説明

換気低減装置

貨物コンテナ内の空気と周囲の外気との交換を減らすための装置は、コンテナ内の第1の気積を湿気に敏感な積荷が格納されている第2の気積から隔てる実質的に非弾性な可撓膜を備える。第1の気積は周囲の外気に連通し、外気圧と前記第2の気積内の圧力との差に応じて容積が変わりうる。前記装置を備えた貨物コンテナも開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気密性のないコンテナ、特に貨物コンテナ、における空気の交換を減らすための装置と、このような装置を設けた貨物コンテナとに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類の積荷が通常寸法が約8×8×20フィートまたは約8×8×40フィートのアルミニウム製または鋼鉄製の貨物コンテナで輸送されている。最近、寸法が約8×8×13フィートの貨物コンテナが新しい標準規格として提案されている(国際公開第01/62631号)。この種のモジュール式貨物コンテナは、略矩形の平行六面体の形態を有し、底面と、一対の向かい合った側壁と、屋根とを備え、側壁の少なくとも一方に積荷の積み降ろしのためのドア、通常は両開きドア、を備える。壁は、通常、波形板で作られている。貨物コンテナは、過酷な気象条件に耐えるように作られているが、通常、気密性はない。貨物コンテナを完全に密封するにはコストがかかる。
【0003】
貨物コンテナ内部の空気または貨物コンテナ周囲の外気の温度変化、外気圧や風圧などの変化によって、コンテナ内の空気とその周囲の外気との間に圧力差が生じると、コンテナの外側から内側に湿った空気が漏入して湿気に敏感な積荷を損ねることがある。湿気に敏感な積荷を運ぶ貨物コンテナには、国際公開第01/25707号に開示されているような乾燥装置が設けられる。ただし、このような装置の乾燥能力は限られている。高比重の積荷の場合は、コンテナ内の空気を乾燥させておく問題が大きくなる。貨物コンテナの積載能力が限られているために、このような積荷、たとえば湿気に敏感な金属粉末など、を積み込んだ場所が貨物コンテナの僅かな部分しか占めない場合がある。所定の気圧差においては、コンテナ内の空きスペースが大きいほど、貨物コンテナに入り込む湿った空気の量が増える。この結果、湿度の問題がさらに悪化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記種類のコンテナ内の空気と周囲の外気との間の空気の交換を減らす手段を提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、以下の課題を解決するための手段、図面に示されている好適な実施形態の説明、および添付請求項によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、貨物コンテナ内の空気と周囲の外気との間の空気の交換を減らす装置が提供される。この装置は、コンテナ内の第1の気積を湿気に敏感な積荷が格納されている第2の気積から隔てる、実質的に非弾性な可撓膜を含み、第1の気積が周囲の外気に連通し、外気圧と第2の気積内の圧力との差に応じて第1の気積の容積が変化する。膜は、その周囲に沿って延在する密封手段を備えることが好ましい。膜は薄肉のプラスチック製の袋またはトラフの形態とし、その周縁部に密封手段が接着剤の形態で設けられていることが好ましい。ただし、密封手段は別個に設けてもよく、その形態はたとえば、クランプまたはレーシング手段、あるいは同様の手段でもよい。密封手段によって、膜はコンテナ壁の開口部に直接または間接的につながる。この結果、膜によって画定された第1の気積とコンテナの周囲の外気との間の連通が確立される。膜は、その自重によって容易につぶれないことが重要である。したがって、膜はできる限り軽くする必要がある。特に好適な膜は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマー材料の膜である。予め延伸されたポリエチレンまたはポリプロピレン箔が特に好ましい。膜の厚さは一般に0.05〜0.3mmである。すなわち、できる限り、第1の気積と第2の気積との間の気圧差によってのみ、膜の動きが引き起こされるようにすべきである。膜を取り付けるとき、第1の気積をその最大容積の約半分に設定することが好ましい。
【0007】
