説明

推進管用ネジ蓋ならびにそのネジ蓋を備えた推進管および推進工法

【課題】掘進機により掘り進まれた掘削坑内での土石による推進管の変形、破壊を防止しながら、その推進管が掘削坑内を円滑に進行し得るようにする。
【解決手段】管壁に雌ネジ部41aを有する薬剤注入孔41が開口された推進管4において、吐出口61bと雄ネジ部61aとが形成された円筒状の胴部61の一端に、端板部62を備えた断面凹字形のネジ蓋6を用い、推進管4を地中に進入させる前に、ネジ蓋6を薬剤注入孔41に装着し、端板部62を薬剤注入孔41の外側開口端に位置付ける。そして、推進管4を地中に進入させた後、薬剤注入孔41とネジ蓋6の吐出口61bとを通じて、掘進機により掘り進まれた掘削坑の内周と推進管4の外周との間の空隙に薬剤を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地表を掘削せずに地中を掘削貫通して管路を構築する技術に係わり、特に地中に埋設される推進管に装着するネジ蓋、そのネジ蓋を備えた推進管、ならびに推進管を地中に好適に埋設するための推進工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に下水道その他の管路を構築するための管渠の埋設方法として、地表を筋掘りしてその底面に既製の管を敷設してから埋め戻す開削工法と、地表を掘削することなく地中を掘削貫通する非開削工法とが知られる。
【0003】
非開削工法には、地中を掘進機により掘進しながら、その後方でセグメントを組み立てて内面を覆工材により仕上げるシールド工法と、推進管と呼ばれる既製の管(ヒューム管、鋼管、ダクタイル管、二重構造鋼管、ボックスカルバートなど)を地中に押し込む推進工法とがある。
【0004】
このうち、推進工法は、管路の両端となる位置に立抗(発進立抗/到達立抗)を掘り、発進立抗から掘進機と推進管とをジャッキで地中に押し込み、掘進機の後続に推進管を順次継ぎ足し、以って発進立抗から到達立抗まで推進管が連なった管路を地中に構築するというものである。
【0005】
ここに、掘進機は、前端部にカッターヘッドを有し、そのカッターヘッドにより後続の掘進機本体や推進管の直径より大きい掘削抗を掘り進めるところ、推進管の管壁には雌ネジ部を有する薬剤注入孔が開口され、その薬剤注入孔を通じて掘削抗の内周と推進管の外周との間の空隙に推進管の内側から所定の薬剤が注入される(特許文献1)。
【0006】
例えば、上記空隙には、薬剤として掘進機や推進管の推進抵抗を軽減するべく潤滑剤を注入したり、掘進機が到達立抗に達した段階で上記空隙を完全に埋めるべく硬化性の樹脂、セメントペースト、又はセメントモルタルといったグラウト剤(裏込め剤)を充填注入したりする。尚、図9に示すように、薬剤注入孔H内には、通例として薬剤の逆流を防止するべく逆止弁Vが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−256988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の推進工法によれば、図9(a)のように推進管Pが掘削抗T内を進行するとき、薬剤注入孔Hの外側開口縁に石Sが激突して掘進機の進行の妨げになることがあった。又、石Sの激突により、図9(b)のように薬剤注入孔Hの周辺が変形したり砕けたりして耐圧性、水密性に支障を来たしてしまうという問題があった。
【0009】
特に、推進管Pとして多用されるヒューム管(遠心力鉄筋コンクリート管)では、その内部まで達する亀裂が広範囲に広がって補修を余儀なくされることがあるが、ヒューム管は遠心力により締め固められた高強度で水密性に優れたPCコンクリート製であるから、亀裂が生じた部分を補修してもヒューム管本来の高強度、高水密性を回復することはできない。
