説明

握りクッション

【課題】寝ている間に無意識に空間を握ってしまう手の中に柔軟性のある握りクッションを偽装的に握らせて、手に入る力を拡散し、手を固く握らない状態に保って、やや開いた状態に保つことができる握りクッションを提供する。
【解決手段】指に嵌装する環状指装着部と、該指装着部に接続される略立方体で球状柔軟性素材を内部に収納した手のひらの中で軽く握れる程度の容積の握持部と、からなり、握持部は、その外形を果物や野菜の形に形成した綿素材または樹脂素材からなる握りクッションである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時または精神をリラックスするために指に装着する握りクッションに関し、特に握りクッションが無意識の状態で手のひらから離れないように継続的に指に装着させて置く適度な大きさと硬度を持つ握りクッションに関する。
【背景技術】
【0002】
業務の効率化を図る為にコンピュータ化が進行しており、コンピュータのキーボード操作は、現代では必須不可欠である。業務の電子化に伴い、目および指先を酷使する人が年々増え続けている。また、業務におけるコンピュータ操作以外にも娯楽でのゲーム機や携帯電話の操作等ではモニタを注視ししながら手元の機器のボタンを操作する機会が増えており同様に目と指先を酷使している人が多い。目と指先の過度の酷使により、精神的、肉体的に疲労が蓄積すると、夜の平安な睡眠が妨げてられたりすることがある。また、本人には自覚がないが、眠っている間に首や肩等に力が入り、歯ぎしりや歯を喰いしばったり、さらに、いびきをかく等の症状があらわれることがあり、起床時には「寝た気がしない」、「寝起きが悪い」、「首や肩が痛い」などの症状を訴える人が多い。
【0003】
通常睡眠は肉体疲労および精神疲労を回復させるために必要な手段であるが、一方で、適切な睡眠が取れずに、却って睡眠によって疲労を蓄積するタイプの人も存在し、このような症例では、疲労を回復する手段がなくなってしまうことも考えられる。熟睡を探究し、また、簡易な誘眠機器として各種の器具が開発されている。
【0004】
睡眠により疲労回復感を得られない上記のような症状を持っている人の多くは睡眠時に無意識に一種の緊張状態を作っており、緊張状態では睡眠時であるにも関わらず手を強く握りしめていることが多い。手を強く握りしめると、肩、首、肩甲骨等に力が入り、凝りの悪化の原因となることが判明している。例えば、睡眠時に無意識の下で手を強く握りしめている行動を何かによって制限できれば、睡眠時の緊張を緩和することが出来るとも考えられ、凝りの原因を排除することが可能となると考えられる。
【0005】
寝ている間であっても手を強く握り締めないように指を強制的に開かせて凝りの原因を排除できる指装着体のような機器が開発されているが、指が強制的に開かされている状態を保つことに緊張感を感じる人もいる。
そこで、指の圧迫に敏感な人のために、効果的で機器による強制が気になって睡眠を妨げてしまっている場合にも手を握らないようにする機器の開発が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】特開2004−181168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題を解決するために本発明の目的は、寝ている間に無意識に空間を握ってしまう手の中に柔軟性のある握りクッションを偽装的に握らせて、手に入る力を拡散し、手を固く握らない状態に保って、やや開いた状態に保つことができる握りクッションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る握りクッションは、指に嵌装する環状指装着部と、該指装着部に接続される略立方体で球状柔軟性素材を内部に収納した手のひらの中で軽く握れる程度の容積の握持部と、からなる構成である。
また、握持部は、その外形を果物や野菜の形に形成した綿素材または樹脂素材からなる構成である。また、握持部を、動物の立体形状とすることもできる。動物の立体形状をした握持部は、外表面の一部にシリコンまたは天然ゴムからなる突起が突設させて形成することも可能である。
【0009】
また、握りクッションは、先端部のない手袋の各指部に握持部を係合する係合孔が穿設されている構造とすることもできる。さらに、環状指装着部は、太い糸や伸縮性のある素材で環状に形成される構成とすることも可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る指装着体は、上述のような構成であるので以下のような効果を奏するものである。
(1)握りクッションの環状指装着部を指に装着して握りクッションを手のひらに握るようにして睡眠することにより、指先が柔らかいクッションに触れていることで安心感や心地よさを感じながら睡眠に入れるので効果的な誘眠が実現できる。
(2)握持部の形状を果物や野菜の形にすることにより、緊張感が少なくなるという効果がある。また、綿や樹脂系の柔軟素材を使用することにより、強く握りしめてもクッションがあるので力が入りにくく、首や肩への緊張も少なくなる。
【0011】
(3)また、握持部を動物の立体形状にすることにより、癒し効果を上げることができる。
(4)動物の立体形状にさらにシリコンや天然ゴムからなる突起を突設してその部分を自由につまんでいられる部分とすることや、幼児のおしゃぶりにすることにより、幼児用として利用することも可能である。
(5)手袋を装着して、握りクッションを、手袋の指部に係合させる構成にすれば、安全確実に握りクッションを把持することができる。
(6)寝ている状態で位置がずれても環状の指装着部が太い糸や伸縮性のある素材で形成されていれば、手からはなれることはないので常に安定した状態で握りクッションを把持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る握りクッションを、図面に開示した実施例に基づいて詳細に説明する。図1は本件発明に係る握りクッションを指に装着した状態の斜視図である。図2は握りクッションの環状指装着部の長さを示す斜視図であり、図3は環状指装着部の輪の形状を示す斜視図である。図4は手袋の一例を示す平面図であり、図5は動物の形状の握持部の例を示す斜視図である。