本発明の第1の好適な態様によると、膜をコンテナ壁の開口部に直接つなげる。この態様においては、密封手段は矩形枠を備え、コンテナのドア開口部を膜によって覆うようにこの枠を取り付けることができる。このような場合、枠をドアの戸じゃくりに取り付ける手段、たとえば接着剤、が枠または戸じゃくりに、あるいはこの両方に設けられる。したがって、コンテナに積荷を積み込んだ後、ドアを閉じる前に、枠をコンテナドアの戸じゃくりに接着することができる。この結果、コンテナ内の第1の気積が膜と閉じたドアとの間に形成される。第1の気積とコンテナ周囲の空気との連通は、ドアと戸じゃくりとの間、および複数の扉部を有するドアを使用する場合はドアの扉部間の漏気だけになる。このように取り付けられた膜は、コンテナのドアで通常発生する漏気を利用する。この漏気は、たいていの場合、コンテナの他の漏気の合計より顕著である。さらなる利点として、貨物コンテナのドアを積荷の目視検査のために開いても、積荷が格納されている第2の気積に湿った空気が侵入しない。このような検査は州間輸送の場合は一般的であり、最終仕向け地への輸送および荷下ろしの前に積荷が税関職員によって検査されることがある。このため、膜またはその一部分が透明な材料で作られていることが好ましい。また、膜によって画定される気積を、貨物コンテナの壁に別途設けた、ドア開口部以外の開口部に直接連通させることによって第1の気積を画定することも可能である。この直接連通は、たとえば、プラスチック製の袋の自由周縁部を開口部を囲むコンテナ壁の内側に接着することによって行える。また、袋の自由周縁部を短い管状連結片に取り付け、その連結片の一端に設けられた環状フランジを開口部を囲むコンテナ壁の内側部分に固定してもよい。連結片が介在するが、基本的には膜は依然としてコンテナ壁の貫通開口部に直接連通していると考えることができる。
【0008】
本発明の第2の好適な態様によると、密封手段を貨物コンテナの壁の貫通開口部に間接的につなげる。貫通開口部はドアの開口部ではないので、コンテナ壁に穴を開けるなどして別途設ける必要がある。特に、密封手段は、ドア開口部ではない第1の貫通開口部を有するコンテナ壁に膜を取り付け、第1の貫通開口部を介して第1の気積と周囲の外気との間でほぼ無制限の連通を可能にするためのアセンブリを備える。この取り付けアセンブリは、第1の貫通開口部とアセンブリとの間に介在する要素を備える。この介在要素は、第1の貫通開口部が介在要素によって覆われるように介在要素自体をコンテナ壁に固定する手段を備える。この固定手段は固定手段自体を取り付けアセンブリの残りの部分に固定するための第1の貫通穴と、外気を第1の気積に連通させるための第2の貫通穴とを備える。
【0009】
本発明の第2の好適な態様の一変形によると、取り付けアセンブリは、第1の貫通穴に隣接してコンテナ壁に設けられた第2の貫通穴に取り付けアセンブリ自体を固定する手段を備える。この第2の貫通穴も別途設ける必要がある。取り付けアセンブリは、取り付けスタッドと、取り付けスタッドからスタッド軸に略直角に延在する第1の管と、第1の管の外面または内面に摺動し密封するように配設された第2の管とを備え、第2の管がスタッドに近い開放端とスタッドから遠い閉鎖端とを有し、膜を気密に固定するための頚部が閉鎖端から延在することが好ましい。また、取り付けアセンブリは、コンテナ壁に固定されたラッシングアイに第1または第2の管を吊り下げる手段を備えることが好ましい。大半の貨物コンテナでは、このようなラッシングアイが標準装備されている。取り付けアセンブリを取り付けるコンテナ壁の単一または複数の穴、または取り付けアセンブリの取り付け位置の近くにあるコンテナ壁の単一または複数の穴と、膜を取り付けた第2の管をほぼ水平に吊り下げるラッシングアイとの間の距離の変動に対して、水平レベルからのずれが容認されうる場合でも、取り付けアセンブリを適応させられるように取り付けアセンブリは設計される。
【0010】
取り付けアセンブリを貨物コンテナの壁に直接取り付けるか、または(取り付け要素を介在させて)間接的に取り付けるかを除き、本発明の第2の好適な態様およびその変形における取り付けアセンブリの設計は同じである。第2の管は、第1の管の外面に摺動し密封するように配設される波形管であると好都合である。このような場合、吊り下げ手段を第2の管に締め付け固定できることが好ましい。膜の形態は、第1の気積を第2の気積から隔てるために適した形態であればどのようなものでもよいが、たいていの場合、全体的な形態が袋で、底は矩形または円形である。
【0011】
本発明の第3の好適な態様によると、第1の気積は第2の気積の最大10パーセントであり、より好ましくは第2の気積の最大6パーセントであり、最も好ましくは第2の気積の最大4パーセントから最大10パーセントである。
【0012】
本発明の第4の好適な態様によると、第1の気積は本発明による装置を2つまたはそれ以上備えて成る。したがって、たとえば、第1の気積が第2の気積の最大6パーセントである場合は、最大3パーセントの第1の気積を有する装置を2つ設けてもよい。
【0013】
