圧蒸留残油留分、またはそれらを水素化精製処理したものも好ましく用いられる。上述の留分を水素化精製処理する場合は、別々に水素化精製処理してもよいし、2つ以上を混合して水素化精製処理してもよい。
【0023】
使用する石油由来の炭化水素油の蒸留性状は、10%留出温度が210℃以上で、95%留出温度が600℃以下であることが好ましく、10%留出温度が220〜410℃で、95%留出温度が410〜590℃であることが更に好ましい。また、使用する石油由来の炭化水素油は、50℃での動粘度が3〜280mm2/sであることが好ましく、100℃での動粘度が1〜40mm2/sであることが好ましい。
【0024】
なお、原料油中の石油由来の炭化水素油の含有量は、コークの生成を抑制しつつ、接触分解油中の不飽和炭化水素の割合を増加させる観点から、50〜99質量%の範囲が好ましく、65〜97質量%の範囲が更に好ましく、75〜95質量%の範囲がより一層好ましい。
【0025】
また、特に限定されるものではないが、使用する石油由来の炭化水素油は、ヨウ素価が10〜30gI/100gであることが好ましく、酸素含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
【0026】
〔有機含酸素化合物〕
有機含酸素化合物としては、アルコール、エステル、脂肪酸、エーテル等が挙げられ、各官能基、構造等は化合物内に1つ存在していてもよいし、複数存在していてもよい。例えば、アルコールとしては、一価アルコールでも多価アルコールでもよく、エステルとしては、動植物油脂のようにモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドであってもよい。
【0027】
有機含酸素化合物は、動植物を起源とする天然油脂由来の化合物であることが好ましい。特に、バイオマスエネルギーの利用は、カーボンニュートラルの見地からも好ましい。動植物を起源とする天然油脂由来の化合物としては、パーム油、なたね油、大豆油、からし油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、とうもろこし油、落花生油、カポック油、ひまわり油、こめ油、やし油、パーム核油、あまに油、ひまし油、オリーブ油、桐油等の植物油脂や、牛脂、豚脂、羊脂、魚油等の動物油脂が例示される。また、前記動植物油脂から誘導される脂肪酸、脂肪酸エステルを製造する際に副生するグリセリンを使用することもできる。さらに、これらの動植物油脂や動植物油脂誘導体を含む廃油や廃液等の廃天然油脂を原料油として用いてもよい。ここで、廃油、廃液としては、近年その処理法が問題になっている廃食油等が例示される。
【0028】
有機含酸素化合物の存在下で接触分解反応を行うと、上述のように水分が副生し、また、コークが増加する傾向がある。そのため、原料油中の有機含酸素化合物の含有量は、1〜50質量%の範囲が好ましく、3〜35質量%の範囲が更に好ましく、5〜25質量%の範囲がより一層好ましい。原料油中の有機含酸素化合物の含有量が1質量%以上であれば、接触分解油中の不飽和炭化水素の割合が確実に増加し、一方、原料油中の有機含酸素化合物の含有量が50質量%以下であれば、コークの生成を抑制することができる。
【0029】
また、特に限定されるものではないが、使用する有機含酸素化合物は、ヨウ素価が10〜200gI/100g、特には15〜120gI/100gであることが好ましく、酸素含有量が10〜55質量%であることが好ましい。
【0030】
〔原料油の導入〕
接触分解装置への原料油の導入は、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物を別々の経路から接触分解装置へ導入しても、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物を予め混合してから接触分解装置へ導入してもよいが、有機含酸素化合物の比率が前記範囲内となるように接触分解装置へ導入することが好ましい。
【0031】
〔接触分解油〕
本発明の接触分解方法で製造される接触分解油には、飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素が含有され、該不飽和脂肪族炭化水素は、接触分解油中に通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上含有される。ここで、不飽和脂肪族炭化水素としては、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等が挙げられる。
【0032】
上記接触分解油を、例えば、蒸留塔で分留することで、炭素数3〜4の炭化水素(LPG)及び/又は接触分解ガソリン基材を得ることができる。ここで、接触分解ガソリン基材は、5容量%留出温度が35〜55℃、好ましくは35〜43℃、95容量%留出温度が150〜210℃、好ましくは150〜180℃となるように分留される。
【実施例】
【0033】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