【0010】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は掘進機により掘り進まれた掘削抗内での土石による推進管の変形、破壊を防止しながら、その推進管が掘削抗内を円滑に進行し得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、掘進機により掘り進まれた掘削抗内に押し込まれる推進管に対応し、その推進管の管壁に開口された雌ネジ部を有する薬剤注入孔に装着されるネジ蓋であり、
前記推進管の外周側で前記薬剤注入孔の開口端に位置付けられる端板部と、一端が前記端板部の外周に連なる円筒形の胴部とを有する断面凹字形で、
前記胴部には、前記雌ネジ部に対応する雄ネジ部、ならびに前記推進管の内側から前記薬剤注入孔内を通じて送り込まれる薬剤を前記掘削抗の内周と前記推進管の外周との間の空隙に流出せしめるための吐出口が形成されていることを特徴とする推進管用ネジ蓋を提供する。
【0012】
尚、前記端板部の周縁に、前記薬剤注入孔に対するネジ蓋締結用の工具の爪を係止する複数の切欠部が形成されていることが好ましい。
【0013】
又、本発明は、掘進機により掘り進まれた掘削抗内に押し込まれる推進管であって、その管壁に開口された雌ネジ部を有する薬剤注入孔に装着されたネジ蓋を備え、
前記ネジ蓋は、前記推進管の外周側で前記薬剤注入孔の開口端に位置付けられる端板部と、一端が前記端板部の外周に連なる円筒形の胴部とを有する断面凹字形で、
前記胴部には、前記雌ネジ部に対応する雄ネジ部、ならびに前記推進管の内側から前記薬剤注入孔内を通じて送り込まれる薬剤を前記掘削抗の内周と前記推進管の外周との間の空隙に流出せしめるための吐出口が形成されていることを特徴とするネジ蓋付き推進管を提供する。
【0014】
更に、本発明は、管壁に雌ネジ部を有する薬剤注入孔が開口された推進管を掘進機の後部に連結し、前記掘進機とその後続に順次継ぎ足される推進管とをジャッキで押圧して地中に進入させることにより、前記推進管による管路を地中に構築する推進工法において、
所定の開口面積を有する吐出口と、前記薬剤注入孔の雌ネジ部に対応する雄ネジ部とが形成された円筒状の胴部の一端に、端板部を備えた断面凹字形のネジ蓋を用い、
前記推進管を地中に進入させる前に、前記ネジ蓋を前記雌ネジ部と前記雄ネジ部との結合により前記推進管の外側から前記薬剤注入孔に装着し、前記端板部を前記推進管の外周側で前記薬剤注入孔の開口端に位置付け、
前記推進管を地中に進入させた後、当該推進管の内側から前記薬剤注入孔と前記ネジ蓋の吐出口とを通じて、前記掘進機により掘り進まれた掘削抗の内周と前記推進管の外周との間の空隙に薬剤を供給することを特徴とする推進工法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る推進管用ネジ蓋および同ネジ蓋を備えた推進管によれば、掘進機により掘り進めた掘削抗内を推進管が進行するとき、その管壁に形成された薬剤注入孔の外側開口縁に掘削抗内の石が食い込んで推進管の進行を妨げたり、薬剤注入孔の周辺が石の激突によって破壊されたりすることが防止される。このため、推進管を埋設直後に補修する必要がなくなり、その推進管により耐圧性、水密性に優れた管路を地中に構築することが可能となる。
【0016】
加えて、端板部の周縁に、薬剤注入孔に対するネジ蓋締結用の工具の爪を係止する複数の切欠部が形成されていることから、掘削抗の内周に臨む端板部の表面の大部分を引っ掛かりの少ない平滑面としながら、ネジ蓋の装着を容易かつ適正に行うことができる。
【0017】
又、本発明に係る推進工法では、所定の開口面積を有する吐出口と、推進管の管壁に開口された薬剤注入孔の雌ネジ部に対応する雄ネジ部とが形成された円筒状の胴部の一端に、端板部を備えた断面凹字形のネジ蓋を用い、推進管を地中に進入させる前に、ネジ蓋を雌ネジ部と雄ネジ部との結合により推進管の外側から薬剤注入孔に装着して、端板部を推進管の外周側で薬剤注入孔の開口端に位置付けるようにしていることから、掘進機により掘り進められた掘削抗内を推進管が進行するとき、掘削抗内の石が薬剤注入孔の外側開口縁に食い込んで推進管の進行を妨げることが防止されるため、推進管の進行を円滑にすることができる。