本発明の第5の好適な態様によると、外気と第1の気積との間の連通の通気抵抗は、第2の気積への漏気合計の通気抵抗の10パーセントまたはそれ以下である。したがって、コンテナ周囲の気圧が上がると、それに応じて第1の気積に入る空気容量が第2の気積に入る空気容量より大きくなる。この反対にコンテナ内の気圧が周囲の気圧より高い状況では、それに応じて第1の気積から出る空気容量が増える。積荷が格納されている第2の気積に配設されている乾燥装置が処理すべき湿気の量がかなり減るので、乾燥装置が長持ちし、第2の気積内の平均湿度がより低いレベルに維持される。
【0014】
本発明の第6の好適な態様によると、取り付けアセンブリは取り付けスタッドと、取り付けスタッドからスタッド軸に対して直角または斜めに延在し、取り付けスタッドに流体連通する管要素とを備える。管要素はその自由端に膜を密封固定する手段を備える。膜は袋の形態を取り、固定手段はネジおよび/またはフック手段を備えることが好ましい。
【0015】
本発明の装置を設けた貨物コンテナも開示される。
【0016】
次に、図面に示されているいくつかの好適な実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1の大型貨物コンテナの寸法は、8×8×20フィートである。このコンテナは、矩形の平行六面体の形態をしており、底2と、両開きドア(非図示)を設けた第1の端壁5と、(第1の端から見て)右側の側壁1および左側の側壁3(左側の断面3’には波形を図示せず)と、第2の端壁4と、屋根6とを備える。コンテナの各壁は、波形鋼板で作られている。この貨物コンテナには、パレットに載せた箱11、12が積み込まれている。左側壁3の内面には、本発明による第1の均圧化装置7、9と第2の均圧化装置8、10とが取り付けられている。各均圧化装置は取り付けアセンブリ9、10と圧壊可能な袋7、8とを備えている。図2〜7を参照しながら、左側の均圧化装置7、9についてより詳細に説明する。
【0018】
最初に、図3、図4(図7の断面C−C)、および図4aに特に言及する。取り付けアセンブリ9はスタッド14を備え、スタッド14の軸D−D(図7)はコンテナ壁3に直角に配置されている。取り付けられたスタッド14から水平に管19が延在し、コンテナ壁3にほぼ平行に配設されている。管19のスタッド14と反対側の自由端26は開いている。管19の外面に同軸(軸A−A)で摺動する波形ホース15が設けられており、スタッド14に近いその開放端の最初の波形の中に保持されているゴム輪24によって管19は波形ホース15に対して密封される。ホース15の他端、すなわち遠端は壁25によって閉鎖されている。ホース15の閉鎖端25から開放端の方向に延在する部分は、袋を取り付けるフランジ20をその基部に有する中空の角錐台形の頚部16に接合されている。ホース15と頚部16とを接合する箇所では、ホース15の壁の一部を取り除くことによって、頚部/フランジ部16、20の内側をホース15の内腔に連通させ、また管19の内腔にも連通させている。圧壊可能な袋7は、その開放端をフランジ20に取り付け、断面がU字状の弾性リング21によってそこに保持する。
【0019】
スタッド14とそこから延在する管19の一部の断面A−A(図4)を図7に示す。スタッド14の穴は開口部32によって管19の内腔に連通する。スタッド14は、コンテナの左側壁3の平坦部34の貫通穴にスナップ手段37によって固定された取り付けディスク35によって、コンテナの左側壁3の平坦部34に取り付けられる。取り付けディスク35には多数の貫通穴が設けられている。つまり、中心穴36と、その周囲に矩形パターンで配置された8つの穴38が設けられている(図6)。中心穴36には止めネジ27の螺刻端部29が貫入し、止めネジ27の頭部28がスタッド14の円錐面31に当接して密封する。スタッド14の開放端は、スタッド14の自由端面に設けられた環状溝に取り付けられたポリウレタンフォーム製リング33を介して取り付けディスク35に接触し密封する。止めネジ27を手で回すためのグリップ30が止めネジ27の頭面に設けられている。図6において、点線の円39、40、41は、密封用リング33の内側および外側の輪郭と、コンテナ壁部34の穴の輪郭とを示す。
【0020】
図2は、本発明の取り付けアセンブリ9の吊り下げ部と、圧壊可能な袋7とを示す。ほぼ平坦な吊り下げ板18は、波形ホースをその軸A−Aに直角に180度を超える角度にわたって環状に取り囲むように、そのフィンガ52によって波形ホース15を締め付ける。締め付け板18のフィンガ52の反対側には、大型貨物コンテナの側壁面に通常設けられているようなラッシングアイ13に引っ掛けるフック50が設けられている。フック50の下に設けられている支持部51は、取り付け位置においてコンテナ壁3に当接し、取り付けアセンブリ9をコンテナ壁3から正確な距離に保つ。管19と波形ホース15とが摺動関係にあるため、取り付けアセンブリ9は、アイ13などのラッシングアイと、スタッド14の取り付け位置を決めるコンテナ壁の貫通穴との間の距離が変動しても適応できる。