本発明にかかる握りクッション10は、環状指装着部20と、握持部30と、からなり、図2、図3からも明らかな通り立体からなる握持部30の一部に指輪状の環状指装着部20が取り付けられた構成である。
【0013】
環状指装着部20は、握りクッションを利用する人の指に嵌装される環状体であり、指の太さよりやや太い径からなる。環状指装着部20を付ける指はどの指であっても良いが、一般的には人差し指・中指・薬指が適当と考えられる。寝ている間に握りクッション10が指から抜けて離れてしまうことのないように、環状指装着部20を弾力性または伸縮・柔軟性のある素材で形成することが考えられる。または、締結具で堅固に装着することも可能で、面ファスナ(ベルクロファスナ)で止める構成とすることも可能である。さらに、環状指装着部20の幅は指の付根から中節までの幅とすることができる。
【0014】
また、環状指装着部20は、太い糸や伸縮性のある素材で環状に形成されている形状が考えられる。または、紐状で指に巻きつけて結んで装着することも可能である。また、人口樹脂素材の環状体22または金属性の環状体であってもよい。さらに、環状である必要はなく、環状体の一部が解放されていて貫通孔に係合できる構成であってもよい。
【0015】
握持部30は、略立方体からなる球状の袋体であり、球状の柔軟性ある素材を内部に収納した構成である。内部に収納する素材は、顆粒状、ゼリー状の物質、発砲スチロール等のフォーム材、スポンジや綿/布その他の柔軟性素材であればどのような素材であっても封入可能である。全体の大きさは、最大で手のひらの中で軽く握れる程度の容積の球体からなり、最小では手のひらを握った時に指先が手のひらに触れない程度のおおきさが適当である。また、握持部30には、環状の指装着部が縫着または別の方法により取り付けられている。
【0016】
握持部30は、その外形を果物や野菜その他の親しまれた形状であるお菓子や乗り物・人形・かばん・家・家具・運動具等々の形に形成することができる。また、握持部30の外側の素材は綿素材、シルク素材、ポリエステルのような肌触りのよい素材が考えられるが、合成ゴムや天然ゴムを利用して風船状に空気を挿入してもよい。ただし、外面の素材はこれらの素材に限定されることはない。
【0017】
また、握持部は、立体の動物形状32とすることが可能である。幼児が慣れ親しんだ動物の形状にすることにより安心して握りクッションを把持するこが可能となり、誘眠効果も大きくなる。
【0018】
図5に示す実施例では、動物の立体形状をした握持部32の外表面の一部にシリコンまたは天然ゴムからなる突起34を突設している。この突起34は犬の鼻や口の形状とすることにより幼児が指で触ったりつまんだりして安心が得られるような突起であり、就寝時に指で触っていたり、しゃぶったりする可能性がある。これにより、より効果的に精神的な安定が得られる。
【0019】
特に指先は身体の中でも敏感な部分であり、指先への心地よさが加わるとさらに副交感神経が優位になり、脳をリラックスさせ、誘眠効果が高まることが知られている。
また、おしゃぶりの効果も大きく、普通のおしゃぶりでは、睡眠と同時に口から外れてしまう可能性が高く、掛け布団や枕の下に入ったりして、夜中に目が覚めた時に使用できないことが往々にしてあるが、この実施例の構造では、手の指に装着されているので、口から外れてもすぐに利用できる利点がある。
また、おしゃぶりに替えて指しゃぶりを続ける子供にも、指でつまむ形式の本発明の構造は指しゃぶりをなくす効果が期待できる。この時は、親指に装着する事で、親指しゃぶりを防止する効果が期待できる。
【0020】
図4に示す実施例では、先端部のない手袋40が利用されており、先端部のない手袋の各指部の先端付近に、握持部を係合するための係合孔42が穿設されている。この係合孔42に握りクッションを装着してもよいが、係合する構成であってもよい。手袋40の形状は就寝時であるので、先端部のない手袋を利用しているが、通常の先端部まである手袋を利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本件発明に係る握りクッションを指に装着した状態の斜視図
【図2】握りクッションの環状指装着部の長さを示す斜視図
【図3】環状指装着部の輪の形状を示す斜視図
【図4】手袋の一例を示す平面図
【図5】動物の形状の握持部の例を示す斜視図
【符号の説明】
【0022】
10 握りクッション
20 環状指装着部
22 その他の環状指装着部
30、32 握持部
34 突起
40 手袋
42 係合孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
指に嵌装する環状指装着部と、該指装着部に接続される略立方体で球状柔軟性素材を内部に収納した手のひらの中で軽く握れる程度の容積の握持部と、からなることを特徴とする握りクッション。
【請求項2】
前記握持部は、その外形を果物や野菜の形に形成した綿素材または樹脂素材からなることを特徴とする請求項1記載の握りクッション。
【請求項3】
前記握持部は、動物の立体形状であることを特徴とする請求項1記載の握りクッション。
【請求項4】
前記動物の立体形状をした握持部は、外表面の一部にシリコンまたは天然ゴムからなる突起が突設されていることを特徴とする請求項3記載の握りクッション。
【請求項5】
前記握りクッションは、先端部のない手袋の各指部に握持部を係合する係合孔が穿設されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の握りクッション。
【請求項6】
前記環状指装着部は、太い糸や伸縮性のある素材で環状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の握りクッション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−63563(P2010−63563A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231656(P2008−231656)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(505146456)有限会社 磯崎健康企画 (7)
【Fターム(参考)】