【0018】
しかも、薬剤注入孔の周辺が石の激突によって破壊されることを防止できるので、推進管を変形、破壊のない状態で地中に埋設することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る推進工法を示す説明図
【図2】本発明に係る推進管の一例を示す斜視概略図
【図3】図2に示した推進管の軸線に沿う部分断面図であり、(a)は薬剤注入孔の部分を示す縦断面図、(b)は薬剤注入孔にネジ蓋を装着した状態を示す縦断面図
【図4】本発明に係るネジ蓋を示す斜視図
【図5】図4に示したネジ蓋の平面図
【図6】本発明に係るネジ蓋とその締結用工具を示す斜視図
【図7】本発明に係るネジ蓋付き推進管を地中に埋設するときの状態を示す要部断面図
【図8】本発明に係るネジ蓋付き推進管を用いて構築された管路の部分断面図
【図9】従来法により推進管が地中に埋設される状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明を詳しく説明する。先ず、図1により、地中に管路を構築する推進工法について概説すると、1は管路を構築するための掘進開始端となる位置を掘り下げた発進立抗、2は掘進終了端となる位置を掘り下げた到達立抗であり、このうち発進立抗1内には、複動形のジャッキ3(油圧ジャッキ)が設置され、そのジャッキ3により掘進機Mとその後部に連結した推進管4とが到達立抗2に向けて地中に押し込まれる構成とされる。特に、推進管4はクレーン5により地上から発進立抗1内に降ろされて掘進機Mの後続に順次継ぎ足され、その継ぎ足しと押し込みが繰り返される。
【0021】
掘進機Mは、モータなどを内蔵した円筒形の掘進機本体M1の前端にカッターヘッドM2を備えた公知の装置であり、そのカッターヘッドM2には回転駆動する超硬ビットなどが設けられている。そして、係る掘進機Mは、ジャッキ3から推進管4を介して背圧(推進力)を受けながら地中を掘り進み、これによって掘り進まれた掘削抗T内を後続の推進管4が進行し、先頭の掘進機Mが到達立抗2まで達すると、その掘進機Mが地上からクレーン5により吊り上げられて回収され、発進立抗1と到達立抗2との間には推進管4が連なった管路が構築されることとなる。
【0022】
図2は、上記のような推進工法に用いられる推進管を示す。図2において、係る推進管4は口径800mm、長さ2430mmのヒューム管(遠心力鉄筋コンクリート管)であり、その管壁には所定の間隔を隔てて2つの薬剤注入孔41が開口されている。その薬剤注入孔41は、掘進機により掘り進められた掘削抗の内周と推進管の外周との間の空隙に対し、推進管4の内側から所定の薬剤を注入するためのものであるが、これは図1のようにクレーン5による吊下げ用孔としても利用される。尚、図1において、51は薬剤注入孔41に装着した雄ネジ部材、52は雄ネジ部材51に連結した吊桁であり、その吊桁52の中央部とクレーン5のフックがワイヤ53により繋がれている。
【0023】
次に、図3は薬剤注入孔の部分の断面を示す。この図から明らかなように、推進管4の管壁にはナット部材Nが埋め込まれており、そのナット部材Nの内側が薬剤注入孔41として開口されている。薬剤注入孔41は、推進管4の内部に開口するナット部材Nの内周(雌ネジ部41a)に連通して、推進管4の外周側をテーパ部41bとして外部に開放した貫通孔であり、その雌ネジ部41aには推進管4の内側から逆止弁Vが装着され、逆止弁Vよりも外周側には金属製のネジ蓋6が装着される。尚、逆止弁Vは推進管4内への薬剤の逆流や地下水の流入を防止するためのものであり、その弁体V1を支持する弁座V2の外周には雌ネジ部41aと結合する雄ネジ部が形成されている。
【0024】