【0021】
図8および図8aは、本発明の取り付けアセンブリの第2の実施形態に関する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、取り付けディスクが省かれ、図6の貫通穴パターンが平坦なコンテナ壁部42に直接設けられる。図面において、中心穴は参照符号46で示され、周囲の穴は参照符号48で示されている。この実施形態において、第1の実施形態のスタッド14に対応するスタッド44は、密封用リング45を介して壁の平坦部分42に直接当接する。変形可能なネジ43を中心穴46に留め付けることによって、スタッド44がコンテナ壁に固定される。
【0022】
本発明の上記各実施形態による均圧化装置が取り付けられていないときにコンテナの中身を保護するために、コンテナ壁の穴(群)は図8aのロックディスクによって覆われる。第2の実施形態を取り付けるために貨物コンテナの壁に設けられた多数の穴46、48を覆うように設計されたロックディスク47は、スナップフィンガ49によって穴48に固定された状態で示されている。第1の実施形態用の対応するロックディスクは、取り付けディスク35の形態を有するが、穴36、38がない。当業者はこれらの穴を他の多くの有用なパターンで配置できることを理解されるであろう。
【0023】
本発明の第3の実施形態を図9〜12に示す。この実施形態の取り付けには、漏気が最も発生しやすい場所である、貨物コンテナ60のドア開口部が使用される。第3の実施形態の均圧化装置は、その大略の形態がトラフ状の薄いポリマー箔62から成り、矩形枠63の内側輪郭から延在する。枠63は、ポリマー箔のトラフ62が貨物コンテナのドア枠に正確に嵌めこまれる寸法である。つまり、枠63の内側輪郭がドアの開口部の内側輪郭にほぼ重なるので、枠63をドアの戸じゃくり61に取り付けることができる。枠63の内側および外側の輪郭に直角な詳細断面図を図12に示す。ポリマー箔のトラフ62の周縁部はU字形状のボール紙の間に挟み込まれ、ポリマーの溶融温度まで暖めることによって固定されている。ボール紙のフランジ66は、ドア枠による摩損から箔トラフ62を保護するように延在している。ボール紙製の枠63の戸じゃくり61側の面には、接着剤64が設けられている。接着剤64は非粘着材質のリボン65によって保護されている。取り付けの前に、リボン65を取り除く。
【0024】
本発明の第4の実施形態を図13に示す。取り付けアセンブリはスタッド114を備え、スタッド114の軸はコンテナ壁134に直角に配置されている。取り付けられたスタッド114から下方に、コンテナ壁134から離れる方向に、端に頚部120を有する漏斗状の部品119が延在している。頚部120は、プラスチック製の圧壊可能な袋107を取り付けるために使われ、図にはその壁厚が大きく誇張されている。袋107は、ホースクランプ140によって頚部120に留め付けられる。スタッド114の穴は、漏斗状部品119の内腔に連通している。スタッド114は、コンテナ壁134の貫通穴にスナップ手段137によって固定された取り付けディスク135を介して、コンテナ壁134の平坦部に取り付けられる。取り付けディスク135には、多数の貫通穴が設けられている。つまり、中心穴と、中心穴の周りに図6の穴の配置と同様の矩形パターンで配置された周囲の8つの穴38とが設けられている。この穴配置における中心穴36には止めネジ127の螺刻端部139が貫入し、止めネジ127の頭部128がスタッド114の円錐面131に当接して密封する。スタッド114の開放端は、スタッド114の自由端面に設けられた環状溝に取り付けられたポリウレタンフォーム製リング133を介して取り付けディスク135に接触し密封する。止めネジ127を手で回すためのグリップ130が止めネジ127の頭面に設けられている。図13の取り付けアセンブリの変形版においては、取り付けディスク135を省き、ネジ127を図6の穴配置に対応する穴配置または他の適切な配置における中心穴に取り付けることもできる。この変形版においては、一連の穴は図8と同様にコンテナ壁に直接配設する。
【0025】