(実施例1〜5及び比較例1)
表1に示す性状の、中東系原油の減圧軽油留分を水素化精製処理した脱硫重質減圧軽油1又は2と、精製パーム油[RBDパーム油(マレーシア産),三栄化工株式会社]、グリセリン[関東化学株式会社製試薬(特級), 密度:1.2644g/cm3]、パーム原油[パーム原油(マレーシア産)]、パームオレイン[RBDパームオレイン(マレーシア産)]、パーム核油[RBDパーム核油(マレーシア産)]、オリーブ油[関東化学株式会社製]、大豆油[関東化学株式会社製]、又は亜麻仁油[関東化学株式会社製]とを表2〜4に示す混合比率で混合して原料油を調製した。該原料油に対して、触媒としてGRACE Davison社製のIMPACT触媒(USY型ゼオライトにアルミナバインダー及びZSM−5を添加した触媒)の平衡触媒(比表面積:130m2/g, アルミナ比率:45質量%)を用い、Xytel社製のバッチ式小型流動層接触分解装置:ACE Model−Rによって、反応温度535℃、再生温度720℃、重量空間速度8h-1、接触時間2秒、触媒/油比(重量比)5の反応条件で接触分解反応を行い、分解生成物(接触分解油)を得た。分解生成物の収率及び性状を表2〜4に示す。なお、表1〜4中の密度、残留炭素、動粘度、蒸留性状、ガソリン組成、リサーチ法オクタン価(RON)、酸素含有量、ヨウ素価は、以下のようにして測定した。
【0035】
(1)密度:振動式密度試験法(JIS K 2249)
(2)残留炭素:コンラドソン法(JIS K 2270)
(3)動粘度:動粘度試験方法(JIS K 2283)
(4)蒸留性状:蒸留試験方法(JIS K 2254)ガスクロマトグラフ法
(5)ガソリン組成:組成分析方法(JIS K 2536)ガスクロマトグラフ法
(6)リサーチ法オクタン価(RON):ヒューレッドパッカード社製PIONA装置を用いて、ガスクロマトグラフ法によって測定
(7)酸素含有量:Heraeus社製CHN-O-RAPID装置を用いて元素分析
(8)ヨウ素価:英国石油協会(Institute Petroleum) IP84/65 Iodine Value Iodine Monochloride Method)準拠試験法にて測定
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
*1 ガソリン:C5〜沸点205℃の留分
*2 ドライガス:H2, H2S, C1, C2
*3 LPG:C3, C4
*4 LCO:205℃〜343℃の留分
*5 BTM:343℃を超える留分
【0041】
表2〜4中の実施例の結果から、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含み、ヨウ素価が15〜45gI/100gで且つ酸素含有量が6質量%以下の原料油に対して接触分解を行うことで、ガソリン留分の得率を大幅に変化させることなく、ガソリン留分中の芳香族分の割合とオレフィン分の割合が増加してオクタン価を向上させることが分かる。また、プロピレンの収率およびLPG中のプロピレン比率が向上することが確認された。
【0042】
また、比較例3の結果から、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含むものの、ヨウ素価が15gI/100g未満の原料油を用いた場合、ガソリン留分のオクタン価を向上させられないことが分かる。
【0043】
更に、比較例4,5及び6の結果から、石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含むものの、ヨウ素価が45gI/100gを超える原料油を用いた場合、LCOの生成量が増加して、ガソリン留分の得率が低下することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油由来の炭化水素油と有機含酸素化合物とを含み、ヨウ素価が15〜45gI/100gで且つ酸素含有量が6質量%以下である原料油を、添加水素ガスの不存在下で、接触分解触媒と接触させて接触分解油を製造することを特徴とする接触分解方法。
【請求項2】
前記接触分解油が不飽和脂肪族炭化水素を含有することを特徴とする請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項3】
前記原料油中の有機含酸素化合物の含有量が1〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項4】
前記有機含酸素化合物が動植物を起源とする天然油脂由来の化合物であることを特徴とする請求項1又は3に記載の接触分解方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の接触分解方法により得られる接触分解油から、炭素数3〜4の炭化水素を製造する方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の接触分解方法により得られる接触分解油から、接触分解ガソリン基材を製造する方法。