一方、ネジ蓋6は、円筒形の胴部61と当該胴部の一端を塞ぐ端板部62とを有した断面凹字形の部材であり、端板部62が無い胴部61の他端側(開口側)の外周には、雌ネジ部41aに結合する雄ネジ部61aが形成されている。又、胴部61には、端板部62と雄ネジ部61aとの間において所定の開口面積(本例において4cm程度)を有する横長の吐出口61bが形成され、その吐出口61bから薬剤を流出させ得るようになっている。
【0025】
特に、係るネジ蓋6は、推進管4の外周側で端板部62が薬剤注入孔41の開口端(外側開口端)に位置付くようにして薬剤注入孔41に装着され、その状態において薬剤注入孔41のテーパ部41bの周面部に吐出口61bが臨むような構成とされている。
【0026】
尚、本例において、ネジ蓋6を構成する胴部61と端板部62は溶接により接合一体化されているが、その両者を金属材料から一体に形成することもできる。
【0027】
又、図4および図5から明らかなように、本発明に係るネジ蓋6において、端板部62の周縁3箇所には半円状の切欠部62aが周方向に等間隔で形成されており、その各切欠部62aを利用して、上記薬剤注入孔41に対するネジ蓋6の締結装着が行われる構成としてある。
【0028】
図6は薬剤注入孔にネジ蓋を締結するための工具を示す。係る工具7は、T字形をなす手回し用のハンドル71と、ハンドル71の下端に固着された円筒形の工具本体72とを有し、その工具本体72にはネジ蓋6の切欠部62aに対応する円柱状の爪72aが形成されている。そして、係る工具7によれば、ネジ蓋6の切欠部62aに爪72aを係止し、その状態でハンドル71を回すことにより、上記薬剤注入孔41に対して推進管4の外側からネジ蓋6を容易かつ迅速に装着することができる。
【0029】
ここで、先に概説した推進工法により、推進管4による管路を地中に構築するには、図1に示した発進立抗1から推進管4をジャッキ3による押圧力で地中に進入させる前に、当該推進管4の薬剤注入孔41に対し、図3(b)のようにネジ蓋6を雌ネジ部41aと雄ネジ部61aとの結合により推進管4の外側から薬剤注入孔41に装着し、ネジ蓋6の端板部62を推進管4の外周側で薬剤注入孔41の開口端に位置付けておく。又、図7のように、薬剤注入孔41には、推進管4の内側から逆止弁Vを装着するほか、薬剤給送管8の一端を接続しておく。
【0030】
しかして、その推進管4を地中に進入させた後、薬剤給送管8を通じて地上から薬剤注入孔41内に所定の薬剤を供給する。すると、薬剤の圧力により逆止弁Vの弁体V1が図7の一点鎖線で示されるようV字状に開かれ、これによりネジ蓋6の内部に薬剤が流入する。更に、ネジ蓋6内に流入した薬剤は、吐出口61bを通じて掘削抗Tの内周と推進管4の外周との間の空隙Gに流出することとなる。
【0031】
尚、推進管4が掘削抗T内を進行する段階では、上記空隙Gに薬剤として潤滑剤が供給されることにより、推進管4の推進抵抗が軽減される。このため、推進管4は掘削抗T内を低負荷の下で円滑に進行することができる。しかも、本発明によれば、推進管4の外周側で薬剤注入孔41にネジ蓋6が装着されることにより、掘削抗T内の石が薬剤注入孔41の開口縁に食い込んで推進管4の進行を妨げたり、薬剤注入孔41の周辺が石の激突によって破壊されたりすることが防止される。このため、推進管4を埋設直後に補修する必要がなくなり、推進管4の耐圧性、水密性を所期状態に保つことが可能となる。
【0032】
一方、図1に示す掘進機Mが到達立抗2に達した段階では、図8のように、上記空隙Gに薬剤として硬化性の樹脂、セメントペースト、又はセメントモルタルといったグラウト剤Uが供給され、これにより空隙Gが完全に埋められるほか、推進管4の内周側においても薬剤注入孔41がモルタル等の充填剤fにより完全に塞がれ、これにより推進管4の安定性や止水性能が確保されることとなる。
【0033】
因みに、図7は推進管4の軸線に沿う薬剤注入孔41の周辺における縦断面を示し、図8は推進管4の軸線に直角な薬剤注入孔41の周辺における横断面を示している。