第4の実施形態の変形を図14に示す。取り付けアセンブリは、スタッド214を備え、スタッド214の軸線はコンテナ壁234に直角に配置されている。取り付けられたスタッド214から下方に、コンテナ壁234から離れる方向に、端に頚部220を有する漏斗状の部品219が延在している。頚部220は、プラスチック製の圧壊可能な袋207を取り付けるために使われ、図14にはその壁厚が大きく誇張されている。袋207は、ホースクランプ240によって頚部220に留め付けられる。スタッド214の穴は、漏斗状部品219の内腔に連通している。スタッド214は、コンテナ壁234の貫通穴にスナップ手段237によって固定された取り付けディスク235を介して、コンテナ壁234の平坦部に取り付けられる。取り付けディスク235には、多数の貫通穴が設けられている。つまり、中心穴239と、その周りに図6の穴配置と同様の矩形パターンで配置された周囲の8つの穴238とが設けられている。L字型の係止フックの端部228が中心穴239に貫入し、そこからシャフト227が直角に延在する。シャフト227の自由端から延在する螺刻部229がスタッド214の端壁231を通過する。取り付けた状態では端壁231がコンテナ壁234にほぼ平行に配置されるので、シャフト227の螺刻部229にねじ込まれた蝶ナット232を端壁231に対して締め付けると、スタッド214が取り付けディスク235に押し付けられる。スタッド214の開放端は、スタッド214の自由端面に設けられた環状溝に取り付けられたポリウレタンフォーム製リング233を介して取り付けディスク235に接触し密封する。あるいは、取り付けディスク235を省き、図6に対応する穴配置または他の何れか適切な穴配置の中心穴または他の何れかの穴にフック227、228を取り付けてもよい。この場合、一連の穴は、図8と同様の方法で、コンテナ壁に配設する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】取り付けアセンブリと圧壊可能な袋とから成る、本発明の均圧化装置を左側のコンテナ壁に2つ取り付けた貨物コンテナの端壁、側壁、および屋根の一部を取り除いた斜視図である。
【図2】図1の均圧化装置の一方の一部を同じ視座から拡大した図である。
【図3】図2の均圧化装置の取り付けアセンブリの一部を同じ視座からさらに拡大した図である。コンテナ壁は省かれている。
【図4】圧壊可能な袋の一部を図示した、図3に対応する軸方向の断面図(図7のC−C)である。
【図4a】取り付けアセンブリと圧壊可能な袋との間の連結を示す、図4の部分拡大図である。
【図5】取り付けアセンブリの吊り下げ装置の断面図(図3のB−B)である。
【図6】コンテナ壁に設けられたより大きな貫通穴を覆うロックディスクの貫通穴の配置の上面図(図3の視座と同じ方向)である。
【図7】取り付けた状態における図3の取り付けアセンブリの基端部の軸断面(図4のA−A)である。
【図8】本発明の均圧化装置の第2の実施形態による取り付けアセンブリを取り付けた状態の基端部を図7の視座に対応する視座から見た部分図である。
【図8a】図8の実施形態を取り付けられるようにコンテナ壁に設けられた貫通穴を密封するロック部の断面図である。
【図9】本発明の均圧化装置の第3の実施形態の斜視図である。
【図10】ドアの扉部を取り除いた貨物コンテナの部分斜視図である。
【図11】図10のコンテナのドア枠の戸じゃくりに取り付けられた、図10の実施形態の斜視図である。
【図12】図9の実施形態の枠の垂直断面図である。
【図13】本発明の均圧化装置の第4の実施形態を取り付けた状態の断面図である。
【図14】本発明の均圧化装置の第4の実施形態の変形版を取り付けた状態の軸断面図である。
【符号の説明】
【0027】

1,3・・・・コンテナ側壁
4,5・・・・コンテナ端壁
7,8・・・・均圧化装置袋
9,10・・・アセンブリ
14・・・・・スタッド
15・・・・・ホース
16・・・・・頚部
18・・・・・締め付け板
19・・・・・管
20・・・・・フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物コンテナ内の空気と周囲の外気との交換を減らすための装置であって、コンテナ内の第1の気積を湿気に敏感な積荷が格納されている第2の気積から隔てる、実質的に非弾性な可撓膜を備え、前記第1の気積が周囲の外気に連通し、外気圧と前記第2の気積内の気圧との差に応じて前記第1の気積の容積が変わりうる装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記膜の周縁に沿って延在する密封手段を備える装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記密封手段が矩形枠を備え、コンテナのドア開口部を前記膜で覆うように前記枠を取り付けることが可能な装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記枠が、枠をコンテナドアの戸じゃくりに接着するための接着剤を備える装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の装置であって、前記膜またはその一部分が透明である装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置であって、ドア開口部以外の第1の貫通開口部を通して前記第1の気積と前記周囲の外気との間で実質的に無制限な連通を可能にするために、前記密封手段が、前記第1の貫通開口部を有するコンテナ壁に前記膜を取り付けるためのアセンブリを備える装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記取り付けアセンブリが、前記第1の貫通開口部と前記アセンブリの残りの部分との間に介在する要素を備え、前記介在要素が前記第1の貫通開口部を覆うように介在要素自体を前記コンテナ壁に固定する手段を備え、また前記介在要素を前記取り付けアセンブリの前記残りの部分に固定するための第1の貫通穴と、前記第1の気積に外気を連通するための第2の貫通穴とを備える装置。
【請求項8】
請求項6に記載の装置であって、前記取り付けアセンブリが、前記第1の貫通穴に隣接して設けられた前記コンテナ壁の第2の貫通穴に前記取り付けアセンブリを固定する手段を備える装置。
【請求項9】
請求項6に記載の装置であって、前記取り付けアセンブリが取り付けスタッドと、前記取り付けスタッドからスタッド軸に略直角に延在する第1の管と、前記第1の管の外側または内側に摺動し密封するように配設され、前記スタッドに近い開放端と前記スタッドから遠い閉鎖端とを有する第2の管とを備え、前記第2の管が前記膜を気密固定するための頚部を有し、前記頚部が前記第2の管の閉鎖端から延在している装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記取り付けアセンブリが、前記コンテナ壁に固定されたラッシングアイに前記第1または前記第2の管を吊り下げる手段をさらに備える装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置であって、前記第2の管が前記第1の管に摺動し密封するように配設された波形管である装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、前記吊り下げ手段が前記第2の管を締め付け固定するように配置されている装置。
【請求項13】
請求項6に記載の装置であって、前記膜の全体的な形態が袋である装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置であって、前記第1の気積が前記第2の気積の最大10パーセントである装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置であって、前記第1の気積が前記第2の気積の最大6パーセントである装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、前記第1の気積が本発明による装置を2つまたはそれ以上備えて成る装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置であって、外気と前記第1の気積との間の連通の通気抵抗が、前記第2の気積から前記外気への漏気合計の通気抵抗の10パーセントまたはそれ以下である装置。
【請求項18】
請求項8に記載の装置であって、前記取り付けアセンブリが取り付けスタッドと、前記取り付けスタッドからスタッド軸に対して直角または斜めに延在し、前記スタッドと流体連通する管要素とを備え、前記管要素がその自由端に前記膜を密封固定する手段を備える装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記膜の全体的な形態が袋である装置。
【請求項20】
請求項18または19に記載の装置であって、前記固定手段がネジ手段を備える装置。
【請求項21】
請求項18〜20の何れか1項に記載の装置であって、前記固定手段がフック手段を備える装置。
【請求項22】
請求項1〜21の何れか1項に記載の装置を備えた貨物コンテナ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8a】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−508208(P2007−508208A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532240(P2006−532240)
【出願日】平成16年10月11日(2004.10.11)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001445
【国際公開番号】WO2005/035398
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506119246)アブソーテック エイシア パシフィック ピーティーイー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】