【0034】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、推進管4はヒューム管(標準品として長さ2430mmのほか、1200mm、800mmのものがある)に限らず、鋼管、ダクタイル管、二重構造鋼管などでもよく、その形態も円筒形に限らずボックスカルバートなどの矩形管が用いられる場合もある。尚、既製の推進管として、上記のような薬剤注入孔41が設けられるものは、口径が800mm以上のヒューム管に限られているので、本発明に係る推進管としても口径800mm以上のヒューム管が好適に用いられる。
【符号の説明】
【0035】
M 掘進機
T 掘削抗
G 空隙
3 ジャッキ
4 推進管
41 薬剤注入孔
41a 雌ネジ部
6 ネジ蓋
61 胴部
61a 雄ネジ部
61b 吐出口
62 端板部
62a 切欠部
7 工具
72a 爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘進機により掘り進まれた掘削抗内に押し込まれる推進管に対応し、その推進管の管壁に開口された雌ネジ部を有する薬剤注入孔に装着されるネジ蓋であり、
前記推進管の外周側で前記薬剤注入孔の開口端に位置付けられる端板部と、一端が前記端板部の外周に連なる円筒形の胴部とを有する断面凹字形で、
前記胴部には、前記雌ネジ部に対応する雄ネジ部、ならびに前記推進管の内側から前記薬剤注入孔内を通じて送り込まれる薬剤を前記掘削抗の内周と前記推進管の外周との間の空隙に流出せしめるための吐出口が形成されていることを特徴とする推進管用ネジ蓋。
【請求項2】
前記端板部の周縁に、前記薬剤注入孔に対するネジ蓋締結用の工具の爪を係止する複数の切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の推進管用ネジ蓋。
【請求項3】
掘進機により掘り進まれた掘削抗内に押し込まれる推進管であって、その管壁に開口された雌ネジ部を有する薬剤注入孔に装着されたネジ蓋を備え、
前記ネジ蓋は、前記推進管の外周側で前記薬剤注入孔の開口端に位置付けられる端板部と、一端が前記端板部の外周に連なる円筒形の胴部とを有する断面凹字形で、
前記胴部には、前記雌ネジ部に対応する雄ネジ部、ならびに前記推進管の内側から前記薬剤注入孔内を通じて送り込まれる薬剤を前記掘削抗の内周と前記推進管の外周との間の空隙に流出せしめるための吐出口が形成されていることを特徴とするネジ蓋付き推進管。
【請求項4】
管壁に雌ネジ部を有する薬剤注入孔が開口された推進管を掘進機の後部に連結し、前記掘進機とその後続に順次継ぎ足される推進管とをジャッキで押圧して地中に進入させることにより、前記推進管による管路を地中に構築する推進工法において、
所定の開口面積を有する吐出口と、前記薬剤注入孔の雌ネジ部に対応する雄ネジ部とが形成された円筒状の胴部の一端に、端板部を備えた断面凹字形のネジ蓋を用い、
前記推進管を地中に進入させる前に、前記ネジ蓋を前記雌ネジ部と前記雄ネジ部との結合により前記推進管の外側から前記薬剤注入孔に装着し、前記端板部を前記推進管の外周側で前記薬剤注入孔の開口端に位置付け、
前記推進管を地中に進入させた後、当該推進管の内側から前記薬剤注入孔と前記ネジ蓋の吐出口とを通じて、前記掘進機により掘り進まれた掘削抗の内周と前記推進管の外周との間の空隙に薬剤を供給することを特徴とする推進工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−92562(P2012−92562A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240653(P2010−240653)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(510285942)株式会社コーアエンジニアリング (1)
【Fターム(参考)】